JP2008018741A - タイヤ性能シミュレーション方法、装置、及び記録媒体 - Google Patents

タイヤ性能シミュレーション方法、装置、及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤ性能を車両での使用状態において効率的に解析できるようにする。
【解決手段】ホイールモデルにパターン付きタイヤモデルとパターン無しタイヤモデルとの各々を取り付けた組立体モデルを作成し(ステップ100〜108)、車両モデルにおける各々の位置を設定しその位置に取り付けた解析対象モデルを作成し(ステップ110,112)、解析対象モデルが作成されると解析処理(ステップ114)を実行する。パターン無しタイヤモデルを含むことにより計算負荷を軽減できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、タイヤ性能シミュレーション方法、装置、及び記録媒体に係り、特に、タイヤの性能を使用状態で解析することができるタイヤ性能シミュレーション方法、及び装置、並びにタイヤの性能を使用状態で解析するプログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
従来では、タイヤの操縦安定性、騒音や振動乗り心地性能を予測及び改良しようとするとき、タイヤ単体で試験が行われていた。
しかしながら、通常、タイヤ単体の試験機は、ホイールを取り付ける部位が試験機に固定されており、実際に装着された場合にタイヤ取り付け部位(すなわち、サスペンション)が可動する車両の場合とは本質的に異なっている。このため、タイヤパターン変更時や断面形状変更時のタイヤ性能の小さな相違を正確に測定することは困難であった。すなわち、タイヤ単体試験では、複数の陸部からなるパターン、特に、ラグ溝、サイプ、ハイアングル溝等を備えたパターン付きタイヤにおいて、パターンを変更した場合の効果、クラウン部やサイド部の曲率を小さく変更した場合の効果を正確に測定することは困難であった。
この問題を解決するため、タイヤ単体試験機にサスペンションを取り付けることが行われているが、サスペンションの幾何学的位置を厳密に車両と一致させることが困難であると共に、様々な種類のサスペンションに対応するためには多種類のサスペンションを用意しなければならない、という問題がある。また、実際にタイヤを車両に装着して試験を行う場合には、タイヤ4本と車両とを準備しなければならず、試験時に車両と共にタイヤが運動する(並進運動)ので、測定が非常に難しく、時間と費用がかかる、という問題もある。
これらを解決するため数値解析を行う試みもなされている。例えば、複数の陸部からなるパターン付きタイヤを車両での使用状態でシミュレーションする方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−356080号公報
しかしながら、上記技術では、パターン付きタイヤを車両での使用状態でシミュレーションする場合、車両で使用する全てのタイヤについて詳細なモデル化が要求され、またその詳細なモデルによる計算が要求されるため、計算負荷の増大を招くと共に、膨大な計算時間が必要であった。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、タイヤ性能を車両での使用状態における解析を効率的に実行できるタイヤ性能シミュレーション方法、装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の陸部からなるパターンを備えたパターン付きタイヤを複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせてパターン付きタイヤモデルを作成すると共に、前記パターン付きタイヤについてパターンを除いて複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせてパターン無しタイヤモデルを作成し、車両に装備されたサスペンションを多数要素に分割したサスペンションモデルを作成し、車両に装備された前記パターン付きタイヤについて全数未満の少なくとも1つをパターン付きタイヤモデルに設定し、それ以外をパターン無しタイヤモデルに設定し、前記パターン付きタイヤモデル及びパターン無しタイヤモデルを含む第1の数値計算モデルとサスペンションモデルを含む第2の数値計算モデルとを1つの数値計算モデルとしてタイヤの性能を使用状態で解析するようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のタイヤ性能シミュレーション方法であって、前記パターン付きタイヤモデルは、車両から力が伝達される伝達輪の少なくとも1つに設定することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のタイヤ性能シミュレーション方法であって、前記タイヤに近接する路面を複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成された路面モデルをさらに作成し、前記路面モデルを含む第3の数値計算モデルと、前記第1の数値計算モデル及び前記第2の数値計算モデルと、を1つの数値計算モデルとしてタイヤの性能を使用状態で解析することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載のタイヤ性能シミュレーション方法であって、前記パターン付きタイヤモデルを車両の前側片輪に設定し、設定された前側片輪のパターン付きタイヤモデルに近接する路面に流体を備えるように路面モデルを作成することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3に記載のタイヤ性能シミュレーション方法であって、前記路面モデルを曲線路として作成しかつ該曲線路の少なくとも一部に流体を備えるように路面モデルを作成し、前記パターン付きタイヤモデルを車両の前側輪に設定することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項3に記載のタイヤ性能シミュレーション方法であって、前記路面モデルを非平坦路面として作成し、前記数値計算モデルの振動解析をすることを特徴とする。
請求項7の発明は、複数の陸部からなるパターンを備えたパターン付きタイヤを複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成したパターン付きタイヤモデルと、前記パターン付きタイヤについてパターンを除いて複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成したパターン無しタイヤモデルを含む第1の数値計算モデル、及び車両に装備されたサスペンションを多数要素に分割したサスペンションモデルを含む第2の数値計算モデルを記憶した第1の記憶手段と、タイヤの性能を使用状態で解析するためのプログラムを記憶した第2の記憶手段と、車両に装備された前記パターン付きタイヤについて全数未満の少なくとも1つをパターン付きタイヤモデルに設定し、それ以外をパターン無しタイヤモデルに設定する設定手段と、前記設定手段で設定されたパターン付きタイヤモデル及びパターン無しタイヤモデルに対応して前記記憶手段に記憶された第1の数値計算モデル及び第2の数値モデルを1つの数値計算モデルとして、前記プログラムに応じてタイヤの性能を使用状態で解析する解析手段と、を含んで構成したものである。
請求項8の発明は、複数の陸部からなるパターンを備えたパターン付きタイヤを複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成したパターン付きタイヤモデルと、前記パターン付きタイヤについてパターンを除いて複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成したパターン無しタイヤモデルを含む第1の数値計算モデルと、車両に装備されたサスペンションを多数要素に分割したサスペンションモデルを含む第2の数値計算モデルと、車両に装備された前記パターン付きタイヤについて全数未満の少なくとも1つをパターン付きタイヤモデルに、それ以外をパターン無しタイヤモデルに設定されたパターン付きタイヤモデル及びパターン無しタイヤモデルに対応して第1の数値計算モデル及び第2の数値モデルを1つの数値計算モデルとして、タイヤの性能を使用状態で解析するプログラムと、を記録したものである。
