JP2008017617A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明にかかるアクチュエータ1は、板状をなす質量部21と、質量部21を支持するための1対の支持部22、23と、質量部21を支持部22、23に対し回動可能に連結する弾性変形可能な1対の弾性部24、25と、質量部21を回動駆動する駆動手段とを有し、前記駆動手段を作動することにより、弾性部24、25を捩れ変形させながら、支持部22、23に対して質量部21を回動させるように構成されたアクチュエータであって、1対の支持部22、23同士の位置関係を変更する変更手段4を有し、変更手段4により1対の支持部22、23同士の位置関係を変更することにより、1対の弾性部24、25に生じる張力を変更して、各弾性部24、25のバネ定数を変更するように構成されている。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、1自由度振動系の捩り振動子を備えるアクチュエータが開示されている。このようなアクチュエータは、1自由度振動系の捩り振動子として、質量部をその両側で捩りバネにより支持した構造を有している。そして、質量部上には光反射性を有する光反射部が設けられており、捩りバネを捩れ変形させながら質量部を回動駆動させて、光反射部で光を反射し走査する。これにより、光走査により描画を行うことができる。
しかしながら、特許文献1にかかるアクチュエータにあっては、使用目的ごとに設計を行っていたため、一旦製造した後は一定の共振周波数でしか駆動させることができない。したがって、使用目的ごとに製造ラインを設けなければならず、アクチュエータの高コスト化を招いていた。
本発明のアクチュエータは、板状をなす質量部と、
前記質量部を支持するための1対の支持部と、
前記支持部に対し前記質量部の姿勢および/または位置を変化可能に連結する弾性変形可能な1対の弾性部と、
前記質量部の姿勢および/または位置を変化させる駆動手段とを有し、
前記駆動手段を作動することにより、前記弾性部を変形させながら、前記支持部に対して前記質量部の姿勢および/または位置を変化させるように構成されたアクチュエータであって、
前記1対の支持部同士の位置関係を変更する変更手段を有し、
前記変更手段により前記1対の支持部同士の位置関係を変更することにより、前記1対の弾性部に生じる張力を変更して、各前記弾性部のバネ定数を変更するように構成されていることを特徴とする。
また、アクチュエータの製造時にて、前記質量部の質量や、前記各弾性部のばね定数が設計値からずれてしまっても、前記変更手段により、前記各弾性部のばね定数を変更することにより、アクチュエータを所望の共振周波数で駆動させることができる。そのため、高精度な加工技術を要することなく安価な加工方法にてアクチュエータを製造することができる。この点からも、アクチュエータの低コスト化を図ることができる。
前記1対の支持部は、前記基板上に設けられていることが好ましい。
これにより、アクチュエータの強度(剛性など)を高めることができ、前記質量部を前記1対の支持部に対して安定的に回動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記1対の支持部は、前記基板に対して、それぞれ前記質量部の面に垂直な方向での移動が規制され、かつ、前記1対の支持部のうちの少なくとも一方の支持部が前記質量部の面と平行な方向へ移動するように設けられていることが好ましい。
これにより、各前記支持部の前記質量部の面に垂直な方向での移動を規制しつつ、前記1対の支持部の位置関係を変更することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記基板に対して移動可能に設けられている前記支持部の移動方向は、前記質量部の回動中心軸とほぼ平行な方向であることが好ましい。
これにより、前記質量部の回動中心軸を一定に保ちつつ、前記変更手段によって前記1対の支持部の位置関係を変更することができる。
前記1対の支持部のうちの他方の支持部が前記基板に対して固定的に設けられ、
前記変更手段は、雄ネジを有するスクリュ軸と、
前記スクリュ軸の回転に追従して移動する従属部とを有し、
前記スクリュ軸を回転することにより、前記従属部の移動に伴って、前記一方の支持部を移動させるように構成されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、かつ、高精度に前記1対の支持部の位置関係を変更することができる。
これにより、前記スクリュ軸をより安定的に回転させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記変更手段は、前記1対の支持部を互いに離隔する方向または接近する方向へ、かつ、ほぼ等しい距離移動させるように構成されていることが好ましい。
これにより、前記基板に対して、前記質量部の位置を一定に保ちつつ、各前記弾性部のばね定数を変更することができる。
前記変更手段は、逆ネジが形成されたスクリュ軸と、
前記スクリュ軸の回転に追従して移動する従属部とを有し、
前記スクリュ軸を回転することにより、前記従属部の移動に伴って、前記1対の支持部をそれぞれ離隔する方向または接近する方向へ移動させるように構成されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、かつ、高精度に前記1対の支持部を互いに離隔する方向または接近する方向へ、かつ、等しい距離移動させることができる。
前記質量部を支持するための1対の支持部と、
