JP2008022065A - エリア品質情報取得システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システムへ過大なトラフィック負荷をかけることなくユーザー端末からエリア品質情報を収集する。
【解決手段】保守装置OMC(307)は、基地局BTS(301)を介して無線端末AT(305)に確認信号を送信し(S400)、無線端末(305)から無線端末の識別子を受信する(S410)。OMC(307)は、基地局の識別子に対応して、受信された無線端末の識別子を記憶する(P410)。OMC(307)は、基地局(301)から取得したパフォーマンス値が予め定められた制限値以下の場合に、基地局の識別子に対応する無線端末の識別子を読み出す。OMC(307)は、無線端末(305)に対して情報の取得指示を送信する(S420)。OMC(307)は、無線端末(305)から、無線端末の位置情報と、その位置における無線端末と基地局間の無線情報とを含むエリア品質情報を取得する(S430)。
【選択図】図4

Description

本発明は、エリア品質情報取得システムに係り、特に、無線通信システムによって形成される無線エリアの品質情報を取得するエリア品質情報取得システムに関する。
近年、無線通信システムにおいては、音声通話に加えデータ通信の需要が大きくなり、より高速・高品質な無線通信を実現する上で、様々な通信方式が採用されてきた。通信方式の例としては、音声等のユーザー信号を符号拡散のうえ多重化し通信を行うCDMA(Code Division Multiple Access)や、データ通信に特化した1xEV−DO(1x Evolution − Data Only)などが普及し、移動通信環境においても、ユーザーには多彩な通信が許容される。こうした種々の無線通信方式を活かす上では、基地局が送信する電波で形成される無線エリアの品質が、無線通信方式が要求する品質条件(干渉条件)を満足している必要がある。無線のエリア品質が所要の条件を満足できない環境においては、いかなる高速無線通信方式であっても、その真価が発揮されにくい。
キャリア(通信事業者)は置局設計時に、無線エリアで所要の品質が確保されるべく、シミュレーション等の机上検討で得られた最適な置局条件に従い、実際のサイトに基地局を設置する。ところが、実際のサイト、特に人口密集地では、ビル建設などにより地勢が月日と共に変化し、同時に電波の伝搬環境も変化する。伝搬環境の変化は、無線通信サービスのサービサビリティやユーザー満足度に大きく影響することから、キャリアは定期的に無線エリアの品質をチェックし、無線通信方式が本来持つ性能をユーザーに提供出来ているか確認する必要がある。また、ユーザークレームの発生に対しては、すぐさまクレーム対象地点のエリア品質を確認し、無線設備の不具合あるいは無線環境のいずれの要因によるかを迅速に判断する必要がある。この結果によっては、無線設備の修理・補修、あるいは環境要因による影響を回避すべくアンテナ等の設備設置状態を変更する必要が生じる。
また今後、無線通信システムでのVoIP(Voice over IP)サービスが展開される上では、例えば音声のようなリアルタイム性が要求される通信サービスに対し、無線回線を優先的に割り当てるといったQoS(Quality of Service)機能が重要となる。この機能を無線通信システム上で実現する上では、QoS機能を持たない従来の無線通信システムが要求するエリア品質に比べ、より高いエリア品質が常に要求される。
以上のことから、エリア品質の確認は、無線通信サービスを提供するキャリアにとって重要な作業であり、これを如何に容易に行えるかは重要な課題のひとつである。
図1は、従来のエリア品質チェックの作業形態の一例である。
こうした無線エリアのエリア品質チェックは、一般に次の工程が行なわれる。まず、車輌に電波測定機材と測位装置(GPSなど)を搭載し、被測定エリア内を走行しながら、同時に電波測定と測位を行う。電波測定結果および測位情報は、走行中連続して記録装置に記録される。測定の全てが終了した後、測定結果を地図上にマップマッチング処理(例えば、地図上の測位位置に、電波の受信強度を色別で表示させる処理)を行い、この処理結果を見ることで対象エリア内におけるエリア品質の面的把握が可能となる。例えば、測定された送受信電力、搬送波対干渉波比、および位置情報を使い、地図上で対応する位置に色別で値の高低が表現されるマップマッチング図を確認することにより、対象エリア内の弱電界領域や、呼処理性能劣化領域を容易に把握できる。こうした情報を把握することで、基地局設備の設置条件(例えばアンテナ方位や基地局送信電力など)を変更・調整し、対象エリア内の電波状況を改善することが出来る。
また、ユーザー端末を利用し、ユーザー端末が何らかの契機で電波情報を基地局側へ送信することで、上位保守装置がその電波情報をサーバに蓄積し、その情報を必要な形態(例えば、電波情報のマップマッチング)に自動的に編集するといった、エリア品質情報取得に関する案が提案されている。
例えば、特許文献1には、移動機から送信される該移動機の位置情報と無線品質の測定値を受信する位置情報・測定値受信手段とを備え、該受信した位置情報と無線品質の測定値を地図上に展開する装置が開示されている。特許文献2には、定期報告タイマがタイムアウトになると、移動局の位置情報と品質情報とが基地局に報告されるシステム及び方法が開示されている。特許文献3には、測定開始条件に該当すると、携帯電話機について、発信・休止を指定回数繰り返し行い、各所に設置された携帯電話用アンテナとの間の通信品質を測定することが開示されている。また、測定値送信条件に該当すると、測定値を携帯電話機から、データ収集センターの通信端末に送信することが開示されている。
特開2002−152104号公報 特開2000−341204号公報 特開2002−335202号公報
従来はエリア品質を確認するために、強化型電源設備を持つ特殊車輌を用意する必要があり、さらにこの車輌に搭乗し運転・走行ルートのナビゲーション・測定機材監視を行なう人員の確保も必要であった。このためエリア品質の確認には、設備・機材費および人件費など莫大な費用と工数が発生していた。こうした費用と工数を低減する策のひとつとして、一般ユーザーの端末から必要な情報を定期的に基地局側(上位サーバ)へ送信させることが考えられる。しかしながら、送信の契機、端末で取得する情報の内容、対象となる端末の数など、これら情報を適切に制御しなければ、エリア品質情報だけで無線回線容量を逼迫させる事態になる可能性がある。また、一般ユーザー端末からの情報取得を想定した場合、ユーザーの端末利用を阻害することの無いような動作制御も必要である。