本発明によれば、車両に装備されるべき全数未満の少なくとも1つをパターン付きタイヤモデルに設定し、それ以外をパターン無しタイヤモデルに設定する。そして、本発明は、複数の陸部からなるパターン(特に、ラグ溝、サイプ、ハイアングル溝)を備えたパターン付きタイヤと、そのパターンを除いたパターン無しタイヤとを、例えば、有限要素モデル(FEM)等の数値計算モデルで作成し、またサスペンションを含む車両も数値計算モデル(例えばFEM)で作成し、これらの数値モデルを結合して1つの数値計算モデルとして解析し、タイヤの性能を使用状態でシミュレーションするものである。
本発明では、大規模の数値計算モデル作成時に、個々の部品毎、例えばパターンとケース、タイヤとホイール、サスペンションアームとブッシュ等にモデル化した後組み合わせることで、効率的にモデルを作成し、かつ容易にパターン変更することが可能である。複数の陸部からなるパターン付きタイヤ、特にラグ溝、サイプ、ハイアングル溝等を有するタイヤの場合、タイヤと車両とを合わせた数値解析を行えば、タイヤ取り付け部はサスペンションになるので可動し、車両での装着状態を容易に再現する事ができ、パターン変更時のタイヤ性能の小さな違いを正確に解析することができる。またサスペンションの幾何学的位置を厳密に車両と合わせることも可能で、様々な種類のサスペンションに容易に対応することができる。
また、複数の陸部からなるパターンを有しないパターン無しタイヤのモデルを作成し、数値計算モデルに含ませているので、パターン部分の計算が簡略化でき計算負荷を軽減することができる。
本発明のタイヤモデルは、パターン付きタイヤを複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成されている。このため、解析モデルである数値計算モデルを作成するときに個々の部品毎にモデルを作成して組み合わせることで作成することができるので、大規模モデルでも容易に短い時間で作成することができる。また、タイヤをパターンを除くタイヤ本体とパターンとの2つの部品に分割し、そのタイヤ本体を多数要素に分割して形成した部品モデルをパターン無しタイヤモデルとして作成することで、効率良くパターン無しタイヤモデルを作成できる。
本発明のパターン付きタイヤモデルは、車両から力が伝達される伝達輪に設定することができる。車両から力が伝達される伝達輪には、車両のエンジントルクが伝達される車両の駆動力伝達輪またはステアリング回転による操舵角が伝達される車両の操舵力伝達輪がある。この伝達輪の少なくとも1つにのみ、パターン付きタイヤモデルを設定することで、車両の挙動に対する傾向を解析することができる。この場合、1つの伝達輪のみを設定してもよく、車両進行方向の前側輪または後側輪の全てについて設定してもよい。
また、本発明では、タイヤに近接する路面を複数の部品に分割し各部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて路面モデルをさらに作成することができる。この場合、パターン付きタイヤと、そのパターンを除いたパターン無しタイヤとを、数値計算モデル(例えばFEM)で作成し、またサスペンションを含む車両も数値計算モデルで作成し、さらに、路面も数値計算モデルで作成し、これらの数値モデルを結合して1つの数値計算モデルとして解析する。これにより、路面との関係を含んでタイヤの性能を使用状態でシミュレーションすることができる。
路面モデルには、ハイドロプレーニング現象を解析するために、水等の流体を備えるようにしてもよい。この場合、パターン付きタイヤモデルを車両の前側片輪に設定し、設定された前側片輪のパターン付きタイヤモデルに近接する路面に流体を備えるように路面モデルを作成することが好ましい。ハイドロプレーニング現象は1輪でのみ発生する場合があり、操縦安定性等の操舵に寄与することが高い車両の前側片輪を、パターン付きタイヤモデルに設定することで、短時間でハイドロプレーニング現象を解析することができる。
また、ハイドロプレーニング現象はコーナリングで発生するときに操縦安定性に対する影響は大きい。そこで、路面モデルを曲線路として作成しかつ該曲線路の少なくとも一部に流体を備えるように路面モデルを作成する。そしてパターン付きタイヤモデルを車両の前側輪に設定する。このようにすることで、短時間でコーナリングにおけるハイドロプレーニング現象を解析することができる。
また、使用状態の一例として、悪路等の非平坦路面における解析が要求されるときに振動現象を動的に解析することがある。この場合、路面モデルを非平坦路面として作成し、数値計算モデルの振動解析をすることにより、パターン付きタイヤモデルが設定された位置のタイヤでの振動現象の解析を容易にすることができる。
なお、第1の数値計算モデルには、ホイールを多数要素に分割して形成したホイールモデルを更に含ませることができる。このホイールモデルとタイヤモデルとを組み合わせることによりタイヤホイール組付体のモデルを作成することができる。また、第2の数値計算モデルには、サスペンションモデルの他、車体を多数要素に分割して形成した車体モデルを含ませることができる。
また、タイヤをパターンを除くタイヤ本体とパターンとの2つの部品に分割し、タイヤ本体を多数要素に分割して形成した部品モデルとパターンを多数要素に分割して形成した部品モデルとを作成し、各部品モデルについて各々複数個用意し、選択した1つのタイヤ本体の部品モデルと選択した1つのパターンの部品モデルとを組み合わせてタイヤモデルを作成することで、効率良く異なるタイヤ本体と異なるパターンとを組み合わせたモデル解析をすることができる。また、パターン変更も容易にできる。なお、同じサイズのタイヤを解析する場合には、タイヤ本体の部品モデルについては、標準的なモデルを1つ用意するようにすればよい。
また、タイヤモデルとは別に作成したホイールモデルを複数個作成して選択した1つのホイールモデルと選択した1つのタイヤモデルと組み合わせることによりタイヤホイール組付体モデルを作成し、効率良く異なるタイヤと異なるホイールとを組み合わせた組合体の性能を解析することができる。
さらに、タイヤホイール組付モデルと別に作成したサスペンションモデルを組み合わせたり、さらに車体モデルを組み合わせることにより、効率良く性能予測ができる。
大規模の数値計算モデル作成時に、個々の部品(パーツ)毎、例えばパターンとケース、タイヤとホイール、サスペンションアームとブッシュ等にモデル化した後組み合わせることで、効率的にモデルを作成し、かつ容易にパターン変更が可能である。
以上説明したように本発明によれば、車両に装備されたタイヤについて全数未満の少なくとも1つをパターン付きタイヤモデルに設定し、それ以外をパターン無しタイヤモデルに定め、サスペンションモデルを結合してタイヤの性能を使用状態で解析するので、全体の解析所用時間の短縮化を図ることができ、タイヤの性能を使用状態で効率的にシミュレーションすることができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、本実施の形態のタイヤ性能シミュレーション装置は、コンピュータと、タイヤやサスペンションの数値計算モデル及びタイヤ性能解析プログラムから構成されたタイヤ性能シミュレーションプログラムが記録された記録媒体としてのフレキシブルディスクFDとから構成されている。このコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、内部に設けられた記録媒体に予め記憶されたプログラムに従ってタイヤ性能をシミュレートするコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12のシミュレート結果等を表示するCRT等の表示装置14から構成されている。
コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフレキシブルディスクFDが抜き差し可能なフレキシブルディスクドライブユニット(FDU)を備えている。後述する処理ルーチン等は、FDUを用いてフレキシブルディスクFDから読み込み可能である。従って、後述する処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12にハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、FDに記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、他の大容量磁気ディスクや、CD−ROM等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えてまたはさらに前記大容量磁気ディスク装置や、CD−ROM装置、MD装置、MO装置等を用いればよい。
図2に示すように、本実施の形態の有限要素法で表されたタイヤモデル20は、タイヤ本体モデル22とトレッドパターンモデル24とを結合することにより作成されている。タイヤ本体モデル22及びトレッドパターンモデル24は、複数の陸部からなるパターンを備えたパターン付きタイヤを、タイヤ本体とトレッドパターン部とに分割し、タイヤ本体及びトレッドパターン部各々を多数要素に分割した有限要素で表すことにより作成されている。トレッドパターン部は、ラグ溝、サイプ、ハイアングル溝等の溝が形成されている。図2ではサイプと呼ばれる細い溝はモデル化していないが、これらをモデル化してもよい。
なお、タイヤはベルト、プライ等の補強部材をシェル要素、トレッドやサイド部等のゴム部材、ビードワイヤーをソリッド要素でモデル化することができる。補強部材は膜要素やリバー要素でモデル化してもよい。ビードワイヤは複数本のスチールコード全体を含むソリッド要素でモデル化することが可能であるが、それぞれのスチールコードを個別にソリッド要素、リバー要素、ビーム要素でモデル化することもできる。タイヤを構成する材料をモデル化する場合における材料モデルとしては、ゴム材料にゴム弾性、粘弾性、線形弾性体モデルなどを、補強材に線形弾性、弾塑性、非線形弾性体、粘弾性体モデルなどを利用することができる。
ここで、パターンを有しないタイヤモデルは、トレッドパターンモデル24から、溝を削除することで作成することができる。例えば、トレッド部の一部の溝(ラグ溝、サイプ、ハイアングル溝等の何れかの溝)のみをなくす、または全ての溝をなくす等の処理によりパターンを有しないタイヤモデルを作成するためのモデル化が可能である。つまり、溝の少なくとも一部を削除したトレッドパターンモデル24を作成すればよい。
以下の説明では、便宜上、複数の陸部からなるパターンを備えたパターン付きタイヤをモデル化したものをパターン付きタイヤモデル20とし、溝の少なくとも一部を削除したパターンを有しないタイヤをモデル化したものをパターン無しタイヤモデル21として説明する場合がある。また、パターン無しタイヤモデル21のトレッドパターンモデル24をトレッドパターンモデル25として区別して説明する場合もある。
このタイヤ本体モデル22及びトレッドパターンモデル24は、タイヤの種類に応じて各々複数個作成されて、コンピュータ内部の記録媒体に記録されている。また、この記録媒体には、複数種類のタイヤホイールの各々を多数要素に分割して作成した複数のホイールモデル、複数種類のサスペンションの各々を多数要素に分割して作成した複数のサスペンションモデル、複数種類の車体の各々を多数要素に分割して作成した複数の車体モデル、タイヤが近接する路面を多数要素に分割して作成された複数の路面モデル、複数の車両の機構解析モデル、複数のサスペンションの機構解析モデルも同様に記録されている。
図3に示すように、一例としてのホイールモデル30は、ホイールのディスク部32、リム部24共にソリッド要素でモデル化することができる。なお、リム部34だけ、全体をシェル要素でモデル化する等、ソリッド、シェル要素の組み合わせは適宜変更可能である。ホイールの形状は、CAD図面、金型形状、及び実際のホイール形状などから求めることができる。金型形状から求める場合は、無収縮や残留応力による形状変化を考慮することが望ましい。ホイールの材料物性は、ホイールの原材料の物性、製品ホイールから試験片を切り出して測定した物性、及び製品仕様の物性の何れかを用いることができる。また、ホイールの材料モデルとしては線形弾性体や弾塑性体を用いることができる。
また、サスペンションモデルの一例は、ホイールを取り付けるハブやブレーキを剛体や弾性体のソリッドやシェル要素でモデル化することができる。これらの詳細モデルを省略することができる。ハブ、またはハブモデルを省略した場合はホイールとナックルの間はジョイント要素を用いて接続すればよい。ナックルは剛体や弾性体のソリッドやシェル要素でモデル化する。ナックルは実際のジョイントに相当するジョイント要素やブッシュに相当する弾性体を用いて、サスペンションアームと接続する。ジョイント要素と並列に弾性体要素を用いて接続することもできる。さらに弾性体と並列に粘性体(ダンパー)を用いて接続することもできる。これらの弾性、粘性は線形はもちろん非線形な特性を考慮することができる。サスペンションアームは剛体や弾性体のソリッドやシェル要素でモデル化する。サスペンションアームは実際のジョイントに相当するジョイント要素やプッシュに相当する弾性体を用いて、車両ボディと接続する。ジョイント要素と並列に弾性体要素を用いて接続することもできる。さらに弾性体と並列に粘性体(ダンパー)を用いて接続することもできる。これらの弾性、粘性は線形はもちろん非線形な特性を考慮することができる。
車体は剛体や弾性体のソリッドやシェル要素でモデル化する。車体にエンジンやミッションなどを剛体や弾性体のソリッドやシェル要素でモデル化することができる。車体をモデル化せず、等価な質量と慣性モーメントを持つ質点としてモデルを作成するようにしてもよい。
次に、本実施形態にかかるタイヤ性能シミュレーションプログラムの処理のルーチンを説明する。
図4に示すように、ステップ100では、オペレータから入力されたデータに基づいて、性能を解析する1つのタイヤ本体モデルを記録媒体に記録された複数のモデルから選択し、ステップ102においてこのタイヤ本体モデルに対するトレッドパターンモデルを1つ同様に選択する。ここで選択したトレッドパターンモデルは、パターン付きタイヤモデル20を作成するためのものである。本実施形態では、計算負荷軽減のために、パターン無しタイヤモデル21を利用する。このため、ステップ102では、先に選択したトレッドパターンモデル24から少なくとも一部の溝を削除したトレッドパターンモデル25を1つ同様にさらに選択する。
ステップ104では、オペレータから入力されたデータに基づいて、タイヤを組付けるホイールモデルを1つ同様に選択し、ステップ106でタイヤホイール組付体を取り付けるための取付対象モデルを1つ同様に選択する。取付対象モデルとしては、サスペンションモデル、サスペンションモデル及び車体モデルの2モデル、車両の機構解析モデル、及びサスペンションの機構解析モデルのいずれか1つ等とすることができる。なお、取付対象モデルの各々には、装着するタイヤモデルの数量及び位置が予め定められている。
通常の使用状態でのタイヤ性能を解析する場合には、サスペンションモデル及び車体モデルが選択される。また、タイヤ性能解析の場合、タイヤ自身やサスペンションのバネ定数が、車体(ボディ)の弾性に比べ低いのでボディを剛体として近似することが可能である。車体の弾性変形を無視し剛体とし取り扱うことで、より効率良く(早く)性能予測が可能になる。この場合には、タイヤホイール組付体モデルを取り付ける対象モデルとしてサスペンションモデルが選択される。
