JP2008021891A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

基板処理方法および基板処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基板表面に付着するレジスト膜を基板表面にダメージを与えることなく基板表面から良好に剥離することのできる基板処理方法および基板処理装置を提供する。
【解決手段】前処理ユニット1において、液供給ノズルからDIWを滴下しつつ、基板搬送機構3が基板Wを略水平姿勢で保持しながら略水平方向に冷却部に向けて移動させる。これにより、基板表面の全体に液膜が形成されるとともに、該液膜が冷却部において凍結される。この液膜の凍結によって、基板表面に対するレジスト膜の付着力が弱められ、あるいはレジスト膜の一部が基板表面から脱離する。その後、前処理ユニット1から洗浄ユニット2に基板Wが搬送され、洗浄ユニット2においてSPM処理が実行される。これによって、基板表面に物理的な衝撃を加えることなく、基板表面からレジスト膜が容易に剥離される。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などの各種基板の表面からレジスト膜を剥離する基板処理方法および基板処理装置に関する。
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板の表面に形成されたレジスト膜を剥離するための処理(レジスト剥離処理)が行われる。例えば基板に対してイオン注入を施す際に基板上のマスクとしてレジスト膜が使用される。その後、使用済のレジスト膜を基板表面から剥離するためにレジスト剥離処理が行われる。このようなレジスト剥離処理を行う装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。
この装置では、被洗浄物である基板の表面に付着しているイオン注入後のレジスト膜を次のようにして基板から剥離している。先ず、基板上のレジスト膜に水分を含有させる。続いて、レジスト膜を凍結させる。これにより、レジスト膜がガラス状態となる。最後にドライアイス粒子や氷粒子等の固体粒子を基板に向けて吹き付ける。その結果、ガラス状態のレジスト膜が基板から物理的に剥離される。
特開2000−58494号公報(図1)
ところで、特許文献1に記載の装置では、被洗浄物である基板を凍結した後、基板に固体粒子を吹き付けて物理的にレジスト膜を剥離している。このため、基板表面に固体粒子が衝突して基板表面がダメージを受けてしまうおそれがあった。特にレジスト膜をマスクとして基板に対して高ドーズ量のイオン注入が行われた場合には、レジスト表面がポリマー硬化している。したがって、このような状況下にあるレジスト膜を基板から剥離するためには、通常のレジスト剥離時にも増して固体粒子を基板に向けてさらに強く吹き付ける必要がある。しかしながら、固体粒子を強く吹き付けるほど、基板表面がダメージを受けてしまうという問題があった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板表面に付着するレジスト膜を基板表面にダメージを与えることなく基板表面から良好に剥離することのできる基板処理方法および基板処理装置を提供することを目的とする。
この発明は、基板表面に付着するレジスト膜を基板表面から剥離する基板処理方法および基板処理装置であって、上記目的を達成するため、以下のように構成されている。すなわち、基板処理方法は、基板表面上に液膜を形成する液膜形成工程と、液膜を凍結させる液膜凍結工程と、液膜凍結工程後に基板表面に向けてレジスト剥離液を供給して基板表面からレジスト膜を剥離するレジスト剥離工程とを備えたことを特徴としている。また、基板処理装置は、基板表面上に液膜を形成する液膜形成手段と、液膜を凍結させる液膜凍結手段と、基板表面に向けてレジスト剥離液を供給する剥離液供給手段とを備え、液膜凍結手段による液膜の凍結後に剥離液供給手段から前記レジスト剥離液を供給して基板表面からレジスト膜を剥離することを特徴としている。
このように構成された発明(基板処理方法および装置)では、レジスト膜が付着する基板表面上に液膜を形成した後に該液膜を凍結している。これにより、液膜が体積膨張して基板表面に対するレジスト膜の付着力が弱められ、あるいはレジスト膜の一部が基板表面から脱離する(なお、このような作用を以下「液膜の体積膨張作用」という)。このため、液膜の凍結後に基板表面に向けてレジスト剥離液を供給することで、基板表面に物理的な衝撃を加えることなく、基板表面からレジスト膜を容易に剥離することができる。したがって、基板表面にダメージを与えることなく、基板表面からレジスト膜を良好に剥離することができる。
ここで、レジスト剥離液は硫酸過酸化水素水(以下「SPM」と称する)であってもよい。このようなレジスト剥離液によれば、液膜凍結後のレジスト膜がSPMの化学的な洗浄作用によって基板表面から効果的に剥離される。ここで、SPMは硫酸と過酸化水素水の混合液であり、硫酸と過酸化水素水を混合したときに発生する反応熱によって高温(例えば80℃以上)に昇温されたものを用いることができる。なお、SPMはレジスト剥離液として一般的に用いられるものであるが、本発明はSPM供給前に液膜の凍結を行っている点で、次のような有利な効果を奏する。すなわち、通常、基板表面を構成する基材とレジスト膜とでは互いに線膨張率が異なっている。したがって、基板表面とレジスト膜との界面部(以下、単に「界面部」という)の温度が昇降すると、基板表面とレジスト膜の界面に沿って応力が発生する。また、このような応力の大きさは界面部の温度の変動幅に比例する。
ここで、単にSPMを基板表面に供給するのみの場合には、常温(室温)から高温までの間の温度の変動幅に比例した応力が界面部に発生するのみである。これに対し、本発明では、SPM供給前に液膜が凍結されることで、界面部も冷却される。これにより、界面部の温度が常温よりも低下し、低下した温度の変動幅に応じた応力が界面部に発生する。また、このように界面部の温度が低温になっている状態からSPMが基板表面に向けて供給されると、界面部の温度が低温から高温に一気に昇温される。その結果、低温から高温までの間の温度の変動幅に比例した比較的大きな応力が界面部に発生し、レジスト膜が剥離する(なお、このような作用を以下「界面部応力発生作用」という)。したがって、単にSPMを基板表面に供給するのみの場合に比較して、基板表面からレジスト膜を効率良く剥離することができる。
