JP5027474B2 - 液晶組成物および異方性材料 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶組成物ならびに該液晶組成物の配向を固定化して得られる異方性材料に関する。
液晶性化合物はいわゆる液晶ディスプレイ等に代表される液晶表示装置のなかで、光のシャッター機能を果たす重要な材料として活用されている。近年液晶ディスプレイの表示特性、特に斜めから見たときの表示特性を改善する目的で種々の光学補償材料が開発されてきている(例えば特許文献1、2参照)。光学補償材料はポリマーの延伸や高分子液晶の配向のほか、低分子の液晶材料を配向させた後にその配向を固定化する方法で作成されている(例えば特許文献3参照)。低分子の液晶材料を用いる方法は、高分子液晶材料よりも配向速度が速く、重合反応等で配向を固定化するので光学特性が変化しにくいという優れた特徴を有する。低分子の液晶材料を用いる場合には液晶性化合物の配向が光学特性に影響するので、配向性を調整する目的で種々の添加剤を併用する場合が多い。また、膜強度を上げる目的で多官能モノマーを併用する場合もある(例えば特許文献4参照)。
特開2000−155216号公報 特開2000−98133号公報 特開2003−261511号公報 特開2002−296423号公報
低分子の液晶材料を配向させた後にその配向を固定化する方法は、配向を固定化する際に配向が乱れ欠損等が生じ、光学特性が低下することがあり、また、液晶材料の配向の調整、膜強度の向上を目的として、添加される添加剤は、液晶の相転移温度を低下させたり、光学特性の低下によって膜厚を厚くする必要が生じたり、相分離して光学特性の低下を招いたりする場合があり、改善が求められていた。
そこで、本発明は、液晶材料の配向の乱れを抑制し、光学特性の低下を招くことのない液晶組成物およびそれを用いた異方性材料、特に光学補償材料を提供することを目的とするものである。
本発明者は上記課題を解決すべく、鋭意研究した結果、特定の構造を有するか化合物を添加することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本願発明の目的は、下記の(1)〜(8)により達成された。
(1)下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種と下記一般式(II)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする液晶組成物。
一般式(I): Q1−SP1−X1−MG−X2−SP2−Q2
(式中、Q1およびQ2は、それぞれ独立に重合性基を表し、SP1およびSP2は、それぞれ独立にスペーサー基を表し、X1およびX2は、それぞれ独立に連結基を表し、MGはメソゲン基を表す。)
Figure 0005027474
(式中、Ra、RbおよびRcはそれぞれ独立に、−L1−R1−L2−R2または−NHR基であり、少なくとも一つは−NHRである。ここで、L1及びL2は単結合または二価の連結基を表し、R1またはR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Rは重合性基を有する基を表す。)
(2)前記一般式(II)のRa、Rb、Rcのうち2又は3個が−NHR基であることを特徴とする(1)項に記載の液晶組成物。
(3)前記一般式(II)で表わされる化合物が下記一般式(III)で表わされる重合性化合物であることを特徴とする(1)又は(2)項に記載の液晶組成物。
Figure 0005027474
(式中、L1、およびL2は単結合または二価の連結基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。R1、およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、複数存在する(R41m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51はP1、P2またはP3で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。)
Figure 0005027474
(式中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532およびR533はそれぞれ各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは0または1を表す。)
(4)前記一般式(II)で表わされる化合物が下記一般式(IV)で表わされる重合性化合物である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 0005027474
(式中、L1は単結合または二価の連結基を表す。R1は水素原子または置換基を表す。R31、R32、R41、およびR42は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1、およびn2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、n1、またはn2が2以上の場合は、複数存在するR31、またはR32はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1、およびm2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、m1、またはm2が2以上の場合は、複数存在するR41、またはR42はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1、およびX2はそれぞれ独立に0から5までの整数を表す。X1、またはX2が2以上の場合は、複数存在する(R41m1、または(R42m2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51、およびR52はそれぞれ独立に一般式(III)におけるR51と同義である。)
(5)前記一般式(II)で表される化合物が、下記一般式(V)で表される重合性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 0005027474
(式中、R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、連続して複数存在する(R41m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51は一般式(III)におけるR51と同義である。)
(6)前記一般式(II)で表される化合物が単独で液晶性を示すことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の液晶組成物。
(7)下記一般式(VI)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 0005027474
(式中、R101、R102及びR103は各々独立して、水素原子又は置換基を表し、X101、X102及びX103は各々独立して、単結合又は二価の連結基を表す。)
(8)(1)〜(7)のいずれか1項に記載の液晶組成物を用いた異方性材料であって、前記液晶組成物の液晶を配向させ、固定化させたことを特徴とする異方性材料。
本発明の液晶組成物は、特定の液晶性化合物を組み合わせることにより、液晶材料として用いたときの配向の乱れを抑制し、光学特性の低下を招くことがない。したがって、この液晶組成物を用いた異方性材料は配向の固定性に優れ、均一な配向状態を示す。
以下において、本発明の内容について順次説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
一般式(I)で表される化合物について説明する。
一般式(I): Q1−SP1−X1−MG−X2−SP2−Q2
一般式(I)において、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基を表し、SP1、SP2はスペーサー基を表し、X1、X2は連結基を表し、MGはメソゲン基を表す。
Q1およびQ2は、それぞれ独立に、重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。重合性基の例を以下に示す。
Figure 0005027474
重合性基(Q1及びQ2)は、不飽和重合性基(Q−1〜Q−7)、エポキシ基(Q−8)またはアジリジニル基(Q−9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q−1〜Q−6)であることが最も好ましい。
式(I)において、SP1およびSP2は、それぞれ独立に二価のスペーサー基である。例えば、SP1およびSP2は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、二価の鎖状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R2は、炭素原子数が1乃至7のアルキル基または水素原子である。組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。
