JP2008014139A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質ガスを用いる内燃機関の効率的な冷却の達成。
【解決手段】改質原料を吸熱反応である水蒸気改質によって生成した改質ガスを用いる内燃機関であって、気筒の燃焼室周囲に、改質原料液の蒸発部120及び改質原料蒸気の改質部130を設け、改質原料の気化熱及び前記水蒸気改質の反応熱を、気筒10の冷却に用いる。気筒10の燃焼室周囲に、さらに、気筒の熱によって改質原料液を加熱する液体加熱部110を設け、ここで加熱された改質原料液を蒸発部120に供給すれば、気筒の冷却効率をさらに高め、かつ蒸発部120での原料液の蒸発を容易に行うことができる。
【選択図】図1

Description

改質原料を水蒸気改質して得た改質ガスを用いる内燃機関の冷却機構に関する。
ガソリンやアルコールなどの炭化水素系の液体燃料を水蒸気改質することにより、発熱量の増加したガス燃料を得て、これを内燃機関の燃料として用いることで内燃機関(エンジン)の熱効率の向上を図ることが従来より提案されている。
このような改質では、液体燃料を蒸発させ、また、改質触媒を用いた燃料蒸気の水蒸気改質をするために熱エネルギが必要であり、その熱を排気ガスとの熱交換によって得ることが知られている。
また、下記特許文献1では、排気ガス温度が低い条件下では液体燃料の蒸発が十分になされない等の課題を解決することを目的としたアルコール改質ガスエンジンが提案されている。この特許文献1に係るエンジンでは、アルコール改質装置を構成するアルコール蒸発器を、排気ガスではなく、エンジン冷却水により加熱してアルコール蒸気を得ている。すなわち、エンジン冷却水と改質用の燃料との間で熱交換し、冷却水温度が、燃料の沸点よりも高いことを利用して、燃料を蒸発させる。そして、改質用蒸発器とエンジン冷却用ラジエータの両方の小型化をねらっている。
特開昭56−18055号公報 特許第3553579号
メタノールを改質の燃料とする場合、蒸発熱(35.2kJ/mol)は燃料の低位発熱量(638kJ/mol)の5.5%、蒸発温度まで上昇させる顕熱分を考慮しても7%以下の熱量を奪うのみであり、改質用の蒸発器とラジエータの小型化は可能であるが、特に低発熱量のおおよそ15%に相当すべきラジエータ冷却量の低減には十分とはいえない。
さらに、アルコール系燃料であっても、エタノールを燃料として用いた場合、蒸発熱(38.6kJ/mol)は、低位発熱量(1235kJ/mol)の3.1%に過ぎず、効果が小さくなってしまいラジエータの小型化を実現することが不可能となる。
また水蒸気改質するために、供給する改質原料をアルコールと水の混合液としようとしても、アルコールは蒸発できるが、冷却水温度は水の蒸発温度よりも高くはないので、改質原料中の水の蒸発はかなり困難となる。
本発明は、改質ガスを生成する内燃機関における気筒の冷却効率と改質効率の両立を図る。
本発明は、改質原料を吸熱反応である水蒸気改質によって生成した改質ガスを用いる内燃機関であって、気筒の外側の燃焼室周辺に、改質原料液の蒸発部及び改質原料蒸気の改質部が設けられ、前記改質原料の気化熱及び前記水蒸気改質の反応熱を、前記気筒の冷却に用いる。
本発明の他の態様では、上記内燃機関において、前記気筒の外側の燃焼室周辺には、さらに、前記気筒の熱との熱交換により前記改質原料液を加熱する液体加熱部が設けられている。
本発明の他の態様では、上記内燃機関において、前記気筒の外側の燃焼室周辺には、前記改質原料液を冷却循環液とする循環部が設けられ、該循環液は、内燃機関のラジエータで冷却されている。
本発明の他の態様では、上記内燃機関において、内燃機関のラジエータの冷却循環液として前記改質原料液が用いられている。
本発明の他の態様において、前記蒸発部は、前記気筒の外側の燃焼室周辺に形成された蒸発室と、該蒸発室内に前記改質原料を供給する噴射弁とを備えて構成することができる。
本発明の他の態様において、前記蒸発部は、内部が前記改質原料の液圧よりも低い圧力に設定され、前記蒸発部に供給される前記改質原料液が減圧沸騰される。
本発明の他の態様では、上記内燃機関において、前記気筒の外側には、ライナーの上から順に改質部、蒸発室及び改質原料液の液体加熱部が設けられている。
あるいは、前記気筒の外側には、ライナーの上から順に蒸発部、改質部、液体加熱部が設けられている。また、この場合において、エンジン制御部が、ピストンが圧縮上死点付近に位置する期間に、前記蒸発室への前記改質原料液を供給するように制御することが可能である。
本発明では、改質原料を水蒸気改質して改質ガスを得る内燃機関で、この改質原料の蒸発熱と、改質原料蒸気の吸熱反応である反応熱を気筒の冷却に利用する。よって、ラジエータの負荷を低減することができ、また、ラジエータの小容量化を実現することができる。
また、改質原料液を気化させる前に改質原料液の液温を気筒との熱交換によって上昇させて気筒の冷却を図ることにより、ラジエータの負荷をさらに低減することができ、ラジエータの一層の小型化を図ることができる。
気筒の外側において、ライナーの上側から順に改質部、蒸発部、改質原料液の液体加熱部を設けることで、改質原料液の備蓄タンクから液体加熱部、蒸発部、改質部のそれぞれの経路を最短で配置でき、同時に、気筒冷却機能を備えた構成を効率的に配置することができる。