前記支持部に対し前記質量部の姿勢および/または位置を変化可能に連結する弾性変形可能な1対の弾性部と、
前記質量部の姿勢および/または位置を変化させる駆動手段とを有し、
前記駆動手段を作動することにより、前記弾性部を変形させながら、前記支持部に対して前記質量部の姿勢および/または位置を変化させるように構成されたアクチュエータであって、
各前記弾性部は、
前記質量部の回動中心軸を介して互いに対向する1対の連結部材を有し、
各前記支持部は、
前記1対の連結部材のうちの一方の連結部材を介して前記質量部を支持する第1の支持部材と、
前記1対の連結部材のうちの他方の連結部材を介して前記質量部を支持する第2の支持部材とを有し、
前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との位置関係を変更する変更手段を有し、
前記変更手段により、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との位置関係を変更することにより、前記1対の弾性部に生じる張力を変更して、各前記弾性部のバネ定数を変更するように構成されていることを特徴とする。
また、アクチュエータの製造時にて、前記質量部の質量や、各前記弾性部のばね定数が設計値からずれてしまっても、前記変更手段により、各前記弾性部のばね定数を変更することにより、アクチュエータを所望の共振周波数で駆動させることができる。そのため、高精度な加工技術を要することなく安価な加工方法にてアクチュエータを製造することができる。この点からも、アクチュエータの低コスト化を図ることができる。
前記1対の支持部は、前記基板上に設けられていることが好ましい。
これにより、アクチュエータの強度(剛性など)を高めることができ、前記質量部を前記1対の支持部に対して安定的に回動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材は、前記質量部の面に直角な方向での移動を規制するように設けられ、かつ、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材のうちの少なくとも一方が前記質量部の面と平行な方向へ移動するように設けられていることが好ましい。
これにより、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材の前記質量部の面に垂直な方向での移動を規制しつつ、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との位置関係を変更することができる。
前記変更手段は、雄ネジを有するスクリュ軸と、
前記スクリュ軸の回転に追従して移動する従属部とを有し、
前記スクリュ軸を回転することにより、前記従属部の移動に伴って、前記第1の支持部材または前記第2の支持部材の一方が前記スクリュ軸方向へ移動するように構成されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、かつ、高精度に前記第1の支持部材または前記第2の支持部材の一方を移動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記スクリュ軸は、前記他方の第1の支持部材または前記第2の支持部材に回転可能に支持されていることが好ましい。
これにより、前記スクリュ軸をより安定的に回転させることができる。
前記変更手段は、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材を互いに前記質量部の回動中心軸に対称な方向へ、かつ、ほぼ等しい距離移動させることが好ましい。
これにより、前記質量部の回動中心軸を一定に保ちつつ、前記変更手段によって前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との位置関係を変更することができる。
前記変更手段は、逆ネジが形成されたスクリュ軸と、
前記スクリュ軸の回転に追従して移動する従属部とを有し、
前記スクリュ軸を回転することにより、前記従属部の移動に伴って、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材を互いに離隔する方向または接近する方向へ移動させるように構成されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、かつ、高精度に前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とを反対方向へ、かつ、等しい距離移動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材の移動方向は、前記質量部の面上にて、前記質量部の回動中心軸に対して直角な方向であることが好ましい。
これにより、より高精度に各前記弾性部のばね定数を変更することができる。
前記駆動手段が、前記第1の弾性部を捩れ変形させながら前記第1の質量部を回動させ、これに伴い、前記第2の弾性部を捩れ変形させながら前記質量部を回動させるように構成されていることが好ましい。
これにより、前記弾性部にかかる応力を少なくしつつ、質量部の回動角を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記質量部には、光反射性を有する光反射部が設けられていることが好ましい。