左側がQ(Q1又はQ2)に、右側がX(X1又はX2)に結合する。なお、下記L−1〜L−3に示すように、Q側に−CO−O−の構造を有することが合成上、好ましい。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−S−二価の鎖状基−
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基または置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基および置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることが最も好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換アルキレン基の置換基の例には、アルコキシ基、ハロゲン原始が含まれる。アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることが最も好ましい。置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換アルケニレン基の置換基の例には、アルコキシ基、ロゲン原子が含まれる。アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることが最も好ましい。置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換アルキニレン基の置換基の例には、アルコキシ基、ハロゲン原子が含まれる。
一般式(I)において、X1、X2は2価の連結基である。X1およびX2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−CO−、−NR2−(R2は、上記と同様)およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。より好ましくは単結合、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CO−O−である。
一般式(I)においてMGはメソゲン基を表す。好ましくは下記式(MG−I)で表される基である。
MG−I: −(A1−Z1)m−A2−Z2−A3−
(式中、A1、A2およびA3は相互に独立して、1,4−フェニレン基、または1,4−フェニレン基の1個または2個以上のCH基がNにより置き換えられたヘテロ環基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基の1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基がOおよび/またはSにより置き換えられていてもよいへテロ環基、あるいは1,4−シクロヘキセニレン基またはナフタレン−2,6−ジイル基であり、これらの基は置換基を有していても良い。Z1およびZ2はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、mは、0、1または2である。)
二環状または三環状のメソゲン基が好ましく、Z1およびZ2が、−COO−、−OCO−、−CH2−CH2−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合である化合物は特に好ましい。
MG−Iで表わされる好ましいメソゲン基の例を下記に示す。簡潔にするために略号を用いたが、Pheは、1,4−フェニレンであり、PheLは、少なくとも1個の置換基Lにより置換されていることを表し、そしてCycは、1,4−シクロヘキシレンである。
Figure 0005027474
これらにおいて、好ましくは、Z1およびZ2は、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−COO−または単結合である。
特に好ましいメソゲン基は下記式で表される基である。
Figure 0005027474
Figure 0005027474
rは0〜4の整数を表し、rは0、1または2が好ましい。rが2のとき、2つのLは同じでも異なっていても良い。
次いで、置換基Lについて説明する。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、炭素原子数が1乃至5のアルキル基、炭素原子数が1乃至5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至5のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至5のアルキルチオ基、炭素原子数が1乃至5のアシル基、炭素原子数が2乃至6のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル、炭素原子数が2乃至6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至6のアミド基が含まれる。より好ましくはハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1乃至3のアルキル基、炭素原子数が1乃至3のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至3のアルコキシ基、炭素原子数が2乃至4のアシルオキシ基である。
Lは好ましくは、−F、−Cl、−Br、−CN、−NO2、−CH3、−C25、−OCH3、−OC25、−COCH3、−COC25、−CF3、−OCF3、−OCHF2、−OC25、特に−F、−Br、−Cl、−CN、−CH3、−C25、−OCH3、−COCH3および−OCF3、最も好ましくは−F、−Br、−CH3、−OCH3および−COCH3である。
以下に具体的な化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005027474
Figure 0005027474
Figure 0005027474
Figure 0005027474
Figure 0005027474
Figure 0005027474
本発明に用いられる一般式(II)で表される化合物(1,3,5−トリアジン化合物)について説明する。
Figure 0005027474
(式中、Ra、RbおよびRcはそれぞれ独立に、−L1−R1、−L2−R2または−NHR基であり、少なくとも一つは−NHRである。ここで、L1及びL2は単結合または二価の連結基を表し、R1またはR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Rは重合性基を有する基を表す。)
「Ra、RbおよびRcのうち、好ましくは2つまたは3つ、より好ましくは3つが−NHRである。」
一般式(II)中、L1、およびL2は、それぞれ、単結合または二価の連結基を表す。二価の連結基の具体例としては、例えば、−NR8−(R8は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される基、−SO2−、−CO−、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、アルキニレン基、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、置換もしくは無置換のナフタレン基、−O−、−S−および−SO−ならびにこれらを2つ以上組み合わせて得られる基である。より好ましくは、L1およびL2は、それぞれ、単結合、−NR8−、−O−または−S−であり、さらに好ましくは、単結合または−NR8−であり、最も好ましくは−NR8−である。
一般式(II)中、上記のR1、およびR2は、それぞれ、水素原子または置換基である。置換基の例としては下記のものが適用できる。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5または6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、
アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換または無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
1、およびR2は、好ましくは、それぞれ、塩素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基であり、さらに好ましくは、塩素原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アミノ基である。
一般式(II)中、Rは重合性基を有する基を表す。
Rが有する重合性基としては、付加重合反応または縮合重合反応が可能な基が好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
一般式(II)で表される化合物は、好ましくは、一般式(III)で表される重合性化合物である。
Figure 0005027474
