JP2008018101A - 気泡除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】気泡を気体と血液とに分けて、当該気体を装置本体から確実に除去するとともに当該血液を装置本体へ確実に戻すことができる気泡除去装置を提供すること。
【解決手段】気泡除去装置1は、装置本体40と、陰圧室8と、装置本体40内の血液の液面高さHの変化に応じて鉛直方向に移動するフロート20と、装置本体40に連通する第1の連通部501を有する第1室503と、陰圧室8に連通する第2の連通部502を有する第2室504と、第1室503と第2室504とを隔てる消泡部材10と、第1の連通部501を開閉する第1の弁機構5Aと、第2の連通部502を開閉する第2の弁機構5Bとを備え、フロート20の鉛直方向の位置に応じ、前記各連通部がそれぞれ閉じた状態と、第1の連通部501が開き第2の連通部502が閉じた状態と、前記連通部がそれぞれ開いた状態とを取り得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、体外循環する血液中の気泡を除去する気泡除去装置に関する。
例えば心臓外科手術においては、送血ポンプを作動して患者の静脈(大静脈)より脱血し、人工肺によりガス交換を行なった後、この血液を再び患者の動脈に戻すという体外血液循環が行なわれる。
このような体外血液循環を行う回路(体外循環回路)には、脱血した血液に流入した気泡を除去(分離)する気泡除去装置(血液フィルタ)が設けられている。この気泡除去装置としては、ハウジングと、ハウジング内に収納されたフィルタ部材(フィルタ素子)とを有している(例えば、特許文献1参照)。また、ハウジングには、当該ハウジング内に血液が流入する流入口と、ハウジング内の血液が流出する流出口と、脱気手段に接続され、ハウジング内の気泡が脱気される気泡出口(除去口)とが突出形成されている。この特許文献1に記載の気泡除去装置では、流入口から流入した血液がフィルタ部材を通過すると、このフィルタ部材により血液中から気泡が分離される。分離された気泡は、ハウジング内を上昇し、ハウジング内の上部空間に一定量に達するまで貯留される。このとき、ハウジングに設置された気泡センサ(空気センサ)が気泡を検出する。気泡が検出されると、脱気手段が作動して気泡(当該気泡の外周を構成する血液と当該気泡内の空気)が気泡出口から除去される。
しかしながら、特許文献1に記載の気泡除去装置では、前述したように気泡が除去されるが、このとき、当該気泡内の空気のみならず、この空気とともに当該気泡の外周を構成する血液も除去されるという問題があった。
米国特許第6302860号明細書
本発明の目的は、気泡を気体と血液とに分けて、当該気体を装置本体から確実に除去するとともに当該血液を装置本体へ確実に戻すことができる気泡除去装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(24)の本発明により達成される。
(1) 体外循環する血液中の気泡を除去する気泡除去装置であって、
血液が流入する装置本体と、
前記装置本体の上側に設けられ、気体を吸引する脱気手段に接続されて陰圧に保たれる陰圧室と、
前記装置本体と前記陰圧室とを隔てるように設けられ、前記装置本体内の気体の通過を許容しかつ前記装置本体内の血液の通過を阻止するフィルタ部材と、
前記装置本体内にほぼ鉛直方向に移動可能に設置され、該装置本体内の血液の液面高さの変化に応じて移動するフロートと、
前記装置本体に連通する第1の連通部を有する第1室と、
前記陰圧室に連通する第2の連通部を有し、気体を貯留可能な第2室と、
前記第1室と前記第2室とを隔てるように設けられ、消泡剤を担持した消泡部材と、
前記液面高さの変化による前記フロートの移動に伴って前記第1の連通部を開閉する第1の弁機構と、
前記第1の弁機構の開閉動作に連動して前記第2の連通部を開閉する第2の弁機構とを備え、
前記フロートの鉛直方向の位置に応じ、前記第1の連通部および前記第2の連通部がそれぞれ閉じた第1の状態と、前記第1の連通部が開き前記第2の連通部が閉じた第2の状態と、前記第1の連通部および前記第2の連通部がそれぞれ開いた第3の状態とを取り得るよう構成されていることを特徴とする気泡除去装置。
(2) 血液とともに前記装置本体内に気泡が流入した際、その気泡は、前記第1の状態では、前記フィルタ部材を通過し前記陰圧室に流入して脱気され、
前記第2の状態では、前記気泡の一部が前記第1室に流入し、該流入した気泡が前記消泡部材に接触して破泡し、これにより気体と血液とに分けられて、該気体が前記第2室内に貯留されるとともに該血液が前記第1の連通部を介して前記装置本体内に戻り、
前記第3の状態では、前記気泡が前記第2の状態のときよりも前記第1室に多く流入して、該流入した気泡が前記消泡部材に接触して破泡し、これにより気体と血液とに分けられて、該気体が前記第2の連通部を介して前記陰圧室に流入して脱気されるとともに該血液が前記第1の連通部を介して前記装置本体内に戻るよう構成されている上記(1)に記載の気泡除去装置。
(3) 前記第3の状態で、前記第1の弁機構の開度は、前記第2の状態より大きくなる上記(1)または(2)に記載の気泡除去装置。
(4) 前記第1の状態から前記フロートが徐々に下降していったとき、前記第1の弁機構が開き、それに続いて、前記第2の弁機構が開く上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(5) 前記第3の状態から前記フロートが徐々に上昇していったとき、前記第1の弁機構と前記第2の弁機構がほぼ同時に閉じる、または、前記第2の弁機構が閉じ、それに続いて、前記第1の弁機構が閉じる上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(6) 前記第1の弁機構は、前記フロートの位置が第1の位置を超えて上昇したときに、前記第1の連通部を閉じた状態とし、前記フロートの位置が前記第1の位置以下に下降したときに、前記第1の連通部を開く状態とする上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(7) 前記第2の弁機構は、前記フロートの位置が前記第1の位置より下方の第2の位置を超えて上昇したときに、前記第2の連通部を閉じた状態とし、前記フロートの位置が前記第2の位置以下に下降したときに、前記第2の連通部を開く状態とする上記(6)に記載の気泡除去装置。
(8) 前記第1の弁機構は、プレート状またはブロック状をなす蓋体を有し、該蓋体が前記第1の連通部の開口部を塞ぐことにより前記第1の連通部を閉じ、前記蓋体が前記開口部から離間することにより前記第1の連通部が開くよう構成されたものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(9) 前記第2の弁機構は、ほぼ円錐状または角錐状をなす頂部が形成されたニードル部と、前記第2の連通部の内周部にその周方向に沿って設置されたリング状の弾性体とを有し、前記頂部の外周面が前記弾性体に密着することにより前記第2の連通部を閉じ、前記頂部の外周面が前記弾性体から離間することにより前記第2の連通部を開くよう構成されたものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(10) 前記第1の弁機構と前記第2の弁機構とを連結するリンク機構を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(11) 前記リンク機構は、前記第1の弁機構が開き始めてから所定量開くまでの間、前記第2の弁機構が閉じた状態を維持する状態維持手段を有する上記(10)に記載の気泡除去装置。