こうした課題のもとで、上記特許文献1に開示された技術は、端末の送信契機が固定的であり、無線回線の混み具合やユーザー端末の利用状態に大きく影響を与える場合がある。また、必要なエリア(局)に限定した情報取得が出来ず、不要なデータトラフィック負荷をシステム与える場合がある。なお、特許文献1に記載の専用サーバは、測定開始のための指令を出力するのみである。
また、上記特許文献2に開示された技術は、完全端末主導での情報送信であり、ユーザークレーム対応等で臨時に所望のエリアのエリア品質確認を行ないたい場合には不向きである。
上記特許文献3に開示された技術は、交通手段等に電波品質測定のための装置を搭載したものであり、ユーザーの端末を用いたものではない。また、測定開始の条件、測定値送信の条件として、時刻指定、ポイント指定等しているが、トラヒック負荷、ユーザーの端末利用等については考慮されていない。
本発明は、以上の点に鑑み、実際のエリア状況に応じてエリア品質情報の取得条件を設定することで、事前に承諾を得ているユーザー端末からエリア品質情報を収集し、エリア品質情況確認が行なえるエリア品質情報取得システムを提供することを目的とする。また、本発明は、保守装置経由で予め設定したエリア品質取得条件により、定期情報取得と臨時情報取得のいずれも可能とすることを目的とする。
本発明は、定期的にエリア品質情報を取得したい場合、保守装置からエリア品質情報の取得条件を無線基地局経由でユーザーの汎用端末に設定することで、設定された汎用端末は条件に従って定期的にエリア品質情報を保守装置へアップロードすることを目的とする。また、特殊な測定機材を必要とする既存の電波測定作業を行なうことなく、エリア品質情報を取得すること目的とする。本発明は、臨時でエリア品質情報を取得したい場合にも、同様な工程を踏むことで、容易にエリア品質情報を取得することを目的とする。
また、本発明は、エリア品質情報取得条件を細かく設定することで、無線通信システムに不要なデータトラフィック負荷をかけることなく、ユーザー端末からのエリア品質情報の収集を実現することを目的のひとつとする。本発明は、エリア品質情報をアップロードさせるユーザー端末を、システム内の各装置におけるパフォーマンス状態見合いで保守装置が決定し、エリア品質情報取得中もパフォーマンス状態見合いで保守装置がエリア品質情報収集の停止指示を発行することを目的のひとつとする。これにより、過剰なシステム負荷を発生させることなく、エリア品質情報の取得が実現することを目的のひとつとする。
更に、本発明は、保守装置からユーザー端末へのエリア品質情報取得指示、およびユーザー端末から保守端末への情報報告といったユーザー端末−保守装置間のやりとりを、全てアプリケーションレイヤで行われるため、無線通信システムの方式や準拠する標準仕様に影響されないシステムを提供することを目的のひとつとする。本発明は、既存システムへハードウェア的な変更のインパクトを与えずに、既存の無線通信システム上で容易に実現することを目的のひとつとする。
上記目的を達成するため、本発明は、事前に承諾の得られたユーザーが持つ無線通信用の汎用端末において、上位保守装置の指示で動作する専用アプリケーションが、元々その汎用端末に搭載されているオペレーティングシステムやアプリケーションプラットフォームを利用する。汎用端末は、上位保守装置が指定する条件に従い、汎用端末が取得したエリア品質情報を上位保守装置へアップロードするものである。
専用アプリケーションを汎用端末にインストールすることは、事前にユーザーの同意が得られているとの前提であり、この専用アプリケーションがエリア品質情報をアップロードする際に発生する呼接続に対しては、課金が免除される。また、エリア品質情報のアップロード回数に応じ、ユーザーへの課金値引き、あるいは特典付与など何らかの形で優遇されることもできる。
こうしたエリア品質情報取得における移動体通信システムとユーザー端末との連携が、本発明の要点のひとつである。
また、無線エリア品質の情報取得で、過剰なシステム負荷がかからぬよう、保守装置がシステム負荷見合いで情報取得を制御することを特徴のひとつとする。無線エリア品質の情報取得で、過剰なシステム負荷がかからぬよう、保守装置がシステム負荷見合いでアップロードさせる前期汎用端末を自立的に選択・制御することを特徴のひとつとする。
本発明の第1の解決手段によると、
複数の無線端末と通信し、及び、自装置のスループット、呼接続数若しくはユーザ収容状況を示すパフォーマンス値を測定して出力する基地局と、
前記基地局のパフォーマンス値に従い、前記基地局の無線エリアのエリア品質情報を取得するための保守装置と
を備え、
前記保守装置は、
前記基地局を介して複数の前記無線端末に確認信号を送信し、
該確認信号を受信したひとつ又は複数の前記無線端末から送信される、該無線端末の識別子を受信し、
前記基地局の識別子に対応して、受信された前記無線端末の識別子を記憶し、
前記基地局のパフォーマンス値を、前記基地局から取得し、
取得されたパフォーマンス値が予め定められた制限値以下の場合に、前記基地局の識別子に対応する第1の無線端末の識別子を読み出し、
読み出された前記第1の無線端末の識別子に従い、該第1の無線端末に対して情報の取得指示を送信し、
該取得指示に従い前記第1の無線端末から送信される、該第1の無線端末の位置情報と、該位置における第1の無線端末と前記基地局間の無線情報とを含むエリア品質情報を取得するエリア品質情報取得システムが提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
複数の無線端末と通信し、及び、自装置のスループット、呼接続数若しくはユーザ収容状況を示すパフォーマンス値を測定して出力する基地局と、
前記基地局の無線エリアのエリア品質情報を取得するための保守装置と
を備え、
前記保守装置は、
前記基地局のパフォーマンス値を、前記基地局から取得し、
取得されたパフォーマンス値に基づき、前記無線端末からの情報の送信周期を決定し、
前記無線端末が取得する無線情報の種別と、送信期間と、決定された送信周期とを含む取得条件を設定し、
設定された取得条件と取得指示とを、前記無線端末に送信し、
該取得指示に従い、決定された送信周期毎に前記無線端末から送信される、該無線端末の位置情報と、該位置における無線端末と前記基地局間の無線情報とを含むエリア品質情報を取得するエリア品質情報取得システムが提供される。