また、ライナーの上から順に蒸発部、改質部、改質原料液の液体加熱部を設けることで、蒸発部を気筒外部の圧縮上死点付近で燃焼室に最も近い位置に配置することができる。さらに、改質原料噴射弁などを設けて蒸発室への改質原料液の供給タイミングを圧縮上死点付近となるように制御すれば、燃焼室内が高温となる点火・燃焼期間において生ずる燃焼熱を無駄なく改質原料液の気化熱に利用すると共に、ノッキング等の発生原因となる燃焼室壁温の上昇を防止することが容易となる。
さらに、改質原料液として、例えば、無水エタノールではなく、エタノール濃度が30体積%〜96体積%のエタノール水、すなわち含水エタノールを利用することで、無水エタノールよりも低い蒸気圧を実現でき、エバポエミッションを低減できる。よって、高価なエバポエミッション防止機能を不要とでき、また燃費の向上にも寄与することができる。さらに、1つの燃料タンクにエタノール水を備蓄すれば良く、水蒸気改質のために水タンクと、エタノールタンクとを別に設ける必要がない。
また、内燃機関のラジエータの冷却用循環液として改質原料液を採用することで、エンジン冷却水と、改質原料の流路を少なくとも2種類設ける必要がなく、内燃機関のシステムの簡略化及びエンジン冷却水を改質原料と別に点検、補充する必要を省くことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態)について説明する。
[実施形態1]
本発明の実施形態に係る内燃機関では、改質原料を水蒸気改質する際に要する反応熱(吸熱)を気筒の冷却に利用している。図1は、このような実施形態1に係る内燃機関の気筒付近の概略構成を示している。
気筒10の上部付近には、吸気弁14、点火プラグ16、排気弁18がそれぞれ設けられ、気筒10内には、気筒軸線に沿って上下し、コネクティングロッドによりクランク軸に連結されたピストン12が設けられている。吸気管20には、図示しないスロットルバルブが設けられ、気筒10への空気の供給量が制御されている。吸気管20の吸気ポート付近には、本実施形態において改質ガスを燃料として気筒10に供給するための燃料噴射弁22が設けられている。気筒10の排気ポートは、排気管40に連結されており、その先には三元触媒などからなる排気触媒28が設置されている。
なお、改質ガスは気筒における燃焼燃料としてだけでなく、気液分離により得たガス成分のみ(例えば水素ガス)を排気管40に供給し、排気ガスの浄化(NOx低減、パティキュレート燃焼)に用いても良い。燃焼燃料としては、液体燃料(ガソリン、アルコール燃料など)と、改質ガスを併用することも可能であり、また液体燃料のみを気筒に供給し、改質ガスは上記のように排気ガスの浄化に用いることもできる。以下では、改質ガスを燃料として用いた場合を例に説明する。
気筒10の外側の燃焼室周辺には、改質原料液の蒸発部120及び改質原料蒸気の改質部130が設けられ、改質原料液の気化熱と、改質部での水蒸気改質(吸熱反応)における反応熱が気筒10の冷却に用いられている。ここで、気筒の外側とは、より具体的には気筒10の気筒内壁を規定するシリンダライナーの外側部分である。シリンダライナーは、シリンダブロック200内に挿入され、又はシリンダブロック形成時に同時に鋳込まれ、このシリンダライナー及びシリンダブロック200のライナー側の中空部に、蒸発部120、改質部130等を形成している。以下、このライナー及びシリンダブロックのライナー側をライナー部100として説明する。
ライナー部100には、さらに、改質原料液を加熱する液体加熱部110が設けられており、この液体加熱部110には、タンク70から汲み上げて供給される改質原料液が循環し、気筒と改質原料液との熱交換が行われ、その結果、気筒は冷却され、改質原料液は加熱される。加熱部110で加熱された改質原料液は、蒸発部120に供給され、ここでさらに気筒の熱により気化される。蒸発部120で得られた改質原料蒸気は、次に改質部130に供給され、改質部130に設けられた改質触媒によって水蒸気改質が行われ水素や一酸化炭素を含む改質ガスを得る。
本実施形態では、ライナー部100の中位に蒸発部120が配置され、液体加熱部110は、蒸発部120よりもライナーの下側に設けられ、改質部130は蒸発部120よりもライナーの上側であって、燃焼室周囲に相当する位置に設けられている。このような配置とすることで、液体加熱部110、蒸発部120、改質部130のそれぞれの経路を最短とすることができ、気筒冷却機構を気筒のライナー部100に効率的に配置することができる。
ここで、液体加熱部110は、ライナー部100に設けられた液体循環路によって構成されている。この液体循環路は、いわゆるウォータジャケットなどと称されシリンダブロック200のライナ側に設けた中空部などにより構成できる。蒸発部120では、少なくとも供給される改質原料液圧よりも蒸発室内の圧力を低く設定しており、液体加熱部110で加熱された改質原料液を気筒の熱を利用して減圧沸騰(蒸発)させる。改質部130は、蒸発部120から供給される改質原料蒸気(エタノールと水の蒸気)を改質触媒を用いて水蒸気改質する。なお、改質部130は、ライナー部100だけでなく、ライナーの上部に相当する図1に示すようにシリンダヘッドの吸気ポート、排気ポート、点火プラグ16等の間隙にも設けることで、改質部130の体積、または表面積、特に改質触媒の体積、または表面積を限られたスペース内に効率的に確保することが可能となる。また、シリンダヘッド部分も燃焼室の近傍にあり、特別な加熱手段を設けることなく、改質触媒をその活性温度にすることができる。