(式中、L1、およびL2は単結合または二価の連結基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。R1、およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、複数存在する(R41m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51はP1、P2またはP3で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。)
Figure 0005027474
(式中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532およびR533はそれぞれ各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは0または1を表す。)
一般式(III)中、L1およびL2は、一般式(II)におけるそれらとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(III)中、R1およびR2は、一般式(II)におけるそれらとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(III)中、R31、およびR41は、それぞれ、置換基を表す。置換基の例としては、一般式(II)におけるR1、およびR2で挙げた例が挙げられる。
31は、好ましくはハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基である。
41は好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基である。
一般式(III)中、n1は0〜4の整数を表し、nが2以上の場合は、複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば互いに結合して環を形成してもよい。n1は好ましくは、0〜2の整数である。
一般式(III)中、m1は0〜4の整数を表す。mが2以上の場合は、複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば互いに結合して環を形成してもよい。m1は好ましくは、0〜3の整数である。
一般式(III)中、X1は0〜5の整数を表す。X1が2以上の場合は、複数存在する(R41m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。X1は、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0、1または2である。
1が0でないとき、アミノフェニル基上の置換基である置換ベンゾイルオキシ基の置換位置は、アミノ基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。もっとも好ましくはパラ位である。
一般式(III)中、R51はP1、P2またはP3を置換基として有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。
1が0の場合、アミノフェニル基上の置換基であるR51のベンゼン環上の置換位置は、アミノ基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。X1が0でない場合、ベンゾイルオキシ基上の置換基であるR51のベンゼン環上の置換位置は、カルボニル基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。
置換基P1のR511、R512、R513は各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。
その末端置換基P1が置換して成るアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基残基は、アルキレンオキシ基(例えばエチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、ペンチレンオキシ、ヘキシレンオキシ、ヘプチレンオキシなどのアルキレンオキシ基、またエチレンオキシエトキシなどのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシ基)、アルキレンオキシカルボニルオキシ基(例えばエチレンオキシカルボニルオキシ、プロピレンオキシカルボニルオキシ、ブチレンオキシカルボニルオキシ、ペンチレンオキシカルボニルオキシ、ヘキシレンオキシカルボニルオキシ、ヘプチレンオキシカルボニルオキシなどのアルキレンオキシカルボニルオキシ基、またエチレンオキシエトキシカルボニルオキシなどのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシカルボニルオキシ基)、アルキレンオキシカルボニル基(例えばエチレンオキシカルボニル基、プロピレンオキシカルボニル基、ブチレンオキシカルボニル基、ペンチレンオキシカルボニル基、ヘキシレンオキシカルボニル基、ヘプチレンオキシカルボニル基などのアルキレンオキシカルボニル基、またはエチレンオキシエトキシカルボニル基などのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシカルボニル基)を表す。但し、末端置換基P1が直接芳香環に結合してもよい。
nは0〜1の整数を表し、nが1であることが好ましく、nが1の時は、R51の末端置換基P1は置換又は無置換のビニルエーテル基を表す。その置換基P1の置換基R511、R513は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R511がメチル基でR513が水素原子、またはR511、R513が共に水素原子の組み合わせが好ましい。
置換基R512は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子、低級アルキル基が好ましく、さらに水素原子が好ましい。従って、置換基P1としては、一般には重合活性の高い官能基である無置換のビニルオキシ基が好ましく用いられる。
51の末端置換基P2は置換または無置換のオキシラン基を表す。その置換基P2の置換基R521、R522は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R521、R522がともに水素原子が好ましい。
置換基R523は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子またはメチル、エチル、n−プロピルなどの低級アルキル基が好ましい。
51の末端置換基P3は置換または無置換のアクリル基を表す。その置換基P3の置換基R531、R533は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R531がメチルでR533が水素原子、またはR531、R533が共に水素原子の組み合わせが好ましい。
置換基R532は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子が好ましい。従って、置換基P3としては、一般には無置換のアクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、クロトニルオキシなどの重合活性の高い官能基が好ましく用いられる。
一般式(II)で表される化合物は、一般式(IV)で表される重合性化合物であることも好ましい。
Figure 0005027474
(式中、L1は単結合または二価の連結基を表す。R1は水素原子または置換基を表す。R31、R32、R41、およびR42は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1、およびn2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、n1、またはn2が2以上の場合は、複数存在するR31、またはR32はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1、およびm2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、m1、またはm2が2以上の場合は、複数存在するR41、またはR42はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1、およびX2はそれぞれ独立に0から5までの整数を表す。X1、またはX2が2以上の場合は、複数存在する(R41m1、または(R42m2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51、およびR52はそれぞれ独立に上記P1、P2またはP3で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。)