これにより、優れた走査性を発揮するアクチュエータを提供することができる。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態を説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1中のB−B線断面図、図4は、図1に示すアクチュエータの電極の配置を示す平面図、図5は、図1に示すアクチュエータの駆動電圧の電圧波形の一例を示す図、図6は、図1に示すアクチュエータの駆動電圧として交流電圧を用いた場合における交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部のそれぞれの振幅との関係を示すグラフである。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中および図3中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
基体2は、質量部(可動部)21と、1対の支持部22、23と、1対の弾性部24、25とを備えている。
弾性部24は、第1の質量部(以下「駆動部」という)241と、第1の弾性部242と、第2の弾性部243とを備え、これと同様に、弾性部25は、第1の質量部(以下「駆動部」という)251と、第1の弾性部252と、第2の弾性部253とを備えている。すなわち、基体2は、質量部21と、1対の支持部22、23と、1対の駆動部241、251と、1対の第1の弾性部242、252と、1対の第2の弾性部243、253とを備えている。
また、このようなアクチュエータ1にあっては、後述する変更手段4により、1対の支持部22、23の互いの位置関係を変更することにより、各弾性部24、25に生じる張力を変更し、各弾性部24、25のバネ定数を変更することができる。
また、1対の駆動部241、251の間には、質量部21が設けられており、1対の駆動部241、251は、質量部21における平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。同様に、1対の第1の弾性部242、252は、質量部21における平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられており、1対の第2の弾性部243、253は、質量部21における平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。また、1対の支持部22、23は、質量部21における平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。すなわち、本実施形態にかかるアクチュエータ1は、質量部21における平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように形成されている。
このような駆動部241、251および質量部21にあっては、駆動部241が第1の弾性部242を介して支持部22に接続され、質量部21が第2の弾性部243を介して駆動部241に接続されている。これと同様に、駆動部251が第1の弾性部252を介して支持部23に接続され、質量部21が第2の弾性部253を介して駆動部251に接続されている。
また、弾性部24のうち、第1の弾性部242および第2の弾性部243は、弾性変形(主として捩れ変形)可能な棒状部材である。これと同様に、弾性部25のうち、第1の弾性部252および第2の弾性部253は、弾性変形可能な棒状部材である。
このような第1の弾性部242、252および第2の弾性部243、253は、同軸的に設けられており、これらを回動中心軸(回転軸)Xとして、駆動部241が支持部22に対して回動可能となっており、また、駆動部251が支持部23に対して回動可能となっている。さらに、質量部21が駆動部241、251に対して回動可能となっている。
このような2自由度振動系は、基体2の全体の厚さよりも薄く形成されているとともに、図2にて上下方向で基体2の上部に位置している。言い換えすれば、基体2には、基体2の全体の厚さよりも薄い部分が形成されており、この薄い部分に異形孔が形成されることにより、質量部21と駆動部241、251と第1の弾性部242、252と第2の弾性部243、253とが形成されている。
このような基体2は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、質量部21と、駆動部241、251と、支持部22、23と、第1の弾性部242、252と、第2の弾性部243、253とが一体的に形成されている。
具体的には、棒状のスクリュ軸41は、図2に示すように、雄ネジ部411と、雄ネジ部411と逆ネジの関係にある雄ネジ部412とを有する。一方、支持部22には、雄ネジ部411の回転に追従して移動する雌ネジ(従属部)42が形成され、同様に、支持部22には、雄ネジ部412の回転に追従して移動する雌ネジ(従属部)43が形成されている。そして、雄ネジ部411と雌ネジ42とが螺合し、かつ、雄ネジ部412と雌ネジ43とが螺合するようにスクリュ軸41が回転可能に設けられている。
また、スクリュ軸41は、回動中心軸X(すなわち、弾性部24、25)の直下に設けられているため、質量部21および駆動部241、251の振動角を大きくすることができる。
なお、本実施形態では、雌ネジ(従属部)42、43を支持部22、23に設けているが、スクリュ軸41の回転による従属部42、43の移動に伴って、支持部22、23の位置を変更することができれば、これに限定されず、例えば、支持部22、23と固定的に設けられた図示しない部材に従属部42、43が設けられていてもよい。
