JP2008019982A - 固定型等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】押圧部および受け部からなる予圧手段の構造を改善し、押圧部材の機能を阻害することなく、適正な予圧を確実に付与し得ることができ、しかも組立性の向上を達成できる固定型等速自在継手を提供する。
【解決手段】弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部52を内輪20側に、かつ、押圧部52からの押圧力を受ける受け部58を保持器40側に設けた固定型等速自在継手である。ケース55と、ケース55の先端開口部に配置される押圧部材53と、ケース55に収納されて押圧部材53に弾性的な押圧力を付与する弾性部材54とを有するプランジャユニット50を備える。プランジャユニット50の基端近傍のみを内方部材の凹陥部2aに圧入するとともに、ケース55の圧入嵌合部70に圧入力緩和用のスリット67を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は固定型等速自在継手に関し、詳しくは、自動車のステアリング装置に組み込まれる固定型等速自在継手に関する。
等速自在継手は、入出力軸間の角度変位のみを許容する固定型と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動型に大別され、それぞれ用途・使用条件等に応じて機種選定される。固定型等速自在継手としては、ツェッパ型(以下、「BJ」と称す)やアンダーカットフリー型(以下、「UJ」と称す)が広く知られている。
BJおよびUJのいずれも、内周に複数の曲線状のトラック溝を有する外輪と、外周に複数の曲線状のトラック溝を有する内輪と、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝との間に組み込まれたボールと、そのボールを保持する保持器とで構成される。外輪のトラック溝中心は外輪内球面中心に対して外輪開口側、また、内輪のトラック溝中心は内輪外球面中心に対して外輪奥側に位置し、軸方向で互いに逆方向に等距離だけオフセットしている。これにより、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝とで構成されるボールトラックは、外輪の開口側に向けて拡開する楔形となっている。BJでは各トラック溝の全域が曲線状になっているが、UJでは各トラック溝の一方の端部が軸線と平行なストレート状になっている。
一般的に自動車のステアリング装置に組み込まれる軸継手にはカルダンジョイントを2個以上使用している。このジョイントは、単体では不等速なことから、等速性を確保するために互いの変動成分を打ち消し合うよう配置し使用している。このため車両の設計自由度が損なわれるという問題がある。任意の角度で等速性が確保できる等速自在継手をステアリング用軸継手として用いることで、車両の設計自由度が増すことは可能であるが、等速自在継手は回転方向ガタが大きいため、車両直進付近のステアリング操作感の悪化や、異音の原因となることが懸念される。これを解決するため、等速自在継手内部に予圧手段を設けてトラック溝すきまを詰めることを提案している(例えば、特許文献1参照)。
固定型等速自在継手には機能及び加工面から、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝間にはボールを介してすきまがあり、また、外輪の内球面と保持器の外球面、内輪の外球面と保持器の内球面にもすきまが存在する。これらすきまは、継手の中立状態で内輪または外輪のどちらか一方を固定して他方をラジアル方向またはアキシャル方向に移動させたときの移動量をいい、移動させる方向によって、ラジアルすきま、アキシャルすきまのように呼ばれる。これらすきまは、内・外輪間の円周方向のガタツキ(回転バックラッシュ)に大きく影響を与え、特にトラック溝すきまが大きい程回転バックラッシュも大きくなる。このため、一定以上の回転バックラッシュは避けられないことから、この種の固定型等速自在継手は、例えば自動車のステアリング装置のように回転バックラッシュを嫌う用途には一般採用されるには至っていない。
特開2003−130082号公報
ところで、前述の特許文献1に記載された発明は、回転バックラッシュを詰めることを目的にした固定型等速自在継手であり、等速自在継手内部に予圧手段を設けてトラック溝すきまを詰めるようにしている。この特許文献1には、弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部を内方部材側に設けると共に、その押圧部からの押圧力を受ける受け部を保持器側に設けた予圧手段が開示されている。