また、車体及びサスペンション構成部品自身のバネ定数よりもタイヤ自身やサスペンションバネのバネ定数の方が低い。従って、構成部品自身の弾性変形を無視し剛体として近似し、この幾何学的動きのみを考慮することで、より効率良く性能予測が可能になる。この場合ダンパーやブッシュなどの減衰に寄与する部品を解析モデルに含めることが望ましい。この理由は、減衰の大きさは、タイヤ自身だけでなくダンパーやブッシュ等の寄与も大きいからである。この場合には、車両の機構解析モデル、またはサスペンションの機構解析モデルが選択される。
次のステップ108では、選択されたタイヤ本体モデル22とトレッドパターンモデル24とを結合してパターン付きタイヤモデル20を作成し、かつタイヤ本体モデル22とトレッドパターンモデル25とを結合してパターン無しタイヤモデル21を作成する。これと共に、作成した各タイヤモデルにホイールモデルを結合してタイヤホイール組付モデルを作成する。
ここで、上記ステップ106において取付対象モデルが選択されると、解析対象のタイヤを装着する車両についてタイヤに関係する構造を把握することができる。これによって、タイヤモデルを取り付ける位置及び数量を決定することができる。そこで、ステップ110では、オペレータから入力されたデータに基づいて、性能を解析するパターン付きタイヤモデル20の位置及びパターン無しタイヤモデル21の位置を、取付対象モデルに予め定められているタイヤ装着位置から選択する。
これらのタイヤモデルの位置は、オペレータが所望の計算負荷と、走行条件と、解析するタイヤ性能とに基づいて、取付対象モデルに予め定められているタイヤ装着位置から選択することができる。オペレータが所望の計算負荷とは解析に要する演算時間や計算機負荷であり、モデルが複雑な程、計算負荷が増大する。従って、例えば車両がタイヤを4輪装着の場合、1輪から4輪まで、タイヤ数が増加するに従って計算負荷が増大する。計算負荷を表すものとしてオペレータから入力されたデータに応じて1輪から3輪まで、パターン付きタイヤモデル20の利用数量を選択できる。
また、走行条件とは、使用状態として車両が走行する状態を表す条件であり、直進や旋回(コーナリング)、車両の速度や加速度、等の車両の進行条件がある。また、他例としては、車両に搭載したエンジンからの駆動力すなわちエンジントルクが伝達される伝達輪やステアリングの操舵角が伝達される伝達輪等の構造条件がある。解析するタイヤ性能とは、ハイドロプレーニング現象、振動現象等の解析対象によるタイヤ性能である。
次のステップ112では、パターン付きタイヤモデル20を含んで作成されたタイヤホイール組付モデル及びパターン無しタイヤモデル21を含んで作成されたタイヤホイール組付モデルと、取付対象モデルとを結合して解析対象モデルを作成する。
なお、このステップ112では、タイヤが接触する部位のモデルを設置するため、路面モデルも作成することができる。この作成した路面モデルを含めて解析対象モデルとしてもよい。また、路面モデルとタイヤモデルとの関係を詳細に検討する場合等の場合には、解析対象モデルとしてタイヤモデルから連結されるアスペンションモデル等までを第1解析対象モデル、タイヤモデルが接触する路面モデルを第2解析対象モデルとして、解析時に走行条件に応じて第1解析対象モデル及び第2解析対象モデルを連成しつつ解析を行ってもよい。また、路面モデルには、水等の流体を備えてモデル化してもよく、雪等の塑性変形するものを流体としてその流体を備えてモデル化してもよい。
図5に示すように、解析対象モデルはパターン付きタイヤモデル20とパターン無しタイヤモデル21とを含んでいる。図5では車両前方を矢印FRで示し、車両後方を矢印BKで示している。図5(A)はパターン付きタイヤモデル20を3輪、つまり1輪(図では左後輪)のみパターン無しタイヤモデル21を取り付けた例を示すものである。図5(B)はパターン付きタイヤモデル20を2輪として前輪、図5(C)は後輪に取り付けた例を示すものである。図5(D)は2輪として右側輪にパターン付きタイヤモデル20を取り付けた例を示すものであり、図5(E)は対角輪にパターン付きタイヤモデル20を取り付けた例を示すものである。図5(F)は、1輪のみパターン付きタイヤモデル20を取付、つまり3輪にパターン無しタイヤモデル21を取り付けた例を示すものである。
図6〜図12に解析対象モデルの例を示す。図6は、車体モデル、サスペンションモデル、及びタイヤホイール組付体モデルの3つのモデルを結合した解析対象モデルを示すものであり、図7は、車体モデル無し(ボディー無し)で、サスペンションモデルとタイヤホイール組付体モデルとを結合した解析対象モデルを示すものであり、図8は、車両を表す機構解析モデルとタイヤホイール組付体モデルとを結合した解析対象モデルを示すものであり、図9は、車体モデル無しで、サスペンションを表す機構解析モデルとタイヤホイール組付体モデルとを結合した解析対象モデルを示すものである。
また、剛体ホイールモデルを組付けたタイヤホイールモデルとサスペンションモデルとを結合したモデル、車両を表す機構解析モデルとタイヤホイール組付体モデルとを結合したモデル、サスペンションを表す機構解析モデル、車体モデル、及びタイヤホイール組付体モデルの3つのモデルを結合したモデル、車両を表す機構解析モデルとタイヤホイール組付体モデルとを結合したモデルを解析対象モデルとして使用することもできる。
図11は、解析対象モデルの例として、車体モデル、サスペンションモデル、及びタイヤホイール組付体モデルの3つのモデルを結合した解析対象モデルを、路面モデルに設置した状態を示すものである。図12は、車体モデル、サスペンションモデル、及びタイヤホイール組付体モデルの3つのモデルを結合した解析対象モデルを、路面モデルに設置した状態について、タイヤモデル周辺の一部詳細を示している。
そして、図4のステップ114では、予め定められた解析プログラムに従って例えば4輪のタイヤ性能のシミュレーション(解析)を行い、必要なデータを取得した後に、次のステップ116において上記ステップ114による解析結果の評価を実行する。この解析結果の評価は、解析結果のデータを表示したり出力したりする処理である。
なお、上記実施形態において、使用状態として車両走行状態の解析は、車両モデルに簡易タイヤモデルを結合した機構解析等で行うかもしくは実験で行い、その結果からサスペンション取り付け点の軌跡を取り出し、この軌跡を用いて、1輪もしくは1軸のサスペンションとタイヤを取り出して詳細に解析を行えば、効率良く精度の高い性能予測が可能である。この場合には、例えば、図10に示すように、車体モデル無しで、サスペンションモデルとタイヤホイール組付体モデルと結合したモデルを用い、サスペンション取り付け点の軌跡データは車両モデルと簡易タイヤモデルとの機構解析結果、別の車両の解析結果、または実験結果を利用するこことができる。なお、図10において、○は、サスペンション取付点、すなわち軌跡データを与える点を示す。
また、ステップ114のシミュレーション(解析)は、解析対象モデルを陽解法の有限要素法を用いて行いことが好ましい。この場合、計算を安定化するためのクーラン条件を満たす時間刻みを設定することが必要である。このため、解析時間を短くするためには、時間刻みを大きく設定すると共に、要素数を少なくしなければならない。従って、解析対象モデルに、パターン付きタイヤモデル20より要素数が少ないパターン無しタイヤモデル21を含むことは、計算負荷を軽減することに積極的に作用することになる。
ところで、パターン無しタイヤモデル21を含む解析対象モデルをシミュレーションすることは、全輪がパターン付きタイヤモデル20である解析対象モデルをシミュレーションすることに比べてタイヤ性能の精度が低いことが考えられる。しかし、車両全体の挙動を見る場合、パターン無しタイヤモデル21を含む解析対象モデルであっても、定性的な性能評価として用いることは可能である。そこで、開発初期には1から3輪のパターン付きモデルで短い計算時間で定性的な評価を行い開発の方向性を決め、最終的には4輪パターン付きモデルにて定量的な性能評価を行うという利用が可能である。この場合、開発初期に多数のパターンを検討する上で計算時間が短い点は大きなメリットになる。