支持基板3は、質量部21の面に平行な面を有しており、支持部22、23が支持基板3上に設けられている。このように、基体2を支持基板3上に設けることにより、アクチュエータ1(特に支持部22、23)の強度(剛性など)を高めることができ、質量部21を1対の支持部22、23に対して安定的に回動させることができる。その結果、アクチュエータ1は、優れた回動特性を発揮することができる。
開口部31は、質量部21に対応する部分に形成されており、質量部21が回動(振動)する際に、支持基板3に接触するのを防止する逃げ部を構成する。開口部(逃げ部)31を設けることにより、アクチュエータ1全体の大型化を防止しつつ、質量部21の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
ガイド溝35は、図1に示すように、回動中心軸Xと平行な方向へ延在するように設けられている。また、ガイド溝35の横断面は、図3に示すように、支持基板3の下面(基体2と反対側の面)から上面(基体2側の面)に向けてガイド溝35の幅が漸減している。
なお、駆動部241の電極32に対抗する面には、図示しない絶縁膜が設けられており、これと同様に、駆動部251の電極33に対向する面には、図示しない絶縁膜が設けられている。これにより、駆動部241と電極32の間および/または駆動部251と電極33の間で短絡が発生することを好適に防止することができる。
すなわち、電極32と駆動部241との間および電極33と駆動部251との間に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加する。具体的には、例えば、まず、1対の駆動部241、251をアースしておく。この状態にて、1対の電極32、33のうち、図3中上側の電極に図4(a)に示すような波形の電圧を印加し、図3中下側の電極に図4(b)に示すような波形の電圧を印加する。すると、電極32と駆動部241との間および電極33と駆動部251との間に静電気力(クーロン力)が生じ、1対の駆動部241、251が、それぞれ電極32、33の方へ引き付けられる。
そして、この1対の駆動部241、251の回動に伴って、第2の弾性部243、253を介して連結されている質量部21も、回動中心軸Xを軸に、基体2の板面に傾斜するように振動(回動)する。
駆動部241の回動中心軸Xからこれにほぼ垂直な方向(長手方向)での長さをL1とし、駆動部251の回動中心軸Xからこれにほぼ垂直な方向(長手方向)での長さをL2とし、質量部21の回動中心軸Xからこれにほぼ垂直な方向での長さをL3としたとき、本実施形態では、駆動部241、251が、それぞれ独立して設けられているため、質量部21の大きさ(長さL3)にかかわらず、駆動部241、251と質量部21とが干渉せず、L1およびL2を小さくすることができる。これにより、駆動部241、251の回転角度(振れ角)を大きくすることができ、その結果、質量部21の回転角度を大きくすることができる。
また、駆動部241、251および質量部21の寸法は、それぞれ、L1<L3かつL2<L3なる関係を満足するよう設定されるのが好ましい。
この場合、質量部21の最大回転角度が、20°以上となるように構成されるのが好ましい。
これらによって、駆動部241、251の低電圧駆動と、質量部21の大回転角度での振動(回動)とを実現することができる。
なお、前述したように、本実施形態では、L1とL2とはほぼ等しく設定されているが、L1とL2とが異なっていてもよいことは言うまでもない。
すなわち、かかる振動系は、駆動部241、251の振幅と、質量部21の振幅とが大きくなる2つの共振周波数fm1[kHz]、fm3[kHz](ただし、fm1<fm3)と、駆動部241、251の振幅がほぼ0となる、1つの反共振周波数fm2[kHz]とを有している。
なお、本明細書中では、F[kHz]とfm1[kHz]とがほぼ等しいとは、(fm1−1)≦F≦(fm1+1)の条件を満足することを意味する。
駆動部241、251の平均厚さは、それぞれ、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
質量部21の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
一方、第2の弾性部243、253のばね定数k2は、1×10−4〜1×104Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×103Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×102Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、駆動部241、251の振れ角を抑制しつつ、質量部21の振れ角をより大きくすることができる。
さらに、駆動部241、251の慣性モーメントをJ1とし、質量部21の慣性モーメントをJ2としたとき、J1とJ2とは、J1≦J2なる関係を満足することが好ましく、J1<J2なる関係を満足することがより好ましい。これにより、駆動部241、251の振れ角を抑制しつつ、質量部21の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
このようにして求められる第1の振動系の固有振動数ω1と第2の振動系の固有振動数ω2とは、ω1>ω2なる関係を満足するのが好ましい。これにより、駆動部241、251の振れ角を抑制しつつ、質量部21の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