特許文献1に記載の予圧手段は、図11に示すように、内方部材を構成する内輪100の内周に結合されたシャフト101の軸端に円筒状の収容部材102が埋め込まれており、この収容部材102の内部に押圧部材103および弾性部材104が収容されている。押圧部材103の頭部の端面は凸球面状に形成され、この凸球面部分が弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部105として機能する。一方、保持器106の端部には、シャフト101と対向する凹球面状の球面部107aを有する受け部材107が取り付けられ、この受け部材107の凹球面部分が押圧部105からの押圧力を受ける受け部108として機能する。
前述のような構造により、回転バックラッシュを防止するようにしているが、円筒状の収容部材102をシャフト101の軸端に強固に埋め込むためには、その収容部材102をシャフト101の端面に設けられた凹陥部109内に圧入する必要がある。しかしながら、収容部材102を凹陥部109内に圧入すると、押圧部105が配された収容部材102の開口部近傍がわずかに縮径することが考えられる。この収容部材102の開口部近傍では、受け部材107の球面部107aに当接する押圧部材103が動作する部位であり、この部位で収容部材102が縮径していると、押圧部材103の動作を阻害するおそれがあり、適正な予圧を付与することが困難になることが考えられる。
そこで、従来には、収容部材102の基端側(凹陥部の奥側対応部)のみを圧入して、収容部材102の開口側を縮径させないようにして、押圧部105の突出退入動作を滑らかに行わせようとしたものがある。
しかしながら、収容部材102の圧入部位における寸法公差のばらつきによっては、この収容部材102を凹陥部109内に圧入する際に過大な圧入荷重が発生するおそれがある。このように、過大な圧入荷重が発生すれば、圧入作業が困難であって、組立性に劣る。また、圧入の際に収容部材102が変形する場合がある。このように変形すれば、この収容部材102内の弾性部材104(ばね部材)に影響を及ぼして、押圧部105としての押圧部材103に安定した押圧力を付与できなくなるおそれがある。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、特許文献1に開示された押圧部および受け部からなる予圧手段の構造を改善し、押圧部材の機能を阻害することなく、適正な予圧を確実に付与し得ることができ、しかも組立性の向上を達成できる固定型等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、複数のトラック溝が形成された球状内面を備えた外方部材と、複数のトラック溝が形成された球状外面を備えた内方部材と、外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝の協働で形成された楔形のボールトラックに配置したボールと、外方部材の球状内面と内方部材の球状外面との間に配置され、ボールを保持する保持器とを備え、弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部を前記内方部材側に、かつ、押圧部からの押圧力を受ける受け部を保持器側に設けた固定型等速自在継手において、ケースと、ケースの先端開口部に配置される前記押圧部と、ケースに収納されて押圧部に弾性的な押圧力を付与する弾性部材とを有するプランジャユニットを備え、このプランジャユニットの基端近傍のみを内方部材の凹陥部に圧入するとともに、前記ケースの圧入嵌合部に圧入力緩和用のスリットを設けたことを特徴とする。ここで、前述の「プランジャユニットの基端近傍」とは、プランジャユニット先端に位置する押圧部が突出退入動作する先端側部位を除く部位を意味する。
本発明の固定型等速自在継手では、プランジャユニットの基端近傍のみを内方部材の凹陥部に圧入したことにより、前記プランジャユニットの基端近傍を除く先端側部位で、ユニット外径が縮径することはないので、プランジャユニット先端に位置する押圧部の突出退入動作を阻害する可能性が少なくなる。その結果、プランジャユニット先端の押圧部が適正な押圧力でもって受け部を押圧するので、予圧を確実に付与することができる。しかも、プランジャユニットのケースの圧入嵌合部には、圧入力緩和用のスリットを設けているので、プランジャユニットを凹陥部に圧入する際、圧入嵌合部が僅かに縮径して、圧入力を緩和することができる。
また、前記スリットを、円周上の少なくとも2箇所に設けるのが好ましい。このように、スリットを複数設ければ、圧入嵌合部は凹陥部の形状に追従した縮径が可能となる。
以上で説明した固定型等速自在継手は、自動車のステアリング装置に組み込めば、等速自在継手内のトラック溝すきまを詰めて回転バックラッシュを防止する上で、より一層顕著な効果を発揮する。自動車のステアリング装置は、モータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置であってよいし、油圧式のパワーステアリング装
置であってもよい。
本発明によれば、プランジャユニットの基端近傍のみを内方部材の凹陥部に圧入したことにより、プランジャユニットの基端近傍を除く先端側部位で、ユニット外径が縮径することはないので、プランジャユニット先端に位置する押圧部の突出退入動作を阻害する可能性が少なくなり、プランジャユニット先端の押圧部が適正な押圧力でもって受け部を押圧するので、予圧を確実に付与することができる。
