JP2008020048A - クラッチ用カム機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クラッチの解放時のクラッチの抵抗を低減するクラッチ用カム機構を提供する。
【解決手段】
相互に対向したローディングカムのカム面とカムフォロワのカム面との間にカム転動子を介在させ、該カム転動子を介したローディングカムおよびカムフォロワ間でのトルク伝達中に前記カム転動子が前記カム面の初期領域からカム作用領域へと転動することによりローディングカムとカムフォロワとの間にスラスト荷重を発生させ、該スラスト荷重によってクラッチ要素同士を締結するクラッチ用カム機構であって、
前記カム面の初期領域と前記カム面のカム作用領域との境界において、前記初期領域のカム面傾斜角を、前記カム作用領域のカム面傾斜角よりも大きくする。
【選択図】図13

Description

本発明は、クラッチを締結ないし開放するクラッチ用カム機構に関するものである。
クラッチを締結ないし解放する機構として、シリンダおよびピストンからなる油圧機構を用いることが常套である。しかし、油圧機構を用いた場合には油圧ポンプの駆動に消費される動力も大きくなることから自動車の走行性能や燃費が悪化するという懸念があったり、油圧機構をクラッチに追加する際のレイアウト上の制約があったりするため、特許文献1に記載されているようなカム機構を用いた技術も知られている。
特許文献1に記載のカム機構は、クラッチ要素の一方側と連結する第1カムプレートおよび他方側と連結する第2カムプレートに、それぞれ凹状のカム面が形成されており、これら凹状カム面の最も窪んだ位置である谷部にローラが位置している。そして、第1カムプレートと第2カムプレートとが相対回動すると、ローラが傾斜したカム面に沿って転動し、これによりスラストが発生して、第1カムプレートが第2カムプレートに対して離反する方向に移動し、クラッチを締結することになる。また上述したクラッチ締結状態で逆転方向に第1カムプレートと第2カムプレートとが相対回動すると、ローラが上記の谷部に戻り、上記のスラストは発生せず、クラッチを解放することになる。
特開2000−230575号公報
ところで、上記従来のようなカム機構を用いたクラッチにあっては、クラッチの締結容量、すなわちスラスト荷重をどのように確保するかが課題となる。大きな締結容量が必要とされる場合、上述した凹状カム面の傾斜角を緩勾配にとればよい。
しかし、傾斜角を緩勾配となるよう少なくすれば、上述したローラが戻りにくくなることから、クラッチ解放後であっても、第2カムプレートが戻りきらずクラッチの抵抗の原因にもなる。さらに、摩擦クラッチ以外のクラッチ(例えばドグクラッチ等)にこのカム機構を採用した場合にも、上記の問題が発生し、駆動力の損失といった問題が生じる。
本発明は、クラッチの抵抗を軽減するクラッチ用カム機構を提案することを目的とする。
この目的のため本発明によるクラッチ用カム機構は、請求項1に記載のごとく、
相互に対向したローディングカムのカム面とカムフォロワのカム面との間にカム転動子を介在させ、該カム転動子を介したローディングカムおよびカムフォロワ間でのトルク伝達中に前記カム転動子が前記カム面の初期領域からカム作用領域へと転動することによりローディングカムとカムフォロワとの間にスラスト荷重を発生させ、該スラスト荷重によってクラッチ要素同士を締結するクラッチ用カム機構であって、
前記カム面の初期領域と前記カム面のカム作用領域との境界において、前記初期領域のカム面傾斜角を、前記カム作用領域のカム面傾斜角よりも大きくしたことを特徴とする。
かかる本発明のクラッチ用カム機構によれば、スラストを発生させないカム面の初期領域の傾斜角と、スラストを発生させるカム面のカム作用領域の傾斜角とを異ならせたことから、カム転動子の戻りが良くなるという効果と、大きなスラストを発生させる効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるクラッチ用カム機構を具えた駆動力伝達装置、および当該駆動力伝達装置を具えた電動モータ式4輪駆動車両の駆動系を模式的に示すもので、
この電動モータ式4輪駆動車両の駆動系は、主動力源であるエンジン21からの駆動力を、変速機22、プロペラシャフト23、ディファレンシャルギヤ装置を含む終減速機24、および左右ドライブシャフト25を介して主駆動輪である左右後輪26へ伝達する、フロントエンジン・リヤホイールドライブ車(FR車)をベース車とし、
電動モータ27の駆動力を、本発明の一実施例になるクラッチ用カム機構を具えた駆動力伝達装置28、減速機29、ディファレンシャルギヤ装置を含む終減速機30、およびドライブシャフト31を介して副駆動輪である左右前輪32に伝達するようになしたものである。
なお本発明の一実施例になるクラッチ用カム機構を具えた駆動力伝達装置28は、減速機29および終減速機30間に配置してもよい。
図2は、本発明の他の実施例になる電動モータ式4輪駆動車両の駆動系を模式的に示すもので、