変更手段4は、支持部22と支持部23との位置関係を変更することにより、1対の弾性部24、25に生じる張力を変更して、各弾性部24、25のバネ定数を変更するように構成されている。これにより、アクチュエータ1の製造後においても各弾性部24、25のバネ定数を変化させ、質量部21および駆動部241、251の共振周波数を所望の値に変更することができる。したがって、アクチュエータ1の製造時に、アクチュエータ1を設置する機器の種類などの使用目的ごとに製造ラインを設ける必要がなくなる。その結果、アクチュエータ1の低コスト化を図ることができる。
また、スクリュ軸41を用いることで、支持部22と支持部23の位置関係の微細な調整が可能となる。
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図7は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す斜視図、図8は、図7中のA−A断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図9の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。また、図10の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
第2実施形態のアクチュエータ1Aは、支持部22Aが、支持基板3Aに対して固定的に設けられている以外は、第1実施形態のアクチュエータ1とほぼ同様である。
すなわち、支持部22Aは、支持基板3Aに対して固定的に設けられており、一方、支持部23Aは、支持基板3Aに対して移動するように設けられている。具体的には、支持部22Aと対向基板3Aとは、例えば、陽極接合などにより接合されている。一方、支持部23Aは、対向基板3Aに設けられたガイド溝36Aに沿って(図7中の矢印方向へ)移動できるように支持されている。
なお、本実施形態では、支持部22Aを支持基板3Aに対して固定的に設けているが、これに限定されず、支持部23Aを支持基板3Aに固定的に設け、支持部22Aを支持基板3に対して移動可能に設けてもよい。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図9は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す斜視図、図10は、図9中のA−A断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図9の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。また、図10の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
第3実施形態のアクチュエータ1Bは、1対の支持部22B、23Bの構成および1対の第1の弾性部242B、252Bの構成が異なる以外は、第1実施形態のアクチュエータ1とほぼ同様である。
本実施形態にかかるアクチュエータ1Bは、図9に示すような2自由度振動系を有する基体2Bと、この基体2Bを支持する支持基板3Bとを有している。
具体的には、支持部22Bは、連結部材244Bを介して駆動部241Bを支持する第1の支持部材221Bと、連結部材245Bを介して駆動部241Bを支持する第2の支持部材222Bとで構成されている。これと同様に、支持部23Bは、連結部材254Bを介して駆動部251Bを支持する第1の支持部材231Bと、連結部材255Bを介して駆動部251Bを支持する第2の支持部材232Bとで構成されている。
なお、以下、説明の便宜上、第1の支持部材221Bを単に「支持部材221B」といい、第1の支持部材231Bを単に「支持部材231B」といい、第2の支持部材222Bを単に「支持部材222B」といい、第2の支持部材232Bを単に「支持部材232B」という。
また、1対の第1の弾性部242B、252Bは、質量部21Bにおける平面視にて、質量部21Bを中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。さらに、1対の連結部材244B、245Bは、質量部21Bにおける平面視にて、回動中心軸Xに対して、ほぼ対称となるように設けられており、これと同様に、1対の連結部材254B、255Bは、質量部21における平面視にて、回動中心軸Xに対して、ほぼ対称となるように設けられている。
また、1対の支持部22B、23Bは、質量部21における平面視にて、質量部21Bを中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。すなわち、支持部材221Bと支持部材231Bとは、質量部21Bにおける平面視にて、質量部21Bを中心として、ほぼ左右対称となるように設けられており、これと同様に、支持部材222Bと支持部材232Bとは、質量部21Bにおける平面視にて、質量部21Bを中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。さらに、支持部材221Bと支持部材222Bとは、質量部21Bにおける平面視にて、回動中心軸Xに対して、ほぼ対称となるように設けられており、これと同様に、支持部材231Bと支持部材232Bとは、質量部21Bにおける平面視にて、回動中心軸Xに対して、ほぼ対称となるように設けられている。
すなわち、本実施形態にかかるアクチュエータ1Bは、質量部21Bにおける平面視にて、質量部21Bを中心として、ほぼ左右対称となるように形成されている。
