JP2009287800A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デフロスト運転終了後の冷却運転において、ドレンパン内の残留フロストの成長を防止することである。
【解決手段】庫外回路(20)は、第2液管(33)の液冷媒が分岐して流れると共に過冷却用膨張弁(29)が設けられた第1分岐管(34)と、第2液管(33)の冷媒が第1分岐管(34)から流入した冷媒によって過冷却される過冷却熱交換器(28)とを備えている。庫内熱交換器(53)の下側には、デフロスト運転によって除去された霜や結露水が回収されるドレンパン(55)が設けられ、ドレンパン(55)には加熱用配管(51)が配設されている。デフロスト運転終了後の冷却運転では、その冷却運転の再開から配管温度センサ(75)の検出値が所定値以上に上昇するまで過冷却用膨張弁(29)が全閉状態に設定される。
【選択図】図4

Description

本発明は、デフロスト運転を行う冷凍装置に関するものであり、特に、ドレンパン内に回収された残留フロストの成長を防止する対策に係るものである。
従来より、冷凍サイクルを利用して冷凍庫等の庫内を冷却する冷凍装置が知られている。例えば特許文献1には、この種の冷凍装置が開示されている。この冷凍装置は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えている。冷媒回路には、圧縮機、熱源側熱交換器、膨張弁、利用側熱交換器が接続されている。利用側熱交換器は、冷凍庫の庫内に設けられている。冷却運転では、利用側熱交換器内の冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発することで、冷凍庫内の温度が所定温度まで冷却される。また、冷媒回路には、利用側熱交換器へ送られる液冷媒を冷却するための過冷却熱交換器が設けられており、冷却運転時の庫内の冷却能力の向上が図られている。
特許文献1の冷凍装置では、利用側熱交換器の表面の霜を融かすためのデフロスト運転(除霜運転)が行われる。デフロスト運転では、圧縮機で圧縮された冷媒が利用側熱交換器へ送られ、上記冷却運転とは冷媒の循環方向が逆転する冷凍サイクル(いわゆる逆サイクルデフロスト)が行われる。デフロスト運転では、利用側熱交換器が冷媒によって内部から加熱され、利用側熱交換器の表面の除霜が行われる。
また、特許文献1の冷凍装置には、利用側熱交換器の下側のドレンパンに加熱用熱交換器(ドレンパンヒータ)が配設されている。ドレンパンの内部へは、上記デフロスト運転等により、利用側熱交換器から剥がれ落ちた霜や氷塊等が回収される。一方、上述の冷却運転では、加熱用熱交換器の内部に高温の液冷媒が供給される。このため、ドレンパン内では、加熱用熱交換器を流れる冷媒の熱により、回収された霜や氷塊等が融解する。融解して液状態となった水は、所定の配管を経由して系外へ排出される。
特開2007−127302号公報
ところで、上述した従来の冷凍装置では、デフロスト運転の終了直後においてはドレンパン内に霜や氷塊等が未だ融解しきれずに残留フロストとして残っている場合がある。この状態で、冷却運転を再開すると、過冷却熱交換器で冷却された低温の液冷媒が加熱用熱交換器へ流れ、ドレンパン内の残留フロストが徐々に成長して肥大化する虞がある。その結果、デフロスト不良を引き起こして冷却能力の低下を招くという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドレンパン内に回収された残留フロストの成長を確実に防止することにある。
第1の発明は、圧縮機(21a,21b,21c)と、熱源側熱交換器(25)と、該熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒を過冷却するための過冷却手段(28,94)と、庫内を冷却するための利用側熱交換器(53)とが接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えると共に、上記利用側熱交換器(53)の下側に設置され且つ内部に上記過冷却手段(28,94)と上記利用側熱交換器(53)の間の配管(51)が配設されるドレンパン(55)を備え、上記圧縮機(21a,21b,21c)から上記熱源側熱交換器(25)へ流れて放熱した冷媒が上記過冷却手段(28,94)を通過して上記利用側熱交換器(53)で蒸発する冷却運転と、上記利用側熱交換器(53)の除霜を行うデフロスト運転とが実行可能に構成される冷凍装置を前提としている。そして、本発明は、上記デフロスト運転が終了して上記冷却運転が再開される際に、該冷却運転の再開時から予め設定された所定時間に亘って上記過冷却手段(28,94)の過冷却動作を停止させる制御手段(80)を備えているものである。
上記の発明の冷凍装置は、冷却運転とデフロスト運転とが可能となっている。デフロスト運転では、庫内を冷却するための利用側熱交換器(53)の除霜が行われる。デフロスト運転において、利用側熱交換器(53)から剥がれ落ちた霜や氷塊は、利用側熱交換器(53)の下側のドレンパン(55)内に回収される。冷却運転では、圧縮機(21a,21b,21c)で圧縮された冷媒が熱源側熱交換器(25)で放熱した後、過冷却手段(28,94)によって過冷却される。この過冷却された冷媒は、利用側熱交換器(53)へ流入する前にドレンパン(55)内の配管(51)を通過する。その際、配管(51)を流れる冷媒の熱がドレンパン(55)内の霜や氷塊(残留フロスト)の融解に利用される。ドレンパン(55)内の配管(51)で熱を放出した冷媒は利用側熱交換器(53)へ流れる。利用側熱交換器(53)では、冷媒が庫内の空気から吸熱して蒸発し、庫内の冷却が行われる。
本発明では、デフロスト運転終了直後に冷却運転が行われる。この冷却運転は、過冷却手段(28,94)による過冷却動作が停止した状態で開始される。したがって、熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒は過冷却されないでドレンパン(55)内の配管(51)へ流れる。つまり、デフロスト運転終了直後は、比較的高い温度の冷媒がドレンパン(55)内の配管(51)を流れる。そのため、ドレンパン(55)内の残留フロストが配管(51)の冷媒の熱によって融解される一方、配管(51)の冷媒は冷却される。過冷却手段(28,94)による過冷却動作は冷却運転の開始から所定時間が経過するまで停止され、その間にドレンパン(55)内の残留フロストの全部または大半が融解される。なお、冷却された配管(51)の冷媒は利用側熱交換器(53)で蒸発する。上記所定時間が経過した後は、過冷却手段(28,94)による過冷却動作が行われる。過冷却手段(28,94)で過冷却された冷媒は、ドレンパン(55)内の配管(51)を通過し、利用側熱交換器(33)で蒸発する。