本発明によれば、定期的にエリア品質情報を取得したい場合、保守装置からエリア品質情報の取得条件を無線基地局経由でユーザーの汎用端末に設定することで、設定された汎用端末は条件に従って定期的にエリア品質情報を保守装置へアップロードすることができる。このことで、特殊な測定機材を必要とする既存の電波測定作業を行なうことなく、エリア品質情報を取得することが可能となる。本発明によると、臨時でエリア品質情報を取得したい場合にも、同様な工程を踏むことで、容易にエリア品質情報を取得することが可能となる。
また、既存の発明と異なり、本発明によると、エリア品質情報取得条件を細かく設定できることで、無線通信システムに不要なデータトラフィック負荷をかけることなく、ユーザー端末からのエリア品質情報収集が実現できる。本発明によると、エリア品質情報をアップロードさせるユーザー端末は、システム内の各装置におけるパフォーマンス状態見合いで保守装置が決定し、エリア品質情報取得中もパフォーマンス状態見合いで保守装置がエリア品質情報収集の停止指示を発行することができる。これにより、過剰なシステム負荷を発生させることなく、エリア品質情報の取得が実現できる。
更に、本発明によると、保守装置からユーザー端末へのエリア品質情報取得指示、およびユーザー端末から保守端末への情報報告といったユーザー端末−保守装置間のやりとりは、全てアプリケーションレイヤで行われるため、無線通信システムの方式や準拠する標準仕様に影響されない。よって本発明によると、既存システムへハードウェア的な変更のインパクトを与えずに、既存の無線通信システム上で容易に実現できる。
(システム構成)
図2および図3は、本実施の形態の移動体通信システム(無線通信システム)のシステム構成図である。
本通信システムは、無線基地局(BTS)301と、無線端末(ユーザーが持つ汎用端末、AT)305と、無線基地局制御装置(BSC)306と、保守装置(OMC)307と、OMCサーバ308とを備える。さらに、課金処理システム310を備えても良い。
ゾーン1(303)内でユーザーが持つ汎用端末AT(305−1)が基地局BTS1(301)と通信している。BTS1(301)とBTS2(302)は、有線にて接続された基地局制御装置BSC(306)を介して、IPネットワーク等の公衆網(309)、課金処理システム(310)、および保守装置OMC(307)と接続されている。OMC(307)は、OMC(保守)サーバ(308)と接続されている。
無線端末AT(305)、無線基地局BTS1(301)、無線基地局制御装置BSC(306)、保守装置OMC(307)およびOMCサーバ(308)の場合で説明する。
AT(305)は、汎用の無線端末であり、呼接続のためのユーザーインタフェース、BTS1(301)との無線通信、測位機能を実現する。BTS1(301)は、ATとの無線通信機能、トラフィクデータのブロードキャスト機能を実現する。BSC(306)は、コネクション制御、局間切替制御(ハンドオフ制御)、接続されるBTSに対するトラフィックデータのブロードキャスト機能、課金情報制御といった機能を実現する。さらにOMC(307)およびOMCサーバ(308)は、システム管理者による操作を可能とするための入出力インタフェースと表示装置を具備し、エリア品質情報取得のための設定情報(条件情報)の生成、収集されたエリア品質情報の集計およびマップマッチング処理、および収集データのOMCサーバ(308)への保存といった機能を実現する。
(動作)
図4は、本実施の形態におけるエリア品質情報取得からアップロードに至る動作のシーケンス図である。
先ず初めに、例えば、移動体通信システムでATがBTS別に何台存在するかを把握する目的で、OMC(307)からAT(305)に対し、BSC(306)およびBTS1(301)を介して、端末確認信号を送信する(S400)。なお、複数のBTSを介して複数のエリアのATに送信してもよい。予め、エリア品質情報取得・アップロードのための専用アプリケーションがインストールされているAT(305)(以降、対象端末と呼ぶ)が、この端末確認信号を受信すると(S400−4)、このAT(305)がOMC(307)に向けて、接続情報をBSC(306)およびBTS1(301)経由で送信する(S410)。なお、専用アプリケーションが予めインストールされていないATは、端末確認信号を無視する。
ここでの接続情報には、例えば、AT(305)が現在呼接続している又は通信可能な対象の局(BTS)またはセクタの識別子(PN)、ATの位置情報(緯度・経度情報)、およびATが持つユニークな識別情報(識別番号等の適宜の識別子)が含まれる。
端末確認信号(S400)に対する応答としてステップS410で接続情報を受信したOMC(307)は、BTS別に何台の対象のATが存在するかをリストアップする(P410)。例えば、受信された接続情報に含まれるBTSの識別子に基づき、BTS毎に接続情報の受信数をカウントし、BTSの識別子毎にカウント値を記憶する。また、BTSの識別子毎にATの識別情報を記憶する。
なお、接続情報(S410)に含まれる位置情報を利用すれば、OMC(307)は、この接続情報(S410)をもとに、地図上にATが存在する位置を描画することや、局別にユーザー数のリストを作成することも可能である。また、OMC(307)は、作成されたリストを表示してもよい。
システム管理者は、こうしてOMC(307)にて作成され、表示された情報を確認することで、エリア品質を確認したい対象エリアまたは対象局付近に、エリア品質を判断するのに十分な数のATが存在するか把握できる。こうしたATの接続情報をもとに得られた情報を使い、ステップP420において、エリア品質情報の取得条件をシステム管理者が判断し、OMC(307)に設定するようにしてもよい。
次に、OMC(307)は、エリア品質情報の取得条件を設定する(P420)。ここで設定するエリア品質情報の取得条件としては、例えば、無線情報の種別、取得期間(送信期間)、取得周期(送信周期)、AT条件などがある。無線情報の種別は、ATが通信方式上、取得・計算している電波情報を用いることができる。例えば、受信電界強度RSSI(Received Signal Strength Indicator)[dBm]、搬送波対干渉波比C/I(Carrier to Interference Noise Ratio)[dB]、ATが通信を行っている対向の局・セクタの識別子PN(Pseudo Noise)コード、搬送波電力C[dBm]、チップ当たりの受信パイロット電力対全受信スペクトル密度比Ec/I0[dB]などである。これらの各無線情報の予め識別子を割り当て、この識別子のひとつ又は複数を選択することができる。ATで取得・計算される情報は無線通信方式により異なるが、各方式で通信品質を維持する上で必要な無線情報は、あらゆる汎用端末の内部で取得・計算されており、本実施の形態では、そうした既存の汎用端末が元々内部で保有している無線情報を利用することができる。