本実施形態では、改質触媒として、Cuを含むCu触媒を用いており、この触媒は以下に説明するように350℃以下の温度において非常に高い活性を備え、低温環境で優れた改質特性を発揮できる。逆に350℃を超える温度では、劣化が起きやすい。そこで、本実施形態では、改質触媒温度が350℃を超えないように本実施形態の改質部130の近傍には、触媒冷却部140が設けられている。図1の例では、この冷却部140としてライナー部100の改質部130の外周側に真空断熱層142を形成している。この真空断熱層142の存在によりライナー部100の外からシリンダブロックを介して熱が伝わって改質触媒の温度が350℃を超えないようにしている。なお、改質冷却部140は、この真空断熱層142には限られず、後述する実施形態のように改質原料液の循環部や、ラジエータの冷却液循環部などを用いて積極的に改質触媒を冷却又は温度制御してもよい。
改質原料は、有機化合物系液体燃料が採用でき、ガソリン、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、或いは軽油、重油などが挙げられる。このような有機化合物系液体燃料を改質して得られるガス成分は、例えば、液体燃料としてガソリン等を採用し、これらを水蒸気改質することで、水素や、一酸化炭素を含む改質ガスを得る。本実施形態では、これらの液体燃料の内、エタノールを採用しており、さらに具体的には、無水アルコールよりも蒸気圧が低い30v/v%(体積%)〜96v/v%の濃度のエタノールと水との混合液を採用している。エバポエミッションを低減し、かつ効率的な改質を実行する上で、エタノール濃度は70v/v%〜80v/v%とすることがより好適であり、本実施形態では一例としてエタノール濃度77v/v%のエタノール水を改質原料として用い、このエタノール水をタンク70内に備蓄している。
図2は、改質触媒活性の温度特性を示しており、この特性は、固定床流通式反応管にて実験した結果である。実験に使用した触媒は、Cu触媒((株)東洋CCI製の銅亜鉛触媒MDC−4)とRh触媒(第一希元素(株)製のCa5mol%ZrO2に硝酸Rh溶液にてRhを3wt%担持したもの)である。篩を用い、目開き1mmと1.7mmの間の破砕ペレットを使用した。内径φ9.8mmの石英製反応管に、Cu触媒は1.15g、Rh触媒は1.14gを充填した。電気炉により改質熱(吸熱)を供給した。エタノールは和光純薬1級で、イオン交換水と混合され、気化して供給した。実験は、S/C=0.5〜2.0 (Steam/Carbonモル比)の範囲で行い反応管から出る水素含有ガスの乾きガス成分のガス組成をガスクロマトグラフで測定した。同時に乾きガスの流量を測定した。図2では、S/C=1の混合液(エタノール0.185g/min、イオン交換水0.146g/min)と希釈のために窒素ガスを0.8L/min供給した。温度は石英管の外壁にφ1mmのCA熱電対を接触させ測定した。分解率は、C含有出ガス濃度をC1換算したものの総和に出ガスのモル流量を乗じた後、投入したエタノールモル流量をC1換算したもので除した値である。エタノールが完全に別の物質に変化すると分解率100%となる。ただし、Cu触媒では、乾きガス成分として、ほぼ水素のみしか検出できなかったため、エタノールが下記式(1)のように水素とアセトアルデヒドに分解したとして、水素モル流量をアセトアルデヒドモル流量と等しく置いて整理した。
25OH → H2+CH3CHO ・・・(1)
この結果、350℃付近にて両触媒は活性のあることがわかる。特に、Cu触媒は同一質量でRh触媒よりも分解活性がある。一方で、Cu触媒は、350℃以上の長時間使用で熱劣化する(例えば、特許文献2参照)。
したがって、上述のようにCu触媒を改質触媒として用いた場合、その触媒床の温度管理は重要である。例えば、最高温度部位の温度を計測し、温度に応じて改質部130への改質原料蒸気量を調整し、また触媒冷却部140として、ラジエータで放熱される冷却水や改質原料液を循環させる構成とした場合に、それらの循環量を調整するなどの方法により改質触媒温度を管理することができる。また、一方で、改質触媒として、Rh触媒を用いた場合には、特にRh触媒を冷却する必要がない条件もあり、そのような場合には、図1に示すように、真空断熱層142を改質部130の外周側に配置して、逆にこの真空断熱層142により気筒の熱が外部に逃げないようにすることで、効率的に改質触媒を加熱することができる。もちろん、触媒冷却部140として改質原料液等を循環させて、改質触媒温度を正確に制御しても良い。
以上のように本実施形態では、改質原料の水蒸気改質に用いられる熱を気筒の冷却に用いており、改質のための加熱機構を別途設けることなく、そして、気筒の冷却を改質熱により積極的に実行でき、内燃機関のラジエータの負担を大幅に低減できる。このため、ラジエータの小型化や、省略を実現することができる。
[実施形態2]
