JP2008019255A - 1,3,5−トリアジン化合物、組成物、およびそれらからなる光学異方性材料 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は液晶材料として有用な新規な化合物である1,3,5−トリアジン化合物とそれを含む組成物、およびそれらより成る光学異方性材料に関する。
液晶表示装置は、通常、液晶セルと偏光板とを有する。偏光板は保護フィルムと偏光膜からなり、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる。透過型液晶表示装置では、この偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償フィルムを配置することもある。反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚以上の光学補償フィルム、偏光板の順に配置する。液晶セルは、液晶性分子、それを封入するための二枚の基板および液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶性分子の配向状態の違いで、ON・OFF表示を行い、透過および反射型いずれにも適用できる、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)のような表示モードが提案されている。
光学異方性層は、画像着色を解消したり、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。光学異方性層としては、延伸複屈折ポリマーフィルムが従来から使用されていた。延伸複屈折フィルムからなる光学異方性層に代えて、透明支持体上に液晶性分子から形成された光学的異方性層を有する光学異方性層を使用することが提案されている。液晶性分子には多様な配向形態があるため、液晶性分子を用いることで、従来の延伸複屈折ポリマーフィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。
光学異方性層の光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には上記のような表示モードの違いに応じて決定する。液晶性分子を用いると、液晶セルの様々な表示モードに対応する様々な光学的性質を有する光学異方性層を製造することができる。液晶性分子としては、一般に、棒状液晶性分子またはディスコティック液晶性分子が用いられている。液晶性分子を用いた光学異方性層では、様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。
低分子の2官能液晶性アクリレート化合物を用いた光学異方性材料の作製方法が報告されている(特許文献1参照)。この技術は、低分子の2官能液晶性アクリレート化合物又は組成物をねじれネマチック配向させた後、光重合を行って配向状態を固定化するものである。
一方で近年、液晶表示装置の軽量化、製造コスト低減のために液晶セルの薄膜化が必須となっている。そのために光学異方性層としてもより薄膜にて所望の光学的異方性を達成することが必要となってきた。この問題を解決するためには、光学異方性層を形成する液晶化合物の屈折率異方性(Δn)を大きくすることが必要となる。
Δnを大きい重合性液晶化合物の例としては、特許文献2及び特許文献3にトラン部を分子内に有するものが知られている。しかしながら、トラン系化合物においては長波側に吸収を持つため、ラジカル重合が進行しにくいことおよび、光学異方性層が着色することの懸念がある。また、トラン化合物は光安定性が低いため、フィルム安定性上からも好ましくない。
特開平3−14029号公報
特開2002−128742号公報
特開2002−265475号公報
本発明の目的は、液晶ディスプレイ等の画像表示装置の薄型化、軽量化、高輝度化、及び低消費電力化を実現しうる新規の重合性化合物を提供することにある。また、該重合性化合物を用いた重合性液晶性組成物、光学異方性材料を提供することにある。
本発明の目的は、下記手段により達成された。
(1)一般式(A)で表される化合物。
(1)一般式(A)で表される化合物。
(式中、L1、およびL2はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、R1、およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Rは重合性基を有する基を表す。)
(2)前記重合性基が付加重合反応または縮合重合反応が可能な基であることを特徴とする(1)項記載の化合物。
(3)下記一般式(I)で表される化合物。
(2)前記重合性基が付加重合反応または縮合重合反応が可能な基であることを特徴とする(1)項記載の化合物。
(3)下記一般式(I)で表される化合物。
(式中、L1、およびL2は単結合または二価の連結基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。R1、およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、複数存在する(R41)m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51はP1、P2、P3またはP4で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。前記アルコキシ部はエーテル結合を有していてもよい。)
(式中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532、R533、R541、R542、R543、R544、およびR545はそれぞれ各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは0または1を表す。)
(4)下記一般式(II)で表される化合物。
(4)下記一般式(II)で表される化合物。
(式中、L1は単結合または二価の連結基を表す。R1は水素原子または置換基を表す。R31、R32、R41、およびR42は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1、およびn2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、n1、またはn2が2以上の場合は、複数存在するR31、またはR32はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1、およびm2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、m1、またはm2が2以上の場合は、複数存在するR41、またはR42はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1、およびX2はそれぞれ独立に0から5までの整数を表す。X1、またはX2が2以上の場合は、複数存在する(R41)m1、または(R42)m2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51、およびR52はそれぞれ独立に上記P1、P2、P3またはP4で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。前記アルコキシ部はエーテル結合を有していてもよい。)
