JP2008013931A - セメント系構造物の止水方法及びそれに使用する止水構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造物の地山側から内側に侵入してくる漏水を、施工コストを安価に、かつ施工期間も短くできる止水方法及びそれに使用する止水材注入設備を提供する。
【解決手段】構造物Bを構築する型枠の幅方向に跨るように、予め構造物B躯体内に注入管Aを配置しておく。注入管Aは、管体1の一端に逆止弁2を備えている。逆止弁2側の端部が構造物Bの内側に位置し、他端が構造物Bの地山側に開口するよう配置しておく。漏水があったとき、逆止弁2から止水材18を注入し、管体1を通った止水材18は、構造物Bの地山側へ出て、外側に出来た水路を塞ぐ。止水材18として、非水硬性のポリマー樹脂止水材を使用して、一次注入だけでなく、その後の二次注入も可能として、経年に渡る完全に近い止水効果を生む。
【選択図】図1
【解決手段】構造物Bを構築する型枠の幅方向に跨るように、予め構造物B躯体内に注入管Aを配置しておく。注入管Aは、管体1の一端に逆止弁2を備えている。逆止弁2側の端部が構造物Bの内側に位置し、他端が構造物Bの地山側に開口するよう配置しておく。漏水があったとき、逆止弁2から止水材18を注入し、管体1を通った止水材18は、構造物Bの地山側へ出て、外側に出来た水路を塞ぐ。止水材18として、非水硬性のポリマー樹脂止水材を使用して、一次注入だけでなく、その後の二次注入も可能として、経年に渡る完全に近い止水効果を生む。
【選択図】図1
Description
本発明は、コンクリートやモルタルなどのセメント系硬化材料を使用して構築する構造物に関するものであって、特にその構造物の背面側の地山などにて発生し、構造物内側へ漏れ出てくる水を止水する方法及びそれに使用する止水構造に関するものである。
コンクリートやモルタルなどのセメント系硬化材を使用して構築する構造物として、地下室などの地下構造物などがある。これら構造物を構築するには、型枠にコンクリートなどのセメント系の硬化材料を打設するのであるが、一度で型枠の深さ一杯までコンクリートを打設できる場合は少ない。多くの場合は、型枠内に複数回に分けてコンクリートを打設し、先に打設したコンクリートの上にコンクリート重ねて打つ、打ち継ぎという作業を繰り返す。
前記したような地下構造物などでは、切り崩した地山や、盛土した地形などからしみ出てくる、或いは湧出する水の問題がある。特に前記したような構造物に打ち継ぎ部分があると、その部分は上層のコンクリートと下層のコンクリートとの間の密着が十分でなく、隙間となった打ち継ぎ面を伝って、水が構造物内側に漏れ出てくることがあった。
このような水の問題は、前記した打ち継ぎ面だけでなく、経年劣化による構造物のひび割れ、或いは硬化し後のセメント系硬化材そのものの劣化によっても生じることがあり、これらセメント系硬化材によって構築した構造物における長期的な課題でもあった。
従来、このような構造物の漏水を止めるには、構造物の壁面に、内側からドリルや穿孔機を用いて穿孔し、発泡ウレタン系の止水材を注入するのが多く採用されていた。発泡ウレタン系の止水材は、孔を通って構造物のコンクリート壁内に出来た水路を埋めて硬化し、止水するというものであった。このような工事で課題となるのは、その作業の手間である。止水材を構造物の壁の中深く至らせるのは、その作業手間が面倒で、施工に時間とコストを要した。
また、ウレタン系の止水材は一度注入すると、その孔の中でも硬化するため、その孔は再使用できず、止水材の充填が不充分な場合など再注入が必要な場合は、再度ボーリング施工して、注入のための別の孔を穿孔する必要があった。
発泡ウレタン系などの硬化材料を止水材料として使用すると、硬化後収縮する事があり、またバクテリアに拠って分解されてしまうという性質がある。施工範囲の中で止水材料が収縮すると、せっかく施工した打ち継ぎ・ひびわれ等の中に空隙が生じ、この空隙を伝って水が再び内側は流れ漏れてしまうという問題があった。