第2の発明は、圧縮機(21a,21b,21c)と、熱源側熱交換器(25)と、該熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒を過冷却するための過冷却手段(28,94)と、庫内を冷却するための利用側熱交換器(53)とが接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えると共に、上記利用側熱交換器(53)の下側に設置され且つ内部に上記過冷却手段(28,94)と上記利用側熱交換器(53)の間の配管(51)が配設されるドレンパン(55)を備え、上記圧縮機(21a,21b,21c)から上記熱源側熱交換器(25)へ流れて放熱した冷媒が上記過冷却手段(28,94)を通過して上記利用側熱交換器(53)で蒸発する冷却運転と、上記利用側熱交換器(53)の除霜を行うデフロスト運転とが実行可能に構成される冷凍装置を前提としている。そして、本発明は、上記ドレンパン(55)内部に配設される上記配管(51)の温度を検出する配管温度検出手段(75)と、上記デフロスト運転が終了して上記冷却運転が再開される際に、該冷却運転の再開時から上記配管温度検出手段(75)の温度が所定値以上となるまで上記過冷却手段(28,94)の過冷却動作を停止させる制御手段(80)とを備えているものである。
上記の発明の冷凍装置は、冷却運転とデフロスト運転とが可能となっている。デフロスト運転では、庫内を冷却するための利用側熱交換器(53)の除霜が行われる。デフロスト運転において、利用側熱交換器(53)から剥がれ落ちた霜や氷塊は、利用側熱交換器(53)の下側のドレンパン(55)内に回収される。冷却運転では、圧縮機(21a,21b,21c)で圧縮された冷媒が熱源側熱交換器(25)で放熱した後、過冷却手段(28,94)によって過冷却される。この過冷却された冷媒は、利用側熱交換器(53)へ流入する前にドレンパン(55)内の配管(51)を通過する。その際、配管(51)を流れる冷媒の熱がドレンパン(55)内の霜や氷塊(残留フロスト)の融解に利用される。ドレンパン(55)内の配管(51)で熱を放出した冷媒は利用側熱交換器(53)へ流れる。利用側熱交換器(53)では、冷媒が庫内の空気から吸熱して蒸発し、庫内の冷却が行われる。
本発明では、デフロスト運転終了直後に冷却運転が行われる。この冷却運転は、過冷却手段(28,94)による過冷却動作が停止した状態で開始される。したがって、熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒は過冷却されないでドレンパン(55)内の配管(51)へ流れる。つまり、デフロスト運転終了直後は、比較的高い温度の冷媒がドレンパン(55)内の配管(51)を流れる。そのため、ドレンパン(55)内の残留フロストが配管(51)の冷媒の熱によって融解される一方、配管(51)の冷媒は冷却される。冷却された冷媒は利用側熱交換器(53)で蒸発する。また、この配管(51)の冷媒の冷却に伴い、配管(51)の温度、即ち配管温度検出手段(75)の温度が低くなる。そして、残留フロストの全部または大半が融解されると、配管(51)の冷媒はあまり冷却されなくなり、配管温度検出手段(75)の温度が高くなる。この配管温度検出手段(75)の温度が所定値まで高くなると、過冷却手段(28,94)による過冷却動作が行われる。過冷却手段(28,94)で過冷却された冷媒は、ドレンパン(55)内の配管(51)を通過し、利用側熱交換器(33)で蒸発する。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記冷媒回路(10)は、上記熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒が流れる液管(33)から分岐する分岐管(34)と、該分岐管(34)に設けられる過冷却用膨張弁(29)とを備えている。そして、上記過冷却手段(28)は、上記液管(33)に設けられ、該液管(33)の冷媒を上記分岐管(34)から流入した分岐冷媒と熱交換させて過冷却するように構成されている。一方、上記制御手段(80)は、上記過冷却用膨張弁(29)を全閉にすることによって上記過冷却手段(28)の過冷却動作を停止させるように構成されているものである。
上記の発明の冷凍装置は、デフロスト運転が終了すると、過冷却用膨張弁(29)が全閉にされた状態で冷却運転が開始される。この場合、液管(33)の冷媒が分岐管(34)へ分岐しないため、分岐管(34)から過冷却手段(28)へ冷媒は流入しない。したがって、熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒は、過冷却手段(28)を通過するがその過冷却手段(28)で過冷却されずにドレンパン(55)内の配管(51)へ流れる。
過冷却手段(28)による過冷却動作を行う場合は、過冷却用膨張弁(29)が所定開度で開く。この場合、液管(33)の冷媒の一部(分岐冷媒)が分岐管(34)へ流れて過冷却用膨張弁(29)により減圧される。減圧された分岐冷媒は、過冷却手段(28)に流入して液管(33)の冷媒と熱交換する。これにより、液管(33)の冷媒が過冷却される。
第4の発明は、上記第1または第2の発明において、過冷却用圧縮機(91)と、過冷却用熱源側熱交換器(92)と、過冷却用膨張弁(93)とが接続されて冷凍サイクルを行う過冷却用冷媒回路(90)を備えているものである。そして、上記過冷却手段(94)は、上記熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒が流れる液管(95)に設けられると共に上記過冷却用冷媒回路(90)と接続され、上記液管(95)の冷媒を上記過冷却用冷媒回路(90)における上記過冷却用膨張弁(93)で減圧された冷媒と熱交換させて過冷却するように構成されている。一方、上記制御手段(80)は、上記過冷却用冷媒回路(90)の過冷却用圧縮機(91)を運転停止することによって上記過冷却手段(94)の過冷却動作を停止させるように構成されているものである。
上記の発明の冷凍装置は、デフロスト運転が終了すると、過冷却用圧縮機(91)を停止した状態で冷却運転が開始される。つまり、過冷却用冷媒回路(90)の冷凍サイクルを停止させた状態で冷媒回路(10)の冷凍サイクルを行う冷却運転が開始される。この場合、過冷却手段(94)には過冷却用冷媒回路(90)の冷媒が流通しない。したがって、熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒は、過冷却手段(94)を通過するがその過冷却手段(94)で過冷却されずにドレンパン(55)内の配管(51)へ流れる。
過冷却手段(94)による過冷却動作を行う場合は、過冷却用冷媒回路(90)において過冷却用圧縮機(91)が運転される。この場合、過冷却用冷媒回路(90)では、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。具体的に、過冷却用圧縮機(91)の吐出冷媒は、過冷却用熱源側熱交換器(92)で放熱した後、過冷却用膨張弁(93)で減圧される。この減圧された冷媒は、過冷却手段(94)へ流れ、液管(95)の冷媒と熱交換して蒸発する。これにより、液管(95)の冷媒が過冷却される。
以上のように、本発明によれば、デフロスト運転終了後の冷却運転において、再開時から所定時間が経過するまで、または再開時から配管温度検出手段(75)の検出値が所定値となるまで、過冷却手段(28,94)の過冷却動作を停止させるようにした。したがって、ドレンパン(55)内に残留フロストが残存している場合であっても、その間は、比較的高温の冷媒を加熱用配管(51)へ供給することができる。これにより、ドレンパン(55)内において残留フロストが成長するのを防止することができる。その結果、冷却運転中においてデフロスト不良を回避することができ、冷凍装置(1)の信頼性を向上させることができる。