以上のように、レジスト剥離液にSPMを用いることで、SPMの化学的な洗浄作用に加えて、(1)凍結による液膜の体積膨張作用と、(2) 界面部応力発生作用とがレジスト膜にはたらく。このため、単にSPMを基板に供給することのみでは基板表面から剥離することが困難なレジスト膜、例えば高ドーズ量のイオン注入が行われた基板表面に付着するレジスト膜を基板表面から剥離することも可能になる。
その一方で、SPMを基板に供給することのみでレジスト膜を基板表面から剥離する場合には、レジスト剥離能力が最大限に高められた、つまり比較的高濃度かつ高温のSPMを用いる必要があった。これに対して、本発明によれば、上記(1) および(2)の作用により、比較的低濃度または低温のSPMであっても、基板表面からレジスト膜を剥離可能となる。つまり、レジスト剥離能力が低下したSPMでも、基板表面からレジスト膜を剥離可能となる。その結果、SPM中の薬液成分の使用量の削減および使用済のSPMの排液処理にかかる負担を軽減するなどして、装置および環境への負荷を低減することができる。
また、レジスト剥離液は純水であってもよい。上記したように、凍結による液膜の体積膨張作用により、レジスト膜は基板表面から剥離し易い状態となっている。このため、レジスト膜の状態(例えばイオン注入後のレジスト膜の硬化度合いなど)によっては、液膜等結後の基板表面に向けて純水を供給することでレジスト膜を基板表面から剥離することができる。
また、レジスト膜が液膜を構成する液体に対して撥液性を有する基板処理方法においては、液膜形成工程は、基板表面の全体に液体を液盛りして液膜を形成することが好ましい。この構成によれば、レジスト膜が液膜を構成する液体に対して撥液性を有する場合であっても、比較的多量の液体を基板表面の全体に付着させることができる。このため、液膜凍結工程において、凍結による液膜の体積膨張作用を基板表面の全体にわたって効果的に発揮させることができる。その結果、基板表面全体からレジスト膜を効率良く剥離することができる。
ここで、基板表面の全体に液体を液盛りする方法としては、次のようなものが挙げられる。例えば、基板表面を上方に向けた状態で略水平姿勢で基板を保持しながら基板の表面中央部に向けて液体を供給して基板表面上に液溜りを形成するとともに液溜りを基板の端縁方向に拡大させて基板表面の全体に液体を液盛りするようにしてもよい。また、基板表面を上方に向けた状態で略水平姿勢で基板を保持しながら基板と基板の表面に対向配置されたノズルとを略水平方向に相対移動させながらノズルから基板表面に向けて液体を供給して基板表面の全体に液体を液盛りするようにしてもよい。上記したいずれの方法でも、基板表面上に供給された液体が液滴状に疎らに基板表面上に付着するのを防止して、基板表面の全体に確実に液体を液盛りすることができる。
さらに、液膜形成工程と液膜凍結工程とを同一の処理ユニット内で連続的に実行するのが好ましい。この構成によれば、処理ユニット間で基板を搬送することなく、液膜形成と液膜凍結とが連続的に実行される。このため、スループットを向上させることができる。また、液膜形成後から液膜凍結までの間に液膜を構成する液体が基板からこぼれ落ちるのを防止できる。これにより、液膜を形成された状態のまま安定して凍結することができる。
また、液膜を構成する液体は界面活性剤またはアルコール類を必須的に含むものであってもよい。この構成によれば、レジスト膜に対する液体の濡れ性が向上して、基板表面の全体に液膜を確実に形成することができる。
この発明によれば、レジスト膜が付着する基板表面上に液膜を形成した後に該液膜を凍結することで、基板表面に対するレジスト膜の付着力が弱められ、あるいはレジスト膜の一部が基板表面から脱離する。このため、液膜の凍結後に基板表面に向けてレジスト剥離液を供給することで、基板表面に物理的な衝撃を加えることなく、基板表面からレジスト膜を容易に剥離することができる。したがって、基板表面にダメージを与えることなく、基板表面からレジスト膜を良好に剥離することができる。
<第1実施形態>
図1は本発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す平面レイアウト図である。また、図2は図1の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の基板の表面からレジスト膜を剥離する枚葉式の装置である。特に、この装置は、基板表面に対してイオン注入を行う際にマスクとして用いられたレジスト膜をイオン注入後に基板表面から剥離するのに好適な装置である。なお、この実施形態では、基板表面とは、デバイスパターンが形成されるデバイス形成面をいう。また、基板裏面とは、非デバイス形成面をいう。
この基板処理装置では、前処理ユニット1と洗浄ユニット2とが一定距離だけ離間して配置されるとともに、それらの間に基板搬送機構3が配置されている。これらの装置のうち、前処理ユニット1は、半導体ウエハ等の基板の表面上に液膜を形成した後、該液膜を凍結させるユニットである。また、洗浄ユニット2は、基板表面に向けてレジスト剥離液を供給して基板表面からレジスト膜を剥離するユニットである。そして、前処理ユニット1でその表面の液膜が凍結された基板が基板搬送機構3により洗浄ユニット2に搬送されてレジスト剥離処理が行われる。以下、前処理ユニット1と洗浄ユニット2の構成および動作について図面を参照しつつ詳述する。なお、基板搬送機構3は従来より多用されている搬送ロボットを用いているため、ここでは構成および動作の説明は省略する。
図3は前処理ユニットの構成を示す図である。前処理ユニット1は液供給ノズル11(本発明の「ノズル」に相当)と冷却部12を備えている。液供給ノズル11は冷却部12の側方(前方)に隣接して配置されている。そして、基板搬送機構3が略水平方向に延びる搬送経路TPに沿って基板Wを搬送して冷却部12に対してアクセス可能となっている。具体的には、基板搬送機構3は、基板表面Wfを上方に向けた状態で搬送アーム3aにより基板Wを略水平姿勢で保持しながら移動して冷却部12に基板Wを搬入出することができる。