一般式(IV)中、L1、R1、R31、R41、R51、n1、m1、X1、P1、P2およびP3は、一般式(I)におけるそれらとそれぞれ同意であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(IV)中、R32は置換基を表す。R32の例としてはR31で挙げた例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(IV)中、R42は置換基を表す。R42の例としてはR41で挙げた例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(IV)中、n2は0〜4の整数を表し、n2が2以上の場合は、複数存在するR32はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば互いに結合して環を形成してもよい。n2は好ましくは、0〜2の整数である。
一般式(IV)中、m2は0〜4の整数を表す。m2が2以上の場合は、複数存在するR42はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば互いに結合して環を形成してもよい。m2は好ましくは、0〜3の整数である。
一般式(IV)中、X2は0〜5の整数を表す。X2が2以上の場合は、複数存在する(R42m2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。X2は、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0、1または2である。
2が0でないとき、アミノフェニル基上の置換基である置換ベンゾイルオキシ基の置換位置は、アミノ基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。もっとも好ましくはパラ位である。
一般式(IV)中、R52はP1、P2またはP3を置換基として有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基を表す。
2が0の場合、アミノフェニル基上の置換基であるR52のベンゼン環上の置換位置は、アミノ基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。X2が0でない場合、ベンゾイルオキシ基上の置換基であるR52のベンゼン環上の置換位置は、カルボニル基に対してメタ位、またはパラ位が好ましい。
52、R51はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。好ましくは同じである。
一般式(II)で表される化合物は、一般式(V)で表される重合性化合物であることがさらに好ましい。
Figure 0005027474
(式中、R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、連続して複数存在する(R41m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51は上記P1、P2またはP3で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。)
一般式(III)中、R31、R41、R51、n1、m1、X1、X2、P1、P2およびP3は、一般式(I)におけるそれらとそれぞれと同意であり、好ましい範囲も同様である。
以下、本発明に用いられる一般式(II)、(III)、(IV)又は(V)のいずれかで表される重合性化合物の具体例をあげて詳細に説明するが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。下記化合物に関しては、指定のない限り括弧( )内の数字にて例示化合物(x)と示す。
Figure 0005027474
ここで、Ra、RbおよびRcは、それぞれ、下記表1に表される基である。
Figure 0005027474
Figure 0005027474
Figure 0005027474
Figure 0005027474
Figure 0005027474
一般式(II)、(III)、(IV)又は(V)のいずれかで表される重合性化合物の合成は既知の方法を参照して行うことができ、例えば、以下の合成例を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
[合成例:例示化合物(20)の合成]
下記スキームに従い、例示化合物(20)を合成した。
Figure 0005027474
塩化シアヌル36.9g(0.2mol)のメチルエチルケトン200ml溶液に窒素雰囲気下、15℃まで冷却した。パラヒドロキシアニリン76.4g(0.7mol)を30℃以下に保ちつつ分割添加し、添加後、水酸化ナトリウム12g(0.3mol)の水溶液60mlを滴下した。反応系の温度が室温になるまで攪拌した後、系の温度を55℃まで昇温し、2時間攪拌した。その後系の温度を70℃まで昇温し1時間攪拌した。TLCにて反応終了を確認した後、メチルエチルケトンを減圧留去し、水500mlを加えて分散させた。固体をろ取し、水に分散、ろ取を3度繰り返し、乾燥させることで、72.4gの(20−A)を得た(収率90%)。
4−(4−アクリロイルブトキシ)−安息香酸4.8g(18mmol)のテトラヒドロフラン溶液50mlに、氷冷下にてメタンスルホン酸クロライド1.55ml(20mmol)を加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミン3.5ml(20mmol)をゆっくりと滴下した。1時間攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン3.5ml(20mmol)を加え、2gの(20−A)のN−メチルピロリドン15ml溶液を滴下した。その後、N,N−ジメチルアミノピリジンを0.02gのテトラヒドロフラン(THF)5ml溶液を滴下した。氷冷下にて1時間攪拌した後、室温まで昇温し、6時間攪拌した。反応液をメタノール200mlに滴下し、生成した結晶をろ取し、シリカゲルカラムクロマトで精製することで2.7gの例示化合物(20)を得た。このものは融点157℃であり液晶性を示した。157℃でネマチック相を示し、162℃で等方性液体になった(収率47%)。
本発明の好ましい実施態様は、一般式(I)で表わされる化合物と上記の一般式(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物を少なくとも一種含んでなる液晶組成物である。これらの化合物とともに組成物に含まれる物質としては、それに限定されるものではないが、例えば、重合開始剤、重合性または非重合性液晶化合物、非液晶化合物など挙げられる。
また、本発明の組成物は、常法に従い、容易に重合させることができる。
本発明の組成物は、例えば、光学補償シート、偏光板など光学異方性材料に好適に用いることができる。
本発明の光学異方性材料の屈折率異方性(複屈折差、Δn)は0.1以上であることが好ましく、0.1〜0.3であることがさらに好ましい。
本発明の液晶組成物において一般式(I)で表される化合物と一般式(II)(III)、(IV)又は(V)で表される化合物の混合比率としては、一般式(I)で表される化合物を1質量部に対し、一般式(II)で表される化合物を0.04〜20質量部用いるのが好ましい。より好ましくは、一般式(I)で表される化合物を1質量部に対し、一般式(II)で表される化合物を0.09〜9質量部であり、更に好ましくは、一般式(I)で表される化合物を1質量部に対し、一般式(II)で表される化合物を0.09〜4質量部である。なお、本発明において、一般式(I)で表される化合物が2種以上用いられるときは一般式(I)で表される化合物の合計の質量に対する比率をあらわすものとする。同様に一般式(II)で表される化合物が2種以上用いられるときは一般式(II)で表される化合物の合計の質量に対する比率をあらわすものとする。
次に本発明の光学異方性材料の好ましい実施態様を光学異方性膜を例に説明する。
光学異方性膜は、本発明の要件を満たす化合物の少なくとも一種ずつを含有する組成物を、配向膜の表面に適用してある配向状態をとらせた後に固定して形成されたことを特徴とする。本発明の要件を満たす化合物は単独で又は他の添加剤の存在下でネマチック相またはスメクチック相を発現することが好ましい。
本発明の要件を満たす組成物は単独で用いてもよいし、ほかの重合性化合物の複数種を組み合わせて用いてもよい。また、非重合性化合物と組み合わせて用いてもよい。単独または併用で用いる個々の化合物についてはネマチック液晶相、スメクチック液晶相、またはコレステリック液晶相を形成してもよいが、本発明の光学異方性膜を形成する際に用いる添加剤等を含有する液晶組成物として(例えば、溶媒を含む塗布液の形態では加熱乾燥の過程で溶媒が揮散した状態で)、配向固定させる温度範囲で、ネマチック相、スメクチック相、またはコレステリック相を示すことが好ましい。
本発明の要件を満たす化合物といっしょに用いる化合物としては、棒状液晶性化合物であることが好ましく、具体的には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。液晶分子には活性光線や電子線、熱などによって重合や架橋反応を起こしうる部分構造を有するものが好適に用いられる。その部分構造の個数は1〜6個、好ましくは1〜3個である。上記した様に、本発明に用いる棒状液晶性分子は、その配向状態を固定するために、重合性基を2個以上有する。重合性基は、ラジカル重合性不飽和基が好ましく、具体的には、例えば特表2000−514202号公報、または特開2002−62427号公報記載の重合性基、重合性液晶化合物が挙げられる。