特に、配管温度検出手段(75)の検出値に基づいて過冷却手段(28,94)による過冷却動作の停止時間を計るようにしたため、ドレンパン(55)において残留フロストの融解状態を確実に把握することができる。つまり、簡易な方法により、残留フロストが融解したことを確実に検知することができる。よって、残留フロストの成長を一層防止でき、冷凍装置(1)の信頼性をより向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。図1に示すように、本実施形態1の冷凍装置(1)は、1台の庫外ユニット(2)と、該庫外ユニット(2)に対して並列に接続された2台の庫内ユニット(3)と、コントローラ(80)とを備えている。この冷凍装置(1)は、庫外ユニット(2)と庫内ユニット(3)とが液側連絡配管(14)とガス側連絡配管(15)によって接続されたいわゆるセパレートタイプのもので、冷蔵倉庫内を冷却するものである。
上記庫外ユニット(2)には庫外回路(20)が、各庫内ユニット(3)には庫内回路(50)がそれぞれ設けられている。この冷凍装置(1)では、庫外回路(20)に対して各庫内回路(50)が上述した連絡配管(14,15)で接続されることによって、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を構成している。
上記庫外回路(20)の端部には、それぞれ閉鎖弁(11,12)が設けられている。一方の閉鎖弁(11)には、液側連絡配管(14)の一端が接続されている。この液側連絡配管(14)の他端は、2つに分岐して各庫内回路(50)の液側端に接続されている。他方の閉鎖弁(12)には、ガス側連絡配管(15)の一端が接続されている。このガス側連絡配管(15)の他端は、2つに分岐して各庫内回路(50)のガス側端に接続されている。
〈庫外ユニット〉
上記庫外ユニット(2)の庫外回路(20)には、3台の圧縮機(21a,21b,21c)、四路切換弁(24)、庫外熱交換器(25)、レシーバ(27)、過冷却熱交換器(28)、過冷却用膨張弁(29)および庫外膨張弁(31)が設けられている。
上記3台の圧縮機(21a,21b,21c)は、可変容量圧縮機(21a)、第1固定容量圧縮機(21b)および第2固定容量圧縮機(21c)であり、互いに並列に接続されている。これら圧縮機(21a,21b,21c)は、何れも全密閉式高圧ドーム型のスクロール圧縮機により構成されている。つまり、各圧縮機(21a,21b,21c)は、図示しないが、主としてスクロール型圧縮機構およびそれを駆動するための電動機がケーシング内に収納されている。そして、各圧縮機(21a,21b,21c)では、後述する吸入管(23a,23b,23c)から直接圧縮機構の圧縮室へ流入した吸入冷媒が圧縮された後、一旦ケーシングの内部空間へ吐出されてから後述する吐出管(22a,22b,22c)へ流出する。可変容量圧縮機(21a)は、インバータの出力周波数を変化させることで電動機の回転数が変化し、その容量が可変となっている。第1固定容量圧縮機(21b)および第2固定容量圧縮機(21c)は、電動機が常に一定の回転数で運転され、その容量が変更不能となっている。
上記各圧縮機(21a,21b,21c)の吐出側には、それぞれ吐出管(22a,22b,22c)が接続されている。各吐出管(22a,22b,22c)には、それぞれ逆止弁(CV)が設けられている。これらの吐出管(22a,22b,22c)は、吐出合流管(22)を介して四路切換弁(24)の第1ポートに接続されている。上記の逆止弁(CV)は、各圧縮機(21a,21b,21c)から吐出合流管(22)へ向かう冷媒の流れのみを許容する弁である。
上記各圧縮機(21a,21b,21c)の吸入側には、それぞれ吸入管(23a,23b,23c)が接続されている。これらの吸入管(23a,23b,23c)は、吸入合流管(23)を介して四路切換弁(24)の第2ポートに接続されている。
上記四路切換弁(24)の第3ポートには庫外熱交換器(25)の一端(ガス側端)が、四路切換弁(24)の第4ポートには閉鎖弁(12)がそれぞれ接続されている。この四路切換弁(24)は、第1ポートと第3ポートが互いに連通し且つ第2ポートと第4ポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートが互いに連通し且つ第2ポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記庫外熱交換器(25)の他端(液側端)は、第1液管(32)を介してレシーバ(27)の頂部に接続されている。庫外熱交換器(25)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、熱源側熱交換器を構成している。庫外熱交換器(25)の近傍には、庫外ファン(26)が設けられている。そして、庫外熱交換器(25)は、冷媒が庫外ファン(26)によって送られた庫外空気と熱交換するように構成されている。第1液管(32)には、レシーバ(27)へ向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁(CV)が設けられている。
上記過冷却熱交換器(28)は、高圧側流路(28a)と低圧側流路(28b)を備えている。高圧側流路(28a)の流入端は、レシーバ(27)の底部に接続されている。また、高圧側流路(28a)の流出端は、第2液管(33)を介して閉鎖弁(11)に接続されている。第2液管(33)には、閉鎖弁(11)へ向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁(CV)が設けられている。一方、低圧側流路(28b)の流入端は、第1分岐管(34)を介して第2液管(33)に接続されている。第1分岐管(34)は、第2液管(33)における逆止弁(CV)の上流側から分岐するものであり、本発明に係る分岐管を構成している。第1分岐管(34)には、過冷却用膨張弁(29)が設けられている。この過冷却用膨張弁(29)は、開度可変な電子膨張弁により構成されている。低圧側流路(28b)の流出端には、インジェクション管(37)の一端(流入端)が接続されている。
上記過冷却熱交換器(28)は、例えばプレート型熱交換器であり、高圧側流路(28a)および低圧側流路(28b)を流れる冷媒同士が熱交換するように構成されている。つまり、過冷却熱交換器(28)は、高圧側流路(28a)へ流れた第2液管(33)の冷媒と、低圧側流路(28b)へ流れた第1分岐管(34)の冷媒とが熱交換して、第2液管(33)の冷媒が過冷却されるように構成されている。この過冷却熱交換器(28)は、本発明に係る過冷却手段を構成している。
