JP2008020644A - 液晶表示装置、及び液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の液晶表示装置の液晶表示パネルでは、割断工程において、割断不良による歩留まりの低下を防止することが困難である。
【解決手段】液晶材料注入のための注入孔4の側壁部6を形成するとともに、表示領域を取り囲むように間隙中に配され、アレイ基板と対向基板とを貼り合わせるために、パターン印刷により形成されたシール材パターン2と、注入孔4を封止する封止部材5とを備え、シール材パターン2の両端部7は、側壁部6の外端部9から、対向基板の辺に沿い注入孔4とは反対側に向かって形成されており、少なくともシール材パターン2の両端部7を含む注入孔4の周縁部と、封止部材5との接触面により注入孔4が封止されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、対向基板及びアレイ基板がシール材により貼り合わされ、対向基板及びアレイ基板との間隙に、シール材により設けられた液晶注入孔から液晶材料が注入されて保持されており、液晶注入孔が封止部材により封止されている液晶表示装置、及びその液晶表示装置の製造方法に関するものである。
近年、アクティブマトリクス型の液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力という特徴を生かして、パーソナルコンピュータ、テレビ、携帯型情報機器、携帯電話、GPS(Global Positioning System)端末等の表示装置として、さらにプロジェクタなどの投写型の表示装置としても広く用いられている。
アクティブマトリクス型の液晶表示装置の表示パネル本体(液晶セル)は、一対の絶縁基板間に基板表面の配向膜を介して液晶材料が狭持され、この液晶材料の周囲がシール材で封止されたものである。一対の絶縁基板のうちの少なくとも一方は、透明であり、液晶表示面を構成する。アクティブマトリクス型の液晶表示装置では、この一対の絶縁基板のうち一方は、アレイ基板と呼ばれ、他方は、対向基板と呼ばれている。
アレイ基板には、ガラス基板上に複数本の信号線と、複数本の走査線とがマトリクス状に配置され、信号線と走査線との交点近傍にスイッチ素子として機能する薄膜トランジスタ(以下、TFTと呼ぶ)を介して、ITO(Indium Tin Oxide)からなる画素電極と各信号線とが接続されている。
また、対向基板には、TFT並びに画素電極周辺を遮光するためのマトリクス状の遮光膜がガラス基板上に配置され、また、ITOからなる対向電極が配置される。そして、カラー表示を行うためには、各画素毎に赤(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の色を割り当てるカラーフィルタ層が積層されている。
図5に、従来のアクティブマトリックス型の液晶表示パネル本体(液晶セル)を工業的に組み立てる工程の概要を示す。
まず、アレイ基板については、上述した信号線や走査線等が形成されたアレイ基板を製造ラインに投入する(投入工程S1)。そして、投入されたアレイ基板を洗浄する(S2)。次に、配向膜となるポリイミドなどの樹脂材料をオフセット印刷方式でアレイ基板上の所定の領域に塗布し、塗布された樹脂材料を加熱処理し熱硬化させる(配向膜塗布工程S3)。その後、熱硬化された樹脂材料の表面をローラに巻き付けた植毛布等で擦することによって、熱硬化された樹脂材料を一定方向に延伸、配向させる(ラビング工程S4)。その後、ディスペンサ(dispenser)にてアレイ基板上の表示画面の周囲にシール材を塗布する(シール塗布工程S5)。このとき、シール塗布工程S5で塗布されたシール材には、液晶材料を注入するための注入孔を形成するためのギャップが設けられる。