このような開発工数を削減できる処理の詳細を説明する。図13に示すように、開発工数を削減できる処理ルーチンが実行されると、ステップ130へ進み、オペレータが入力したデータを読み取ることによって、解析対象モデルとして採用するパターン付きタイヤモデル20の本数を設定する。次のステップ122では、評価対象のトレッドパターンモデル24を選択する。次のステップ124では、設定された本数のパターン付きタイヤモデル20とトレッドパターンモデル24とを用いて図4の処理ルーチンを実行することによって、初期シミュレーションを実行する。この初期シミュレーションによって、計算時間で定性的な評価を行うことができる。
次に、ステップ128においてステップ124の評価結果に基づくオペレータの入力したデータを読み取ることによって、良好なタイヤ性能が得られることが予測できるか否かを判断し、否定されると、ステップ130においてトレッドパターンモデル24の検討が実行された結果のトレッドパターンモデル24の修正値を読み取り、次のステップ132においてトレッドパターンモデル24が修正されてステップ124へ戻る。
一方、ステップ128で肯定されると、ステップ134へ進み、解析対象モデルとして車両の全輪についてパターン付きタイヤモデル20を採用するための設定がなされ、設定された全輪のパターン付きタイヤモデル20とトレッドパターンモデル24とを用いて図4の処理ルーチンを実行することによって、詳細シミュレーションを実行する。この詳細シミュレーションによって、精度よくタイヤ性能を評価することができる。
〔第2実施形態〕
本実施形態は、ハイドロプレーニング現象をシミュレーションするときに本発明が有効に機能することを説明するものである。本実施形態では、ハイドロプレーニング現象をシミュレーションするために、路面モデルを解析対象モデルに含めている。なお、本実施形態は、上記実施形態と略同様の構成のため、同一部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態にかかるタイヤ性能シミュレーションプログラムの処理のルーチンを説明する。
図14に示すように、本実施形態にかかるタイヤ性能シミュレーションプログラムの処理が実行されると、ステップ140へ進む。このステップ140の処理は、図4のステップ100乃至ステップ112の解析対象モデル作成の処理を実行する。図4の処理に加え、本実施形態では、ステップ142において、流体を備えた路面モデルを作成する。すなわち、ステップ142は、図4のステップ122に対応し、タイヤモデルを含んで作成されたタイヤホイール組付モデルと、取付対象モデルとを結合して解析対象モデルを作成すると共に、タイヤが接触する部位のモデルを設置するため、路面モデルも作成する。また、路面モデルには、ハイドロプレーニング現象をシミュレーションするために、水等の流体を含む流体モデルが備えられる。
ここで、本実施形態では、直進状態でのハイドロプレーニング性能を評価することをハイドロプレーニング現象をシミュレーションするための一例としている。このハイドロプレーニング現象のシミュレーションは、FF車両を用いて左右どちらかのタイヤモデルのみ指定された深さの流体(例えば所定水深のプール)に進入させ、ハイドロプレーニング現象が発生していない速度から加速して、ハイドロプレーニング現象が発生する速度(タイヤの回転速度や車両の移動速度)を求めるというものである。そこで、ステップ140では、車両モデルまたはサスペンションモデルに左右前輪のどちらかのみにパターン付きタイヤモデル20を、残り3輪に、周方向溝だけ有するタイヤやスムースタイヤなどをモデル化したパターン無しタイヤモデル21を装着した解析対象モデルを作成する。また、路面モデルは、指定された深さの水等の流体を備えた路面をパターン付きモデル輪だけモデル化(流体モデルを備えた路面モデルを作成)する。
本実施形態では、路面モデルとタイヤモデルとの関係を詳細に検討するため、解析対象モデルとしてタイヤモデルから連結されるアスペンションモデル等までを第1解析対象モデル、タイヤモデルが接触する路面モデルを第2解析対象モデルとして、以下に説明する解析時の走行条件に応じて第1解析対象モデル及び第2解析対象モデルを連成しつつ解析する。
そこで、図4のステップ114と同様に、予め定められた解析プログラムに従って例えば4輪のタイヤ性能のシミュレーション(解析)を行い、必要なデータを取得した後に、次のステップ116において解析結果の評価を実行する。具体的には、解析プログラムとしてハイドロプレーニング性能評価用のための解析プログラムを用いる。
図14のステップ114では、まずステップ144においてタイヤモデルを含む第1解析対象モデルと路面モデルを含む第2解析対象モデルを連成する。この連成処理は、タイヤモデルを路面モデルの流体モデルに進入させたときの、タイヤモデルの溝等への流体の流入や流出について定常状態を得るための処理である。次のステップ146では、走行条件を設定する。ここでは、ハイドロプレーニング現象が発生する速度を求めるためのものであるので、車両モデルの前輪に回転速度やトルクを与え、これを徐々に大きくすることで加速させる状態を設定する。すなわち、走行条件は、解析対象モデルへ付与する負荷条件を表すものであり、例えば、タイヤモデルの回転速度や車両モデルの移動速度(車速)、それらの加速度、流体の大きさや面積(走行範囲)、等がある。
次のステップ148では、解析対象モデルの挙動を検出する。ここでは、ハイドロプレーニング現象が発生する速度(タイヤの回転速度や車両の移動速度)の判断基準となる車両モデルの重心の加速度、与えた車両速度(前輪の回転速度)、それらの変化率(速度上昇率)、そして駆動力(トルク)を与える場合はそのトルク、トルクの変化率(トルク上昇率)を予め定めた演算により求めることで挙動を検出する。次のステップ150では、ステップ148で検出した挙動が良好なものであるか否かを判断し、肯定されると、ステップ146に戻り走行条件を再設定すなわち速度増加等を実行し上記処理を繰り返す。一方、ステップ150で否定されると、ステップ148で検出した挙動値をハイドロプレーニング現象発生速度関連データとして記憶すると共に、タイヤの回転速度や車両の移動速度をハイプレ発生速度と認定する。
ステップ150は、次のようにして判断することができる。車両モデルの重心の加速度と与えた車両速度(前輪の回転速度)を比較し、車両モデルの重心の速度上昇率と与えた速度上昇率を比較して、両者の比や差が急激に変化した場合、両者の差や比が実験的に求めた閾値より小さくなった場合、良好ではないとして否定判断とし、該当しない場合に肯定判断とする。また、トルクを与えた場合はそのタイヤモデルの回転速度と比較し、トルク上昇率と回転速度上昇率を比較し、両者の比や差が急激に変化した場合、差や比が実験的に求めた閾値より小さくなった場合、良好ではないとして否定判断とし、該当しない場合に肯定判断とする。
このように、本実施形態では、ハイドロプレーニング現象を評価する対象とおなるタイヤのみについて、パターン付きタイヤモデル20を採用することで、より短い計算速度で精度良く解析をすることができる。
〔第3実施形態〕
本実施形態は、ハイドロプレーニング現象をシミュレーションする他の例としてコーナリング性能を評価する場合に本発明を適用したものである。なお、本実施形態は、上記実施形態と略同様の構成のため、同一部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態にかかるタイヤ性能シミュレーションプログラムの処理のルーチンを説明する。
図15に示すように、本実施形態にかかるタイヤ性能シミュレーションプログラムの処理が実行されると、ステップ160へ進む。このステップ160の処理は、図14のステップ140と同様であり、異なる点は、ステップ162において、路面モデルとして曲線路を設定することと、その一部に流体を備えた路面モデルを作成することである。
