JP2008014560A - 冷凍装置 - Google Patents

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覚 阪江
Masaaki Takegami
雅章 竹上
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巌 篠原
Koichi Kita
宏一 北
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Abstract

【課題】低段側圧縮機と高段側圧縮機とを備え、該高段側圧縮機による単段圧縮動作が可能に構成された冷凍装置において、低段側圧縮機の吐出側に位置する油分離器のための逆止弁を省略しても、上記単段圧縮動作時に油分離器内に多量の冷媒が溜まり込まないようにする。
【解決手段】低段側油分離器(128,168)内に所定量以上の液冷媒が溜まった場合に、コントローラ(200)によって、低段側の圧縮機(101,141)を所定時間以上、作動させて、該油分離器(128,168)内に高温ガスを吐出する。これにより、該油分離器(128,168)内の液冷媒をガス化させて高段側へ戻す。また、別の手段として、上記低段側油分離器(128,168)から高段側に液冷媒を回収するための回収管(301,341)を設け、該回収管(301,341)の電磁弁(SV12,SV13)を開状態にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、低段側圧縮機の吐出側に油分離器が設けられていて、且つ単段圧縮動作と二段圧縮動作とに切換可能に構成された冷凍装置に関する。
従来より、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置は知られており、食品等を貯蔵する冷蔵庫や冷凍庫等の冷却機として広く利用されている。
例えば、特許文献1には、コンビニエンスストア等の冷凍庫内の空気を冷却するための冷凍装置が開示されている。この冷凍装置の冷媒回路には、低段側圧縮機、高段側圧縮機、室外熱交換器(熱源側熱交換器)及び冷却熱交換器(利用側熱交換器)が接続されている。この冷凍装置では、上記冷却熱交換器を蒸発器とし、上記熱源側熱交換器を凝縮器とすると共に、上記低段側圧縮機及び高段側圧縮機を運転して冷媒を二段階に圧縮する、いわゆる二段圧縮冷凍サイクルが行われる。
一般的に、上述のような二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路では、上記低段側圧縮機及び高段側圧縮機のうち一方の圧縮機のみを使用する単段圧縮運転と、上述の二段圧縮運転とに切り換えることができるように構成されている。
また、例えば特許文献2には、上述のような二段圧縮冷凍サイクルを行う回路において、低段側圧縮機の吐出側に油分離器を設けて、冷媒中の油を分離する構成が開示されている。
特開2002−228297号公報 特開2004−325023号公報
ところで、上述のように低段側圧縮機の吐出側に油分離器を設けた構成において、上記高段側圧縮機のみを運転して単段圧縮冷凍サイクルを行う場合、冷媒を回路内で効率良く循環させるために、該油分離器内に多量の冷媒が溜まらないようにする必要がある。
そのため、通常、上記油分離器の冷媒の入口に逆止弁等を設けて、単段圧縮動作時に油分離器内に冷媒が入らないようにしている。ところが、一般的に、上記逆止弁はその構造的な理由から動作時に異音を発生するため、油分離器の入口に逆止弁を設けると、圧縮機及び油分離器を備えたユニットを複数台、並べて設置した場合には、上記逆止弁も複数個、並ぶことになり、逆止弁の動作に起因して発生する騒音が大きくなるという問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低段側圧縮機と高段側圧縮機とを備え、該高段側圧縮機による単段圧縮動作が可能に構成された冷凍装置において、低段側圧縮機の吐出側に位置する油分離器のための逆止弁を省略しても、上記単段圧縮動作時に油分離器内に多量の冷媒が溜まり込まないようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る冷凍装置(10,210)では、高段側圧縮機(41)のみを運転する単段圧縮動作時に、油分離器(128,168)内に溜まる冷媒を該高段側圧縮機(41)へ戻す冷媒回収手段(200,300)を設け、該油分離器(128,168)内に多量の冷媒が溜まらないようにした。
具体的には、第1の発明は、低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)と、高段側圧縮機(41)と、熱源側熱交換器(44)と、利用側熱交換器(83,93)とが接続された冷媒回路(20,220)を備え、上記高段側圧縮機(41)のみを運転する単段圧縮動作と、上記低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)及び高段側圧縮機(41)の両方を運転する二段圧縮動作とを切換可能に構成された冷凍装置を対象とする。
そして、上記低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)の吐出側には、上記二段圧縮動作時に該低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するとともに、上記単段圧縮動作時には上記高段側圧縮機(41)に吸い込まれる冷媒の一部が液冷媒となって溜まり込む油分離器(128,168)が設けられ、上記単段圧縮動作時に上記油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒を上記高段側圧縮機(41)側へ戻すための液冷媒回収手段(200,300,340)を備えているものとする。
この構成により、高段側圧縮機(41)のみを運転する単段圧縮動作を行うと、冷媒は低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)の吐出側に設けられた油分離器(128,168)内に流れ込むことになるが、冷媒回収手段(200,300,340)によって油分離器(128,168)内に流入した冷媒を上記高段側圧縮機(41)に戻すことができ、該油分離器(128,168)内に多量の冷媒が溜まるのを防止することができる。
したがって、上記油分離器(128,168)内への冷媒の流入を防ぐための逆止弁を設けなくても、該油分離器(128,168)内に液冷媒が溜まり込むのを防止でき、逆止弁の動作等に起因して騒音が発生するのを確実に防止できる。
なお、低段側圧縮機が動作しているときには、その吐出側に位置する上記油分離器(128,168)内にガス冷媒が流入するため、該油分離器(128,168)内に液冷媒が溜まることはない。
上述の構成において、上記冷媒回路(20)には、上記単段圧縮動作時に冷媒が上記油分離器(128,168)をバイパスして流れるようにバイパス通路(127,167)が設けられているものとする(第2の発明)。このように、単段圧縮動作時に冷媒が上記油分離器(128,168)をバイパスして流れるように構成することで、該油分離器(128,168)内を冷媒は通過せず、該油分離器(128,168)内に液冷媒が溜まるのを極力防止できる。
また、上記冷媒回路(220)は、二段圧縮動作時には、上記低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)から吐出された冷媒が上記油分離器(128,168)を経て上記高段側圧縮機(41)に吸い込まれる一方、単段圧縮動作時には、上記利用側熱交換器(83,93)からの冷媒が上記低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)をバイパスし且つ上記油分離器(128,168)を経て上記高段側圧縮機(41)に吸い込まれるように構成されていてもよい(第3の発明)。
このように、冷媒が上記油分離器(128,168)内を通過するような構成であっても、上述の第1の発明のような液冷媒回収手段を設けることで、該油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒を確実に回収することができる。
また、上記液冷媒回収手段(300,340)は、上記油分離器(128,168)と高段側圧縮機(41)の吸い込み側とを繋ぐ回収通路(302,342)と、該回収通路(302,342)を開閉する開閉弁(SV12,SV13)と、を備えているのが好ましい(第4の発明)。
これにより、上記油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒は、上記開閉弁(SV12,SV13)を開状態にすることで上記回収通路(302,342)を介して該油分離器(128,168)から排出される。しかも、上述のような構成にすることで、液冷媒を回収するための専用の部材等を設けることなく、上記油分離器(1268,168)から液冷媒を排出することができる。
また、上記液冷媒回収手段(200)は、上記低段側圧縮機(101,141)を所定タイミングで駆動するように構成されていてもよい(第5の発明)。ここで、上記所定タイミングとは、上記油分離器(128,168)内に所定量以上の液冷媒が溜められた状態になり、該油分離器(128,168)から液冷媒を排出する必要のある状態を意味する。
このように、上記油分離器(128,168)内に所定量以上の液冷媒が溜められた状態になった場合に、上記低段側圧縮機(128,168)を起動することで、該低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)から油分離器内(128,168)に吐出される高温ガスによって、該油分離器(128,168)内の液冷媒をガス化して該油分離器(128,168)から排出することができる。
第1の発明に係る冷凍装置によれば、高段側圧縮機(41)のみが運転する単段圧縮動作時に、低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)の吐出側に設けられた油分離器(128,168)内に溜まる液冷媒を上記高段側圧縮機(41)へ戻す液冷媒回収手段(200,300,340)を備えているため、該油分離器(128,168)に多量の冷媒が溜まるのを確実に防止することができる。したがって、上記油分離器(128,168)への液冷媒の溜まり込みを防止するための逆止弁を省略することができ、これにより、該逆止弁の動作に起因する騒音の発生を防止できる。
第2の発明によれば、冷媒回路(20)には、単段圧縮動作時に冷媒が油分離器(128,168)をバイパスして流れるようなバイパス通路(127,167)が設けられているため、該油分離器(128,168)への液冷媒の溜まり込みを極力抑えることができ、冷媒回路(20)内で冷媒を効率良く循環させることができる。
また、第3の発明によれば、冷媒回路(220)が、単段圧縮動作時及び二段圧縮動作時には、必ず上記油分離器(128,168)を通過するような構成であっても、上述のような液冷媒回収手段(200,300,340)を設けることで、該油分離器(128,168)内の液冷媒の溜まり込みを確実に防止できる。
