JP2008013606A - ポリウレタン樹脂組成物およびこれを用いた積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基材との密着性が適度に低く、耐熱、耐湿保護膜として好適なポリウレタン樹脂組成物およびその積層体を提供する。
【解決手段】 ポリウレタン樹脂(A)、溶剤(B)を必須成分とし、さらに消泡剤(C)および/またはレベリング剤(D)を含むポリウレタン樹脂組成物において、ポリウレタン樹脂(A)がポリカーボネートセグメントを有するウレタン樹脂であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリウレタン樹脂(A)、溶剤(B)を必須成分とし、さらに消泡剤(C)および/またはレベリング剤(D)を含むポリウレタン樹脂組成物において、ポリウレタン樹脂(A)がポリカーボネートセグメントを有するウレタン樹脂であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし
Description
本発明はポリウレタン樹脂組成物およびこれを用いた積層体に関する。更に詳しくはポリカーボネートセグメントを分子内に有するウレタン樹脂、溶剤を必須成分とし、さらに消泡剤および/またはレベリング剤を含む組成物に関する。本発明のポリウレタン樹脂組成物を基材に塗布、乾燥して形成した樹脂膜は基材から剥離可能であるとともに耐熱性、耐湿性を有しており電子機器デバイスの保護膜、電子機器などのプラスチック面や金属面の保護、傷つき防止等の保護膜に好適である。
ポリウレタン樹脂は一般的にその優れた力学物性、耐磨耗性、耐薬品性、接着性などの特性を有しており、その用途として伸縮性の糸や合成皮革、塗料、コーティング剤、シーリング剤、粘着剤、接着剤等の様々な分野で利用されている。この中で、コーティング剤、接着剤として用いる際、基材との密着性が重要であり、これを向上させるため様々な検討が行われている(例えば特許文献1,2,3)。これに対し、基材との密着性の低下させたポリウレタン樹脂の検討例は多くないのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、特定の構造を有するポリウレタン樹脂、溶剤に、さらに消泡剤および/またはレベリング剤を含むポリウレタン樹脂組成物と、基材に塗布、乾燥して形成した樹脂膜を提供するものである。その積層体は基材との密着性が適度に低く、耐熱、耐湿保護膜として好適である。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、以下の発明に到達した。
ポリウレタン樹脂(A)、溶剤(B)を必須成分とし、さらに消泡剤(C)および/またはレベリング剤(D)を含むポリウレタン樹脂組成物において、ポリウレタン樹脂(A)がポリカーボネートセグメントを有するウレタン樹脂であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物である。
ポリウレタン樹脂(A)、溶剤(B)を必須成分とし、さらに消泡剤(C)および/またはレベリング剤(D)を含むポリウレタン樹脂組成物において、ポリウレタン樹脂(A)がポリカーボネートセグメントを有するウレタン樹脂であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物である。
上記のポリウレタン樹脂組成物を基材に塗布、乾燥して形成したことを特徴とする積層体である。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、基材との密着性が適度に低く、耐熱性、耐湿性を有しており、本発明の樹脂組成物を積層体することで電子機器デバイス、電子機器などのプラスチック面や金属面の保護、傷つき防止等の保護膜として好適に使用できる。
本発明はポリウレタン樹脂(A)、溶剤(B)を必須成分とし、さらに消泡剤(C)および/またはレベリング剤(D)を含むポリウレタン樹脂組成物において、ポリウレタン樹脂(A)がポリカーボネートセグメントを有するポリウレタン樹脂であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物である。ポリカーボネートセグメントを有するポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートジオール、ジイソシアネート化合物および必要に応じてその他の化合物を反応させて得られるウレタン樹脂である。本明細書ではこれを単に「ポリカーボネートウレタン」と表記することがある。分子内にカーボネート結合を導入することにより、ポリオール成分としてエステル結合やエーテル結合のみからなるポリウレタン樹脂に比べて耐熱性や耐湿性に優れたものとなる。
ポリカーボネートジオールとしてはポリメチレンカーボネートジオール、ポリエチレンカーボネートジオール、ポリブチレンカーボネートジオール等の炭素数1〜10のアルキレン基又はシクロアルキレン基を含有するポリアルキレン又はシクロアルキレンカーボネートジオール、ポリフェニレンカーボネートジオール等の炭素数6〜10のアリール基を含有するポリアリーレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