取得期間は、取得情報をATが送信する期間を示す。取得周期は、ATが取得情報を送信する周期、又は、ATが取得情報を抽出してメモリに記憶する周期を示す。
AT条件とは、エリア品質情報をOMC(307)へ送信させるATを選別するための条件である。エリア品質情報を送信するには、本実施の形態では、事前にATに専用アプリケーションがインストールされているが、専用アプリケーションがインストールされているAT全てが、必ずしもエリア品質情報を送信するATとして利用される訳ではない。無線通信システムに不要なデータトラフィック負荷がかかるのを防ぐために、既に収容しているユーザー数や局・セクタ単位のトータルスループット値により、エリア品質情報を送信させるATの数を適正化する。
このためにOMC(307)には、システム管理者によって事前にシステム制限条件(制限値)αが設定されている。システム制限条件αとは、局・セクタ単位でのトータルスループット、呼接続数などのユーザー収容状況を示すパフォーマンス値に対し、エリア品質情報取得のための通信を許容する上限値を意味する。なお、αは必ずしも1つの値で表現されるものではない。システムのパフォーマンスを複数のパラメータによって判断する必要がある場合には、αもパラメータ毎に存在する。ここでは、複数存在し得るシステム制限条件を総称してαと述べている。基本的にOMC(307)は、このシステム制限条件αの範囲内でエリア品質情報を取得するように動作する。このため、OMC(307)は、エリア品質情報取得で経由する全てのBTSおよびBSCのパフォーマンス値を常時監視している。なお、対象となるBTS、BSCについて、その都度パフォーマンス値を取得してもよい。
よってAT条件は、システム管理者によって任意に指定することも可能であるが、OMC(307)がBTSやBSCのパフォーマンス値見合いで、エリア品質情報を送信するATを自立的に指定することも可能である。また、OMC(307)が、BTSと接続・通信するAT数が予め定められた数以上であり、かつ、パフォーマンス値が所定の条件αを満たすようなBTSを選び、そのBTS内の複数のATを選んでもよい。これにより、例えば、該当BTSがカバーする広い範囲のエリアについて、エリア品質情報を取得することができる。
図5は、対象端末選択のための保守装置OMCの動作に関するフローチャートである。OMC(307)が自立的にエリア品質情報を送信するATを指定する手順について、図5のフローチャートを参照して具体的に述べる。図4のS410、P420の処理に相当する。
OMC(307)は、接続情報を受信することで(501、図4:S410−4)、どの局(セクタ)にどのATが接続されているか把握可能である。OMC(307)は、エリア品質情報を取得する対象局(BTS)およびそれに接続されるBSCのパフォーマンス値を収集する(502)。エリア品質情報を取得する対象局は、例えば、定期的な情報取得の場合には、予め定められたスケージュールに従い決定することができる。また、臨時的に特定のBTSの情報を取得したい場合には、そのBTSとすることもできる。なお、パフォーマンス値は、例えばBTS、BSCから収集する。OMC(307)は、取得されたパフォーマンス値をシステム制限条件αと比較する(503)。ここで、例えば、システム制御条件αは予め定められた閾値とすることができる。パフォーマンス値がシステム制限条件以下であれば、対象局に接続されている対象端末の1つにエリア品質情報送信の指示及び設定情報を送る(504、図4:S420)。なお、対象端末はひとつに限らず、服す選択してそれぞれに指示等を送信してもよい。指示を送信する端末数は、パフォーマンス値とシステム制限条件とに基づき決定してもよい。例えば、パフォーマンス値とシステム制限条件の差が大きければ、端末数を多くし、一方、パフォーマンス値とシステム制限条件の差が小さければ、端末数を少なくするようにしてもよい。
以降、図5の処理502に戻り、パフォーマンス値がシステム制限条件以下である限り、エリア品質情報を送信させる対象端末の数を増やしていく(502〜505)。この時、OMC(307)は、対象端末とエリア品質情報送信指示実施状況を把握している。なお、図5のフローでDELAY(505)が含まれるのは、エリア品質情報を送信するATが増えたことの影響が、BTSおよびBSCのパフォーマンス値に現れるまでに時間を要することが考えられるので、処理502で取得される情報にATが増えたことによる影響を確実に反映させるためである。
また、AT(305)とOMC(307)との間でのエリア品質情報授受に必要な通信に対する課金は、一切行われないようにすることができる。OMC(307)は、ステップS410で受信された接続情報をもとにBTSおよびBSCと連携し、各ATがエリア品質情報を送信するのに行った通信の呼接続記録を管理する。ここで管理されているAT毎の呼接続記録は、エリア品質呼接続情報として課金処理システム(310)に送られる(S411、S431)。課金処理システム(310)はエリア品質呼接続情報を受け(S411、S431)、その情報に示されるATがエリア品質情報アップロードのために行った呼接続に対する課金を無効とする処理を行なう。OMC(307)から課金処理システム(310)へのエリア品質呼接続情報の送信契機は、例えば、後述するステップS430においてOMC(307)にてエリア品質情報を受信した後で、OMC(307)での処理負荷が軽い時点で随時行うことができる。また、ステップS410においてOMC(307)が接続情報を受信した後であってもよい。ただし、例えば、エリア品質情報の受信間隔が短い場合などには、ある時間間隔でまとめてエリア品質呼接続情報を課金処理システム(310)に送ることもできる。なお、課金処理システム(310)は、OMC(307)からエリア品質呼接続情報を受けない限り、課金の無効化処理は行なわない。