(5)下記一般式(III)で表される化合物。
(5)下記一般式(III)で表される化合物。
(式中、R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、連続して複数存在する(R41)m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51は上記P1、P2、P3またはP4で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。前記アルコキシ部はエーテル結合を有していてもよい。)
(6)液晶性を有する化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の化合物。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも一種含んでなる組成物。
(8)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物、または(7)項に記載の組成物を含んでなる光学異方性材料。
(9)屈折率差(Δn)が0.1〜0.3である(8)項記載の光学異方性材料。
(10)(8)または(9)項に記載の光学異方性材料を含む液晶表示装置。
ここで、本発明の液晶性を有する化合物が示す液晶性とは、例えば液晶便覧(丸善)に記載されている液晶性をいう。液晶性に関しては、多くの相が分類されており、おのおの特徴のあるものであるが、本発明での液晶性を示す化合物とは、上記に記載されているどの相を示すものであっても良い。より好ましくは、ネマチック相(N)、スメクチック相(スメクチックA相(SmA)、スメクチックC相(SmC))を示す化合物である。
(6)液晶性を有する化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の化合物。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも一種含んでなる組成物。
(8)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物、または(7)項に記載の組成物を含んでなる光学異方性材料。
(9)屈折率差(Δn)が0.1〜0.3である(8)項記載の光学異方性材料。
(10)(8)または(9)項に記載の光学異方性材料を含む液晶表示装置。
ここで、本発明の液晶性を有する化合物が示す液晶性とは、例えば液晶便覧(丸善)に記載されている液晶性をいう。液晶性に関しては、多くの相が分類されており、おのおの特徴のあるものであるが、本発明での液晶性を示す化合物とは、上記に記載されているどの相を示すものであっても良い。より好ましくは、ネマチック相(N)、スメクチック相(スメクチックA相(SmA)、スメクチックC相(SmC))を示す化合物である。
本発明により、大きな複屈折差を有する重合性化合物、それを用いた重合性液晶性組成物、光学異方性材料を提供することができる。本発明の化合物、組成物、および光学異方性材料を用いることにより、液晶ディスプレイ等の画像表示装置の薄型化、軽量化、高輝度化、及び低消費電力化することが可能となる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の一般式(A)で表される化合物(1,3,5−トリアジン化合物)について説明する。
(式中、L1、およびL2はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、R1、およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Rは重合性基を有する基を表す)
一般式(A)中、L1、およびL2は、それぞれ、単結合または二価の連結基を表す。二価の連結基の具体例としては、例えば、−NR8−(R8は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される基、−SO2−、−CO−、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、アルキニレン基、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、置換もしくは無置換のナフタレン基、−O−、−S−および−SO−ならびにこれらを2つ以上組み合わせて得られる基である。より好ましくは、L1およびL2は、それぞれ、単結合、−NR8−、−O−または−S−であり、さらに好ましくは、単結合または−NR8−であり、最も好ましくは−NR8−である。
一般式(A)中、R1、およびR2は、それぞれ、水素原子または置換基である。置換基の例としては下記のものが適用できる。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5または6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換または無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
R1、およびR2は、好ましくは、それぞれ、塩素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基であり、さらに好ましくは、塩素原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アミノ基である。
一般式(A)中、Rは重合性基を有する基を表す。
Rが有する重合性基としては、付加重合反応または縮合重合反応が可能な基が好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
Rが有する重合性基としては、付加重合反応または縮合重合反応が可能な基が好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
一般式(A)で表される化合物は、好ましくは、一般式(I)で表される重合性化合物である。
