JP2008013582A - 排便促進剤 - Google Patents
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- UAEPNZWRGJTJPN-UHFFFAOYSA-N CC1CCCCC1 Chemical compound CC1CCCCC1 UAEPNZWRGJTJPN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Abstract
【課題】 便秘症の治療において、下痢を起こすことなく穏やかかつ強力に排便を促進する排便促進剤の提供。
【解決手段】 アデノシンA2受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる排便促進剤、アデノシンA2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる排便促進剤、これらの排便促進剤の製造を目的としたアデノシンA2受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩、あるいはアデノシンA2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩の使用、並びに便秘症の治療剤、予防剤または改善剤の製造を目的としたアデノシンA2b受容体アンタゴニストの使用。
【選択図】 なし
【解決手段】 アデノシンA2受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる排便促進剤、アデノシンA2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる排便促進剤、これらの排便促進剤の製造を目的としたアデノシンA2受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩、あるいはアデノシンA2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩の使用、並びに便秘症の治療剤、予防剤または改善剤の製造を目的としたアデノシンA2b受容体アンタゴニストの使用。
【選択図】 なし
Description
本発明は、排便を促進する新規排便促進剤に関する。
便秘(便秘症)は、便の排出が困難または稀な状態をいい、従来からよく知られた疾患である。主な便秘症として、例えば機能性便秘症(急性便秘症や各種慢性便秘症(例えば弛緩性便秘症、攣縮性便秘症、排便困難症、直腸性便秘症、薬物誘発性便秘症等))、器質性便秘症、腸管麻痺性イレウス、IBS、IBSに伴う便秘症、先天性消化管機能異常に伴う便秘症、腸閉塞に伴う便秘症等が知られている。正常な状態での排便は、直腸内に移送された腸内容による直腸粘膜への刺激が中枢へ伝えられ、便意を催すとともに、反射的に腸・筋の弛緩・収縮(排便反射)が起きることによって起きるが、便秘症は、下部消化管に生じる自律神経機能障害、腸管における水分の過吸収、腸粘液の分泌低下、運動障害、消化器心身症(例えば過敏性腸症候群=Irritable bowel syndrome:IBS)、排便反射機能の低下等によって、前記排便機能が損なわれるために発症する。これらの障害の多くは、食習慣、生活様式、肉体的活動、心因的背景(精神的ストレス、情緒的不安定等)が原因とされている。最近、その便秘症が、介護の現場や臨床医療の現場で大きな問題になっている。要因の一つに、近年の社会の急激な高齢化と要介護高齢者の増加がある。自律神経機能障害による便秘症(例えば弛緩性便秘症)の患者が急増しているのである。もう一つの要因として、消化管運動機能の低下を招き易い疾患の増加もあげられる。中でも糖尿病は重篤な疾患の一つで、合併症として便秘症患者の急増が問題になっている。これは症候性便秘とよばれ、甲状腺機能低下症、強皮症、脳血管障害、うつ病、脊髄障害、電解質異常、尿毒症、肺毒症、肺気腫、各種神経疾患等でも見られる。他に、若年者層で多く見られるIBSに伴う攣縮性便秘症患者、ガン患者へのモルヒネ使用によって誘発される薬剤誘発性便秘症患者等、実に多くの報告がなされている。
従来から、便秘症の主な治療法は下剤や浣腸剤の処方である。しかし、これらの薬剤は服用に伴って下痢を起こし易く、患者や介護者に身体的・精神的な苦痛を与えており、また、通常、作用発現までに長時間を要し、その作用持続時間も長い。浣腸剤の濫用がさらに便意の消失を招くことも問題化している。また、患者が高血圧であったり、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の危険性を有する場合、それらの危険を回避するには下剤を使用せざるをえないという実情もある。このような事情から、下痢を生ずることなく穏やかに排便を促す薬剤があれば、多くの患者と介護者に極めて有用・有益であると期待することができ、その提供が切望されている。しかしながら、これらの点を満足させる医薬は未だ見出されていない。