この電動モータ式4輪駆動車両の駆動系は、エンジン等の主動力源41からの駆動力を、変速機およびディファレンシャルギヤ装置の組み合わせになるトランスアクスル42、およびドライブシャフト43を介して主駆動輪である左右前輪44へ伝達する、フロントエンジン・フロントホイールドライブ車(FF車)をベース車とし、
電動モータ等の副動力源45からの駆動力を、本発明の一実施例になるクラッチ用カム機構を具えた駆動力伝達装置28、ディファレンシャルギヤ装置を含む減速機46、およびドライブシャフト47を介して副駆動輪である左右後輪48に伝達するようにしたものである。
なお駆動力伝達装置28は、減速機46内に含めてこれと同一ユニットに構成することもできる。
図1または図2に例示するような駆動系に設けられる駆動力伝達装置28は、本発明になるクラッチ用カム機構に相当するカム機構6を有し、具体的には例えば図3に明示するように取り付ける。
まず、駆動力伝達装置28について説明するに、これは電動モータ27(45)に結合される入力軸1と、副駆動輪32(48)側に結合される出力軸2とを具え、これら入力軸1および出力軸2をケーシング8内に同軸突き合わせ関係に収納する。
ケーシング8は、ケーシング部分8a,8bの合体により構成し、これらをボルト11により相互に結合させる。
そして、入力軸1を軸受9aによりケーシング部分8aに回転自在に支持すると共に、入力軸1およびケーシング部分8a間をオイルシール10aにより油封し、出力軸2を軸受9bによりケーシング部分8bに回転自在に支持すると共に、出力軸2およびケーシング部分8b間をオイルシール10bにより油封する。
出力軸2に近い入力軸1の端部外周に、出力軸2に近い側より順次、前進ワンウェイクラッチ(正方向ワンウェイクラッチ)3、および、後退ワンウェイクラッチ(逆方向ワンウェイクラッチ)4を嵌合して設ける。
前進ワンウェイクラッチ(正方向ワンウェイクラッチ)3は、内輪3aと、外輪3cと、これら内外輪間に介在させたスプラグ3bおよび軸受3d,3eからなり、
後退ワンウェイクラッチ(逆方向ワンウェイクラッチ)4も、内輪4aと、外輪4cと、これら内外輪間に介在させたスプラグ4bおよび軸受4d,4eとからなるものとする。
前進ワンウェイクラッチ3および後退ワンウェイクラッチ4は、それぞれの内輪3a,4aを入力軸1と共に回転するように、かつ軸線方向へは変位不能に入力軸1の外周にセレーション嵌合、またはスプライン嵌合する。
前進ワンウェイクラッチ3の外輪3cは、入力軸1に近い出力軸2の端部に一体成形した環状部2aの内周に嵌合させて出力軸2に結合する。
前進ワンウェイクラッチ3および後退ワンウェイクラッチ4の外輪3c,4c間に、前進ワンウェイクラッチ3に近い側より順次、後退回転伝動クラッチ(逆方向回転伝動クラッチ)5およびカム機構6を以下のようにして配置して介在させる。
先ず後者のカム機構6を説明するに、このカム機構6は、後退ワンウェイクラッチ4の外輪4cに結合されてこれと共に回転するワンウェイクラッチ側カムディスク6aと、このワンウェイクラッチ側カムディスク6aに対し軸線方向に対向し、皿バネなどのリターンスプリング7でワンウェイクラッチ側カムディスク6aへ軸線方向プリロードにより押圧された後退回転伝動クラッチ側カムディスク6bと、これらカムディスク6a,6b間に介在させたカム転動子6cとより成るカム機構とする。カムディスク6aはローディングカムに相当し、カムディスク6bはカムフォロワに相当する。
そして当該カム機構6は、ワンウェイクラッチ側カムディスク6aへ後退方向駆動力が伝達されるとき、後退回転伝動クラッチ側カムディスク6bとの間における相対回転によりカム転動子6cを介して、後退回転伝動クラッチ側カムディスク6bをワンウェイクラッチ側カムディスク6aから遠ざかる軸線方向へ変位させるものとする。カム転動子6cは両ディスク6a,6bのカム面を転動するため、ボール形状とする。
なお皿バネ型式のリターンスプリング7は、その内周をカムディスク6bの外周フランジ部6dに係合させ、外周をケーシング部分8bの環状切り欠き8cに係合させて、カムディスク6bおよびケーシング部分8b間に縮設し、カムディスク6bに対しこれをカムディスク6aへ押圧する上記軸線方向のプリロードを付与するものとする。
次に前者の後退回転伝動クラッチ5を説明するに、これは相互に軸線方向に対向した一対の環状クラッチギヤ5a,5bを具え、これら環状クラッチギヤ5a,5bの軸線方向対向面にそれぞれ相互に噛み合い可能な歯を設けて構成したドグクラッチとする。環状クラッチギヤ5a,5bはクラッチ要素に相当する。
この後退回転伝動クラッチ5の作用は、以下のとおりである。
ワンウェイクラッチ側カムディスク6aへ後退方向駆動力が伝達されず、カム機構6が後退回転伝動クラッチ側カムディスク6bをリターンスプリング7によりカムディスク6aに接近した位置にされる間、環状クラッチギヤ5aが図示のごとく環状クラッチギヤ5bから離間することにより、後退回転伝動クラッチ5は解放状態となってワンウェイクラッチ3,4の外輪3c,4c間を遮断する。