本実施形態では、コーナリング状態でのハイドロプレーニング性能を評価することをハイドロプレーニング現象をシミュレーションするための一例としている。このシミュレーションは、FF車両及びFR車両を問わずに曲線路で操舵角が与えられた状態で車両の挙動を検出すなわち、一定曲率の曲線路を所定速度(数水準)で走行し、曲線路の途中部分から前輪の少なくとも一方(両方が好ましい)の車輪を指定された深さの流体(例えば所定水深のプール)に進入させ、その進入時に発生する横G等の車両の挙動または流体に滞在している間における車両の挙動変化を求めるというものである。なお、本実施形態では、曲線路の途中部分から前輪の少なくとも一方の車輪を指定された深さの流体に進入させる場合を説明するが、他輪、例えば後輪の少なくとも一方の車輪をさらに流体に進入させてもよい。
そこで、ステップ160では、車両モデルまたはサスペンションモデルに左右前輪にパターン付きタイヤモデル20を、残り2輪に、周方向溝だけ有するタイヤやスムースタイヤなどをモデル化したパターン無しタイヤモデル21を装着した解析対象モデルを作成する。また、路面モデルは、一定曲率の曲線路でかつ指定された深さの水等の流体を、曲線路の少なくとも一部に備えた路面をモデル化(流体モデルを備えた路面モデルを作成)する。なお、この場合、前輪の何れか一方にパターン付きモデル輪を装着した場合には、それに対応するだけモデル化(流体モデルを備えた路面モデルを作成)してもよい。また、前輪の全てにパターン付きタイヤモデル20を用いた場合、曲線路の幅方向の全てに流体を備えることに限らず、所謂みずたまりのように、少なくとも一部に流体を備えるようにしてもよい。
次に、ステップ114では、上述のように予め定められた解析プログラムに従って例えば4輪のタイヤ性能のシミュレーション(解析)を行い、必要なデータを取得した後に、次のステップ116において解析結果の評価を実行する。
図15のステップ114では、まずステップ164において図14のステップ144と同様にタイヤモデルを含む第1解析対象モデルと路面モデルを含む第2解析対象モデルを連成する。次のステップ166では、走行条件を設定する。ここでは、コーナリング状態でのハイドロプレーニング現象をシミュレーションするためのものであるので、車両モデルの前輪に操舵角、回転速度やトルク等の負荷条件を与える。なお、これらの値を徐々に大きくするようにしてもよい。
次のステップ168では、解析対象モデルの挙動を検出する。ここでは、コーナリング性能の判断基準の一例である車両モデルの横Gを予め定めた演算により求めることで挙動を検出する。次のステップ170では、検出した挙動値を記憶する。すなわち、現在の走行状態の各値(曲率、速度、流体モデルの進入・脱出タイミング等)をコーナリング・ハイドロプレーニング観察関連データとして記憶すると共に、ステップ168で検出した挙動値である横Gをタイヤ性能評価のためのデータとして記憶する。次のステップ172では、路面モデルに備えられた流体モデル上を通過完了したか否かを判断し、肯定されると、ステップ166に戻り必要に応じて走行条件を再設定(例えば速度増加等)を実行し上記処理を繰り返す。一方、ステップ172で否定されると、ステップ116において上記記憶した横Gを元にして予め定めた評価基準に従って、コーナリング性能を評価する。
例えば、車両モデルに前輪舵角を与え、一定の曲率上を一定速度で走行させる。車両重心の横向き加速度(横G)が一定値になった後に水等の流体モデルに進入させ、その流体モデルに進入させた後、このときの横Gを記録する。次に、走行速度を変化(増加が減少)させ、同じ曲率上を走行させ、各々について流体モデルに進入したの時の横Gを記録し、それらを評価する。
このように、本実施形態では、コーナリング状態においてハイドロプレーニング現象が影響することを評価するために、操舵角が寄与する前輪のみパターン付きタイヤモデル20を採用することで、より短い計算速度で精度良く解析をすることができる。
〔第4実施形態〕
本実施形態は、所謂悪路の非平坦路面における振動現象をシミュレーションするときに本発明が有効に機能することを説明するものである。本実施形態では、振動現象をシミュレーションするために、路面モデルを解析対象モデルに含めている。なお、本実施形態は、上記実施形態と略同様の構成のため、同一部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態にかかるタイヤ性能シミュレーションプログラムの処理のルーチンを説明する。
図16に示すように、本実施形態にかかるタイヤ性能シミュレーションプログラムの処理が実行されると、ステップ180へ進む。このステップ180の処理は、図4のステップ100乃至ステップ112の解析対象モデル作成の処理を実行する。図4の処理に加え、本実施形態では、ステップ182において、高低差を有したり障害物を有したりする路面モデルを作成する。すなわち、ステップ182は、図4のステップ122に対応し、タイヤモデルを含む解析対象モデルを作成すると共に、路面モデルも作成する。なお、路面モデルには、悪路の一例として泥や土、水等の流体を含む流体モデルを備えるようにしてもよい。
ここで、本実施形態は、非平坦路面におけるタイヤ性能を評価するために振動現象をシミュレーションするものである。車両によって、非平坦路面からのタイヤ入力が車両内において振動として伝達される度合いが異なることが知られている。例えば、ストラットサスペンションでは160Hzが大きくなる等のサスペンション形式によるもの、ミニバンでは後輪からの振動伝達が3列目シートヘの寄与が大きい等の車体形式によるものがある。この場合、車両の前後輪のどちらかの寄与が大きいという傾向で表現できる。そこで、本実施形態では、予め予測される寄与が大きい車両の前後輪の何れかを評価するため、輪にパターン付きタイヤモデルを用いるのではなく、評価対象のタイヤモデルを、前後輪の何れか一方に用いる。
そこで、ステップ140では、車両モデルまたはサスペンションモデルに、そのモデルについて振動現象の寄与が大きい前輪または後輪のどちらかのみにパターン付きタイヤモデル20を、残り2輪に、周方向溝だけ有するタイヤやスムースタイヤなどをモデル化したパターン無しタイヤモデル21を装着した解析対象モデルを作成する。また、路面モデルは、非平坦路面をモデル化する。次のステップ114では、図4のステップ114と同様に、予め定められた解析プログラムに従って解析を行い、次のステップ116において解析結果の評価を実行する。
具体的には、まずステップ184においてタイヤモデルを含む第1解析対象モデルと路面モデルを含む第2解析対象モデルを連成する。この連成処理は、タイヤモデルと路面モデルとの関係について定常状態を得るための処理である。次のステップ186では、走行条件を設定する。ここでは、例えば、車両モデルの駆動輪に回転速度やトルクを与える一定速度走行や、これを徐々に大きくすることで加速させる加速走行の状態を設定する。
次のステップ188では、解析対象モデルの挙動を検出する。ここでは、非平坦路面における振動現象の判断基準となるタイヤモデルの軸振動と、車両モデルの重心の振動、それらの伝達率(位相や伝達遅延時間)等を予め定めた演算により求めることで挙動を検出する。次のステップ190では、ステップ188で検出した挙動が良好なものであるか否かを判断し、肯定されると、ステップ186に戻り走行条件を再設定すなわち速度増加等を実行し上記処理を繰り返す。一方、予め定めた所定値を超えてステップ190で否定されると、ステップ188で検出した挙動値を振動現象関連データとして記憶する。
このように、本実施形態では、振動現象を評価する対象となるタイヤのみについて、パターン付きタイヤモデル20を採用することで、より短い計算速度で精度良く解析をすることができる。