図3は、実施形態2に係る内燃機関の概略構成を示している。実施形態1との相違点の一つは、蒸発部120と改質部130の位置関係である。具体的には、実施形態2では、蒸発部120をライナー部100の上部に配置し、改質部130を蒸発部120と液体加熱部110との間に配置している。また、本実施形態2において、蒸発部120は、蒸発室122と、この蒸発室122内に改質原料液を噴射する噴射弁124を備える。また、噴射弁124の噴射タイミング、噴射量は、エンジン制御部(ECU)300の下位制御部に相当する改質原料の冷却・噴射制御部310によって制御され、気化熱を利用して、気筒の冷却を防止すると共に、ノッキングや異常燃焼の発生も防止している。
改質原料液としては、エタノール水、より具体的には、実施形態1と同様に77v/v%濃度のエタノールと水との混合液を採用し、この混合液をタンク70に蓄えている。
ここで、本実施形態2では、ラジエータ82の冷却液として、エタノール水からなる改質原料液を用いており、タンク70から供給ポンプ80によって汲み上げられた改質原料液はラジエータ82に供給され、ラジエータの冷却用循環路88を循環する。この循環液の一部が、液体加熱部110に供給される。液体加熱部110において気筒10との熱交換により液温の上昇した改質原料液は、減圧弁126で減圧され、液体噴射弁124から蒸発部120の蒸発室122内に噴射される。なお、気筒10をさらに冷却する必要がある場合や、液体加熱部110から蒸発部120への改質原料液供給量を調整する場合には、液体加熱部110から流出する改質原料液は、液循環ポンプ84を経てラジエータ82に戻り、ラジエータ82で冷却され、再び液体加熱部110に循環する。
蒸発部120において、液体噴射弁124から蒸発室122内に噴射された改質原料液は、噴射によりさらに減圧され、蒸発室122の壁面に衝突した後、または、噴射後すぐに気化する。そして、この気化熱により、ライナー100の最上部が冷却される。ここで、点火位置から遠い燃焼室の壁面付近での温度上昇は、ノッキングや異常燃焼の原因の一つであるが、本実施形態では、ライナー100最上部に設けた蒸発部120によって、この燃焼室の壁面を冷却することができ、燃焼室壁温度の低下、すなわち、ノッキング等の防止に寄与する。
ノッキングや異常燃焼は、気筒の圧縮上死点(TDC:top dead center)付近が最も発生しやすい期間である。したがって、蒸発部120での改質原料液の噴射は、この圧縮TDC付近とすることが効果的である。特に、噴射タイミングを圧縮TDCの少し前のタイミングとすることで、燃焼室壁温が最も高くなるタイミングに合わせて改質原料液を気化させ、気化熱により燃焼室壁温を効率的に冷却することが可能となる。
以上のようにして蒸発部120で気化した改質原料蒸気(エタノール水蒸気)は、次に、蒸発部120の下に形成されて、図3には示していない蒸気通路によって、蒸発部120と連通されている改質部130に流出する。
改質部130には、実施形態1で説明したように、改質触媒が設けられており、改質部130に流出した改質原料蒸気はここでさらに加熱され、また燃焼室内での燃焼により適温に加熱されている改質触媒によって、水蒸気改質反応(吸熱反応)が起きる。この改質反応で得られた水素含有ガスは、アキュムレータ28に供給され、ここで蓄圧され、ガス噴射弁22から吸気ポートに噴射され、気筒10内での燃料として、空気と混合されて燃焼に利用される。
アキュムレータ28に蓄えられた改質ガス(水素含有ガス)は、実施形態1において説明したように、排気ガス浄化のために、特に、NOxを還元するために排気管中に噴射すようにしてもよい。また、生成した水素含有ガスをさらに別の触媒を用いて変成(改質)し、変成ガスをアキュムレータ28に蓄えても良い。
エタノール水供給量(供給ポンプ80の汲み上げ量)、液循環ポンプ84による循環量、減圧弁126の圧力設定、液体噴射弁124の噴射量は、内燃機関が要求するガス噴射量、改質触媒温度、循環液温度に応じて、冷却・噴射制御部310で制御されている。冷却・噴射制御部310は、内燃機関全体を制御するエンジンECU300によって制御されており、エンジンECU300の中にこの冷却・噴射制御部310が組み込まれている場合もある。
また、吸気及び排気のバルブタイミング可変機構や圧縮比可変機構を持つ内燃機関の場合、これらの可変機構と、冷却・噴射制御部310による制御と連携して、ノッキング抑制やエバポエミッション低減をより確実に実現するよう制御することができる。
次に、実施形態1及び2で採用しているエタノールと水の混合液について説明する。図4は、エタノール水溶液の凍結温度特性を示す図である(アルコール協会ホームページ記載)。図4に示されるように、エタノール濃度が30v/v%(=25wt%)のエタノール水は、−15℃まで凍結しない。さらに、上記各実施形態で採用するエタノール濃度が70v/v%〜80v/v%(65〜76wt%)のエタノール水は、−47℃以下でないと凍結しない。したがって、70v/v%〜80v/v%(65〜76wt%)のエタノール水は、このような低温まで冷却用循環液(液体冷却剤)として用いることができる。このため、図3に示すようにラジエータ82の循環液としても本実施形態の改質原料液を採用することができ、ラジエータ循環液タンクを改質原料液タンクと別に持つ必要が無く、また、この改質原料の気化熱、反応熱を積極的に気筒の冷却に用いてラジエータの負荷を低減できるため、内燃機関の小型化を図る上で非常に有利となる。