OMC(307)が設定した、又は、システム管理者によってOMC(307)に入力されたエリア品質情報の取得条件を含む設定情報は、BSC(306)およびBTS1(301)を介して、設定された端末条件に該当するATに送信される(S420)。対象端末であるATが設定情報を受信すると(S420−4)、設定情報の内容に従い、エリア品質情報の取得・送信を所定の条件に従い実施する。なお、ATの処理の詳細は後述する。
AT(305)が送信した取得情報は、BTS1(301)およびBSC(306)を介してOMC(307)に送られる(S430)。取得情報を受信したOMC(307)は、取得情報(S430)を保守サーバ(308)に転送する(S430−5)。さらに、OMC(307)は、取得情報を基にマップマッチング処理を行う(P430)。保守サーバ(308)は、ステップS430−5で受信された取得情報を保存する。また、マップマッチング処理されたデータ(S440)は、保守サーバ(308)上へ定期的に上書き保存される。
以降、設定情報(S420)にて指定された取得期間満了まで、AT(305)はエリア品質情報の取得・送信を繰り返し行う。
システム管理者の都合、パフォーマンス値の増加等により、エリア品質情報の取得期間満了前に一連の処理を終了させたい場合、システム管理者がOMC(307)を使い、又は、OMC(307)が自動的に情報取得停止指示を発行する(S450)。この指示を受信したAT(305)は、直ちに処理を中止する。OMC(307)は、1回の情報取得停止指示の発行(S450)で、ある一定の時間間隔で停止指示を繰り返し送信する(S460〜S4N0)。ここでの時間間隔及び繰り返し数は、システム管理者が事前にOMC(307)に設定した条件に従う。ここで、停止指示を繰り返し送信するのは、ATの電波受信状況により偶然に停止指示を受信できない事象が発生した場合、これによる停止未了を防ぐため、追加で停止指示を送信し、確実に停止させるためである。
なおOMC(307)は、エリア品質情報取得のため経由しているBTSおよびBSCのパフォーマンス値(例として、局またはセクタ単位でのトータルスループット、呼接続数など)と、事前にシステム管理者によって設定されているシステム制限条件αを常時比較している。
図6は、この動作に関する状態遷移の説明図である。ATによるエリア品質情報の送信が開始されると、OMC(307)は基本的には状態601と602の間での遷移を繰り返す。事前にシステム管理者によって設定されているある一定時間、BTSまたはBSCがシステム制限条件αを連続で超過した場合は、エリア品質情報の取得期間満了前ではあっても、OMC(307)は状態603に遷移し情報取得停止指示(S450)を発行する。
図7は、ユーザーが発呼した際の動作シーケンス図である。
続いて、図7を参照して、エリア品質情報の取得・アップロードの繰り返し処理が行なわれている中で、ユーザーが発呼した際の動作シーケンスについて説明する。AT(305)は、取得情報を複数回送信している(S710〜S730、図4のS430に相当)。
AT(305)が取得情報を送信した後に発呼(又は通信)をすると(P740)、AT(305)は取得情報の送信処理を一時停止させ、ユーザーによって呼が切断されるまでの間、送信予定の位置/無線情報をAT内部で保持する。この間、位置及び無線情報の取得、記憶は継続してもよい。ユーザーによる呼切断が行われた後、AT(305)は再び設定情報の条件に従い処理を再開する(S750)。例えば、AT(705)は、保持されていた位置、及び、無線情報をまとめてOMC(307)に送信してもよい。
このように、エリア品質情報の取得・送信の一連の処理過程で、ユーザーによるATからの発呼が生じた場合、エリア品質情報送信のリアルタイム性は必要なく、AT(305)はエリア品質情報送信に利用可能なタイミングに合わせて送信すれば良い。
図2では、あるゾーン1(303)でエリア品質情報の取得・送信処理を繰り返していたAT(305−1)が、ユーザーが使用開始することでAT(301−2)はユーザーの呼接続優先処理の動作に遷移し、その状態は呼接続が終了するまで(305−3)継続する。そして、呼接続が終了した後に、エリア品質情報の送信を再開する(305−4)。
こうしたケースは、異なるゾーンをまたがる場合にも同じである。図3を参照して説明する。
あるゾーン1(303)でエリア品質情報の取得・送信処理を繰り返していたAT(305−1)が、ユーザーが使用開始することでAT(301−2)はユーザーの呼接続優先処理の動作に遷移する。この状態で、ユーザーが別のゾーン2に移動し、別のBTS2(302)に接続した場合は、このゾーン2(304)で呼接続終了した後にAT(305)はエリア品質情報をBTS2経由でOMC(307)へ送信する。
図8は、ATの動作フローチャートである。
続いて、AT内部での処理シーケンスについて、図8を参照して説明する。
対象端末であるAT(305)が設定情報及び情報の取得指示を受信すると(S420)、先ず設定情報に含まれるエリア品質情報取得条件をAT(305)のアプリケーションに設定する(801)。ここで、対象端末で無いAT、すなわちエリア品質情報取得のための専用アプリケーションがインストールされていないATは、設定情報を受信しても(S420)応答しない。
条件が設定されたアプリケーションは、まず自身のATが、エリア品質情報取得をOMC(307)から依頼されているATとして該当するかを判定する(802)。この判定は、例えばあるエリア内に膨大な数のATが存在する場合に必要となることがある。あるエリア(局)の全ATを対象にエリア品質情報を取得することは、一時的にシステムに大きなトラフィック負荷をかける可能性がある。これを回避するために、例えば個々のATが持つユニークな識別番号(製造番号、または呼処理上一時的に発生する識別番号など)に対し、ある指定範囲内の番号を持つAT、あるいは下一桁が偶数/奇数のATといった条件を設けることで、エリア品質情報を取得・アップロードするATの数を、大幅に減らすことも可能である。
上述の判定(802)で、非該当と判定されたATは、そのまま処理を終了する。そして、該当と判定されたATは、設定情報に含まれるエリア品質情報取得条件で指定された項目(無線情報の種別)について、AT内部のチップ(無線通信方式を実行するCPU)に情報の出力を設定し(803)、チップから出力された無線情報を取得する(804)。また、ATは、このチップからの情報取得と同期して、ATに具備されているGPS受信装置からの位置情報も併せて取得する(804)。