《添加剤》
光学異方性膜を形成するのに用いる組成物中には、棒状液晶性化合物の分子の配向を促進する添加剤を添加してもよい。配向を促進する添加剤の組成物中における含有量は、液晶化合物に対し0.01〜10質量%であるのが好ましく、0.05〜5質量%であるのがより好ましく、0.05〜4質量%であるのが更に好ましい。配向を促進する添加剤は、空気界面あるいは配向膜界面においてその排除体積効果や静電気的な効果によって液晶性化合物の分子を配向させるのに寄与する。特開2002−20363号公報、特開2002−129162号公報に記載されている化合物を用いることができる。また、特開2004−53981号公報の段落番号[0072]〜[0075]、特開2004−4688号公報の段落番号[0071]〜[0078]、特開2004−139015号公報の段落番号[0052]〜[0054]、[0065]〜[0066]、[0092]〜[0094]に記載される事項も本発明に適宜適用することができる。
本発明に用いられる棒状液晶性化合物を水平配向させる際に用いられる水平配向を促進する添加剤についてさらに説明する。
《水平配向剤》
本発明に用いられる棒状液晶性化合物を水平配向させて光学異方性膜を形成する際に用いられる添加剤としては、特開2005−99248号公報に記載の水平配向を促進する添加剤が挙げられる。特に、下記一般式(VI)で表される化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。なお、本発明で「水平配向」とは、液晶層の水平面(例えば液晶層が支持体上に形成されている場合は支持体の表面)に対して液晶性化合物の長軸方向が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、液晶性化合物の長軸方向と水平面とのなす傾斜角が15度未満の配向を意味するものとする。傾斜角は10度以下が好ましく、5度以下がより好ましく、2度以下がさらに好ましく、1度以下が最も好ましい。前記傾斜角は0度であってもよい。水平配向を促進する添加剤の組成物中における含有量は、液晶化合物に対し0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.05〜10質量%であるのがより好ましく、0.05〜5質量%であるのが更に好ましい。また、下記一般式(VI)で表される水平配向を促進する添加剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
Figure 0005027474
式中、R101、R102及びR103は各々独立して、水素原子又は置換基を表し、X101、X102及びX103は各々独立して、単結合又は二価の連結基を表す。
前記一般式(VI)中、R101〜R103で各々表される置換基としては、先の一般式(II)における置換基R1及びR2と同義であり、その好ましい範囲も同一である。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
101〜R103で各々表される置換基としては、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基(中でも、無置換のアルキル基またはフッ素置換アルキル基がより好ましい)、アリール基(中でもフッ素置換アルキル基を有するアリール基が好ましい)、置換もしくは無置換のアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子である。
前記一般式(VI)中、X101、X102及びX103で各々表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−及び−SO2−からなる群より選ばれる二価の連結基又は該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。二価の芳香族基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基及び二価の芳香族基は、可能であれば前述のR101、R102及びR103の置換基として例示された基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)によって置換されていてもよい。
前記一般式(VI)で表される化合物の中でも、下記一般式(VIa)又は(VIb)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0005027474
式中、R11、R22及びR33は各々独立に、水素原子又は置換基を表し、X11、X22及びX33は各々独立に、−NH−、−O−又は−S−を表し、m11、m22及びm33は各々独立に、1〜3の整数を表す。
Figure 0005027474
式中、Rf1、Rf2及びRf3は各々独立に、末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基を表し、Y1、Y2及びY3は各々独立に、アルキレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−及び−SO2−からなる群より選ばれる二価の連結基または該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基を表す。
まず、一般式(VIa)にて表される化合物について説明する。R11、R22及びR33で各々表される置換基は、前記一般式(VI)におけるR101、R102及びR103と同義であり、その好ましい範囲も同一である。R11、R22及びR33で各々表される置換基としては、特に好ましくは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルコキシ基であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数4〜20であり、さらに好ましくは炭素数4〜16であり、特に好ましくは6〜16である。前記末端にCF3基又はCF2H基を有するアルコキシ基は、アルコキシ基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルコキシ基である。アルコキシ基中の水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましく、70%以上を置換されているのが特に好ましい。以下に、R11、R22及びR33で表される末端にCF3基又はCF2H基を有するアルコキシ基の例を示す。
R1:n−C817−O−
R2:n−C613−O−
R3:n−C49−O−
R4:n−C817−(CH2)2−O−(CH2)2−O−
R5:n−C613−(CH2)2−O−(CH2)2−O−
R6:n−C49−(CH2)2−O−(CH2)2−O−
R7:n−C817−(CH2)3−O−
R8:n−C613−(CH2)3−O−
R9:n−C49−(CH2)3−O−
R10:H−(CF2)8−O−
R11:H−(CF2)6−O−
R12:H−(CF2)4−O−
R13:H−(CF2)8−(CH2)−O−
R14:H−(CF2)6−(CH2)−O−
R15:H−(CF2)4−(CH2)−O−
R16:H−(CF2)8−(CH2)−O−(CH2)2−O−
R17:H−(CF2)6−(CH2)−O−(CH2)2−O−
R18:H−(CF2)4−(CH2)−O−(CH2)2−O−
式(VIa)中、X11、X22及びX33はそれぞれ、好ましくは−NH−又は−O−を表し、最も好ましくは−NH−を表す。m11、m22及びm33はそれぞれ、好ましくは2である。
次に、一般式(VIb)にて表される化合物について説明する。
Rf1、Rf2及びRf3で表される末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数4〜20であり、さらに好ましくは炭素数4〜16であり、特に好ましくは6〜16である。フッ素原子以外の置換基を有していてもよい。前記末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基は、アルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルキル基である。アルキル基中の水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましく、70%以上を置換されているのが特に好ましい。Rf1、Rf2及びRf3で表される末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基の例を以下に示す。
Rf1:n−C817
Rf2:n−C613
Rf3:n−C49
Rf4:n−C817−(CH2)2
Rf5:n−C613−(CH2)2
Rf6:n−C49−(CH2)2
Rf7:H−(CF2)8
Rf8:H−(CF2)6
Rf9:H−(CF2)4
Rf10:H−(CF2)8−(CH2)−
Rf11:H−(CF2)6−(CH2)−
Rf12:H−(CF2)4−(CH2)−