[実施形態3]
図5は、実施形態3に係る内燃機関の概略構成を示している。図6は、図5のライナー部110のより詳細な構成を示す断面説明図である。
実施形態2では、触媒冷却部140として、真空断熱層142を採用しているが、本実施形態3では、改質原料液を循環させて触媒を冷却する触媒冷却用循環部144を採用している。触媒冷却用循環部144には、液体加熱部110を通った改質原料液が供給され、触媒冷却用循環部144を経てここから流出する改質原料液の一部は、そのまま減圧弁126を介して液体噴射弁124から蒸発室122に噴射され、残りは冷却用循環路88を経てラジエータ82で冷却され、再び液体加熱部110に戻る。
なお、液体加熱部110を通った改質原料液の一部は、液体加熱部110と触媒冷却用循環部144との間に設けられた循環量制御弁146を介して触媒冷却用循環部144に供給され、残りはラジエータ82に戻る。改質触媒温度の検出結果に応じて、循環部144へ改質原料液の流量は、この循環量制御弁146によって制御される。なお、この流量制御は、上述の冷却・噴射制御部310によって行うことができる。
ここで、改質部130は、上述の通りライナー部100に設けられるが、一例として、図6に具体的に示すように、ライナー101の外面側にライナと一体形成されたフィン132を備え、このフィン132の表面に改質触媒134が設けられ、さらに、この改質触媒134の配置されたフィン132の表面に沿って改質原料蒸気の改質通路がシリンダブロック200との間に形成されている。
改質部130と蒸発部120との間には、蒸気通路170が設けられており、蒸気通路170を通って改質部130に流入した改質原料蒸気は、改質部130内の改質通路を改質触媒134と接触しながら通過することで改質触媒134によって水蒸気改質される。改質触媒134は、フィン132によって放熱される気筒の熱により適切な活性温度に加熱されており、このような改質触媒134において得られた改質ガスは、改質部130のライナー下側に設けられた改質ガス流出通路からアキュムレータ28(図5参照)へ供給される。
(蒸発部の構成例)
次に、蒸発部120について説明する。なお、以下に説明する蒸発部120は、実施形態3だけでなく、上述の実施形態2及び後述する実施形態4の変形例についても適用することができる。蒸発部120は、上述のように、蒸発室122と液体噴射弁124とを備え、また、図5に示すように、蒸発室122のさらに気筒の外側位置には断熱層が設けられている。この蒸発室122には、図6に示すように多数のフィン150が気筒の軸方向に沿って配置されている。なお、フィン150は、ライナー101と一体形成することができる。このようなフィン150により、蒸発のために十分な表面積の蒸発室122を得ており、この蒸発室122のフィン150に向かって噴射弁124より改質原料液を霧状に噴射する。噴射された改質原料液の噴霧は、フィン150から放熱される気筒内の熱と、蒸発室122内が減圧環境に保たれていることとの相乗効果により、速やかに気化して改質原料蒸気となる。
ここで、蒸発室122は、十分な広さを確保することが望ましく、図6に示すように、ライナー101の外表面側だけでなく、シリンダブロック200の対応位置に中空部を予め設け、ライナー101とシリンダブロック200との間に構成される空間を蒸発室122として用いている。なお、ライナー101が十分厚い場合には、シリンダブロック200に中空部を設けなくても良いこともある。
図7は、図6に示す蒸発室を上面方向から見た構成を示している。気筒10の内壁を構成するライナー101の外表面側(気筒の外周面側)には、ライナー101と一体でフィン150が形成されている。フィン150は、液体噴射弁124との対向する位置においてそのフィンの高さ(気筒の径方向の長さ)が他の領域よりも減ぜられており、この領域に向けて液体噴射弁124から改質原料液が噴射される。なお、蒸気通路170の配置場所では、フィン150が通路を妨げることがないよう終端され又はフィンの高さが減ぜられている。
また、図7では、気筒の液体噴射弁124の設けられた方角に近い方角に改質部130への蒸気通路170を配置しており、液体噴射弁124からの噴霧がそのまま蒸気通路170に流入することを防止する目的で、噴射弁124と蒸気通路170との間には流入防止用の障壁160が設けられている。
図8(a)及び図8(b)は、蒸発室122の他の構成例を示している。
まず、図8(a)の例では、液体噴射弁124aと蒸気通路172とを、燃焼室を挟んで対向する位置(約180°の位置)に配置しており、図7のような障壁160は省略している。また、図8(a)では、液体噴射弁124aと蒸気通路172との距離が離れているので、液体噴射弁124aとして広角噴射弁を採用し、広範囲に改質原料液を噴霧している。フィン152は、図7と同様に、液体噴射弁124aから改質原料液が噴射される領域では、噴射弁124aからの距離を確保するため、その高さ(径方向の高さ)を低く設定している。また、蒸気通路172の設置場所では、この通路の妨げとならないようにフィン152の高さは非常に低く設定されるか、または形成されていない。なお、図7及び図8(a)のように液体噴射弁が1つの場合、一例として、吸気弁側よりも高温になりやすい排気弁側に液体噴射弁を設けることで、気化熱による燃焼室壁温の冷却をより効率的に実行することができる。