ワンウェイクラッチ側カムディスク6aへ後退方向駆動力が伝達され、このディスク6aが後退回転伝動クラッチ側カムディスク6bとの相対回転によりカム転動子6cを介してカムディスク6bをリターンスプリング7に抗しカムディスク6aから遠ざけるカム機構6の作動時は、環状クラッチギヤ5aが図示の位置から左行されて環状クラッチギヤ5bと噛合することにより、後退回転伝動クラッチ5は締結状態となってワンウェイクラッチ3,4の外輪3c,4c間を結合する。
以上により前進ワンウェイクラッチ3および後退ワンウェイクラッチ4は、入力軸1および出力軸2間に並列的に配置され、更に後者の後退ワンウェイクラッチ4は、カム機構6により締結される後退回転伝動クラッチ5および前進ワンウェイクラッチ3の外輪3cを介して入出力軸1,2間を結合することとなり、
かかる構成の本実施例の駆動力伝達装置は、図1または図2に示すごとくに電動モータ式4輪駆動車両に用いたとき以下のように機能する。
図4(a)は、電動モータ式4輪駆動車両を前進4輪駆動走行させる時における上記駆動力伝達装置の駆動力伝達経路にハッチングを付して示す説明用断面図である。
なおここでは、前進4輪駆動時の入力軸1の回転方向を、図4(a)の右側(電動モータ側)から見て時計回り方向として説明する。
また図4(b)は、前進ワンウェイクラッチ3を図4(a)の右側(電動モータ側)から見て示す横断面図であり、図4(c)は、後退ワンウェイクラッチ4を図4(a)の右側(電動モータ側)から見て示す横断面図である。
入力軸1が電動モータからの前進駆動力により対応する方向に回転されると、前進ワンウェイクラッチ3の内輪3aが外輪3bに対して係合方向に回転するので、スプラグ3bが図4(b)に示すように係合方向に傾き、前進ワンウェイクラッチ3の係合(図ではLockと表示した)により外輪3cはスプラグ3bを介して内輪3aと一体的に前進方向へ回転する。
よって、電動モータから入力軸1への前進駆動力が前進ワンウェイクラッチ3を介して出力軸2にそのまま伝達され、副駆動輪を前進方向へモータ駆動することができ、エンジンによる主駆動輪の前進駆動と相まって車両を前進4輪駆動走行させ得る。
なお、入力軸1の前進回転は後退ワンウェイクラッチ4の内輪4aにも伝達されるが、内輪4aの回転方向が外輪4cに対し非係合方向であるため、スプラグ4bは図4(c)に示すように非係合方向に傾き、後退ワンウェイクラッチ4の非係合(図ではFreeと表示した)により内輪4aは外輪4cに対し空転するのみで、外輪4cに前進回転が伝達されることはない。
かかる後退ワンウェイクラッチ4の非係合により、入力軸1の前進回転は外輪4c、従ってカム機構6のカムディスク6aに伝達されず、カムディスク6a,6b間の相対回転も発生しないのでカム機構6は動作することなく図4(a)の状態を保ち、従ってカムディスク6bとリターンスプリング7との間にフリクションが発生することもない。
図5(a)は、電動モータ式4輪駆動車両を前進2輪駆動走行させる時における上記駆動力伝達装置の駆動力伝達経路にハッチングを付して示す説明用断面図である。
なおここでも、前進2輪駆動時の出力軸2の回転方向を、図5(a)の右側(電動モータ側)から見て時計回り方向として説明する。
また図5(b)は、前進ワンウェイクラッチ3を図5(a)の右側(電動モータ側)から見て示す横断面図であり、図5(c)は、後退ワンウェイクラッチ4を図5(a)の右側(電動モータ側)から見て示す横断面図である。
前進2輪駆動時においては、電動モータを停止させてこれによる副駆動輪の駆動を行わず、エンジンによる主駆動輪の駆動のみにより車両を走行させることから、電動モータから入力軸1に回転が伝達されることがなくて入力軸1は停止したままである。
しかし、エンジンによる主駆動輪の2輪駆動により車両を走行させることから、副駆動輪の回転が出力軸2に伝達されて出力軸2が副駆動輪により前進回転方向へ逆駆動される。
かかる出力軸2の逆駆動による前進回転は、図5(b)に示すように前進ワンウェイクラッチ3の外輪3cに達して、これを前進回転させる。
しかし外輪3cの前進回転は、内輪3aに対して非係合方向であるので、スプラグ3bが図5(b)に示すように非係合方向に傾き、前進ワンウェイクラッチ3の非係合(図ではFreeと表示した)により外輪3cは内輪3aに対し空転するのみで、内輪3aに出力軸2からの前進回転が伝達されることはない。
かかる前進ワンウェイクラッチ3の非係合により、出力軸2の前進回転は内輪3a、従って入力軸1に伝達されず、電動モータの引き摺りによる動力損失や電動モータの早期摩耗を回避することができる。
また、出力軸2の前進回転がカム機構6のカムディスク6aに伝達されず、カムディスク6a,6b間の相対回転も発生しないのでカム機構6は動作することなく図5(a)の状態を保ち、従ってカムディスク6bとリターンスプリング7との間にフリクションが発生することもない。
図6(a)は、電動モータ式4輪駆動車両を後退4輪駆動走行させる時における上記駆動力伝達装置の駆動力伝達経路にハッチングを付して示す説明用断面図である。