上記インジェクション管(37)の他端(流出端)は、3つの分岐インジェクション管(37a,37b,37c)に分岐している。これら3つの分岐インジェクション管(37a,37b,37c)は、それぞれ各圧縮機(21a,21b,21c)に接続され、中間圧の圧縮室に連通している。つまり、これらインジェクション管(37,37a,37b,37c)は、過冷却熱交換器(28)から各圧縮機(21a,21b,21c)の圧縮機構における中間圧の圧縮室へガス冷媒を注入するインジェクション回路を構成している。そして、これらの構成がいわゆるエコノマイザシステムとして構成されている。なお、固定容量圧縮機(21b,21c)に接続される分岐インジェクション管(37b,37c)には、圧縮機(21b,21c)側から順に逆止弁(CV)および電磁弁(SV)がそれぞれ設けられている。
上記レシーバ(27)は、上述したように庫外熱交換器(25)と過冷却熱交換器(28)との間に配置され、庫外熱交換器(25)で凝縮した高圧冷媒を一時的に貯留できるようになっている。また、レシーバ(27)の頂部には、電磁弁(SV)を有するガス抜き管(41)の一端が接続されている。ガス抜き管(41)の他端は、インジェクション管(37)の途中に接続されている。このガス抜き管(41)は、電磁弁(SV)を開状態とすることで、レシーバ(27)からインジェクション管(37)へガス冷媒が流れる。
上記第2液管(33)における逆止弁(CV)と閉鎖弁(11)の間には、第2分岐管(35)の一端が接続されている。第2分岐管(35)の他端は、第1液管(32)における逆止弁(CV)の下流側に接続されている。第2分岐管(35)には、第1液管(32)へ向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁(CV)が設けられている。また、第1液管(32)と第2液管(33)との間には、レシーバ(27)および過冷却熱交換器(28)をバイパスする第3分岐管(36)が接続されている。つまり、第3分岐管(36)の一端は第1液管(32)における逆止弁(CV)の上流側に接続され、他端は第2液管(33)における第1分岐管(34)の接続部よりも上流側に接続されている。この第3分岐管(36)には、庫外膨張弁(31)が設けられている。庫外膨張弁(31)は、開度が調節可能な電子膨張弁であり、熱源側膨張弁を構成している。
上記各吐出管(22a,22b,22c)には、それぞれ逆止弁(CV)の上流側に油分離器(38a,38b,38c)が設けられている。油分離器(38a,38b,38c)は、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するためのものである。そして、各油分離器(38a,38b,38c)には、それぞれ油戻し管(39a,39b,39c)が接続されている。これら3つの油戻し管(39a,39b,39c)は、油戻し合流管(39)の一端(流入端)に合流している。油戻し合流管(39)の他端(流出端)は、インジェクション管(37)におけるガス抜き管(41)の接続部に接続されている。つまり、油戻し合流管(39)は、各圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧の圧縮室に連通している。また、可変容量圧縮機(21a)に対応する油戻し管(39a)には、キャピラリチューブ(CP)が設けられている。固定容量圧縮機(21b,21c)に対応する各油戻し管(39b,39c)には、油分離器(38b,38c)側から逆止弁(CV)およびキャピラリチューブ(CP)が順に設けられている。これら逆止弁(CV)は、油戻し合流管(39)へ向かう冷凍機油の流れのみを許容する弁である。
上記各油戻し管(39a,39b,39c)および油戻し合流管(39)は、各油分離器(38a,38b,38c)で分離された冷凍機油を各圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧の圧縮室へ戻す油戻し通路を構成している。このように、油分離器(38a,38b,38c)からの冷凍機油は、吸入管(23a,23b,23c)ではなく中間圧の圧縮室へ戻されるため、低圧冷媒によって冷却されて粘度が上昇するようなことはない。
上記庫外回路(20)には、各種センサや圧力スイッチが設けられている。具体的に、各吐出管(22a,22b,22c)には、それぞれ吐出管温度センサ(61)と高圧圧力スイッチ(62)が設けられている。吐出管温度センサ(61)は吐出管(22a,22b,22c)の温度を検出するものであり、高圧圧力スイッチ(62)は吐出圧力を検出して異常高圧時には冷凍装置(1)を緊急停止させるものである。吸入合流管(23)には、該吸入合流管(23)の温度を検出するための吸入管温度センサ(63)が設けられている。各吐出管(22a,22b,22c)の合流箇所(即ち、吐出合流管(22)の流入端)には、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出圧力を検出するための吐出圧力センサ(64)が設けられている。各吸入管(23a,23b,23c)の合流箇所には、圧縮機(21a,21b,21c)の吸入圧力を検出するための吸入圧力センサ(65)が設けられている。庫外ファン(26)の近傍には、外気温度を検出するための外気温センサ(67)が設けられている。また、第2液管(33)には、液冷媒の温度を検出する液温度センサ(68)が設けられている。
〈庫内ユニット〉
上記2つの庫内ユニット(3)は同様に構成されている。各庫内ユニット(3)には、庫内回路(50)が設けられている。庫内回路(50)は、液側端からガス側端へ向かって順に、加熱用配管(51)、庫内膨張弁(52)および庫内熱交換器(53)が設けられている。
上記庫内膨張弁(52)は、開度が調節可能な電子膨張弁であり、利用側膨張弁を構成している。庫内熱交換器(53)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、本発明に係る利用側熱交換器を構成している。庫内熱交換器(53)の近傍には、庫内ファン(54)が設けられている。そして、庫内熱交換器(53)は、冷媒が庫内ファン(54)によって送られた庫内空気と熱交換するように構成されている。
また、上記庫内熱交換器(53)の下側には、加熱用配管(51)が内部に配設されたドレンパン(55)が設けられている。このドレンパン(55)は、庫内熱交換器(53)の表面から落下する霜や結露水を回収するものである。加熱用配管(51)は、即ち、過冷却熱交換器(28)と庫内熱交換器(53)の間の配管である。そして、加熱用配管(51)は、ドレンパン(55)に回収された霜や結露水が凍結して生成される氷塊(残留フロスト)を冷媒によって加熱して融解させるためのものである。
また、上記庫内回路(50)には、4つの温度センサが設けられている。具体的に、庫内熱交換器(53)の伝熱管には、冷媒の蒸発温度を検出するための蒸発温度センサ(72)が設けられている。庫内回路(50)におけるガス側端の近傍には、ガス冷媒の温度を検出するための冷媒温度センサ(73)が設けられている。庫内ファン(54)の近傍には、庫内の温度を検出するための庫内温度センサ(74)が設けられている。さらに、加熱用配管(51)の近傍には、その加熱用配管(51)の温度を検出するための配管温度センサ(75)が設けられている。つまり、配管温度センサ(75)は本発明に係る配管温度検出手段を構成している。
〈コントローラ〉