中でもポリ1,4−ブチレンカーボネートジオール、ポリ1,5−ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,6−へキシレンカーボネートジオール、ポリ1,4−シクロヘキシレンカーボネートジオール、ポリ1,4−シクロヘキシレンジメチレンカーボネートジオールあるいは1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、3−メチル、1,5−ペンチレン、1,6−ヘキシレン、1,4−シクロヘキサンジメチレンなど2種以上からなるポリカーボネートジオールなどが好ましい。
なお、カーボネートジオールは単独で使用しても複数で使用しても良い。また上記カーボネートジオールの数平均分子量としては300〜5000が好ましく、さらに好ましいのは500〜3000である。数平均分子量が300未満になると、出来上がったポリウレタンのウレタン基濃度が高くなり、重合の際に一般的に溶媒として用いるメチルエチルケトン、トルエンへの溶解性が悪くなることがある。また、数平均分子量5000を超えるとウレタン基濃度が低くなり、ガラス転移温度が10℃未満になる恐れがある。
カーボネートジオールはポリウレタン樹脂全体を100重量部としたときに、30〜70重量部の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは40〜60重量部である。70部を超えるとガラス転移温度が低くなり、積層体の取り扱いが困難になる恐れがある。また、30部未満であると基材から剥離が困難になる恐れがある。
ポリウレタン樹脂の原料として、ポリカーボネートジオール以外にポリエステルジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールを共重合しても良い。
ジイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアナートが、或いは1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート(オルソ、メタ、パラ)の脂肪族、脂環族ジイソシアナートが挙げられる。これらの中で、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましい。また、必要に応じて上記イソシアネートの併用、三官能以上のポリイソシアネート化合物を併用しても良い。
本発明のポリウレタン樹脂には、必要に応じて一般的に鎖延長剤と呼ばれるジオール化合物等を共重合して良い。共重合される鎖延長剤としては、種々のグリコール、例えば1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、トリシクロデカングリコール等が挙げられる。又はトリメチロールプロパンやトリエタノールアミンの様な低分子量トリオール、ジエチルアミンや4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミン化合物、或いはトリメチロールプロパンを挙げることが出来る。これらの中で溶解性の観点から2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカングリコールが好ましい。
鎖延長剤はポリカーボネートウレタン樹脂100重量部中、0重量部以上40重量部以下が好ましく、更に好ましくは0重量部以上30重量部以下、最も好ましくは5重量部以上20重量部以下である。40重量部を超えると基材との密着性が高くなる恐れがある。
ポリウレタンのウレタン基濃度は樹脂1トン当たり1500当量以上5000当量以下であり、好ましくは2000当量以上4500当量以下であり、最も好ましくは2500当量以上4000当量以下である。1500当量未満の場合、ガラス転移温度が10℃未満になる恐れがある。また、5000当量を超えると溶剤溶解性が低くなる恐れがある。ウレタン基濃度は樹脂組成をNMR等により決定し、その組成から樹脂1トン当たりどれだけの当量数のウレタン基を有しているかを計算で算出することができる。
ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は10℃以上130℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは20℃以上120℃以下、最も好ましくは20℃以上100℃以下である。ガラス転移温度が130℃を超えると、樹脂の凝集力が高くなり、その結果基材塗布時に積層体がカールする恐れがある。また、10℃未満の場合、ハンドリング時にブロッキングする恐れがある。また、還元粘度が0.2dl/g以上3.0dl/g以下であり、好ましくは0.3dl/g以上2.5dl/g以下、更に好ましくは0.4dl/g以上2.0dl/g以下である。0.2dl/g未満の場合、ポリウレタン樹脂の塗膜が脆くなりハンドリングできなくなる恐れがある。また3.0dl/gを超える場合、ポリウレタン樹脂組成物の溶液粘度が高くなり、ハンドリングが困難になる恐れがある。
本発明に用いるポリウレタン樹脂の合成方法は特に限定されないが、例えば以下の様な方法により合成される事が好ましい。すなわち、ポリカーボネートジオール、鎖延長剤を溶剤に溶解して均一にした後、ジイソシアネート成分化合物を追加する。その後、目標の粘度まで補正するためジイソシアネート成分を追加してもよい。