(12) 前記第1室、前記消泡部材および前記第2室は、鉛直下方からこの順に配置されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(13) 前記第1室は、その内周部が収斂形状をなす部分を有する上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(14) 前記装置本体は、横断面形状がほぼ円環状をなす旋回流形成部と、該旋回流形成部の内周面のほぼ接線方向に設けられ、血液が前記旋回流形成部内で旋回流を形成するように血液を前記旋回流形成部内に導入する流入口と、前記旋回流形成部の下側に設けられた流出口とを有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(15) 前記装置本体は、前記第1の連通部の下側近傍に、前記旋回流形成部の中心軸方向に向かって傾斜した傾斜面を有する上記(14)に記載の気泡除去装置。
(16) 前記装置本体は、前記旋回流形成部内にその内周面の周方向に沿って、該内周面と間隙を介して設けられた隔壁部を有しており、該隔壁部の内側を前記フロートが移動する上記(14)または(15)に記載の気泡除去装置。
(17) 前記隔壁部には、該隔壁部を貫通する貫通孔が形成されている上記(16)に記載の気泡除去装置。
(18) 前記貫通孔は、前記隔壁部の下部に位置する上記(17)に記載の気泡除去装置。
(19) 前記フィルタ部材は、水平方向に対して傾斜して設けられている上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(20) 前記第1の連通部は、前記フィルタ部材の最上端部よりも下方に位置する上記(19)に記載の気泡除去装置。
(21) 前記第1の連通部は、前記フィルタ部材の最下端部とほぼ同じ高さに位置する上記(19)または(20)に記載の気泡除去装置。
(22) 前記第1の連通部は、その開口面積が前記第2の連通部の開口面積より大きいものである上記(1)ないし(21)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(23) 前記第1室および前記第2室内の圧力を調整する圧力調整手段を有する上記(1)ないし(22)のいずれかに記載の気泡除去装置。
(24) 前記フロートの姿勢を維持する姿勢維持手段を有する上記(1)ないし(23)のいずれかに記載の気泡除去装置。
本発明によれば、フロートの鉛直方向の位置に応じて第1の状態〜第3の状態の3態様を取り得るよう構成されているため、当該気泡除去装置に流入した気泡の流入量の大小に関わらず、気泡を気体と血液とに分けて、当該気体を気泡除去装置から確実に除去するとともに当該血液を気泡除去装置へ確実に戻すことができる。これにより、気体との接触による血液の活性化(損傷)を確実に抑制することができ、また、血液の損失を確実に防止することができる。
以下、本発明の気泡除去装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、それぞれ、本発明の気泡除去装置を示す部分縦断面図(図1は第1の状態を示し、図2は第2の状態を示し、図3は第3の状態を示す)、図4は、図1中のA−A線断面図、図5は、図1(図2および図3も同様)に示す調圧弁(圧力調整手段)の拡大図、図6は、図1(図2および図3も同様)に示す気泡除去装置を用いた体外循環装置の一例を示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図3および図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
これらの図に示す気泡除去装置(バブルトラップ)1は、体外循環する血液中の気泡を除去するためのものである。本発明の気泡除去装置1は、患者の心臓に血液が循環せず患者体内でガス交換が行われず、そして体外循環装置により血液の循環と血液に対するガス交換(酸素付加および/または二酸化炭素除去)が行われる体外循環と、患者の心臓に血液が循環し患者体内でもガス交換が行われるが、体外循環装置によっても血液の循環と血液に対するガス交換が行われる体外循環(補助循環)とのいずれの場合にも使用することができる。
図1〜図3に示す気泡除去装置1は、血液が流入する装置本体40と、装置本体40の上側に設けられた陰圧室8と、装置本体40と陰圧室8とを隔てるように設けられたフィルタ部材9と、装置本体40の上側に陰圧室8と隣接して設けられた破泡室(消泡室)50と、装置本体40内にほぼ鉛直方向に移動可能に設置されたフロート20と、フロート20の鉛直方向の移動に伴って作動する第1の弁機構5Aおよび第2の弁機構5Bと、フロート20と第1の弁機構5Aとを連結する第1のリンク機構16と、第1の弁機構5Aと第2の弁機構5Bとを連結する第2のリンク機構(リンク機構)18とを備えている。
図1〜図3に示すように、この気泡除去装置1は、フロート20の鉛直方向の位置に応じ、3態様(状態)を取ることができる。図1に示す状態(第1の状態)では、第1の弁機構5A(第1の連通部501)および第2の弁機構5B(第2の連通部502)がそれぞれ閉じている。図2に示す状態(第2の状態)では、第1の弁機構5Aが開き、第2の弁機構5Bが閉じている。図3に示す状態(第3の状態)では、第1の弁機構5Aおよび第2の弁機構5Bがそれぞれ開いている。また、気泡除去装置1では、通常、第1の状態となっているが、血液とともに多量の気泡が装置本体40A内に流入した場合、その流入量によって、第1の状態から第2の状態、または、第1の状態から第2の状態を経て第3の状態となる。
なお、装置本体40、陰圧室8および破泡室50(消泡部材10を除く)の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体等の比較的硬質な樹脂材料が好ましい。また、内部の血液等の状態を目視で確認することができるように、実質的に透明な材料が好ましい。
また、装置本体40、陰圧室8および破泡室50は、これらが一体的に形成されていてもよいし、それぞれを別体で構成し、これらを連結してもよい。
以下、気泡除去装置1を構成する各部について説明する。
装置本体40は、有底筒状をなす旋回流形成部(外筒)2と、旋回流形成部2内に設けられた隔壁部(内筒)13と、旋回流形成部2(内部空間)内に血液を導入する流入口3と、旋回流形成部2内の血液を気泡除去装置1の外部へ排出する流出口4とを有している。
旋回流形成部2は、回転体形状の内部空間、すなわち横断面形状がほぼ円形(円環状)の内部空間を有しており、流入した血液に旋回流を形成させる部位である。気泡除去装置1は、旋回流形成部2の中心軸(支持軸17)を鉛直方向(上下方向)にした姿勢で使用される。
この旋回流形成部2の途中には、その内径および外径の一部が拡径した拡径部21が形成されている。拡径部21には、その内周面211のほぼ接線方向に突出するように、流入口3が設けられている(図4参照)。
このような構成の装置本体40により、流入口3から旋回流形成部2内に流入した血液は、旋回流を確実に形成することができる。
