実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による携帯電話機1の一例を示した斜視図であり、筐体を展開した状態を示している。この携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機であり、それぞれ薄型の直方体形状からなる表示筐体2及び操作筐体5がヒンジ部3を介して連結され、表示筐体2及び操作筐体5の各主面を対向させた状態でコンパクトに折り畳むことができるようになっている。
表示筐体2には、折り畳んだ状態で操作筐体5に対向する主面に表示部2a及び受話用レシーバ8が配置されている。表示部2aは、長方形の表示画面を有する液晶表示器からなり、その長手方向が表示筐体2の長手方向と一致するように配置されている。受話用レシーバ8は、通話時に相手方電話機からの音声を出力するための第1音声出力手段であり、表示筐体2におけるヒンジ部3と反対側の端部に配置されている。
操作筐体5には、折り畳んだ状態で表示筐体2に対向する主面及び当該主面に対して右側の端面に、それぞれ複数の操作キーが配置されている。上記主面に配置されている複数の操作キー(以下、「主面キー4a」と呼ぶ。)は、数字を入力する際などに操作されるテンキー4cや、動作状況によって種々の機能が割り当てられるガイドキー4dを含む第1操作キー群を構成している。また、上記端面に配置されている複数の操作キー(以下、「端面キー4b」と呼ぶ。)は、主面キー4aよりも少ない操作キーからなる第2操作キー群を構成している。上記主面のヒンジ部3と反対側の端部には、通話時にユーザの音声を入力する音声入力手段としての送話用マイクロホン7が配置されている。
ヒンジ部3は、表示筐体2及び操作筐体5を可動連結する可動連結部であり、表示筐体2及び操作筐体5の各主面が対向するように折り畳み可能に連結している。また、表示筐体2は、表示部2aの表示画面に対して垂直方向に延びる回転軸(不図示)を介して、ヒンジ部3に回転可能に連結されている。これにより、表示筐体2は、表示部2aの表示画面に水平な面内で回転可能に保持され、操作筐体5に対する傾斜角度を保った状態で回転できるようになっている。
図2は、図1の携帯電話機1の表示筐体2を回転させた状態を示した斜視図であり、正面から見て図1の状態から時計回りに約45°回転させた状態を示している。図3は、図1の携帯電話機1の表示筐体2を回転させた状態を示した斜視図であり、正面から見て図1の状態から時計回りに90°回転させた状態を示している。
ユーザは、操作筐体5を把持した状態で、表示筐体2を表示部2aの表示画面に水平な面内において90°の角度範囲内で回転させることにより、図1に示した縦長表示状態と図3に示した横長表示状態との間で表示筐体2を回転させることができる。図1に示した縦長表示状態では、表示部2aの表示画面に、その長手方向を上下方向として画像が表示される。一方、図3に示した横長表示状態では、表示部2aの表示画面に、その短手方向を上下方向として画像が表示される。
図4は、携帯電話機1の電気的構成の一例を示したブロック図である。この携帯電話機1は、プロセッサからなる制御部6、並びに、この制御部6によりそれぞれ制御可能な表示部2a、操作部4、送話用マイクロホン7、受話用レシーバ8、スピーカ9、セルラー通信部10、テレビ放送受信部11、チューナ12、受信感度検出センサ13、回転検出センサ14及びメモリ15を備えている。操作部4は、ユーザによって操作される操作手段であり、上述の主面キー4a及び端面キー4bが含まれる。スピーカ9は、受話用レシーバ8よりも音声を増幅して出力する第2音声出力手段である。
セルラー通信部10は、通信用アンテナ10aを介して基地局との間で電波を送受信することにより、通話音の送受信を行う。相手方電話機との間で通信状態が確立された状態では、ユーザの通話音に基づく音声信号がセルラー通信部10から送信され、相手方電話機からの通話音に基づく音声信号がセルラー通信部10で受信されることにより、通話音の送受信が行われる。また、セルラー通信部10は、基地局を介して文字情報を送受信することにより、相手方電話機との間で電子メールの送受信を行うことができる。
テレビ放送受信部11は、テレビ放送受信用アンテナ11aを介して、テレビ局から発信されているテレビ放送波を受信する。テレビ局から発信されているテレビ放送波には、アナログ放送に対応したアナログ放送波と、デジタル放送に対応したデジタル放送波とが含まれている。このテレビ放送受信部11が受信するデジタル放送波は、一般のデジタルハイビジョン放送波の一定帯域に割り当てられた携帯電話機向けの1セグメント放送波であり、テレビ画像及びテレビ音声に加えて、そのテレビ画像に対応する字幕や関連する記事などの文字情報が含まれている。
チューナ12は、テレビ放送受信部11により受信されるテレビ放送波から、指定されたチャンネルのテレビ放送波を抽出するチューニング手段である。すなわち、ユーザによる操作部4の操作等に基づいてチャンネルが指定されると、その指定されたチャンネルのテレビ放送波がチューナ12により抽出されるようになっている。このようにして抽出されたテレビ放送波に基づいて、表示部2aにテレビ画像を表示するとともに、そのテレビ画像に対応するテレビ音声をスピーカ9から出力することにより、テレビ放送を視聴することができる。
受信感度検出センサ13は、チューナ12により抽出されたテレビ放送波のテレビ放送受信部11における受信感度を検出する。回転検出センサ14は、機械的又は電気的なスイッチにより構成され、ユーザによる表示筐体2の回転操作を検出することにより、ユーザに対する表示画面の配置方向を検出する方向検出手段である。メモリ15には、複数のアプリケーションプログラムが記憶されているアプリケーションプログラム記憶部16と、これらのアプリケーションプログラムに関するテーブルが記憶されているアプリケーションテーブル記憶部17と、操作部4の各操作キーの操作に対して制御部6が行う処理の割り当てを記憶するキー割当テーブル記憶部18とが備えられている。