ポリウレタン樹脂を製造するときには、触媒としてオクチル酸第一錫、ジブチル錫ジラウリレート、トリエチルアミン等を用いてもよい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に用いる溶剤(B)としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、2−ブタノン、プロパノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、イソホロン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等、DBE(デュポン社製)などのエステル系溶剤、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリ(プロピレングルコール)モノメチルエーテル、トリ(プロピレングリコール)プロピルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオナート、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテルなどのグリコールエーテルエステル類、ジグライム等のエーテル系溶剤が挙げられる。これらの中でロールコートやグラビアコートなどで塗布する場合は、沸点150℃以下の低沸点溶剤が好ましく、トルエン、2−ブタノン、それらの混合溶剤が特に好ましい。スクリーン印刷、タンポ印刷などで塗布する場合は、沸点が150℃以上の高沸点溶剤が好ましく、シクロヘキサノン、イソホロン、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、DBEおよびこれらの混合物が特に好ましい。これらの溶剤はポリウレタン樹脂(A)100重量部に対して100〜2000重量部であることが好ましく、更に好ましくは150質量部〜1000質量部である。2000重量部を超えるとポリウレタン樹脂組成物の溶液粘度が低くなり基材に塗布することが困難になる恐れがある。また、50質量部未満であると溶液粘度が高くなり基材に塗布することが困難になる恐れがある。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に用いられる消泡剤(C)としては、例えば次のようなものが挙げられる。シリコーン樹脂、シリコーン溶液、シリコーンを含まない特殊破泡剤、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、アルキルビニルエーテル、アクリル系共重合物、破泡性ポリマー、ポリシロキサン、破泡性ポリシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、パラフィン系ミネラルオイルなどの公知のものが挙げられる。これらの中でシリコーン樹脂、シリコーン溶液、アルキルビニルエーテルとアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステル共重合物が好ましい。
これら消泡剤の添加量は、本発明のポリウレタン樹脂組成物中のポリウレタン樹脂100重量部に対し0.001重量部以上が好ましく、更に好ましくは0.01重量部以上、最も好ましくは0.1重量部以上である。上限は好ましくは4.0重量部以下、より好ましくは2.0重量部以下であり、最も好ましくは1.0重量部以下である。0.001重量部未満では効果が得られないことがあり、4.0重量部を越えて配合しても効果が飽和し、経済的でない上、ハジキが出る可能性がある。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に用いられるレベリング剤(C)としてはレベリング剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、アクリル酸、アクリル酸アルキル共重合物、ポリオキシアルキレンモノアルキルまたはアルケニルエーテルのグラフト化共重合物、レシチンなどの公知のものを添加することができる。
レベリング剤としては、前述のレベリング剤の中で、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、アクリル酸、アクリル酸アルキル共重合物、ポリオキシアルキレンモノアルキルまたはアルケニルエーテルのグラフト化共重合物、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが表面平滑性に対する効果が大きく好ましい。
これらレベリング剤の添加量は、本発明のポリウレタン樹脂組成物中のポリウレタン樹脂100重量部に対し好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上である。上限は好ましくは4.0重量部以下、より好ましくは2.0重量部以下である。0.01重量部未満では効果が得られないことがあり、4重量部を越えて配合しても効果が飽和し、経済的でない。消泡剤とレベリング剤は併用することが好ましいが、いずれか1つでも良い。