また、第4の発明によれば、上記液冷媒回収手段(300,340)は、油分離器(128,168)と高段側圧縮機(41)の吸い込み側とを繋ぐ回収通路(302,342)と、該回収通路(302,342)を開閉する開閉弁(SV12,SV13)とからなるため、この開閉弁(SV12,SV13)を開状態にすることで回収通路(302,342)から上記油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒を確実に回収することができる。したがって、上記油分離器(128,168)内に多量の液冷媒が溜まるのをより確実に防止できる。
さらに、第5の発明によれば、上記液冷媒回収手段(200)は、所定タイミングで低段側圧縮機(101,141)を起動させるように構成されているため、該低段側圧縮機(101,141)によって上記油分離器(128,168)内に吐出される高温ガスにより液冷媒をガス化して、該油分離器(128,168)外へ排出することができる。したがって、上記油分離器(128,168)から冷媒を回収するための専用の部材を設けることなく、簡単且つ低コストな方法で該油分離器(128,168)から液冷媒を回収できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
実施形態1の冷凍装置(10)は、コンビニエンスストア等に設置されて、複数の冷凍庫内の冷却を行うものである。
図1に示すように、実施形態1の冷凍装置(10)は、室外ユニット(11)、第1冷凍ショーケース(12)、第2冷凍ショーケース(13)、第1ブースタユニット(14)、第2ブースタユニット(15)、及び各種弁や圧縮機などの制御を行うためのコントローラ(200)を備えている。室外ユニット(11)は、屋外に設置されている。一方、残りのユニット(12,13,14,15)は、何れもコンビニエンスストア等の店内に設置されている。
室外ユニット(11)には室外回路(40)が、第1冷凍ショーケース(12)には第1冷凍回路(80)が、第2冷凍ショーケース(13)には第2冷凍回路(90)が、第1ブースタユニット(14)には第1ブースタ回路(100)が、第2ブースタユニット(15)には第2ブースタ回路(140)がそれぞれ設けられている。この冷凍装置(10)では、これらの回路(40,80,90,100,140)を配管で接続することによって、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)が構成されている。
上記第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)は上記室外回路(40)に対して互いに並列に接続されている。また、上記第1ブースタ回路(100)及び第2ブースタ回路(140)も、冷媒の出入り口部分で合流している上記第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)のガス側に、ブースタ回路(100,140)同士が互いに並列になるように接続されている。
具体的には、上記室外回路(40)の端部には第1閉鎖弁(21)及び第2閉鎖弁(22)が、第1ブースタ回路(100)の端部には第3閉鎖弁(23)が、第2ブースタ回路(140)の端部には第4閉鎖弁(24)がそれぞれ設けられている。
上記第1閉鎖弁(21)には、液連絡配管(36)の一端が接続されている。この液連絡配管(36)の他端は2つに分岐しており、分岐した一方が第1冷凍回路(80)の端部に、他方が第2冷凍回路(90)の端部にそれぞれ接続されている。また、上記液連絡配管(36)には、上記第1ブースタ回路(100)及び第2ブースタ回路(140)の液インジェクション主管(119,159)の一端が接続されている。
上記第2閉鎖弁(22)には、ガス連絡配管(37)の一端が接続されている。このガス連絡配管(37)の他端は2つに分岐しており、分岐した一方が上記第3閉鎖弁(23)に、他方が第4閉鎖弁(24)にそれぞれ接続されている。
(室外ユニット)
室外ユニット(11)の室外回路(40)には、第1可変容量圧縮機(41)、室外熱交換器(44)、レシーバ(45)、過冷却熱交換器(46)、第1室外膨張弁(47)、第2室外膨張弁(48)、及び四路切換弁(49)が設けられている。
上記第1可変容量圧縮機(41)は、全密閉型で且つ高圧ドーム型のスクロール圧縮機であり、冷媒回路(20)の高段側の圧縮機(高段側圧縮機)を構成している。この第1可変容量圧縮機(41)には、インバータを介して電力が供給される。すなわち、上記第1可変容量圧縮機(41)は、インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変更することによって、その容量が変更可能となっている。
第1可変容量圧縮機(41)の吸入側には高段側吸入管(64)が接続されている。この高段側吸入管(64)は他端が四路切換弁(49)に接続されている。一方、上記第1可変容量圧縮機(41)の吐出側には高段側吐出管(65)が接続されている。この高段側吐出管(65)の他端は上記四路切換弁(49)に接続されている。上記高段側吐出管(65)には、上記圧縮機(41)から四路切換弁(49)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV1)が設けられている。
上記室外熱交換器(44)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、熱源側熱交換器を構成している。室外熱交換器(44)の近傍には、室外ファン(50)が設けられている。この室外熱交換器(44)では、上記室外ファン(50)が送風する室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(44)の一端は四路切換弁(49)に接続されている一方、他端は第1液管(71)を介してレシーバ(45)の頂部に接続されている。この第1液管(71)には、第5閉鎖弁(25)と、室外熱交換器(44)からレシーバー(45)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV2)と、が設けられている。
上記過冷却熱交換器(46)は、高圧側流路(46a)と低圧側流路(46b)とを備えており、各流路(46a,46b)を流れる冷媒同士を熱交換させるためのものである。この過冷却熱交換器(46)は、例えばプレート熱交換器により構成されている。
上記高圧側流路(46a)の流入端は、第2液管(72)を介して上記レシーバ(45)の底部に接続されている。なお、この第2液管(72)には、第6閉鎖弁(26)が設けられている。また、上記高圧側流路(46a)の流出端は、第3液管(73)を介して上記第1閉鎖弁(21)に接続されている。この第3液管(73)には、上記高圧側流路(46a)の流出端から上記第1閉鎖弁(21)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV3)が設けられており、該逆止弁(CV3)よりも高圧側流路(46a)の流出端側に、第7閉鎖弁(27)が設けられた連絡配管(66)の一端が接続されている。
一方、上記低圧側流路(46b)の流入端は、第4液管(74)を介して、第7閉鎖弁(27)を挟んで上記連絡配管(66)の第3液管(73)との接続部とは反対側に接続されている。また、上記低圧側流路(46b)の流出端は、上記高段側吸入管(64)に接続されている。
上記第3液管(73)において、上記逆止弁(CV3)と第1閉鎖弁(21)との間には、第5液管(75)の一端が接続されている。この第5液管(75)の他端は、上記第1液管(71)における逆止弁(CV2)と第5閉鎖弁(25)との間に接続されている。また、上記第5液管(75)には、上記一端側から他端側へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV4)が設けられている。
上記第4液管(74)には、上記第1室外膨張弁(47)が設けられている。この第1室外膨張弁(47)は、開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。また、第4液管(74)には、上記第1室外膨張弁(47)と上記連絡配管(66)の接続部との間に第6液管(76)の一端が接続されている。この第6液管(76)の他端は、上記第1液管(71)における上記逆止弁(CV2)と室外熱交換器(44)との間に接続されている。また、上記第6液管(76)には、上記第2室外膨張弁(48)が設けられている。この第2室外膨張弁(48)は、開度が調節可能な電子膨張弁であって、熱源側膨張弁を構成している。
また、上記第1液管(71)における逆止弁(CV2)と上記第5液管(75)の接続部との間には、連通管(67)の一端が接続され、該連通管(67)の他端は上記高段側吐出管(65)の四路切換弁(49)と逆止弁(CV1)との間に接続されている。この連通管(67)には、上記レシーバー(45)から高段側吐出管(65)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV5)が設けられている。
上記連絡配管(66)は、上述のとおり、一端が上記第3液管(73)に接続されている一方、他端は上記第1可変容量圧縮機(41)の高段側吸入管(64)に接続されている。そして、この連絡配管(66)には、上記第7閉鎖弁(27)や上記第4液管(74)との接続部よりも高段側吸入管(64)側の位置に、第3室外膨張弁(51)が設けられており、さらにその高段側吸入管(64)側にキャピラリーチューブ(52)が設けられている。この構成により、上記第3液管(73)を流れる液冷媒が、上記連絡配管(66)を介して上記高段側吸入管(64)に供給され、これにより、上記第1可変容量圧縮機(41)の吐出ガス温度を低下させることができる。
上記四路切換弁(49)は、第1のポートが高段側吐出管(65)に、第2のポートが高段側吸入管(64)に、第3のポートが室外熱交換器(44)に、第4のポートが第2閉鎖弁(22)にそれぞれ接続されている。この四路切換弁(49)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。
また、上記室外回路(40)には、圧縮機(41)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するための高段側油分離器(53)が設けられている。この高段側油分離器(53)は、図2に示すように、いわゆるデミスタ式の油分離器であり、密閉状の回収容器(55)と、デミスタ(56)とを備えている。この油回収容器は、円筒状の部材の両端を塞いで中空にしたもので、その上部側の空間がガス溜め部(57)を構成し、下部側の空間が液溜め部(58)を構成している。上記デミスタ(56)は、上記ガス溜め部(57)内に設けられていて、ガス冷媒中の油を捕捉することで、ガス冷媒から冷凍機油を分離することができる。
上記高段側油分離器(53)は、上記高段側吐出管(65)において、逆止弁(CV1)と上記連通管(67)の接続部との間に設けられている。この高段側油分離器(53)は、油戻し管(54)を介して、高段側吸入管(64)における連絡配管(66)の接続部と上記過冷却熱交換器(46)の低圧側流路(46b)流出端の接続部との間に接続されている。この油戻し管(54)には、電磁弁(SV1)が設けられていて、この電磁弁(SV1)を開くと、上記高段側油分離器(53)で分離された冷凍機油が上記高段側吸入管(64)に戻されるように構成されている。