止水材を繰返し注入可能とする工法として、Vカット工法と呼ばれる工法が存在し、構造物表面のクラックから漏水している箇所をV断面にハツリ、ここに直径が15乃至20mm程度のホースを収めてモルタルで埋め、このネットホースを使って止水材をクラックに注入するものである。このような工法では、構造物の表面にハツリを埋めた部分が表出し、美観の点で問題があった。
解決しようとする課題は、セメント系構造物において、背後の地山などから漏れ出てくる水を、手間がかかる施工によって止水しなければならず、また一度使用した止水用の孔を、繰返して使用して施工できず、更に構造物の美観も損ねていたことである。
特開2000−1998号公報
特開平7−237639号公報
実用新案登録第3119083号公報
本発明は上記の課題を解決するために、その止水方法としては、
端部に逆止弁を備える注入管を、
逆止弁の注入側端部が構造物内側となり、他端部が構造物躯体外側に開口するように架け渡して構造物躯体内に予め配置しておき、
地山側から構造物内側へ漏水があったとき、
前記注入管の逆止弁から、その注入管を通って地山或いは地形側まで止水材料を注入して水路を塞ぎ、
止水するものである。
また、それに使用する止水構造としては、
管体の一端部に逆止弁を備える注入管が、
逆止弁の注入側端が構造物内側に位置し、他端の開口側端が構造物躯体の外側に開口するよう配置してあり、
止水材を逆止弁から注入して、管体を通って構造物外側に注入可能にしたものである。
端部に逆止弁を備える注入管を、
逆止弁の注入側端部が構造物内側となり、他端部が構造物躯体外側に開口するように架け渡して構造物躯体内に予め配置しておき、
地山側から構造物内側へ漏水があったとき、
前記注入管の逆止弁から、その注入管を通って地山或いは地形側まで止水材料を注入して水路を塞ぎ、
止水するものである。
また、それに使用する止水構造としては、
管体の一端部に逆止弁を備える注入管が、
逆止弁の注入側端が構造物内側に位置し、他端の開口側端が構造物躯体の外側に開口するよう配置してあり、
止水材を逆止弁から注入して、管体を通って構造物外側に注入可能にしたものである。
本発明にかかるセメント系構造物の止水方法及びそれに使用する止水構造は、以上説明したような課題を解決し、以下のような効果を得ることができる。
<イ>構造物躯体内に予め注入管を埋め込んでおき、この注入管を使用して止水材料を構造物の地山側或いは地形側に至らせるものであって、止水施工時には穿孔作業が不要となる。従って漏水の止水施工が簡易化され、施工コストが安価になり、施工時間も短くすることができる。
<ロ>構造物が硬化後、どれだけ時間が経過していても、予め構造物内に配置してある注入管のうち、適宜箇所の注入管から止水材の注入作業を行えばよく、時間の経過と関係なく、長期的な止水メンテナンス施工が可能となる。
<ハ>注入管を予め埋めておき、構造物表面には注入管の孔が開口するだけであって、Vカット工法のように構造物表面の美観を損なわず、その美観を維持できる。
<ニ>注入管を、構造物躯体の硬化材料の打ち継ぎ部分近傍に予め位置させておけば、打ち継ぎ面を伝って構造物の内側へ水が漏れてくる部分近傍の水路を塞ぐことができ、より効果的な止水が可能となる。
<ホ>止水材料として、石油樹脂系の水性エマルジョンなどのポリマー系樹脂を使用すれば、水のある孔の中ではこれら止水材料が硬化・収縮せず、管体の中に空隙ができることがない。したがって、止水効果を減ずることがない。
<ヘ>ポリマー系樹脂の止水材料であると、水の中で硬化しないため、再止水施工が必要なときは、既に使用した止水管の逆止弁から再度止水材を注入して水路を塞ぐことができる。従って注入管は何度でも再使用が可能であって、施工コストは著しく低廉化し、施工時間も著しく短くできる。
