JP2008014467A - 作業機械における油圧制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アキュムレータに蓄圧された圧油を吸込んでブームシリンダ8に供給する専用ポンプ32と、油タンク11から油を吸込んでブームシリンダ8に供給する第一メインポンプ9と、アキュムレータの蓄圧量を検出するアキュムレータ用圧力センサとを設ける一方、アキュムレータの蓄圧量に基づいて、ブームの上昇時における専用ポンプ32および第一メインポンプ9からブームシリンダ8への圧油供給を制御するように構成した。
【選択図】図2
Description
そこで、作業部の有する位置エネルギーを回収、再利用するために、通常の油圧シリンダに加えて補助油圧シリンダ(アシストシリンダ)を設け、作業部の下降時に、補助油圧シリンダの重量保持側油室から排出される油をアキュムレータに蓄圧すると共に、作業部の上昇時に、アキュムレータに蓄圧された圧油を補助シリンダの重量保持側に供給するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、この様にすることにより、昇降動する作業部の有する位置エネルギーをアキュムレータを用いて有効に回収、再利用できることになって、省エネルギー化に大きく貢献できることになるが、さらにこのものにおいて、アキュムレータの蓄圧量が充分でなく専用ポンプから油圧シリンダへの圧油供給が不足してしまうような場合であっても、油圧ポンプから油圧シリンダに圧油供給することができると共に、アキュムレータの蓄圧量の変動に応じて、専用ポンプから油圧シリンダへの圧油供給および油圧ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を制御できることになり、而して、作業部の作動速度がアキュムレータの蓄圧量に左右されてしまうような不具合を回避し得て、操作性に優れると共に、作業効率の向上に寄与できる。
請求項2の発明は、制御装置は、作業部の上昇時に、アキュムレータの蓄圧量が予め設定される高蓄圧量以上の場合は、専用ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を行う一方、油圧ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を停止し、アキュムレータの蓄圧量が予め設定される低蓄圧量以下の場合は、油圧ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を行う一方、専用ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を停止し、また、アキュムレータの蓄圧量が前記高蓄圧量と低蓄圧量とのあいだの場合は、アキュムレータの蓄圧量が減少するにつれて専用ポンプから油圧シリンダへの供給流量を減少せしめる一方、油圧ポンプから油圧シリンダへの供給流量を増加せしめるように制御すると共に、アキュムレータの蓄圧量が前記何れの場合であっても、専用ポンプから油圧シリンダへの供給流量と油圧ポンプから油圧シリンダへの供給流量との和が、油圧シリンダ用操作具の操作量に応じて要求される流量となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、アキュムレータの蓄圧量が充分な場合には、該アキュムレータの蓄圧油を最大限に利用することができると共に、アキュムレータの蓄圧量が減少しても、常に油圧シリンダ用操作具の操作量に応じた流量を油圧シリンダに供給できることになって、油圧シリンダ用操作具の操作量に対応した所望の速度で作業部を上昇せしめることができる。しかもこの場合、アキュムレータの蓄圧量が減少するにつれて専用ポンプから油圧シリンダへの供給流量が減少する一方、油圧ポンプから油圧シリンダへの供給流量が増加する構成となっているから、専用ポンプから供給流量と油圧ポンプからの供給流量とを、アキュムレータの蓄圧量に応じて常にバランス良く油圧シリンダに供給できると共に、例えば、作業部の上昇時にアキュムレータが空になるまでは専用ポンプからのみ圧油供給し、空になった時点で油圧ポンプからの圧油供給に切換えるように構成したもののように、専用ポンプからの圧油供給と油圧ポンプからの圧油供給との切換時に作業部の円滑な動作が損なわれてしまうような不具合がなく、操作性に優れる。
請求項3の発明は、油圧制御システムは、油圧ポンプから油圧シリンダへの流量制御を行うコントロールバルブと、専用ポンプから油圧シリンダへの流量制御を行うコントロールバルブとを備える一方、制御装置は、アキュムレータの蓄圧量に基づいて、上記各コントロールバルブをそれぞれ制御するコントロールバルブ制御部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、専用ポンプおよび油圧ポンプから油圧シリンダへの供給流量を、アキュムレータの蓄圧量に対応させるべく精度良くコントロールすることができる。
請求項4の発明は、制御装置は、アキュムレータの蓄圧量に基づいて、専用ポンプの吐出流量を制御する専用ポンプ制御部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、専用ポンプの吐出流量を無駄にすることなく、且つ不足することなく油圧シリンダに供給することができると共に、アキュムレータに蓄圧されていない状態、つまりアキュムレータから専用ポンプの吸入側に油供給されない状態で、専用ポンプが圧油を吐出するべく駆動して無理な負荷が加わってしまうような不具合を、確実に回避することができる。
請求項5の発明は、制御装置は、アキュムレータの蓄圧量に基づいて、作業部の上昇時における油圧シリンダへの供給流量に対する専用ポンプの分担割合および油圧ポンプの分担割合を演算する分担割合演算部を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、分担割合演算部で演算された専用ポンプの分担割合および油圧ポンプの分担割合を用いて、アキュムレータの蓄圧量に対応した専用ポンプおよび油圧ポンプの供給流量制御や専用ポンプの吐出量制御を、簡単且つ正確に行うことができる。
請求項6の発明は、油圧ポンプは、作業機械に設けられる各種油圧アクチュエータの油圧供給源となるメインポンプであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、各種油圧アクチュエータの油圧供給源となるべく作業機械に一般的に装備されているメインポンプをそのまま利用できると共に、該メインポンプから油圧シリンダへの供給回路も利用できることになって、部材装置の増加や回路の複雑化の抑制に貢献できる。