また、旋回流形成部2の底部(下部)24には、下方に突出した流出口4が設けられている。この流出口4の旋回流形成部2との境界部41付近は、その内径が下方に向かって漸減した形状、すなわち、漏斗状(収斂状)をなしている。これにより、旋回流形成部2内の血液が流出口4側へ容易に流れる。
また、旋回流形成部2の底部24の上側近傍には、流出口4の上部開口42を覆うように円板状をなす蓋部25が設けられている。蓋部25の縁部には、その周方向に沿って複数の孔253が形成されている。各孔253を介して、旋回流形成部2内と流出口4とが連通することとなる。これにより、旋回流形成部2内の血液は、各孔253を介して、流出口4に至る。
蓋部25の上面(天面)には、隔壁部13が設けられている。この隔壁部13は、その形状が旋回流形成部2の内周面22(内周面211)の周方向に沿った筒状をなすものである。隔壁部13は、旋回流形成部2と同心的に設けられている。これにより、隔壁部13の外周面131と旋回流形成部2の内周面22との間に、間隙26が形成される。図1(図2および図3も同様)に示すように、装置本体40では、旋回流は、間隙26に生じ、隔壁部13の内側には生じ難くまたは生じなくなっている。
また、隔壁部13の旋回流形成部2の拡径部21(流入口3)と高さが異なる位置、すなわち、隔壁部13の下部には、隔壁部13を貫通する複数の貫通孔132が形成されている。これらの貫通孔132は、隔壁部13の周方向に沿って形成されている。旋回流形成部2に流入した血液は、各貫通孔132を介して、隔壁部13の内側に対して、流入/流出することができる。これにより、間隙26内での血液の液面高さと、隔壁部13の内側での血液の液面高さとが同等となり、よって、気泡が比較的多く流入した場合、装置本体40内の全体としての血液の液面高さHが均一なものとなる(図2、図3参照)。
また、各貫通孔132が隔壁部13の下部に設けられていることにより、血液が装置本体40内に流入した当初は、血液が迅速に隔壁部13内へ流入することができる。また、血液とともに多量の気泡が装置本体40内に流入して、血液の液面高さHが下降するとき、血液が迅速に隔壁部13外へ流出することができる。
隔壁部13の内側には、フロート20が収納されて(位置して)いる。このフロート20は、隔壁部13の内側を、装置本体40内の血液の液面高さHの変化に応じて移動するものである。
フロート20は、その外形形状が円柱状をなす中実体または中空体で構成されたものである。なお、本実施形態では、フロート20は、中実体で構成されている。
また、フロート20の上部202は、その外径が上方に向かって漸減するテーパ状をなしている。下部203は、上部202とほぼ同様に、その外径が下方に向かって漸減するテーパ状をなしている。また、中間部204は、その外径が一定に形成されている。フロート20がこのような形状をなすことにより、フロート20が移動するときの血液に対する抵抗を抑制することができ、よって、液面高さHの変化に応じて迅速かつ確実に移動することができる。
また、前述したように、隔壁部13の内側は、血液の旋回流が生じ難くまたは生じなくなっている。このような隔壁部13の内側にフロート20が位置することにより、例えば液面に生じた渦によってフロート20が下方に引張られること等のような、旋回流による影響を受けるのが防止または抑制される。よって、フロート20が確実に液面高さHの変化に応じて確実に移動する。
このような構成のフロート20は、図1に示す状態、すなわち、装置本体40内のほぼ全体に血液が満たされて、液面のほとんどがフィルタ部材9の下面92に接している状態では、移動可能範囲内の上限位置にある。また、図2に示す状態、すなわち、血液とともに比較的多量の気泡が装置本体40内に流入して、液面高さHが図1の状態より下方に位置した状態では、フロート20は、前記上限位置から下降して、図1の状態より下方に位置する。また、図3に示す状態、すなわち、図2に示す状態よりも多量の気泡が装置本体40内に流入して、液面高さHが図2の状態よりさらに下方に位置した状態では、フロート20は、図2に示す位置からさらに下降する。
フロート20の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、装置本体40につていの説明で挙げたような材料を用いることができる。この場合、装置本体40と同じの材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
また、装置本体40内には、フロート20をその長手方向(上下方向)に挿通する支持軸17が設置されている。この支持軸17は、棒状をなしており、その下端部が蓋部25に支持されている。または、支持軸17は、その上端部がフィルタ部材9の支持部材(図示せず)に支持されている。
フロート20は、支持軸17に沿って確実に上下方向に移動することができる。また、支持軸17により、フロート20の、旋回流による例えば水平方向(図1中左右方向)の揺動(横移動)を確実に防止することができる。したがって、支持軸17は、フロート20の姿勢を維持する姿勢維持手段としての機能を有していると言うことができる。
なお、支持軸17は、装置本体40と一体的に形成されたものであってもよいし、装置本体40と別体で構成し当該装置本体40に接合されたものであってもよい。
装置本体40の上側には、フィルタ部材9を介して装置本体40内と連通する陰圧室8が設けられている。この陰圧室8は、当該装置本体40と一体的に形成されている。陰圧室8は、フィルタ部材9からの気体が通過する流路82と、破泡室50からの気体が通過する流路83と、脱気口81とを有している。
脱気口81は、流路82を介して装置本体40に連通し、流路83を介して破泡室50に連通している。この脱気口81は、気体を吸引する脱気手段に接続されている。なお、前記脱気手段としては、例えば、手術室の壁吸引を用いることができる。壁吸引とは、酸素、治療用空気、窒素、吸引などの医療ガス配管設備の一つであり、手術室の壁などに設置されている吸引(脱気)のための配管のことである。その他、脱気手段としては、個別の真空ポンプ等を用いてもよい。このような脱気手段の作動により、陰圧室8を陰圧に保つことができる。これにより、陰圧室8に流入した気体が当該陰圧室8から排出(脱気)される(図1〜図3中「気泡の流れ」の矢印の参照)。なお、陰圧室8における陰圧の大きさとしては、特に限定されないが、例えば、250〜350mmHgであるのが好ましい。
また、流路82と流路83との合流部付近には、逆止弁30が設置されている。逆止弁30により、脱気口81から流出した気体が、再度流路82や流路83内に戻る(逆流する)のを確実に防止することができる。これにより、気泡除去装置1から気体を確実に除去することができる。
逆止弁30としては、例えば、ダックビル弁で構成されたものを用いることができる。また、これに限定されず、逆止弁30は、気体の脱気手段側への流れのみを許容するよう構成されたものであれば、いかなる弁体でもよい。
装置本体40と陰圧室8との間には、これらを隔てるように、フィルタ部材9が設置されている。フィルタ部材9は、装置本体40内の気体を通過させ、装置本体40内の血液を通過させないよう構成された膜部材である。このフィルタ部材9は、その表面が疎水化処理されているか、または、疎水性膜(疎水膜)であるのが好ましい。