アプリケーションプログラム記憶部16には、テレビアプリケーションプログラム16a、メールアプリケーションプログラム16b、通話アプリケーションプログラム16c、時計アプリケーションプログラム16d及びカレンダーアプリケーションプログラム16eなどが記憶されている。テレビアプリケーションプログラム16aには、テレビ放送波を受信して表示部2aにテレビ画像を表示させるとともに、そのテレビ画像に対応するテレビ音声をスピーカ9から出力させるためのプログラムが含まれる。メールアプリケーションプログラム16bには、セルラー通信部10を介して電子メールを送受信するためのプログラムが含まれる。通話アプリケーションプログラム16cには、セルラー通信部10を介して通話音を送受信するためのプログラムが含まれる。時計アプリケーションプログラム16dには、計時手段(不図示)により計測されている現在の時刻を表示部2aに表示させるためのプログラムが含まれる。カレンダーアプリケーションプログラム16eには、暦に従って日付を表示部2aに表示させるためのプログラムが含まれる。
図5は、表示筐体2を縦長表示状態及び横長表示状態に切り替えたときの表示態様の一例を示した概略図であり、(a)は縦長表示状態の携帯電話機1、(b)は横長表示状態の携帯電話機1を示している。図5(a)に示した縦長表示状態における表示部2aの表示画面は、上端部に形成されたピクト表示領域21と、下端部に形成されたガイド表示領域22と、それらの間に形成されたアプリケーション表示領域23とからなる。アプリケーション表示領域23は、ピクト表示領域21やガイド表示領域22と比べて表示面積が大きく形成されている。この例では、縦長表示状態における表示画面の横幅が240画素、縦幅が400画素であり、ピクト表示領域21及びガイド表示領域22の縦幅がそれぞれ40画素、アプリケーション表示領域23の縦幅が320画素である。
ピクト表示領域21には、セルラー通信部10における電波の受信感度や、当該携帯電話機1に電力を供給している電池(不図示)の容量などを表す画像が表示される。ガイド表示領域22には、主面キー4aに含まれるガイドキー4dの各操作キーに対応する配置でガイド表示22aが表示される。図5には示していないが、各ガイド表示22aには、対応するガイドキー4dが選択されるのに基づいて制御部6が行う処理の内容を表す文字が重ねて表示される。したがって、ユーザは、ガイド表示領域22内のガイド表示22aを確認しながらガイドキー4dの対応する操作キーを操作することにより、当該操作キーに対応する処理を制御部6に実行させることができる。
アプリケーション表示領域23には、そのとき起動されているアプリケーションプログラムに基づく画像が表示される。この例では、図5(a)の縦長表示状態において、メールアプリケーションプログラム16bが起動され、送信する電子メールの文字情報を入力するための文字入力画面がアプリケーション表示領域23に表示されている場合を示している。この文字入力画面は、入力された電子メールの文字情報を表示する本文表示領域23aと、入力された文字情報を漢字などに変換するための操作に基づいて変換後の文字の候補を表示する変換候補表示領域23bとからなる。入力された文字情報に対する変換後の文字の候補が複数存在する場合には、それらの複数の候補が変換候補表示領域23b内において表示画面の長手方向に並べて列挙され、ユーザは、主面キー4aを操作することによりいずれか候補を選択して本文表示領域23aに表示させることができる。
本実施の形態では、回転検出センサ14からの検出信号に基づいて、表示筐体2が縦長表示状態から横長表示状態に回転されたことが検出されると、予め定められたアプリケーションプログラムが起動されるようになっている。図5(a)に示すように既にアプリケーションプログラムが起動されている状態で、表示筐体2が縦長表示状態から横長表示状態に回転されると、そのアプリケーションプログラムとは異なるアプリケーションプログラムが起動されるようになっている。
このとき、表示部2aの表示画面は、図5(a)に示した縦長表示状態から図5(b)に示した横長表示状態に回転されるのに連動して、長手方向に並ぶ2つの表示領域20a,20bに分割される。これらの2つの表示領域のうち左側の表示領域20aには、縦長表示状態で起動されていたアプリケーションプログラムに基づく画像が引き続き表示され、右側の表示領域20bには、新たに起動されたアプリケーションプログラムに基づく画像が表示される。したがって、横長表示状態では、縦長表示状態のときにアプリケーション表示領域23に表示されていた画像を左側の表示領域20aに引き続き表示しつつ、右側の表示領域20bに新たな表示を行うことができるので、利便性が向上する。
この例では、横長表示状態における左側の表示領域20aの横幅が、縦長表示状態におけるアプリケーション表示領域23の横幅と等しくなるように表示画面が分割されるようになっている。したがって、図5(a)及び(b)に示すように、縦長表示状態のときと同じ横幅で、横長表示状態における左側の表示領域20aに本文表示領域23a及び変換候補表示領域23bを配置することができる。横長表示状態における左側の表示領域20aの縦幅は、縦長表示状態におけるアプリケーション表示領域23の縦幅よりも短くなるが、その分だけ変換候補表示領域23bの縦幅を小さくして表示内容を減らすことにより、本文表示領域23aの縦幅は表示切替の前後で変化しないようになっている。
このように、縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられる前後で、同じ横幅の表示領域に引き続き表示を行うことができるので、表示切替の前後で表示画像のレイアウトが大きく変化することに起因して、ユーザにとって表示が見づらくなるのを防止することができる。また、縦長表示状態と横長表示状態とで横幅の異なるレイアウトを用意する必要がないので、製造工程を簡略化することができる。
横長表示状態における右側の表示領域20bは、上端部に形成されたピクト表示領域24と、下端部に形成されたガイド表示領域25と、それらの間に形成されたアプリケーション表示領域26とからなる。縦長表示状態から横長表示状態への切替により新たに起動されたアプリケーションプログラムに基づく画像は、右側の表示領域20bのアプリケーション表示領域26に表示される。この例では、縦長表示状態から横長表示状態への切替に基づいてテレビアプリケーションプログラム16aが起動され、テレビ放送受信部11で受信したテレビ放送に基づく画像がアプリケーション表示領域26に表示されている。
ピクト表示領域24には、縦長表示状態におけるピクト表示領域21に表示されていた画像が、縮小又は拡大されることなく同じ大きさで表示される。同様に、ガイド表示領域25にも、縦長表示状態におけるガイド表示領域22に表示されていたガイド表示22aが、縮小又は拡大されることなく同じ大きさで表示される。したがって、ピクト表示領域21,24やガイド表示領域22,25に表示させる画像として、表示切替の前後で異なる画像を用意する必要がないので、製造工程を簡略化することができる。