上記コントローラ(80)は、圧縮機(21a,21b,21c)およびファン(26,54)の駆動制御を行うと共に、各種の弁(24,29,31,52,SV)の切換や開度調節を行い、冷凍装置(1)の運転を制御するものである。また、コントローラ(80)は、上述した各センサ(61〜69,71〜75)および高圧圧力スイッチ(62)の検出値が入力され、本発明に係る制御手段を構成している。また、上記コントローラ(80)は、冷却運転とデフロスト運転とを切り換える制御を行う。このコントローラ(80)の具体的な制御動作については後述する。
−運転動作−
次に、上記冷凍装置(1)の運転動作について図2〜図4を参照しながら説明する。冷凍装置(1)では、冷蔵倉庫内を冷却する冷却運転と、庫内熱交換器(53)を除霜するデフロスト運転とが行われる。何れの運転も、3台の圧縮機(21a,21b,21c)のうち少なくとも1台が運転される。
〈冷却運転〉
先ず、冷却運転の基本的な動作について説明する。なお、ここでは、3台全ての圧縮機(21a,21b,21c)を駆動する場合について例示する。
図2に示すように、この冷却運転では、四路切換弁(24)が第1状態に設定される。また、蒸発温度センサ(72)の検出値と冷媒温度センサ(73)の検出値の差が一定値となるように、各庫内膨張弁(52)の開度を調節する過熱度制御が行われる。また、過冷却用膨張弁(29)の開度は、液温度センサ(68)の検出値が一定値となるように制御される。なお、庫外膨張弁(31)は全閉状態に設定される。
この冷却運転では、冷媒回路(10)において、庫外熱交換器(25)が凝縮器として機能し且つ各庫内熱交換器(53)が蒸発器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。つまり、3台の圧縮機(21a,21b,21c)が駆動されると、冷媒回路(10)において図2に示す矢印の方向に冷媒が流れる。
具体的に、各圧縮機(21a,21b,21c)で圧縮された高温高圧のガス冷媒が吐出管(22a,22b,22c)へ吐出される。各吐出管(22a,22b,22c)のガス冷媒は、吐出合流管(22)に流入する。その際、各油分離器(38a,38b,38c)では、流入した吐出冷媒から冷凍機油が分離されて貯留する。各油分離器(38a,38b,38c)に貯留された冷凍機油は、各油戻し管(39a,39b,39c)および油戻し合流管(39)を通ってインジェクション管(37)へ流入する。
吐出合流管(22)に流入した冷媒は、四路切換弁(24)を介して庫外熱交換器(25)へ流入する。庫外熱交換器(25)では、冷媒が庫外空気と熱交換して凝縮(放熱)する。凝縮した冷媒は、第1液管(32)、レシーバ(27)および過冷却熱交換器(28)の高圧側流路(28a)を順に介して第2液管(33)へ流入する。第2液管(33)に流入した冷媒は、一部が第1分岐管(34)へ流れ、残りが液側連絡配管(14)へ流れる。
第1分岐管(34)へ流れた冷媒(分岐冷媒)は、過冷却用膨張弁(29)で減圧された後、過冷却熱交換器(28)の低圧側流路(28b)へ流入する。過冷却熱交換器(28)では、高圧側流路(28a)の冷媒と低圧側流路(28b)の冷媒(分岐冷媒)とが熱交換する。これにより、高圧側流路(28a)の冷媒が過冷却され、低圧側流路(28b)の冷媒が蒸発する
。低圧側流路(28b)で蒸発したガス冷媒は、インジェクション管(37)へ流れる。したがって、液側連絡配管(14)へは、過冷却熱交換器(28)で過冷却された液冷媒が流入することとなる。
一方、インジェクション管(37)へ流れたガス冷媒は、油戻し合流管(39)から流入した冷凍機油と共に、各分岐インジェクション管(37a,37b,37c)を経て各圧縮機(21a,21b,21c)の圧縮機構における中間圧の圧縮室へ流入する。ここで、冷凍装置(10)では、インジェクションされる冷媒の圧力が中間圧の圧縮室内の冷媒の圧力よりも高くなるように構成されている。そうでないと、分岐インジェクション管(37a,37b,37c)から中間圧の圧縮室へ冷媒が流入しにくくなるからである。中間圧の圧縮室では、その圧縮室内の冷媒とインジェクションされた冷媒とが混合される。つまり、中間圧の圧縮室内の冷媒は冷却されながら圧縮される。これにより、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒温度(即ち、吐出管温度)が低下する。
液側連絡配管(14)へ流れた冷媒は、各庫内回路(50)へ分流する。庫内回路(50)へ流入した冷媒は、先ず、加熱用配管(51)を流れる。そうすると、ドレンパン(55)内に回収された残留フロストは、加熱用配管(51)を流れる冷媒によって加熱されて融解する。これにより、加熱用配管(51)を流れる冷媒がさらに過冷却される。なお、融解後のフロスト(水)は、所定の排水経路を通じてドレンパン(55)の外部、ひいては庫外へ排出される。
加熱用配管(51)を流出した冷媒は、庫内膨張弁(52)で減圧された後、庫内熱交換器(53)へ流入する。庫内熱交換器(53)では、冷媒が庫内空気と熱交換して蒸発する。これにより、庫内空気が冷却される。各庫内熱交換器(53)で蒸発した冷媒は、ガス側連絡配管(15)を介して再び庫外回路(20)へ流入する。庫外回路(20)へ流入した冷媒は、四路切換弁(24)を介して吸入合流管(23)へ流れ、吸入管(23a,23b,23c)から各圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入される。圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入された冷媒は、圧縮された後再び吐出され、この循環が繰り返される。
〈デフロスト運転〉
この冷凍装置(1)では、冷却運転中に庫内熱交換器(53)の着霜量が多くなった場合、コントローラ(80)によって上記冷却運転からデフロスト運転に切り換えられる。このデフロスト運転では、各庫内熱交換器(53)の除霜が行われる。
図3に示すように、デフロスト運転では、四路切換弁(24)が第2状態に設定される。各庫内膨張弁(52)は全開状態に設定される一方、過冷却用膨張弁(29)は全閉状態に設定される。そして、この状態で圧縮機(21a,21b,21c)の運転を行うと、冷媒回路(10)では庫外熱交換器(25)が蒸発器として機能し且つ各庫内熱交換器(53)が凝縮器として機能する蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(10)では、図3に示す矢印の方向に冷媒が流れる。なお、デフロスト運転中は、庫外膨張弁(31)の開度は適宜調節される。
具体的に、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒は、油分離器(38a,38b,38c)で冷凍機油が分離された後、各庫内熱交換器(53)へ分配される。各庫内熱交換器(53)では、付着した霜が高圧冷媒によって融解される一方、冷媒が霜によって冷却されて凝縮(放熱)する。各庫内熱交換器(53)で凝縮した冷媒は、加熱用配管(51)を流れ、ドレンパン(55)内の残留フロストの融解に利用される。各加熱用配管(51)を通過した冷媒は、液側連絡配管(14)で合流した後にレシーバ(27)を通過し、過冷却熱交換器(28)を経て第3分岐管(36)へ流入する。第3分岐管(36)に流入した冷媒は、庫外膨張弁(31)で減圧されてから庫外熱交換器(25)へ流入する。庫外熱交換器(25)では、冷媒が庫外空気と熱交換して蒸発する。庫外熱交換器(25)で蒸発した冷媒は、各圧縮機(21a,21b,21c)の吸入側に吸入される。