前記疎水性膜の構成材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体(ETFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体(ECTFE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。フィルタ部材9は、これらの材料を、延伸法、ミクロ相分離法、電子線エッチング法、焼結法、アルゴンプラズマ粒子等の方法で多孔質としたものが好適に用いられる。
また、前記疎水化処理の方法は、特に限定されず、例えば、フィルタ部材9の表面に、疎水性を有する構成材料をコーティングする方法等が挙げられる。
血液とともに装置本体40内に気泡が流入した際、その気泡は、装置本体40内を上昇し、さらに、フィルタ部材9を透過(通過)する。このとき、気泡は、破泡して、当該気泡の外周を構成していた血液と、当該気泡内の気体(空気)とに分かれる。この気体は、陰圧室8内に吸い込まれて、脱気口81を通って気泡除去装置1の外部へ排出される。また、血液は、フィルタ部材9を通過することが困難であるため、装置本体40に戻る。
また、フィルタ部材9は、水平方向に対して傾斜している。これにより、装置本体40内を上昇した気泡が、フィルタ部材9の傾斜(下面92)に沿って装置本体40の片側(最上端部93側)に向かって移動する。これにより、気泡をより円滑かつ迅速に集めることができる。
装置本体40の上側には、陰圧室8と隣接する破泡室50が設けられている。この破泡室50は、装置本体40から破泡室50に流入した気泡を破泡して(消泡して)、当該気泡の外周を構成していた血液と、当該気泡内の気体とに分ける部位である。なお、破泡室50が実質的に透明な材料で構成されている場合、当該破泡室50に流入した気泡の存在を確認することができる。
破泡室50内には、消泡部材10が設置されている。これにより、破泡室50は、第1室503と、第1室503の上側に位置する第2室504とに区画されている。
第1室503と第2室504とを隔てるように設置された消泡部材10は、消泡剤を担持したものである。
消泡部材10に担持された消泡剤は、気泡が接触すると破泡するような機能を有するものであり、その代表例としては、シリコーン(シリカを配合したコンパウンド型、オイル型等)等が挙げられる。このような消泡部材10が設置されていることにより、破泡室50に流入した気泡は、消泡部材10に担持された消泡剤に接触するため、確実に破泡する。気泡が破泡すると、当該気泡の外周を構成していた血液は、後述する第1室503に戻り、気泡内の気体は、後述する第2室504に向かう。
なお、消泡剤の消泡部材10への担持方法は、例えば、消泡剤を含む液を素材に含浸、塗布またはスプレーし、その後、乾燥することにより行なう。また、消泡部材10の素材としては、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等の発泡体、メッシュ、織布、不織布または、多孔質セラミックスや樹脂等の焼結体のような各種多孔質材を挙げることができるが、そのなかでも、比較的血液の通過抵抗(圧力損失)が少ない材料を用いるのが好ましい。
第1室503には、下方、すなわち、装置本体40側に向かって開口する第1の連通部501を有している。これにより、第1室503は、装置本体40に連通する。
図2および図3に示すように、第2の状態や第3の状態で、血液とともに装置本体40内に気泡が流入した際、その気泡が第1の連通部501を介して第1室503に流入する。当該流入した気泡は、上昇して消泡部材10に接触して、前述したように血液と気体とに分かれる。この血液は、第1室503に戻り、さらに、第1の連通部501を介して装置本体40に戻る。
また、第1室503は、その内周部(内周面)が収斂形状をなす、すなわち、下方に向かって内径が漸減する収斂形状部(部分)505を有している。これにより、第1室503に戻った血液が装置本体40に向かって確実に流れ、第1の連通部501を介して装置本体40に確実に流入する(戻る)。
また、第1の連通部501の下側近傍には、装置本体40に形成された傾斜面28が配置されている。この傾斜面28は、支持軸17(旋回流形成部2の中心軸)方向に向かって傾斜したものである。第2の状態および第3の状態で、第1の連通部501からの血液は、傾斜面28に沿って流下し、旋回流形成部2に確実に戻る。
また、気泡除去装置1では、第1の連通部501は、フィルタ部材9の最上端部93よりも下方に位置している。これにより、図2および図3に示す状態より第1の連通部501が閉まり、図1に示す状態となったとき、第1の位置S1より上に空気が残るが、その空気はフィルタ部材9より排出されるため、血液と空気との接触を速やかに無くすという利点がある。
また、第1の連通部501は、フィルタ部材9の最下端部94とほぼ同じ高さに位置している。
第2室504には、上方、すなわち、陰圧室8の流路83に向かって開口する第2の連通部502を有している。これにより、第2室504は、陰圧室8に連通する。
図2および図3に示すように、第2の状態や第3の状態で、血液とともに装置本体40内に気泡が流入した際、その気泡が第1の連通部501を介して第1室503に流入する。前述したように、当該流入した気泡は、上昇して消泡部材10に接触して、血液と気体とに分かれる。この気体は、第2の状態では第2室504内に貯留され、第3の状態では第2室504を通過し、第2の連通部502を介して陰圧室8に流入する。気体が陰圧室8に流入した場合、すなわち、第3の状態のとき、気体は、気泡除去装置1から確実に除去される(図3中「気泡の流れ」の矢印の参照)。
このように気泡除去装置1では、第2の状態および第3の状態で、血液とともに装置本体40内に気泡が流入した際、その気泡は、血液と空気(気体)とに確実に分けられる。この血液は、再度装置本体40内に確実に戻る。これにより、血液のロス(浪費)を防止することができる。また、空気は、第2室504に貯留されたり、陰圧室8から除去されたりするため、装置本体40内の血液が接触するのが確実に防止される。これにより、空気との接触による血液の活性化(損傷)を防止することができる。
また、気泡除去装置1では、第1室503、消泡部材10および第2室504が、鉛直下方からこの順に配置されている。
このような配置では、気泡(気体)が容易に上昇することができ、また、気泡を血液と気体とにより確実に分けて、気体と分かれた血液が容易に下降することができる。これにより、血液を装置本体40により確実に戻すことができるとともに、気体が血液と接触するのを防止することができる。
また、連続して気泡が入り続けた場合に、第1の連通部501を介して気泡を破泡室50へ流入させるとほぼ同時に、消泡部材10で分離した血液を連続して、装置本体40内へ戻すことができるという利点もある。
また、気泡除去装置1では、第1の連通部501の開口面積は、第2の連通部502の開口面積より大きく設定されている。これにより、図2に示す状態では第1の弁機構5Aを確実に開状態とすることができ、図3に示す状態、すなわち、図2に示す状態より気泡が多く流入した状態では第1の弁機構5Aおよび第2の弁機構5Bをそれぞれ確実に開状態とすることができる。また、第2の連通部502の開口面積を小さくすることで、図2に示す状態で、第2の連通部502を確実に閉じたまま、第1の連通部501を開状態にすることができるという利点もある。
第1の連通部501の開口面積は、特に限定されないが、例えば、70〜400mmであるのが好ましく、150〜300mmであるのがより好ましい。