一方、下痢を生じない排便促進剤に関して、特許文献1および非特許文献1に、「アデノシンA1受容体を選択的に拮抗阻害するキサンチン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする便通異常の治療剤」に関する報告がある。
アデノシンは、生体内のエネルギーレベルやcAMPレベルの調節、カリウム・チャネルの開閉、カルシウムイオンの細胞内流入等、多くの細胞内代謝に関与する重要な調節因子であるが、その生理活性の発現に際しては細胞表面のアデノシンン受容体との相互作用が欠かせない。現在までに4種の受容体サブタイプ(A1、A2a、A2b、A3)が同定されている。生体内の組織における発現分布がサブタイプ間で異なり、A1受容体は心臓、大動脈、膀胱等に相対的に多いが空腸や近位大腸にはほとんど見られず、A2a受容体は眼球、骨格筋等に、A2b受容体は近位大腸、眼球、肺等に、A3受容体は脾臓、子宮、前立腺等に相対的に多く分布している(非特許文献2)。アデノシンは、血小板凝集、心拍、平滑筋緊張、炎症、神経伝達物質の放出、神経伝達、ホルモンの放出、細胞分化、細胞成長、細胞死、DNA生合成等様々な生理的機能に関与しており、中枢神経疾患、心血管疾患、炎症性疾患、呼吸器疾患、免疫疾患等への関連が示唆されることから、これらの疾患に対するアデノシン受容体のアゴニスト/アンタゴニストの有用性が期待されている。一方、アデノシン受容体と腸管との関連については、前記特許文献1の他、例えば以下1)〜5)に示す報告がある。
1)アデノシン誘導体またはその薬理学上許容される塩を有効成分として含有する腸運動の異常亢進治療剤(特許文献2);
2)アデノシンA1受容体に選択的なアンタゴニストは、腸管に分布する神経終末におけるアセチルコリンの遊離を介して腸管の運動を高めることにより排便促進作用を示す(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5);
3)アデノシンA2受容体に選択的なアンタゴニストには排便促進作用はなかった(非特許文献1、非特許文献6);
4)Carbachol刺激により収縮したラット遠位結腸縦走筋にアデノシンアゴニストであるNECAおよびCPAを0.1〜30μM添加することにより弛緩が観察され、また、この作用はCPAに比してNECAにおいて強く現れ、さらに、アデノシンアンタゴニストである1μMのDPCPXによって拮抗された。DPCPXによる拮抗作用のpA2値(NECA; 6.15〜6.66、CPA; 6.45〜6.55)より、この弛緩作用はA2受容体を介することが示唆され、また、この作用は10μMのCGS21680によっては拮抗されなかった(非特許文献7);
5)電気刺激により収縮したモルモット遠位結腸縦走筋にアデノシンA1/A2アゴニストであるNECAまたはA1アゴニストであるCPAの添加により弛緩が観察され、A2aアゴニストであるCGS21680の作用は極めて弱かった。さらに、NECAによる弛緩作用は、A1アンタゴニストであるDPCPXおよびA1/A2アンタゴニストである8-PTにより拮抗され、その両者の拮抗作用のpA2値とその比(DPCPX;8.8、8-PT; 6.5)により、この弛緩作用はA1受容体を介することが示唆された。さらに、アセチルコリンによるモルモット結腸縦走筋の収縮作用に対しては、電気刺激による収縮を弛緩させるに充分な濃度(100nM)のNECA、CPAが弛緩作用を示さなかった。以上のことから、この電気刺激によるモルモット遠位結腸縦走筋の収縮に対するアデノシンの弛緩作用を媒介するA1受容体は、神経終末の前シナプスにあって、アセチルコリンの遊離を抑制に関与するものであることが示唆された。テトロドトキシン存在下でのKCl刺激によるモルモット遠位結腸縦走筋の収縮作用に対しては、NECAが弛緩作用(EC50; 10.4μM)を示す一方、1μMのCGS21680は作用を示さず、CPAは高濃度(EC50; 12.6μM)で作用を示した。さらに、A1受容体を選択的に阻害するに充分な濃度(10nM)のDPCPXが拮抗作用を示さなかったことから、この弛緩作用はA1受容体を介するものではないことが示された。さらに、そのNECAおよびCPAの弛緩作用をA2b受容体を阻害するに充分な濃度(1μM)のDPCPXが阻害し、その各々に対するpA2値(NECA; 6.6、CPA; 7.0)と、NECAの作用を10μMの8-PTが阻害した際のpA2値(5.7)のDPCPXの場合(6.6)との比較から、この阻害作用はA2b受容体を介することが示された。以上を総合すると、このテトロドトキシン存在下でのKCl刺激によるモルモット遠位結腸縦走筋の収縮に対するアデノシンの弛緩作用は縦走筋自体に存在するA2b受容体を介するものであることが示された。これらの実験結果から、モルモット遠位結腸縦走筋において、アデノシンは腸管神経の前シナプスにあるA1受容体と後シナプスにあるA2b受容体という2つの異なる受容体を介して弛緩作用を示すことが示唆された(非特許文献8)。