また、上記室外回路(40)には、各種センサや圧力スイッチも設けられている。具体的には、上記高段側吐出管(65)には、第1高圧圧力スイッチ(30a)、第1吐出温度センサ(31a)及び第1吐出圧力センサ(32a)が設けられている。上記室外熱交換器(44)の室外ファン(50)の近傍には、外気温度センサ(33)が設けられている。上記高段側吸気管(64)には、吸入温度センサ(34)が設けられている。また、上記四路切換弁(49)と第2閉鎖弁(22)との間には、圧力スイッチ(42)が設けられている。さらに、上記第3液管(73)における過冷却熱交換器(46)の高圧側流路(46a)排出側には、温度センサ(35)が設けられている。
(冷凍ショーケース)
上記第1冷凍ショーケース(12)の第1冷凍回路(80)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、第1ドレンパン加熱用配管(81)、第1室内膨張弁(82)、及び第1冷却熱交換器(83)が設けられている。
上記第1室内膨張弁(82)は、開度が調節可能な電子膨張弁であって、利用側膨張弁を構成している。また、上記第1冷却熱交換器(83)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、利用側熱交換器を構成している。この第1冷却熱交換器(83)の近傍には、第1庫内ファン(84)が設けられている。第1冷却熱交換器(83)では、第1庫内ファン(84)が送風する庫内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。
上記第1ドレンパン加熱用配管(81)は、第1冷却熱交換器(83)の図示しないドレンパンに配置され、その内部を高温の冷媒が流れると、ドレンパンを加温し、該ドレンパンに第1冷却熱交換器(83)の表面から落下する霜や結露水、該ドレンパン内の液滴が凍結して生成される氷塊などを、融解するように構成されている。
また、上記第1冷凍回路(80)には、3つの温度センサが設けられている。具体的には、第1冷却熱交換器(83)の伝熱管、第1冷凍回路(80)におけるガス側端近傍、及び第1庫内ファン(84)の近傍に、温度センサ(85,86,87)がそれぞれ設けられている。
上記第2冷凍ショーケース(13)の第2冷凍回路(90)は、上記第1冷凍回路(80)と同様に構成されている。即ち、第2冷凍回路(90)には、上記第1冷凍回路(80)と同様、第2ドレンパン加熱用配管(91)、第2室内膨張弁(92)、第2冷却熱交換器(93)、及び第2庫内ファン(94)が設けられている。また、第2冷凍回路(90)には、上記第1冷凍回路(80)と同様、第2冷媒温度センサ(95)、第2ガス温度センサ(96)、及び第2庫内温度センサ(97)が設けられている。
(ブースタユニット)
上記第1ブースタユニット(14)の第1ブースタ回路(100)は、第1ブースタ連絡管(38)を介して上記第1冷凍回路(80)のガス側端と接続されている。この第1ブースタ回路(100)には、第2可変容量圧縮機(101)、第1固定容量圧縮機(102)及び第2固定容量圧縮機(103)が互いに並列に設けられている。
上記第2可変容量圧縮機(101)、第1及び第2固定容量圧縮機(102,103)は、何れも全密閉型で高圧ドーム型のスクロール圧縮機であり、冷媒回路(20)の低段側圧縮機を構成している。第2可変容量圧縮機(101)には、インバータを介して電力が供給される。この第2可変容量圧縮機(101)は、インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変更することによって、その容量が変更可能となっている。一方、上記第2及び第3固定容量圧縮機(102,103)は、圧縮機モータが常に一定の回転速度で運転されるものであって、その容量が変更不能となっている。なお、冷凍装置(10)の運転時には、上記3台の圧縮機(101,102,103)のうち、第2可変容量圧縮機(101)が優先的に運転され、該冷凍装置(10)の利用側の状況に応じて、上記第1固定容量圧縮機(102)、第2固定容量圧縮機(103)の順に運転するように構成されている。
上記圧縮機(101,102,103)の吸入側は、各吸入管(111,112,113)の接続される第1低段側吸入管(110)を介して上記第1ブースタ連結管(38)に接続されている。具体的には、上記第2可変容量圧縮機(101)の吸入側に一端が接続される第1吸入管(111)の他端、及び上記第2固定容量圧縮機(103)の吸入側に一端が接続される第3吸入管(113)の他端が、それぞれ上記第1低段側吸入管(110)に接続されていて、該第1低段側吸入管(110)はその一端で第1ブースタ連結管(38)に接続されている。また、上記第1吸入管(111)には、上記第1可変容量圧縮機(102)の吸入側に一端が接続される第2吸入管(112)の他端が接続されている。
上記圧縮機(101,102,103)の吐出側は、各吐出管(114,115,116)、第1低段側吐出管(117)及び第1吐出連絡管(130)を介して上記第3閉鎖弁(23)と接続されている。具体的には、上記第2可変容量圧縮機(101)の吐出側には第1吐出管(114)の一端が、第1固定容量圧縮機(102)の吐出側には第2吐出管(115)の一端が、第2固定容量圧縮機(103)の吐出側には第3吐出管(116)の一端が、それぞれ接続されていて、これらの吐出管(114,115,116)の他端は、上記第1低段側吐出管(117)に接続されている。そして、上記各吐出管(114,115,116)には、上記各圧縮機(101,102,103)から上記第3閉鎖弁(23)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV6,CV7,CV8)が、それぞれ設けられている。
上記第1ブースタ回路(100)には、2つの均油管(118a,118b)、液インジェクション管(119,119a,119b,119c)及び2つの油回収管(124a,124b)が設けられている。
上記2つの均油管(118a,118b)は、第1均油管(118a)と第2均油管(118b)とからなり、各圧縮機(101,102,103)の均油手段を構成している。該第1均油管(118a)は、その一端が上記第1固定容量圧縮機(102)のドームの所定の高さ位置に接続されている一方、他端が上記第1吸入管(111)における第2吸入管(112)との接続部よりも圧縮機(101)側に接続されていて、管路上には電磁弁(SV3)が設けられている。
上記第2均油管(118b)は、その一端が上記第2固定容量圧縮機(103)のドームの所定の高さ位置に接続されている一方、他端が上記第1吸入管(111)における第2吸入管(112)の接続部よりも第1低段側吸入管(110)の接続部側に接続されていて、電磁弁(SV4)が設けられている。
上記液インジェクション管(119,119a,119b,119c)は、液インジェクション主管(119)と第1〜第3の3つの液インジェクション分岐管(119a,119b,119c)とから構成されている。上記液インジェクション主管(119)は、一端が上記液連絡配管(36)に接続されていて、他端が上記各液インジェクション分岐管(119a,119b,119c)の一端とそれぞれ接続されている。また、上記液インジェクション主管(119)には、第1膨張弁(120)が設けられている。この第1膨張弁(120)は、開度調整自在な電子膨張弁で構成されている。さらに、上記液インジェクション主管(119)において、上記第1膨張弁(120)よりも上記液連絡配管(36)の接続部側には、第2膨張弁(121)の設けられた連通管(122)の一端が接続されている。なお、この連通管(122)の他端は、上記第1吐出連絡管(130)に接続されている。
上記第1〜第3の各液インジェクション分岐管(119a,119b,119c)には、それぞれ、キャピラリーチューブ(123a,123b,123c)が設けられていて、該各液インジェクション分岐管(119a,119b,119c)の他端は上記各圧縮機(101,102,103)の吸入管(111,112,113)に接続されている。これにより、上記液連絡配管(36)を流れる液冷媒が、上記液インジェクション主管(119)を介して各液インジェクション分岐管(119a,119b,119c)内を流れ、各圧縮機(101,102,103)の吸入管(111,112,113)に供給される。
上記2つの油回収管(124a,124b)は、第1油回収管(124a)と第2油回収管(124b)とから構成されている。該第1油回収管(124a)の一端は、上記第1可変容量圧縮機(101)の第1吸入管(111)における第1均油管(118a)の接続部と上記第2吸入管(112)の接続部との間に接続されている。一方、上記第1油回収管(124a)の他端は、上記第2固定容量圧縮機(103)の第3吸入管(113)に接続されている。
また、上記第2油回収管(124b)の一端は、上記第1固定容量圧縮機(102)の第2吸入管(112)における第2液インジェクション分岐管(119b)の接続部と該第1固定容量圧縮機(102)の吸入側との間に接続されている。一方、上記第2油回収管(124b)の他端は、上記第1油回収管(124a)に接続されている。
上記第1ブースタ回路(100)には、第1油排出管(125)、第1バイパス管(126)、バイパス通路としての第2バイパス管(127)及び第1低段側油分離器(128)が設けられている。
上記第1油排出管(125)は、一端が上記第2可変容量圧縮機(101)の油排出口(図示省略)に接続され、他端が上記第1吐出連絡管(130)に接続されている。この第1油排出管(117)には、電磁弁(SV2)が設けられている。この電磁弁(SV2)は、上記第2可変容量圧縮機(101)内の冷凍機油が過剰となる場合に開状態となる。その結果、冷凍機油は上記第1油排出管(125)を介して室外回路(40)側へ流れ込み、高段側の上記第1可変容量圧縮機(41)に吸入される。なお、上記第1油排出管(125)において上記電磁弁(SV2)よりも第1吐出連絡管(130)の接続部側には、上記第2可変容量圧縮機(101)から第1吐出連絡管(130)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV9)が設けられている。
上記第1低段側油分離器(128)は、第1低段側吐出管(117)の他端に設けられていて、各圧縮機(101,102,103)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するように構成されている。この第1低段側油分離器(128)も、図2に示すような構成を有しており、上記室外回路(40)に設けられている高段側油分離器(53)と同じ構成なので、構造についての詳しい説明は省略する。
上記第1低段側油分離器(128)には、図2に示すように、第1油戻し管(129)と、上記第1低段側吐出管(117)と、上記第1吐出連絡管(130)と、が接続されている。
上記第1油戻し管(129)は、その一端が上記第1低段側油分離器(128)の油回収容器(55)の底部に接続されて、液溜め部(58)に開口している一方、他端は上記第1低段側吸入管(110)に接続されている。また、この第1油戻し管(129)には、開閉自在な電磁弁(SV5)が設けられていて、該電磁弁(SV5)を開くと、上記第1低段側油分離器(128)で分離された冷凍機油が、上記第1低段側吸入管(110)内へ戻るように構成されている。
上記第1低段側吐出管(117)は、第1低段側油分離器(128)の油回収容器(55)の周壁に接続されていて、ガス溜め部(57)に開口している。上記第1吐出連絡管(130)は、第1低段側油分離器(128)の油回収容器(55)の頂部に接続されていて、ガス溜め部(57)に開口している。