前記式(VIb)中、Y1、Y2及びY3はそれぞれ、好ましくはアルキレン基、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる二価の連結基又は該群から選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基を表し、特に好ましくはアルキレン基、−NH−及び−O−からなる群より選ばれる二価の連結基または該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基を表し、最も好ましくは−NH−、−O−又は−NH(CH2n1−O−(n1は1〜8の整数を表す。最も好ましくは3である。窒素原子でトリアジン環に結合する。)を表す。
前記一般式(VI)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005027474
Figure 0005027474
これらのうち、一般式(VIa)で表されるものが特に好ましく、したがって化合物(VI−1)〜(VI−27)はいずれも好ましく用いることができ、その中でも(VI−1)〜(VI−17)が特に好ましく用いられる。
なお、本発明に係る前記一般式(VI)で表される1,3,5−トリアジン環を有する化合物の具体的な合成方法については、特開2005−99248号公報の段落番号[0099]〜[0112]に記載されているとおりである。
《連鎖移動剤》
本発明の光学異方性膜を形成するのに用いる組成物中には、連鎖移動剤を用いても良い。組成物中における含有量は、液晶性化合物に対し、0.01〜10質量%であるのが好ましく、0.05〜5質量%であるのがより好ましく、0.05〜4質量%であるのが更に好ましい。具体的な連鎖移動剤としては一般に知られているものが用いることが出来るが、好ましくはメルカプト基を有する化合物(チオール化合物、例えばドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール
テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)など)やジスルフィド化合物(例えばジフェニルジスルフィドなど)である。
液晶性化合物との相溶性も必要であり、相溶性の観点から液晶性を示すチオール化合物がより好ましい。液晶性を示すチオール化合物としては、米国特許第6096241号明細書に記載の化合物などが挙げられる。
《光学異方性膜形成用組成物中の他の成分》
本発明の光学異方性膜を形成する際に用いる塗布液等の組成物中には、本発明の要件を満たす化合物、及び所望により液晶性化合物、及び所望により添加される前記の配向促進剤及び連鎖移動剤の他に、重合開始剤、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を含有していてもよい。これらの材料は、種々の目的、例えば、配向の固定化、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性の向上等を目的として添加される。これらの材料は、併用する液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれを用いてもよい。光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同第2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同第2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)が含まれる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性もしくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。
以下に多官能モノマーの具体的な例をあげるが本発明で用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
二官能(メタ)アクリレートとしては例えばエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられ、市販品としては、例えばアロニックスM−210、同6200(以上、東亜合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX−220(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート260、同335HP(以上、大阪有機化学工業(株)製)、NKエステルA−200、同A−HD−N、同A−DOD、同ABE−300(以上、新中村化学工業(株)製)などが挙げられる(いずれも商品名)。
三官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)ホスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエーテル系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン系ポリオールのポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
市販品としては、例えば、アロニックスM−309、同M−402、同M−7100、同M−8030、同M−8060(以上、東亜合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120、同SR355(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同400(以上、大阪有機化学工業(株)製)、NKエステルA−TMPT、同A−TMPT−3EO、同A−TMM−3、同A−DPH、同A−TMMT(以上、新中村化学工業(株)製)などが挙げられる(いずれも商品名)。
これらの多官能モノマーは単独あるいは組み合わせて用いられる。モノマーの併用は粘度と強度の調整に有効である。上記化合物の添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、1〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物が挙げられる。
液晶性化合物とともに使用しうるポリマーは、塗布液を増粘できることが好ましい。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。
《溶媒》
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド、エステル及びケトンが好ましく、特にエステル及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
液晶性化合物の配向状態を固定化するのは重合性化合物の重合反応により実施することができる。固定化のために実施する重合反応には、光重合開始剤を用いた光重合反応を利用するのが好ましい。液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また酸素濃度を減らして重合しても良い。
前記光学異方性膜の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.2〜5μmであることがさらに好ましく、0.5〜5μmであることが最も好ましい。
重合する前の配向の均一性を詳細に検討したところ、前記組成物を塗布した後、ネマチック相または等方性相に保持したのち、冷却してスメクチック相にすることが好ましい。スメクチック相への転移温度以上の温度として0.1度以上が好ましいが、より好ましくは1度以上であり、さらに好ましくは5度以上20度以下である。ネマチック相または等方性相で熱処理する時間として10秒以上保持することが好ましく、より好ましくは20秒以上で、さらに好ましくは30秒以上3分以内である。
《配向膜》
本発明の光学異方性膜の作製には、配向膜を用いる。配向膜は、液晶性分子の配向方向を規制する機能を有する。さらには、配向膜は、配向の均一性の向上及び支持体として用いられるポリマー基材と光学異方性膜との間の密着性を向上させる目的で用いられる。なお、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、除去することも可能である。即ち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性膜のみを、他の支持体上や、偏光子上に転写してもよい。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
本発明では、液晶性分子を配向させる機能に加えて、架橋性官能基(例、二重結合)を有する側鎖を主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する架橋性官能基を側鎖に導入することが好ましい。
配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができし、これらの組み合わせを複数使用することができる。