〈コントローラの動作〉
次に、上記デフロスト運転が終了してから上記冷却運転を再開させる際のコントローラ(80)の制御動作について説明する。
上記デフロスト運転の終了直後は、ドレンパン(55)内に回収された霜や氷塊(残留フロスト)が未だ充分に融解されず、ドレンパン(55)内に滞っていることがある。このような状態で上記冷却運転を再開させると、残留フロストが更に成長して肥大化してしまい、このようなデフロスト不良に起因して冷却運転時の庫内の冷却能力が損なわれてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、デフロスト運転終了直後の冷却運転において、以下のようなコントローラ(80)による制御が行われる。
上記デフロスト運転が終了すると、過冷却用膨張弁(29)が全閉状態で上述した冷却運転が再開される。この場合の冷却運転では、図4に示すように、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒が庫外熱交換器(25)で凝縮した後、レシーバ(27)および過冷却熱交換器(28)を介して第2液管(33)に流れる。ここで、過冷却用膨張弁(29)が全閉状態であるため、第2液管(33)の冷媒は第1分岐管(34)へは分流しない。したがって、過冷却熱交換器(28)において高圧側流路(28a)の冷媒は過冷却されない。つまり、この冷却運転では過冷却熱交換器(28)による過冷却動作が停止された状態となる。このように、第2液管(33)へ流れた冷媒は、過冷却されない分、比較的高温となっている。
第2液管(33)の冷媒は、上述した冷却運転と同様に、液側連絡配管(14)を介して各庫内回路(50)へ分流する。庫内回路(50)へ流入した冷媒は、加熱用配管(51)を流れる。ここで、加熱用配管(51)を流れる冷媒は、上述したように比較的高温であるため、ドレンパン(55)内の残留フロストの融解が促進される。その結果、ドレンパン(55)内において残留フロストの成長が抑制される。加熱用配管(51)を流出した冷媒は、上述した冷却運転と同様に、庫内熱交換器(53)で蒸発して圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入される。
ところで、ドレンパン(55)内において残留フロストが融解されるに伴い、加熱用配管(51)の冷媒は冷却される。そして、残留フロストの全部または大半が融解されると、加熱用配管(51)の冷媒はそれほど冷却されなくなる。それに伴い、加熱用配管(51)の温度が高くなる。つまり、加熱用配管(51)の温度が冷却運転の再開時よりも上昇する。そして、加熱用配管(51)の温度、即ち配管温度センサ(75)の検出値が所定値まで上昇すると、コントローラ(80)によって過冷却用膨張弁(29)が開かれる。過冷却用膨張弁(29)の開度は、上述した冷却運転と同様に、液温度センサ(68)の検出値が一定値となるように制御される。これにより、第2液管(33)の冷媒の一部が過冷却熱交換器(28)へ流入し、過冷却熱交換器(28)において高圧側流路(28a)の冷媒が過冷却される。つまり、過冷却熱交換器(28)による過冷却動作が行われる。その後は、この状態で冷却運転が継続される。なお、過冷却熱交換器(28)で過冷却された冷媒が加熱用配管(51)へ流入するが、既にドレンパン(55)内には残留フロストが殆ど存在しないため、残留フロストが再発生および成長することはない。
このように、デフロスト運転終了後の冷却運転では、その冷却運転の再開時から配管温度センサ(75)の検出値が所定値となるまで、過冷却用膨張弁(29)が全閉状態に設定され、過冷却熱交換器(28)による過冷却動作が停止される。
−実施形態1の効果−
上記実施形態によれば、デフロスト運転終了後の冷却運転において、再開時から配管温度センサ(75)の検出値が所定値となるまで、過冷却用膨張弁(29)を全閉状態に設定して過冷却熱交換器(28)による過冷却動作を停止させるようにした。したがって、ドレンパン(55)内に残留フロストが残存している場合であっても、その間は、比較的高温の冷媒を加熱用配管(51)へ供給することができる。これにより、ドレンパン(55)内において残留フロストが成長するのを防止することができる。その結果、冷却運転中においてデフロスト不良を回避することができ、冷凍装置(1)の信頼性を向上させることができる。
また、配管温度センサ(75)の検出値に基づいて過冷却用膨張弁(29)の開くタイミングを計るようにしたため、ドレンパン(55)において残留フロストの融解状態を確実に把握することができる。つまり、簡易な方法により、残留フロストが融解したことを確実に検知することができる。よって、残留フロストの成長を一層防止でき、冷凍装置(1)の信頼性をより向上させることができる。
《実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。図5〜図8に示すように、本実施形態の冷凍装置(1)は、上記実施形態1において過冷却熱交換器(28)による過冷却方法を変更したものである。つまり、実施形態1では過冷却熱交換器(28)を庫外回路(20)に設けるようにしたが、本実施形態では過冷却熱交換器(94)を有する過冷却ユニット(5)を液側連絡配管(14)の途中に設けるようにした。なお、図5〜図8では、2つの庫内ユニッ
ト(3)は上記実施形態1と同様であるため省略してある。
図5に示すように、本実施形態の庫外回路(20)は、実施形態1において過冷却熱交換器(28)や過冷却用膨張弁(29)、インジェクション管(37)等が省略されたものである。そして、本実施形態の液側連絡配管(14)には、上述した過冷却ユニット(5)が接続されている。過冷却ユニット(5)は、冷媒通路(95)と過冷却用冷媒回路(90)と過冷却熱交換器(94)とを備えている。
上記冷媒通路(95)は、両端が液側連絡配管(14)に接続されており、本発明に係る液管を構成している。過冷却熱交換器(94)は、例えばプレート式熱交換器によって構成され、冷媒通路(95)に設けられている。過冷却熱交換器(94)は、高圧側流路(94a)と低圧側流路(94b)を備えている。高圧側流路(94a)は冷媒通路(95)に接続され、低圧側流路(94b)は過冷却用冷媒回路(90)に接続されている。