第2の連通部502の開口面積は、特に限定されないが、例えば、3〜20mmであるのが好ましく、5〜12mmであるのがより好ましい。
図5(図1〜図3も同様)に示すように、破泡室50(第2室504)の上部(天板)506には、調圧弁(圧力調整手段)60が設置されている。この調圧弁60は、破泡室50(第1室503および第2室504)内の圧力を調整する(緩和する)ものである。
調圧弁60は、弾性材料で構成されており、円柱状の基部601と、基部601の上端に設けられた上側フランジ部602と、基部の下端に設けられた下側フランジ部603とを有している。
基部601の外周部には、その長手方向に沿って複数の溝604が形成されている。また、これらの溝604は、基部601の外周部の周方向に沿って配置されている。上側フランジ部602および下側フランジ部603は、それぞれ、基部601の外径より拡径した部位である。このような調圧弁60は、基部601が破泡室50の上部506に形成された孔に挿入されており、上側フランジ部602および下側フランジ部603により、上部506の孔からの離脱が防止されている。
調圧弁60は、脱気手段が作動していないときには、下側フランジ部603が上部506に密着した状態となっている。
また、脱気手段が作動した、すなわち、減圧された際、破泡室50の内側と外側との圧力差が生じて、これにより、下側フランジ部603の縁部が反って上部506から離間する。このとき、各溝604を介して、破泡室50内と破泡室50の外部とが連通する(図5参照)。これにより、破泡室50内の減圧状態が緩和される。
減圧状態が緩和されることにより、第1の弁機構5A(蓋体(ディスク弁)53)が破泡室50(第1室503)側に吸引されるのが抑制され(緩和され)、開閉動作を容易に行なうことができる。また、第1の弁機構5Aと連結されたフロート20は、当該第1の弁機構5Aの開閉動作が円滑に行なわれるため、陰圧による影響を受けずに、液面高さHの変化に応じて迅速かつ確実に移動することができる。ここで、「陰圧による影響」とは、例えば、第1の弁機構5Aが破泡室50側に吸引されて開状態となり難くなることにより、フロート20が下降し難くなること等が挙げられる。
また、この第1の弁機構5Aの開閉操作を行なうフロート20の小型化にも寄与する。
また、第2の弁機構5Bについても、第1の弁機構5Aと同様に、開閉動作を容易に行なうことができる。これにより、第2の弁機構5Bは、第1の弁機構5Aの開閉動作に連動して、開閉動作を容易に行なうことができる。
調圧弁60を構成する弾性材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
第1の連通部501付近には、当該第1の連通部501を開閉する第1の弁機構5Aが配置されており、第2の連通部502付近には、当該第2の連通部502を開閉する第2の弁機構5Bが配置されている。
まず、第1の弁機構5Aについて説明する。
第1の弁機構5Aは、蓋体53で構成されたものである。この蓋体53は、水平方向において、フロート20と異なる箇所に位置している。このため、蓋体53とフロート20とは、第1のリンク機構16を介して、連結されている。これにより、液面高さHの変化によるフロート20の鉛直方向の移動に伴って、蓋体53が作動する(図1〜図3参照)。
蓋体53は、その形状がプレート状(板状)またはブロック状(塊状)をなしている。図1に示すように、蓋体53が第1の連通部501の下方に開口する開口部を下方から塞ぐことにより、第1の連通部501を閉状態とすることができる(図1参照)。また、図2に示すように、閉状態の第1の連通部501は、蓋体53が前記開口部から離間することにより、開状態となる。
このような構成の第1の弁機構5Aは、その作動、すなわち、前記開口部に対する蓋体53の接近/離間により、第1の連通部501を閉状態と開状態とに確実に変形(変化)させることができる。
第1のリンク機構16は、棒状をなすアーム部163を有している。このアーム部163は、その一端部161が装置本体40に回動可能に支持され、他端部162がフロート20に摺動可能に支持されている。また、アーム部163の途中には、蓋体53の中央部531が固定的に支持されて(固定されて)いる。フロート20が液面高さHの変化に応じて鉛直方向に移動すると、アーム部163は、一端部161を回転中心(支点)として、回動する。このアーム部163が回動することにより、蓋体53が一端部161回りに回動して第1の連通部501に対して接近/離間する、すなわち、第1の弁機構5Aが第1の連通部501を開閉する。
第1の弁機構5Aでは、液面高さH(フロート20の肩部205(すなわち、上部202と中間部204との境界部)の位置)が、第1の位置S1を超えて上昇したときに、フロート20の上昇に伴って蓋体53が反時計回りに回動して、第1の連通部501に接近する(近接する)。これにより、第1の連通部501が第1の状態(閉状態)となる(図1参照)。また、液面高さHが第1の位置S1以下に下降したときに、フロート20の下降に伴って蓋体53が時計回りに回動して、第1の連通部501から離間する。これにより、第1の連通部501が第2の状態(開状態)となる(図2参照)。また、液面高さHがさらに下方(例えば、第1の位置S1より下方の第2の位置S2)に下降したときに、フロート20のさらなる下降に伴って蓋体53が時計回りに回動して、第1の連通部501から大きく離間する、すなわち、第1の弁機構5Aの開度が第2の状態より大きくなる。これにより、第1の連通部501が第3の状態となる(図3参照)。
なお、第2の状態での第1の弁機構5Aの開度、すなわち、水平方向に対する蓋体53の傾斜角度は、特に限定されないが、5〜45度であるのが好ましく、15〜30度であるのがより好ましい。また、第3の状態での前記傾斜角度は、特に限定されないが、20〜90度であるのが好ましく、25〜45度であるのがより好ましい。
また、蓋体53の構成材料としては、特に限定されず、例えば、調圧弁60とほぼ同様の弾性材料を用いてもよい。これにより、第1の弁機構5Aの閉状態(第1の状態)において、第1の連通部501が液密に封止される。
次に、第2の弁機構5Bについて説明する。
第2の弁機構5Bは、第1の弁機構5Aの開閉動作に連動して開閉動作を行なうものであり、ニードル部51と、第2の連通部502の内周部に設置された弾性体52とを有している。ニードル部51の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、装置本体40の説明で挙げたような材料を用いることができる。また、弾性体52の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、調圧弁60とほぼ同様の材料を用いることができる。また、このような弾性体52の構成材料をニードル部51の構成材料としても用いることができる。ニードル部51の構成材料に弾性材料を用いた場合、弾性体52は、当該ニードル部51より硬質の材料(例えば装置本体40の説明で挙げたような材料)で構成されてもよい。
図1〜図3に示すように、ニードル部51は、蓋体53(第1の弁機構5A)と異なる箇所、すなわち、蓋体53(第1の弁機構5A)よりも上方に位置している。このため、ニードル部51と蓋体53とは、第2のリンク機構18を介して、連結されている。これにより、第2の弁機構5Bは、第1の弁機構5Aの開閉動作に連動して、確実に開閉動作を行なうことができる。