一方、対向基板については、上述したカラーフィルタ層などが形成された対向基板を製造ラインに投入する(投入工程S6)。そして、投入された対向基板を洗浄する(洗浄工程S7)。次に、配向膜となるポリイミドなどの樹脂材料をオフセット印刷方式で対向基板上の所定の領域に塗布し、塗布された樹脂材料を加熱処理し熱硬化させる(配向膜塗布工程S8)。その後、熱硬化された樹脂材料の表面をローラに巻き付けた植毛布等で擦することによって、熱硬化された樹脂材料を一定方向に延伸、配向させる(ラビング工程S9)。その後、対向基板とアレイ基板との間隙を一定に保つ役割を果たすビーズ状のスペーサを対向基板に散布する(散布工程S10)。
次に、配向処理、シール材塗布を終えたアレイ基板と、配向処理、スペーサ散布を終えた対向基板とを相互に、配向処理面を対向させて正確に位置合わせしながら重ね合わせて貼り合わせる(貼り合わせ工程S11)。その後、シール材を硬化する(シール硬化工程S12)。その後、貼り合わされたアレイ基板と対向基板とを、個別表示パネル毎に割断する(割断工程S13)。その後、表示パネル本体の注入孔から液晶材料を注入する(液晶注入工程S14)。次に、注入孔を封止剤を用いて封止する(封止工程S15)。最後に、表示パネル本体の両側に偏光板を貼り付ける(偏光板貼り付け工程S16)。このようにして、液晶表示パネル本体が組み立てられる。
なお、図5では、シール塗布工程S5において、シール材がアレイ基板に塗布されるとして説明したが、これに限らず、対向基板にシール材が塗布されても構わない。
次に、図5のような工程で組み立てられた従来の液晶表示パネル本体について説明する(例えば特許文献1参照)。
図6は、従来の液晶表示装置における液晶注入孔の封止箇所を、基板に水平な平面で切断した場合の模式的な断面図である。また、図7は、液晶注入孔の近傍(図6のB−B’線)を、基板を垂直方向に切断した場合の模式的な断面斜視図である。図8は、従来の液晶表示装置の表示パネル本体の全体を模式的に示す分解斜視図である。
図8に示すように、従来の液晶表示パネルの表示パネル本体(液晶セル)103は、アレイ基板131と対向基板132とがスペーサにより所定の間隔に保たれ、この間に、TN(ツイストネマチック)タイプの液晶層133が保持されている。液晶層133の周囲には、シール材101が配されており、シール材101が液晶層133を封止するとともに、アレイ基板131と対向基板132とを接合している。
アレイ基板131には、表示パネル本体103の表側に形成される表示領域20に対応して、画素電極24がマトリクス状に配列されており、また、各画素電極24には、スイッチ素子としてのTFT23が配されている。各TFT23は、走査線21と信号線22との交点毎に設けられ、走査線21から入力されるゲートパルス電圧に従い信号線22からの画像データ信号に対応する電圧を画素電極24に入力する。
図7、及び図8に示すように、シール材101は、液晶注入孔112を形成する箇所を除き、アレイ基板131及び対向基板132のいずれの電極形成面(液晶層側の主表面)の端縁103bからも、シール材塗布の位置合わせマージン、及び塗布後の幅方向の広がり(滲みまたはしみ出し)のぶれを十分に吸収する距離だけ、離されている。
また、図6及び図7に示すように、シール材101の端部の形態には、液晶注入孔112の近傍に、液晶注入孔112から両側へと折り返して重ねたような形状の幅広の折り返し部111が設けられている。折り返し部111は、長さがLの範囲に渡って設けられており、折り返し部111の幅W1’は、図6及び図7に示す例では、液晶注入孔112の近傍以外の領域のシール材101の幅W’の2倍またはそれ以上である。また、液晶注入孔112は、両基板131、132の基板端面103aと、折り返し部111の外縁とが、注入孔封止部材102の内縁102aと接することにより、封止されている。
特開2004−144793号公報
しかしながら、上述した表示パネル本体103においては、シール材101の折り返し部111の幅W1’は、液晶注入孔112の近傍以外の領域のシール材101の幅W’の2倍またはそれ以上になっている。すなわち、シール材の折り返し部111の部分に使用されるシール材の量は、液晶注入孔112の近傍以外の領域で使用されるシール材101の量よりも多くなっている。