上記過冷却用冷媒回路(90)は、過冷却用圧縮機(91)と、過冷却用室外熱交換器(92)と、過冷却用膨張弁(93)とが順に配管で接続された閉回路である。そして、過冷却用冷媒回路(90)において、過冷却用圧縮機(91)の吸入側(吸入管)と過冷却用膨張弁(93)との間の配管が過冷却熱交換器(94)の低圧側流路(94b)に接続されている。この過冷却用冷媒回路(90)では、充填された冷媒を循環させることによって蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。過冷却用圧縮機(91)は、全密閉型で高圧ドーム型のスクロール圧縮機であり、インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変更する容量可変型のものである。過冷却用室外熱交換器(92)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、本発明に係る過冷却用熱源側熱交換器を構成している。過冷却用室外熱交換器(92)の近傍には室外ファン(96)が設けられている。過冷却用室外熱交換器(92)では、冷媒と室外ファン(96)によって送られた空気との間で熱交換が行われる。過冷却用膨張弁(93)は、電子膨張弁によって構成されている。
上記過冷却熱交換器(94)は、高圧側流路(94a)および低圧側流路(94b)を流れる冷媒同士が熱交換するように構成されている。つまり、過冷却熱交換器(94)は、高圧側流路(94a)へ流れた冷媒通路(95)の冷媒と、低圧側流路(94b)へ流れた過冷却用冷媒回路(90)の冷媒とが熱交換して、冷媒通路(95)の冷媒が過冷却されるように構成されている。この過冷却熱交換器(94)は、上記実施形態1の過冷却熱交換器(28)と同様、本発明に係る過冷却手段を構成している。
なお、上記過冷却ユニット(5)には、各種温度センサが設けられている。例えば、冷媒通路(95)における過冷却熱交換器(94)よりも庫内ユニット(3)側には、冷媒の温度を検出するための液温度センサ(98)が設けられている。室外ファン(96)の近傍には、外気温度を検出するための外気温センサ(97)が設けられている。
−運転動作−
次に、上記冷凍装置(1)の運転動作について図6〜図8を参照しながら説明する。冷凍装置(1)では、上記実施形態1と同様に、冷蔵倉庫内を冷却する冷却運転と、庫内熱交換器(53)を除霜するデフロスト運転とが行われる。ここでは、上記実施形態1と異なる運転動作についてのみ説明する。
〈冷却運転〉
先ず、図6に示すように、基本的な冷却運転では、冷媒回路(10)の圧縮機(21a,21b,21c)の運転が行われると共に、過冷却用冷媒回路(90)の過冷却用圧縮機(91)の運転が行われる。液温度センサ(98)の検出値が一定値となるように、過冷却用冷媒回路(90)の運転が制御される。
具体的に、冷媒回路(10)では、庫外熱交換器(25)で凝縮した冷媒がレシーバ(27)、第2液管(33)および液側連絡配管(14)を介して過冷却ユニット(5)の冷媒通路(95)に流れる。冷媒通路(95)に流れた冷媒は、過冷却熱交換器(94)へ流入する。
一方、過冷却用冷媒回路(90)では、過冷却用圧縮機(91)の吐出冷媒が過冷却用室外熱交換器(92)で凝縮した後、過冷却用膨張弁(93)で減圧される。減圧された冷媒は、過冷却熱交換器(94)へ流入する。過冷却熱交換器(94)では、高圧側流路(94a)の冷媒が低圧側流路(94b)の冷媒と熱交換して過冷却され、低圧側流路(94b)の冷媒が蒸発する。過冷却熱交換器(94)で過冷却された冷媒は、再び液側連絡配管(14)を通過して、各庫内回路(50)へ流れる。過冷却熱交換器(94)で蒸発した冷媒は、過冷却用圧縮機(91)へ戻り、この循環が繰り返される。
また、過冷却用冷媒回路(90)では、液温度センサ(98)の検出値が一定値となるように、過冷却用圧縮機(91)の運転周波数や過冷却用膨張弁(93)の開度が制御される。
〈デフロスト運転〉
本実施形態においても、冷却運転中に庫内熱交換器(53)の着霜量が多くなった場合、コントローラ(80)によって上記冷却運転からデフロスト運転に切り換えられる。図7に示すように、このデフロスト運転では、過冷却用冷媒回路(90)の運転が停止状態となる。つまり、過冷却用圧縮機(91)の運転が停止される。
具体的に、冷媒回路(10)では、上記実施形態1と同様に、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出冷媒が各庫内熱交換器(53)へ分配され、付着した霜が融解される一方、冷媒が冷却されて凝縮(放熱)する。各庫内熱交換器(53)で凝縮した冷媒は、加熱用配管(51)を流れ、ドレンパン(55)内の残留フロストの融解に利用される。各加熱用配管(51)を通過した冷媒は、液側連絡配管(14)、過冷却ユニット(5)の冷媒通路(95)を介して第2分岐管(35)へ流入する。第2分岐管(35)の冷媒は、レシーバ(27)および第3分岐管(36)を介して庫外熱交換器(25)へ流れて蒸発する。
〈コントローラの動作〉
上記デフロスト運転が終了してから上記冷却運転を再開させる際のコントローラ(80)の制御動作について説明する。
上記デフロスト運転が終了すると、過冷却用冷媒回路(90)が停止した状態で上述した冷却運転が再開される。具体的に、過冷却用冷媒回路(90)では、過冷却用圧縮機(91)が停止されて、冷媒が循環しない状態となっている。この場合の冷却運転では、図8に示すように、冷媒通路(95)に流入した冷媒が過冷却熱交換器(94)を通過して液側連絡配管(14)に流れる。ここで、過冷却熱交換器(94)において、低圧側流路(94b)には冷媒が循環していないため、高圧側流路(28a)の冷媒は過冷却されない。つまり、この冷却運転では過冷却熱交換器(94)による過冷却動作が停止された状態となる。したがって、冷媒通路(95)へ流れた冷媒は、過冷却されない分、比較的高温となっている。
冷媒通路(95)の冷媒は、上述した冷却運転と同様に、液側連絡配管(14)を介して各庫内回路(50)へ分流する。庫内回路(50)へ流入した冷媒は、加熱用配管(51)を流れる。ここで、加熱用配管(51)を流れる冷媒は、上述したように比較的高温であるため、ドレンパン(55)内の残留フロストの融解が促進される。その結果、ドレンパン(55)内において残留フロストの成長が抑制される。加熱用配管(51)を流出した冷媒は、上述した冷却運転と同様に、庫内熱交換器(53)で蒸発して圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入される。
本実施形態においても、ドレンパン(55)において残留フロストの全部または大半が融解されると、加熱用配管(51)の冷媒はそれほど冷却されなくなり、それに伴い、加熱用配管(51)の温度が高くなる。そして、加熱用配管(51)の温度、即ち配管温度センサ(75)の検出値が所定値まで上昇すると、コントローラ(80)によって過冷却用圧縮機(91)が駆動される。これにより、過冷却熱交換器(94)において高圧側流路(94a)の冷媒が過冷却される。つまり、過冷却熱交換器(94)による過冷却動作が行われる。その後は、この状態で冷却運転が継続される。