ここで、第一、第二メインポンプ9、10は、前記ブームシリンダ8だけでなく、油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータ(図示しないが、走行モータ、旋回モータ、アームシリンダ、バケットシリンダ等)の油圧供給源となる可変容量型の油圧ポンプであるが、これら第一、第二メインポンプ9、10のうち、第一メインポンプ9が本発明の油圧ポンプに相当する。尚、図2、図3中、丸付きの数字は結合子記号であって、対応する丸付き数字同士が接続される。
尚、制御装置16には、第二コントロールバルブ19や回収バルブ41、ドリフト低減弁29、アキュムレータチェックバルブ45、タンクチェックバルブ50等を制御するための各種制御部(図示せず)を有しているが、これら制御部における制御については、個別に説明することなく、制御装置16の制御として説明する。
まず、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合について説明すると、制御装置16は、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対し、第一、第二メインポンプ9、10のポンプ出力をエンジン回転数と作業負荷に対応させるべく制御信号を出力する。
つまり、アシスト割合αが「1」の場合は、制御装置16から出力される制御信号によって第一上昇側電磁比例減圧弁23からパイロット圧が出力され、これにより第一コントロールバルブ18が上昇側位置Xに切換り、而して、第一メインポンプ9の吐出油が、上昇側位置Xの第一コントロールバルブ18を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
また、アシスト割合αが「1」〜「0」のあいだ(但し、「1」および「0」は含まず)の場合は、前述したアシスト割合αが「1」の場合と同様に、制御装置16から出力される制御信号によって第一上昇側電磁比例減圧弁23からパイロット圧が出力され、これにより第一コントロールバルブ18が上昇側位置Xに切換って、第一メインポンプ9の吐出油がブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量、つまりアシスト割合αが低くなるほどブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少ない流量となるように制御される。
さらに、アシスト割合αが「0」の場合は、制御装置16から第一上昇側電磁比例減圧弁23に対して、第一コントロールバルブ18からブームシリンダ8への供給流量をゼロにするための制御信号が出力される。これにより、第一コントロールバルブ37は中立位置Nに保持され、而して、第一メインポンプ9からブームシリンダ8のヘッド側油室8aに圧油供給されないと共に、ネガティブコントロール流量制御によって、第一メインポンプ9の吐出流量は最小となるように制御されるようになっている。
つまり、供給割合βが「1」の場合は、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して出力される制御信号によって第三コントロールバルブ37が上昇側位置Xに切換り、而して、専用ポンプ32の吐出油が、上昇側位置Xの第三コントロールバルブ37を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
また、供給割合βが「1」〜「0」のあいだ(但し、「1」および「0」は含まず)の場合は、前述した供給割合βが「1」の場合と同様に、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して出力される制御信号によって第三コントロールバルブ37が上昇側位置Xに切換り、専用ポンプ32の吐出油がブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第三コントロールバルブ19からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量、つまり供給割合βが低くなるほどブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少ない流量となるように制御される。
さらに、供給割合βが「0」の場合は、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して、第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への供給流量をゼロにするための制御信号が出力される。これにより、第三コントロールバルブ37は中立位置Nに保持され、而して、専用ポンプ32からブームシリンダ8のヘッド側油室8aに圧油供給されないようになっている。
一方、第一コントロールバルブ18は中立位置Nに保持されており、而して、第一メインポンプ9からヘッド側油室8aへの圧油供給はなされない。
また、第二コントロールバルブ19は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、而して、第二メインポンプ10から最大で(ブーム用操作レバーの操作量が最大のとき)一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
尚、ブームシリンダ8のロッド側油室8bから排出された油は、上昇側位置Xの第三コントロールバルブ37を経由して油タンク11に流れる。
一方、専用ポンプ32は吐出流量がゼロとなるように制御されると共に、第三コントロールバルブ37は中立位置Nに保持されており、而して、専用ポンプ32からヘッド側油室8aへの圧油供給はなされない。
また、第二コントロールバルブ19は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、而して、第二メインポンプ10から最大で一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
尚、ブームシリンダ8のロッド側油室8bから排出された油は、上昇側位置Xの第一コントロールバルブ18を経由して油タンク11に流れる。