(式中、L1、およびL2は単結合または二価の連結基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。R1、およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、複数存在する(R41)m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51はP1、P2、P3またはP4で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。前記アルコキシ部はエーテル結合を有していてもよい。)
(式中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532、R533、R541、R542、R543、R544、およびR545はそれぞれ各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは0または1を表す。)
一般式(I)中、L1およびL2は、一般式(A)におけるそれらとそれぞれ同意であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I)中、R1およびR2は、一般式(A)におけるそれらとそれぞれ同意であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I)中、R31、およびR41は、それぞれ、置換基を表す。置換基の例としては、一般式(A)におけるR1、およびR2で挙げた例が挙げられる。
R31は、好ましくはハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基である。
R41は好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基である。
一般式(I)中、n1は0〜4の整数を表し、nが2以上の場合は、複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば互いに結合して環を形成してもよい。n1は好ましくは、0〜2の整数である。
一般式(I)中、m1は0〜4の整数を表す。mが2以上の場合は、複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば互いに結合して環を形成してもよい。m1は好ましくは、0〜3の整数である。
一般式(I)中、X1は0〜5の整数を表す。X1が2以上の場合は、複数存在する(R41)m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。X1は、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0、1または2である。
X1が0でないとき、アミノフェニル基上の置換基である置換ベンゾイルオキシ基の置換位置は、アミノ基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。もっとも好ましくはパラ位である。
一般式(I)中、R51はP1、P2、P3またはP4を置換基として有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。前記アルコキシ部は、そのアルコキシ部を構成するアルキレン部の中にエーテル結合を有していてもよい。
X1が0の場合、アミノフェニル基上の置換基であるR51のベンゼン環上の置換位置は、アミノ基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。X1が0でない場合、ベンゾイルオキシ基上の置換基であるR51のベンゼン環上の置換位置は、カルボニル基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。
置換基P1のR511、R512、R513は各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。
その末端置換基P1が置換して成るアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基残基は、アルキレンオキシ基(例えばエチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、ペンチレンオキシ、ヘキシレンオキシ、ヘプチレンオキシなどのアルキレンオキシ基、またエチレンオキシエトキシなどのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシ基)、アルキレンオキシカルボニルオキシ基(例えばエチレンオキシカルボニルオキシ、プロピレンオキシカルボニルオキシ、ブチレンオキシカルボニルオキシ、ペンチレンオキシカルボニルオキシ、ヘキシレンオキシカルボニルオキシ、ヘプチレンオキシカルボニルオキシなどのアルキレンオキシカルボニルオキシ基、またエチレンオキシエトキシカルボニルオキシなどのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシカルボニルオキシ基)、アルキレンオキシカルボニル基(例えばエチレンオキシカルボニル基、プロピレンオキシカルボニル基、ブチレンオキシカルボニル基、ペンチレンオキシカルボニル基、ヘキシレンオキシカルボニル基、ヘプチレンオキシカルボニル基などのアルキレンオキシカルボニル基、またはエチレンオキシエトキシカルボニル基などのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシカルボニル基)を表す。但し、末端置換基P1が直接芳香環に結合してもよい。末端置換基がP2、P3またはP4の場合も同様である。
nは0〜1の整数を表し、nが1であることが好ましく、nが1の時は、R51の末端置換基P1は置換又は無置換のビニルエーテル基を表す。その置換基P1の置換基R511、R513は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R511がメチル基でR513が水素原子、またはR511、R513が共に水素原子の組み合わせが好ましい。
置換基R512は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子、低級アルキル基が好ましく、さらに水素原子が好ましい。従って、置換基P1としては、一般には重合活性の高い官能基である無置換のビニルオキシ基が好ましく用いられる。
R51の末端置換基P2は置換または無置換のオキシラン基を表す。その置換基P2の置換基R521、R522は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R521、R522がともに水素原子が好ましい。