また、本実施の形態では、表示筐体2が縦長表示状態から横長表示状態に回転され、2つのアプリケーションプログラムが起動された状態となったときに、主面キー4aの操作に基づいて制御部6が行う処理と、端面キー4bの操作に基づいて制御部6が行う処理とが、各アプリケーションプログラムに対応付けて割り当てられるようになっている。
具体的には、横長表示状態において、主面キー4aには、メールアプリケーションプログラム16bに基づく画像が表示されている左側の表示領域20aに関する処理として、文字情報を入力するための処理や電子メールの送信を指示する処理などが割り当てられる。また、横長表示状態において、端面キー4bには、テレビアプリケーションプログラム16aに基づく画像が表示されている右側の表示領域20bに関する処理として、チューナ12が抽出するテレビ放送波のチャンネルを変更する処理やスピーカ9から出力されるテレビ音声の音量を変更する処理などが割り当てられる。主面キー4aには、縦長表示状態のときからメールアプリケーションプログラム16bに対応する処理が割り当てられており、表示切替の前後で主面キー4aに対する操作に基づいて制御部6が行う処理は変化しないようになっている。
このような構成によれば、表示部2aの表示画面を2つの表示領域20a,20bに分割し、各表示領域20a,20bに関する処理を実行させるために操作される操作キーを主面キー4aと端面キー4bとに分けることができる。主面キー4aは操作筐体5の主面に形成され、端面キー4bは操作筐体5の端面に形成されているので、各表示領域20a,20bに関する処理を実行させるためにいずれの操作キー群を操作すればよいかがユーザにとって分かりやすく、操作性が向上する。
また、横長表示状態における2つの表示領域20a,20bが並ぶ方向と、これらの各表示領域20a,20bに関する処理を実行させるために操作される主面キー4a及び端面キー4bが並ぶ方向とが、いずれも左右方向で一致している。これにより、各表示領域20a,20bに関する処理を実行させるためにいずれの操作キー群を操作すればよいかがユーザにとってさらに分かりやすく、操作性をより向上させることができる。
図5の例では、セルラー通信部10を介して送信する電子メールの文字情報を含む画像が表示される左側の表示領域20aに対して、主面キー4aが割り当てられる。主面キー4aが形成されている操作筐体5の主面は、端面と比べて面積が大きいので、より多くの操作キーを配置することが可能である。電子メールの文字情報を入力する際には、多数の操作キーを操作する必要があるため、電子メールの文字情報を含む画像が表示される表示領域20aに、より多くの操作キーを配置可能な主面に形成されている主面キー4aを割り当てることにより、操作性をさらに向上させることができる。
また、図5の例では、テレビ放送受信部11を介して受信するテレビ放送波に基づく画像が表示される右側の表示領域20bに対して、端面キー4bが割り当てられる。テレビ放送波の受信に関する処理を実行させるための操作キーは、電子メールの文字情報を入力するために操作される操作キーよりも少なくすることが可能である。そこで、電子メールの文字情報を含む画像が表示される左側の表示領域20aに対して、比較的多くの操作キーを配置可能な操作筐体5の主面に形成された主面キー4aを割り当て、テレビ放送波に基づく画像が表示される右側の表示領域20bに対して、操作筐体5の端面に形成された端面キー4bを割り当てることにより、ユーザにとってより操作しやすいキー配置にすることができる。
図6は、制御部6の一構成例を示した機能ブロック図である。制御部6は、表示筐体2が縦長表示状態から横長表示状態に回転され、回転検出センサ14から検出信号が入力されるのに基づいて、表示部2aの表示画面に対する表示を切り替えるとともに、操作部4の各操作キーの操作に対して実行する処理を割り当てる。制御部6は、縦横表示切替部61、表示領域分割部62、表示割当部63、表示データ生成部64、キー割当部65及び音声制御部66によって構成され、ここでは、制御部6により実行されるコンピュータプログラムとして実現されるものとする。
表示データ生成部64は、そのとき起動されているアプリケーションプログラムに基づいて、表示部2aの表示画面に表示させる表示データを生成する。この表示データ生成部64は、テレビアプリケーションプログラム16a、メールアプリケーションプログラム16b、通話アプリケーションプログラム16c、時計アプリケーションプログラム16d、カレンダーアプリケーションプログラム16eなどの各アプリケーションプログラムに基づく表示データをそれぞれ生成する複数の表示データ生成手段として機能する。
縦横表示切替部61、表示領域分割部62及び表示割当部63は、表示データ生成部64により生成される表示データを表示部2aの表示画面内に表示させるための表示制御部60を構成している。縦横表示切替部61は、回転検出センサ14からの検出信号に基づいて、表示部2aの表示画面に対する表示方向を90°変換することにより、縦長表示状態及び横長表示状態を切り替える。表示領域分割部62は、横長表示状態の表示画面を図5(b)に示したような左右2つの表示領域20a,20bに分割する。
表示割当部63は、表示部2aの表示画面内の表示領域を表示データ生成部64で生成される表示データに割り当てる。縦長表示状態のときには、そのとき起動されているアプリケーションプログラムに基づいて表示データ生成部64で生成される表示データに、表示画面内のアプリケーション表示領域23が割り当てられる。例えば、図5(a)の例では、起動中のメールアプリケーションプログラム16bに基づいて生成された表示データにアプリケーション表示領域23が割り当てられることにより、当該アプリケーション表示領域23に文字入力画面が表示されている。
縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられたときには、既に起動されているアプリケーションプログラムに基づいて生成される表示データ、及び、表示切替により新たに起動されたアプリケーションプログラムに基づいて生成される表示データに、表示領域分割部62により分割された表示画面内の2つの表示領域20a,20bが割り当てられる。このとき、左側の表示領域20aが、縦長表示状態におけるアプリケーション表示領域23に割り当てられていた表示データに割り当てられ、右側の表示領域20bが、新たに生成される表示データに割り当てられる。例えば、図5(b)の例では、縦長表示状態におけるアプリケーション表示領域23に割り当てられていた文字入力画面に左側の表示領域20aが割り当てられるとともに、新たに起動されたテレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像に右側の表示領域20bが割り当てられている。