上記のポリウレタン樹脂組成物を基材に塗布、乾燥することにより本発明の積層体とすることができる。基材としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等の有機樹脂フイルム、ガラス板、金属板などの無機物が挙げられる。これらの中で好ましくは有機樹脂フイルムであり、更に好ましくはポリエステル、ポリアミド、ポリイミドであり、最も好ましくはポリエステルフィルムである。これらの基材は表面処理がされていても良く、ブラスト処理、マット処理、離形処理、易接着処理等が挙げられる。ただし、離形処理は本発明の樹脂組成物を塗布したときに塗布ムラやハジキが起こる可能性が高くなるため行わないほうが好ましい。
また、本発明の積層体の上に電子材料用の各種インキや表面処理剤を塗布、積層して使用してもよい。これにより、良好な透明性と優れた耐熱性、フレキ性を付与することが可能である。
また、ポリウレタン樹脂組成物を積層したとき弾性率が高いとカールを生じ、積層体の取り扱いが困難になる恐れがある。このため乾燥塗膜の弾性率は2500MPa以下が好ましく、より好ましくは2000MPa以下、更に好ましくは1700MPaである。下限は特に規定しないが300MPa以上が好ましい。また、乾燥塗膜の伸度が低いと剥離時にワレや裂けが起こり取り扱いが困難になる恐れがある。このため、伸度は10%以上が好ましく、更に好ましくは20%、最も好ましくは40%以上である。上限に規定しないが1000%以下が好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物には、難燃性を付与するため難燃剤を添加しても良い。難燃剤としては ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、ノンハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤が挙げられ、助剤としてはアンチモン化合物が挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化防止剤などをポリウレタン樹脂組成物に添加してもよい。以上の添加剤の添加時期は製造前、製造中あるいは製造後でもよく、攪拌機、ディゾルバー、ビーズミル、三本ロール等の機器を用いてよく混合することが好ましい。
本発明は積層体において、基材に塗布、乾燥して形成したポリウレタン樹脂組成物層が基材より剥離可能であることを特徴とする積層体である。剥離性を付与するためにはポリウレタン樹脂組成物に含まれるポリウレタン樹脂にポリカーボネートジオールセグメントを含むものが好ましい。また、本積層体は電子機器デバイス、電子機器などのプラスチック面や金属面の保護、傷つき防止等の保護膜として好適に使用できる。
以下実施例により本発明を具体的に例示するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。なお、樹脂物性の測定は以下のような手順で行った。
(還元粘度、ガラス転移温度、力学物性測定用サンプル作成方法)
東洋紡績株式会社製ポリプロピレンフイルム(パイレンOT;50μm厚)上に200μmギャップ、幅130mmのアプリケーターを用いてポリウレタン樹脂組成物(ただし、レベリング剤、消泡剤添加前のもの)を塗布した(塗布面は130mm×200mm)。上記塗布物を厚紙に固定して熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製DH42)を用いて120℃1時間乾燥後、冷却した。その後、ポリプロピレンフイルムから剥離して評価用サンプルを得た。
東洋紡績株式会社製ポリプロピレンフイルム(パイレンOT;50μm厚)上に200μmギャップ、幅130mmのアプリケーターを用いてポリウレタン樹脂組成物(ただし、レベリング剤、消泡剤添加前のもの)を塗布した(塗布面は130mm×200mm)。上記塗布物を厚紙に固定して熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製DH42)を用いて120℃1時間乾燥後、冷却した。その後、ポリプロピレンフイルムから剥離して評価用サンプルを得た。
(還元粘度)
前記の還元粘度サンプル作成方法に基づき作成したものを0.1g精秤して25mlのメスフラスコに入れる。フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶剤を20ml程度入れ加熱して樹脂を溶解する。完全に溶解した後、30℃で25mlの線までフェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶剤を追加する。均一に混合してウーベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
前記の還元粘度サンプル作成方法に基づき作成したものを0.1g精秤して25mlのメスフラスコに入れる。フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶剤を20ml程度入れ加熱して樹脂を溶解する。完全に溶解した後、30℃で25mlの線までフェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶剤を追加する。均一に混合してウーベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