置換基R523は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子またはメチル、エチル、n−プロピルなどの低級アルキル基が好ましい。
R51の末端置換基P3は置換または無置換のアクリル基を表す。その置換基P3の置換基R531、R533は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R531がメチル基でR533が水素原子、またはR531、R533が共に水素原子の組み合わせが好ましい。
置換基R532は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子が好ましい。従って、置換基P3としては、一般には無置換のアクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、クロトニルオキシ基などの重合活性の高い官能基が好ましく用いられる。
R51の末端置換基P4は重合性基であり、置換または無置換のオキセタン基を表す。R542、R543、R544およびR545は各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R542、R543、R544およびR545が共に水素原子が好ましい。
R541は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子またはメチル、エチル、n−プロピルなどの低級アルキル基が好ましい。
一般式(A)で表される化合物は、一般式(II)で表される重合性化合物であることも好ましい。
(式中、L1は単結合または二価の連結基を表す。R1は水素原子または置換基を表す。R31、R32、R41、およびR42は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1、およびn2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、n1、またはn2が2以上の場合は、複数存在するR31、またはR32はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1、およびm2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、m1、またはm2が2以上の場合は、複数存在するR41、またはR42はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1、およびX2はそれぞれ独立に0から5までの整数を表す。X1、またはX2が2以上の場合は、複数存在する(R41)m1、または(R42)m2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51、およびR52はそれぞれ独立に上記P1、P2、P3またはP4で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。前記アルコキシ部はエーテル結合を有していてもよい。)
一般式(II)中、L1、R1、R31、R41、R51、n1,m1,X1、P1、P2、P3およびP4は、一般式(I)におけるそれらとそれぞれ同意であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(II)中、R32は置換基を表す。R32の例としてはR31で挙げた例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(II)中、R42は置換基を表す。R42の例としてはR41で挙げた例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(II)中、n2は0〜4の整数を表し、n2が2以上の場合は、複数存在するR32はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば互いに結合して環を形成してもよい。n2は好ましくは、0〜2の整数である。
一般式(II)中、m2は0〜4の整数を表す。m2が2以上の場合は、複数存在するR42はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば互いに結合して環を形成してもよい。m2は好ましくは、0〜3の整数である。
一般式(II)中、X2は0〜5の整数を表す。X2が2以上の場合は、複数存在する(R42)m2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。X2は、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0、1または2である。
X2が0でないとき、アミノフェニル基上の置換基である置換ベンゾイルオキシ基の置換位置は、アミノ基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。もっとも好ましくはパラ位である。
一般式(II)中、R52はP1、P2、P3またはP4を置換基として有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基を表す。前記アルコキシ部は、そのアルコキシ部を構成するアルキレン部の中にエーテル結合を有していてもよい。
X2が0の場合、アミノフェニル基上の置換基であるR52のベンゼン環上の置換位置は、アミノ基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。X2が0でない場合、ベンゾイルオキシ基上の置換基であるR52のベンゼン環上の置換位置は、カルボニル基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。
R52、R51はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。好ましくは同じである。
一般式(A)で表される化合物は、一般式(III)で表される重合性化合物であることがさらに好ましい。
(式中、R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、連続して複数存在する(R41)m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51は上記P1、P2、P3またはP4で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。前記アルコキシ部はエーテル結合を有していてもよい。)
一般式(III)中、R31、R41、R51、n1、m1、X1、X2、P1、P2、P3およびP4は、一般式(I)におけるそれらとそれぞれと同意であり、好ましい範囲も同様である。