また、シール材101のアレイ基板131または対向基板132への塗布は、ディスペンサにより、そのノズル先端からシール材を供給して、一筆書きすることによって行われている。従って、アレイ基板131または対向基板132へ塗布されたシール材101の両端部分には、シール材の溜まりが出来やすい。すなわちシール材101の両端部分ではシール材の塗布量が多くなってしまう。
このように、従来の液晶表示装置の表示パネルでは、液晶注入孔112近傍に用いられるシール材の量と、液晶注入孔112近傍以外の場所で用いられるシール材の量とが均一でないので、アレイ基板131と対向基板132との間隙を均一にすることが困難である。
すなわち、従来の液晶表示装置の表示パネルでは、アレイ基板と対向基板との間隙を均一にすることが困難であるという課題がある。
また、図5に示す割断工程S13においては、アレイ基板と対向基板との間隙が均一でないので、貼り合わせたアレイ基板と対向基板とを、個別表示パネル毎に割断する際、割断不良が発生しやすくなる。
本発明は、上記課題を考慮し、アレイ基板と対向基板との良好な密着性を確保するとともに、アレイ基板と対向基板との間隙を均一にすることが出来る液晶表示装置、及び液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、一つの表示領域をなすように画素電極がマトリクス状に配列されたアレイ基板と、
前記アレイ基板との間に所定の間隙をなすように重ね合わされた対向基板と、
前記間隙中に保持された液晶材料と、
前記液晶材料注入のための注入孔の側壁部を形成するとともに、前記表示領域を取り囲むように前記間隙中に配され、前記アレイ基板と前記対向基板とを貼り合わせるために、パターン印刷により形成されたシール材パターンと、
前記注入孔を封止する封止部材とを備え、
前記シール材パターンの両端部は、前記側壁部の外端部から、前記対向基板の辺に沿い前記注入孔とは反対側に向かって形成されており、
少なくともシール材パターンの両端部を含む前記注入孔の周縁部と、前記封止部材との接触面により前記注入孔が封止されている、液晶表示装置である。
前記アレイ基板との間に所定の間隙をなすように重ね合わされた対向基板と、
前記間隙中に保持された液晶材料と、
前記液晶材料注入のための注入孔の側壁部を形成するとともに、前記表示領域を取り囲むように前記間隙中に配され、前記アレイ基板と前記対向基板とを貼り合わせるために、パターン印刷により形成されたシール材パターンと、
前記注入孔を封止する封止部材とを備え、
前記シール材パターンの両端部は、前記側壁部の外端部から、前記対向基板の辺に沿い前記注入孔とは反対側に向かって形成されており、
少なくともシール材パターンの両端部を含む前記注入孔の周縁部と、前記封止部材との接触面により前記注入孔が封止されている、液晶表示装置である。
また、第2の本発明は、前記シール材パターンの前記両端部の幅は、前記シール材パターンの前記両端部及び前記側壁部以外の部分の幅よりも小さい、第1の本発明の液晶表示装置である。
また、第3の本発明は、前記シール材パターンの前記両端部の幅は、前記シール材パターンの前記両端部及び前記側壁部以外の部分の幅の実質上1/4の幅を有している、第2の本発明の液晶表示装置である。
また、第4の本発明は、前記パターン印刷とは、スクリーン印刷である、第1の本発明の液晶表示装置である。
また、第5の本発明は、前記シール材パターンには、エポキシ系樹脂または紫外線硬化樹脂が用いられている、第1の本発明の液晶表示装置である。
また、第6の本発明は、対向基板と、一つの表示領域をなすように画素電極がマトリクス状に配列されたアレイ基板との少なくとも一方に、液晶材料注入のための注入孔の側壁部と、前記表示領域を取り囲むための取り囲み壁とを含むシール材パターンをパターン印刷するパターン印刷工程と、
前記シール材パターンを介して、前記アレイ基板及び前記対向基板を互いに貼り合わせる貼り合わせ工程と、