(ガラス転移温度)
アイ・ティー計測制御株式会社製DVA−220を用い保存弾性率(E’)の屈折点において、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と屈折点以上における最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。測定は前記のガラス転移温度測定サンプル作成法に基づき作成したものから25×4mmの大きさに刃物で切り出し、チャック間距離15mmに設定して測定冶具に取り付けた。測定条件は周波数10Hz、昇温速度4℃/分で実施した。
アイ・ティー計測制御株式会社製DVA−220を用い保存弾性率(E’)の屈折点において、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と屈折点以上における最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。測定は前記のガラス転移温度測定サンプル作成法に基づき作成したものから25×4mmの大きさに刃物で切り出し、チャック間距離15mmに設定して測定冶具に取り付けた。測定条件は周波数10Hz、昇温速度4℃/分で実施した。
(力学物性)
力学物性測定用サンプル作成方法に基づいて作成したサンプルからサンプルサイズ10mm×80mmのものを切り出し、引張り試験機(オリエンテック製RTM−100)のサンプル固定チャックに上下20mmずつ挟み固定し、チャック間距離40mm、引張り速度20mm/分、温度25℃60RH%の条件で測定し、S−S曲線より、弾性率、伸度を5回測定して平均した。
力学物性測定用サンプル作成方法に基づいて作成したサンプルからサンプルサイズ10mm×80mmのものを切り出し、引張り試験機(オリエンテック製RTM−100)のサンプル固定チャックに上下20mmずつ挟み固定し、チャック間距離40mm、引張り速度20mm/分、温度25℃60RH%の条件で測定し、S−S曲線より、弾性率、伸度を5回測定して平均した。
(ウレタン基濃度)
ウレタン基濃度は以下の式により算出する
ウレタン基濃度(eq/t) = (W ÷ (X÷Y)) ÷ Z × 106
W:ポリウレタン樹脂を構成するイソシアネートの重量
X:イソシアネートの分子量
Y:イソシアネートの1分子当たりのイソシアネート数
Z:ポリウレタン樹脂を構成する原料のトータル重量
ウレタン基濃度は以下の式により算出する
ウレタン基濃度(eq/t) = (W ÷ (X÷Y)) ÷ Z × 106
W:ポリウレタン樹脂を構成するイソシアネートの重量
X:イソシアネートの分子量
Y:イソシアネートの1分子当たりのイソシアネート数
Z:ポリウレタン樹脂を構成する原料のトータル重量
(カール評価方法)
東洋紡績株式会社製ポリエステルフィルムE5001(両面未処理品;100μm厚)上に幅130mmのアプリケーターを用いてポリウレタン樹脂組成物を塗布した(塗布面は130mm×200mm)。アプリケーターのギャップは乾燥膜厚が50μmになるように調整した。上記塗布物を厚紙に固定して熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製DH42)を用いて120℃1時間乾燥させ剥離評価用サンプルを得た。本サンプルから100mm×100mmを切り出し25℃65%雰囲気下に24時間放置した後、カール量を目視で確認、3段階で評価した。
1:カールなし 2.カール僅かにあり 3.カール有り。
東洋紡績株式会社製ポリエステルフィルムE5001(両面未処理品;100μm厚)上に幅130mmのアプリケーターを用いてポリウレタン樹脂組成物を塗布した(塗布面は130mm×200mm)。アプリケーターのギャップは乾燥膜厚が50μmになるように調整した。上記塗布物を厚紙に固定して熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製DH42)を用いて120℃1時間乾燥させ剥離評価用サンプルを得た。本サンプルから100mm×100mmを切り出し25℃65%雰囲気下に24時間放置した後、カール量を目視で確認、3段階で評価した。
1:カールなし 2.カール僅かにあり 3.カール有り。
(剥離評価方法)
東洋紡績株式会社製ポリエステルフィルムE5001(両面未処理品;100μm厚)上に幅130mmのアプリケーターを用いてポリウレタン樹脂組成物を塗布した(塗布面は130mm×200mm)。アプリケーターのギャップは乾燥膜厚が50μmになるように調整した。上記塗布物を厚紙に固定して熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製DH42)を用いて120℃1時間乾燥させ剥離評価用サンプルを得た。本サンプルから100mm×180mmを切り出し25℃65%に24時間放置後、樹脂膜をポリエステルフィルムから手で剥離した。剥離評価は剥離の可能、または剥離不可(ポリエステルフイルムの材料破壊)の2段階で評価した。