2)アデノシンA1受容体に選択的なアンタゴニストは、腸管に分布する神経終末におけるアセチルコリンの遊離を介して腸管の運動を高めることにより排便促進作用を示す(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5);
3)アデノシンA2受容体に選択的なアンタゴニストには排便促進作用はなかった(非特許文献1、非特許文献6);
4)Carbachol刺激により収縮したラット遠位結腸縦走筋にアデノシンアゴニストであるNECAおよびCPAを0.1〜30μM添加することにより弛緩が観察され、また、この作用はCPAに比してNECAにおいて強く現れ、さらに、アデノシンアンタゴニストである1μMのDPCPXによって拮抗された。DPCPXによる拮抗作用のpA2値(NECA; 6.15〜6.66、CPA; 6.45〜6.55)より、この弛緩作用はA2受容体を介することが示唆され、また、この作用は10μMのCGS21680によっては拮抗されなかった(非特許文献7);
5)電気刺激により収縮したモルモット遠位結腸縦走筋にアデノシンA1/A2アゴニストであるNECAまたはA1アゴニストであるCPAの添加により弛緩が観察され、A2aアゴニストであるCGS21680の作用は極めて弱かった。さらに、NECAによる弛緩作用は、A1アンタゴニストであるDPCPXおよびA1/A2アンタゴニストである8-PTにより拮抗され、その両者の拮抗作用のpA2値とその比(DPCPX;8.8、8-PT; 6.5)により、この弛緩作用はA1受容体を介することが示唆された。さらに、アセチルコリンによるモルモット結腸縦走筋の収縮作用に対しては、電気刺激による収縮を弛緩させるに充分な濃度(100nM)のNECA、CPAが弛緩作用を示さなかった。以上のことから、この電気刺激によるモルモット遠位結腸縦走筋の収縮に対するアデノシンの弛緩作用を媒介するA1受容体は、神経終末の前シナプスにあって、アセチルコリンの遊離を抑制に関与するものであることが示唆された。テトロドトキシン存在下でのKCl刺激によるモルモット遠位結腸縦走筋の収縮作用に対しては、NECAが弛緩作用(EC50; 10.4μM)を示す一方、1μMのCGS21680は作用を示さず、CPAは高濃度(EC50; 12.6μM)で作用を示した。さらに、A1受容体を選択的に阻害するに充分な濃度(10nM)のDPCPXが拮抗作用を示さなかったことから、この弛緩作用はA1受容体を介するものではないことが示された。さらに、そのNECAおよびCPAの弛緩作用をA2b受容体を阻害するに充分な濃度(1μM)のDPCPXが阻害し、その各々に対するpA2値(NECA; 6.6、CPA; 7.0)と、NECAの作用を10μMの8-PTが阻害した際のpA2値(5.7)のDPCPXの場合(6.6)との比較から、この阻害作用はA2b受容体を介することが示された。以上を総合すると、このテトロドトキシン存在下でのKCl刺激によるモルモット遠位結腸縦走筋の収縮に対するアデノシンの弛緩作用は縦走筋自体に存在するA2b受容体を介するものであることが示された。これらの実験結果から、モルモット遠位結腸縦走筋において、アデノシンは腸管神経の前シナプスにあるA1受容体と後シナプスにあるA2b受容体という2つの異なる受容体を介して弛緩作用を示すことが示唆された(非特許文献8)。
下痢を生じない排便促進剤として前記特許文献1に記載されているキサンチン誘導体については、cholinergic nerveを介してアデノシンA1受容体拮抗作用に基づく排便促進作用を示すとの報告がある(非特許文献3)。従って、消化管への直接的な作用を介してより強力に排便促進作用を発揮させることができれば、臨床上の意義が極めて大きいと考えられる。しかしながら、当該キサンチン誘導体は、アデノシンA1受容体拮抗作用に基く利尿作用を示すため(特許文献3)、排便促進剤としての使用は大きく制限されざるをえない。腎疾患を併有する患者や要介護高齢者への使用を想定すると、利尿作用と排便促進作用のバランスをより排便促進作用側に傾けることが望ましいからである。
以上のことから、便秘症の治療において、下痢を起こすことなく穏やかかつ強力に排便を促進する医薬は、患者と介護者に極めて有益であると期待することができる。すなわち、本発明の目的は、このような医薬を探索し見出すことにある。
本発明者らは、上記事情に鑑みて鋭意検討を重ね、ヒトおよびラットにおいて、アデノシン受容体の腸管における分布についてはA2受容体のサブタイプに属するA2b受容体が特に結腸に豊富に存在しているとの報告(Mol. Endocrinol., 6, 384 (1992)、Mol. Pharmacol., 47, 1126 (1995)、Br. J. Pharmacol., 118, 1461 (1996))に基づいて、以下の如き新しいコンセプト(I)および(II)をうち立てた。