なおここでは、後退4輪駆動時の入力軸1の回転方向を、図6(a)の右側(電動モータ側)から見て反時計回り方向として説明する。
また図6(b)は、前進ワンウェイクラッチ3を図6(a)の右側(電動モータ側)から見て示す横断面図であり、図6(c)は、後退ワンウェイクラッチ4を図6(a)の右側(電動モータ側)から見て示す横断面図である。
入力軸1が電動モータからの後退駆動力により対応する方向に回転されると、後退ワンウェイクラッチ4の内輪4aが外輪4bに対して係合方向に回転するので、スプラグ4bが図6(c)に示すように係合方向に傾き、後退ワンウェイクラッチ4の係合(図ではLockと表示した)により外輪4cはスプラグ4bを介して内輪4aと一体的に後退方向へ回転する。
よって、電動モータから入力軸1への後退駆動力が後退ワンウェイクラッチ4を介しカム機構6のワンウェイクラッチ側カムディスク6aへ伝達されるが、このとき当該ディスク6aが後退回転伝動クラッチ側カムディスク6bとの相対回転によりカム転動子6cを介して、図6(a)に示すごとくカムディスク6bをリターンスプリング7に抗しカムディスク6aから遠ざける軸線方向へ変位させる。
かかるカム機構6の作動時は、後退回転伝動クラッチ側カムディスク6bが上記軸方向変位により後退回転伝動クラッチ5の環状クラッチギヤ5aを図6(a)に示すごとく左行させて環状クラッチギヤ5bと噛合させ、後退回転伝動クラッチ5を締結状態となして両ワンウェイクラッチ3,4の外輪3c,4c間を結合する。
よって、電動モータから入力軸1への後退駆動力が、後退ワンウェイクラッチ4、カム機構6、後退回転伝動クラッチ5、および前進ワンウェイクラッチ3の外輪3cを経て出力軸2にそのまま伝達され、副駆動輪を後退方向へモータ駆動することができ、エンジンによる主駆動輪の後退駆動と相まって車両を後退4輪駆動走行させ得る。
なお、入力軸1の後退回転は前進ワンウェイクラッチ3の内輪3aにも伝達されるが、内輪3aの回転方向および回転速度が外輪3cのそれと同じであるため、スプラグ3bは図6(b)に示すように非係合方向に傾き、前進ワンウェイクラッチ3は非係合状態(図ではFreeと表示した)に保たれ、前進ワンウェイクラッチ3は内輪3aおよび外輪3c間で動力伝達を行うことはない。
また、入力軸1の後退駆動力が出力軸2へ向かう時(後退4輪駆動時)に、この後退駆動力が上記したとおりカム機構6のカムディスク6bを経由するため、当該カムディスク6bが、ケーシング部分8bに着座しているリターンスプリング7に対し相対回転し、両者間にフリクションを生ずるが、
入力軸1の後退駆動力が出力軸2へ向かう(後退4輪駆動)は、車両の後退走行であることから発生頻度も発生時間もごく僅かであって、上記カムディスク6bおよびリターンスプリング7間のフリクションが、摩耗による信頼性を問題になるほど低下させたり、摩擦による伝動損失を問題になるほど増大させることはない。
なお、駆動の力伝達装置として、電磁湿式多板クラッチを用いると、当該電磁湿式多板クラッチの締結および解放にあたり、複雑な制御システムが必要となるという問題があったが、
本実施例においては、上記したところから明らかなように後退4輪駆動走行するため駆動力を伝達する時に作動するカム機構6と、このカム機構6の作動中は締結されるクラッチ5とを具備することから、制御システムが一切不要であって、複雑な制御システムが必要になるという問題を生ずることが全くない。
なお上記した実施例では、後退回転伝動クラッチ5を環状クラッチギヤ5a,5bよりなるドグクラッチにより構成したが、
この後退回転伝動クラッチ5は、図7に示すような湿式多板クラッチ14や、図8に示すような単板摩擦クラッチ15など、任意の型式のものを用いることができる。
後退回転伝動クラッチ5を図7に示すように湿式多板クラッチ14で構成する場合、カム機構6のカムディスク6bにプレッシャープレート13を結合し、前進ワンウェイクラッチ3の外輪3cに、カム機構6の方向へ開口して延在するクラッチドラム14cを設ける。
そして、プレッシャープレート13とクラッチドラム14cとの間に複数のインナープレート14aおよびアウタープレート14bを交互に配置して介在させ、インナープレート14aの内周をプレッシャープレート13に対し軸方向へ変位可能にスプライン嵌合し、アウタープレート14bの外周をクラッチドラム14cの内周に軸方向へ変位可能にスプライン嵌合する。
かかる湿式多板クラッチ14(後退回転伝動クラッチ5)は、カム機構6の動作でプレッシャープレート13が図7の解放位置から左行すると、プレッシャープレート13およびクラッチドラム14c間にインナープレート14aおよびアウタープレート14bを挟圧されてクラッチ締結状態となり、電動モータによる副駆動輪の後退駆動を可能にする。
後退回転伝動クラッチ5を図8に示すように単板摩擦クラッチ15により構成する場合、カム機構6のカムディスク6bにクラッチ部材15aを一体結合し、前進ワンウェイクラッチ3の外輪3cにクラッチ部材15bを一体結合する。
これらクラッチ部材15a,15bは相互に対向するよう配置し、それぞれの対向面をクラッチ面となす。