取得した位置情報及び無線情報をOMC(307)へ送信する前に、ユーザーがAT(305)を使用中か否かの判定(805)を行う。使用中の場合、送信予定の取得情報(位置情報及び無線情報)は一旦バッファに保存される。以降、ユーザーが呼切断するまでの定期的に使用状況を監視し、呼が切断されている状態が確認できた時点で、情報をOMC(307)へ向けて送信する(807)。
ATは、位置情報及び無線情報をOMC(307)へ送信した後、OMC(307)から情報の取得停止指示(図4のS450等)を受信してないか判定を行う(808)。ATは、取得停止指示を受信していた場合、この時点で一連の処理を終了させる。一方、ATは、取得停止指示を受信していない場合、続いて、設定情報(S420)に含まれるエリア品質情報取得条件で指定された取得期間を超過していないか判定を行う(809)。ATは、取得期間を超過していた場合は処理を終了させ、一方、超過していない場合は、同じくエリア品質情報取得条件で指定された取得周期に処理サイクルを同期させるべく、同期部にて取得周期合わせを行い(810)、再び情報取得の処理工程(804)に戻る。
以上のシーケンスに則った処理が行なわれることにより、エリア品質情報取得条件に従ったエリア品質情報の取得、およびOMCへの送信が実現する。
(ハード構成)
図9は、無線端末AT(305)のブロック図である。
AT(305)は、受信装置(3051)と、制御装置と、通信装置(3054)と、バッファ(3055)と、メモリ(3058〜3060)とを有する。制御装置は、OS処理部(3052)と、位置情報算出部(3053)と、取得情報設定部(3056)と、アプリケーション制御部(3057)とを有する。なお、図中メモリは、メモリA(3058)、メモリB(3059)、メモリC(3060)で構成されているが、適宜の数のメモリ、記憶部を有することができる。
AT(305)に含まれる通信装置(3054)は、通信アンテナおよび変復調機能を有している。通信装置(3054)には、バッファ(3055)が接続されており、送受信される情報を一時的に蓄えるものである。通信装置(3054)とバッファ(3055)によって、BTS1(301)との無線通信を実現している。
AT(305)には、予めエリア品質情報取得・アップロードのための専用アプリケーションがインストールされており、このアプリケーションは例えばメモリA(3058)に格納されている。AT(305)の電源投入と同時に起動されるOS処理(3052)は、OSの起動完了後にメモリA(3058)を参照し、前記の専用アプリケーションを起動する。
通信装置(3054)とバッファ(3055)を介し、OMC(307)より送られて来た設定情報は、一旦、例えばメモリB(3059)に格納される。アプリケーション制御部(3057)は、定期的にメモリB(3059)を確認し、設定情報(S420)が格納されていた場合は、ここから必要な情報を抽出し、取得情報設定部(3056)に設定する。続いて取得情報設定部(3056)では、設定された内容に従い、必要な無線情報を通信装置部(3054)から取得の上、取得した無線情報をメモリB(3059)に格納する。
またAT(305)には、AT(305)の位置情報を取得する手段として、GPS信号の受信装置(3051)が具備されている。受信装置(3051)は、GPSアンテナを含み、無線のGPS信号を受信し、必要な情報を抽出する機能を有する。位置情報算出部(3053)は、受信装置(3051)を介して受信されたGPS信号をもとに、AT(305)の緯度・経度情報を算出する。算出された位置情報(緯度・経度)は、例えば、メモリB(3059)に格納される。なお、メモリCには、AT毎に予め割り当てられたユニークな識別情報(識別番号)が格納されている。メモリCは、例えば読み込み専用メモリ:ROM(Read Only Memory)であり、ユーザーによる変更が出来ない仕様である。
アプリケーション制御部(3057)は、メモリB(3059)に無線情報および位置情報の2つが格納されていることが確認できた後、これらの情報とメモリCの識別情報を組み合わせてバッファ(3055)経由で通信装置(3054)に送る。通信装置(3054)は、これらの情報を無線によりBTS1へ送信する。
図10は、無線基地局BTS(301)のブロック図である。
BTS1(301)は、AT(305)との無線通信を可能にすべく通信装置(3011)およびバッファ(3012)を含んでおり、通信装置(3011)は通信アンテナおよび変復調機能を有している。通信装置(3011)にバッファ(3012)が接続されており、これは、送受信される情報を一時的に蓄えるものである。
BTS1(301)は、さらに、トラフィックデータを処理するための主信号処理部(3013)、制御情報を処理するための制御信号処理部(3014)、同一情報を配下の全ATに一斉配信(ブロードキャスト)するために必要な制御・処理を行うためのブロードキャスト制御部(3015)、BTS1(301)の各種パフォーマンス値を収集・まとめるためのパフォーマンス値収集部(3017)、および上位の基地局制御装置BSC(306)と情報授受を行うためのインタフェースであるIF部(3016)を有する。OMC(307)より送信された設定情報を受信したBTS1(301)は、ブロードキャスト制御部(3015)により設定情報(S420)が複製され、自らが構成するゾーン1(303)に存在する全AT(305)に向けて送信される。
なお、図3に示されるBTS2(302)は、図10のBTS1(301)と同一の構成を取ることができるため、説明を省略する。
図11は、無線基地局制御装置BSC(306)のブロック図である。
BSC(306)は、公衆網(309)およびOMC(307)および課金処理システム(310)とのインタフェースをとるIF部(3063)、送受信するデータを一時的に蓄えるためのバッファ(3069)、BSC(306)と複数のBTS間のチャネル選択を行うセレクタ部(3064)、BSC(306)の各種パフォーマンス値を収集・まとめるためのパフォーマンス値収集部(3070)、制御部、メモリ(3068)および各BTSとのインタフェースを取るIF部(3061、3062)を有する。制御部は、セレクタ制御部(3065)とブロードキャスト制御部(3066)と課金情報制御部(3067)とを有する。