上記第1バイパス管(126)は、一端が上記第1低段側吸入管(110)に接続され、他端が上記第1低段側油分離器(128)の第1油戻し管(129)に接続されている。この第1バイパス管(126)は、後述するデフロスト運転時や、液冷媒回収動作時に、上記各圧縮機(101,102,103)をバイパスして冷媒を流すためのものである。上記第1バイパス管(126)には、電磁弁(SV6)が設けられている。
上記第2バイパス管(127)は、一端が上記第1低段側吸入管(110)に接続され、他端が上記第1吐出連絡管(130)に接続されている。すなわち、この第2バイパス管(127)は、上記低段側の圧縮機(101,102,103)及び第1低段側油分離器(128)をバイパスするように設けられている。また、この第2バイパス管(127)には、上記第1低段側吸入管(110)から第1吐出連絡管(130)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV10)が設けられている。これにより、後述するように、高段側の圧縮機(41)のみが駆動する単段圧縮動作時には、上記第2バイパス管(127)を介して、すなわち上記第1低段側油分離器(128)をバイパスして、冷媒を該高段側の圧縮機(41)に流すことができる。
また、上記第1ブースタ回路(100)には、各種のセンサや圧力スイッチも設けられている。具体的には、上記第1低段側吸入管(110)には第1吸入圧力センサ(131)が設けられている。上記第1吐出管(114)には、第2高圧圧力スイッチ(30b)及び第2吐出温度センサ(31b)が設けられている。上記第2吐出管(115)には、第3高圧圧力スイッチ(30c)及び第3吐出温度センサ(31c)が設けられている。上記第3吐出管(116)には、第4高圧圧力スイッチ(30d)及び第4吐出温度センサ(31d)が設けられている。上記第1低段側吐出管(117)には、第2吐出圧力センサ(32b)が設けられている。上記第1吐出連絡管(130)の第3閉鎖弁(23)近傍には、温度センサ(132)が設けられている。
上記第2ブースタユニット(15)の第2ブースタ回路(140)は、第2ブースタ連絡管(39)を介して上記第2冷凍回路(90)のガス側端と接続されている。この第2ブースタ回路(140)は、上記第1ブースタ回路(100)と同様の構成となっている。即ち、第2ブースタ回路(140)には、上記第1ブースタ回路(100)と同様に、第3可変容量圧縮機(141)、第3固定容量圧縮機(142)及び第4固定容量圧縮機(143)が設けられている。
また、上記第2ブースタ回路(140)には、上記第1ブースタ回路(100)と同様、上記第2ブースタ連結管(39)に接続される第2低段側吸入管(150)や、上記圧縮機(141,142,143)の吸入側及び吐出側にそれぞれ連結される第4吸入管(151)、第5吸入管(152)、第6吸入管(153)、第4吐出管(154)、第5吐出管(155)及び第6吐出管(156)、さらに、これらの吐出管(154,155,156)に対して、互いに合流させるように接続される第2低段側吐出管(157)が設けられている。
また、上記第2ブースタ回路(140)には、上記第1ブースタ回路(100)と同様、圧縮機(141,142,143)の均油手段として第3均油管(158a)及び第4均油管(158b)が設けられていて、液インジェクション配管(159,159a,159b,159c)や連通管(162)、第3膨張弁(160)及び第4膨張弁(161)、キャピラリーチューブ(163a,163b,163c)が設けられている。
また、上記第2ブースタ回路(140)には、上記第1ブースタ回路(100)と同様、上記吸入管(151,152,153)に跨るように第3油回収管(164a)及び第4油回収管(164b)が、上記第3可変容量圧縮機(141)内の冷凍機油の油量を調整できるように第2排油管(165)が、上記第2低段側吐出管(157)と第2吐出連絡管(170)と第2油戻し管(169)とに接続されるように第2低段側油分離器(168)が、該第2油戻し管(169)に接続されるように第3バイパス管(166)が、上記第2低段側油分離器(168)及び圧縮機(141,142,143)をバイパスするように第4バイパス管(167)が、それぞれ設けられている。
さらに、上記第2ブースタ回路(140)には、上記第1ブースタ回路(100)と同様、上記第4〜第6吐出管(154,155,156)、第2排油管(165)及び第4バイパス管(167)に、それぞれ逆止弁(CV11,CV12,CV13,CV14,CV15)が設けられている。また、上記第2排油管(165)、第3及び第4均油管(158a,158b)、第2油戻し管(169)及び第3バイパス管(166)には、それぞれ電磁弁(SV7,SV8,SV9,SV10,SV11)が設けられている。
また、上記第2ブースタ回路(140)には、第1ブースタ回路(100)と同様に、各種のセンサや圧力スイッチも設けられている。具体的には、上記第2低段側吸入管(150)には第2吸入圧力センサ(171)が、上記第4〜第6吐出管(154,155,156)にはそれぞれ第5〜第7高圧圧力スイッチ(30e,30f,30g)及び第5〜第7吐出温度センサ(31e,31f,31g)が、上記第2低段側吐出管(157)には、第3吐出圧力センサ(32c)が設けられている。上記第2吐出連絡管(170)の第4閉鎖弁(24)近傍には、温度センサ(172)が設けられている。
−運転動作−
以下に、実施形態1の冷凍装置(10)の運転動作について説明する。
<冷却運転>
(二段圧縮動作)
この冷凍装置(10)の冷却運転では、第1冷凍ショーケース(12)及び第2冷凍ショーケース(13)の庫内の冷却が行われる。
図3に示すように、冷却運転時の室外回路(40)では、四路切換弁(49)が第1状態に設定される。また、第2室外膨張弁(48)が全閉状態となる一方、第1室外膨張弁(47)の開度が適宜調節される。さらに、電磁弁(SV1)が閉の状態に設定される。
第1冷凍回路(80)では、第1室内膨張弁(82)の開度が適宜調節される。また。第2冷凍回路(90)でも、第2室内膨張弁(92)の開度が適宜調節される。第1ブースタ回路(100)では、電磁弁(SV2)が閉の状態に設定される。第2ブースタ回路(140)では、電磁弁(SV7)が閉の状態に設定される。
冷却運転では、室外回路(40)の圧縮機(41)、第1ブースタ回路(100)の各圧縮機(101,102,103)、及び第2ブースタ回路(140)の各圧縮機(141,142,143)がそれぞれ運転される。その結果、冷媒回路(20)では、室外熱交換器(44)が凝縮器となり、各冷却熱交換器(83,93)が蒸発器となって、2段圧縮冷凍サイクルが行われる。
上記室外回路(40)において第1可変容量圧縮機(41)から吐出された冷媒は、高段側吐出管(65)から四路切換弁(49)を通過して室外熱交換器(44)を流れる。室外熱交換器(44)では、冷媒に室外空気の熱が付与され、この冷媒が凝縮する。
上記室外熱交換器(44)で凝縮された冷媒は、第1液管(71)、レシーバ(45)、第2液管(72)及び過冷却熱交換器(46)の高圧側流路(46a)を通過し、第3液管(73)へ流入する。該第3液管(73)を流れる冷媒は、一部が連絡配管(66)へ分配され、残りが液連絡配管(36)へ流入する。
上記連絡配管(66)を流れる冷媒は、さらに分岐して第4液管(74)へ流れ、第1室外膨張弁(47)を通過して減圧されてから、過冷却熱交換器(46)の低圧側流路(46b)を流通する。この過冷却熱交換器(46)では、上記高圧側流路(46a)を流れる高圧冷媒と、低圧側流路(46b)を流れる低圧冷媒とが熱交換する。その結果、高圧側流路(46a)を流れる冷媒の熱が、低圧側流路(46b)を流れる冷媒の蒸発熱として奪われる。つまり、過冷却熱交換器(46)では、高圧側流路(46a)を流れる冷媒が過冷却される。過冷却熱交換器(46)の低圧側流路(46b)で蒸発した冷媒は、高段側吸入管(64)へ流入する。
一方、上記連絡配管(66)をそのまま流れた冷媒は、第3室外膨張弁(51)を通過して減圧された後、キャピラリーチューブ(52)を通過し、圧縮機(41)の高段側吸入管(64)に供給される。
上記液連絡配管(36)へ流入した冷媒は、第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)へそれぞれ分配されるとともに、第1及び第2ブースタユニット(14,15)の液インジェクション主管(119,159)にも分配される。なお、この液インジェクション主管(119,159)に分配された冷媒は、それぞれ、膨張弁(120,160)を通過して減圧された後、キャピラリーチューブ(123a,123b,123c,163a,163b,163c)を通過し、圧縮機(101,102,103,141,142,143)の吸入管(111,112,113,151,152,153)に供給される。
上記第1及び第2冷凍回路(80,90)では、液冷媒がドレンパン加熱用配管(81,91)を流れ、ドレンパンの着霜を防止すると共に、冷却熱交換器(83,93)からドレンパンに落下した霜を確実に融解する。上記ドレンパン加熱用配管(81,91)から流出した液冷媒は、室内膨張弁(82,92)を通過する際に減圧されて膨張し、冷却熱交換器(83,93)へ導入される。該冷却熱交換器(83,93)では、冷媒が冷却室内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷凍ショーケース(12,13)においては、冷却熱交換器(83,93)で冷却された空気が冷却室内へ供給される。
上記冷却熱交換器(83,93)で蒸発したガス冷媒は、合流した後、ブースタ連結管(38,39)を介して第1及び第2ブースタユニット(14,15)へそれぞれ流れる。これらのブースタユニット(14,15)は、上述のとおり、並列に設けられているため、以下の説明では、第1ブースタユニット(14)内での冷媒の流れについてのみ説明する。
上記第1ブースタ連結管(38)を流れるガス冷媒は、第1低段側吸入管(110)、第1〜第3吸入管(111,112,113)を介して低段側の圧縮機(101,102,103)へ流入する。この際、第1及び第2均油管(118a,118b)の閉鎖弁(SV3,SV4)はコントローラ(200)によって適宜、開閉制御されるとともに、上記吸入管(111,112,113)に対してはインジェクション分岐管(119a,119b,119c)を介して液冷媒が供給される。
上記低段側の各圧縮機(101,102,103)で圧縮されて吐出された冷媒は、第1〜第3吐出管(114,115,116)を介して第1低段側吐出管(117)に流れ込み、第1低段側油分離器(128)内でガス冷媒と冷凍機油とに分離される。そして、ガス冷媒は、第1吐出連絡管(130)内を流れて、第2ブースタユニット(15)から吐出されるガス冷媒と合流し、ガス連絡配管(37)によって、室外ユニット(11)内へ戻る。その後は、四路切換弁(49)、高段側吸入管(64)を介して第1可変容量圧縮機(41)内へ吸い込まれる。
ここで、上記第1低段側油分離器(128)内で分離された冷凍機油は、回収容器(55)内の液溜め部(58)に溜められた後、所定のタイミングで第1油戻し管(129)上の電磁弁(SV5)を開状態にすることで、該第1油戻し管(129)内を流れて第1低段側吸入管(110)に戻される。これにより、該第1低段側吸入管(110)内の冷媒と冷凍機油とが混合した状態で流れ、該冷凍機油は低段側の各圧縮機(101,102,103)内に戻される。なお、各圧縮機(101,102,103)内の冷凍機油量の調整は、均油手段としての均油管(118a,118b)や、第1排油管(125)、該第1排油管(125)に設けられた電磁弁(SV2)によって行われる。