液供給ノズル11は、搬送経路TPに沿って搬送される基板Wの表面Wfに対向配置されている。液供給ノズル11には基板Wの直径と同等以上の長さを有するスリット状の吐出口111が形成されている。吐出口111は基板Wの搬送方向(搬送経路TPが延びる方向)に略直交する方向に延びるように形成されている。液供給ノズル11は脱イオン化された純水(以下「DIW」と称する)を供給するDIW供給機構112(図2)と接続されており、吐出口111全体からDIWをカーテン状に滴下することが可能となっている。このため、液供給ノズル11からDIWを滴下した状態で基板搬送機構3が基板Wを冷却部12に向けて搬送することで、基板表面WfにDIWを塗布して表面全体にDIWを液盛りすることができる。
図4は前処理ユニットに装備された冷却部の構成を示す図である。冷却部12は、隔壁121で区画されたほぼ直方体形状の処理室122(冷却処理室)内にクーリングプレート123を有している。このクーリングプレート123は、ほぼ水平で基板Wの平面大きさよりも大きな基板冷却面123aを有し、この基板冷却面123aには、基板Wを略水平姿勢で支持するための基板支持部124が複数個突設されている。クーリングプレート123の内部には、冷媒経路125が基板冷却面123aに沿ってほぼ平行に形成されており、この冷媒経路125の両端が冷媒供給機構126に接続されている。冷媒供給機構126は、冷媒を冷却させる冷却手段と、冷媒を冷媒経路125に圧送して冷媒経路125内を循環させるポンプ等の圧送手段を備える。このため、冷媒供給機構126から冷媒が供給され、冷媒経路125を出た冷媒は再び冷媒供給機構126に帰還されるようになっている。なお、冷媒としては、基板冷却面123aをDIWの凝固点(氷点)より低い温度に冷却するものであればよい。また、基板搬送機構3が対向可能な前面隔壁121aには、基板通過口127が形成されており、この基板通過口127を介して搬送アーム3aが処理室122内に入り込んで、基板支持部124との間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、図5を参照しつつ、洗浄ユニット2について説明する。図5は図1の基板処理装置に装備された洗浄ユニットの構成を示す図である。洗浄ユニット2は、基板Wに対して洗浄処理を施す処理空間をその内部に有する処理チャンバー21を備え、処理チャンバー21内に基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック22と、スピンチャック22に保持された基板Wの表面Wfにレジスト剥離液としてSPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)を供給するSPMノズル23と、基板表面WfにDIWを供給するDIWノズル24とが設けられている。また、スピンチャック22の周囲には基板Wから飛散するSPMなどの処理液を受け取るためのカップ25が設けられている。
スピンチャック22は、回転支柱221がモータを含むチャック回転機構222の回転軸に連結されており、チャック回転機構222の駆動により鉛直軸回りに回転可能となっている。回転支柱221の上端部には、円盤状のスピンベース223が一体的に連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット4からの動作指令に応じてチャック回転機構222を駆動させることによりスピンベース223が鉛直軸回りに回転する。
スピンベース223の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン224が立設されている。各チャックピン224は、基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。そして、スピンベース223に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン224を解放状態とし、基板Wに対して洗浄処理を行う際には、複数個のチャックピン224を押圧状態とする。チャックピン224を押圧状態とすることによって、基板Wはその表面Wf(レジスト付着面)を上方に向けた状態で略水平姿勢に保持される。
また、回転支柱221は中空軸とされ、その内部には、DIW供給管225が挿通されている。DIW供給管225にはDIW供給源からのDIWがバルブ226を介して供給される。DIW供給管225の上端(先端)は吐出口を形成しており、DIW供給管225を流れるDIWは、スピンチャック22に保持された基板Wの下面(裏面Wb)中央部に向けて吐出される。
スピンチャック22の側方には、旋回軸231が鉛直方向にほぼ沿って配置されており、SPMノズル23は、その旋回軸231の上端部からほぼ水平に延びたノズルアーム232の先端部に取り付けられている。旋回軸231は、その中心軸線まわりに回転可能に設けられていて、アーム駆動機構233(図2)が旋回軸231を回転させることにより、SPMノズル23を基板Wの回転中心の上方の吐出位置に配置したり、吐出位置から側方に退避した待機位置に配置したりすることができる。
SPMノズル23には、SPM供給路51が接続されている。このSPM供給路51には、硫酸供給路52からの硫酸と過酸化水素水供給路53からの過酸化水素水とが、ミキシングバルブ54で合流して供給されるようになっている。硫酸供給路52の途中部には、ミキシングバルブ54への硫酸の供給/停止を切り換えるための硫酸バルブ521と、硫酸供給路52を流れる硫酸の流量を検出するための硫酸流量計522とが介装されている。一方、過酸化水素水供給路53の途中部には、ミキシングバルブ54への過酸化水素水の供給/停止を切り換えるための過酸化水素水バルブ531と、過酸化水素水供給路53を流れる過酸化水素水の流量を検出するための過酸化水素水流量計532とが介装されている。
SPM供給路51の途中部には、ミキシングバルブ54からSPM供給路51に供給される硫酸および過酸化水素水を撹拌するための撹拌フィン付流通管55が介装されている。この撹拌フィン付流通管55は、管部材内に、それぞれ液体流通方向を軸にほぼ180度のねじれを加えた長方形板状体からなる複数の撹拌フィンを、液体流通方向に沿う管中心軸まわりの回転角度を90度ずつ交互に異ならせて配置した構成のものであり、たとえば、株式会社ノリタケカンパニーリミテド・アドバンス電気工業株式会社製の商品名「MXシリーズ:インラインミキサー」を用いることができる。