(I)結腸におけるアデノシン受容体の分布の違いが結腸の機能に関係する、すなわち、A2受容体、特にA2b受容体が結腸の機能調節に密接に関与している。
(II)便につながる結腸の運動に、アデノシンのA2受容体拮抗作用、特にA2b受容体拮抗作用を有する化合物が前記キサンチン誘導体(A1アンタゴニスト)とは異なるメカニズムで結腸運動の調節作用をもたらす。
(II)便につながる結腸の運動に、アデノシンのA2受容体拮抗作用、特にA2b受容体拮抗作用を有する化合物が前記キサンチン誘導体(A1アンタゴニスト)とは異なるメカニズムで結腸運動の調節作用をもたらす。
そして、本発明者らは、さらに精力的に研究を重ねた結果、A2受容体拮抗作用を有する化合物、とりわけA2b受容体拮抗作用を有する化合物が、下痢を起こすことなく穏やかかつ強力な排便促進作用を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(1)アデノシンA2受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる排便促進剤、(2)アデノシンA2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる排便促進剤、(3)排便が困難および/または稀である症状を治療、予防または改善するための前記(1)または(2)に記載の排便促進剤、(4)便秘症の治療剤、予防剤または改善剤である前記(1)または(2)に記載の排便促進剤、(5)機能性便秘症の治療剤、予防剤または改善剤である前記(1)または(2)に記載の排便促進剤、(6)機能性便秘症が攣縮性便秘症または弛緩性便秘症である前記(5)記載の排便促進剤、(7)過敏性腸症候群またはこれに伴う便秘症の治療剤、予防剤または改善剤である前記(1)または(2)に記載の排便促進剤、(8)器質性便秘症、腸管麻痺性イレウスに伴う便秘症、先天性消化管機能異常に伴う便秘症または腸閉塞に伴う便秘症の治療剤、予防剤または改善剤である前記(1)または(2)に記載の排便促進剤、(9)消化管検査時または手術前後における腸管内容物排除のための前記(1)または(2)に記載の排便促進剤、(10)化合物が2−アミノ−4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)ピリミジン、3−n−プロピルキサンチン、テオフィリン、カフェイン、1,3−ジプロピルキサンチン、エンプロフィリン、1−メチル−3−イソブチルキサンチン、パラキサンチン、8−フェニルテオフィリン、1,3−ジエチル−8−フェニルキサンチン、8−[4−[[[[(2−アミノエチル)アミノ]カルボニル]メチル]オキシ]フェニル]−1,3−ジプロピルキサンチン、8−[4−[[[メチル−(2−ジメチルアミノエチル)−アミノ]スルホニル]フェニル]−1,3−ジプロピルキサンチン、1,3−ジメチル−8−(p−スルホフェニル)キサンチンおよび1,3−ジプロピル−8−(p−スルホフェニル)キサンチンから選ばれる1または2以上の化合物である前記(1)または(2)に記載の排便促進剤、(11)排便促進剤の製造を目的としたアデノシンA2受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩の使用、(12)排便促進剤の製造を目的としたアデノシンA2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩の使用、(13)便秘症の治療剤、予防剤または改善剤の製造を目的としたアデノシンA2b受容体アンタゴニストの使用、である。
また本発明は、排便促進剤の製造を目的とした式(I)または式(II)で表される化合物またはその塩の使用、便秘症の治療剤、予防剤または改善剤の製造を目的とした式(I)または式(II)で表される化合物またはその塩の使用である。
〔式中、Aはハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる1または2個の基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、ピリジル基、チエニル基またはフリル基を示す;
Bはハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基およびアミノ基から選ばれる1以上の基で置換されていてもよいピリジル基を示す;
R1は水素原子、モルホリニル基または式 −NR1aR1b〔式中、R1aおよびR1bは同一または相異なって水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アシル基、フェニル基またはC1−6アルキルスルホニル基を示す〕で表わされる基を示す;
R2は水素原子または式 −NR2aR2b〔式中、R2aおよびR2bは同一または相異なって水素原子またはC1−6アルキル基を示す〕で表わされる基を示す;