(単段圧縮動作)
図4に示す単段圧縮動作では、高段側の圧縮機(41)が運転状態である一方、低段側の圧縮機(101,102,103)は停止状態となる。また、この単段圧縮動作では、第1ブースタユニット(14)の電磁弁(SV6)、第2ブースタユニット(15)の電磁弁(SV11)が閉の状態に設定される。以下で、冷凍装置(10)の単段圧縮動作について説明する。なお、室外ユニット(11)での冷媒の流れは上述の二段圧縮動作の場合と同じなので、詳しい説明は省略する。
室外ユニット(11)において、第1可変容量圧縮機(41)から吐出された冷媒は、高段側吐出管(65)、四路切換弁(49)、室外熱交換器(44)、第1液管(71)、レシーバ(45)、第2液管(72)及び過冷却熱交換器(46)、及び第3液管(73)を通過して、液連絡配管(36)へ流入する。そして、上記液連絡配管(36)へ流入した冷媒は、第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)に分配される。なお、単段圧縮動作の場合、高段側については、上述の二段圧縮動作時と同様、連絡配管(66)を介して圧縮機(41)の吸入管(64)に冷媒が供給されるが、低段側については膨張弁(120,160)を閉状態にしてインジェクション主管(119,159)に冷媒が流れないようになっている。
上記第1及び第2冷凍回路(80,90)では、上述の二段圧縮動作の場合と同様、液冷媒がドレンパン加熱用配管(81,91)を流れ、ドレンパンの着霜を防止すると共に、冷却熱交換器(83,93)からドレンパンに落下した霜を確実に融解する。上記ドレンパン加熱用配管(81,91)から流出した液冷媒は、室内膨張弁(82,92)を通過する際に減圧されて膨張し、冷却熱交換器(83,93)へ導入される。該冷却熱交換器(83,93)では、冷媒が冷却室内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷凍ショーケース(12,13)においては、冷却熱交換器(83,93)で冷却された空気が冷却室内へ供給される。
そして、上記冷却熱交換器(83,93)で蒸発したガス冷媒は、合流した後、ブースタ連結管(38,39)を介して第1及び第2ブースタユニット(14,15)へそれぞれ流れる。該第1及び第2ブースタユニット(14,15)では、圧縮機(101,102,103,141,142,143)が動作していないため、冷媒は該圧縮機(101,102,103,141,142,143)に吸い込まれることなく、バイパス管(127,167)を通って吐出連絡管(130,170)及びガス連絡配管(37)を流れ、室外ユニット(11)へ戻る。
このとき、上記バイパス管(127,167)は、低段側油分離器(128,168)をバイパスするように設けられているため、基本的には該低段側油分離器(128,168)内を通過することなく冷媒は室外ユニット(11)へ戻ることになる。しかしながら、本実施形態では、低段側油分離器(128,168)とバイパス管(127,167)とが連通しており、該油分離器(128,168)内に冷媒が流入しうる構成になっている。そのため、低段側油分離器(128,168)周辺の温度が低下すると、該油分離器(128,168)内のガス冷媒が凝縮して、該油分離器(128,168)内にガス冷媒がさらに流入することになる。したががって、上記低段側油分離器(128,168)内に液冷媒が溜まりやすい構造になっている。
<単段圧縮動作時の冷媒回収動作>
これに対し、本発明の特徴部分として、上述のように低段側油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒を排出するために、低段側の圧縮機(101,102,103,141,142,143)のうち、可変容量圧縮機(101,141)をコントローラ(200)によって起動させて、上記低段側油分離器(128,168)内に高温のガス冷媒を送り込むことで、該低段側油分離器(128,168)内の液冷媒を蒸発させて高段側へ戻すような構成にした。このコントローラ(200)が本発明の液冷媒回収手段を構成する。
すなわち、上記低段側油分離器(128,168)内に所定量以上の液冷媒が溜まった場合に、コントローラ(200)は、低段側の可変容量圧縮機(101,141)を所定時間以上、起動させることで、低段側油分離器(128,168)に高温のガス冷媒を送りこみ、その熱によって該油分離器(128,168)内の液冷媒を蒸発させる。これにより、上記低段側油分離器(128,168)内の液冷媒は、上記低段側の可変容量圧縮機(101,141)から吐出されたガス冷媒とともに高段側へ戻される。
ここで、上記所定量は、油分離器(128,168)の回収容器(55)の容量や、循環する冷媒の流量等に応じて決められる量で、油分離器(128,168)内の液冷媒の回収動作を行う必要がある量を意味する。また、上記所定時間は、上記所定量の液冷媒を油分離器(128,168)から排出するのに要する時間であり、例えば実験等によって求められる。なお、上記低段側油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒の量は、回収容器(55)内に設けられたセンサ等によって検出するようにしてもよいし、冷媒の流量や外気温等から推定するようにしてもよい。
<デフロスト運転>
この冷凍装置(10)のデフロスト運転では、第1冷却熱交換器(83)及び第2冷却熱交換器(93)の除霜が同時に行われる。
図5に示すように、デフロスト運転時の室外回路(40)では、四路切換弁(49)が第2状態に設定される。また、第1室外膨張弁(47)が全閉状態となる一方、第2室外膨張弁(48)の開度が適宜調節される。第1冷凍回路(80)では、第1室内膨張弁(82)が全開状態となる。第2冷凍回路(90)では、第2室内膨張弁(92)が全開状態となる。第1ブースタ回路(100)では、電磁弁(SV2)が閉の状態に設定され、電磁弁(SV6)が開の状態に設定される。第2ブースタ回路(140)では、電磁弁(SV7)が閉の状態に設定され、電磁弁(SV11)が開の状態に設定される。
デフロスト運転では、室外回路(40)の圧縮機(41)が運転される一方、第1ブースタ回路(100)の各圧縮機(101,102,103)、及び第2ブースタ回路(140)の各圧縮機(141,142,143)が停止状態となる。その結果、冷媒回路(20)では、室外熱交換器(44)が蒸発器となり、各冷却熱交換器(83,93)が凝縮器となって、冷凍サイクルが行われる。
第1可変容量圧縮機(41)から吐出された冷媒は、高段側吐出管(65)から四路切換弁(49)を通ってガス連絡配管(37)へ流入する。上記ガス連絡配管(37)へ流入した冷媒は、第1ブースタ回路(100)と第2ブースタ回路(140)とに分配される。これらのブースタ回路(100,140)は、上述のとおり、互いに並列に設けられているため、以下の説明では、第1ブースタ回路(100)内での冷媒の流れについてのみ説明する。
上記第1ブースタ回路(100)へ流入した冷媒は、第1吐出連絡管(130)から第1低段側油分離器(128)内に流入する。該油分離器(128)の回収容器(55)内に流入したガス冷媒は、容器の上部から流入するため、ガス溜め部(57)から液溜め部(58)側に流れ、第1油戻し管(129)へ流出する。この際、液溜め部(58)に溜まった油や液冷媒は、ガス冷媒とともに第1油戻し管(129)へ流出する。この第1油戻し管(129)に流出した冷媒は、第1バイパス管(126)を経由して第1低段側吸入管(110)を通過し、第2ブースタ回路(140)の第2低段側吸入管(150)を流れてきた冷媒と合流した後、第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)へ流入する。つまり、第1ブースタ回路(100)に流入した冷媒は、停止状態の低段側の圧縮機(101,102,103)をバイパスして第1ブースタ回路(100)から第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)へ流出する。
上述のように、デフロスト運転時には、ガス冷媒が低圧側油分離器(128)内をガス溜め部(57)側から液溜め部(58)側へ流れるように構成することで、該低圧側油分離器(128)内に溜まった油や液冷媒などをすべて排出できるため、該油分離器(128)が液溜まりになるのを確実に防止することができる。
上記第1及び第2冷凍回路(80,90)へ流入した冷媒は、冷却熱交換器(83,93)を流れる。この冷却熱交換器(83,93)では、その表面の霜が内側から加熱されて融解する一方、冷媒はこの霜に融解熱を奪われて凝縮する。上記冷却熱交換器(83,93)で凝縮した冷媒は、全開状態の室内膨張弁(82,92)を通過した後、ドレンパン加熱用配管(81,91)を流れる。その結果、この冷媒によってドレンパン近傍が加熱され、該ドレンパン内の霜や氷塊が融解する。逆に、上記ドレンパン加熱用配管(81,91)を流れる冷媒は、ドレンパン内の霜や氷塊に融解熱を奪われる。その後、第1及び第2冷凍回路(80,90)を通過した冷媒は再び合流して液連絡配管(36)へ流入する。
上記液連絡配管(36)内を流れた冷媒は、第5液管(75)を経由し、レシーバ(45)、過冷却熱交換器(46)の高圧側流路(46a)を通過する。そして、冷媒は、第3液管(73)を経由して連絡配管(66)、第4配管(74)及び第6配管(76)を流れた後、該第6配管(76)に設けられた第2室外膨張弁(48)を通過することで減圧され、室外熱交換器(44)を流れる。この室外熱交換器(44)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。該室外熱交換器(44)で蒸発した冷媒は、四路切換弁(49)を通過して高段側吸入管(64)へ流入し、圧縮機(41)に吸入される。
<デフロスト運転終了後の冷媒回収動作>
ところで、上述のデフロスト運転を行うと、各冷凍ショーケース(12,13)では、各冷却熱交換器(83,93)で凝縮した液冷媒が、該各冷却熱交換器(83,93)の内部に溜まり込んでしまうことがある。このような状態で上述の冷却運転を再開すると、各冷却熱交換器(83,93)内に溜まった液冷媒が、各ブースタ回路(100,140)の各低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)に吸入されることになる。その結果、いわゆる液圧縮現象により、各低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)が故障してしまう虞がある。
そこで、本実施形態に係る冷凍装置(10)では、デフロスト運転を終了させた後、上記冷却運転を再開する際に、このような低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)の液圧縮現象を回避すべく、次のような冷媒回収動作を行うようにしている。
図6に示すように、冷媒回収動作では、上述の冷却運転と同様、四路切換弁(49)が第1状態に設定される。また、第2室外膨張弁(48)が全閉状態となる一方、第1室外膨張弁(47)の開度が適宜調節される。第1冷凍回路(80)では、第1室内膨張弁(82)の開度が適宜調節される。第2冷凍回路(90)では、第2室内膨張弁(92)の開度が適宜調節される。第1ブースタ回路(100)では、電磁弁(SV2)が閉の状態に設定される一方、電磁弁(SV6)が開の状態となる。第2ブースタ回路(140)では、電磁弁(SV7)が閉の状態に設定される一方、電磁弁(SV11)が開の状態となる。