ニードル部51には、ほぼ円錐状(または角錐状)をなす頂部511が形成されている。弾性体52は、第2の連通部502の内周部の周方向に沿ったリング状をなしている。このようなニードル部51および弾性体52により、頂部511の外周面が弾性体52に密着することにより、第2の連通部502を閉状態(第1の状態および第2の状態)とすることができる(図1および図2参照)。また、この閉状態の第2の連通部502は、頂部511の外周面が弾性体52から離間することにより、開状態(第3の状態)となる(図3参照)。
このような構成の第2の弁機構5Bは、その作動により、第2の連通部502を閉状態と開状態とに確実に変形(変化)させることができる。
第2のリンク機構18は、棒状をなす垂直アーム部181および水平アーム部182を有している。垂直アーム部181は、その一端部(下端部)183が蓋体53に回動可能に支持されている。また、垂直アーム部181の他端部(上端部)には、長円形をなす孔184(長孔)が形成されている。水平アーム部182は、その一端部185が破泡室50に回動可能に支持され、他端部186が垂直アーム部181の孔184を摺動可能に支持されている。また、水平アーム部182の途中には、ニードル部51の下部512が回動可能に支持されている。
このような構成の第2の弁機構5Bは、図1に示す状態(第1の状態)では、第1の弁機構5Aとともに閉状態となっている。図1に示す状態から、第1の弁機構5Aが開き始めてから所定量開くまでの間、すなわち、図2に示す状態(第2の状態)となるまで、垂直アーム部181は、第1の弁機構5Aの開動作によって下方に引張られる(移動する)。このとき、水平アーム部182は、その他端部186が相対的に垂直アーム部181の孔184を摺動するため、当該他端部186の鉛直方向の位置が維持される、すなわち、一端部185を支点としての回動が行なわれない。図2に示す状態から第1の弁機構5Aがさらに開くと、水平アーム部182は、その他端部186が孔184の上端部に当接しつつ下方に引張られることとなるため、一端部185を支点として反時計回りに回動する。これに伴い、ニードル部51が弾性体52(第2の連通部502)から離間する、すなわち、第2の弁機構5Bが開状態(第3の状態)となる(図3参照)。
また、前述したように、第2のリンク機構18の作用によって、第2の弁機構5Bは、第1の弁機構5Aが開き始めてから所定量開くまでの間、垂直アーム部181は変位するが、水平アーム部182は変位しない、すなわち、第2の弁機構5Bの閉状態が維持される。その後、第2の弁機構5Bは、第1の弁機構5Aとともに開状態となる。
換言すれば、液面高さHが徐々に下降していったとき、まず第1の弁機構5Aが開き、それに続いて、第2の弁機構5Bが開く、すなわち、第2の弁機構5Bが第1の弁機構5Aより遅れて開く。
このように、第2のリンク機構18は、第1の弁機構5Aが開き始めてから所定量開くまでの間第2の弁機構5Bが閉じた状態を維持する機能(状態維持手段)を有している、すなわち、第1の弁機構5Aと第2の弁機構5Bとの開/閉の時間差を作り出す連動機構を構成しているということができる。この第2のリンク機構18の作用(作動)により、気泡除去装置1が第2の状態と第3の状態とを確実に取ることができる。これにより、フロート20の鉛直方向の位置、すなわち、気泡の流入量に応じ、第1の弁機構5Aと第2の弁機構5Bとの開閉のタイミングおよび開度が適宜設定される。よって、前述したように、気泡の内側の気体を装置本体40から確実に除去するとともに、気泡の外周を構成していた血液を装置本体40へ確実に戻すことができる。
以上のような構成の気泡除去装置1では、血液とともに装置本体40内に気泡が流入した際、その気泡の流入量によって(応じて)、液面高さHが変位する。
図1に示すように、気泡除去装置1は、液面高さHが第1の位置S1以下とならない程度に気泡が流入する状態では、前述したように、第1の弁機構5Aによって第1の連通部501が閉状態となり、第2の弁機構5Bによって第2の連通部502が閉状態となる、すなわち、第1の状態となる。第1の状態では、気泡は、その内側の気体のみがフィルタ部材9を通過して、陰圧室8の流路82に流入する。流路82に流入した気体は、逆止弁30を通過して、脱気口81から脱気される。
図2に示すように、気泡除去装置1は、第1の状態から液面高さHが徐々に下降して、液面高さHが第1の位置S1以下に下降する程度に気泡が流入したとき、すなわち、図1に示す状態よりも多く気泡が流入とき、前述したように、第2の連通部502の閉状態は維持されるが、第1の連通部501は第1の弁機構5Aの作動により開状態となる、すなわち、第2の状態となる。第2の状態で、装置本体40内の気泡には、第1の状態と同様にフィルタ部材9に向かうものと、開状態の第1の連通部501に向かうものとがある。
フィルタ部材9に向かう気泡は、第1の状態と同様に、フィルタ部材9および逆止弁30を順に通過して、脱気口81から脱気される。
また、開状態の第1の連通部501に向かう気泡は、当該第1の連通部501を介して第1室503に流入する。前述したように、第1室503に流入した気泡は、消泡部材10に接触して破泡し、これにより気体と血液とに分けられる。この気体は、上昇して第2室504内に貯留される。また、血液は、下降して第1の連通部501を介して、装置本体40内に戻る。
ここで仮に、第2の連通部502が開状態となっていた場合、第1室503(破泡室50)内が過剰な減圧状態となって、第1室503内の血液は、下降し難くなり、よって、装置本体40内に戻るのが困難となるおそれがある。しかしながら、気泡除去装置1では、第2の状態で、第2の連通部502が閉状態となるため、第1室503内が過剰な減圧状態とはなり難く(ならず)、よって、このような不都合を確実に防止することができる。
また、図3に示すように、第2の状態から液面高さHが徐々に下降して、液面高さHが第2の位置S2以下に下降する程度に気泡が流入したとき、すなわち、図2に示す状態よりも多く気泡が流入とき、前述したように、第1の連通部501は第1の弁機構5Aの作動によりさらに大きい開状態となり、第2の連通部502は第2の弁機構5Bの作動により開状態となる、すなわち、第3の状態となる。第3の状態でも、第2の状態と同様に、装置本体40内の気泡には、フィルタ部材9に向かうものと、開状態の第1の連通部501に向かうものとがある。
フィルタ部材9に向かう気泡は、第2の状態(第1の状態)と同様に、フィルタ部材9および逆止弁30を順に通過して、脱気口81から脱気される。
また、開状態の第1の連通部501に向かう気泡は、当該第1の連通部501を介して、第2の状態のときよりも多く第1室503に流入する。前述したように、第1室503に流入した気泡は、消泡部材10に接触して破泡し、これにより気体と血液とに分けられる。この気体は、上昇して第2室504内を通過して、第2の連通部502を介して陰圧室8に流入する。その後、気体は、脱気口81から脱気される。また、血液は、第2の状態と同様に、下降して第1の連通部501を介して、装置本体40内に戻る。なお、第3の状態では、第1の弁機構5Aの開度が第2の状態より大きくなっている、すなわち、第1の連通部501(第1の弁機構5A)が前記第1室503内の過剰な減圧状態を解消する(緩和する)ことができる程度に開状態となっているため、血液は、確実に下降して、装置本体40内に確実に戻る。