プランジャユニットを凹陥部に圧入する際、圧入嵌合部が僅かに縮径して、圧入力を緩和することができる。このため、組立性の改善を図ることができて、生産性の向上を達成できる。しかも、圧入嵌合部に過大な圧入力が作用しないので、圧入による圧入嵌合部の変形を防止できて、このケース内に収容される弾性部材に影響を及ぼさない。このため、弾性部材は安定して押圧部に押圧力を付与することができる。従って、等速自在継手内のトラック溝すきまを詰めて回転バックラッシュを確実に防止でき、信頼性の高い固定型等速自在継手を提供できる。
また、スリットを複数設けることによって、圧入嵌合部は凹陥部の形状に追従した縮径が可能となるので、組立性の一層の向上を図ることができる。
本発明に係る固定型等速自在継手の実施形態を詳述する。以下の実施形態では、ステアリング用固定型等速自在継手の一種であるツェッパ型(BJ)に適用した場合を例示するが、本発明はこれに限定されることなく、アンダーカットフリー型(UJ)にも適用可能である。また、本発明の固定型等速自在継手は、ステアリング用に限らず、ドライブシャフト用あるいはプロペラシャフト用としても使用することが可能である。
まず、固定型等速自在継手が組み込まれるステアリング装置を簡単に説明する。ステアリング装置は、図10に示すようにステアリングホイール6の回転運動を、一または複数のステアリングシャフト2からなるステアリングコラムを介してステアリングギヤ8に伝達することにより、タイロッド9の往復運動に変換するようにしたものである。車載スペース等との兼ね合いでステアリングシャフト2を一直線に配置できない場合は、ステアリングシャフト2間に一または複数の軸継手1を配置し、ステアリングシャフト2を屈曲させた状態でもステアリングギヤ8に正確な回転運動を伝達できるようにしている。この軸継手1に固定型等速自在継手を使用する。図10(B)における符号αは継手の折り曲げ角度を表しており、折り曲げ角度αが30°を越える大角度も設定可能である。
次に固定型等速自在継手について説明する。この実施形態の固定型等速自在継手1はツェッパ型ジョイント(BJ)で、図5に示すように外方部材としての外輪10と、内方部材を構成する内輪20およびシャフト2と、トルクを伝達するボール30と、ボール30を支持する保持器40を主要な構成要素として成り立っている。外輪10は入力軸または出力軸と接続し、内輪20は出力軸または入力軸と接続する。この実施形態では、内輪20の内周にセレーションやスプライン等のトルク伝達手段を介してシャフト2を結合することにより、内方部材を構成している。
前述の外輪10は一端にて開口したカップ状で、球状内面12の円周方向等配位置に、軸方向に延びるトラック溝14が形成されている。また、内輪20は、球状外面22の円周方向等配位置に、軸方向に延びるトラック溝24が形成されている。外輪10のトラック溝14と内輪20のトラック溝24とは対をなして軸方向の一方から他方へ楔状に拡がるボールトラックを形成し、各ボールトラックに一個のボール30がそれぞれ組み込んである。保持器40は外輪10の球状内面12と内輪20の球状外面22との間に摺動自在に介在し、各ボール30は保持器40のポケット46に収容されて円周方向で等間隔に保持されている。
保持器40の外周面42は外輪10の球状内面12と球面接触し、保持器40の内周面44は内輪20の球状外面22と球面嵌合している。そして、外輪10の球状内面12の中心と、内輪20の球状外面22の中心は継手中心Oと一致している。これに対して、外輪10のトラック溝14の中心O1と、内輪20のトラック溝24の中心O2は、軸方向で、互いに逆方向に等距離だけオフセットしている。このため、一対のトラック溝14,24により形成されるボールトラックは、外輪10の奥部側から開口側に向かって拡がる楔状を呈している。
この固定型等速自在継手において、図6に示すように外輪10と内輪20とがどのような折り曲げ角、つまり作動角θをとっても、保持器40に案内されたボール30は常に作動角θの二等分線に垂直な平面内に維持され、継手の等速性が確保される。
この固定型等速自在継手では、図5と図6に示すようにシャフト2の軸端にプランジャユニット50を取り付けている。このプランジャユニット50は、図1と図2に示すように先端に押圧部52を有する押圧部材としてのボール53、弾性部材としての圧縮コイルばね54、ボール53と圧縮コイルばね54を収容するケース55からなるアッセンブリ体である。この圧縮コイルばね54は、ボール53を外輪10の奥部側(ボール突出方向)へ押圧する弾性力の発生源としている。
また、ケース55は図1〜図3に示すように、底壁65と、円筒体からなる周壁66と、この周壁66の開口端縁部に外径側へ張り出したフランジ55bとを備える。なお、フランジ55bは、このプランジャユニット50をシャフト2の軸端に取り付けた際にプランジャユニット50の位置決めとなる。また、周壁66の開口端縁部に内径側へ突出する係止部55a(図7参照)を設けることにより、ボール53の突出を規制する。これによって、押圧部52がケース55の先端開口部に配設されることになる。