ここで、縦長表示状態から横長表示状態への切替に基づいて新たに起動されるアプリケーションプログラムと既に起動されているアプリケーションプログラムとの組み合わせによっては、同時に起動状態にすると制御部6の処理負荷が過大になり、表示データ生成部64を構成している各アプリケーションプログラムに対応する表示データ生成手段が、それらのアプリケーションプログラムに基づいて同時に表示データを生成することができない場合がある。
アプリケーションテーブル記憶部17には、組み合わせ禁止テーブル17a及び優先順位テーブル17bが記憶されている。組み合わせ禁止テーブル17aは、同時に表示データを生成することが禁止される表示データ生成手段の組み合わせとして、各表示データ生成手段に対応するアプリケーションプログラムの組み合わせを保持している。優先順位テーブル17bは、縦長表示状態から横長表示状態への切替に基づいて右側の表示領域20bに割り当てられる表示データ生成手段の優先順位として、各表示データ生成手段に対応するアプリケーションプログラムの優先順位を保持している。
表示割当部63は、組み合わせ禁止テーブル17aに基づいて、横長表示状態における右側の表示領域20bに表示させようとする表示データが、左側の表示領域20aに表示させる表示データと同時に生成することが禁止されている場合に、優先順位テーブル17bに保持されている優先順位に基づいて、右側の表示領域20bを別のアプリケーションプログラムに基づく表示データに割り当てる。これにより、決定された別のアプリケーションプログラムに対応する表示データ生成手段によって右側の表示領域20bに対する表示が行われ、右側の表示領域20bに画像が表示されない状態が生じるのを防止できるので、表示部2aの表示画面に対する表示を良好に行うことができる。
この例では、優先順位テーブル17bには、テレビアプリケーションプログラム16aが最優先順位として保持されており、時計アプリケーションプログラム16dが次の優先順位として保持されている。ただし、このような構成に限らず、最優先順位として他のアプリケーションプログラムが保持されていてもよいし、次の優先順位としてカレンダーアプリケーションプログラム16eなどの他のアプリケーションプログラムが保持されていてもよい。
組み合わせ禁止テーブル17aには、テレビアプリケーションプログラム16aに基づく表示データと同時に表示データを生成することが禁止されるアプリケーションプログラムとして、カメラ(不図示)により撮像を行うためのアプリケーションプログラム、動画や音声を再生するためのアプリケーションプログラムなどが保持されている。これらのアプリケーションプログラムを実行する際には、テレビアプリケーションプログラム16aと同様に、「H.264」や「MPEG4」に代表される映像用コーデック又は「AAC」や「AMR」に代表される音声用コーデックを起動する必要があり、複数のコーデックを同時に起動させなければならないため、制御部6の処理負荷が極めて過大となる。
これに対して、メールアプリケーションプログラム16bや通話アプリケーションプログラム16cなどは、テレビアプリケーションプログラム16aに基づく表示データと同時に表示データを生成することが禁止されておらず、組み合わせ禁止テーブル17aに保持されていない。したがって、図5(b)に示した例のように、テレビアプリケーションプログラム16aに基づく表示データ及びメールアプリケーションプログラム16bに基づく表示データを同時に生成して、横長表示状態における左右2つの表示領域20a,20bにそれぞれ表示させることは可能である。
キー割当部65は、主面キー4a及び端面キー4bの操作に対して実行される処理を割り当てる。キー割当テーブル記憶部18には、主面キー4aの操作に対して実行される処理が割り当てられる主面キー割当テーブル18aと、端面キー4bの操作に対して実行される処理が割り当てられる端面キー割当テーブル18bとが記憶されており、キー割当部65は、回転検出センサ14からの検出信号に基づいて、これらのテーブル18a,18bに操作部4の各操作キーの操作に対する処理を割り当てる。具体的には、縦長表示状態から横長表示状態へ切り替えられると、横長表示状態における左側の表示領域20aに関する処理が主面キー割当テーブル18aに割り当てられ、右側の表示領域20bに関する処理が端面キー割当テーブル18bに割り当てられる。
音声制御部66は、受話用レシーバ8及びスピーカ9のどちらから音声を出力するかを切り替える。縦長表示状態で通話アプリケーションプログラム16cが起動され、受話用レシーバ8から相手方の音声を出力することにより通話が行われているときに、縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられると、音声制御部66は、相手方の音声をスピーカ9から出力するように切り替える。これにより、受話用レシーバ8から出力されていたときよりも音声が増幅されてスピーカ9から出力されるように自動的に切り替わり、ユーザは携帯電話機1から耳を遠ざけて通話を行うことができるようになるので、利便性が向上する。
図7は、表示筐体2が図1の状態から図3の状態に回転されたときの制御部6による処理の一例を示したフローチャートである。回転検出センサ14からの検出信号に基づいて表示筐体2が回転されたことを検出したときに、既にアプリケーションプログラムが起動されている場合には(ステップS101でYes)、そのアプリケーションプログラムが通話アプリケーションプログラム16cであるか否かが判定される(ステップS102)。
既に起動されているアプリケーションプログラムが通話アプリケーションプログラム16cである場合には(ステップS102でYes)、音声制御部66が音声の出力を受話用レシーバ8からスピーカ9に切り替えることにより(ステップS103)、それまで受話用レシーバ8から出力されていた相手方の音声がスピーカ9から出力されるようになる。