エリア品質情報取得条件をATに設定するための設定情報をIF部(3063)経由で受信する際、同時に、設定情報をブロードキャストする対象局の情報もOMC(307)より受信する。この対象局の情報はブロードキャスト制御部(3066)に送られる。ブロードキャスト制御部(3066)で、設定情報(S420)の複製や、全局あるいは一部の局に設定情報(S420)をルーティングさせるための対象局情報をセレクタ制御部(3065)に送る。セレクタ制御部(3065)は、その対象局情報をもとにセレクタ部(3064)を制御しルーティングを行う。
また、エリア品質情報の取得に関係する全ての通信について、ユーザーに通信費が課金されぬように、課金情報制御部(3067)が関係する呼への課金除外をIF部(3063)経由で課金処理システム(310)に働きかける。
図12は、保守装置OMC(307)のブロック図である。
OMC(307)は、公衆網(309)および基地局制御装置(306)とのインタフェースをとるIF部(3071)、IF部(3071)から送受信されたデータを一時的に蓄えるためのバッファ(3074)、AT(305)から送信されてきた取得情報から必要な情報を抽出する情報抽出部(3076)、抽出された情報をもとにデータ集計およびマップマッチング図生成を行うデータ集計部(3078)およびマップマッチング生成部(3080)、取得情報から抽出された情報をOMCサーバ(308)へ保存するためにOMCサーバ(308)とのインタフェースをとりバッファを行うIF部(3072)およびバッファ部(3075)、システム管理者がエリア品質情報取得条件を設定するのに使用する入出力装置(3085)および表示装置(3084)とのインタフェースをとるIF部(3073)、OMC(307)に設定されたエリア品質情報取得条件から設定情報を生成する設定情報生成部(3077)、BTS(301)やBSC(306)といったシステム内装置のパフォーマンス値を監視し、必要に応じエリア品質情報収集動作を制御するパフォーマンス監視・情報収集制御部(3083)を有する。また、地図DB(3082)、基地局DB(3081)をさらに有してもよい。
OMC(307)は、必ずしも1つのBSC(306)と1対1で対向し存在する訳ではなく、公衆網(309)を介して、他のBSCに対して接続される構成も有り得る。
システム管理者は、OMC(307)に接続される表示装置(3084)および入出力装置(3085)を利用し、エリア品質情報取得条件やシステム制限条件αを設定できる。ここで設定するエリア品質情報取得条件には、対象局の指定も行うことが可能である。これら設定された情報をもとに、設定情報生成部(3077)で設定情報(420)をバッファ(3074)経由で基地局制御装置(306)へ送信する。またシステム制限条件αには、例として局・セクタ単位でのトータルスループット、回線使用率、呼接続数などがある。
また、AT(305)より送信されOMC(307)で受信された取得情報(S430)は、IF部(3071)およびバッファ(3074)を経由した後、情報抽出部(3076)で無線情報および位置情報が抽出される。抽出された情報は、一方はバッファ(3075)およびIF部(3072)を経由してOMCサーバ(308)に保存される。またもう一方で、前記情報はデータ集計部(3078)およびマップマッチング生成部(3080)に送られる。データ集計部(3078)では、情報を表形式で集計し、集計結果を表示制御部(3079)および例えば集計結果を保存する目的でOMCサーバ(308)に送る。
また、マップマッチング生成部(3080)では、OMC(307)が持つ基地局データベース(基地局DB)(3081)および地図データベース(地図DB)(3082)から必要な情報を得て、地図上に局位置と局のアンテナ方向や局のPNを併記し、無線情報の強弱を色で表現したマップマッチング図を生成する。ここで生成されたマップマッチング図は、表示制御部(3079)およびマップマッチング図を保存する目的でOMCサーバ(308)に送る。表示制御部(3079)は、データ集計部(3078)およびマップマッチング生成部(3080)から受信した情報を表示装置(3084)で表示させるべく、表示装置(3084)への必要な制御、および情報の転送を行う。また表示制御部(3079)は、設定情報生成部(3077)など、他の制御部での情報を表示させるなど、様々な目的で機能する。
エリア品質情報の定期情報取得、および臨時情報取得、いずれにおいても本実施の形態におけるシステム構成は同じとすることができる。OMC(307)より送信される設定情報(S420)に含まれる取得条件・情報取得期間の長短を適宜設定することで、定期または臨時情報取得いずれの要求にも対応可能である。
また、OMC(307)は、管理者により指定される基地局の識別子を含む無線情報取得指示を入出力装置から入力すると、制限値αを該制限値よりも大きく設定することで、基地局からの無線情報の取得条件をゆるめることができる。
なお、OMC(307)は、取得されたパフォーマンス値に基づき、無線端末からの情報の送信周期を決定し、前記無線端末が取得する無線情報の種別と、送信期間と、決定された送信周期とを含む取得条件を設定してもよい。OMC(307)は、設定された取得条件と取得指示とを無線端末に送信し、該取得指示に従い、決定された送信周期毎に無線端末から送信される、無線端末の位置情報と、該位置における無線端末と基地局間の無線情報とを含むエリア品質情報を取得することができる。
本発明は、例えば、無線通信システム、そのシステムのエリア品質を測定するための装置、サービス等に利用可能である。
従来の移動体通信システムにおけるエリア品質情報取得の概略図である。 本実施の形態の移動体通信システムのシステム構成図である。 本実施の形態の移動体通信システムのシステム構成図である。 本実施の形態におけるエリア品質情報取得に至るシーケンス図である。 本実施の形態における対象端末選択のための保守装置動作に関するフローチャートである。 本実施の形態における保守装置動作の状態遷移図である。 本実施の形態におけるエリア品質情報取得に至るシーケンス図である。 本実施の形態における端末ATの詳細動作フローチャートである。 本実施の形態の端末のブロック図である。 本実施の形態の無線基地局のブロック図である。 本実施の形態の無線基地局制御装置のブロック図である。 本実施の形態の保守装置のブロック図である。
符号の説明
301、302 無線基地局
303、304 ゾーン(無線基地局のサービスエリア)
305 無線端末(ユーザーが持つ汎用端末)
306 無線基地局制御装置
307 保守装置
308 OMCサーバ
310 課金処理システム