一方、第一コントロールバルブ18は、該三コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量が、アシスト割合αが低くなるほど(つまり、蓄圧圧力ΔPが増加するほど)ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される吐出流量よりも少なくなるように制御される。
ここで、前記第三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量であり、また、第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量であり、しかもアシスト割合αと供給割合βとを足すと「1」となる(α+β=1)ように設定されているから、第三コントロールバルブ37からの供給流量が減少するにつれて第一コントロールバルブ18からの供給流量が増加すると共に、第三コントロールバルブ37からの供給流量と第一コントロールバルブ18からの供給流量とを足すと、ブーム用操作レバーに応じて要求される流量になる。而して、専用ポンプ32および第一メインポンプ9から足して最大で(ブーム用操作レバーの操作量が最大のとき)一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
また、第二コントロールバルブ19は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、而して、第二メインポンプ10から最大で一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
尚、ブームシリンダ8のロッド側油室8bから排出された油は、上昇側位置Xの第一コントロールバルブ18および上昇側位置Xの第三コントロールバルブ37を経由して油タンク11に流れる。
尚、第二コントロールバルブ19は、ブーム5の下降時には中立位置Nに保持され、而して、ブームシリンダ8に対する油給排を行わないと共に、第二メインポンプ9の吐出流量も、ネガティブコントロール流量制御によって最小となるように制御される。
尚、ブーム5の下降時に、ヘッド側油室8aからの排出油のうち一部は、第一コントロールバルブ18の再生用弁路18dを経由してロッド側油室8bに供給される。
また、上記実施の形態では、油圧シリンダに圧油供給するポンプとして、専用ポンプおよび第一メインポンプに加えて第二メインポンプを設け、これにより重量負荷に抗する方向の作業部上昇時に二ポンプ分の流量の圧油供給を行えるようにしたものであるが、第二メインポンプが設けられていない場合であっても、本発明を実施することは可能である。
8 ブームシリンダ
9 第一メインポンプ
11 油タンク
16 制御装置
18 第一コントロールバルブ
32 専用ポンプ
36 アキュムレータ
37 第三コントロールバルブ
60 アキュムレータ用圧力センサ
65 分担割合演算部
67 第一コントロールバルブ制御部
70 第三コントロールバルブ制御部
73 専用ポンプ制御部
Claims (6)
- 作業部を昇降せしめる油圧シリンダと、作業部の下降時に油圧シリンダから排出される油を蓄圧するアキュムレータと、アキュムレータに蓄圧された圧油を吸込んで油圧シリンダに供給する専用ポンプと、油タンクから油を吸込んで油圧シリンダに供給する油圧ポンプと、前記アキュムレータの蓄圧量を検出するための蓄圧量検出手段とを備える一方、該蓄圧量検出手段により検出されるアキュムレータの蓄圧量に基づいて、作業部の上昇時における専用ポンプから油圧シリンダへの圧油供給および油圧ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を制御する制御装置を設けたことを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
- 制御装置は、作業部の上昇時に、アキュムレータの蓄圧量が予め設定される高蓄圧量以上の場合は、専用ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を行う一方、油圧ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を停止し、アキュムレータの蓄圧量が予め設定される低蓄圧量以下の場合は、油圧ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を行う一方、専用ポンプから油圧シリンダへの圧油供給を停止し、また、アキュムレータの蓄圧量が前記高蓄圧量と低蓄圧量とのあいだの場合は、アキュムレータの蓄圧量が減少するにつれて専用ポンプから油圧シリンダへの供給流量を減少せしめる一方、油圧ポンプから油圧シリンダへの供給流量を増加せしめるように制御すると共に、アキュムレータの蓄圧量が前記何れの場合であっても、専用ポンプから油圧シリンダへの供給流量と油圧ポンプから油圧シリンダへの供給流量との和が、油圧シリンダ用操作具の操作量に応じて要求される流量となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 油圧制御システムは、油圧ポンプから油圧シリンダへの流量制御を行うコントロールバルブと、専用ポンプから油圧シリンダへの流量制御を行うコントロールバルブとを備える一方、制御装置は、アキュムレータの蓄圧量に基づいて、上記各コントロールバルブをそれぞれ制御するコントロールバルブ制御部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 制御装置は、アキュムレータの蓄圧量に基づいて、専用ポンプの吐出流量を制御する専用ポンプ制御部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 制御装置は、アキュムレータの蓄圧量に基づいて、作業部の上昇時における油圧シリンダへの供給流量に対する専用ポンプの分担割合および油圧ポンプの分担割合を演算する分担割合演算部を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 油圧ポンプは、作業機械に設けられる各種油圧アクチュエータの油圧供給源となるメインポンプであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システム。
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