撹拌フィン付流通管55では、硫酸および過酸化水素水の混合液が十分に撹拌されることにより、硫酸と過酸化水素水との化学反応(HSO+H→HSO+HO)が生じて、強い酸化力を有するHSOを含む高濃度のSPMが生成される。その際、化学反応による発熱(反応熱)を生じ、この発熱によって、SPMの液温は、基板Wの表面に形成されているレジストを良好に剥離可能な温度よりも十分高い温度(たとえば、80℃)に昇温する。このようにして撹拌フィン付流通管55で生成される高温のSPMは、その液温が低下することなくSPMノズル23に供給され、SPMノズル23からスピンチャック22に保持された基板Wの表面中央部に向けて吐出される。このように、この実施形態では、SPMノズル23が本発明の「剥離液供給手段」として機能している。
DIWノズル24は、バルブ241を介してDIW供給源と接続されている。このため、バルブ241が開閉されると、DIW供給源からのDIWがDIWノズル24に向けて圧送され、DIWノズル24からDIWが吐出される。また、DIWノズル24にはノズル移動機構242(図2)が接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じてノズル移動機構242が駆動されることで、DIWノズル24を基板Wの回転中心の上方の吐出位置に配置したり、吐出位置から側方に退避した待機位置に配置したりすることができる。
また、カップ25の底面には、カップ25に受け取られたSPMなどの廃液(基板Wの処理に用いられた後に廃棄されるべき処理液)を排出するための廃液配管61が接続されている。廃液配管61の先端には、廃液配管61を流れてくる廃液の流通先を切り替えるための廃液切替バルブ62が接続されている。具体的には、SPMの濃度に応じて高濃度廃液と低濃度廃液とに流通先が切り替えられ、適宜、流通先において廃液処理される。
次に、上記のように構成された基板処理装置の動作について図6および図7を参照しつつ詳述する。図6は図1の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。また、図7は図1の基板処理装置の動作を示す模式図である。この装置には、例えば別の装置にてレジスト膜をマスクとして基板表面Wfに対してイオン注入が行われた後の基板Wが搬入される。つまり、基板表面Wfには不要となったレジスト膜RFが付着している(図7(a))。そこで、この実施形態では、先ず基板表面Wfを上方に向けた状態で未処理の基板Wを前処理ユニット1に搬送する。
前処理ユニット1では、液供給ノズル11からDIWを滴下させる。そして、基板搬送機構3が基板Wを保持しながら液供給ノズル11の直下を冷却部12に向けて搬送する。この実施形態では、基板搬送機構3は基板Wを略水平姿勢で保持しながら略水平方向に低速で搬送する。これにより、基板Wの移動とともに搬送方向の下流側からDIWが基板表面Wfに塗布されていく。したがって、DIWが液滴状に疎らに基板表面Wf上に付着するのを防止して、基板表面Wfの全体に確実にDIWが液盛りされる。その結果、図7(b)に示すように基板表面Wf上に所定の厚み(例えば10mm程度)を有するDIWによる液膜が形成される(ステップS1;液膜形成工程)。このように、この実施形態では、液供給ノズル11が本発明の「液膜形成手段」として機能している。
そして、基板搬送機構3は表面Wfに液膜が形成された基板Wを略水平姿勢を保ったまま冷却部12に搬入する。その後、搬送アーム3aから基板支持部124上に基板Wを受け渡す。これにより、基板Wは基板冷却面123aとの間に微小な間隙を設けた状態で、基板冷却面123aと対向しながら近接配置される。このため、基板冷却面123aからの冷熱の伝導によって基板Wが下面側から冷却される。その結果、図7(c)に示すように基板表面Wfに付着している液膜が凍結される(ステップS2;液膜凍結工程)。このように液膜が凍結すると、液膜が体積膨張する。このとき、基板表面Wfに対するレジスト膜RFの付着力が弱められ、あるいはレジスト膜RFの一部が基板表面Wfから脱離する。つまり、液膜の体積膨張作用が発揮される。例えば基板Wに対してイオン注入処理によって硬化した表層部分のレジストが脱離する。これにより、後述のレジスト剥離液が硬化していないレジスト膜の内部まで浸透することが可能となる。このように、この実施形態では、冷却部12が本発明の「液膜凍結手段」として機能している。
所定時間の経過後、液膜の凍結が完了すると、基板搬送機構3は基板Wを冷却部12から搬出して洗浄ユニット2に搬送する(ステップS3)。そして、基板搬送機構3からスピンチャック22に基板Wが受け渡されると、基板Wに対してSPM処理が実行される(ステップS4)。なお、液膜凍結後からSPM処理が実行されるまでの間、基板表面Wfは凍結膜で覆われている。
洗浄ユニット2では、先ず、基板Wが回転されるとともに、SPMノズル23が吐出位置に配置される。続いて、硫酸バルブ521および過酸化水素水バルブ531が開かれて、SPMノズル23から回転中の基板Wの表面中央部に向けて高温のSPMが吐出される。基板Wの上面に供給される高温のSPMは、基板Wの回転に伴う遠心力を受けて基板表面Wfの中央部から周縁に広がられ、基板表面Wfの全域に高温のSPMがむらなく行き渡る。その結果、図7(d)に示すように基板表面Wf上に形成された凍結膜が解凍されるとともにレジスト膜RFが基板表面Wfから剥離して除去される(レジスト剥離工程)。なお、レジスト剥離処理時に生じる廃液は高濃度廃液として廃液処理される。
このSPM処理が終了すると、SPMノズル23が待機位置に移動され、基板Wに対してリンス工程が実行される(ステップS5)。すなわち、バルブ241,226が開かれて、DIWノズル24およびDIW供給管225から基板Wの表裏面にDIWが供給される。これにより、基板Wに付着するSPMがDIWにより洗い流される(図7(e))。なお、リンス処理時に生じる廃液は低濃度廃液として廃液処理される。
DIWの供給が所定のリンス時間にわたって行われると、基板Wが高速回転され、基板Wに付着しているDIWを振り切って乾燥させるスピンドライ処理が行われる(ステップS6)。乾燥処理後は基板Wの回転速度が減速され、基板Wが静止すると、基板搬送機構3によって、スピンチャック22から処理済の基板Wが搬出されていく。