このように、デフロスト運転終了後の冷却運転では、その冷却運転の再開時から配管温度センサ(75)の検出値が所定値となるまで、過冷却用圧縮機(91)の運転が停止され、過冷却熱交換器(94)による過冷却動作が停止される。この構成により、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態1および2では、冷却運転の再開時から配管温度センサ(75)の検出値が所定値となるまで過冷却熱交換器(28,94)による過冷却動作を停止させるようにしたが、次の要領で過冷却動作を停止させるようにしてもよい。コントローラ(80)には、予め過冷却動作を停止させる時間(所定時間)が設定される。そして、デフロスト運転終了後の冷却運転では、その再開時から所定時間が経過するまでは過冷却熱交換器(94)による過冷却動作が停止される。つまり、冷却運転の再開から所定時間の間は、過冷却用膨張弁(29)が全閉状態に設定され、または、過冷却用圧縮機(91)の運転が停止される。この所定時間は、例えば、ドレンパン(55)内の残留フロストの全部を加熱用配管(51)の冷媒によって融解するのに必要な時間に設定される。これにより、確実にドレンパン(55)内の残留フロストの全部または大半が融解されるまで過冷却動作が停止されることとなる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、庫内ユニット(3)が2台である場合を説明したが、これに限らず、1台または3台以上の場合でも同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、庫外回路(20)において3台の圧縮機(21a,21b,21c)を設けるようにしたが、圧縮機の台数は1台、2台または4台以上であっても同様の作用効果を得ることができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷媒の過冷却手段を備えると共に、庫内冷却のための利用側熱交換器を除霜するデフロスト運転を行う冷凍装置として有用である。
実施形態1に係る冷凍装置の構成を示す配管系統図である。 実施形態1において冷却運転の冷媒流れを示す配管系統図である。 実施形態1においてデフロスト運転の冷媒流れを示す配管系統図である。 実施形態1において過冷却動作が停止状態の冷却運転の冷媒流れを示す配管系統図である。 実施形態2に係る冷凍装置の構成を一部省略して示す配管系統図である。 実施形態2において冷却運転の冷媒流れを一部省略して示す配管系統図である。 実施形態2においてデフロスト運転の冷媒流れを一部省略して示す配管系統図である。 実施形態2において過冷却動作が停止状態の冷却運転の冷媒流れを一部省略して示す配管系統図である。
符号の説明
1 冷凍装置
10 冷媒回路
21a 可変容量圧縮機(圧縮機)
21b 第1固定容量圧縮機(圧縮機)
21c 第2固定容量圧縮機(圧縮機)
25 庫外熱交換器(熱源側熱交換器)
28 過冷却熱交換器(過冷却手段)
29 過冷却用膨張弁
33 第2液管(液管)
34 第1分岐管(分岐管)
51 加熱用配管(配管)
53 庫内熱交換器(利用側熱交換器)
55 ドレンパン
80 コントローラ(制御手段)
90 過冷却用冷媒回路
91 過冷却用圧縮機
92 過冷却用熱源側熱交換器
93 過冷却用膨張弁
94 過冷却熱交換器(過冷却手段)
95 冷媒通路(液管)

Claims (4)

  1. 圧縮機(21a,21b,21c)と、熱源側熱交換器(25)と、該熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒を過冷却するための過冷却手段(28,94)と、庫内を冷却するための利用側熱交換器(53)とが接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えると共に、上記利用側熱交換器(53)の下側に設置され且つ内部に上記過冷却手段(28,94)と上記利用側熱交換器(53)の間の配管(51)が配設されるドレンパン(55)を備え、
    上記圧縮機(21a,21b,21c)から上記熱源側熱交換器(25)へ流れて放熱した冷媒が上記過冷却手段(28,94)を通過して上記利用側熱交換器(53)で蒸発する冷却運転と、上記利用側熱交換器(53)の除霜を行うデフロスト運転とが実行可能に構成される冷凍装置であって、
    上記デフロスト運転が終了して上記冷却運転が再開される際に、該冷却運転の再開時から予め設定された所定時間に亘って上記過冷却手段(28,94)の過冷却動作を停止させる制御手段(80)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 圧縮機(21a,21b,21c)と、熱源側熱交換器(25)と、該熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒を過冷却するための過冷却手段(28,94)と、庫内を冷却するための利用側熱交換器(53)とが接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えると共に、上記利用側熱交換器(53)の下側に設置され且つ内部に上記過冷却手段(28,94)と上記利用側熱交換器(53)の間の配管(51)が配設されるドレンパン(55)を備え、
    上記圧縮機(21a,21b,21c)から上記熱源側熱交換器(25)へ流れて放熱した冷媒が上記過冷却手段(28,94)を通過して上記利用側熱交換器(53)で蒸発する冷却運転と、上記利用側熱交換器(53)の除霜を行うデフロスト運転とが実行可能に構成される冷凍装置であって、
    上記ドレンパン(55)内部に配設される上記配管(51)の温度を検出する配管温度検出手段(75)と、
    上記デフロスト運転が終了して上記冷却運転が再開される際に、該冷却運転の再開時から上記配管温度検出手段(75)の温度が所定値以上となるまで上記過冷却手段(28,94)の過冷却動作を停止させる制御手段(80)とを備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1または2において、
    上記冷媒回路(10)は、上記熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒が流れる液管(33)から分岐する分岐管(34)と、該分岐管(34)に設けられる過冷却用膨張弁(29)とを備え、
    上記過冷却手段(28)は、上記液管(33)に設けられ、該液管(33)の冷媒を上記分岐管(34)から流入した分岐冷媒と熱交換させて過冷却するように構成される一方、
    上記制御手段(80)は、上記過冷却用膨張弁(29)を全閉にすることによって上記過冷却手段(28)の過冷却動作を停止させるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1または2において、
    過冷却用圧縮機(91)と、過冷却用熱源側熱交換器(92)と、過冷却用膨張弁(93)とが接続されて冷凍サイクルを行う過冷却用冷媒回路(90)を備え、
    上記過冷却手段(94)は、上記熱源側熱交換器(25)で放熱した冷媒が流れる液管(95)に設けられると共に上記過冷却用冷媒回路(90)と接続され、上記液管(95)の冷媒を上記過冷却用冷媒回路(90)における上記過冷却用膨張弁(93)で減圧された冷媒と熱交換させて過冷却するように構成される一方、
    上記制御手段(80)は、上記過冷却用冷媒回路(90)の過冷却用圧縮機(91)を運転停止することによって上記過冷却手段(94)の過冷却動作を停止させるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
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