前記アレイ基板及び前記対向基板がなす間隙中に前記注入孔を通じて液晶材料を注入する液晶注入工程と、
その後、前記注入孔を封止部材により封止する封止工程とを備え、
前記パターン印刷工程では、前記シール材パターンの両端部は、前記側壁部の外端部から、前記対向基板の辺に沿い前記注入孔とは反対側に向かって伸びる両端部をパターン印刷し、
少なくともシール材パターンの両端部を含む前記注入孔の周縁部と、前記封止部材との接触面により前記注入孔が封止される、液晶表示装置の製造方法である。
前記シール材パターンを介して、前記アレイ基板及び前記対向基板を互いに貼り合わせる貼り合わせ工程と、
前記アレイ基板及び前記対向基板がなす間隙中に前記注入孔を通じて液晶材料を注入する液晶注入工程と、
その後、前記注入孔を封止部材により封止する封止工程とを備え、
前記パターン印刷工程では、前記シール材パターンの両端部は、前記側壁部の外端部から、前記対向基板の辺に沿い前記注入孔とは反対側に向かって伸びる両端部をパターン印刷し、
少なくともシール材パターンの両端部を含む前記注入孔の周縁部と、前記封止部材との接触面により前記注入孔が封止される、液晶表示装置の製造方法である。
本発明は、アレイ基板と対向基板との良好な密着性を確保し、かつアレイ基板と対向基板との間隙が均一である液晶表示装置、及び液晶表示装置の製造方法を提供することが出来る。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施の形態では、本発明の液晶表示装置の一実施の形態である液晶表示装置の表示パネル本体(液晶セル)について説明するとともに、本発明の液晶表示装置の製造方法の一実施の形態である液晶表示装置の製造方法についても説明する。
図1は、本実施の形態の液晶表示装置の表示パネル本体1における液晶注入孔の封止箇所を、基板に水平な平面で切断した場合の模式的な断面図である。また、図2は、液晶注入孔の近傍(図1のA−A’線)を、基板を垂直方向に切断した場合の模式的な断面斜視図である。図3は、本実施の形態の液晶表示装置の表示パネル本体1の全体を模式的に示す分解斜視図である。
図3に示すように、本実施の形態の液晶表示パネルの表示パネル本体1は、アレイ基板10と対向基板11とがスペーサ(図示せず)により所定の間隔に保たれ、この間に、TN(ツイストネマチック)タイプの液晶層3が保持されている。液晶層3の周囲には、シール材パターン2が配されており、シール材パターン2が液晶層3を封止するとともに、アレイ基板10と対向基板11とを接合している。
アレイ基板10には、表示パネル本体1の表側に形成される表示領域20に対応して、画素電極24がマトリクス状に配列されており、また、各画素電極24には、スイッチ素子としてのTFT23が配されている。各TFT23は、走査線21と信号線22との交点毎に設けられ、走査線21から入力されるゲートパルス電圧に従い信号線22からの画像データ信号に対応する電圧を画素電極24に入力する。
また、図1〜図3に示すように、シール材パターン2は、液晶材料を注入するための注入孔4を形成する箇所を除き、アレイ基板10及び対向基板11のいずれの電極形成面(液晶層側の主表面)の端面31からも、シール材塗布の位置合わせマージン、及び塗布後の幅方向の広がり(滲みまたはしみ出し)のぶれを十分に吸収する距離だけ、離されている。
また、シール材パターン2は、図3に示す表示領域20の四周を取り囲む取り囲み壁8と、注入孔4を形成するための側壁部6と、側壁部6の外端部9から、対向基板11の辺に沿い注入孔4とは反対側に向かって伸びる両端部7とを有している。なお、取り囲み壁8、側壁部6、及び両端部7は、説明の都合上便宜的に区別したにすぎず、実際のシール材パターン2においては、取り囲み壁8、側壁部6、及び両端部7が、各部毎に区別されているわけではない。そしてこのようなシール材パターン2は、スクリーン印刷などのパターン印刷により一体的に形成されている。