また、冷媒回収動作では、室外回路(40)側の高段側圧縮機(41)が運転される一方、各ブースタ回路(100,140)側の各低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)が停止状態となる。
この冷媒回収動作の室外回路(40)では、高段側圧縮機(41)で圧縮された冷媒が上述の冷却運転と同様の経路を流れる。つまり、室外回路(40)では、高圧冷媒が室外熱交換器(44)で凝縮して液連絡配管(36)に流入した後、各冷凍回路(80,90)に分流する。
第1及び第2冷凍回路(80,90)に流入した冷媒は、それぞれ、室内膨張弁(82,92)で減圧された後、冷却熱交換器(83,93)を流れる。この冷却熱交換器(83,93)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。同時に、冷却熱交換器(83,93)内に溜まっていた液冷媒は、ガス冷媒に圧送されて冷却熱交換器(83,93)から排出される。
その後、冷媒は第1及び第2ブースタ回路(100,140)に流入する。これらのブースタ回路(100,140)は、上述とおり、互いに並列に設けられているため、以下の説明では、第1ブースタ回路(100)についてのみ説明する。
上記第1ブースタ回路(100)に流入した冷媒は、第1バイパス管(126)を介して第1低段側油分離器(128)内に流入する。この際、冷媒は、上記低段側油分離器(128)に対して第1油戻し管(129)の開口部、すなわ該油分離器(128)の下側から流れ込むため、その回収容器(55)内において、液冷媒は下側の液溜め部(58)に溜まり、ガス冷媒は上側のガス溜め部(57)に溜まって、これにより、冷媒が液冷媒とガス冷媒とに分離される。そして、分離後のガス冷媒は、ガス溜め部(57)から第1吐出連絡管(130)より油回収容器(55)の外部へ流出する。
ここで、上記低段側油分離器(128)内に上記所定量以上の液冷媒が溜まった場合には、上述の単段圧縮動作の場合と同様、低段側の圧縮機(101)を所定時間以上、起動して、高温のガス冷媒を上記油分離器(128)内に送り込むことで、該油分離器(128)内の液冷媒をガス化させて、高段側に戻す。
各ブースタ回路(100,140)から流出した冷媒は、ガス連絡配管(37)を流通する。ここで、ガス連絡配管(37)を流れる冷媒中に液冷媒が残存している場合、この液冷媒はガス連絡配管(37)の周囲の空気から吸熱して蒸発する。ガス連絡配管(37)を流出したガス冷媒は、室外回路(40)に流入し、高段側圧縮機(41)に吸入される。
このように、デフロスト運転後の冷媒回収動作において、上記低段側油分離器(128)内に液冷媒が一旦、溜められるように構成されているため、多量の液冷媒が高段側の圧縮機(41)に一気に流れ込むのを確実に防止することができる。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1によれば、冷却運転における単段圧縮動作時に低段側の圧縮機(101,102,103,141,142,143)及び低段側油分離器(128,168)をバイパスするように構成された冷媒回路(20)を備えた冷凍装置(10)において、該低段側油分離器(128,168)内に所定量の液冷媒が溜まった場合に、コントローラ(200)によって低段側の圧縮機(101,141)を所定時間、起動させて高温のガス冷媒を該油分離器(128,168)内に送り込むようにしたことで、該油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒を高段側へ排出することができ、液冷媒の溜まり込みを防止できる。これにより、上記冷媒回路(20)内に冷媒を効率良く流すことができ、全体の冷媒量を節約できる。
ところで、上述のような液冷媒の排出手段を設けていない場合、油分離器(128,168)とバイパス管との間に該油分離器(128,168)内に冷媒が入り込まないように逆止弁等を設ける必要があるが、ブースタユニット(14,15)を複数、設けると、油分離器(128,168)の近傍に逆止弁が並ぶことになり、その動作音等に起因する騒音が大きくなるという問題が生じる。これに対し、本実施形態のような構成にすることで、油分離器(128,168)周辺の逆止弁を省略することができ、コストの低減を図れるとともに、上述のような騒音の発生も防止することができる。
また、冷却運転における単段圧縮動作時以外は、冷媒が上記油分離器(128,168)を必ず通過するように構成することで、該油分離器(128,168)が液溜まりとなって内部に冷媒が溜まるのを確実に防止することができる。
さらに、単段圧縮動作時に冷媒が低段側油分離器(128,168)をバイパスして流れるようにバイパス管(127,167)を設けることで、該油分離器(128,168)内に冷媒が直接流入することはなく、該油分離器(128,168)内への冷媒の流入を極力抑えることができる。
《実施形態2》
実施形態2の冷凍装置(210)は、上記実施形態1と冷媒回路の構成、及び低段側油分離器周辺の冷媒、冷凍機油の流れが異なるものである。以下では、上記実施形態1と同じ構成のものは同じ符号を付して説明を省略し、該実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図7に示すように、実施形態2の冷凍装置(210)は、過冷却ユニット(230)を備えている。この過冷却ユニット(230)は、冷媒通路(231)と、過冷却用冷媒回路(240)と、過冷却用熱交換器(250)とを備えている。上記冷媒通路(231)は、その一端側が、室外回路(40)の第1閉鎖弁(21)に接続されている第1液連絡配管(36a)に接続される一方、他端側は、液冷媒を第1及び第2冷凍回路(80,90)に分配するための第2液連絡配管(36b)に接続されている。すなわち、上記過冷却ユニット(250)は、室外回路(40)と第1及び第2冷凍回路(80,90)との間に設けられている。
上記過冷却用冷媒回路(240)は、過冷却用圧縮機(241)と、過冷却用室外熱交換器(242)と、膨張機構である過冷却用膨張弁(243)と、上記過冷却用熱交換器(250)とを順に配管で接続して構成された閉回路である。すなわち、この過冷却用冷媒回路(240)では、上記冷凍装置(210)の冷媒回路(220)に流れる冷媒とは別の過冷却用冷媒を循環させている。
上記過冷却用圧縮機(241)は、全密閉型で高圧ドーム型のスクロール圧縮機であり、インバータを介して電力が供給されるように構成されている。すなわち、この過冷却用圧縮機(241)は、インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変更することで容量を変更できるようになっている。
上記過冷却用室外熱交換器(242)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。過冷却用室外熱交換器(242)の近傍には、室外ファン(244)が設けられていて、該室外ファン(244)が送風する室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。上記過冷却用膨張弁(243)は、開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。
上記過冷却用熱交換器(250)は、いわゆるプレート式熱交換器によって構成されている。この過冷却用熱交換器(250)には、第1流路(250a)及び第2流路(250b)が形成されている。そして、第1流路(250a)には上記過冷却用冷媒回路(240)が、第2流路(250b)には冷媒通路(231)がそれぞれ接続されている。これにより、上記過冷却用熱交換器(250)では、第1流路(250a)を流れる過冷却用冷媒と、第2流路(250b)を流れる冷凍装置(210)の冷媒との間で熱交換が行われる。
また、上記過冷却ユニット(210)には、各種センサや圧力スイッチも設けられている。具体的には、上記過冷却用圧縮機(241)の吐出側の配管には、第8高圧圧力スイッチ(30h)、第8吐出温度センサ(31h)が設けられている。上記過冷却用熱交換器(250)の第2流路(250b)の出入り口付近には入口側冷媒温度センサ(245)及び出口側冷媒温度センサ(246)が設けられている。上記過冷却用室外熱交換器(242)の室外ファン(244)の近傍には、外気温度センサ(247)が設けられている。
さらに、この実施形態2では、第1及び第2ブースタユニット(14,15)における低段側油分離器(128,168)まわりの配管構成が上記実施形態1とは異なっている。
具体的には、上記実施形態1において低段側油分離器(128,168)をバイパスするように設けられたバイパス管(127,167)の代わりに、この実施形態では、低段側吸入管(110,150)と上記低段側油分離器(128,168)の油戻し管(129,169)に接続されたバイパス管(126,166)とを接続し、該バイパス管(126,166)に設けられた電磁弁(SV6)をバイパスするバイパス管(301,302)が設けられている。
上記バイパス管(301,302)には、それぞれ、上記低段側吸入管(110,150)からバイパス管(126,166)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV16,CV17)が設けられている。
また、上記低段側油分離器(128,168)には、液冷媒の回収通路としての回収管(302,342)が接続されている。この回収管(302,342)は、図8に示すように、上記油分離器(128,168)の回収容器(55)に対して液溜め部(58)に開口するように接続されていて、該液溜め部(58)に溜まった液冷媒や冷凍機油を排油管(125,165)を介して高段側へ戻すように構成されている。
上記回収管(302,342)には、それぞれ、開閉弁としての電磁弁(SV12,SV13)が設けられている。上記低段側油分離器(128,168)の回収容器(55,55)内に所定量の液冷媒等が溜まった場合に、コントローラ(200)によって上記電磁弁(SV12,SV13)を作動させることで、上記回収管(302,342)及び排油管(125,165)を介して液冷媒等の回収を行えるようになっている。
ここで、上記回収管(302,342)及び電磁弁(SV12,SV13)によって本発明の液冷媒回収手段(300,340)が構成される。
−運転動作−
この実施形態2に係る冷凍装置(210)では、上述のように、過冷却ユニット(230)が設けられている点、低段側油分離器(128,168)をバイパスする配管がなく、該油分離器(128,168)を必ず冷媒が通過するように構成されている点が、上述の実施形態1と異なる。したがって、これらの点を中心に以下で上記冷凍装置(210)の運転動作について説明する。
<冷却運転>
(二段圧縮動作)
図9に示すように、冷却運転中は、室外回路(40)の四路切換弁(49)は第1状態に設定される。また、第1ブースタ回路(100)及び第2ブースタ回路(140)で電磁弁(SV12,SV13)が閉の状態に設定される以外、冷媒回路(220)における膨張弁や電磁弁の設定は、上述の実施形態1の場合と同様である。
二段圧縮動作時には、室外回路(40)の圧縮機(41)、第1ブースタ回路(100)の各圧縮機(101,102,103)、第2ブースタ回路(140)の各圧縮機(141,142,143)、及び過冷却用冷媒回路(240)の過冷却用圧縮機(241)がそれぞれ運転される。