その後、縦横表示切替部61が表示部2aの表示画面に対する表示方向を切り替えることにより、縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられ(ステップS104)、表示領域分割部62により表示画面が左右2つの表示領域20a,20bに分割される(ステップS105)。そして、優先順位テーブル17bが読み出され(ステップS106)、最優先順位のアプリケーションプログラムと既に起動されているアプリケーションプログラムとの組み合わせが、組み合わせ禁止テーブル17aと比較される(ステップS107)。
表示割当部63は、上記比較の結果に基づいて、分割された左右の表示領域20a,20bに対する割当を決定する(ステップS108)。すなわち、既に起動されているアプリケーションプログラムと最優先順位のアプリケーションプログラムとの組み合わせが、同時に表示データを生成することができる組み合わせであれば、それらのアプリケーションプログラムに基づいて表示データ生成部64が生成する表示データに左右の表示領域20a,20bを割り当てる。一方、既に起動されているアプリケーションプログラムと最優先順位のアプリケーションプログラムとの組み合わせが、同時に表示データを生成することができない組み合わせであれば、次の優先順位のアプリケーションプログラムに基づいて表示データ生成部64が生成する表示データに右側の表示領域20bを割り当てる。
このようにして割り当てられた左右の表示領域20a,20bに、対応するアプリケーションプログラムに基づく表示データが表示されることにより、図5(b)に示したように、左右の表示領域20a,20bに異なるアプリケーションプログラムに基づく画像が表示される(ステップS109)。そして、キー割当部65が、主面キー4a及び端面キー4bの操作に対して実行される処理の割当を決定することにより(ステップS110)、左側の表示領域20aに関する処理が主面キー4aに割り当てられ、右側の表示領域20bに関する処理が端面キー4bに割り当てられる。
これに対して、回転検出センサ14からの検出信号に基づいて表示筐体2が回転されたことを検出したときに、アプリケーションプログラムが起動されていなければ(ステップS101でNo)、縦横表示切替部61が表示部2aの表示画面に対する表示方向を切り替えることにより、縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられた後(ステップS111)、表示画面が分割されることなく優先順位テーブル17bが読み出され(ステップS112)、最優先順位のアプリケーションプログラムに基づく表示データが横長の表示画面に表示される(ステップS113)。
図8は、既にアプリケーションプログラムが起動されている状態で表示筐体2が回転された場合における表示部2aの表示画面の変化を示した図である。図8(a)に示すように、縦長表示状態でメールアプリケーションプログラム16bが起動され、表示画面のアプリケーション表示領域23内に本文表示領域23a及び変換候補表示領域23bが表示された状態から、表示筐体2が回転されて横長表示状態になると、表示画面が左右2つの表示領域20a,20bに分割され、左側の表示領域20aに引き続き本文表示領域23a及び変換候補表示領域23bが表示される(図8(b)又は(c))。
このとき、優先順位テーブル17bに保持されている最優先順位のアプリケーションプログラムと既に起動されているアプリケーションプログラムとの組み合わせが、同時に表示データを生成することができる組み合わせであれば、図8(b)に示すように、その最優先順位のアプリケーションプログラムに基づく表示データ(この例では、テレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像)が右側の表示領域20bのアプリケーション表示領域26に表示される。
一方、優先順位テーブル17bに保持されている最優先順位のアプリケーションプログラムと既に起動されているアプリケーションプログラムとの組み合わせが、同時に表示データを生成することができない組み合わせであれば、図8(c)に示すように、次の優先順位のアプリケーションプログラムに基づく表示データ(この例では、時計アプリケーションプログラム16dに基づく現在の時刻)が右側の表示領域20bのアプリケーション表示領域26に表示される。ただし、優先順位テーブル17bは、最優先順位の次に時計アプリケーションプログラム16dを保持するような構成に限らず、例えばカレンダーアプリケーションプログラム16eのようなコーデックを使用しない他のアプリケーションプログラムを保持するような構成として、このカレンダーアプリケーションプログラム16eに基づいて暦に従った日付が右側の表示領域20bに表示されるようになっていてもよい。
図8(b)に示すように、メールアプリケーションプログラム16bとテレビアプリケーションプログラム16aが起動された状態で、表示筐体2が回転されて縦長表示状態に戻った場合には、図8(d)に示すように、再び図8(a)と同様の表示態様となる。このとき、テレビアプリケーションプログラム16aは起動された状態のまま保持され、いわゆるマルチタスク状態となるが、テレビ画像は表示画面に表示されない。
この状態で、操作部4が操作されることによりアプリケーションプログラムが切り替えられると、図8(e)に示すように、縦長表示状態の表示画面にテレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像が表示される。このとき、受信しているテレビ放送波がデジタル放送波であれば、表示画面のアプリケーション表示領域23は、長手方向に並ぶテレビ画像表示領域27及びデータ放送表示領域28に分割され、テレビ画像表示領域27にテレビ画像が表示される。データ放送表示領域28は、デジタル放送波に含まれるテレビ画像以外の文字情報を表示するための表示領域であり、その一部には字幕を表示するための字幕表示領域28aが含まれる。
この図8(e)に示した縦長表示状態から、表示筐体2が再度回転されて横長表示状態とされた場合には、図8(f)に示すように、横長の表示画面全体にテレビ画像が表示される。また、図8(b)に示した横長表示状態で、操作部4が操作されることによりアプリケーションプログラムが切り替えられた場合にも、図8(f)に示すように、横長の表示画面全体にテレビ画像が表示される。