そして、図1に示すようにシール材パターン2の両端部7の幅Dは、シール材パターン2の取り囲み壁8の幅Wより幅が小さくなっている。すなわち、シール材パターン2の両端部7の幅Dは、シール材パターン2の両端部7及び側壁部6以外の部分である取り囲み壁8の幅Wよりも幅が小さくなっている。
図1に示すように、両端部7は、外縁が封止部材5の内縁5aに直接接しており、また、側壁部6の外端部9、及び注入孔4の近傍の両基板10,11の端面10a、11aも、封止部材5の内縁5aに直接接している。従って、両端部7が存在しない場合に比べて、両端部7が存在する場合には、シール材パターン2と封止部材5とが接触する長さが注入孔4の外側に向かって延長されている。
なお、本発明の注入孔の周縁部とは、一例として、両端部7、側壁部6の外端9、及び注入孔4近傍の両基板10、11の端面10a、11a等を含む概念である。
すなわち、注入孔4の両側において、シール材パターン2の両端部7及び側壁部6の外端部9とが封止部材5の内縁5aと接する接触領域の長さMは、注入孔4の両端から封止部材5の両端に至る距離に一致する長さとなっている。
従って、シール材パターン2の外縁と封止部材5の内縁5aとが接する接触領域は、図2における厚みQに図1に示す長さMをかけた面積にほぼ相当する広い面積が確保される。そのため、例えば、封止部材5の硬化収縮やシール材パターン2との熱膨張率の相違等が大きい場合にも、シール材パターン2と封止部材5との間の剥離や間隙の形成を十分に防止することが出来る。
このように表示パネル本体1においては、アレイ基板10と対向基板11との間の良好な密着性を確保することが出来るので、表示パネル本体1の信頼性試験をした場合や、表示パネル本体1を高温多湿などの劣悪な条件で使用した場合であっても、表示パネル本体1の表示品位が低下するなどの不具合を防止することが出来る。
また、従来の表示パネル本体103の折り返し部111の幅は、液晶注入孔112の近傍以外の領域のシール材101の2倍またはそれ以上になっている。これに対して本実施の形態では、シール材パターン2の取り囲み部8の幅Wよりも、シール材パターン2の両端部7の幅Dの方が小さくなっている。従って、注入孔4近傍のシール材パターン2に用いられるシール材の量は、従来の表示パネル本体103に比べて格段に少なくなっている。
従って、後述する図4に示す貼り合わせ工程S11及びシール硬化工程S12において、従来の表示パネル本体103より本実施の形態の表示パネル本体1の方がより、アレイ基板10と対向基板11との間隙を均一にすることが出来る。
また、後述する図4に示す割断工程S13においては、上述したように本実施の形態の表示パネル本体1の方が、従来の表示パネル本体103よりも、アレイ基板10と対向基板11との間隙を均一にすることが出来るので、貼り合わされたアレイ基板10と対向基板11とを、個別表示パネル本体1毎に割断する際、スクライバによってスクライブラインを引くとき、スクライブラインのクラックの深さをより均一にすることが出来る。従って、ブレーカにより個別表示パネル本体1毎に割断する際、割断不良が発生しにくくなる。
さらに、注入孔4近傍において使用されるシール材パターン2のシール材の量は、従来の表示パネル本体103の液晶注入孔近傍112において使用されるシール材の量に比べて格段に少ないので、従来の表示パネル本体103よりも本実施の形態の表示パネル本体1の方が剛性の変化が少なくなる。従って、図5に示す割断工程S12において、スクライブラインをスクライバによって引いた後、ブレーカにより個別表示パネル1毎に割断する際、ブレーカによって液晶表示パネル本体1に伝達される応力の分布の偏りがより少なくなるので、割断不良をより少なくすることが出来、歩留まりを容易に向上することが出来る。
なお、両端部7の幅Dは、取り囲み部8の幅Wの実質上1/4にすると、上述した割断不良による歩留まりがさらに改善出来る点で好ましい。なお、このように、両端部7の幅Dを局部的に小さく出来る理由は、シール材パターン2を形成する際に、スクリーン印刷等のパターン印刷を採用したことに起因するが、この点については、後述する。