そして、ケース55には圧入力緩和用のスリット67が設けられている。このスリット67は、周壁66に形成される軸方向部67aと、この軸方向部67aから連設されて底壁65に形成される径方向部67bとからなり、周方向に沿って、90度ピッチで配設されている。また、各スリット67の径方向部67bは、底壁65の中心部で連結されている。
前記のように構成されたプランジャユニット50は、図1に示すように、その基端近傍のみをシャフト2の凹陥部2aに圧入することになる。ここで、「プランジャユニットの基端近傍」とは、プランジャユニット先端に位置する押圧部が突出退入動作する先端側部位を除く部位を意味する。
すなわち、プランジャユニット50の基端近傍のみをシャフト2の凹陥部2aに圧入するため、シャフト2の凹陥部2aの開口側部位bを、図4に示すように、プランジャユニット50の圧入後にケース55の基端近傍が位置する奥側部位aよりも拡径させる。また、シャフト2の凹陥部2aの奥側部位aでの内径をプランジャユニット50のケース55の外径よりも若干小さくすると共に、凹陥部2aの開口側部位bでの内径をケース55の外径よりも若干大きく設定する。
以上のような構造としたことにより、プランジャユニット50をシャフト2の凹陥部2aに圧入すると、前記スリット67が凹陥部2aの奥側部位aに対応する。すなわち、圧入嵌合部70に前記スリット67が形成されていることになる。なお、この図例では、スリット67の軸方向範囲H(図2参照)は、圧入嵌合部70の範囲、つまり奥側部位aの範囲よりも僅かに大きく設定されている。
この等速自在継手では、シャフト2の凹陥部2aの奥側部位aでの内径をプランジャユニット50のケース55の外径よりも若干小さくしていることから、圧入の際には、プランジャユニット50のケース55の基端近傍が縮径する必要がある。しかしながら、このプランジャユニット50のケース55の圧入嵌合部70には、スリット67が設けられているので、圧入時に圧入嵌合部70が僅かに縮径(縮径量m1の縮径)して、圧入力を緩和することができる。従って、過大な圧入力で圧入することなく、シャフトに抜けが規制された状態で確実に固定される。
一方、ケース55の基端近傍を除く先端側部位では、凹陥部2aの開口側部位bでの内径をケース55の外径よりも若干大きくしていることから、ケース55が縮径するように変形することはなく、ケース55の外径と凹陥部2aの内径との間に隙間61が形成される。なお、ケース55の内径をボール53の外径よりも若干大きく設定することによりクリアランスmを設け、ケース55内でボール53がスムーズに移動できるようにしている。この実施形態では、クリアランスmと縮径量m1とを同一に設定しているが、相違させてもよい。この場合、m>m1であっても、m<m1であってもよい。
そして、この固定型等速自在継手では、図7に示すように、保持器40の外輪10の奥側端部には受け部材56を取り付けている。この受け部材56は、保持器40の端部開口を覆う蓋状をなし、部分球面状の球面部56aとその外周に環状に形成された取付け部56bとで構成される。球面部56aの内面(シャフト2と対向する面)は凹球面で、この凹球面は押圧部52からの押圧力を受ける受け部58として機能する。取付け部56bは、保持器40の端部に圧入、溶接等の適宜の手段で固定されている。
この等速自在継手のシャフト2が作動角をとった際に、プランジャユニット50の押圧部52と受け部材56の受け部58間をスムーズに摺動させるため、図8に示すように凹球面状の受け部58の内径寸法Roは、押圧部52を有するボール53の外径寸法r(図7参照)よりも大きくする(Ro>r)。また、作動角θ(図6参照)をとった際の受け部材56と内輪20との干渉を防止するため、受け部58の内径寸法Roは、内輪20の球状外面22の外径寸法Riよりも大きくする(Ro>Ri)。
以上の構成において、シャフト2のセレーション軸部と内輪20をセレーション結合し、シャフト2の周方向溝3に止め輪4を装着して両者が完全に結合されると、プランジャユニット50の押圧部52と受け部材56の受け部58とが互いに当接し、ボール53が退入して圧縮コイルばね54が圧縮される。これにより、シャフト2と一体化された内輪20が、弾性力により外輪10の開口側に軸方向変位し、この変位によりトラック溝14,24に配置されたボール30とトラック溝14,24が当接するため、トラック溝14,24のアキシャルすきまが無くなり、回転バックラッシュが防止される。
本発明の固定型等速自在継手では、各構成部材を組み付けた状態で、プランジャユニット50の押圧部52と受け部材56の受け部58とが互いに当接し、ボール53が圧縮コイルばね54の弾性力に抗して退入動作する際に、前述したようにプランジャユニット50をシャフト2に圧入で組み付けた構造であっても、ボール53の動作領域でケース55と凹陥部2a間に隙間61があってそのケース55が縮径されていないので、プランジャユニット50の先端に位置するボール53の突出退入動作を阻害する可能性はなく、そのプランジャユニット50の押圧部52が適正な押圧力でもって受け部58を押圧して予圧を確実に付与する。