以上のように、この実施形態によれば、レジスト剥離処理の前処理として液膜形成処理と液膜凍結処理を実行している。このため、液膜の体積膨張作用により、基板表面Wfに物理的な衝撃を加えることなく、基板表面Wfからレジスト膜RFを容易に剥離することができる。したがって、基板表面Wfにダメージを与えることなく、基板表面Wfからレジスト膜RFを良好に剥離することができる。
また、この実施形態によれば、レジスト剥離液として高温に昇温されたSPMを基板表面Wfに供給している。このため、液膜凍結後のレジスト膜RFをSPMの化学的な洗浄作用によって基板表面Wfから効果的に剥離することができる。なお、SPMはレジスト剥離液として一般的に用いられるものであるが、この実施形態では、SPM処理前に液膜の凍結を行っている点で、次のような有利な効果を奏する。すなわち、通常、基板表面Wfを構成する基材とレジスト膜とでは互いに線膨張率が異なっている。したがって、基板表面Wfとレジスト膜RFとの界面部IF(図7)の温度が昇降すると、基板表面Wfとレジスト膜RFの界面に沿って応力が発生する。また、このような応力の大きさは界面部IFの温度の変動幅に比例する。
ここで、単にSPMを基板表面Wfに供給するのみの場合には、常温(室温)から高温までの間の温度の変動幅に比例した応力が界面部に発生するのみである。これに対し、この実施形態では、SPM供給前に液膜が凍結されることで、界面部IFも冷却される。これにより、界面部IFの温度が常温よりも低下し、低下した温度の変動幅に応じた応力が界面部IFに発生する。また、このように界面部IFの温度が低温になっている状態からSPMが基板表面Wfに向けて供給されると、界面部IFの温度が低温から高温に一気に昇温される。その結果、低温から高温までの間の温度の変動幅に比例した比較的大きな応力が界面部IFに発生し、レジスト膜RFが剥離する。つまり、界面部応力発生作用が発揮される。したがって、単にSPMを基板表面Wfに供給するのみの場合に比較して、基板表面Wfからレジスト膜RFを効率良く剥離することができる。
また、この実施形態によれば、上記したように、SPMの化学的な洗浄作用に加えて、 (1)液膜の体積膨張作用と、(2)界面応力発生作用とがレジスト膜RFにはたらく。このため、単にSPMを基板Wに供給することのみでは基板表面Wfから剥離することが困難なレジスト膜、例えば高ドーズ量のイオン注入が行われた基板表面Wfに付着するレジスト膜を基板表面Wfから剥離することも可能になる。
また、この実施形態によれば、液膜形成工程において基板表面Wfの全体にDIWを液盛りして液膜を形成している。このため、レジスト膜RFが液膜を構成する液体(DIW)に対して撥液性(撥水性)を有する場合であっても、比較的多量の液体を基板表面Wfの全体に付着させることができる。このため、液膜凍結工程において、凍結による液膜の体積膨張作用を基板表面Wfの全体にわたって効果的に発揮させることができる。その結果、基板表面全体からレジスト膜RFを効率良く剥離することができる。
さらに、この実施形態によれば、液膜形成工程と液膜凍結工程とを同一の処理ユニット(前処理ユニット1)内で連続的に実行している。このため、処理ユニット間で基板Wを搬送することなく、液膜形成と液膜凍結とが連続的に実行される。このため、スループットを向上させることができる。また、液膜形成後から液膜凍結までの間に液膜を構成するDIWが基板Wからこぼれ落ちるのを防止できる。これにより、液膜を形成された状態のまま安定して凍結することができる。
<第2実施形態>
ところで、上記第1実施形態では、液膜凍結後に、レジスト剥離工程において比較的高濃度かつ高温のSPMを供給することにより、単にSPMを基板Wに供給することのみでは基板Wから剥離することが困難なレジスト膜を剥離可能としていた。しかしながら、レジスト膜の状態(例えばイオン注入後のレジスト膜の硬化度合いなど)によっては、比較的低濃度または低温のSPMであっても、レジスト膜を有効に基板Wから剥離できる。なんとなれば、レジスト剥離処理の前処理として液膜形成処理と液膜凍結処理とが実行されることで、(1)液膜の体積膨張作用と、(2)界面応力発生作用とがレジスト膜にはたらき、レジスト膜が基板Wから剥離し易い状態となっているからである。したがって、SPMを基板Wに供給することのみでレジスト膜を基板Wから剥離する場合のように、必ずしもレジスト剥離能力が最大限に高められたSPM、つまり比較的高濃度かつ高温のSPMを用いる必要がない。すなわち、レジスト剥離能力が低下したSPMであっても、レジスト膜を基板Wから有効に剥離できる。
また、上記第1実施形態では、レジスト剥離能力を最大限に高めるために、硫酸と過酸化水素水とを混合して生成した直後のSPMを基板表面Wfに供給するように基板処理装置が構成されている。しかしながら、このような構成では、使用済のSPMは基本的には廃棄するほかない。というのも、使用済のSPMでは、もはやレジスト剥離能力を最大限に発揮することができないからである。これに対して、比較的低濃度または低温のSPMを用いてレジスト剥離処理を行うことで、常にレジスト剥離能力を最大限に高めたSPMを基板に供給する必要がなくなるため、使用済のSPMを回収して再利用することも可能になる。そこで、この第2実施形態では、SPMを回収して再利用可能に装置を構成している。以下、図8を参照しつつ本発明の第2実施形態について説明する。
図8は本発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を実施可能な洗浄ユニットの構成を示す図である。この第2実施形態にかかる基板処理装置に装備された洗浄ユニット2Aが第1実施形態と大きく相違する点は、基板Wから除去されるSPMとDIWとを分離して回収している点と、回収したSPMを再利用している点である。なお、前処理ユニット1の構成および動作、洗浄ユニット2Aにおける、その他の構成および動作は第1実施形態のそれらと同一である。したがって、以下においては相違点を中心に説明する。