図8(b)の例では、1つの気筒に対し、液体噴射弁124bが2つ設けられ、この2つの噴射弁124bは、互いに、燃焼室を挟んで対向する位置に設けられている。また図8(a)と同様に広角噴射弁が採用されている。蒸気通路174も、2つ設けられており、この2つの蒸気通路174は、噴射弁124bの設けられた位置から最も離れた位置(噴射弁124bから気筒の中心から約90°離れた位置)に、間に燃焼室を挟んで対向配置されている。また、フィン154は、液体噴射弁124bに対向する2カ所で高さが減ぜられ、また蒸気通路174の設けられる2カ所で高さが減ぜられ又は非設置とされている。
内燃機関で必要とされる改質ガス量が多い場合や、気筒の冷却要求が大きい場合などには、図8(b)のように、1気筒に対して複数の液体噴射弁124bを設け、改質部130に供給する改質原料蒸気を増大させてもよい。また、要求トルクなどに応じて、2つの液体噴射弁124bの両方又は一方のみから噴射してもよい。また、複数の噴射弁124bの噴射タイミングを少しずらし、気筒の冷却期間を延ばすこともできる。
図9は、多気筒の場合の蒸発部120の構成例を示している。多気筒の場合、蒸発部120及び改質部は全気筒共通とすることができ、1つのシリンダブロック200内にこれらを共通で形成することができる。また、液体加熱部、触媒冷却部等も共通で形成することができる。各気筒10a,10b,10cの各ライナー外周面には、それぞれフィン156が設けられている。
ここで、図9の例では、各気筒には、図の下側に吸気弁14が配置され、上側に排気弁18が設けられている。そして改質部に連通された蒸気通路176は、並列配置された気筒の並ぶ方向に沿って、つまり、吸気弁14と排気弁18との間を通る方向に沿って気筒毎に設けられている。
液体噴射弁124cは、並列配置された2つの気筒の中間位置であって、蒸気通路176を挟んで対向するように吸気弁14側と排気弁18側にそれぞれ設けられている。また、この液体噴射弁124cは、気化の効率化と、蒸気通路176へ改質燃料液が直接流入することを防止する観点から、正面方向には噴射せず、左右にのみ改質原料液を噴射する機能を備えている。
さらに、多気筒であっても、各気筒に供給される改質原料液の総量を等しくすることが好ましい。そこで、図9では、両側の噴射弁124cから改質原料液が噴射される気筒(10b)に対する噴射量が、単一の噴射弁124cから改質原料液が噴射される気筒(10a、10c)に対する噴射量より少なくなるように(正確には半分になるように)ノズル形状が設計されている。
なお、多気筒の場合においても、気筒毎に上記図7,図8(a)、(b)のように液体噴射弁を設け、気筒毎に噴射タイミングを制御してもよい。気筒毎に噴射タイミングを制御すれば、気筒毎の燃焼タイミングが異なる多気筒の内燃機関において、どの気筒も最適なタイミングで発生させた気化熱によって冷却することができノッキングや異常燃焼を防止することが可能となる。
(実施形態3の変形例)
次に、図10を参照して、実施形態3の変形例について説明する。図10に示す変形例では、図5において説明した構成に加えて、排気管40側に排気熱を利用して改質原料を改質する排気側改質部400が設けられている。
排気側改質部400は、少なくとも低温用改質部30を備え、またこの低温用改質部30よりも排気管40の上流側(気筒側)には、高温用改質部32又は過給機50の少なくとも一方が設けられている(図10では両方が設けられている)。
ここで、低温用改質部30において用いる改質触媒は、例えば、図2において説明したように、質量当たりの改質効率(分解率)が高いが、350℃以上になると熱劣化が発生しやすいCuを含む触媒である。また、高温用改質部32において用いる改質触媒は、350℃よりも高い温度を活性温度とする例えばRhを含む触媒である。
気筒10からの排気ガスの温度は、燃焼の当量比が1.0未満、より具体的には0.8以下のような希薄燃焼であれば、200℃〜400℃程度とすることができ、この場合には排気管40に低温用改質部30のみを設けても熱劣化することなく低温用改質部30によって水蒸気改質を実行することができる。しかし、内燃機関の動作範囲の一部で、このような排気ガス温度を実現できない条件が存在する場合(例えば、要求トルクが大きい場合など)には、排気ガス温度が低温用改質部30の適性温度範囲を上回ることがある。そこで、低温用改質部30よりも排気管40の上流側には必ず、少なくとも過給機50か高温用改質部32を設けている。高温用改質部32において吸熱反応である改質反応が起きることで、熱交換により排気ガス温度は低下する。過給機50は、排気ガスによって排気タービンを回転させ、得られた動力を利用して吸気管20から気筒10に供給する空気圧を上昇させる機能を備えており、過給機50を通過することで、排気タービンの仕事量に応じて、排ガスタービンの出口における排ガス温度が低下する。したがって、低温用改質部30よりも排気管40の上流側に高温用改質部32及び過給機50の少なくとも一方を設けることで、低温用改質部30に流入する排ガス温度を、低温用改質触媒を加熱するために適正な温度に下げることができる。