なお、この場合の、「実質上1/4にする」における「実質上」とは、本実施の形態の液晶表示装置の表示パネル1を製造する際に発生する製造上のばらつきを包含する概念である。すなわち、両端部7の幅Dは、取り囲み部8の幅Wに対して、1/4を中心として製造上のばらつきの範囲内であれば割断不良による歩留まりがさらに改善出来る点で好ましい。
そして、両端部7の幅Dを、取り囲み部8の幅Wの実質上1/4よりさらに、小さくしていくにつれて、今度は、両端部7の部分の耐久性が劣化していくことが解った。従って、両端部7の幅Dを取り囲み部8の幅Wの実質上1/4よりかなり小さくすると、表示パネル本体1の信頼性試験を実施した場合、両端部7の部分の劣化が認められ、信頼性試験の際良品と判定されない場合が生じることが解った。
次に、本発明の液晶表示装置の製造方法の一実施の形態である本実施の形態の液晶表示装置の表示パネル1本体の製造方法について説明する
図4に、本実施の形態の液晶表示装置の液晶表示パネル本体(液晶セル)1を工業的に組み立てる工程の概要を示す。
図4に、本実施の形態の液晶表示装置の液晶表示パネル本体(液晶セル)1を工業的に組み立てる工程の概要を示す。
図4と図5との相違点は、図5では、ディスペンサにてアレイ基板上の表示画面の周囲にシール材を塗布するシール塗布工程S5が用いられていたのに対して、本実施の形態の図4では、シール材パターン印刷工程S17が用いられている点である。
すなわち、図4において、まず、アレイ基板10については、上述した信号線や走査線等が形成されたアレイ基板10を製造ラインに投入する(投入工程S1)。なお、アレイ基板10としては、ガラス基板を用いるがプラスチック基板を用いても構わない。そして、投入されたアレイ基板10を洗浄する(S2)。次に、配向膜となるポリイミドなどの樹脂材料をオフセット印刷方式でアレイ基板10上の所定の領域に塗布し、塗布された樹脂材料を加熱処理し熱硬化させる(配向膜塗布工程S3)。その後、熱硬化された樹脂材料の表面をローラに巻き付けた植毛布等で擦することによって、熱硬化された樹脂材料を一定方向に延伸、配向させる(ラビング工程S4)。その後、スクリーン印刷等のパターン印刷によりアレイ基板上の表示画面の周囲にシール材パターン2を印刷する(シール材パターン印刷工程S17)。このとき、パターン印刷されたシール材パターン2には、図1〜図3に示したように側壁部6、両端部7、及び取り囲み壁8の幅をそれぞれ適切に設定した上で一体的に印刷される。すなわち、背景技術で説明したディスペンサ方式では、場所によるシール材の幅の変更が出来ないのに対し、スクリーン印刷等のパターン印刷方式であれば、両端部7の幅Dを取り囲み壁8の幅Wに比べて小さく設定することを容易に行うことが出来る。シール材パターン2の材料としては、エポキシ系樹脂材料や、紫外線硬化樹脂材料を用いることが出来る。
一方、対向基板11については、上述したカラーフィルタ層などが形成された対向基板11を製造ラインに投入する(投入工程S6)。ここで対向基板11としては、ガラス基板を用いるが、プラスチック基板を用いても構わない。そして、投入された対向基板11を洗浄する(洗浄工程S7)。次に、配向膜となるポリイミドなどの樹脂材料をオフセット印刷方式で対向基板11上の所定の領域に塗布し、塗布された樹脂材料を加熱処理し熱硬化させる(配向膜塗布工程S8)。その後、熱硬化された樹脂材料の表面をローラに巻き付けた植毛布等で擦することによって、熱硬化された樹脂材料を一定方向に延伸、配向させる(ラビング工程S9)。その後、対向基板11とアレイ基板10との間隙を一定に保つ役割を果たすスペーサを対向基板11に散布する(散布工程S10)。