ポリマーの例には、例えば特開平8−338913号公報段落番号[0022]記載のメタクリレート系重合体、スチレン系重合体、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリカーボネート等が含まれる。シランカップリング剤をポリマーとして用いることができる。水溶性ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。重合度が異なるポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを2種類併用することが特に好ましい。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜5000であることが好ましい。
液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖は、一般に疎水性基を官能基として有する。具体的な官能基の種類は、液晶性分子の種類及び必要とする配向状態に応じて決定する。例えば、変性ポリビニルアルコールの変性基としては、共重合変性、連鎖移動変性又はブロック重合変性により導入できる。変性基の例には、親水性基(カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、チオール基等)、炭素数10〜100個の炭化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、チオエーテル基、重合性(不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニジル基等)、アルコキシシリル基(トリアルコキシ、ジアルコキシ、モノアルコキシ)等が挙げられる。これらの変性ポリビニルアルコール化合物の具体例として、例えば特開2000−155216号公報の段落番号[0022]〜[0145]、同2002−62426号公報中の段落番号[0018]〜[0022]に記載のもの等が挙げられる。
架橋性官能基を有する側鎖を配向膜ポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を導入すると、配向膜のポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマーと多官能モノマーとの間だけではなく、配向膜ポリマーと配向膜ポリマーとの間、そして多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間も共有結合で強固に結合される。従って、架橋性官能基を配向膜ポリマーに導入することで、光学補償シートの強度を著しく改善することができる。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
配向膜ポリマーは、上記の架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させることもできる。
架橋剤としては、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール及びジアルデヒド澱粉が含まれる。2種類以上の架橋剤を併用してもよい。具体的には、例えば特開2002−62426号公報の段落番号[0023]〜[024]記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
架橋剤の添加量は、ポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このように調節することで、配向膜を液晶表示装置に長期使用、或は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、レチキュレーション発生のない充分な耐久性が得られる。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマー、架橋剤を含む透明支持体上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、必要であればラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、前記のように、透明支持体上に塗布した後、任意の時期に行なって良い。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で、水:メタノールが0より大きく99以下:100未満1以上が好ましく、0より大きく91以下:100未満9以上であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層の層表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜を形成する際の塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコーティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。加熱乾燥は、20度〜110度で行なうことができる。充分な架橋を形成するためには60度〜100度が好ましく、特に80度〜100度が好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行なうことができるが、好ましくは1分〜30分である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH4.5〜5.5で、特に4.8〜5.2が好ましい。
配向膜は、透明支持体上又は上記下塗層上に設けられる。配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、必要であれば表面をラビング処理することにより得ることができる。
前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
[支持体]
本発明の光学異方性膜を、支持体上に形成してもよい。支持体は透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。
支持体となるポリマーフィルムの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート及びポリメタクリレートのフィルムが含まれる。セルロースエステルフィルムが好ましく、アセチルセルロースフィルムがさらに好ましく、トリアセチルセルロースフィルムが最も好ましい。ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理、ケン化処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、透明支持体や長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分質量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
次に本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
例示化合物(I−25)80質量部、例示化合物(20)20質量部、及び重合開始剤として「イルガキュアー819」(商品名、チバスペシャリティーケミカル社)1質量部を混合した1,1,2-トリクロロエタン35%溶液を、ポリイミド配向膜が形成されているガラス板にスピンコートし薄膜を作製した。基板温度135度にて加熱した後、110度まで5℃/minで冷却した後、酸素濃度5%以下で600mJ/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定し異方性材料Aを作製した。形成した光学異方性層の厚さは1.98μmであった。異方性材料を偏光顕微鏡で観察すると全くの暗視野であった。コノスコープ像の観察等から遅相軸が基板に垂直な光学異方性を示すことが判った。
比較例1
例示化合物(I−25)と例示化合物(20)との組合せの代わりに、例示化合物(I−25)だけを100質量部用いた以外は実施例1と同様に塗布液を調製し、実施例1で用いたガラス基板に塗布した。基板の温度を140度に加熱した後115度まで5℃/minで冷却した後、酸素濃度5%以下で600mJ/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定し異方性材料Bを作製した。形成した光学異方性層の厚さは1.98μmであった。異方性材料を偏光顕微鏡で観察するとほとんど暗視野であったが、輝点が数十個観察された。コノスコープ像の観察等から遅相軸が基板に垂直な光学異方性を示すことが判った。
比較例2
例示化合物(I−25)と例示化合物(20)との組合せの代わりに、例示化合物(20)だけを100質量部用いた以外は実施例1と同様に塗布液を調製し、実施例1で用いたガラス基板に塗布した。基板の温度を140度に加熱した後120度まで5℃/minで冷却した後、酸素濃度5%以下で600mJ/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定し異方性材料Cを作製した。形成した光学異方性層の厚さは2.6μmであった。異方性材料を偏光顕微鏡で観察するとシュリーレンが観測され、均一な配向状態は得られなかった。
実施例2