図9は、表示筐体2を縦長表示状態及び横長表示状態に切り替えたときの表示部2aの表示態様の他の例を示した概略図であり、(a)は縦長表示状態の表示画面、(b)は横長表示状態の表示画面を示している。図9(a)に示した縦長表示状態における表示部2aの表示画面は、図5(a)に示した表示画面と同一であり、ピクト表示領域21、ガイド表示領域22及びアプリケーション表示領域23からなる。各表示領域21〜23のサイズは図5において説明した通りであり、アプリケーション表示領域23は、縦幅w1が320画素、横幅w2が240画素で形成された縦横比3/4の表示領域である。
図9(a)の縦長表示状態から表示筐体2が回転されて横長表示状態になると、図9(b)に示すように、表示画面が左右2つの表示領域20a,20bに分割される。そして、既に起動されているメールアプリケーションプログラム16bに基づく文字入力画面が左側の表示領域20aに引き続き表示され、新たに起動されたテレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像が右側の表示領域20bに表示される。
この左側の表示領域20aは、縦幅w3が縦長表示状態におけるアプリケーション表示領域23の横幅w2と同じ240画素、横幅w4が180画素で形成された縦横比3/4の表示領域となっている。すなわち、横長表示状態における左側の表示領域20aの縦横比は、縦長表示状態におけるアプリケーション表示領域23の縦横比と等しくなっており、アプリケーション表示領域23に表示されていた画像が、縦横同じ比率で縮小されて左側の表示領域20aに表示されるようになっている。
この例では、縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられる際、縦長表示状態におけるアプリケーション表示領域23に表示されていた画像を同じ縦横比で縮小して、横長表示状態における左側の表示領域20aに表示できる範囲で最大限に大きく表示させることができる。これにより、図9(b)に示すように、変換候補表示領域23bの表示内容を減らすことなく縦長表示状態のときと表示内容の範囲を同じにすることができるので、表示切替の前後で表示されている内容の範囲が変化することに起因して、ユーザにとって表示が見づらくなるのを防止することができる。
横長表示状態における右側の表示領域20bは、図5の例と同様にピクト表示領域24、ガイド表示領域25及びアプリケーション表示領域26からなり、縦長表示状態から横長表示状態への切替により新たに起動されたテレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像が、アプリケーション表示領域26に表示される。また、ピクト表示領域24及びガイド表示領域25には、縦長表示状態におけるピクト表示領域21及びガイド表示領域22にそれぞれ表示されていた画像が、縮小又は拡大されることなく同じ大きさで表示されるようになっている。
図10は、既にアプリケーションプログラムが起動されている状態で基地局から呼出信号を受信した場合のユーザ操作に対する表示部2aの表示画面の変化を示した図である。図10(a)に示すように、縦長表示状態でテレビアプリケーションプログラム16aが起動され、表示画面のアプリケーション表示領域23内にテレビ画像表示領域27及びデータ放送表示領域28が表示された状態で、基地局から呼出信号を受信すると、その旨をユーザに報知するための着信処理が行われる。この着信処理は、呼出音又は振動などが発生されるとともに、図10(b)に示すように、表示部2aの表示画面に着信中である旨や相手方の名前及び電話番号などが表示されることにより行われる。
着信処理中にユーザが操作部4を操作することにより、呼出に対する応答操作を行うと、通信状態が確立されて通話アプリケーションプログラム16cが起動されることにより通話音の送受信が可能になり、図10(c)に示すように、相手方の名前及び電話番号とともに通話時間が表示部2aの表示画面に表示される。このとき、相手方の音声は受話用レシーバ8から出力される。このように通信状態が確立された状態で表示筐体2が回転されて横長表示状態になると、相手方の音声の出力が受話用レシーバ8からスピーカ9に切り替わるとともに、図10(f)に示すように表示画面が左右2つの表示領域20a,20bに分割され、左側の表示領域20aに引き続き相手方の名前及び電話番号や通話時間が表示される。
横長表示状態における左側の表示領域20aは、図5(b)の例と同様に縦長表示状態におけるアプリケーション表示領域23と同じ横幅であってもよいし、図9(b)の例と同様に縦長表示状態におけるアプリケーション表示領域23と同じ縦横比になっていてもよい。横長表示状態における右側の表示領域20bには、既に起動されているテレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像が表示される。この右側の表示領域20bの表示態様は、図5(b)又は図9(b)に示した表示態様と同様であるので、図に同一符号を付してその説明を省略する。
一方、図10(d)に示すように、横長表示状態でテレビアプリケーションプログラム16aが起動され、横長の表示画面全体にテレビ画像が表示された状態で、基地局から呼出信号を受信すると、呼出音又は振動などが発生されるとともに、図10(e)に示すように表示画面が左右2つの表示領域20a,20bに分割され、左側の表示領域20aに着信中である旨や相手方の名前及び電話番号などが表示されることにより着信処理が行われる。このとき、右側の表示領域20bには、テレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像が表示される。この右側の表示領域20bの表示態様は、図5(b)又は図9(b)に示した表示態様と同様であるので、図に同一符号を付してその説明を省略する。
図10(e)に示した横長表示状態における着信処理中に、ユーザが操作部4を操作することにより、呼出に対する応答操作を行うと、通信状態が確立されて通話アプリケーションプログラム16cが起動されることにより通話音の送受信が可能になり、図10(f)に示すように、相手方の名前及び電話番号とともに通話時間が左側の表示領域20aに表示される。このとき、相手方の音声はスピーカ9から出力される。
図10(f)のように横長表示状態で通信状態が確立されているときに、表示筐体2が回転されて縦長表示状態になった場合には、相手方の音声がスピーカ9から出力される状態のまま、図10(c)に示すように、相手方の名前、電話番号及び通話時間が縦長表示状態の表示画面に表示される。
実施の形態2.