この実施形態では、スピンチャック22の周囲に受け部材26が設けられている。受け部材26には、円筒状の仕切壁27a,27bが立設されている。仕切壁27aはスピンチャック22の周囲を取り囲むように第1排液空間28aを形成している。また、仕切壁27aと仕切壁27bの間は第2排液空間28bを形成している。第1排液空間28a、第2排液空間28bは相互に異なるドレインに接続されている。例えばこの実施形態では、第1排液空間28aが廃棄ドレインに連通され、使用済のDIWを廃棄ドレインに導く。また、第2排液空間28bが後述の貯留タンク72に連通され、使用済のSPMを貯留タンク72に導くことが可能となっている。第2排液空間28bには排液管63の一端が接続されている。また、排液管63の他端が排液経路を切り替える三方弁64に接続されている。三方弁64は、排液管63と廃棄ドレインとを連通する廃棄状態と、排液管63と貯留タンク72とを連通する回収状態とに切り替え可能に構成されている。三方弁64と貯留タンク72とはフィルタ65を介装した回収管66により連通されている。フィルタ65は回収した使用済のSPM中の異物を除去するために設けられている。
また、各排液空間28a,28bの上方にはガード67が設けられている。ガード67はスピンチャック22の回転軸(鉛直軸)に対して略回転対称な形状を有しており、スピンチャック22の回転軸に対して昇降自在に設けられている。ガード67の上端部の内面には、断面く字状の案内溝67aが環状に形成されている。また、ガード67の下端部の内面には、外側下方に傾斜する傾斜面からなる傾斜案内部67bが形成されている。傾斜案内部67bの上端付近には、受け部材26の仕切壁27aを受け入れるための仕切壁収容溝67cが形成されている。
ガード67は、ガード昇降機構68と接続され、制御ユニット4からの動作指令に応じてガード昇降機構68を作動させることで、ガード67をスピンチャック22に対して昇降させることが可能となっている。この実施形態では、SPM供給時に傾斜案内部67bがスピンチャック22に保持された基板Wの外周端面に対向する第1高さ位置(図8に示す位置)にガード67を位置させる。これにより、回転する基板Wから飛散するSPMが傾斜案内部67bで受け止められ、第2排液空間28bに導かれる。また、DIW供給時に案内溝67aがスピンチャック22に保持された基板Wの外周端面に対向する第2高さ位置にガード67を位置させる。これにより、回転する基板Wから飛散するDIWが案内溝67aで受け止められ、第1排液空間28aに導かれる。
また、この実施形態では、SPMノズル23がSPM供給部70に接続され、SPM供給部70にて生成されたSPM(混合液)をSPMノズル23に圧送可能となっている。SPM供給部70は、硫酸と過酸化水素水との混合液(SPM)を貯留する貯留タンク72を備えている。貯留タンク72にはタンク内に硫酸を供給するための硫酸導入管73の一端が取り込まれており、その他方端が硫酸バルブ73aを介して硫酸供給源に接続されている。さらに、硫酸導入管73の経路途中には硫酸流量計73bが介装されており、硫酸流量計73bが貯留タンク72に導入される硫酸の流量を計測する。同様にして、貯留タンク72にはタンク内に過酸化水素水を供給するための過酸化水素水導入管74の一端が取り込まれており、その他方端が過酸化水素水バルブ74aを介して過酸化水素水供給源に接続されている。さらに、過酸化水素水導入管74の経路途中には過酸化水素水流量計74bが介装されており、過酸化水素水流量計74bが過酸化水素水供給源から貯留タンク72に導入される過酸化水素水の流量を計測する。
また、貯留タンク72には、その一端がSPMノズル23に接続されたSPM供給管75の他端が挿入され、貯留タンク72に貯留されているSPMをバルブ76を介してSPMノズル23に供給可能に構成されている。SPM供給管75には、貯留タンク72に貯留されているSPMをSPM供給管75に送り出す定量ポンプ77や、定量ポンプ77によりSPM供給管75に送り出されるSPMの温度を所定の温度に調整する温調器78、SPM中の異物を除去するフィルタ79が設けられている。さらに、SPM供給管75には、SPMの濃度、つまりSPM(硫酸と過酸化水素水からなる薬液成分+水)中の薬液成分の体積百分率を監視するための濃度計80が介装されている。
また、SPM供給管75には、バルブ76と濃度計80との間にSPM循環管81の一端が分岐接続される一方、SPM循環管81の他端が貯留タンク72に接続されている。このSPM循環管81にはバルブ82が介装されている。そして、装置の稼動中は、定量ポンプ77および温調器78が常に駆動され、基板WにSPMを供給しない間は、バルブ76が閉じられる一方、バルブ82が開かれる。これにより、貯留タンク72から定量ポンプ77により送り出されるSPMが、SPM循環管81を通じて貯留タンク72に戻される。つまり、基板WにSPMを供給しない間は、貯留タンク72、SPM供給管75およびSPM循環管81からなる循環経路をSPMが循環する。その一方で、基板WにSPMを供給するタイミングになると、バルブ76が開かれる一方、バルブ82が閉じられる。これにより、貯留タンク72から送り出されるSPMがSPMノズル23に供給され、基板Wに向けて吐出される。このように、基板WにSPMを供給しない間は、SPMを循環させておくことによって、硫酸と過酸化水素水とが十分に攪拌される。また、バルブ76の開成後、所定の温度に調整されるとともに、異物が除去されたSPMを速やかにSPMノズル23に供給することができる。
上記のように構成された基板処理装置では、第1実施形態と同様に前処理ユニット1において基板に対して液膜形成処理と液膜凍結処理とが行われる。その後、前処理ユニット1から洗浄ユニット2Aに基板Wが搬入されると、ガード67を第1高さ位置に配置して、基板Wに対してSPM処理を実行する。すなわち、SPMノズル23からSPMが基板表面Wfに向けて供給され、凍結膜が解凍されるとともに、レジスト膜が基板表面Wfから剥離される。このとき、基板Wから振り切られた使用済のSPMはガード67を介して第2排液空間28bに導かれ、排液管63および回収管66を経由して貯留タンク72に導かれる。この使用済のSPMはDIWから構成される凍結膜で覆われた基板Wから除去されたものであることから、基板Wへの供給前のSPMにDIWが混入したものとなっている。つまり、レジスト剥離処理を実行するごとにSPMの濃度が低下していき、レジスト剥離能力が低下していく。そこで、例えば制御ユニット4は一定時間ごとあるいは基板Wの処理枚数ごとに所定量の薬液成分(硫酸および過酸化水素水)を貯留タンク72に補充してもよい。これにより、SPMのレジスト剥離能力を向上させることができる。なお、貯留タンク72への薬液成分の補充は濃度計80にて計測されたSPMの濃度に基づいて、レジスト剥離可能な所定濃度以上となるようにフィードバック制御してもよい。