実施例1の例示化合物(20)の代わりに例示化合物(40)、(32)、(34)又は(48)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様に異方性材料D、E、F、Gを作製した。異方性材料を偏光顕微鏡で観察すると全くの暗視野であった。コノスコープ像の観察等から遅相軸が基板に垂直な光学異方性を示すことが判った。
実施例3
例示化合物(I−38)80質量部、例示化合物(20)20質量部、重合開始剤:「イルガキュアー819」(商品名、チバスペシャリティーケミカル社)2質量部、添加剤:例示化合物(VI−6)0.4質量部を混合したクロロホルム15%溶液を、ラビング処理されたポリイミド配向膜が形成されているガラス板にスピンコートし薄膜を作製した。基板温度110℃にて加熱した後、77℃まで5℃/minで冷却した後、酸素濃度5%以下で1000mJ/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定し異方性材料31を作製した。偏光顕微鏡下で観察したところ、ほとんど欠陥がなく均一な配向をしていた。ラビングした方向に遅相軸があり、測定波長587nmにおけるレターデーションは165nmであった。このときの膜厚は0.96μmであった。
比較例3
例示化合物(I−38)と例示化合物(20)との組合せの代わりに、例示化合物(I−38)だけを100質量部用いた以外は実施例3と同様に塗布液を調製し、実施例3で用いたガラス基板に塗布した。基板の温度を130℃に加熱した後100℃まで5℃/minで冷却した後、光学異方性層の配向状態を固定し異方性材料32を作製した。異方性材料を偏光顕微鏡で観察すると均一な配向状態は得られず、暗視野部と水平配向部が混在していた。
実施例4
例示化合物(I−35)50質量部、例示化合物(20)50質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)10質量部、重合開始剤:「イルガキュアー819」(商品名、チバスペシャリティーケミカル社)2質量部、添加剤:例示化合物(VI−6)0.4質量部を混合したクロロホルム15%溶液を、ラビング処理されたポリイミド配向膜が形成されているガラス板にスピンコートし薄膜を作製した。基板温度155℃にて加熱した後127℃まで5℃/minで冷却した後、酸素濃度5%以下で1000mJ/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定し異方性材料41を作製した。偏光顕微鏡下で観察したところ、ほとんど欠陥がなく均一な配向をしていた。ラビングした方向に遅相軸があり、測定波長587nmにおけるレターデーションは157nmであった。このときの膜厚は1.01μmであった。
比較例4
例示化合物(I−35)と例示化合物(20)とDPHAとの組合せの代わりに、例示化合物(I−35)と例示化合物(20)だけを100質量部用いた以外は実施例3と同様に塗布液を調製し、実施例3で用いたガラス基板に塗布した。基板の温度を145℃に加熱した後115℃まで5℃/minで冷却した後、光学異方性層の配向状態を固定し異方性材料42を作製した。偏光顕微鏡下で観察したところ、ドメインが存在しており均一な配向状態は得られなかった。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種と下記一般式(II)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする液晶組成物。
    一般式(I): Q1−SP1−X1−MG−X2−SP2−Q2
    (式中、Q1およびQ2は、それぞれ独立に重合性基を表し、SP1およびSP2は、それぞれ独立にスペーサー基を表し、X1およびX2は、それぞれ独立に連結基を表し、MGはメソゲン基を表す。)
    Figure 0005027474
    (式中、Ra、RbおよびRcはそれぞれ独立に、−L1−R1、−L2−R2または−NHR基であり、少なくとも一つは−NHRである。ここで、L1及びL2は単結合または二価の連結基を表し、R1またはR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ここでRは重合性基を有する基を表す。)
  2. 前記一般式(II)のRa、Rb、Rcのうち2又は3個が−NHR基であることを特徴とする請求項1記載の液晶組成物。
  3. 前記一般式(II)で表わされる化合物が下記一般式(III)で表わされる重合性化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶組成物。
    Figure 0005027474
    (式中、L1、およびL2は単結合または二価の連結基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。R1、およびR2はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、複数存在する(R41m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51はP1、P2またはP3で表される置換基を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表す。)
    Figure 0005027474
    (式中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532およびR533はそれぞれ各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは0または1を表す。)
  4. 前記一般式(II)で表わされる化合物が下記一般式(IV)で表わされる重合性化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 0005027474
    (式中、L1は単結合または二価の連結基を表す。R1は水素原子または置換基を表す。R31、R32、R41、およびR42は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1、およびn2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、n1、またはn2が2以上の場合は、複数存在するR31、またはR32はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1、およびm2はそれぞれ独立に0から4までの整数を表し、m1、またはm2が2以上の場合は、複数存在するR41、またはR42はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1、およびX2はそれぞれ独立に0から5までの整数を表す。X1、またはX2が2以上の場合は、複数存在する(R41m1、または(R42m2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51、およびR52はそれぞれ独立に一般式(III)におけるR51と同義である。)
  5. 前記一般式(II)で表される化合物が、下記一般式(V)で表される重合性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 0005027474
    (式中、R31、およびR41は置換基を表し互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0から4までの整数を表し、n1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR31はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。m1は0から4までの整数を表し、m1が2以上の場合は、同一ベンゼン環上に複数存在するR41はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、可能であれば環を形成してもよい。X1は0から5までの整数を表す。X1が2以上の場合は、連続して複数存在する(R41m1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R51は一般式(III)におけるR51と同義である。)
  6. 前記一般式(II)で表される化合物が単独で液晶性を示すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  7. 下記一般式(VI)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 0005027474
    (式中、R101、R102及びR103は各々独立して、水素原子又は置換基を表し、X101、X102及びX103は各々独立して、単結合又は二価の連結基を表す。)
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶組成物を用いた異方性材料であって、前記液晶組成物の液晶を配向させ、固定化させたことを特徴とする異方性材料。
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