かかる単板摩擦クラッチ15(後退回転伝動クラッチ5)は、カム機構6の動作でクラッチ部材15aが図8の解放位置から左行すると、クラッチ部材15aがクラッチ部材15bに圧接してクラッチ締結状態となり、電動モータによる副駆動輪の後退駆動を可能にする。
後退回転伝動クラッチ5の前記した締結・解放を司るカム機構6について、図9の周方向断面展開図に基づき更に詳述する。
カム機構6は前述したように、カムディスク6a,6bと、これらの間に介在させたカム転動子6cとからなるが、カムディスク6a,6bの軸線方向相互対向面(カム面6f)にはそれぞれ、前記したカム作用が得られるようにするため傾斜角をもったカム溝が設けられており、図9はこれらカム溝を円筒面で切断して展開し、当該展開したものをカム機構6の外周側から見て示す。
カム機構6に入力される駆動力をT、入力軸1の軸中心からカム転動子6cの中心部までの距離をL1、カムディスク6a,6bの対向面におけるカム溝のカム面6fの傾斜角(カム機構6の軸直角面とカム溝とのなす角度)をθ、前記リターンスプリング7の付勢力をFs、リターンスプリング7の内径をL2、カムディスク6bとリターンスプリング7との間の静摩擦係数をμとすると、
カムディスク6bとリターンスプリング7とが静摩擦状態である場合においてカム機構6を動作させるためには、以下の2つの条件を満たす必要がある。
まず、カム機構6の推進力(スラスト・スラスト荷重ともいう)がリターンスプリング7の付勢力Fsよりも大きいことが必要であるため、T/(L1×tanθ)>Fsであることが必須となる。ここでスラストT/(L1×tanθ)は、カム面の傾斜角θが小さいほど大きくなるが、この点については後述する。
さらに、リターンスプリング7とカムディスク6bとの間の摩擦力がカム機構6に作用する駆動力Tを前記L1で除したカム回転力よりも大きい必要があるため、μ×Fs×(L2/L1)>T/L1であることも必須となる。
これらのことから、Fs×L1×tanθ<T<μ×Fs×L2の関係式が導かれ、カムディスク6bとリターンスプリング7とが静摩擦状態である場合においては、この式を満足する駆動力Tがカム機構6に入力されたとき、カム機構6は動作されることとなる。
また、カムディスク6bがリターンスプリング7に対して相対回転しながらカム機構6が作動するためには、カムディスク6bおよびリターンスプリング7間の動摩擦係数がμ’であるとすると、以下の条件を満たす必要がある。
まず、カム機構6の推進力(スラスト荷重)がリターンスプリング7の付勢力Fsよりも大きいことが必要であるため、T/(L1×tanθ)>Fsであることが必須となる。
さらに、カム機構6の回転力はリターンスプリング7とカムディスク6bとの間の摩擦力以上の回転力にならないため、μ’×Fs×(L2/L1)<T/L1であることも必須となる。
これらのことから、μ’>L1/L2×tanθの関係式が導かれ、カムディスク6bとリターンスプリング7とが動摩擦状態である場合においては、リターンスプリング7とカムディスク6bとの間の動摩擦係数がこの式を満足するμ´以上であれば、カム機構6は動作されることとなる。
カムディスク6bとリターンスプリング7とが静摩擦状態である場合において、上式(Fs×L1×tanθ<T<μ×Fs×L2)を満足する駆動力(トルク)Tが、電動モータ27側からカム機構6に入力される間、カム機構6のカムディスク6aが図9に示す太い矢の向きに相対回転し、カム転動子6cが図9に矢で示す回転方向に転動して、両カムディスク6a、6bの距離が離れる向きに推進力(スラスト荷重)が発生する。
カムディスク6bとリターンスプリング7とが動摩擦状態である場合において、上式(μ’>L1/L2×tanθ)を満足するμ’であれば、駆動力(トルク)Tが電動モータ27側からカム機構6に入力される間、カム機構6の両カムディスク6a、6bが図9に示す太い矢の向きに相対回転し、カム転動子6cが図9に矢で示す回転方向に転動して、両カムディスク6a、6bの距離が離れる向きに推進力〈スラスト荷重)が発生する。
このスラストを受ける後退回転伝動クラッチ5は、カムディスク6aがカムディスク6bに対し相対回転し得るような駆動力(トルク)がカム機構6へ入力された場合に、カム機構6の動作により自縛的に締結され、セルフロックされる。
また、セルフロックした状態でカム機構6に駆動力が入力されなくなると、カムディスク6aをカムディスク6bに対し上記の通り相対回転させるトルクもなくなるため、スラストが減少ないし0となり、上式が満足されなくなってリターンスプリング7のバネ力が勝ることとなる。そうするとリターンスプリング7のバネ力を受けたカムディスク6bが、カム転動子6cをカム溝内において図9に示す矢とは逆回転方向に転動させながら、カムディスク6aをカムディスク6bに対し元の相対回転位置(図10に示す初期領域)まで図9に示す太い矢とは逆向きに相対回転させる。
かかるカムディスク6aの相対回転につれ、カムディスク6bはカムディスク6aに向け接近するよう変位して、環状クラッチギヤ5aを環状クラッチギヤ5bから離隔させ、後退回転伝動クラッチ5をセルフロックの解除により解放させることができる。