なお、支持部22Bと支持部23Bとは、同様の構成であるため、支持部22Bについて代表して説明し、支持部23Bについては、その説明を省略する。
このような基体2Bは、図9および図10に示すように、支持基板3B上に設けられている。
ガイド溝35Bは、図10に示すように、平面視にて、回動中心軸Xと直角な方向へ延在するように設けられている。また、ガイド溝35Bの横断面形状は、支持基板3Bの下面から上面に向けてガイド溝35Bの幅が漸減する形状をなしている。
変更手段4Bは、支持部材221Bと支持部材222Bとの位置関係および/または支持部材231Bと支持部材232Bとの位置関係を変更することにより、1対の弾性部24B、25Bに生じる張力を変更して、各弾性部24B、25Bのバネ定数を変更するように構成されている。これにより、アクチュエータ1Bの製造後においても各弾性部24B、25Bのバネ定数を変化させ、質量部21Bおよび駆動部241B、251Bの共振周波数を所望の値に変更することができる。したがって、アクチュエータ1Bの製造時に、アクチュエータ1Bを設置する機器の種類などの使用目的ごとに製造ラインを設ける必要がなくなる。その結果、アクチュエータ1Bの低コスト化を図ることができる。
これと同様に、支持部材231Bと支持部材232Bとを互いに質量部21Bの回動中心軸Xに対称な方向へ、かつ、ほぼ等しい距離移動させるように変更手段4Bが構成されている。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図11は、本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す斜視図、図12は、図11中のA−A線断面図である。
以下、第4実施形態のアクチュエータ1Cについて、前述した第1実施形態のアクチュエータ1ないし第3実施形態のアクチュエータ1Bとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態のアクチュエータ1Cは、支持部材221Cおよび支持部材231Cが、支持基板3Cに対して固定的に設けられている以外は、第3実施形態のアクチュエータ1Cとほぼ同様である。
支持部22Cは、支持部材221Cと支持部材222Cとで成されている。このうち、支持部材221Cは、例えば陽極接合などにより支持基板3Cに接合されている。一方、支持部材222Cは、支持基板3Cに形成されたガイド溝35Cに沿って移動するように支持基板3Cに支持されている。
また、前述したように、スクリュ軸41Cは、支持部材221Cに回転可能に支持されているため、スクリュ軸41Cをより安定的に回転させることができる。
このような第4実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、前述した実施形態では、第2の弾性部が棒状(直線状)をなしていたが、駆動部の回動に伴って捩れ変形し、質量部を回動駆動させることができるものであれば、第2の弾性部の形状は任意である。例えば、第2の弾性部は湾曲していてもよい。
また、前述した実施形態では、光反射部が質量部の上面(支持基板とは逆側の面)に設けられている構成について説明したが、例えば、その逆の面に設けられている構成であってもよいし、両方の面に設けられている構成であってもよい。
また、前述した実施形態では、1対の弾性部を捩り変形させて、支持部に対して質量部が回動中心軸を中心に回動するアクチュエータについて説明したが、支持部に対して質量部の位置および/または姿勢が変化するように構成されているアクチュエータであれば、特に限定されない。例えば、質量部が面と平行な方向へ往復移動するように構成されたアクチュエータでもよく、また、弾性部が捩れ変形しなくてもよい。
Claims (18)
- 板状をなす質量部と、
前記質量部を支持するための1対の支持部と、
前記支持部に対し前記質量部の姿勢および/または位置を変化可能に連結する弾性変形可能な1対の弾性部と、
前記質量部の姿勢および/または位置を変化させる駆動手段とを有し、
前記駆動手段を作動することにより、前記弾性部を変形させながら、前記支持部に対して前記質量部の姿勢および/または位置を変化させるように構成されたアクチュエータであって、
前記1対の支持部同士の位置関係を変更する変更手段を有し、
前記変更手段により前記1対の支持部同士の位置関係を変更することにより、前記1対の弾性部に生じる張力を変更して、各前記弾性部のバネ定数を変更するように構成されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記質量部の面に平行な面を有する基板を有し、
前記1対の支持部は、前記基板上に設けられている請求項1に記載のアクチュエータ。 - 前記1対の支持部は、前記基板に対して、それぞれ前記質量部の面に垂直な方向での移動が規制され、かつ、前記1対の支持部のうちの少なくとも一方の支持部が前記質量部の面と平行な方向へ移動するように設けられている請求項2に記載のアクチュエータ。
- 前記基板に対して移動可能に設けられている前記支持部の移動方向は、前記質量部の回動中心軸とほぼ平行な方向である請求項3に記載のアクチュエータ。
- 前記1対の支持部のうちの一方の支持部が前記基板に対して移動するように設けられ、
前記1対の支持部のうちの他方の支持部が前記基板に対して固定的に設けられ、
前記変更手段は、雄ネジを有するスクリュ軸と、
前記スクリュ軸の回転に追従して移動する従属部とを有し、