<イ>構造物躯体内に予め注入管を埋め込んでおき、この注入管を使用して止水材料を構造物の地山側或いは地形側に至らせるものであって、止水施工時には穿孔作業が不要となる。従って漏水の止水施工が簡易化され、施工コストが安価になり、施工時間も短くすることができる。
<ロ>構造物が硬化後、どれだけ時間が経過していても、予め構造物内に配置してある注入管のうち、適宜箇所の注入管から止水材の注入作業を行えばよく、時間の経過と関係なく、長期的な止水メンテナンス施工が可能となる。
<ハ>注入管を予め埋めておき、構造物表面には注入管の孔が開口するだけであって、Vカット工法のように構造物表面の美観を損なわず、その美観を維持できる。
<ニ>注入管を、構造物躯体の硬化材料の打ち継ぎ部分近傍に予め位置させておけば、打ち継ぎ面を伝って構造物の内側へ水が漏れてくる部分近傍の水路を塞ぐことができ、より効果的な止水が可能となる。
<ホ>止水材料として、石油樹脂系の水性エマルジョンなどのポリマー系樹脂を使用すれば、水のある孔の中ではこれら止水材料が硬化・収縮せず、管体の中に空隙ができることがない。したがって、止水効果を減ずることがない。
<ヘ>ポリマー系樹脂の止水材料であると、水の中で硬化しないため、再止水施工が必要なときは、既に使用した止水管の逆止弁から再度止水材を注入して水路を塞ぐことができる。従って注入管は何度でも再使用が可能であって、施工コストは著しく低廉化し、施工時間も著しく短くできる。
以下、図に示す本発明の好適な実施の形態に基づいて、詳細に説明する。
<1>注入管
本発明においては、逆止弁2を一端に備える管体1から成る注入管Aを使用する。管体1としては、ホース或いはパイプ状の部材が広く使用可能であって、その材質として、塩化ビニール、アルミニウム、鋼製など、広く採用可能である。注入管Aは、図2、図3及び図4に示すように、一方側端に逆止弁2を取付けてある。逆止弁2は、一端側外周に雄ネジ4が螺設されたボルト状の形状を成しており、その雄ネジ4側の端面から軸線方向に注入路7が穿設されている。この注入路7は他端近傍にて外周面に貫通しており、その開口部分を覆うように、Oリング3が取付けられている。Oリング3は、外側からの逆流を防ぐための弁として機能している。このような逆止弁2の、そのOリング3側の端部を、管体1の一端に挿入して注入管Aが構成されている。管体1から突出した逆止弁2の雄ネジ4には、裁頭円錐形の樹脂製コーン5が螺合されている。コーン5の反対側端には、外周に雄ネジが螺設されたボルト6が突出している。管体1の他方側端には、管体1内部にゴム系の弾性材料から成る逆止弁20が取付けられている。逆止弁20の先端には、切込吐出口21が切り込まれて、逆止弁2側から流れてくる流体は通し、反対側からは通さない構造となっている。
<1>注入管
本発明においては、逆止弁2を一端に備える管体1から成る注入管Aを使用する。管体1としては、ホース或いはパイプ状の部材が広く使用可能であって、その材質として、塩化ビニール、アルミニウム、鋼製など、広く採用可能である。注入管Aは、図2、図3及び図4に示すように、一方側端に逆止弁2を取付けてある。逆止弁2は、一端側外周に雄ネジ4が螺設されたボルト状の形状を成しており、その雄ネジ4側の端面から軸線方向に注入路7が穿設されている。この注入路7は他端近傍にて外周面に貫通しており、その開口部分を覆うように、Oリング3が取付けられている。Oリング3は、外側からの逆流を防ぐための弁として機能している。このような逆止弁2の、そのOリング3側の端部を、管体1の一端に挿入して注入管Aが構成されている。管体1から突出した逆止弁2の雄ネジ4には、裁頭円錐形の樹脂製コーン5が螺合されている。コーン5の反対側端には、外周に雄ネジが螺設されたボルト6が突出している。管体1の他方側端には、管体1内部にゴム系の弾性材料から成る逆止弁20が取付けられている。逆止弁20の先端には、切込吐出口21が切り込まれて、逆止弁2側から流れてくる流体は通し、反対側からは通さない構造となっている。
<2>型枠組立と注入管の配置