ただし、上記定義において、(i)Aが4−フルオロフェニル基で、Bが4−ピリジル基で、R1がアミノ基で、且つ、R2が水素原子である場合、ならびに、(ii)Aが4−フルオロフェニル基で、Bが4−ピリジル基で、R1がアセトアミド基で、且つ、R2が水素原子である場合は除かれる。〕
Bはハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基およびアミノ基から選ばれる1以上の基で置換されていてもよいピリジル基を示す;
R1は水素原子、モルホリニル基または式 −NR1aR1b〔式中、R1aおよびR1bは同一または相異なって水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アシル基、フェニル基またはC1−6アルキルスルホニル基を示す〕で表わされる基を示す;
R2は水素原子または式 −NR2aR2b〔式中、R2aおよびR2bは同一または相異なって水素原子またはC1−6アルキル基を示す〕で表わされる基を示す;
ただし、上記定義において、(i)Aが4−フルオロフェニル基で、Bが4−ピリジル基で、R1がアミノ基で、且つ、R2が水素原子である場合、ならびに、(ii)Aが4−フルオロフェニル基で、Bが4−ピリジル基で、R1がアセトアミド基で、且つ、R2が水素原子である場合は除かれる。〕
〔式中、A、R1およびR2はそれぞれ前記の定義と同意義を示す;
B’はハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基およびアミノ基から選ばれる1以上の基で置換されていてもよい1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン−4−イル基を示す。〕
B’はハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基およびアミノ基から選ばれる1以上の基で置換されていてもよい1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン−4−イル基を示す。〕
以下に、本願明細書において記載する記号、用語等の意義を説明するとともに、本発明を詳細に説明する。
本願明細書における「排便促進剤」とは、生理的な排便を促進する医薬組成物を示す。
本願明細書における「便秘症」とは、便の排出に困難を感ずるか、あるいは稀である症状を示し、各種便秘症、例えば機能性便秘症、器質性便秘症、腸管麻痺性イレウス、IBS、IBSに伴う便秘症、先天性消化管機能異常に伴う便秘症、腸閉塞に伴う便秘症等が含まれ、また、少量ずつの排便があっても何らかの苦痛・困難を伴う症状であっても該「便秘症」に含まれる。ここで、機能性便秘症とは、急性便秘症や各種慢性便秘症(例えば弛緩性便秘症、攣縮性便秘症、排便困難症、直腸性便秘症、薬物誘発性便秘症等)等を示す。
本願明細書における「排便促進剤」とは、生理的な排便を促進する医薬組成物を示す。
本願明細書における「便秘症」とは、便の排出に困難を感ずるか、あるいは稀である症状を示し、各種便秘症、例えば機能性便秘症、器質性便秘症、腸管麻痺性イレウス、IBS、IBSに伴う便秘症、先天性消化管機能異常に伴う便秘症、腸閉塞に伴う便秘症等が含まれ、また、少量ずつの排便があっても何らかの苦痛・困難を伴う症状であっても該「便秘症」に含まれる。ここで、機能性便秘症とは、急性便秘症や各種慢性便秘症(例えば弛緩性便秘症、攣縮性便秘症、排便困難症、直腸性便秘症、薬物誘発性便秘症等)等を示す。
本願明細書における「化合物」とは、非ペプチド性化合物およびペプチド性物質の両方を示す。当該「化合物」は塩を形成していてもよく、また、無水物であっても水和物を形成していてもよい。
本願明細書における「塩」とは、A2受容体拮抗作用を有する化合物、A2b受容体拮抗作用を有する化合物と薬理学的に許容される塩を形成するものであれば特に限定されないが、好ましくは1)ハロゲン化水素酸塩(例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、等)、2)無機酸塩(例えば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、等)、3)有機カルボン酸塩(例えば酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、等)、4)有機スルホン酸塩(例えばメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、等)、5)アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、等)、6)四級アミン塩、7)アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、等)、8)アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩、等)、等があげられる。