前記スクリュ軸を回転することにより、前記従属部の移動に伴って、前記一方の支持部を移動させるように構成されている請求項2ないし4のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記スクリュ軸は、前記他方の支持部に回転可能に支持されている請求項5に記載のアクチュエータ。
- 前記変更手段は、前記1対の支持部を互いに離隔する方向または接近する方向へ、かつ、ほぼ等しい距離移動させるように構成されている請求項4に記載のアクチュエータ。
- 各前記支持部は、前記基板に対して移動するように設けられ、
前記変更手段は、逆ネジが形成されたスクリュ軸と、
前記スクリュ軸の回転に追従して移動する従属部とを有し、
前記スクリュ軸を回転することにより、前記従属部の移動に伴って、前記1対の支持部をそれぞれ離隔する方向または接近する方向へ移動させるように構成されている請求項7に記載のアクチュエータ。 - 板状をなす質量部と、
前記質量部を支持するための1対の支持部と、
前記支持部に対し前記質量部の姿勢および/または位置を変化可能に連結する弾性変形可能な1対の弾性部と、
前記質量部の姿勢および/または位置を変化させる駆動手段とを有し、
前記駆動手段を作動することにより、前記弾性部を変形させながら、前記支持部に対して前記質量部の姿勢および/または位置を変化させるように構成されたアクチュエータであって、
各前記弾性部は、
前記質量部の回動中心軸を介して互いに対向する1対の連結部材を有し、
各前記支持部は、
前記1対の連結部材のうちの一方の連結部材を介して前記質量部を支持する第1の支持部材と、
前記1対の連結部材のうちの他方の連結部材を介して前記質量部を支持する第2の支持部材とを有し、
前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との位置関係を変更する変更手段を有し、
前記変更手段により、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との位置関係を変更することにより、前記1対の弾性部に生じる張力を変更して、各前記弾性部のバネ定数を変更するように構成されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記質量部の面に平行な面を有する基板を有し、
前記1対の支持部は、前記基板上に設けられている請求項9に記載のアクチュエータ。 - 前記第1の支持部材および前記第2の支持部材は、前記質量部の面に直角な方向での移動を規制するように設けられ、かつ、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材のうちの少なくとも一方が前記質量部の面と平行な方向へ移動するように設けられている請求項10に記載のアクチュエータ。
- 前記第1の支持部材および前記第2の支持部材のうちの一方が前記基板に対して移動するように設けられ、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材のうちの他方が、前記基板に対して固定的に設けられ、
前記変更手段は、雄ネジを有するスクリュ軸と、
前記スクリュ軸の回転に追従して移動する従属部とを有し、
前記スクリュ軸を回転することにより、前記従属部の移動に伴って、前記第1の支持部材または前記第2の支持部材の一方が前記スクリュ軸方向へ移動するように構成されている請求項10または11に記載のアクチュエータ。 - 前記スクリュ軸は、前記他方の第1の支持部材または前記第2の支持部材に回転可能に支持されている請求項12に記載のアクチュエータ。
- 前記第1の支持部材および前記第2の支持部材は、前記基板に対して移動するように設けられ、
前記変更手段は、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材を互いに前記質量部の回動中心軸に対称な方向へ、かつ、ほぼ等しい距離移動させる請求項11に記載のアクチュエータ。 - 各前記支持部において、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材が前記基板に対して移動するように設けられ、
前記変更手段は、逆ネジが形成されたスクリュ軸と、
前記スクリュ軸の回転に追従して移動する従属部とを有し、
前記スクリュ軸を回転することにより、前記従属部の移動に伴って、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材を互いに離隔する方向または接近する方向へ移動させるように構成されている請求項14に記載のアクチュエータ。 - 前記第1の支持部材および前記第2の支持部材の移動方向は、前記質量部の面上にて、前記質量部の回動中心軸に対して直角な方向である請求項15に記載のアクチュエータ。
- 各前記弾性部は、板状の第1の質量部と、前記支持部に対して前記第1の質量部を回動可能とするように、前記支持部と前記第1の質量部とを連結する第1の弾性部と、前記第1の質量部に対して前記質量部を回動可能とするように、前記第1の質量部と前記質量部とを連結する第2の弾性部とを有し、
前記駆動手段が、前記第1の弾性部を捩れ変形させながら前記第1の質量部を回動させ、これに伴い、前記第2の弾性部を捩れ変形させながら前記質量部を回動させるように構成されている請求項1ないし16のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記質量部には、光反射性を有する光反射部が設けられている請求項1ないし17のいずれかに記載のアクチュエータ。
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