前記した注入管Aを、構造物Bの躯体内に配置して、止水材注入構造を構成する。図5に示すように、注入管Aを、その管体1に取付けた逆止弁2が、構造物Bの内側となる方へ位置させる。他端側は、構造物Bの埋め戻し側、つまりは構造物Bの外側まで至らせる。このとき、管体1の逆止弁20側端が構造物Bの躯体の外側まで至っていることが重要であって、その端部を、堰板11を貫通させて外側に突出させておいてもよい。図において19は鍔状のスペーサーであって、管体1の外周に取付けられ、基礎コンクリート10との間の間隔を保持している。このスペーサー19によって、打ち継ぎ面Cとの間の隙間が確保され、管体1の下にも、後に述べる生コンクリート9が確実に充填できるようになっている。スペーサー19よりも逆止弁2側には、管体1の外周に、柔軟性と粘着性とを有する止水板22が取付けてある。この管体1を、結束線によって、基礎コンクリート10から立ち上がった鉄筋8に結束する。注入管Aの逆止弁20が収納された側の端部は、構造物Bの外側に位置するようにし、その先端は出来るだけ打ち継ぎ面Cに近接するよう下げておく。この後、型枠の堰板11を鉄筋8の左右に配置し、両堰板11に端部を貫通させたセパレータ12によってその間隔を保持固定する。逆止弁2の端部に螺合したコーン5のボルト6も、堰板11を貫通させておく。必要があれば、図4に示すように、構造物Bの内側にて、ワッシャ13とナット14を、ボルト6に螺合して固定しておく。
前記した注入管Aを、構造物Bの躯体内に配置して、止水材注入構造を構成する。図5に示すように、注入管Aを、その管体1に取付けた逆止弁2が、構造物Bの内側となる方へ位置させる。他端側は、構造物Bの埋め戻し側、つまりは構造物Bの外側まで至らせる。このとき、管体1の逆止弁20側端が構造物Bの躯体の外側まで至っていることが重要であって、その端部を、堰板11を貫通させて外側に突出させておいてもよい。図において19は鍔状のスペーサーであって、管体1の外周に取付けられ、基礎コンクリート10との間の間隔を保持している。このスペーサー19によって、打ち継ぎ面Cとの間の隙間が確保され、管体1の下にも、後に述べる生コンクリート9が確実に充填できるようになっている。スペーサー19よりも逆止弁2側には、管体1の外周に、柔軟性と粘着性とを有する止水板22が取付けてある。この管体1を、結束線によって、基礎コンクリート10から立ち上がった鉄筋8に結束する。注入管Aの逆止弁20が収納された側の端部は、構造物Bの外側に位置するようにし、その先端は出来るだけ打ち継ぎ面Cに近接するよう下げておく。この後、型枠の堰板11を鉄筋8の左右に配置し、両堰板11に端部を貫通させたセパレータ12によってその間隔を保持固定する。逆止弁2の端部に螺合したコーン5のボルト6も、堰板11を貫通させておく。必要があれば、図4に示すように、構造物Bの内側にて、ワッシャ13とナット14を、ボルト6に螺合して固定しておく。
<3>コンクリート打設
型枠の左右堰板11の間にコンクリート9を打設する。注入管Aにボルト6を有するコーン5を取付けておけば、コンクリート9の重みがかかっても、堰板11を貫通するボルト6によって注入管Aの位置ズレすることがない。スペーサー19によって、注入管Aの下にもコンクリート9が廻り込み、隙間のないよう充填される。コンクリート9が硬化後、型枠を脱型する。ワッシャ13とナット14を螺合しておいた場合は、これらを外してから脱型する。構造物Bの外側に土砂16を埋め戻す。注入管Aの逆止弁2にコーン5が螺合してある場合は、このコーン5も外し、逆止弁2のみ残置する。必要があれば、コーン5を外した後に、着脱自在の半裁円錐形のコーン栓23を取付けておく。このような作業手順によって、構造物B躯体を貫通した止水構造が構成される。管体1の中間部には止水板22が取付けられているため、管体1の周囲に出来た隙間を伝って流れてきた水は、この止水板22によって塞き止められる。