次に、配向処理、シール材塗布を終えたアレイ基板10と、配向処理、スペーサ散布を終えた対向基板11とを相互に、配向処理面を対向させて正確に位置合わせしながら重ね合わせて貼り合わせる(貼り合わせ工程S11)。その後、シール材パターン2を硬化する(シール硬化工程S12)。ここで、シール材パターン2としてエポキシ系樹脂材料を用いた場合には、加熱硬化させる。また、シール材パターン2として紫外線硬化樹脂材料を用いた場合には、紫外線照射によりシール材パターン2を硬化させる。その後、貼り合わされたアレイ基板10と対向基板11とを、個別表示パネル1毎に割断する(割断工程S13)。その後、表示パネル本体1の注入孔4から液晶材料を注入する(液晶注入工程S14)。次に、注入孔4を封止部材5を用いて封止する(封止工程S15)。封止部材5の材料としては、ポリエン系、ポリエン・ポリチオール系等の光硬化性の樹脂を用いる。最後に、表示パネル本体の両側に偏光板を貼り付ける(偏光板貼り付け工程S16)。このようにして、表示パネル本体1が組み立てられる。
このような工程により、本実施の形態の液晶表示装置の表示パネル本体1を製造することが出来る。
なお、本実施の形態では、図1〜図3に示すように、シール材パターン2の両端部7の外縁が、対向基板11の辺上に配置されているとして説明したが、これに限らない。シール材パターン2の両端部7の外縁が、対向基板11の辺から対向基板11の内側であって、対向基板11の辺に平行に形成されていても構わない。
さらに、図4では、シール材パターン印刷工程S17において、シール材パターン2がアレイ基板10にパターン印刷されるとして説明したが、これに限らず、対向基板11にシール材パターン2をパターン印刷しても構わない。また、シール材パターン印刷工程S17において、シール材パターン2をアレイ基板10及び対向基板11の両方にパターン印刷しても構わない。
さらに、本実施の形態では、シール材パターン印刷工程S17において、シール材パターン2を、スクリーン印刷等のパターン印刷を用いて印刷するとして説明したが、これに限らず、スクリーン印刷以外のパターン印刷方式を用いても構わない。要するにシール材パターン印刷工程S17において、図1〜図3に示すシール材パターン2が適切に印刷出来るようなパターン印刷方式を用いさえすればよい。
さらに、本実施の形態では、両端部7の幅Dが取り囲み壁8の幅Wより小さい場合について説明したが、これに限らない。例えば、両端部7の幅Dが取り囲み壁8の幅Wと等しい場合であってもよい。この場合、背景技術で説明したディスペンサ方式と異なり、本実施の形態では、スクリーン印刷などのパターン印刷方式を採用しているので、シール材の溜まりが出来にくくなる。従って、背景技術で説明した液晶表示装置の表示パネル本体103に比べて、本実施の形態の表示パネル本体1の方が、アレイ基板10と対向基板11との間隙を均一にすることが出来るという効果を発揮する。
さらに、本実施の形態では、液晶層3としてTN(ツイストネマチック)タイプの液晶層が用いられているとして説明したが、これに限らない。液晶層3として、STN(Super−Twisted Nematic)モードの液晶層、DSM(Dynamic Scattering Mode:動的散乱モード)の液晶層、ECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折モード)の液晶層、VA(Vertically Aligned) modeの液晶層、OCB(Optically Compensated Birefringence)モードの液晶層などを用いても構わない。要するに、本実施の液晶層3の材料としては、注入孔4から液晶材料が注入されるような液晶材料でありさえすればよい。
さらに、本実施の形態では、シール材パターン2の材料としては、エポキシ系樹脂材料や、紫外線硬化樹脂材料を用いるとして説明したが、これ以外の材料を用いても構わない。
さらに、さらに本実施の形態では、封止部材5の材料として、ポリエン系、ポリエン・ポリチオール系等の光硬化性の樹脂を用いるとして説明したが、これに限らない。本実施の形態の封止部材5としては、液晶層3に直接接触することになるので、液晶層3と反応せず、汚染源とならないような光硬化性の材料であればどのような材料を用いても構わない。