実施の形態1では、縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられ、表示画面が左右2つの表示領域20a,20bに分割されたときに、組み合わせ禁止テーブル17aと優先順位テーブル17bとに基づいて、既に起動されているアプリケーションプログラムと最優先順位のアプリケーションプログラムとの組み合わせが、同時に表示データを生成することができない組み合わせであれば、次の優先順位のアプリケーションプログラムに基づいて生成される表示データに右側の表示領域20bを割り当てるような構成について説明した。これに対して、実施の形態2では、受信感度検出センサ13からの検出信号と優先順位テーブル17bとに基づいて、右側の表示領域20bに割り当てる表示データを決定するようになっている点が異なる。
図11は、本発明の実施の形態2による携帯電話機1の制御部6の一構成例を示した機能ブロック図である。制御部6の構成は、図6において説明した実施の形態1の場合と同様であり、表示割当部63が行う処理のみが異なるので、同様の構成については図に同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態における優先順位テーブル17bには、実施の形態1の場合と同様に、テレビアプリケーションプログラム16aが最優先順位として保持されており、時計アプリケーションプログラム16dが次の優先順位として保持されている。したがって、メールアプリケーションプログラム16bなどが既に起動された状態で、表示筐体2が回転されて縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられた場合には、テレビアプリケーションプログラム16aが新たに起動される。
このとき、テレビ放送受信部11におけるテレビ放送波の受信感度が悪ければ、テレビアプリケーションプログラム16aを新たに起動させてもテレビ画像が良好に表示されない場合がある。そこで、本実施の形態では、表示割当部63が、受信感度検出センサ13からの検出信号に基づいて、横長表示状態における右側の表示領域20bに対する表示データの割当を行うようになっている。すなわち、チューナ12により抽出されたチャンネルのテレビ放送波の受信感度が所定の閾値以上である場合には、横長表示状態における右側の表示領域20bをテレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像に割り当て、受信感度が上記閾値未満であれば、次の優先順位のアプリケーションプログラムに基づく表示データに割り当てるようになっている。
したがって、テレビ放送波を良好に受信することができない場合には、優先順位テーブル17bに保持されている優先順位に基づいて、横長表示状態における右側の表示領域20bに対してテレビ放送波に基づくテレビ画像とは異なる表示を行うことができる。これにより、横長表示状態における右側の表示領域20bにテレビ放送波に基づくテレビ画像が良好に表示されない状態が生じるのを防止できるので、表示部2aの表示画面に対する表示を良好に行うことができる。
テレビアプリケーションプログラム16aの起動中にチューナ12が抽出したテレビ放送波のチャンネルは、メモリ15に記憶されるようになっており、その後にテレビアプリケーションプログラム16aの実行が停止された場合でも、そのままチャンネルがメモリ15に保持されるようになっている。したがって、テレビアプリケーションプログラム16aが起動されたときには、前回の起動時にチューナ12が抽出していたチャンネルがメモリ15から読み出され、そのチャンネルのテレビ放送波に基づくテレビ画像が表示部2aの表示画面に表示されるようになっている。
本実施の形態では、表示筐体2が回転されることにより縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられ、テレビアプリケーションプログラム16aが新たに起動された場合に、前回の起動時にチューナ12が抽出していたチャンネルをメモリ15から読み出し、そのチャンネルのテレビ放送波の受信感度が上記閾値以上であれば、横長表示状態における右側の表示領域20bにテレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像が表示されるようになっている。一方、メモリ15から読み出されたチャンネルのテレビ放送波の受信感度が上記閾値未満であれば、次の優先順位のアプリケーションプログラム、例えば時計アプリケーションプログラム16d又はカレンダーアプリケーションプログラム16eに基づく画像が右側の表示領域20bに表示される。
ただし、上記のような構成に限らず、受信感度が上記閾値以上のテレビ放送波が抽出されるまで、チューナ12に対して予め定められた順序に従いチャンネルを順次に指定することにより、いわゆるチャンネルサーチを行うことができるようになっていてもよい。この場合、受信感度が上記閾値以上のテレビ放送波を抽出することができれば、そのテレビ放送波に基づくテレビ画像を横長表示状態における右側の表示領域20bに表示させ、いずれのチャンネルのテレビ放送波も受信感度が上記閾値未満である場合に、次の優先順位のアプリケーションプログラムに基づく画像を右側の表示領域20bに表示させるようになっていてもよい。
図12は、実施の形態2の携帯電話機1において表示筐体2が回転されたときの制御部6による処理の一例を示したフローチャートである。回転検出センサ14からの検出信号に基づいて表示筐体2が回転されたことを検出したときに、既にアプリケーションプログラムが起動されている場合には(ステップS201でYes)、そのアプリケーションプログラムが通話アプリケーションプログラム16cであるか否かが判定される(ステップS202)。
既に起動されているアプリケーションプログラムが通話アプリケーションプログラム16cである場合の処理(ステップS202〜S203)、並びに、その後に表示画面に対する表示方向の切替及び表示画面の分割を行う処理(ステップS204〜S205)は、実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。また、縦長表示状態のときにアプリケーションプログラムが起動されていない場合の処理(ステップS211〜S213)も、実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。