本願明細書における「塩」とは、A2受容体拮抗作用を有する化合物、A2b受容体拮抗作用を有する化合物と薬理学的に許容される塩を形成するものであれば特に限定されないが、好ましくは1)ハロゲン化水素酸塩(例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、等)、2)無機酸塩(例えば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、等)、3)有機カルボン酸塩(例えば酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、等)、4)有機スルホン酸塩(例えばメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、等)、5)アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、等)、6)四級アミン塩、7)アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、等)、8)アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩、等)、等があげられる。
本願明細書における「拮抗作用」とは、アデノシン受容体とそのリガンド(アデノシン)の相互作用、すなわち受容体とリガンドとの結合を遮断し、不活性化する作用を示す。「拮抗作用を有する化合物」とは、アデノシン受容体とそのリガンド(アデノシン)との結合を遮断し、不活性化する作用を有する化合物を示す。
以下に、本発明にかかる医薬組成物が排便を促進する医薬組成物(以下「排便促進剤」という)として有用であることを示す試験例を記載する(試験例1乃至3)。該試験において使用した化合物は式
で表わされる化合物である。化合物Iは、本発明者らが見出した新規なA2b受容体アンタゴニストである(実施例番号3)。一方、KF20274およびKW3902は、選択的A1受容体アンタゴニストとして知られ、KW6002は選択的A2a受容体アンタゴニストとして知られている。これらの化合物のアデノシン受容体サブタイプに対する結合能および阻害能は後に記載した(表6)。なお、KF20274はJ. Med. Chem., Vol.35, No.19, 3578-3581 (1992)に記載の製造方法、KW3902はJ. Med. Chem., Vol.35, No.5, 924-930 (1992)に記載の製造方法、KW6002はBioorg. & Med. Chem. Lett., Vol.7, No.18, 2349-2352 (1997)に記載の製造方法にそれぞれ従って製造した。
[試験例1]
NECAによるCarbachol刺激結腸管収縮抑制作用に対する、アデノシンA 2b 受容体アンタゴニストの阻害効果
NECAによるCarbachol刺激結腸管収縮抑制作用に対する、アデノシンA 2b 受容体アンタゴニストの阻害効果
(1)結腸管の摘出:
エーテル麻酔下ラットを開腹し、直腸側から盲腸までを摘出し、氷令したTyrode液(NaCl 136mM、KCl 2.7mM、NaH2PO4・2H2O 0.4mM、Glucose 5.6mM、NaHCO3 11.9mM、MgCl2・6H2O 1mM、CaCl2 1.8mM を含む)に浸した。周囲の結合織を取り除き、腸管を直腸側から1.5cm、盲腸側から3cmの位置で切断し、全長3cm程度の結腸管を得た。結腸管の両端を各々、糸を結んだセルフィンで挟み、速やかに37℃に加温したTyrode液を満たしたマグヌス管内に盲腸側を上にして懸垂し、O2/CO2=95/5のガスをバブリングし、平衡化した。盲腸側のセルフィンに結んだ糸を懸垂し、結腸管の長さの変化はひずみ圧力用アンプ(日本光電(株)製)にて検出した。
エーテル麻酔下ラットを開腹し、直腸側から盲腸までを摘出し、氷令したTyrode液(NaCl 136mM、KCl 2.7mM、NaH2PO4・2H2O 0.4mM、Glucose 5.6mM、NaHCO3 11.9mM、MgCl2・6H2O 1mM、CaCl2 1.8mM を含む)に浸した。周囲の結合織を取り除き、腸管を直腸側から1.5cm、盲腸側から3cmの位置で切断し、全長3cm程度の結腸管を得た。結腸管の両端を各々、糸を結んだセルフィンで挟み、速やかに37℃に加温したTyrode液を満たしたマグヌス管内に盲腸側を上にして懸垂し、O2/CO2=95/5のガスをバブリングし、平衡化した。盲腸側のセルフィンに結んだ糸を懸垂し、結腸管の長さの変化はひずみ圧力用アンプ(日本光電(株)製)にて検出した。
(2)Carbachol による結腸管の収縮:
100倍濃度に調製した各濃度の Carbachol(Sigma社製)を1/100容量ずつ、マグヌス管内に積算的に添加し、結腸管の長さの変化を測定し、Carbachol 非添加時の長さを収縮率0%、最終濃度計1.44μMの Carbachol 添加時の長さを収縮率100%した。実験は3標本について行った。