なお、本実施の形態のシール材パターン印刷工程S17は、本発明のパターン印刷工程の一例である。
本発明に係る液晶表示装置、及び液晶表示装置の製造方法は、アレイ基板と対向基板との良好な密着性を確保し、かつアレイ基板と対向基板との間隙を均一にすることが出来るという効果を有し、対向基板及びアレイ基板がシール材により貼り合わされ、対向基板及びアレイ基板との間隙に、シール材により設けられた液晶注入孔から液晶材料が注入されて保持されており、液晶注入孔が封止部材により封止されている液晶表示装置、及びその液晶表示装置の製造方法等に有用である。
1 液晶表示パネル本体(液晶セル)
2 シール材パターン
3 液晶層
4 注入孔
5 封止部材5
6 側壁部
7 両端部
8 取り囲み壁
9 外端部
10 アレイ基板
11 対向基板
31 端面
Claims (6)
- 一つの表示領域をなすように画素電極がマトリクス状に配列されたアレイ基板と、
前記アレイ基板との間に所定の間隙をなすように重ね合わされた対向基板と、
前記間隙中に保持された液晶材料と、
前記液晶材料注入のための注入孔の側壁部を形成するとともに、前記表示領域を取り囲むように前記間隙中に配され、前記アレイ基板と前記対向基板とを貼り合わせるために、パターン印刷により形成されたシール材パターンと、
前記注入孔を封止する封止部材とを備え、
前記シール材パターンの両端部は、前記側壁部の外端部から、前記対向基板の辺に沿い前記注入孔とは反対側に向かって形成されており、
少なくともシール材パターンの両端部を含む前記注入孔の周縁部と、前記封止部材との接触面により前記注入孔が封止されている、液晶表示装置。 - 前記シール材パターンの前記両端部の幅は、前記シール材パターンの前記両端部及び前記側壁部以外の部分の幅よりも小さい、請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記シール材パターンの前記両端部の幅は、前記シール材パターンの前記両端部及び前記側壁部以外の部分の幅の実質上1/4の幅を有している、請求項2記載の液晶表示装置。
- 前記パターン印刷とは、スクリーン印刷である、請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記シール材パターンには、エポキシ系樹脂または紫外線硬化樹脂が用いられている、請求項1記載の液晶表示装置。
- 対向基板と、一つの表示領域をなすように画素電極がマトリクス状に配列されたアレイ基板との少なくとも一方に、液晶材料注入のための注入孔の側壁部と、前記表示領域を取り囲むための取り囲み壁とを含むシール材パターンをパターン印刷するパターン印刷工程と、
前記シール材パターンを介して、前記アレイ基板及び前記対向基板を互いに貼り合わせる貼り合わせ工程と、
前記アレイ基板及び前記対向基板がなす間隙中に前記注入孔を通じて液晶材料を注入する液晶注入工程と、
その後、前記注入孔を封止部材により封止する封止工程とを備え、
前記パターン印刷工程では、前記シール材パターンの両端部は、前記側壁部の外端部から、前記対向基板の辺に沿い前記注入孔とは反対側に向かって伸びる両端部をパターン印刷し、
少なくともシール材パターンの両端部を含む前記注入孔の周縁部と、前記封止部材との接触面により前記注入孔が封止される、液晶表示装置の製造方法。
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2006
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CN105572976A (zh) * | 2015-12-25 | 2016-05-11 | 信利半导体有限公司 | 一种阵列基板及其制造方法、显示面板 |
CN105572976B (zh) * | 2015-12-25 | 2018-10-30 | 信利半导体有限公司 | 一种阵列基板及其制造方法、显示面板 |
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