東洋紡績株式会社製ポリエステルフィルムE5001(両面未処理品;100μm厚)上に幅130mmのアプリケーターを用いてポリウレタン樹脂組成物を塗布した(塗布面は130mm×200mm)。アプリケーターのギャップは乾燥膜厚が50μmになるように調整した。上記塗布物を厚紙に固定して熱風乾燥機(ヤマト科学株式会社製DH42)を用いて120℃1時間乾燥させ剥離評価用サンプルを得た。本サンプルから100mm×180mmを切り出し25℃65%に24時間放置後、樹脂膜をポリエステルフィルムから手で剥離した。剥離評価は剥離の可能、または剥離不可(ポリエステルフイルムの材料破壊)の2段階で評価した。
(実施例1)
ポリウレタン樹脂組成物(A)の合成
1Lの4つ口フラスコにUH50(宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール)100部、鎖延長剤としてTCD−DM(三菱化学株式会社製トリシクロデカングリコール)30部をトルエン65部、2−ブタノン65部を入れ、マントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート)を80部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで80℃に昇温して4時間反応した。途中、ミリオネートMTを6部追加して粘度補正を行い、続けて80℃で3時間反応を行った。2−ブタノン288部を加え30℃に冷却後、消泡剤としてKS66(信越化学工業株式会社製)0.05部、レベリング剤としてMKコンク(共栄社化学製)0.8部を添加することによりポリウレタン樹脂組成物(A)を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
ポリウレタン樹脂組成物(A)の合成
1Lの4つ口フラスコにUH50(宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール)100部、鎖延長剤としてTCD−DM(三菱化学株式会社製トリシクロデカングリコール)30部をトルエン65部、2−ブタノン65部を入れ、マントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート)を80部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで80℃に昇温して4時間反応した。途中、ミリオネートMTを6部追加して粘度補正を行い、続けて80℃で3時間反応を行った。2−ブタノン288部を加え30℃に冷却後、消泡剤としてKS66(信越化学工業株式会社製)0.05部、レベリング剤としてMKコンク(共栄社化学製)0.8部を添加することによりポリウレタン樹脂組成物(A)を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
(実施例2)
ポリウレタン樹脂組成物(B)の合成
1Lの4つ口フラスコにUM90(1/1)(宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール)100部、鎖延長剤としてBEPG(協和発酵工業株式会社製2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール)30部、2−ブタノン204部を入れマントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート)を74部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで75℃に昇温して4時間反応した。2−ブタノン272部を加え30℃に冷却後、消泡剤としてKS66(信越化学工業株式会社製)0.3部添加することによりポリウレタン樹脂組成物(B)を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
ポリウレタン樹脂組成物(B)の合成
1Lの4つ口フラスコにUM90(1/1)(宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール)100部、鎖延長剤としてBEPG(協和発酵工業株式会社製2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール)30部、2−ブタノン204部を入れマントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート)を74部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで75℃に昇温して4時間反応した。2−ブタノン272部を加え30℃に冷却後、消泡剤としてKS66(信越化学工業株式会社製)0.3部添加することによりポリウレタン樹脂組成物(B)を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
(実施例3)
ポリウレタン樹脂組成物(C)の合成