型枠の左右堰板11の間にコンクリート9を打設する。注入管Aにボルト6を有するコーン5を取付けておけば、コンクリート9の重みがかかっても、堰板11を貫通するボルト6によって注入管Aの位置ズレすることがない。スペーサー19によって、注入管Aの下にもコンクリート9が廻り込み、隙間のないよう充填される。コンクリート9が硬化後、型枠を脱型する。ワッシャ13とナット14を螺合しておいた場合は、これらを外してから脱型する。構造物Bの外側に土砂16を埋め戻す。注入管Aの逆止弁2にコーン5が螺合してある場合は、このコーン5も外し、逆止弁2のみ残置する。必要があれば、コーン5を外した後に、着脱自在の半裁円錐形のコーン栓23を取付けておく。このような作業手順によって、構造物B躯体を貫通した止水構造が構成される。管体1の中間部には止水板22が取付けられているため、管体1の周囲に出来た隙間を伝って流れてきた水は、この止水板22によって塞き止められる。
<4>止水材注入
構造物Bの地形側、つまりは埋め戻した側に湧水等があると、これが基礎コンクリート10とコンクリート9との打ち継ぎ面Cや近くに発生するひびわれを伝って構造物B内側に浸入してくることがある。このとき、図8に示すように逆止弁2に、手押し、若しくは電動のポンプ17を連結する。このポンプ17によって、止水材18を、逆止弁2に送る。逆止弁2のOリング3を押し上げて管体1内に出た止水材18は、管体1の内部を通って逆止弁20を抜け、構造物Bの埋め戻し側、すなわち地形側に到達する。止水材18は下から上に昇るようにして、構造物Bと埋め戻した土砂16との間に構造物B躯体表面に膜を張るよう充填され、漏水の水路となっていた空隙が閉塞されて、漏水を止めることができる。止水材18が下から昇るように充填されるため、管体1の先端を出来るだけ打ち継ぎ面Cに近くしておくことで、より有効な止水効果を得ることができる。図9は、止水の完了図である。この発明で、好適な止水材18として使用するのは、発泡ウレタン系の硬化材料ではなく、非硬化性の石油樹脂系水性エマルジョンなどのポリマー樹脂である。これら樹脂系の止水材であると、水の中では硬化せず、収縮もなく、再び水の通る隙間が生じる可能性もなくなる。止水材18の再注入が必要なときは、再び逆止弁2にポンプ17を連結して、止水材18の再注入を行う。止水材18は硬化していないため、注入管Aをそのまま再使用して再注入が可能である。
構造物Bの地形側、つまりは埋め戻した側に湧水等があると、これが基礎コンクリート10とコンクリート9との打ち継ぎ面Cや近くに発生するひびわれを伝って構造物B内側に浸入してくることがある。このとき、図8に示すように逆止弁2に、手押し、若しくは電動のポンプ17を連結する。このポンプ17によって、止水材18を、逆止弁2に送る。逆止弁2のOリング3を押し上げて管体1内に出た止水材18は、管体1の内部を通って逆止弁20を抜け、構造物Bの埋め戻し側、すなわち地形側に到達する。止水材18は下から上に昇るようにして、構造物Bと埋め戻した土砂16との間に構造物B躯体表面に膜を張るよう充填され、漏水の水路となっていた空隙が閉塞されて、漏水を止めることができる。止水材18が下から昇るように充填されるため、管体1の先端を出来るだけ打ち継ぎ面Cに近くしておくことで、より有効な止水効果を得ることができる。図9は、止水の完了図である。この発明で、好適な止水材18として使用するのは、発泡ウレタン系の硬化材料ではなく、非硬化性の石油樹脂系水性エマルジョンなどのポリマー樹脂である。これら樹脂系の止水材であると、水の中では硬化せず、収縮もなく、再び水の通る隙間が生じる可能性もなくなる。止水材18の再注入が必要なときは、再び逆止弁2にポンプ17を連結して、止水材18の再注入を行う。止水材18は硬化していないため、注入管Aをそのまま再使用して再注入が可能である。
<5>打ち継ぎ部の施工
型枠内に複数回に分けてコンクリート9を打設する場合、先行して打設したコンクリート9aと、その上に打設したコンクリート9bとの間に打ち継ぎ面Cが出来る。図10に示すように、このような部分の近傍にも、予め注入管Aを配しておき、漏水があったときに逆止弁2から止水材18を注入し、前記と同様な注入作業を行う。