上記室外回路(40)において第1可変容量圧縮機(41)から吐出された冷媒は、上記実施形態1と同様、四路切換弁(49)、室外熱交換器(44)、レシーバ(45)、過冷却熱交換器(46)の高圧側流路(46a)を通過した後、第3液管(73)を介して第1液連絡配管(36a)へ流入する。
上記第1液側連絡配管(36a)へ流入した冷媒は、過冷却ユニット(230)の冷媒通路(231)へ流入する。この冷媒通路(231)へ流入した冷媒は、過冷却用熱交換器(250)の第2流路(250b)を通過する間にさらに冷却される。過冷却用熱交換器(250)で冷却された過冷却状態の液冷媒(過冷却用冷媒)は、第2液側連絡配管(36b)を通って第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)とに分配される。
なお、この実施形態でも、上記実施形態1と同様、冷媒は上記第3液管(73)及び第2液側連絡配管(36b)に接続された連絡配管(66)及びインジェクション主管(119,159)に流れて、キャピラリーチューブ(52,123a,123b,123c,163a,163b,163c)を通過した後、圧縮機(41,101,102,103,141,142,143)の吸入管(64,111,112,113,151,152,153)に供給される。
そして、上記実施形態1と同様、上記第1及び第2冷凍回路(80,90)内を流れて、冷却熱交換器(83,93)で蒸発したガス冷媒は、合流後、ブースタ連結管(38,39)を介して第1及び第2ブースタユニット(14,15)へそれぞれ流れる。これらのブースタユニット(14,15)は、上述のとおり、並列に設けられているため、以下の説明では、第1ブースタユニット(14)内での冷媒の流れについてのみ説明する。
上記第1ブースタ連結管(38)を流れるガス冷媒は、第1低段側吸入管(110)、第1〜第3吸入管(111,112,113)を介して低段側の圧縮機(101,102,103)へ流入する。この際、第1及び第2均油管(118a,118b)の閉鎖弁(SV3,SV4)はコントローラ(200)によって適宜、開閉制御されるとともに、上記吸入管(111,112,113)に対してはインジェクション分岐管(119a,119b,119c)を介して液冷媒が供給される。
上記低段側の各圧縮機(101,102,103)で圧縮されて吐出された冷媒は、第1〜第3吐出管(114,115,116)を介して第1低段側吐出管(117)に流れ込み、第1低段側油分離器(128)内でガス冷媒と冷凍機油とに分離される。そして、ガス冷媒は、第1吐出連絡管(130)内を流れて、第2ブースタユニット(15)から吐出されるガス冷媒と合流し、ガス連絡配管(37)によって、室外ユニット(11)内へ戻る。その後は、四路切換弁(49)、高段側吸入管(64)を介して第1可変容量圧縮機(41)内へ吸い込まれる。
ここで、上記第1低段側油分離器(128)内で分離された冷凍機油は、液溜め部(58)に溜められた後、所定のタイミングで第1油戻し管(129)上の電磁弁(SV5)が開状態になることで、該第1油戻し管(129)内を流れて第1低段側吸入管(110)に戻される。これにより、該第1低段側吸入管(110)内の冷媒と冷凍機油とが混合した状態で流れ、該冷凍機油は低段側の各圧縮機(101,102,103)内に戻される。なお、各圧縮機(101,102,103)内の冷凍機油量の調整は、均油手段としての均油管(118a,118b)や、第1排油管(125)、該第1排油管(125)に設けられた電磁弁(SV2)によって行われる。
(単段圧縮動作)
図10に示す単段圧縮動作では、上述の実施形態1と同様、高段側の圧縮機(41)が運転状態である一方、低段側の圧縮機(101,102,103)は停止状態となる。以下で、冷凍装置(210)の単段圧縮動作について説明する。
上記室外回路(40)において第1可変容量圧縮機(41)から吐出された冷媒は、上記実施形態1と同様、四路切換弁(49)、室外熱交換器(44)、レシーバ(45)、過冷却熱交換器(46)の高圧側流路(46a)を通過した後、第3液管(73)を介して第1液連絡配管(36a)へ流入する。
上記第1液側連絡配管(36a)へ流入した冷媒は、過冷却ユニット(230)の冷媒通路(231)へ流入する。この冷媒通路(231)へ流入した冷媒は、過冷却用熱交換器(250)の第2流路(250b)を通過する間にさらに冷却される。過冷却用熱交換器(250)で冷却された過冷却状態の液冷媒(過冷却用冷媒)は、第2液側連絡配管(36b)を通って第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)に分配される。
そして、上記実施形態1と同様、上記第1及び第2冷凍回路(80,90)内を流れて、冷却熱交換器(83,93)で蒸発したガス冷媒は、合流後、ブースタ連結管(38,39)を介して第1及び第2ブースタユニット(14,15)へそれぞれ流れる。
上記第1及び第2ブースタユニット(14,15)では、圧縮機(101,102,103,141,142,143)が動作していないため、冷媒は該圧縮機(101,102,103,141,142,143)に吸い込まれることなく、バイパス管(301,341)を通って、別のバイパス管(126,166)、低段側油分離器(128,168)、吐出連絡管(130,170)及びガス連絡配管(37)を流れ、室外ユニット(11)へ戻る。
このとき、上記バイパス管(301,341)は、上述の実施形態1のように低段側油分離器(128,168)をバイパスしないため、ガス冷媒は該油分離器(128,168)内を通過することになる。すなわち、図8に示すように、ガス冷媒は上記低段側油分離器(128,168)の回収容器(55,55)に対して下側から流入し、デミスタ(56,56)を通過したガス冷媒は吐出連絡管(130,170)から室外ユニット(11)側へ移動する一方、液冷媒は回収容器(55)のガス溜め部(57)に溜められる。特に、上記低段側油分離器(128,168)周辺の温度が低い場合には、該低段側油分離器(128,168)内に流入したガス冷媒が液化しやすい。
そして、上記低段側油分離器(128,168)の回収容器(55,55,)内に溜められた液冷媒が所定量に達すると、電磁弁(SV12,SV13)が開状態になり、回収管(302,342)及び排油管(125,165)を介して室内ユニット(11)側へ戻される。ここで、所定量とは、上記実施形態1と同様、油分離器(128,168)内の液冷媒の回収動作を行う必要がある量を意味する。上記電磁弁(SV12,SV13)及び回収管(302,342)は、本発明の液冷媒回収手段を構成する。
<デフロスト運転>
図11に示すように、デフロスト運転時の室外回路(40)では、四路切換弁(49)が第2状態に設定される。また、第1ブースタ回路(100)及び第2ブースタ回路(140)で電磁弁(SV12,SV13)が閉の状態に設定される以外、冷媒回路(220)における膨張弁や電磁弁の設定は、上述の実施形態1の場合と同様である。
デフロスト運転では、室外回路(40)の圧縮機(41)が運転される一方、第1ブースタ回路(100)の各圧縮機(101,102,103)、第2ブースタ回路(140)の各圧縮機(141,142,143)及び過冷却ユニット(230)の過冷却用圧縮機(241)が停止状態となる。
第1可変容量圧縮機(41)から吐出された冷媒は、高段側吐出管(65)から四路切換弁(49)を通ってガス連絡配管(37)へ流入する。上記ガス連絡配管(37)へ流入した冷媒は、第1ブースタ回路(100)と第2ブースタ回路(140)とに分配される。これらのブースタ回路(100,140)は、上述のとおり、互いに並列に設けられているため、以下の説明では、第1ブースタ回路(100)内での冷媒の流れについてのみ説明する。
上記第1ブースタ回路(100)へ流入した冷媒は、第1吐出連絡管(130)から第1低段側油分離器(128)内に流入する。該油分離器(128)の回収容器(55)内に流入したガス冷媒は、容器の上部から流入するため、ガス溜め部(57)から液溜め部(58)側に流れ、第1油戻し管(129)へ流出する。この際、液溜め部(58)に溜まった油や液冷媒は、ガス冷媒とともに第1油戻し管(129)へ流出する。この第1油戻し管(129)に流出した冷媒は、第1バイパス管(126)を経由して第1低段側吸入管(110)を通過し、第2ブースタ回路(140)の第2低段側吸入管(150)を流れてきた冷媒と合流した後、第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)へ流入する。つまり、第1ブースタ回路(100)に流入した冷媒は、停止状態の低段側の圧縮機(101,102,103)をバイパスして第1ブースタ回路(100)から第1冷凍回路(80)及び第2冷凍回路(90)へ流出する。
上述のように、デフロスト運転時には、ガス冷媒が低圧側油分離器(128)内をガス溜め部(57)側から液溜め部(58)側へ流れるように構成することで、該低圧側油分離器(128)内に溜まった油や液冷媒などをすべて排出できるため、該油分離器(128)が液溜まりになるのを確実に防止することができる。
上記第1及び第2冷凍回路(80,90)へ流入した冷媒は、冷却熱交換器(83,93)を流れる。この冷却熱交換器(83,93)では、その表面の霜が内側から加熱されて融解する一方、冷媒はこの霜に融解熱を奪われて凝縮する。上記冷却熱交換器(83,93)で凝縮した冷媒は、全開状態の室内膨張弁(82,92)を通過した後、ドレンパン加熱用配管(81,91)を流れる。その結果、この冷媒によってドレンパン近傍が加熱され、該ドレンパン内の霜や氷塊が融解する。逆に、上記ドレンパン加熱用配管(81,91)を流れる冷媒は、ドレンパン内の霜や氷塊に融解熱を奪われる。その後、第1及び第2冷凍回路(80,90)を通過した冷媒は再び合流して第2液連絡配管(36b)へ流入する。
上記第2液連絡配管(36b)を流れた冷媒は、過冷却ユニット(230)の冷媒通路(231)及び過冷却用熱交換器(250)の第2流路(250b)を流れた後、第1液連絡配管(36a)及び第5液管(75)を経由し、レシーバ(45)、過冷却熱交換器(46)の高圧側流路(46a)を通過する。そして、冷媒は、第3液管(73)を経由して連絡配管(66)、第4配管(74)及び第6配管(76)を流れた後、該第6配管(76)に設けられた第2室外膨張弁(48)を通過することで減圧され、室外熱交換器(44)を流れる。この室外熱交換器(44)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。該室外熱交換器(44)で蒸発した冷媒は、四路切換弁(49)を通過して高段側吸入管(64)へ流入し、圧縮機(41)に吸入される。
<デフロスト運転終了後の冷媒回収動作>
図12に示すように、デフロスト運転終了後の冷媒回収動作では、上述の冷却運転と同様、四路切換弁(49)が第1状態に設定される。また、第1ブースタ回路(100)及び第2ブースタ回路(140)で電磁弁(SV12,SV13)が閉の状態に設定される以外、冷媒回路(220)における膨張弁や電磁弁の設定は、上述の実施形態1の場合と同様である。
上記冷媒回収動作でも、上述の実施形態1と同様、室外回路(40)側の高段側圧縮機(41)が運転される一方、各ブースタ回路(100,140)側の各低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)、過冷却ユニット(230)の過冷却用圧縮機(241)が停止状態となる。
