JP2008025027A - 真空チャンバ用レーザ加熱装置及び真空プロセス用装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】真空チャンバ内に取り付けられた段差のある孔を有する試料ホルダと、該試料ホルダ近傍の真空チャンバ壁に設けられた光透過窓と、真空チャンバ外に配置されたレーザ光源とを有し、前記試料ホルダの孔に落とし込んで保持した試料の背面にレーザ光を直接照射可能な構成としたことを特徴とする真空チャンバ用レーザ加熱装置。真空チャンバと、該真空チャンバに取り付けられた前記真空チャンバ用レーザ加熱装置とを有することを特徴とする真空プロセス用装置。
【選択図】図1
Description
特許文献1記載の加熱方法は、真空チャンバ外部にある赤外線ランプを石英ロッドで導光させる必要があり、大気側から真空側へO−リング等を介して石英ロッドを挿入させている。このような真空シールを用いた場合は、十分な真空度が得られない。また、赤外線ランプは寿命が短いため、コストやメンテナンス性の観点からも好ましくない。
半導体結晶などの高品質な結晶成長のためには、蒸着のための原料またはガスなどを供給していない状態で、1.0×10−9Torr以下、好ましくは1.0×10−10Torr以下の超高真空が必要とされている。アウトガスなどの発生で真空度が悪化した状態で結晶成長を行うと結晶に不純物が混入し、結晶や薄膜の品質を低下させてしまう。そのため、前述したような赤外線ランプ加熱装置やレーザ加熱装置ではヒーターや基板ホルダ、可動部からのアウトガスにより真空度の悪化が起こり、十分な結晶品質を得ることが難しかった。
前項に記載した真空度とは蒸着のための原料またはガスなどを供給していない状態での真空度をさしており、以降に記述する真空度もこれに順ずる。
また、試料のみを加熱することができるので、試料ホルダなどからのアウトガスが無く、1.0×10−10Torr以下の超高真空雰囲気下で高温処理を行うことが可能となる。
また、試料のみを加熱することができるので、試料ホルダなどからのアウトガスが無く、1.0×10−10Torr以下の超高真空下で高温処理を行うことが可能となり、不純物の混入が極めて少ない高品質の結晶や薄膜を得ることができる。
図1は、本発明の真空チャンバ用レーザ加熱装置及び真空プロセス用装置の一実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の真空プロセス用装置は、本発明に係る真空チャンバ用レーザ加熱装置1と、真空チャンバ2とを備えて構成されている。
また、試料5のみを加熱することができるので、試料ホルダ3などからのアウトガスが無く、1.0×10−10Torr以下の超高真空雰囲気下で高温処理を行うことが可能となる。
さらに、レーザ光源6の出射端を可動にすることで、試料5の位置を動かすことなく位置あわせが可能となる。
この分子線エピタキシー装置10は、成膜室である真空チャンバ13と、その内部に配置され、真空チャンバ13の内壁の形状に合わせて設けられたシュラウド14と、本発明に係る真空チャンバ用レーザ加熱装置12と、シュラウド14内に挿入された複数個の分子線セル16A,16Bとを備えて構成されている。
また、被処理基板15のみを加熱することができるので、試料ホルダとしてのマニピュレータ11などからのアウトガスが無く、1.0×10−10Torr以下の超高真空雰囲気下で高温処理を行うことが可能となり、不純物の混入が極めて少ない高品質の薄膜を得ることができる。
本発明を用いた分子線エピタキシー装置を説明する。図4にレーザ加熱分子線エピタキシー装置の概要を示す。レーザ光源には、波長808nm、光出力140Wの半導体レーザ127を用いた。半導体レーザ127から出射されたレーザ光は、光ファイバ128を介してレンズユニットに導光される。レンズユニットはxyz軸の3軸に可動なステージに保持されているため、レンズユニットからの出射光をxyz軸方向に可動させることができる。本実施例ではレンズユニットに、導光されたレーザ光をφ10mmの平行光130に拡げるコリメートレンズ129を用いた。レンズユニットから出射されたφ10mmの平行光130は波長808nmの光に対して0.1%以下の反射率を持つ反射防止膜を両面に備えた石英透明窓131を介して、真空チャンバ137内部へ導光される。