特に、プランジャユニット50を凹陥部2aに圧入する際、圧入嵌合部70が僅かに縮径して、圧入力を緩和することができる。このため、組立性の改善を図ることができて、生産性の向上を達成できる。しかも、圧入嵌合部70に過大な圧入力が作用しないので、圧入による圧入嵌合部70の変形を防止できて、このケース55内に収容される弾性部材に影響を及ぼさない。このため、弾性部材は安定して押圧部52に押圧力を付与することができる。従って、等速自在継手内のトラック溝すきまを無くして回転バックラッシュを確実に防止でき、信頼性の高い固定型等速自在継手を提供できる。
また、スリット67を複数設けることによって、圧入嵌合部70は凹陥部の形状に追従した縮径が可能となるので、組立性の一層の向上を図ることができる。
なお、前述では、ケース55の基端近傍を除く先端側部位で、凹陥部2aの開口側部位での内径をケース55の外径よりも若干大きくすることにより、ケース55の外径と凹陥部2aの内径との間に隙間61を凹陥部側で形成しているが、図9に示すようにケース55の基端近傍を除く先端側部位で、ケース55の外径を縮径させた形状とすることにより、ケース55の外径と凹陥部2aの内径との間に隙間62をケース側で形成するようにしてもよい。なお、この場合であっても、ケース55の内径をボール53の外径よりも若干大きく設定することによりクリアランスmを設けている。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、前記実施形態では、スリット67を周方向に90度ピッチで4本設けているが、このスリット67の数の増減は任意である。すなわち、プランジャユニット50を圧入する際に、このケース55が僅かに縮径して、圧入力を緩和できればよい。このため、スリット67は1本であってもよい。また、スリット67の幅寸法、長さ寸法(軸方向部67aの軸方向長さ)も、圧入力を緩和できる範囲で任意に設定できる。なお、スリット67の数が多くなりすぎたり、幅寸法や長さ寸法が大きくなりすぎたりして、圧入嵌合部70の剛性が小さくなりすぎて、引き抜き抗力が小さくなりすぎないように設定する必要がある。さらに、スリット67の配設ピッチとして、周方向(円周上)に等ピッチでなくてもよい。しかしながら、スリット67を等ピッチに配設することによって、全周において均等に縮径し易くなる利点がある。
本発明の固定型等速自在継手のプランジャユニットをシャフトに取り付けた状態を示す拡大図である。 前記プランジャユニットの側面図である。 前記プランジャユニットの背面図である。 プランジャユニットの圧入状態を示す要部拡大図である。 本発明に係る固定型等速自在継手の断面図である。 前記固定型等速自在継手で二軸が作動角をとった状態を示す断面図である。 前記固定型等速自在継手の要部拡大断面図である。 前記固定型等速自在継手の他の要部拡大断面図である。 プランジャユニットの他の圧入構造を示す要部拡大図である。 (A)はステアリング装置の平面図、(B)はステアリング装置の側面図、(C)はステアリング装置の斜視図である。 従来の固定型等速自在継手の断面図である。
符号の説明
2a 凹陥部
14、24 トラック溝
20 内輪
30 ボール
40 保持器
50 プランジャユニット
52 押圧部
55 ケース
58 受け部
67 スリット
70 圧入嵌合部

Claims (3)

  1. 複数のトラック溝が形成された球状内面を備えた外方部材と、複数のトラック溝が形成された球状外面を備えた内方部材と、外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝の協働で形成された楔形のボールトラックに配置したボールと、外方部材の球状内面と内方部材の球状外面との間に配置され、ボールを保持する保持器とを備え、弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部を前記内方部材側に、かつ、押圧部からの押圧力を受ける受け部を保持器側に設けた固定型等速自在継手において、
    ケースと、ケースの先端開口部に配置される前記押圧部と、ケースに収納されて押圧部に弾性的な押圧力を付与する弾性部材とを有するプランジャユニットを備え、このプランジャユニットの基端近傍のみを内方部材の凹陥部に圧入するとともに、前記ケースの圧入嵌合部に圧入力緩和用のスリットを設けたことを特徴とする固定型等速自在継手。
  2. 前記スリットを、円周上の少なくとも2箇所に設けたことを特徴とする請求項1に記載の固定型等速自在継手。
  3. 自動車のステアリング装置に組み込まれた請求項1又は請求項2に記載の固定型等速自在継手。
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