前述したように、スラストを大きくするためには、カム面6fの傾斜角θを小さくして、カムディスク6a,6bのカム面を緩勾配にするのが有効である。特に、前述した摩擦クラッチ14,15に用いられるカム機構において、スラストを大きくすれば、クラッチ14,15の締結容量を大きくすることができ、より大きなトルクを伝達することができる。
そこで本実施例のカム機構は、図9に示すように、カム転動子6cが転動してカム機構6がスラストを発生させる状態であるときカム転動子6cが現に接触しているカム面であるカム作用領域の傾斜角θを十分に小さくする。
また、図10に示すように、カムディスク6a,6b間でトルクを伝達していない状態、つまりカム転動子6cが転動しておらずカム機構6がスラストを発生させない状態であるときカム転動子6cが現に接触しているカム面である初期領域を、カム転動子6cが嵌まり易い形状にする。図10に示す実施例では、カム面の初期領域を凹曲面6eとし、当該凹曲面6eがカム転動子6cの外周と一致するものとする。
また、図10に示す他、図11に示すように、傾斜角αの大きな(α>θ)2つの平面6gを凹状に組み合わせて、これら2つの平面6g,6gが交差するよう谷間6jを設けてもよい。カム転動子6cは、谷間6jにおいてこれら2つの平面6g,6gと接触するよう着座することから、2つの平面6g,6gはカム面の初期領域を構成する。谷間6jと反対側にある平面6gの他側はカム面のカム作用領域6fと連続する。初期領域6gの傾斜角αはカム作用領域6fの傾斜角θよりも大きいため、カム転動子6cは初期領域6gに嵌まり易い。カム面の初期領域は、このようにカム転動子6cが嵌まり易い形状であれば、曲面および平面を問わず如何なるものであってもよい。
図11に示す他の実施例では、カム転動子6cがカム面の初期領域6gに位置し、スラストを発生せず、カムディスク6a,6b間でトルクを伝達していない。これに対し、カムディスク6aにトルクが入力されると、これらカムディスク6a,6b同士が図12に示す太い矢の向きに相対回転して、前述した図9に示す実施例と同様にスラストを発生させる。
これまで説明してきたように図9および図10に示す本実施例、および図11および図12に示す他の実施例では、カム面のカム作用領域6fの傾斜角θを緩勾配となるよう小さくし、カム面の初期領域6e,6gの傾斜角(α等)をカム面のカム作用領域6fの傾斜角θと異ならせ、カム面の初期領域6e,6gにカム転動子6cが嵌り易くなるよう構成したことから、
カム転動子6cがカム作用領域6fを転動することによりカム機構6が大きなスラストを発生させる効果と、スラストを発生させない初期領域6e,6gでカム転動子6cの据わりが良くなるという効果とを享受することができる。
図13は、図9および図10に示す実施例におけるカム面の初期領域6eとカム作用領域6fとの境界を拡大して示す詳細断面図である。
この境界6hにおいて、初期領域6eのカム面傾斜角βを、カム作用領域6fのカム面傾斜角θよりも大きくする。これにより、スラストを発生させない初期領域6eでカム転動子6cの据わりが良くなるという効果を享受することができる。図13に示すように、カム面の初期領域6eとカム作用領域6fとを相互に稜角をもって突き合わせたことから、スラストを発生させない初期領域6e,6gでカム転動子6cの据わりが良くなるという効果を一層享受することができる。
あるいは、カム面の初期領域6eとカム作用領域6fとの境界を図14に示すように形成してもよい。
この境界6iにおいて、初期領域6eのカム面傾斜角βをカム作用領域のカム面傾斜角θよりも大きくする構成は上述した図13に示す実施例と共通するものの、カム面の初期領域6eとカム作用領域6fとを凸曲線で滑らかに連続するよう突き合わせる。このような滑らかに連続する遷移領域であっても、推進力(スラスト荷重)を発生させない初期領域6eでカム転勤子6cの据わりが良くなるという効果を享受することができる。また、カム機構6がトルクを伝達しなくなると、カム転動子6cをカム作用領域6fから確実に初期位置6eに戻して、クラッチ5の引き摺りによる磨耗や、駆動力の損失を確実に防止することができる。
あるいは、カム面の初期領域6eとカム作用領域6fとの境界を図19に示すように形成してもよい。
この境界6iにおいて、初期領域6eのカム面傾斜角βをカム作用領域のカム面傾斜角βよりも大きくする構成は、上述した図13に示す実施例と共通するものの、カム面の初期領域6eとカム作用領域6fとを傾斜角η(θ<η<β)の直線で連続するよう突き合わせる。つまり、カム面の初期領域6eとカム作用領域6fとを相互に稜角をもって突き合わされている。この様な直線で形成された遷移領域であっても、推進力(スラスト荷重)を発生させない初期領域6eでカム転勤子6cの据わりが良くなるという効果を奏することができる。また、カム機構6がトルクを伝達しなくなると、カム転動子6cをカム作用領域6fから確実に初期位置6eに戻して、クラッチ5の引き摺りによる摩耗や、駆動力の損失を確実に防止することができる。