また、排気側改質部400へは、流量制御弁136を介して、気筒10のライナー部100の改質部130で得た改質処理後のガスの一部が供給される。この流量制御弁136を介して供給されるガスは、改質部130の触媒温度が350℃程度に制限されていることから、まず低温用改質部30に供給されて改質される。
低温用改質部30から流出するガスは、熱交換器62において、高温用改質部32から流出するより高温のガスと熱交換して、高温用改質触媒に最適な温度に昇温されてから高温用改質部32に供給される。高温用改質部32は、上記の通り排気管40のより上流側に配置されていて、まだ高温の状態の排気ガスと熱交換することで高温用改質触媒をより高い活性温度に加熱することができ、ここで、改質反応をさらに実行する。
高温用改質部32から流出する改質ガスは熱交換器62及び64を介してアキュムレータ28に供給され、ライナー部100の改質部130で得た改質ガスと共に蓄積され、気筒への燃料ガスとして用いられる。アキュムレータ28に供給する改質ガスは、その温度が低い方がガス体積が小さくなるのでアキュムレータ28での蓄積効率が高い。よって、アキュムレータ28への改質ガスの流入経路には熱交換器64が設けられている。
熱交換器64には、ラジエータ82に連通された冷却用循環路88に設けられており、上記高温用改質部32からの改質ガスと、ライナー部100の改質部130からの改質ガスの両方が、この冷却用循環路88を流れる改質原料液との熱交換によって冷却される。なお、熱交換器64を通った改質原料液は、液循環ポンプ84を経てラジエータ82に戻り、ラジエータ82で冷却される。
図10に示す構成において、吸気管20には、流入する空気を冷却するためのいわゆるインタークーラと呼ばれる熱交換器60が設けられており、この熱交換器60の冷却液としても改質原料液が採用されている。よって、ラジエータ82から送出され循環経路88を経て熱交換器60を通過した改質原料液は、液循環ポンプ84を経て再びラジエータ82に戻り、ここで冷却される。
上述のように、液循環ポンプ84には、ラジエータ82から送出され、液体加熱部110を循環した改質原料液(循環液)、触媒冷却用循環部144を循環した改質原料液、上記熱交換器60,64を循環した改質原料液等が戻る。ここで液体加熱部110を循環する改質原料液は、その後、蒸発部120で効率的に気化するように、気筒によって加熱することを主たる目的としている。一方、熱交換器60、64、触媒冷却用循環部144では、改質原料液によって対象を冷却することを主たる目的としており、これらを循環した改質原料液は、液体加熱部110を循環する原料液よりも優先してラジエータ82に戻す必要がある。そこで、図10に示すように、液体加熱部110から液循環ポンプ84に向かう流路にはオリフィスなどの圧力損失部86を設け、他の熱交換器64等からの循環液が冷却用循環路88に優先して流れ込めるようにしている。
以上図10を参照して説明したように、排気管40にも改質部400を設けることで、特別な加熱機構を設けることなく、排気熱についてもこれを有効利用して、改質反応を進行させることでき、改質原料から得る改質ガスに含まれる水素、一酸化炭素の純度を高めることができ、内燃機関の熱効率、燃費を飛躍的に上昇させることが可能となる。
また、アキュムレータ28に蓄えられたガスは、次回の始動時、エンジンが冷えている場合の始動用燃料としてガス噴射弁22から供給できる。
また、内燃機関の各部を冷却するための冷却液として、最終的には加熱し、蒸発させ、さらに改質反応を行う改質原料液を採用することで、内燃機関の冷却を効率的に行うことができる。もちろん、気筒10の冷却を、改質原料液の液温上昇、蒸発、吸熱の水蒸気改質反応によって実行することで、ラジエータの負荷を最小限とでき、ラジエータの小型化等を達成することも可能となる。
なお、以上の各実施形態、変形例においては、気筒に供給する燃料として改質ガスのみを例に説明したが、液体燃料噴射弁を吸気ポートや気筒内に設け、要求トルクの増大時など、必要に応じて液体燃料を併用しても良い。例えば、気筒での燃焼の当量比が1.5以下の場合に、液体燃料を併用することで、要求トルクが大きい場合などであっても、十分なトルクを得ることができる。
実施形態1に係る内燃機関の気筒付近の概略構成を示す図である。 改質触媒の活性特性を示す図である。 実施形態2に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 エタノール水溶液の濃度と凍結温度との関係を示す図である。 実施形態3に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 図5のライナー部のより具体的な構成を示す説明図である。 本発明の実施形態の蒸発室の構造例を示す図である。 本発明の実施形態の蒸発室の図7とは別の構造例を示す図である。 本発明の実施形態に係る多気筒の場合における蒸発室の構成例を示す図である。 実施形態3の変形例を示す図である。
符号の説明