3071、3072、3073 IF部
3074、3075 バッファ
3076 情報抽出部
3077 設定情報生成部
3078 データ集計部
3079 表示制御部
3080 マップマッチング生成部
3081 基地局DB
3082 地図DB
3083 パフォーマンス監視情報収集制御部
3084 表示装置
3085 入出力装置

Claims (12)

  1. 複数の無線端末と通信し、及び、自装置のスループット、呼接続数若しくはユーザ収容状況を示すパフォーマンス値を測定して出力する基地局と、
    前記基地局のパフォーマンス値に従い、前記基地局の無線エリアのエリア品質情報を取得するための保守装置と
    を備え、
    前記保守装置は、
    前記基地局を介して複数の前記無線端末に確認信号を送信し、
    該確認信号を受信したひとつ又は複数の前記無線端末から送信される、該無線端末の識別子を受信し、
    前記基地局の識別子に対応して、受信された前記無線端末の識別子を記憶し、
    前記基地局のパフォーマンス値を、前記基地局から取得し、
    取得されたパフォーマンス値が予め定められた制限値以下の場合に、前記基地局の識別子に対応する第1の無線端末の識別子を読み出し、
    読み出された前記第1の無線端末の識別子に従い、該第1の無線端末に対して情報の取得指示を送信し、
    該取得指示に従い前記第1の無線端末から送信される、該第1の無線端末の位置情報と、該位置における第1の無線端末と前記基地局間の無線情報とを含むエリア品質情報を取得するエリア品質情報取得システム。
  2. 前記保守装置は、
    取得指示を送信した後に、前記第1の無線端末による通信を含む第2のパフォーマンス値を前記基地局からさらに取得し、
    取得された第2のパフォーマンス値が予め定められた制限値以下の場合に、前記基地局の識別子に対応する第2の無線端末の識別子を読み出し、
    読み出された前記第2の無線端末の識別子に従い、該第2の無線端末に対して情報の取得指示を送信し、
    該取得指示に従い前記第2の無線端末から送信される、該第2の無線端末の位置情報と、該位置における第2の無線端末と前記基地局間の無線情報とを含むエリア品質情報を取得する請求項1に記載のエリア品質情報取得システム。
  3. 前記保守装置は、
    前記無線端末が取得する無線情報の種別と、前記無線端末からの情報の送信期間と、送信周期とを含む取得条件を設定し、
    設定された取得条件と取得指示とを、前記第1及び/又は第2の無線端末に送信する請求項1又は2に記載のエリア品質情報取得システム。
  4. 前記無線端末の通信に対して課金する課金サーバ
    をさらに備え、
    前記保守装置は、前記第1の無線端末からの無線端末の識別子及び/又はエリア品質情報の送信に対する課金を止めるための課金停止指示を前記課金サーバに送信する請求項1に記載のエリア品質情報取得システム。
  5. 前記無線端末は、
    確認信号に従い自無線端末の識別子を送信し、及び、取得指示に従いエリア品質情報を送信するためのアプリケーションが、予めインストールされ、
    前記基地局と通信可能な端末のうち、該アプリケーションがインストールされた前記無線端末のみが、確認信号に応答することを特徴とする請求項1に記載のエリア品質情報取得システム。
  6. 前記第1及び第2の無線端末は、
    情報の取得要求に従い、周期的に前記基地局との無線情報及び自端末の位置情報を取得し、
    他の無線端末又は装置と呼接続されると又は通信が開始されると、呼接続又は通信中に取得された無線情報と位置情報とをバッファし、呼切断された後に、バッファされた無線情報と位置情報とを前記保守装置へ送信する請求項1に記載のエリア品質情報取得システム。
  7. 前記保守装置は、
    取得されたパフォーマンス値と制限値とに応じて端末数を決定し、決定された端末数に従い、基地局の識別子に対応する複数の無線端末の識別子を読み出し、
    読み出された複数の無線端末の識別子に従い、該無線端末に対して情報の取得指示をそれぞれ送信する請求項1に記載のエリア品質情報取得システム。
  8. 前記確認信号は、複数の前記基地局を介して送信され、
    前記保守装置は、
    該確認信号を前記基地局のひとつから受信した前記無線端末から送信される、該無線端末の識別子と、該基地局の識別子とを受信し、
    前記基地局の識別子ごとに、無線端末の識別子を受信した数をカウントし、カウントされた値を前記基地局の識別子に対応して記憶する請求項1に記載のエリア品質情報取得システム。
  9. 前記保守装置は、
    カウントされた値を前記基地局の識別子に対応して表示し、
    該表示に従い管理者により選択された前記基地局の識別子を入力し、
    該入力された前記基地局の識別子に従い、該基地局のパフォーマンス値を取得する請求項8に記載のエリア品質情報取得システム。
  10. 前記保守装置は、
    カウントされた値が予め定められた値以上の前記基地局を選択し、
    選択された基地局のパフォーマンス値を取得する請求項8に記載のエリア品質情報取得システム。
  11. 前記保守装置は、
    管理者により指定される前記基地局の識別子を含む無線情報取得指示を入力部から入力すると、前記制限値を該制限値よりも大きく設定することで、該基地局からの無線情報の取得条件をゆるめることを特徴とする請求項1に記載のエリア品質情報取得システム。
  12. 複数の無線端末と通信し、及び、自装置のスループット、呼接続数若しくはユーザ収容状況を示すパフォーマンス値を測定して出力する基地局と、
    前記基地局の無線エリアのエリア品質情報を取得するための保守装置と
    を備え、
    前記保守装置は、
    前記基地局のパフォーマンス値を、前記基地局から取得し、
    取得されたパフォーマンス値に基づき、前記無線端末からの情報の送信周期を決定し、
    前記無線端末が取得する無線情報の種別と、送信期間と、決定された送信周期とを含む取得条件を設定し、
    設定された取得条件と取得指示とを、前記無線端末に送信し、
    該取得指示に従い、決定された送信周期毎に前記無線端末から送信される、該無線端末の位置情報と、該位置における無線端末と前記基地局間の無線情報とを含むエリア品質情報を取得するエリア品質情報取得システム。
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