1Lの4つ口フラスコにUM90(1/1)(宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール)100部、鎖延長剤としてBEPG(協和発酵工業株式会社製2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール)30部、2−ブタノン188部を入れマントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器(温度調整器につながっており、マントルヒーターの加熱を制御)、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。タケネート600(三井武田ケミカル株式会社製、水素化キシリレンジイソシアネート)を58部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで75℃に昇温して4時間反応した。2−ブタノン250部を加え30℃に冷却後、レベリング剤としてMKコンク(共栄社化学製)1.0部を添加することによりポリウレタン樹脂組成物(C)を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
ポリウレタン樹脂組成物(C)の合成
1Lの4つ口フラスコにUM90(1/1)(宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール)100部、鎖延長剤としてBEPG(協和発酵工業株式会社製2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール)30部、2−ブタノン188部を入れマントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器(温度調整器につながっており、マントルヒーターの加熱を制御)、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。タケネート600(三井武田ケミカル株式会社製、水素化キシリレンジイソシアネート)を58部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで75℃に昇温して4時間反応した。2−ブタノン250部を加え30℃に冷却後、レベリング剤としてMKコンク(共栄社化学製)1.0部を添加することによりポリウレタン樹脂組成物(C)を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
実施例1〜3のポリウレタン樹脂組成物をポリエステルフィルムに塗布乾燥したところ、カールはなく良好であった。また、塗布したポリウレタン樹脂被膜を手でゆるやかに剥離したところ、適度な軽さで剥離できた。また、これらのポリウレタン樹脂組成物を2−ブタノンで粘度が0.1〜2dPa・sになるように希釈し、グラビアコートを用いて塗布したところ、発泡、ピンホールなどは無く、良好は塗工性であった。さらに、適度の接着性を有しており、巻き取り、断裁などの工程で剥離することはなく、良好なハンドリング性であった。結果を表2に示す。
(比較例1)
ポリウレタン樹脂組成物(D)の合成
1Lの4つ口フラスコにバイロン220(東洋紡績株式会社製ポリエステルジオール)100部、鎖延長剤としてネオペンチルグリコール(三菱ガス化学製)7部、トルエン67部、2−ブタノン67部を入れマントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート)を26部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで80℃に昇温して4時間反応した。トルエン89部、2−ブタノン89部を加え30℃に冷却後、レベリング剤としてMKコンク(共栄社化学製)1.0部を添加することによりポリウレタン樹脂組成物を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
ポリウレタン樹脂組成物(D)の合成
1Lの4つ口フラスコにバイロン220(東洋紡績株式会社製ポリエステルジオール)100部、鎖延長剤としてネオペンチルグリコール(三菱ガス化学製)7部、トルエン67部、2−ブタノン67部を入れマントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート)を26部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで80℃に昇温して4時間反応した。トルエン89部、2−ブタノン89部を加え30℃に冷却後、レベリング剤としてMKコンク(共栄社化学製)1.0部を添加することによりポリウレタン樹脂組成物を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
(比較例2)
ポリウレタン樹脂組成物(E)の合成