なお、非平坦路面上での振動現象など動的挙動を解析するときには陽解法を用いて解析することが好ましい。陽解法は、周知のように運動方程式の複雑な連立方程式の解を求めるものであり、収束計算するものではなく、任意の時刻から時間増分Δt毎に平衡を取らずに状態を求めるものである。一般的には、計算負荷を減少させるため、連立方程式の解を求めることに代えて、時刻tにおける運動方程式を基にして時間増分Δt後(時刻t+Δt)の解を近似的に求める。例えば、外挿により時間増分Δt後の解を求める。しかし、陽解法では、時間増分Δtは安定条件を満たすように設定しなければならないので、大きくすることはできない。従って、陽解法は、解析時間刻みを大きくすることはできないが、1刻み毎の解析所用時間を短くできるので、高い周波数の動的現象の解析すなわち非平坦路面上での振動現象など動的挙動を解析するときに用いることが好ましいものである。
以下、上記で説明した本実施の形態のタイヤ性能シミュレーション装置を利用して、タイヤ性能をシミュレーションした実施例を説明する。
〔第1実施例〕
本実施例は、上記実施形態のシミュレーションが有効に機能することを説明することを実証するものである。上述のように、解析対象モデルを陽解法の有限要素法を用いて解析することが好ましいが、この場合、クーラン条件を満たす時間刻み(△t)は下記になる。
△t<要素サイズ/要素内音速
但し、要素内音速と、(E/ρ)の平方根が比例関係にある。また、解析対象モデル全体でこの条件を満たす必要があるので、解析モデル全要素中最小の△tが問題になる。また解析時間は要素総数が多くなると長くなる。従って解析時間を短くするためには、△tを大きく、要素総数を少なくすることが必要である。標準的な4輪の車両と、タイヤをもとにして、パターン付きタイヤモデル20に加えて、パターン無しタイヤモデル21としてパターンを周方向の溝だけにしたタイヤモデルにて上記△tと要素数とを求めた結果の一例を表1に示す。
Figure 2008018741
車体の△tは弾性体、この場合はスタビライザーのビーム要素により決定されている。タイヤの△tは剛性の大きなベルトの端部で小さな要素が有る部分で決定されている。また、タイヤの△tはベルト部分で決まっているため、パターンの有無に依存性がないと考えられる。このため、4輪にパターン付きタイヤモデルを用いた場合を基準として、3,2,1輪にパターン付きタイヤモデルを用い、残りには周方向溝だけを有し、ラグ溝やサイプを省略したタイヤモデルを用いた場合の計算時間を求めた結果を次の表2に示す。
Figure 2008018741
ところで、通常のタイヤ開発において、新規パターンの検討を車両モデルで行う場合、注目する点はパターンが異なる場合にどのような性能変化があるか、である。この場合、パターンの違いを比較しないのであれば、パターンモデルは必須ではない。従って、1輪のみをパターン付きタイヤモデルとして、そのタイヤモデルだけを観察することを考えれば、パターンの違いによる性能差を見ることができる。
次の表3には、例として、図17のパターンでピッチ個数が60個、70個の場合で高さ5mm、長さ20mmのクリートを時速60km/hで乗り越えた場合に発生する車軸(右前輪)での上下力時刻歴の最大と最小値の差を実測と解析、4輪パターン、3〜1輪パターン(右前輪)ので比較実験した結果を、実測の70個を100として、60個の場合を示した。またこの時の車両重心で発生する上下加速度の時刻歴の最大と最小値の差を実測の70個を100として、60個の場合の結果も示した。
Figure 2008018741
この表3から、車軸力は1輪のみパターン付きタイヤモデルであっても、4輪パターンの場合と同様の精度で短時間に解析できることが理解できる。一方、車両の重心における加速度はパターン付きタイヤモデルの本数が少なくなるほど精度が悪化している。
以上のことから、タイヤ車軸に発生する力等について、パターン付きでモデル化されたタイヤのみに注目して結果を用いるのであれば、4輪をモデル化する必要なく精度良く短い時間で解析、性能評価がであることが理解できる。
また、車両全体挙動を見る場合、4輪をパターン付きでモデル化した場合と比較すると、それ以外の場合では精度が悪くなるが、定性的な性能評価としては用いることができる。つまり、開発初期には1から3輪のパターン付きモデルで短い計算時間で定性的な評価を行い開発の方向性を決め、最終的には4輪パターン付きモデルにて定量的な性能評価を行う、利用が可能。この場合、開発初期に多数のパターンを検討する上で計算時間が短い点は大きなメリットになる。
〔第2実施例〕
本実施例は、コーナーリング状態でのハイドロプレーニング性能評価をしたものである。
本実施例では、コーナーリング状態でのハイドロプレーニング性能評価として、一定曲率のカーブに有る速度(数水準)で走行し、ある部分から指定された水深のプールに入り、この時発生する横Gを観察する。これと同じ状況を解析モデルで作成する。先の車両・サスペンションモデルに左右前輪にパターン付きタイヤモデルを、後ろ2輪にパターン無し、周方向溝だけ、スムースなど、を装着したモデルを作成する。指定された水深の水モデルを走行曲線前方に用意する。車両モデルの前輪舵角を与え一定の曲率上を一定速度で走行させる。車両重心の横向き加速度が一定値になった後に前記水モデルに入るようにする。水モデルに入った後、横向き加速度が低下した値を記録する。走行速度を変化させ、同じ曲率上を走行させ、それぞれでの水モデルに入ったの時の横向き加速度を評価する。実車での時速80Km/hで発生する横Gを100として、4輪、前2輪、後ろ2輪パターン付きタイヤモデルにてよこGを比較した結果を表4に示す。
Figure 2008018741
この表4から理解されるように、前2輪ならば精度良く、短い計算時間で性能評価できるという知見を得た。
〔第3実施例〕
本実施例は、具体的に、6.5JJx15のホイールモデルに、タイヤモデルPSR205/55R16を作成し組み合わせた組立体を、前ストラットで後ろトーションビームFFセダンの車両に取り付けた場合を想定し、実測値とシミュレーション結果について比較したものである。
本実施例では、上記タイヤを車両に装着して計測した実測値と、パターン付きタイヤモデル20の設定を、4輪全て、3輪のみ、前2輪のみ、後2輪のみ、右前1輪のみ、0輪に設定しかつ残りのタイヤモデルを周方向4本溝のみのパターン無しタイヤモデル21に設定してシミュレーションして結果を求めたものである。
なお、タイヤは、図18のパターンであり、ピッチ個数が60個、70個のものを用いて、高さ5mm、長さ20mmのクリートを時速60km/hで車両が乗り越えた場合に発生する車軸(右前輪)での上下力時刻歴の最大と最小値の差を実測と解析、解析で比較した。表5では、実測の70個を100として、60個の場合の結果を表す。またこの時の車両重心で発生する上下加速度の時刻歴の最大と最小値の差を実測の70個を100として、60個の場合の結果も示す。
Figure 2008018741
なお、後ろ2輪パターン付きの場合、車軸力評価を右前輪で行ったため、0輪パターンと同様の結果となった。表5から理解できるように、パターン付きタイヤモデル20の設定が少なくなるほど計算時間が短縮できる。また車軸力はパターン付きタイヤモデル20を少なくしたことによる影響が少ないが、重心での加速度の結果は悪化している。従って、評価する項目に応じてパターン付きタイヤモデル20の設定を変更することで、計算時間を調整することが可能となることが理解できる。
〔第4実施例〕
本実施例は、図18に示すパターンを採用して、そのタイヤを車両に装着して計測した実測値と、パターン付きタイヤモデル20の設定を、4輪全て、前2輪のみ、後2輪のみ、右前1輪のみ、0輪に設定しかつ残りのタイヤモデルを周方向4本溝のみのパターン無しタイヤモデル21に設定してハイドロプレーニング現象をシミュレーションして結果を求めたものである。
なお、本実施例では、流体は水とし、水深10mのプールを用意して、右前輪のみをこの中をFF車にて走行させ、時速60km/hから加速して左右前輪の速度比が5%を越えた時の速度をハイドロプレーニング速度とした。この実測速度を100として、解析では時速60km/hで水深10mmのプールに右前輪だけ入れて走行させ、左右前輪に同じ回転トルクを徐々に大きくしながら与え、左右前輪の速度比が5%を越えた時の速度をハイドロプレーニング速度とし、実測対比の指数として求めた。
Figure 2008018741