このような構成により、気泡除去装置1では、当該気泡除去装置1に流入した気泡の流入量の大小に関わらず、体外循環する血液中の気泡を気体と血液とに確実に分けて、当該気体を効率よくかつ確実に除去することができる。これにより、気体との接触による血液の活性化(損傷)を確実に抑制することができる。また、血液を気泡除去装置1に確実に戻すことができる。これにより、血液のロス(損失)を防止することができる。
また、気泡の流入量の減少により第3の状態から液面高さHが徐々に上昇して、当該液面高さHが第2の位置S2を超えたとき、第2のリンク機構18の作用(第1の弁機構5Aと第2の弁機構5Bとの開/閉の時間差を作り出す作用)により、まず第2の弁機構5Bが閉じ、それに続いて、第1の弁機構5Aが閉じる(または、第2の弁機構5Bが第1の弁機構5Aとほぼ同時に閉じる)。これにより、まず、破泡室50の減圧が遮断されるので、破泡室50への血液の流入を防ぐことができ、さらに、破泡室50内の血液を装置本体40内へ戻すことができるという利点がある。
また、気泡除去装置1は、本実施形態では、第1の状態→第2の状態→第3の状態となっているが、気泡の流入状態によっては、例えば、第1の状態→第2の状態→第1の状態となる場合もある。
次に、図6に基づいて、気泡除去装置1を用いた体外循環装置100の一例について説明する。
体外循環装置100は、血液を送液(送血)する遠心ポンプ(血液ポンプ)101と、遠心ポンプ101の吸入口と患者とを結ぶ脱血ライン102と、遠心ポンプ101の吐出口と患者とを結ぶ送血ライン103と、脱血ライン102の途中に設置された気泡除去装置1と、送血ライン103の途中に設置され、血液に対しガス交換を行う人工肺(人工肺部)104と、送血ライン103の途中に設置された流量計105と、遠心ポンプ101の作動(回転数)を制御する制御装置110とを備えている。
図6に示すように、体外循環装置100では、血液は、脱血ライン102、気泡除去装置1、遠心ポンプ101、人工肺104、送血ライン103および流量計105を経て患者に戻る。すなわち、体外循環装置100では、血液は、図6中の矢印方向に流れる。
また、人工肺104には、血液が人工肺104に流入する血液流入ポート(流入口)104bと、人工肺104から血液が流出する血液流出ポート(流出口)104aと、ガス流入ポート104cと、ガス流出ポート(図示せず)と、熱媒体流入ポート104dと、熱媒体流出ポート104eとが突出形成されている。また、この人工肺104には、ガス交換機能を有する中空糸膜が多数集積された中空糸膜層と、当該中空糸膜層の外周部に設けられ、気泡を捕捉する機能を有するフィルタ部材とが収納されている。
また、気泡除去装置1の脱気口81は、脱気ライン111を介して壁吸引(脱気手段)に接続されている。脱気ライン111の途中には、陰圧室8内の圧力を調整する陰圧レギュレータ112が設けられている。
また、脱血ライン102には、当該脱血ライン102の途中から分岐した分岐ライン106が設けられている。送血ライン103には、脱血ライン102とほぼ同様に、当該送血ライン103の途中から分岐した分岐ライン107が設けられている。これらの分岐ライン106および107には、それぞれ、一端部に例えば三方活栓等のようなコネクタ108が接続されている。各コネクタ108は、例えば、体外循環装置100のライン(回路)中に薬液等のような液体を混注する混注口として機能する。
遠心ポンプ101が作動すると、患者から脱血カテーテル(図示せず)を介して脱血された血液は、脱血ライン102を通り、まず、気泡除去装置1の流入口3に流入する。気泡除去装置1は、液面高さHが第1の位置S1以下とならない程度に気泡が流入する状態では、第1の状態となっており、前述したようにして、血液中の気泡が除去される。気泡が除去された血液は、気泡除去装置1の流出口4から流出して、遠心ポンプ101内を通り、人工肺104に送られる。人工肺104では、血液に対してガス交換(酸素加・脱炭酸ガス)がなされる。ガス交換がなされた(人工肺104を通過した)血液は、送血ライン103を経て、送血カテーテル(図示せず)を介して患者に戻される(送血される)。
また、気泡除去装置1は、当該気泡除去装置1に比較的多量の気泡が流入した状態、すなわち、液面高さHが第1の位置S1以下に下降する程度に気泡が流入した状態では、第2の状態となる。この状態では、前述したようにして、血液中の気泡が気体と血液とに分けられて、当該気体が血液と接触するのが防止されるとともに、当該血液が気泡除去装置1内に戻る。
また、気泡除去装置1は、第2の状態より多量の気泡が流入して液面高さHが第2の位置S2以下に下降したとき、第3の状態となる。この状態では、前述したようにして、血液中の気泡が気体と血液とに分けられて、当該気体が気泡除去装置1から除去されるとともに、当該血液が気泡除去装置1内に戻る。
このように気泡除去装置1では、当該気泡除去装置1に流入した気泡の流入量に関わらず、気泡を気体と血液とに確実に分け、当該気体を効率よくかつ確実に除去することができる。これにより、気泡除去装置1内で気泡との接触による血液の活性化(損傷)を抑制(低減)することができる。その結果、体外循環装置100においても、当該体外循環装置100を循環する血液の全体としての損傷も抑制することができる。また、当該血液を確実に気泡除去装置1内に戻すことができる。これにより、血液のロス(損失)を防止することができる。
なお、前述したように、陰圧室8は、脱気手段に接続されて陰圧に保たれる、すなわち、吸引される。体外循環装置100では、陰圧室8は、常に吸引力が加えられているのが好ましい。
以上、本発明の気泡除去装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、気泡除去装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
本発明の気泡除去装置を示す部分縦断面図(第1の状態)である。 本発明の気泡除去装置を示す部分縦断面図(第2の状態)である。 本発明の気泡除去装置を示す部分縦断面図(第3の状態)である。 図1中のA−A線断面図である。 図1(図2および図3も同様)に示す調圧弁(圧力調整手段)の拡大図である。 図1(図2および図3も同様)に示す気泡除去装置を用いた体外循環装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 気泡除去装置(バブルトラップ)
2 旋回流形成部(外筒)
21 拡径部
211 内周面
22 内周面
24 底部(下部)
25 蓋部
253 孔
26 間隙
28 傾斜面
3 流入口
4 流出口
41 境界部
42 上部開口
5A 第1の弁機構
5B 第2の弁機構
51 ニードル部
511 頂部
512 下部
52 弾性体
53 蓋体(ディスク弁)
531 中央部
8 陰圧室
81 脱気口
82、83 流路
9 フィルタ部材
92 下面
93 最上端部
94 最下端部
10 消泡部材
13 隔壁部(内筒)
131 外周面
132 貫通孔
16 第1のリンク機構
161 一端部
162 他端部
163 アーム部
17 支持軸
18 第2のリンク機構(リンク機構)
181 垂直アーム部
182 水平アーム部
183 一端部(下端部)
184 孔
185 一端部
186 他端部
20 フロート
202 上部
203 下部
204 中間部
205 肩部
30 逆止弁
40 装置本体
50 破泡室(消泡室)
501 第1の連通部
502 第2の連通部
503 第1室
504 第2室
505 収斂形状部(部分)
506 上部(天板)
60 調圧弁(圧力調整手段)
601 基部