そして、SPM処理が終了すると、ガード67を第2高さ位置に配置して基板Wに対してリンス処理を実行する。このとき、基板Wから振り切られた使用済のリンス液は第1排液空間28aに導かれ廃棄処理される。その後、基板Wが高速回転され乾燥処理が行われると、処理済の基板Wが洗浄ユニット2Aから搬出されていく。また、次の未処理基板Wが洗浄ユニット2A内に搬入されてレジスト剥離処理が行われる際には、使用済のSPMを含むSPMが再利用液としてSPMノズル23から供給される。
以上のように、この実施形態によれば、レジスト剥離処理(SPM処理)の前処理として液膜形成処理と液膜凍結処理を実行することで、 (1)液膜の体積膨張作用と、(2)界面応力発生作用がレジスト膜にはたらくことにより、比較的低濃度または低温のSPMであっても基板表面Wfからレジスト膜を剥離可能となっている。つまり、レジスト剥離能力が低下したSPMでも、基板表面Wfからレジスト膜を剥離可能となっている。その結果、SPM中の薬液成分の使用量の削減および使用済のSPMの排液処理にかかる負担を軽減するなどして、装置および環境への負荷を低減することができる。
また、この実施形態によれば、比較的低濃度または低温のSPMを用いてレジスト剥離しているので、レジスト剥離液として使用した使用済のSPMを回収して再利用することが可能となっている。したがって、基板Wの処理枚数の増加とともにSPMの使用量が増大するのを抑制して、薬液成分の使用量を大幅に削減することができる。その結果、コストおよび環境への負荷を大幅に低減することができる。
<第3実施形態>
図9は本発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示すフローチャートである。この実施形態が上記実施形態と大きく相違する点は、液膜の凍結後、SPMの供給に替えてDIWの供給によってレジスト膜を基板表面から剥離している点であり、その他の構成および動作は上記実施形態のそれらと同一である。したがって、以下においては相違点を中心に説明する。
上記第1および第2実施形態と同様にして前処理ユニット1で液膜形成処理(ステップS11)および液膜凍結処理(ステップS12)が実行された後、洗浄ユニット2(または2A)に基板Wが搬送される(ステップS13)。洗浄ユニット2では、レジスト剥離液としてDIWが基板表面Wfに向けて供給される(ステップS14)。ここで、レジスト膜RFは液膜の凍結作用により基板表面Wfから剥離し易い状態となっている。このため、基板表面Wfに供給されたDIWの洗浄作用により基板表面Wfからレジスト膜RFが剥離される(レジスト剥離工程)。こうして基板表面Wfからレジスト膜RFが剥離して除去されると、DIWの供給を停止するとともに、基板Wをさらに高速で回転させて乾燥させる(ステップS15)。
以上のように、この実施形態によれば、上記実施形態と同様にレジスト剥離処理の前処理として液膜形成処理と液膜凍結処理を実行している。その結果、液膜の体積膨張作用により、レジスト膜RFは基板表面Wfから剥離し易い状態となっている。このため、レジスト膜RFの状態によっては、SPMに替えてDIWをレジスト剥離液として液膜等結後の基板表面Wfに向けて供給することでレジスト膜RFを基板表面Wfから剥離することができる。したがって、この実施形態によれば、薬液等を使用することなく、簡便かつクリーンな方法でレジスト剥離処理を行うことができる。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、液膜形成工程において液供給ノズル11を固定配置した状態で基板Wを移動させて液膜形成処理を実行しているが、液供給ノズル11も同時に移動させるように構成してもよい。また、基板Wを固定配置した状態で液供給ノズル11を移動させて液膜形成処理を実行してもよい。要は基板Wを略水平姿勢で保持しながら基板Wと液供給ノズル11とを略水平方向に相対移動させるように構成すればよい。なお、基板Wを固定配置した状態で液供給ノズル11を移動させて液膜形成処理を実行する場合には、液膜形成後から液膜凍結までの間に液膜を構成する液体が基板Wからこぼれ落ちるのを防止するため、基板Wを固定配置した位置で連続して液膜凍結処理を実行するのが好ましい。
また、上記実施形態では、液膜形成工程において、液供給ノズル11からDIWを滴下しつつ、液供給ノズル11の直下を基板Wを略水平方向に移動させることで基板表面Wfの全体にDIWを液盛りしている。しかしながら、基板表面Wfへの液盛り方法は、上記した方法に限らず、図10に示すように基板表面Wfに液盛りしてもよい(第4実施形態)。
図10は本発明にかかる基板処理装置の第4実施形態の動作を示す図である。この実施形態では、基板Wは移動されることなく、スピンチャック等の基板保持手段に略水平姿勢で保持される。続いて、基板Wの表面中央部にDIWノズル29からDIWが供給される。これにより、基板表面Wf上に液溜りPが形成される(図10(a))。そして、DIWを供給し続けることで液溜りPを基板表面Wfの中央部から端縁方向に拡大させていく(図10(b))。つまり、DIWが単一のかたまりの状態のまま、そのかたまりの体積を拡大させていく。したがって、DIWが液滴状に疎らに基板表面Wf上に付着するのを防止して、基板表面Wfの全体に確実にDIWが液盛りされる。その結果、基板表面Wf上に所定の厚み(例えば10mm程度)を有するDIWによる液膜が形成される(図10(c);液膜形成工程)。なお、液溜りPを拡大させていく際に、基板Wを低速(例えば100rpm以下)に回転させてもよい。これにより、液溜りPに作用する遠心力によって液溜りPを効率良く基板表面Wfの全体に広げていくことができる。このように、この実施形態では、DIWノズル29が本発明の「液膜形成手段」として機能する。