図15は、図11および図12に示す実施例におけるカム面の初期領域6gとカム作用領域6fとの境界を拡大して示す詳細断面図である。
この境界6hにおいても、初期領域6gのカム面傾斜角αを、カム作用領域6fのカム面傾斜角θよりも大きくし、カム面の初期領域6eとカム作用領域6fとを相互に稜角をもって突き合わせたことから、これにより、スラストを発生させない初期領域6gでカム転動子6cの据わりが良くなるという効果を一層享受することができる。
あるいは、カム面の初期領域6eとカム作用領域6fとの境界を図16に示すように形成してもよい。
この境界6iにおいて、初期領域6eのカム面傾斜角βをカム作用領域6fのカム面傾斜角θよりも大きくする構成は上述した図15に示す実施例と共通するものの、カム面の初期領域6gとカム作用領域6fとを凸曲線で滑らかに連続するよう突き合わせてもよい。このような滑らかに連続する遷移領域であっても、推進力(スラスト荷重)を発生させない初期領域6gでカム転動子6cの据わりが良くなるという効果を奏することができる。
あるいは、カム面の初期領域6eとカム作用領域6fとの境界を図20に示すように形成してもよい。
この境界6iにおいて、初期領域6eのカム面傾斜角βをカム作用領域6fのカム面傾斜角θよりも大きくする構成は上述した図15に示す実施例と共通するものの、カム面の初期領域6gとカム作用領域6fとを傾斜角γ(θ<γ<α)の直線で連続するよう突き合わせてもよい。つまり、カム面の初期領域6gとカム作用領域6fとを相互に稜角をもつて突き合わせてもよい。このような直線で形成された遷移領域であっても、推進力(スラスト荷重)を発生させない初期領域6gでカム転動子6cの据わりが良くなるという効果を奏することができる。
図9〜図16に沿って、これまで説明してきたカム機構は、初期領域からみて一側のみにカム作用領域を設けたものであるが、これらの他にも図17に示すように、初期領域からみて両側にカム作用領域を設けてもよいこと勿論である。図18は、図17に示す実施例のカムディスク6a(6b)を拡大して示す断面図である。
図18に示す他の実施例も、カム面に初期領域6eおよびカム作用領域6fを具える構成については、図9〜図16に示す上述の実施例と共通するものの、カム作用領域6fを2つ具えたことから上述した境界6h(6i)も2箇所有する。ここでいう2箇所の境界を稜角6hと滑らかな6iと異ならせてもよいこと勿論である。
ところで上述した各実施例においては、図9を代表して示すように相互に対向したローディングカム6aのカム面とカムフォロワ6bのカム面との間にカム転動子6cを介在させ、このカム転動子6cを介したローディングカム6aおよびカムフォロワ6b間でのモータ27駆動力(トルク)伝達中にカム転動子6cがカム面の初期領域6eからカム作用領域6fへと転動することによりローディングカム6aとカムフォロワ6bとの間にスラスト:T/(L1×tanθ)を発生させ機構6と、このスラストによってクラッチ要素同士を締結するクラッチ5用カム機構であって、図13を代表して示すようにカム面の初期領域6eとカム面のカム作用領域6fとの境界6hにおいて、初期領域6eのカム面傾斜角βを、カム作用領域6fのカム面傾斜角θよりも大きくしたことから、
カム転動子6cが初期領域6eに位置する間(図10)はカム転動子6cの据わりが良くなるという効果を得ることができ、カム転動子6cがカム作用領域6fに位置する間(図9)は大きなスラストを発生させることができる。そして、カム機構6に些細な駆動力が入力されたりカムフォロワ6bが相対回転することがきっかけになってカム転動子6cが初期領域6eから転動を開始することがなく、中途半端なスラスト発生を防止して、クラッチ5のクラッチ要素同士の不必要な衝突ないし引き摺りを回避することができる。したがって、クラッチ5の摩耗や、駆動力の損失といった問題を解消することができる。
また図13に示すようにカム面の初期領域6eとカム作用領域6fとを相互に稜角6hをもって突き合わせたことから、スラストを発生させない初期領域6e,6gでカム転動子6cの据わりが良くなるという効果を一層享受することが可能になり、カム機構6がトルクを伝達しない間はクラッチ5の引き摺りによる摩耗や、駆動力の損失を確実に防止することができる。
また図14に示すようにカム面の初期領域6eとカム作用領域6fとを凸曲線6iで相互に滑らかに連続するよう突き合わせたことから、カム機構6がトルクを伝達しなくなればカム転動子6cを確実に初期位置6eに戻して、クラッチ5の引き摺りによる摩耗や、駆動力の損失を確実に防止することができる。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨に逸脱しない範囲において種々変更が加えられうるものである。