以下、本発明の一般式(A)、(I)、(II)及び(III)で表される重合性化合物の具体例をあげて詳細に説明するが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。下記化合物に関しては、指定のない限り括弧( )内の数字にて例示化合物(X)と示す。
ここで、Ra、RbおよびRcは、それぞれ、下記表1に表される基である。
一般式(A)、(I)、(II)および(III)で表される重合性化合物の合成は既知の方法を参照して行うことができる。
本発明の別の実施態様は、上記の一般式(A)、(I)、(II)または(III)で表される化合物を少なくとも一種含んでなる組成物である。本発明の化合物とともに組成物に含まれる物質としては、それに限定されるものではないが、例えば、重合開始剤、重合性または非重合性液晶化合物、非液晶化合物など挙げられる。本発明の組成物に上記の一般式(A)、(I)、(II)または(III)で表される化合物は1〜70質量%含有することが好ましい。
また、本発明の化合物及び組成物は、常法に従い、容易に重合させることができる。
また、本発明の化合物及び組成物は、常法に従い、容易に重合させることができる。
本発明の化合物、または組成物は、例えば、光学補償シート、偏光板など光学異方性材料に好適に用いることができる。これらの光学異方性材料は、本発明の化合物、または組成物を用いて、常法により作成することができる。
本発明の光学異方性材料の屈折率異方性(複屈折差、Δn)は0.1以上であることが好ましく、0.1〜0.3であることがさらに好ましい。
本発明の光学異方性材料の屈折率異方性(複屈折差、Δn)は0.1以上であることが好ましく、0.1〜0.3であることがさらに好ましい。
以下本発明を、実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各例示化合物の融点が高温の場合においては、化合物が重合する可能性が否定できないため、180℃を超える場合においては>180℃と記載することとする。
[合成例1:例示化合物(20)の合成]
下記スキームに従い、例示化合物(20)を合成した。
下記スキームに従い、例示化合物(20)を合成した。
塩化シアヌル36.9g(0.2mol)のメチルエチルケトン200ml溶液に窒素雰囲気下、15℃まで冷却した。パラヒドロキシアニリン76.4g(0.7mol)を30℃以下に保ちつつ分割添加し、添加後、水酸化ナトリウム12g(0.3mol)の水溶液60mlを滴下した。反応系の温度が室温になるまで攪拌した後、系の温度を55℃まで昇温し、2時間攪拌した。その後系の温度を70℃まで昇温し1時間攪拌した。TLCにて反応終了を確認した後、メチルエチルケトンを減圧留去し、水500mlを加えて分散させた。固体をろ取し、水に分散、ろ取を3度繰り返し、乾燥させることで、72.4gの(20−A)を得た。(収率90%)
4−(4―アクリロイルブトキシ)−安息香酸4.8g(18mmol)のテトラヒドロフラン溶液50mlに、氷冷下にてメタンスルホン酸クロライド1.55ml(20mmol)を加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミン3.5ml(20mmol)をゆっくりと滴下した。1時間攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン3.5ml(20mmol)を加え、2gの(20−A)のN−メチルピロリドン15ml溶液を滴下した。その後、N,N−ジメチルアミノピリジンを0.02gのテトラヒドロフラン(THF)5ml溶液を滴下した。氷冷下にて1時間攪拌した後、室温まで昇温し、6時間攪拌した。反応液をメタノール200mlに滴下し、生成した結晶をろ取し、シリカゲルカラムクロマトで精製することで2.7gの例示化合物(20)を得た(収率47%)。得られた例示化合物(20)の融点は162℃であった。
[合成例2:例示化合物(38)、(40)、(60)、(61)、(63)の合成]
上記例示化合物(20)の合成例において、4−(4―アクリロイルブトキシ)−安息香酸を適宜対応する安息香酸類縁体に変更し、他は同様なスキームにより、例示化合物(38)、(40)、(60)、(61)、(63)を合成した。また、得られた各例示化合物の融点を以下に示す。
例示化合物(38):>180℃、
例示化合物(40):>180℃、
例示化合物(60):157℃、
例示化合物(63):>180℃。
上記例示化合物(20)の合成例において、4−(4―アクリロイルブトキシ)−安息香酸を適宜対応する安息香酸類縁体に変更し、他は同様なスキームにより、例示化合物(38)、(40)、(60)、(61)、(63)を合成した。また、得られた各例示化合物の融点を以下に示す。
例示化合物(38):>180℃、
例示化合物(40):>180℃、
例示化合物(60):157℃、
例示化合物(63):>180℃。
[実施例1:例示化合物(15)、(20)、(38)、(40)、(60)、(61)、(63)、(64)、(65)の偏光顕微鏡観察による相転移温度の評価]
例示化合物(15)、(20)、(38)、(40)、(60)、(61)、(63)、(64)、(65)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって測定し、下記の結果を得た。ただし、加熱しながらの測定であることから、重合が開始される可能性があるため、180℃を超える相転移温度の場合は、>180と記す。下記の化合物の相転移を示す矢印上の数値は温度(℃)を表わす。
例示化合物(15)、(20)、(38)、(40)、(60)、(61)、(63)、(64)、(65)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって測定し、下記の結果を得た。ただし、加熱しながらの測定であることから、重合が開始される可能性があるため、180℃を超える相転移温度の場合は、>180と記す。下記の化合物の相転移を示す矢印上の数値は温度(℃)を表わす。