表示画面が左右2つの表示領域20a,20bに分割されると、優先順位テーブル17bが読み出され(ステップS206)、最優先順位のテレビアプリケーションプログラム16aが起動される。そして、受信感度検出センサ13を用いてテレビ放送波の受信感度を検出し(ステップS207)、その検出結果に基づいて左右の表示領域20a,20bに対する割当を決定する(ステップS208)。このとき、チューナ12により抽出されたチャンネルのテレビ放送波の受信感度が上記閾値以上であれば、テレビアプリケーションプログラム16aに基づくテレビ画像を右側の表示領域20bに表示させ、受信感度が上記閾値未満であれば、次の優先順位のアプリケーションプログラムに基づく画像を右側の表示領域20bに表示させる(ステップS209)。
その後、キー割当部65が、主面キー4a及び端面キー4bの操作に対して実行される処理の割当を決定することにより(ステップS210)、左側の表示領域20aに関する処理が主面キー4aに割り当てられ、右側の表示領域20bに関する処理が端面キー4bに割り当てられる。
以上の実施の形態では、既にアプリケーションプログラムが起動された状態で表示筐体2が回転され、縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられたときに、表示画面が左右2つの表示領域20a,20bに分割されるような構成について説明した。しかし、このような構成に限らず、表示画面が長手方向に並ぶ3以上の表示領域に分割されるようになっていてもよい。
図13は、表示筐体2が縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられたときに表示画面が3つの表示領域20c,20d,20eに分割される場合について示した概略図である。この例では、既にアプリケーションプログラムが起動された状態で表示筐体2が回転され、縦長表示状態から横長表示状態に切り替えられると、表示画面が長手方向に並ぶ左側の表示領域20c、中央の表示領域20d及び右側の表示領域20eに分割される。
このとき、新たに2つのアプリケーションプログラムが起動されるようになっており、それらのアプリケーションプログラムに基づく画像が左右2つの表示領域20c,20eに表示されるようになっている。一方、既に起動されていたアプリケーションプログラムに基づく画像は、中央の表示領域20dに表示される。この場合、中央の表示領域20dは、左側の表示領域20cや右側の表示領域20eと比べて、表示面積が大きいことが好ましい。
この例では、操作筐体5の主面に複数の操作キーからなる主面キー4aが形成され、左右の端面にそれぞれ複数の操作キーからなる左端面キー4e及び右端面キー4bが形成されている。このような構成において、左側の表示領域20cに関する処理を左端面キー4eに割り当て、中央の表示領域20dに関する処理を主面キー4aに割り当て、右側の表示領域20eに関する処理を右端面キー4bに割り当てれば、3つの表示領域20c〜20eが並ぶ方向と、これらの各表示領域20c〜20eに関する処理を実行させるために操作される左端面キー4e、主面キー4a及び右端面キー4bが並ぶ方向とを一致させることができる。これにより、各表示領域20c〜20eに関する処理を実行させるためにいずれの操作キー群を操作すればよいかがユーザにとってさらに分かりやすく、操作性をより向上させることができる。
また、上記実施の形態では、表示筐体2が表示画面に水平な面内で回転することにより縦長表示状態及び横長表示状態が切り替わるような構成について説明したが、このような構成に限らず、他の態様によって縦長表示状態及び横長表示状態が切り替わるような構成であってもよい。
図14は、操作筐体5に対して表示筐体2が回転する他の携帯電話機100の例を示した外観図であり、(a)は筐体を展開した状態、(b)は筐体を閉じた状態を示している。この例の携帯電話機100は、上記実施の形態の携帯電話機1と同様に、表示筐体102に表示部102a及び受話用レシーバ108を備え、操作筐体105に操作部104及び送話用マイクロホン107を備えている。また、操作筐体105の主面には複数の操作キーからなる主面キー104aが形成され、操作筐体105の右端面には複数の操作キーからなる端面キー104bが形成されている。
この携帯電話機100において、表示筐体102は長方形に形成され、その長手方向の一端部がヒンジ部103を介して操作筐体105に保持されている。このヒンジ部103の構成は、上記実施の形態の携帯電話機1とは異なり、表示筐体102の短手方向に延びる軸線X1及び表示筐体102の長手方向に延びる軸線X2をそれぞれ中心にして、表示筐体102が操作筐体105に対して回転可能に保持されている。
図15は、図14(a)の状態から表示筐体102が軸線X1及び軸線X2を中心に回転された状態を示した斜視図である。また、図16は、図14(a)の状態から表示筐体102が軸線X2を中心に180°回転された後、軸線X1を中心に回転されて閉じられた状態を示した図である。これらの図に示すように、この携帯電話機100では、図14(b)のように表示部102aの表示画面が操作筐体105に対向した状態で表示筐体102を折り畳むこともできるし、図15に示した態様で表示筐体102を軸線X1及び軸線X2を中心に回転させることにより、図16のように表示部102aの表示画面が形成されている面とは反対側の面が操作筐体105に対向した状態で表示筐体102を折り畳むこともできる。
このような構成を有する携帯電話機100では、図14(a)に示した状態が、表示部102aの表示画面に対して長手方向を上下方向として表示する縦長表示状態となり、図16に示した状態が、表示部102aの表示画面に対して短手方向を上下方向として表示する横長表示状態となる。本発明は、このような構成の携帯電話機100にも適用可能であり、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
以上の実施の形態では、機械的又は電気的なスイッチからなる回転検出センサ14を用いて、ユーザによる表示筐体2の回転操作を検出するような構成について説明したが、このような構成に限らず、例えば地磁気を検出する地磁気センサなどの方向検出手段を用いて、ユーザに対する表示画面の配置方向を検出するような構成であってもよい。
また、表示部2a,102aの表示画面に形成された複数の表示領域に関する処理を操作筐体5,105の異なる面に形成された操作キー群に割り当てる構成に関する発明は、操作筐体5,105に対して表示筐体2,102が回転可能な携帯電話機1,100に限らず、表示筐体が操作筐体に対して固定された携帯電話機や、表示部及び操作部が1つの筐体に一体的に形成された携帯電話機にも適用可能である。