100倍濃度に調製した各濃度の Carbachol(Sigma社製)を1/100容量ずつ、マグヌス管内に積算的に添加し、結腸管の長さの変化を測定し、Carbachol 非添加時の長さを収縮率0%、最終濃度計1.44μMの Carbachol 添加時の長さを収縮率100%した。実験は3標本について行った。
(3)Carbachol による結腸管の収縮に対するNECAの抑制効果:
Carbachol 1.44μMを添加した結腸管に、さらに100倍濃度に調製した各濃度のNECA(Sigma社製)を1/100容量ずつ、マグヌス管内に積算的に添加し、結腸管の長さの変化を測定した。Carbachol 非添加時の長さを収縮率0%、1.44μMの Carbachol 添加時の長さを収縮率100%して、NECA添加時の収縮率を得た。実験は3標本について行った。
Carbachol 1.44μMを添加した結腸管に、さらに100倍濃度に調製した各濃度のNECA(Sigma社製)を1/100容量ずつ、マグヌス管内に積算的に添加し、結腸管の長さの変化を測定した。Carbachol 非添加時の長さを収縮率0%、1.44μMの Carbachol 添加時の長さを収縮率100%して、NECA添加時の収縮率を得た。実験は3標本について行った。
(4)NECAによるCarbachol刺激結腸管収縮抑制効果に対する、アデノシン受容体アンタゴニストの阻害効果:
Carbachol 0.3μM、続いてNECA 1μMを添加した結腸管に、さらに100倍濃度に調製した各濃度の化合物I、KF20274またはKW6002を1/100容量ずつ、マグヌス管内に積算的に添加し、結腸管の長さの変化を測定した。Carbachol 0.3μMおよびNECA 1μM添加時の長さを収縮率0%、Carbachol 0.3μM単独添加時の長さを収縮率100%として、各アデノシン受容体アンタゴニスト添加時の収縮率を得た。実験は3標本について行った。
Carbachol 0.3μM、続いてNECA 1μMを添加した結腸管に、さらに100倍濃度に調製した各濃度の化合物I、KF20274またはKW6002を1/100容量ずつ、マグヌス管内に積算的に添加し、結腸管の長さの変化を測定した。Carbachol 0.3μMおよびNECA 1μM添加時の長さを収縮率0%、Carbachol 0.3μM単独添加時の長さを収縮率100%として、各アデノシン受容体アンタゴニスト添加時の収縮率を得た。実験は3標本について行った。
Carbachol 刺激により(前記操作2)、結腸管は Carbachol の濃度依存的に収縮を示した(表1)。これにアデノシン受容体アゴニストであるNECAを添加したところ(前記操作3)、NECAの濃度依存的な収縮抑制効果が観察された(表2)。Carbachol は自律神経節のニコチン性、および平滑筋のムスカリン性アセチルコリン受容体刺激作用を有することから、NECAの収縮抑制効果は平滑筋に分布する神経を介する作用だけでは説明できず、平滑筋に対する直接作用の可能性を示唆するものと考えられた。さらに、この系に各アデノシン受容体アンタゴニストを添加したところ(前記操作4)、化合物Iは濃度依存的にNECAによる収縮抑制効果を阻害した(表3)。一方、A1選択的アンタゴニストであるKF20274およびA2a選択的アンタゴニストであるKW6002は阻害効果を示さなかった。このことは、NECAの収縮抑制効果がA1およびA2a受容体を介する作用ではないことを示しており、A2b受容体の関与を示唆するものである。すなわち、アデノシンは結腸平滑筋のA2b受容体を介して直接的に結腸の収縮を抑制している可能性が示唆され、本発明者らは、A2b受容体アンタゴニストがこれに拮抗して結腸の収縮を促進する可能性を直接的に示すことに成功した。
[試験例2]
ラットにおけるアデノシンA 2b 受容体アンタゴニストの排便促進作用
本発明者らは、ラットを用いてA2b受容体アンタゴニスト(化合物I)、選択的A1アンタゴニスト、選択的A2aアンタゴニストそれぞれの排便に対する作用を比較検討した。
ラットにおけるアデノシンA 2b 受容体アンタゴニストの排便促進作用
本発明者らは、ラットを用いてA2b受容体アンタゴニスト(化合物I)、選択的A1アンタゴニスト、選択的A2aアンタゴニストそれぞれの排便に対する作用を比較検討した。
SD IGSラット(6週齢;チャールスリバー)を1ケージ毎に3匹入れ、自由摂食摂水のもと1週間予備飼育した。実験当日に体重を測定し、ケージ下に吸水シートを設置し、実験終了時まで絶食、自由摂水とした。絶食開始3時間後にケージ毎の便を回収し、実験前の便の異常の有無を観察した後、0.5%(W/V)メチルセルロース(MC)に懸濁又は溶解した化合物を5ml/kg体重の容量で経口投与した。一方、対照群には0.5%(W/V)MCのみを経口投与した。化合物投与後、ラットを風袋を秤量した新しい吸水シートを設置したケージに戻し、投与後180分まで吸水シート上の便をケージ毎に回収し、外観を観察後、計数した。便数はケージ毎の値として表わした(表4)。なお、便を回収した後、吸水シートを秤量し、風袋を差し引いた重量を尿量とし、体重100g当たりの値として表わした(表4)。