上記に示されるように、例示化合物(15)では、結晶状態(Cr)から等方相(ISO)への相転移温度は87℃であった。また、例示化合物(20)では、結晶状態(Cr)からネマチック相(N)への相転移温度は157℃、ネマチック相(N)から等方相(ISO)への転移温度は162℃であった。また、例示化合物(38)では、結晶状態(Cr)からネマチック相(N)への相転移温度は97℃、ネマチック相(N)から等方相(ISO)への転移温度は180℃を超える温度であった。また、例示化合物(40)では、結晶状態(Cr)からネマチック相(N)への相転移温度は160℃、ネマチック相(N)から等方相(ISO)への転移温度は180℃を超える温度であった。また、例示化合物(60)では、昇温時には液晶性を示さず、融点は157℃であり、降温時に等方相(ISO)からスメクチックA相(SmA)への転移温度は132℃であり、スメクチック相(SmA)から等方相(ISO)への転移温度は133℃であった。また、例示化合物(63)では、結晶状態(Cr)からネマチック相(N)への相転移温度は145℃、ネマチック相(N)から等方相(ISO)への転移温度は180℃を超える温度であった。また、例示化合物(64)では、結晶状態(Cr)からネマチック相(N)への相転移温度は155℃、ネマチック相(N)から等方相(ISO)への転移温度は178℃であった。また、例示化合物(65)では、結晶状態(Cr)からネマチック相(N)への相転移温度は157℃、ネマチック相(N)から等方相(ISO)への転移温度は180℃を超える温度であった。
[実施例2:例示化合物(20)、(38)、(40)、(60)、(61)、(63)、(64)、(65)の重合性膜作製およびΔn測定]
例示化合物(20)100質量部、及び重合開始剤として「イルガキュアー819」(チバスペシャリティーケミカル社)4質量部を混合した1,1,2−トリクロロエタン25%溶液を、ホモジニアス配向処理を施したポリイミド配向膜が形成されているガラス板にスピンコートし薄膜を作製した。基板温度132度にて配向させると均一に配向した。その後200mJ/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定し光学補償シートAを作製した。形成した光学異方性層の厚さは0.9μmであった。
例示化合物(20)100質量部、及び重合開始剤として「イルガキュアー819」(チバスペシャリティーケミカル社)4質量部を混合した1,1,2−トリクロロエタン25%溶液を、ホモジニアス配向処理を施したポリイミド配向膜が形成されているガラス板にスピンコートし薄膜を作製した。基板温度132度にて配向させると均一に配向した。その後200mJ/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定し光学補償シートAを作製した。形成した光学異方性層の厚さは0.9μmであった。
上記と同様に例示化合物(38)からは光学補償シートBを、例示化合物(40)からは光学補償シートCを、例示化合物(60)からは光学補償シートDを、例示化合物(61)からは光学補償シートEを、例示化合物(63)からは光学補償シートFを、例示化合物(64)からは光学補償シートGを作製した。厚さはそれぞれ0.9μm〜1.0μmとなるように調整した。
光学補償シートA、B、C、D、E、F、Gに対して複屈折差(Δn)を上記膜厚およびKOBRA−WR(王子計測機器(株))でのレタデーション測定したところ、光学補償シートAはΔn=0.18、光学補償シートBはΔn=0.25、光学補償シートCはΔn=0.25、光学補償シートDはΔn=0.22、光学補償シートEはΔn=0.24、光学補償シートFはΔn=0.25、光学補償シートGはΔn=0.23であった。
[比較例:特開2002−265475号公報例示化合物(A−1)および特開2002−128742号公報例示化合物(A−1)のΔn測定]
特開2002−265475号公報例示化合物(A−1)および特開2002−128742号公報例示化合物(A−1)について、それぞれの公報記載の方法に基づきΔnを測定した。特開2002−265475号公報例示化合物(A−1)および特開2002−128742号公報例示化合物(A−1)は非重合性液晶化合物「RO−571」(大日本インキ化学社製)に対して5%〜10%という低添加量を添加し、混合液晶の複屈折差(Δn)から例示化合物のΔnを外挿している。
特開2002−265475号公報例示化合物(A−1)および特開2002−128742号公報例示化合物(A−1)について、それぞれの公報記載の方法に基づきΔnを測定した。特開2002−265475号公報例示化合物(A−1)および特開2002−128742号公報例示化合物(A−1)は非重合性液晶化合物「RO−571」(大日本インキ化学社製)に対して5%〜10%という低添加量を添加し、混合液晶の複屈折差(Δn)から例示化合物のΔnを外挿している。
上記より比較例ではΔnが0.23以下であるのに対し、本発明の例示化合物を用いた実施例ではΔnが0.18〜0.25であり、比較例に対して同等またはそれ以上であることが分かる。
Claims (10)
- 前記重合性基が付加重合反応または縮合重合反応が可能な基であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
- 下記一般式(I)で表される化合物。
- 下記一般式(II)で表される化合物。
- 下記一般式(III)で表される化合物。
- 液晶性を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1種含んでなる組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、または請求項7に記載の組成物を含んでなる光学異方性材料。
- 屈折率差(Δn)が0.1〜0.3である請求項8記載の光学異方性材料。
- 請求項8または9に記載の光学異方性材料を含む液晶表示装置。
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JP (1) | JP2008019255A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2019058888A1 (ja) * | 2017-09-21 | 2020-12-03 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、レンズ、固体撮像素子、化合物 |
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2007
- 2007-06-15 JP JP2007159346A patent/JP2008019255A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2019058888A1 (ja) * | 2017-09-21 | 2020-12-03 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、レンズ、固体撮像素子、化合物 |
JP7042832B2 (ja) | 2017-09-21 | 2022-03-28 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、レンズ、固体撮像素子、化合物 |
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