602 上側フランジ部
603 下側フランジ部
604 溝
100 体外循環装置
101 遠心ポンプ
102 脱血ライン
103 送血ライン
104 人工肺
104a 血液流出ポート(流出口)
104b 血液流入ポート(流入口)
104c ガス流入ポート
104d 熱媒体流入ポート
104e 熱媒体流出ポート
105 流量計
106、107 分岐ライン
108 コネクタ
110 制御装置
111 脱気ライン
112 陰圧レギュレータ
H 液面高さ
S1 第1の位置
S2 第2の位置

Claims (24)

  1. 体外循環する血液中の気泡を除去する気泡除去装置であって、
    血液が流入する装置本体と、
    前記装置本体の上側に設けられ、気体を吸引する脱気手段に接続されて陰圧に保たれる陰圧室と、
    前記装置本体と前記陰圧室とを隔てるように設けられ、前記装置本体内の気体の通過を許容しかつ前記装置本体内の血液の通過を阻止するフィルタ部材と、
    前記装置本体内にほぼ鉛直方向に移動可能に設置され、該装置本体内の血液の液面高さの変化に応じて移動するフロートと、
    前記装置本体に連通する第1の連通部を有する第1室と、
    前記陰圧室に連通する第2の連通部を有し、気体を貯留可能な第2室と、
    前記第1室と前記第2室とを隔てるように設けられ、消泡剤を担持した消泡部材と、
    前記液面高さの変化による前記フロートの移動に伴って前記第1の連通部を開閉する第1の弁機構と、
    前記第1の弁機構の開閉動作に連動して前記第2の連通部を開閉する第2の弁機構とを備え、
    前記フロートの鉛直方向の位置に応じ、前記第1の連通部および前記第2の連通部がそれぞれ閉じた第1の状態と、前記第1の連通部が開き前記第2の連通部が閉じた第2の状態と、前記第1の連通部および前記第2の連通部がそれぞれ開いた第3の状態とを取り得るよう構成されていることを特徴とする気泡除去装置。
  2. 血液とともに前記装置本体内に気泡が流入した際、その気泡は、前記第1の状態では、前記フィルタ部材を通過し前記陰圧室に流入して脱気され、
    前記第2の状態では、前記気泡の一部が前記第1室に流入し、該流入した気泡が前記消泡部材に接触して破泡し、これにより気体と血液とに分けられて、該気体が前記第2室内に貯留されるとともに該血液が前記第1の連通部を介して前記装置本体内に戻り、
    前記第3の状態では、前記気泡が前記第2の状態のときよりも前記第1室に多く流入して、該流入した気泡が前記消泡部材に接触して破泡し、これにより気体と血液とに分けられて、該気体が前記第2の連通部を介して前記陰圧室に流入して脱気されるとともに該血液が前記第1の連通部を介して前記装置本体内に戻るよう構成されている請求項1に記載の気泡除去装置。
  3. 前記第3の状態で、前記第1の弁機構の開度は、前記第2の状態より大きくなる請求項1または2に記載の気泡除去装置。
  4. 前記第1の状態から前記フロートが徐々に下降していったとき、前記第1の弁機構が開き、それに続いて、前記第2の弁機構が開く請求項1ないし3のいずれかに記載の気泡除去装置。
  5. 前記第3の状態から前記フロートが徐々に上昇していったとき、前記第1の弁機構と前記第2の弁機構がほぼ同時に閉じる、または、前記第2の弁機構が閉じ、それに続いて、前記第1の弁機構が閉じる請求項1ないし4のいずれかに記載の気泡除去装置。
  6. 前記第1の弁機構は、前記フロートの位置が第1の位置を超えて上昇したときに、前記第1の連通部を閉じた状態とし、前記フロートの位置が前記第1の位置以下に下降したときに、前記第1の連通部を開く状態とする請求項1ないし5のいずれかに記載の気泡除去装置。
  7. 前記第2の弁機構は、前記フロートの位置が前記第1の位置より下方の第2の位置を超えて上昇したときに、前記第2の連通部を閉じた状態とし、前記フロートの位置が前記第2の位置以下に下降したときに、前記第2の連通部を開く状態とする請求項6に記載の気泡除去装置。
  8. 前記第1の弁機構は、プレート状またはブロック状をなす蓋体を有し、該蓋体が前記第1の連通部の開口部を塞ぐことにより前記第1の連通部を閉じ、前記蓋体が前記開口部から離間することにより前記第1の連通部が開くよう構成されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の気泡除去装置。
  9. 前記第2の弁機構は、ほぼ円錐状または角錐状をなす頂部が形成されたニードル部と、前記第2の連通部の内周部にその周方向に沿って設置されたリング状の弾性体とを有し、前記頂部の外周面が前記弾性体に密着することにより前記第2の連通部を閉じ、前記頂部の外周面が前記弾性体から離間することにより前記第2の連通部を開くよう構成されたものである請求項1ないし8のいずれかに記載の気泡除去装置。
  10. 前記第1の弁機構と前記第2の弁機構とを連結するリンク機構を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の気泡除去装置。
  11. 前記リンク機構は、前記第1の弁機構が開き始めてから所定量開くまでの間、前記第2の弁機構が閉じた状態を維持する状態維持手段を有する請求項10に記載の気泡除去装置。
  12. 前記第1室、前記消泡部材および前記第2室は、鉛直下方からこの順に配置されている請求項1ないし11のいずれかに記載の気泡除去装置。
  13. 前記第1室は、その内周部が収斂形状をなす部分を有する請求項1ないし12のいずれかに記載の気泡除去装置。
  14. 前記装置本体は、横断面形状がほぼ円環状をなす旋回流形成部と、該旋回流形成部の内周面のほぼ接線方向に設けられ、血液が前記旋回流形成部内で旋回流を形成するように血液を前記旋回流形成部内に導入する流入口と、前記旋回流形成部の下側に設けられた流出口とを有する請求項1ないし13のいずれかに記載の気泡除去装置。
  15. 前記装置本体は、前記第1の連通部の下側近傍に、前記旋回流形成部の中心軸方向に向かって傾斜した傾斜面を有する請求項14に記載の気泡除去装置。
  16. 前記装置本体は、前記旋回流形成部内にその内周面の周方向に沿って、該内周面と間隙を介して設けられた隔壁部を有しており、該隔壁部の内側を前記フロートが移動する請求項14または15に記載の気泡除去装置。
  17. 前記隔壁部には、該隔壁部を貫通する貫通孔が形成されている請求項16に記載の気泡除去装置。
  18. 前記貫通孔は、前記隔壁部の下部に位置する請求項17に記載の気泡除去装置。
  19. 前記フィルタ部材は、水平方向に対して傾斜して設けられている請求項1ないし18のいずれかに記載の気泡除去装置。
  20. 前記第1の連通部は、前記フィルタ部材の最上端部よりも下方に位置する請求項19に記載の気泡除去装置。
  21. 前記第1の連通部は、前記フィルタ部材の最下端部とほぼ同じ高さに位置する請求項19または20に記載の気泡除去装置。
  22. 前記第1の連通部は、その開口面積が前記第2の連通部の開口面積より大きいものである請求項1ないし21のいずれかに記載の気泡除去装置。
  23. 前記第1室および前記第2室内の圧力を調整する圧力調整手段を有する請求項1ないし22のいずれかに記載の気泡除去装置。
  24. 前記フロートの姿勢を維持する姿勢維持手段を有する請求項1ないし23のいずれかに記載の気泡除去装置。
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