1Lの4つ口フラスコにプラクセル205(ダイセル化学工業株式会社製ポリカプロラクトンジオール)100部、鎖延長剤としてBEPG(協和発酵工業株式会社製2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール)30部、2−ブタノン238部を入れマントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器(温度調整器につながっており、マントルヒーターの加熱を制御)、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート)を108部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで80℃に昇温して4時間反応した。トルエン89部、2−ブタノン317部を加え30℃に冷却後、消泡剤としてKS66(信越化学工業株式会社製)0.3部することによりポリウレタン樹脂組成物を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
ポリウレタン樹脂組成物(E)の合成
1Lの4つ口フラスコにプラクセル205(ダイセル化学工業株式会社製ポリカプロラクトンジオール)100部、鎖延長剤としてBEPG(協和発酵工業株式会社製2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール)30部、2−ブタノン238部を入れマントルヒーターにセットした。攪拌シールをつけた攪拌棒、還流冷却器、温度検出器(温度調整器につながっており、マントルヒーターの加熱を制御)、玉栓をフラスコにセットして40℃で30分攪拌して溶解した。ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート)を108部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を添加した。反応熱による温度上昇が落ち着いたところで80℃に昇温して4時間反応した。トルエン89部、2−ブタノン317部を加え30℃に冷却後、消泡剤としてKS66(信越化学工業株式会社製)0.3部することによりポリウレタン樹脂組成物を得た。得られた樹脂の特性を表1に示した。
(比較例3)
バイロン20SS(東洋紡績株式会社製ポリエステル樹脂溶液)100部に消泡剤としてKS66(信越化学工業株式会社製)0.02部、レベリング剤としてMKコンク(共栄社化学製)0.1部して評価を行った。
バイロン20SS(東洋紡績株式会社製ポリエステル樹脂溶液)100部に消泡剤としてKS66(信越化学工業株式会社製)0.02部、レベリング剤としてMKコンク(共栄社化学製)0.1部して評価を行った。
(比較例4)
実施例1と同様にポリウレタン樹脂を重合し、消泡剤、レベリング剤を配合することなくそのまま用いた。
実施例1と同様にポリウレタン樹脂を重合し、消泡剤、レベリング剤を配合することなくそのまま用いた。
比較例1の芳香族ポリエステルウレタン、比較例2の脂肪族ポリエスエルウレタン、比較例3ポリエステルをポリエステルフィルムに塗布乾燥したところ、いずれも、カールが発生し好ましくなかった。また、塗布したこれらの樹脂被膜を手剥離しようとしたが、密着性が良好でポリエステルフィルムが材料破壊し剥離不可で、本発明の目的には不適合であった。
比較例4の樹脂組成物はカール、剥離性は良好であったが、実施例と同様にグラビアコートしたところ、表面平滑性が悪く、一部にピンホールが発生し、塗工性が悪かった。
以上のように、本発明のポリウレタン樹脂組成物を基材に塗布、乾燥して形成した樹脂膜は基材から剥離可能であるとともに樹脂膜の力学物性に優れ、カールが少なくいため、電子機器デバイスの保護膜、電子機器などのプラスチック面や金属面の保護、傷つき防止等の保護膜に好適である。
Claims (4)
- ポリウレタン樹脂(A)、溶剤(B)を必須成分とし、さらに消泡剤(C)および/またはレベリング剤(D)を含むポリウレタン樹脂組成物において、ポリウレタン樹脂(A)がポリカーボネートセグメントを有するウレタン樹脂であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。
- ポリウレタン樹脂(A)のガラス転移温度が10℃以上130℃以下であり、還元粘度が0.2dl/g以上3.0dl/g以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載のポリウレタン樹脂組成物を基材に塗布、乾燥して形成したことを特徴とする積層体。
- 請求項3に記載の積層体において、基材に塗布、乾燥して形成したポリウレタン樹脂組成物層が基材より剥離可能であることを特徴とする積層体。
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JP2006183650A JP2008013606A (ja) | 2006-07-03 | 2006-07-03 | ポリウレタン樹脂組成物およびこれを用いた積層体 |
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WO2010001750A1 (ja) * | 2008-07-03 | 2010-01-07 | 東洋紡績株式会社 | 光学用易接着性ポリエステルフィルム |
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2006
- 2006-07-03 JP JP2006183650A patent/JP2008013606A/ja not_active Withdrawn
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