表6から理解できるように、パターン付きタイヤモデル20の設定が少なくなるほど計算時間が短縮でき、ハイドロプレーニング現象が発生する速度の認定は、パターン付きタイヤモデル20の設定に依存することなく概ね良好であるという結果を得た。
本発明の実施の形態のブロック図である。 本発明の実施の形態に使用するタイヤモデルを示す概略図である。 本発明の実施の形態に使用するホイールモデルを示す概略図であり、(A)はホイールの外観斜視図、(B)は一部断面図である。 本発明の実施の形態のタイヤ性能シミュレーション処理ルーチンを示す流れ図である。 車両に備えるタイヤのパターン有無の位置関係を示すもので、(A)3輪がパターン付きタイヤモデル、(B)前輪のみパターン付きタイヤモデル、(C)後輪のみパターン付きタイヤモデル、(D)右側輪のみパターン付きタイヤモデル、(E)対角輪のみパターン付きタイヤモデル、(F)1輪のみパターン付きタイヤモデルを設定したものを示す。 本発明の実施の形態の車体、サスペンション、及びタイヤホイール組付体の3つのモデルを結合した解析対象モデルを示す概略図である。 車体無しでサスペンションモデルとタイヤホイール組付体モデルとを結合した解析対象モデルを示す概略図である。 車両を表す機構解析モデルとタイヤホイール組付体モデルとを結合した解析対象モデルを示す概略図である。 車体無しでサスペンションを表す機構解析モデルとタイヤホイール組付体モデルとを結合した解析対象モデルを示す概略図である。 車体無しでサスペンションモデルとタイヤホイール組付体モデルと結合したモデルを用い、サスペンション取り付け点の軌跡データを別の結果を利用してシミュレーションする場合の概略図である。 レーンチェンジ解析をするために、車体モデル、サスペンションモデル、及びタイヤホイール組付体モデルの3つのモデルを結合した解析対象モデルを、路面モデルに設置した状態でシミュレーションする場合の概略図である。 車体モデル、サスペンションモデル、及びタイヤホイール組付体モデルの3つのモデルを結合した解析対象モデルを、路面モデルに設置した状態についてタイヤモデル周辺の一部詳細を示す概略図である。 開発効率を向上するタイヤ性能シミュレーション処理ルーチンを示す流れ図である。 第2実施形態のタイヤ性能シミュレーション処理ルーチンを示す流れ図である。 第3実施形態のタイヤ性能シミュレーション処理ルーチンを示す流れ図である。 第4実施形態のタイヤ性能シミュレーション処理ルーチンを示す流れ図である。 本実施例に使用するタイヤのトレッドの一部の平面図である。 本実施例に使用するタイヤのトレッドの一部の平面図である。
符号の説明
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 表示装置
20…パターン付きタイヤモデル
21…パターン無しタイヤモデル
22…タイヤ本体モデル
24…トレッドパターンモデル
25…トレッドパターンモデル

Claims (8)

  1. 複数の陸部からなるパターンを備えたパターン付きタイヤを複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせてパターン付きタイヤモデルを作成すると共に、前記パターン付きタイヤについてパターンを除いて複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせてパターン無しタイヤモデルを作成し、
    車両に装備されたサスペンションを多数要素に分割したサスペンションモデルを作成し、
    車両に装備された前記パターン付きタイヤについて全数未満の少なくとも1つをパターン付きタイヤモデルに設定し、それ以外をパターン無しタイヤモデルに設定し、
    前記パターン付きタイヤモデル及びパターン無しタイヤモデルを含む第1の数値計算モデルとサスペンションモデルを含む第2の数値計算モデルとを1つの数値計算モデルとしてタイヤの性能を使用状態で解析する、
    タイヤ性能シミュレーション方法。
  2. 前記パターン付きタイヤモデルは、車両から力が伝達される伝達輪の少なくとも1つに設定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  3. 前記タイヤに近接する路面を複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成された路面モデルをさらに作成し、
    前記路面モデルを含む第3の数値計算モデルと、前記第1の数値計算モデル及び前記第2の数値計算モデルと、を1つの数値計算モデルとしてタイヤの性能を使用状態で解析することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  4. 前記パターン付きタイヤモデルを車両の前側片輪に設定し、設定された前側片輪のパターン付きタイヤモデルに近接する路面に流体を備えるように路面モデルを作成することを特徴とする請求項3に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  5. 前記路面モデルを曲線路として作成しかつ該曲線路の少なくとも一部に流体を備えるように路面モデルを作成し、前記パターン付きタイヤモデルを車両の前側輪に設定することを特徴とする請求項3に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  6. 前記路面モデルを非平坦路面として作成し、前記数値計算モデルの振動解析をすることを特徴とする請求項3に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  7. 複数の陸部からなるパターンを備えたパターン付きタイヤを複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成したパターン付きタイヤモデルと、前記パターン付きタイヤについてパターンを除いて複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成したパターン無しタイヤモデルを含む第1の数値計算モデル、及び車両に装備されたサスペンションを多数要素に分割したサスペンションモデルを含む第2の数値計算モデルを記憶した第1の記憶手段と、
    タイヤの性能を使用状態で解析するためのプログラムを記憶した第2の記憶手段と、
    車両に装備された前記パターン付きタイヤについて全数未満の少なくとも1つをパターン付きタイヤモデルに設定し、それ以外をパターン無しタイヤモデルに設定する設定手段と、
    前記設定手段で設定されたパターン付きタイヤモデル及びパターン無しタイヤモデルに対応して前記記憶手段に記憶された第1の数値計算モデル及び第2の数値モデルを1つの数値計算モデルとして、前記プログラムに応じてタイヤの性能を使用状態で解析する解析手段と、
    を含むタイヤ性能シミュレーション装置。
  8. 複数の陸部からなるパターンを備えたパターン付きタイヤを複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成したパターン付きタイヤモデルと、前記パターン付きタイヤについてパターンを除いて複数の部品に分割し、各々の部品を多数要素に分割して形成した複数の部品モデルを組み合わせて作成したパターン無しタイヤモデルを含む第1の数値計算モデルと、
    車両に装備されたサスペンションを多数要素に分割したサスペンションモデルを含む第2の数値計算モデルと、
    車両に装備された前記パターン付きタイヤについて全数未満の少なくとも1つをパターン付きタイヤモデルに、それ以外をパターン無しタイヤモデルに設定されたパターン付きタイヤモデル及びパターン無しタイヤモデルに対応して第1の数値計算モデル及び第2の数値モデルを1つの数値計算モデルとして、タイヤの性能を使用状態で解析するプログラムと、
    を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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