型枠内に複数回に分けてコンクリート9を打設する場合、先行して打設したコンクリート9aと、その上に打設したコンクリート9bとの間に打ち継ぎ面Cが出来る。図10に示すように、このような部分の近傍にも、予め注入管Aを配しておき、漏水があったときに逆止弁2から止水材18を注入し、前記と同様な注入作業を行う。
<6>他の用途
以上の実施の形態は、構造物Bの完成後、外側に埋め戻し施工する場合について説明したが、狭隘地区などでの地下構造物の場合のように、コンクリート構造物躯体構築後、その外側の地山からしみ出てくる湧水などを止める工事としても採用可能である。
以上の実施の形態は、構造物Bの完成後、外側に埋め戻し施工する場合について説明したが、狭隘地区などでの地下構造物の場合のように、コンクリート構造物躯体構築後、その外側の地山からしみ出てくる湧水などを止める工事としても採用可能である。
A:注入管
B:構造物
C:打ち継ぎ面
1:管体
2:逆止弁
3:Oリング
4:雄ネジ
5:コーン
6:ボルト
7:注入路
8:鉄筋
9:コンクリート
10:基礎コンクリート
11:堰板
12:セパレータ
13:ワッシャ
14:ナット
16:土砂
17:ポンプ
18:止水材
19:スペーサー
20:逆止弁
21:切込吐出口
22:止水板
23:コーン栓
B:構造物
C:打ち継ぎ面
1:管体
2:逆止弁
3:Oリング
4:雄ネジ
5:コーン
6:ボルト
7:注入路
8:鉄筋
9:コンクリート
10:基礎コンクリート
11:堰板
12:セパレータ
13:ワッシャ
14:ナット
16:土砂
17:ポンプ
18:止水材
19:スペーサー
20:逆止弁
21:切込吐出口
22:止水板
23:コーン栓
Claims (4)
- 端部に逆止弁を備える注入管を、
逆止弁の注入側端部が構造物躯体内側となり、他端部が構造物躯体外側に開口するように架け渡して構造物躯体内に予め配置しておき、
地山側或いは地形側から構造物内側へ漏水があったとき、
前記注入管の逆止弁から、その注入管を通って構造物躯体外側まで止水材を注入して水路を塞ぎ、
止水することを特徴とするセメント系構造物の止水方法。 - 止水材として、非水硬性のポリマー樹脂を使用することを特徴とする請求項1記載のセメント系構造物の止水方法。
- 管体の一端部に逆止弁を備える注入管が、
逆止弁の注入側端が構造物躯体内側に位置し、他端の開口側端が構造物躯体外側に開口するよう配置してあり、
止水材を注入管の逆止弁から注入して、管体を通って構造物外側に注入可能にしたことを特徴とするセメント系構造物の止水構造。 - 注入管は、セメント系硬化材の打ち継ぎ部近傍に配置してあることを特徴とする請求項3記載のセメント系構造物の止水構造。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103205986A (zh) * | 2013-04-16 | 2013-07-17 | 中国十七冶集团有限公司 | 混凝土筏基施工缝处注浆装置及方法 |
JP2020153160A (ja) * | 2019-03-20 | 2020-09-24 | 太平洋セメント株式会社 | 埋設方法 |
-
2006
- 2006-07-03 JP JP2006183554A patent/JP2008013931A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2020153160A (ja) * | 2019-03-20 | 2020-09-24 | 太平洋セメント株式会社 | 埋設方法 |
JP7244318B2 (ja) | 2019-03-20 | 2023-03-22 | 太平洋セメント株式会社 | 埋設方法 |
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