そして、上記冷媒回収動作では、高段側圧縮機(41)で圧縮された冷媒が上述の冷却運転における単段圧縮動作の場合と同様の経路を流れる。つまり、室外回路(40)では、高圧冷媒が室外熱交換器(44)で凝縮して液連絡配管(36)に流入した後、各冷凍回路(80,90)に分流する。
第1及び第2冷凍回路(80,90)に流入した冷媒は、それぞれ、室内膨張弁(82,92)で減圧された後、冷却熱交換器(83,93)を流れる。この冷却熱交換器(83,93)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。同時に、冷却熱交換器(83,93)内に溜まっていた液冷媒は、ガス冷媒に圧送されて冷却熱交換器(83,93)から排出される。
その後、冷媒は第1及び第2ブースタ回路(100,140)に流入する。これらのブースタ回路(100,140)は、上述とおり、互いに並列に設けられているため、以下の説明では、第1ブースタ回路(100)についてのみ説明する。
上記第1ブースタ回路(100)に流入した冷媒は、第1バイパス管(126)を介して第1低段側油分離器(128)内に流入する。この際、冷媒は、上記低段側油分離器(128)に対して第1油戻し管(129)の開口部、すなわ該油分離器(128)の下側から流れ込むため、その回収容器(55)内において、液冷媒は下側の液溜め部(58)に溜まり、ガス冷媒は上側のガス溜め部(57)に溜まって、これにより、冷媒が液冷媒とガス冷媒とに分離される。そして、分離後のガス冷媒は、ガス溜め部(57)から第1吐出連絡管(130)より油回収容器(55)の外部へ流出する。
ここで、上記低段側油分離器(128)の回収容器(55)内に溜まった液冷媒が上記所定量以上になると、上述の単段圧縮動作の場合と同様、電磁弁(SV12)が開状態になり、上記油分離器(18)内の液冷媒はバイパス管(302)及び排油管(125)を介して高段側に戻される。
各ブースタ回路(100,140)を流出した冷媒は、ガス連絡配管(37)を流通する。ここで、ガス連絡配管(37)を流れる冷媒中に液冷媒が残存している場合、この液冷媒はガス連絡配管(37)の周囲の空気から吸熱して蒸発する。ガス連絡配管(37)を流出したガス冷媒は、室外回路(40)に流入し、高段側圧縮機(41)に吸入される。
このように、デフロスト運転後の冷媒回収動作において、上記低段側油分離器(128)内に液冷媒が一旦、溜められるように構成されているため、多量の液冷媒が高段側の圧縮機(41)に一気に流れ込むのを確実に防止することができる。
−実施形態2の効果−
上記実施形態2によれば、冷却運転における単段圧縮動作時に冷媒が低段側の油分離器(128,168)をバイパスすることなく該油分離器(128,168)内部に流れ込んで、該油分離器(128,168)内に液冷媒が溜まるようように構成された冷媒回路(220)を備えた冷凍装置(210)において、該低段側油分離器(128,168)に、排油管(125,165)に接続されたバイパス管(301,341)を接続し、該バイパス管(301,341)に電磁弁(SV12,SV13)を設けたため、該電磁弁(SV12,SV13)を開状態にすることで、上記低段側油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒を上記バイパス管(301,341)及び排油管(125,165)を介して高段側に戻すことができる。
したがって、上記低段側油分離器(128,168)内に液冷媒が溜まり込むのを防止することができ、これにより、上記冷媒回路(220)内で液冷媒を効率良く流すことができる。
また、上述のように、上記低段側油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒を回収するための手段を設けたことで、単段圧縮動作時に上記低段側油分離器(128,168)内に液冷媒が溜まらないように逆止弁等を設ける必要がなくなるため、その分、コストの低減を図れるとともに、該逆止弁の動作等に起因する異音の発生を防止することができる。特に、本実施形態のように、複数のブースタユニット(14,15)を有していて、それぞれに油分離器(128,168)が設けられている場合には、複数の逆止弁を省略できるため、その分、逆止弁で発生する騒音をなくすことができ、より効果的である。
さらに、冷却運転における単段圧縮動作時以外は、冷媒が上記油分離器(128,168)を必ず通過するように構成することで、該油分離器(128,168)が液溜まりとなって内部に冷媒が溜まるのを確実に防止することができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、高段側に可変容量圧縮機(41)の1台のみを備えた構成としているが、この限りではなく、可変容量圧縮機(41)に加えて1台若しくは複数台の固定容量圧縮機を設けるようにしてもよい。ここで、固定容量圧縮機とは、圧縮機モータが常に一定の回転速度で運転され、その容量が変更不能となっているものである。
また、上記各実施形態では、液インジェクションを行うことで、室外回路(40)、各ブースタ回路(100,140)の各圧縮機(101,102,103,141,142,143)の吐出温度を低下させるようにしているが、この液インジェクションを行わない構成としてもよい。この場合においては、例えば第2可変容量圧縮機(101)や第3可変容量圧縮機(141)の運転周波数を低減させ、吐出冷媒温度を低下させるようにしてもよいし、各ブースタ回路(100,140)で、いずれか一つ若しくは二つの低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)を停止させるようにしてもよい。
また、上記実施形態の冷凍装置(10)では、冷媒回路(20)に複数の冷却熱交換器(83,93)を設け、複数の冷凍ショーケース(12,13)の庫内を同時に冷却するようにしているが、冷媒回路(20)に一つの冷却熱交換器を設け、一つの冷凍ショーケースのみの庫内を冷却するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態1では、単段圧縮動作時に低段側油分離器(128,168)をバイパスするようなバイパス管(127,167)を設けているが、この限りではなく、例えば、実施形態2のように、単段圧縮動作時でも上記低段側油分離器(128,168)を冷媒が通過するように構成してもよい。また、同様に、上記実施形態2では、単段圧縮動作時に上記低段側油分離器(128,168)を冷媒が通過するように構成されているが、この限りではなく、上記実施形態1のように、単段圧縮動作時には低段側油分離器(128,168)をバイパスするようなバイパス管を設けるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、2段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置に関し、特に、複数のブースタユニットを備えており、それぞれのユニットに油分離器が設けられているものに有用である。
実施形態1に係る冷凍装置の概略構成を示す配管系統図である。 実施形態1に係る冷凍装置の油分離器の周辺を拡大した概略構成図である。 実施形態1に係る冷凍装置の冷却運転動作(二段圧縮動作)を示す配管系統図である。 実施形態1に係る冷凍装置の冷却運転動作(単段圧縮動作)を示す配管系統図である。 実施形態1に係る冷凍装置のデフロスト運転動作を示す配管系統図である。 実施形態1に係る冷凍装置のデフロスト運転終了後の冷媒回収動作を示す配管系統図である。 実施形態2に係る冷凍装置の図1相当図である。 実施形態2に係る冷凍装置の油分離器の図2相当図である。 実施形態2に係る冷凍装置の図3相当図である。 実施形態2に係る冷凍装置の図4相当図である。 実施形態2に係る冷凍装置の図5相当図である。 実施形態2に係る冷凍装置の図6相当図である。
符号の説明
10,210 冷凍装置
20,220 冷媒回路
41 高段側圧縮機
44 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
83,93 冷却熱交換器(利用側熱交換器)
101,102,103,141,142,143 低段側圧縮機
127,167 バイパス管(バイパス通路)
128,168 低段側油分離器
200 コントローラ(液冷媒回収手段)
300,340 液冷媒回収手段
301,341 回収管(回収通路)
SV12,SV13 電磁弁(開閉弁)

Claims (5)

  1. 低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)と、高段側圧縮機(41)と、熱源側熱交換器(44)と、利用側熱交換器(83,93)とが接続された冷媒回路(20,220)を備え、上記高段側圧縮機(41)のみを運転する単段圧縮動作と、上記低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)及び高段側圧縮機(41)の両方を運転する二段圧縮動作とを切換可能に構成された冷凍装置であって、
    上記低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)の吐出側には、上記二段圧縮動作時に該低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するとともに、上記単段圧縮動作時には上記高段側圧縮機(41)に吸い込まれる冷媒の一部が液冷媒となって溜まり込む油分離器(128,168)が設けられ、
    上記単段圧縮動作時に上記油分離器(128,168)内に溜まった液冷媒を上記高段側圧縮機(41)側へ戻すための液冷媒回収手段(200,300,340)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記冷媒回路(20)には、上記単段圧縮動作時に冷媒が上記油分離器(128,168)をバイパスして流れるようにバイパス通路(127,167)が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記冷媒回路(220)は、二段圧縮動作時には、上記低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)から吐出された冷媒が上記油分離器(128,168)を経て上記高段側圧縮機(41)に吸い込まれる一方、単段圧縮動作時には、上記利用側熱交換器(83,93)からの冷媒が上記低段側圧縮機(101,102,103,141,142,143)をバイパスし且つ上記油分離器(128,168)を経て上記高段側圧縮機(41)に吸い込まれるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
    上記液冷媒回収手段(300,340)は、上記油分離器(128,168)と高段側圧縮機(41)の吸い込み側とを繋ぐ回収通路(302,342)と、該回収通路(302,342)を開閉する開閉弁(SV12,SV13)と、を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
    上記液冷媒回収手段(200)は、上記低段側圧縮機(101,141)を所定タイミングで駆動するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
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