本発明の一実施例になるクラッチ用カム機構を具えた電動モータ式4輪駆動車両の車輪駆動系を示す線図的平面図である。 図1における実施例の他の型式になる電動モータ式4輪駆動車両の車輪駆動系を示す線図的平面図である。 図1および図2の電動モータ式4輪駆動車両に用いる、本発明の一実施例になるクラッチ用カム機構を具えた駆動力伝達装置の半部縦断側面図である。 同実施例になる駆動力伝達装置の伝動系路を、電動モータ式4輪駆動車両が前進4輪駆動走行を行う場合について示す説明図で、 (a)は、該伝動系路を示すための、図3と同様な半部縦断側面図、 (b)は、駆動力伝達装置内における前進ワンウェイクラッチの状態を示す部分横断面図、 (c)は、駆動力伝達装置内における後退ワンウェイクラッチの状態を示す部分横断面図である。 同実施例になる駆動力伝達装置の伝動系路を、電動モータ式4輪駆動車両が前進2輪駆動走行を行う場合について示す説明図で、 (a)は、該伝動系路を示すための、図3と同様な半部縦断側面図、 (b)は、駆動力伝達装置内における前進ワンウェイクラッチの状態を示す部分横断面図、 (c)は、駆動力伝達装置内における後退ワンウェイクラッチの状態を示す部分横断面図である。 同実施例になる駆動力伝達装置の伝動系路を、電動モータ式4輪駆動車両が後退4輪駆動走行を行う場合について示す説明図で、 (a)は、該伝動系路を示すための、図3と同様な半部縦断側面図、 (b)は、駆動力伝達装置内における前進ワンウェイクラッチの状態を示す部分横断面図、 (c)は、駆動力伝達装置内における後退ワンウェイクラッチの状態を示す部分横断面図である。 同実施例のクラッチにおける他の構成例を示す要部縦断側面図である。 同実施例のクラッチにおける更に他の構成例を示す要部縦断側面図である。 同実施例のクラッチを作動させるためのカム機構の動作原理を模式的に説明する周方向断面展開図である。 同実施例のクラッチを作動させない間のカム機構の状態を説明する模式図である。 本発明の他の実施例になるカム機構を模式的に示す周方向断面展開図である。 クラッチを作動させるための同実施例の動作原理を模式的に説明する周方向断面展開図である。 図9および図10に示す実施例におけるカム面形状を拡大して示す周方向断面展開図である。 図9および図10に示すカム面形状の他の実施例を拡大して示す周方向断面展開図である。 図11および図12に示す実施例におけるカム面形状を拡大して示す周方向断面展開図である。 図11および図12に示すカム面形状の他の実施例を拡大して示す周方向断面展開図である。 カム面の初期領域の両側にカム作用領域を配置した実施例示す周方向断面展開図である。 同実施例のカム面形状を示す周方向断面展開図である。 図9および図10に示すカム面形状の他の実施例を拡大して示す周方向断面展開図である。 図11および図12に示すカム面形状の他の実施例を拡大して示す周方向断面展開図である。
符号の説明
1 入力軸
2 出力軸
3 前進ワンウェイクラッチ(正方向ワンウェイクラッチ)
4 後退ワンウェイクラッチ(逆方向ワンウェイクラッチ)
5 後退回転伝動クラッチ(逆方向回転伝動クラッチ)
6 カム機構
6a カムディスク(ローディングカム)
6b カムディスク(カムフォロワ)
6c カム転動子
6e カム面(初期領域)
6f カム面(カム作用領域)
6g カム面(初期領域)
6h 6i カム面(境界)
7 リターンスプリング
8 ケーシング
11 ボルト
12 ブッシュ
13 プレッシャープレート
14 湿式多板クラッチ
15 摩擦クラッチ
16 ニードルベアリング
17 スラストベアリング
19a,19b スペーサリング
20 スナップリング
21 エンジン
22 変速機
23 プロペラシャフト
24 終減速機
25 ドライブシャフト
26 左右後輪(主駆動輪)
27 電動モータ
28 駆動力伝達装置
29 減速機
30 終減速機
31 ドライブシャフト
32 左右前輪(副駆動輪)
41 主動力源
42 トランスアクスル
43 ドライブシャフト
44 左右前輪(主駆動輪)
45 副動力源
46 減速機
47 ドライブシャフト
48 左右後輪(副駆動輪)

Claims (3)

  1. 相互に対向したローディングカムのカム面とカムフォロワのカム面との間にカム転動子を介在させ、該カム転動子を介したローディングカムおよびカムフォロワ間でのトルク伝達中に前記カム転動子が前記カム面の初期領域からカム作用領域へと転動することによりローディングカムとカムフォロワとの間にスラスト荷重を発生させ、該スラスト荷重によってクラッチ要素同士を締結するクラッチ用カム機構であって、
    前記カム面の初期領域と前記カム面のカム作用領域との境界において、前記初期領域のカム面傾斜角を、前記カム作用領域のカム面傾斜角よりも大きくしたことを特徴とするクラッチ用カム機構。
  2. 請求項1に記載のクラッチ用カム機構において、
    前記カム面の初期領域とカム作用領域とを相互に稜角をもって突き合わせたことを特徴とするクラッチ用カム機構。
  3. 請求項1に記載のクラッチ用カム機構において、
    前記カム面の初期領域とカム作用領域とを相互に滑らかに連続するよう突き合わせたことを特徴とするクラッチ用カム機構。
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