10 気筒、14 吸気弁、16 点火プラグ、18 排気弁、20 吸気管、22 ガス噴射弁、30 低温用改質部、32 高温用改質部、40 排気管、50 過給機、60,62,64 熱交換器、70 改質原料タンク、80 供給ポンプ、82 ラジエータ、84 液循環ポンプ、88 冷却用循環路、100 ライナー部、110 液体加熱部、120 蒸発部 122 蒸発室、124,124a,124b,124c 液体噴射弁、126 減圧弁、130 改質部、140 触媒冷却部、142 真空断熱層、144 触媒冷却用循環部、150,152,154,156 蒸発室のフィン、160 障壁、170,172,174,176 (改質原料)蒸気通路、200 シリンダブロック、300 エンジン制御部(エンジンECU)、310 冷却・噴射制御部。

Claims (17)

  1. 改質原料を吸熱反応である水蒸気改質によって生成した改質ガスを用いる内燃機関であって、
    気筒の外側の燃焼室周辺に、改質原料液の蒸発部及び改質原料蒸気の改質部が設けられ、
    前記改質原料の気化熱及び前記水蒸気改質の反応熱を、前記気筒の冷却に用いることを特徴とする内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関において、
    前記気筒の外側の燃焼室周辺には、さらに、前記気筒内の熱との熱交換により前記改質原料液を加熱する液体加熱部が設けられていることを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関において、
    前記気筒の外側の燃焼室周囲には、前記改質原料液を冷却循環液とする循環部が設けられ、該循環液は、内燃機関のラジエータで冷却されることを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    内燃機関のラジエータの冷却循環液として前記改質原料液が用いられていることを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記蒸発部は、前記気筒の外側の燃焼室周辺に形成された蒸発室と、該蒸発室内に前記改質原料を供給する噴射弁とを備え、
    前記噴射弁から前記蒸発室内に供給されて得られた前記改質原料の蒸気は、前記気筒の燃焼室周囲に設けられた前記改質部に供給されることを特徴とする内燃機関。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記蒸発部は、内部が前記改質原料の液圧よりも低い圧力に設定され、前記蒸発部に供給される前記改質原料液が減圧沸騰されることを特徴とする内燃機関。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記気筒の外側には、ライナーの上から順に改質部、蒸発室及び改質原料液の液体加熱部が設けられていることを特徴とする内燃機関。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記気筒の外側には、ライナーの上から順に蒸発部、改質部、液体加熱部が設けられていることを特徴とする内燃機関。
  9. 請求項8に記載の内燃機関において、
    エンジン制御部は、気筒の圧縮上死点付近で、前記蒸発室へ前記改質原料液を供給するように制御することを特徴とする内燃機関。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記改質部には改質触媒が設けられ、
    該改質部付近には改質原料液を冷却液とする改質原料循環部が設けられていることを特徴とする内燃機関。
  11. 請求項10に記載の内燃機関において、
    前記改質原料循環部により、前記改質触媒温度が350℃以下になるように制御されていることを特徴とする内燃機関。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記改質触媒は、触媒成分として銅を含有することを特徴とする内燃機関。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記改質原料液は、30体積%〜96体積%の濃度のエタノールと、水との混合液であることを特徴とする内燃機関。
  14. 請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記気筒での燃焼の当量比は、1.0未満であることを特徴とする内燃機関。
  15. 請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記気筒での燃焼の当量比は、1.5以下の設定であり、
    前記気筒には、筒内直噴燃料噴射弁または、液体燃料ポート噴射弁から液体燃料が供給されることを特徴とする内燃機関。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記改質ガスは、前記気筒内に燃料として供給されることを特徴とする内燃機関。
  17. 請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の内燃機関において、
    前記改質ガスは、排気経路に設けられた排気浄化部に供給され、排気ガスの浄化処理に用いられることを特徴とする内燃機関。
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