本発明を用いた分子線エピタキシー装置を説明する。図5にレーザ加熱分子線エピタキシー装置の概要を示す。レーザ光源には波長808nm、光出力140Wの半導体レーザ139を用いた。半導体レーザ139から出射されたレーザ光は、光ファイバ140を介してレンズユニットに導光される。レンズユニットはxyz軸の3軸に可動なステージに保持されているため、レンズユニットからの出射光をxyz軸方向に可動させることができる。本実施例ではレンズユニットに、導光されたレーザ光をφ10mmの平行光142に拡げるコリメートレンズ141を用いた。レンズユニットから出射されたφ10mmの平行光142は波長808nmの光に対して0.1%以下の反射率を持つ反射防止膜を両面に備えた石英透明窓143を介して、真空チャンバ150内部へ導光される。
本発明を用いた別の実施例の分子線エピタキシー装置を説明する。図8に別の実施例のレーザ加熱分子線エピタキシー装置の概要を示す。レーザ光源には波長808nm、光出力140Wの半導体レーザ152を用いた。半導体レーザ152から出射されたレーザ光は、光ファイバ153を介してレンズユニットに導光される。レンズユニットはxyz軸の3軸に可動なステージ156に保持されているため、レンズユニットからの出射光をxyz軸方向に可動させることができる。本実施例ではレンズユニットに、導光されたレーザ光を集光する集光レンズ154を用いた。本実施例の構成ではz方向に可動なステージ156を有しているため、レンズユニットから出射された集光光155はz方向の調整により、レーザ光の焦点位置を変えることが可能となり、被処理基板158を集光により局所的に加熱または散光により全体加熱が可能となる。
また、集光光155は実施例1と同様に、波長808nmの光に対して0.1%以下の反射率を持つ反射防止膜を両面に備えた石英透明窓157を介して、真空チャンバ163内部へ導光される。
従来の技術である抵抗加熱装置による加熱の例として、図9にタンタル(Ta)ヒータの抵抗加熱分子線エピタキシー装置の概要を示す。図9中、符号165は抵抗加熱ヒータ、166は基板温度測定用熱電対、167は被処理基板、168はマニピュレータ、169は分子線セル、170は真空チャンバ、171は液体窒素シュラウドである。抵抗加熱装置では熱源であるヒータが真空チャンバ内部にあるため、ヒータ自身からのアウトガスによりチャンバ内の真空度を悪化させてしまう。本比較例では400℃からアウトガスの発生が始まり、900℃程度では1.0×10−8Torrのアウトガスを発生させてしまった(表1及び図7参照)。
Claims (7)
- 真空チャンバ内に取り付けられた段差のある孔を有する試料ホルダと、該試料ホルダ近傍の真空チャンバ壁に設けられた光透過窓と、真空チャンバ外に配置されたレーザ光源とを有し、前記試料ホルダの孔に落とし込んで保持した試料の背面にレーザ光を直接照射可能な構成としたことを特徴とする真空チャンバ用レーザ加熱装置。
- 前記レーザ光源の出射端が可動であり、レーザ光源本体を固定したまま、レーザ光照射位置を変更可能な構成としたことを特徴とする請求項1に記載の真空チャンバ用レーザ加熱装置。
- 前記レーザ光源の出射端が可動であり、レーザ光源本体を固定したまま、前記レーザの光軸に対して平行に可動することが可能な構成としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の真空チャンバ用レーザ加熱装置。
- 前記試料ホルダの孔に落とし込んで保持した試料の背面に金属体を設置し、レーザにより金属体を加熱し、その金属体からの熱伝導により試料を加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空チャンバ用レーザ加熱装置。
- 真空チャンバと、該真空チャンバに取り付けられた請求項1〜4に記載の真空チャンバ用レーザ加熱装置とを有することを特徴とする真空プロセス用装置。
- 100℃〜1400℃の温度範囲で1.0×10−9Torr以下の超高真空が得られる請求項5に記載の真空プロセス用装置。
- 100℃〜1400℃の温度範囲で1.0×10−10Torr以下の超高真空が得られる請求項5に記載の真空プロセス用装置。
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