以上のように、この実施形態でも、レジスト膜RFが液膜を構成する液体(DIW)に対して撥液性(撥水性)を有する場合であっても、比較的多量の液体を基板表面Wfの全体に付着させることができる。このため、液膜凍結工程において、凍結による液膜の体積膨張作用を基板表面Wfの全体にわたって効果的に発揮させることができる。その結果、基板表面全体からレジスト膜RFを効率良く剥離することができる。
また、上記実施形態では、液膜形成工程においてDIWで構成される液膜を基板表面Wfに形成しているが、液膜を構成する液体は界面活性剤またはアルコール類を必須的に含むものであってもよい。この構成によれば、レジスト膜に対する液体の濡れ性が向上して、基板表面Wfの全体に液膜を確実に形成することができる。また、このような液体で液膜を形成することで、基板表面Wfの全体が液膜で覆われた状態で処理ユニット間で基板Wを自在に搬送することが可能となる。例えば、液膜形成処理と液膜凍結処理とをそれぞれ分離した処理ユニットで専門的に実行させるとともに、液膜形成処理を実行するユニットから液膜凍結処理を実行するユニットに液膜形成後の基板Wを搬送するように構成することもできる。
また、上記実施形態では、冷却部12において基板冷却面123aからの冷熱伝導によって液膜を凍結しているが、液膜の凍結方法はこれに限定されない。例えば液体窒素等の冷媒を基板Wの表面Wfおよび/または裏面Wbに向けて供給して液膜を凍結させるようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態ではSPM、上記第3実施形態ではDIWをレジスト剥離液として、用いているが、これに限定されない。例えば、レジスト剥離工程において、基板WにDIWを供給した後にSPMを供給してもよい。すなわち、DIWによるレジスト剥離工程(第1レジスト剥離工程)を実行した後、SPMによるレジスト剥離工程(第2レジスト剥離工程)を実行してもよい。この構成によれば、第2レジスト剥離工程前に第1レジスト剥離工程が実行されることで、第2レジスト剥離工程においてレジストをさらに容易に剥離することが可能となる。これにより、例えば、レジスト剥離工程においてSPMのみを供給する場合に比較して、SPMの濃度(SPM中の薬液成分の体積百分率)または温度を低下させたSPMを用いることができる。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などを含む基板全般の表面に形成されたレジスト膜を剥離する基板処理方法および基板処理装置に適用することができる。
本発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す平面レイアウト図である。 図1の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。 前処理ユニットの構成を示す図である。 前処理ユニットに装備された冷却部の構成を示す図である。 図5は図1の基板処理装置に装備された洗浄ユニットの構成を示す図である。 図1の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。 図7は図1の基板処理装置の動作を示す模式図である。 本発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を実施可能な洗浄ユニットの構成を示す図である。 本発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示すフローチャートである。 本発明にかかる基板処理装置の第4実施形態の動作を示す図である。
符号の説明
11…液供給ノズル(ノズル、液膜形成手段)
12…冷却部(液膜凍結手段)
23…SPMノズル(剥離液供給手段)
29…DIWノズル(液膜形成手段)
W…基板
Wf…基板表面

Claims (9)

  1. 基板表面に付着するレジスト膜を前記基板表面から剥離する基板処理方法において、
    前記基板表面上に液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記液膜を凍結させる液膜凍結工程と、
    前記液膜凍結工程後に前記基板表面に向けてレジスト剥離液を供給して前記基板表面から前記レジスト膜を剥離するレジスト剥離工程と
    を備えたことを特徴とする基板処理方法。
  2. 前記レジスト剥離液は硫酸過酸化水素水である請求項1記載の基板処理方法。
  3. 前記レジスト剥離液は純水である請求項1記載の基板処理方法。
  4. 前記レジスト膜が前記液膜を構成する液体に対して撥液性を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記液膜形成工程は、前記基板表面の全体に前記液体を液盛りして前記液膜を形成する基板処理方法。
  5. 前記液膜形成工程は、前記基板表面を上方に向けた状態で前記基板を略水平姿勢で保持しながら前記基板の表面中央部に向けて前記液体を供給して前記基板表面上に液溜りを形成するとともに前記液溜りを前記基板の端縁方向に拡大させて前記基板表面の全体に液体を液盛りする請求項4記載の基板処理方法。
  6. 前記液膜形成工程は、前記基板表面を上方に向けた状態で前記基板を略水平姿勢で保持しながら前記基板と前記基板の表面に対向配置されたノズルとを略水平方向に相対移動させながら前記ノズルから前記基板表面に向けて前記液体を供給して前記基板表面の全体に液体を液盛りする請求項4記載の基板処理方法。
  7. 前記液膜形成工程と前記液膜凍結工程とを同一の処理ユニット内で連続的に実行する請求項4ないし6のいずれかに記載の基板処理方法。
  8. 前記液膜を構成する液体は界面活性剤またはアルコール類を必須的に含む請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法。
  9. 基板表面に付着するレジスト膜を前記基板表面から剥離する基板処理装置において、
    前記基板表面上に液膜を形成する液膜形成手段と、
    前記液膜を凍結させる液膜凍結手段と、
    前記基板表面に向けてレジスト剥離液を供給する剥離液供給手段と
    を備え、
    前記液膜凍結手段による前記液膜の凍結後に前記剥離液供給手段から前記レジスト剥離液を供給して前記基板表面から前記レジスト膜を剥離することを特徴とする基板処理装置。
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