表4に示すように、選択的A1受容体アンタゴニストKW3902は排便促進作用を示すものの、その作用は投与量 1mg/kg で最大値に達していることがわかる。また、選択的A2a受容体アンタゴニストKW6002は、わずかな排便促進作用を有するにすぎなかった。一方、A2b受容体アンタゴニストである化合物Iは、下痢を生ずることなく、さらに、選択的A1アンタゴニストKW3902および選択的A2aアンタゴニストKW6002に比して明らかに強力な排便促進作用を示した。ここで、化合物IはA1受容体拮抗阻害作用をも有する化合物であるが、この強力な排便促進作用はA1受容体拮抗阻害作用を有する化合物の吸収や投与量の違いでは説明することができない。なぜならば、A1受容体拮抗阻害作用を有する化合物に利尿作用があることはよく知られているが(J. Pharmacol. Exp. Ther., 266, 200 (1993))、 選択的A1アンタゴニストであるKW3902は、化合物Iより強い利尿作用を示すにも関わらず排便促進作用は化合物Iより弱いからである。逆に、化合物Iは、選択的A1アンタゴニストKW3902より利尿作用が弱いにも関わらず排便促進作用が強い。
すなわち、表4は、化合物Iの作用が、A1受容体拮抗作用だけでは説明できるものではなく、A2b受容体拮抗阻害作用が付加されたことにより強力な排便促進があらわれたということを示している。
すなわち、表4は、化合物Iの作用が、A1受容体拮抗作用だけでは説明できるものではなく、A2b受容体拮抗阻害作用が付加されたことにより強力な排便促進があらわれたということを示している。
[試験例3]
排便促進作用におけるアデノシンA 2b 受容体阻害の寄与
化合物Iの強力な排便促進作用におけるA2b受容体拮抗阻害作用の寄与についてさらに調べることを目的として、選択的A1アンタゴニストKW3902と選択的A2aアンタゴニストKW6002を組み合わせて投与し、化合物Iと比較した。試験用ラットおよび化合物は、試験1と同様の方法により準備・調製した。化合物投与後、ラットを新しい吸水シートを設置したケージに戻し、180分後の吸水シート上の便をケージ毎に回収し、外観を観察後、計数秤量した。便数はケージ毎の値として表わした(表5)。
排便促進作用におけるアデノシンA 2b 受容体阻害の寄与
化合物Iの強力な排便促進作用におけるA2b受容体拮抗阻害作用の寄与についてさらに調べることを目的として、選択的A1アンタゴニストKW3902と選択的A2aアンタゴニストKW6002を組み合わせて投与し、化合物Iと比較した。試験用ラットおよび化合物は、試験1と同様の方法により準備・調製した。化合物投与後、ラットを新しい吸水シートを設置したケージに戻し、180分後の吸水シート上の便をケージ毎に回収し、外観を観察後、計数秤量した。便数はケージ毎の値として表わした(表5)。
試験例3において、選択的A1アンタゴニストKW3902は、十分な利尿作用が見られる量を投与した。表5に示すように、選択的A1アンタゴニストKW3902および選択的A2aアンタゴニストKW6002を同時に併せて投与すると、それぞれの単独の排便促進作用の相加的作用を示した。従って、A1受容体拮抗作用とA2a受容体拮抗作用を有する化合物は、選択的A1アンタゴニスト単独よりも強力な排便促進作用を示すと考えられる。しかしながら、その作用は、A2b受容体アンタゴニストである化合物Iの排便促進作用には及ばなかった。すなわち、表5に示す結果は、A2b受容体拮抗作用(antagonism)の寄与が排便促進に極めて重要であることを示している。
[総合的考察]
上記試験によって、A2b受容体を拮抗阻害する化合物は、下痢を生ずることなく強力な排便促進作用を示し、その作用は選択的A1アンタゴニストより遥かに強力であることが明らかにされた。これより、A2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる医薬は、排便促進剤として有用であり、とりわけA2b受容体アンタゴニストを含有してなる医薬が極めて有用である。従って、本発明にかかる排便促進剤は、各種便秘症の治療・予防・改善剤として有用であることは明白であり、例えば機能性便秘症(急性便秘症や各種慢性便秘症(例えば弛緩性便秘症、攣縮性便秘症、排便困難症、直腸性便秘症、薬物誘発性便秘症等))、器質性便秘症、腸管麻痺性イレウス、IBS、IBSに伴う便秘症、先天性消化管機能異常に伴う便秘症、腸閉塞に伴う便秘症等の治療・予防・改善剤として優れた効果を発揮することができる。また、本発明にかかる排便促進剤の医薬としての用途は、各種便秘症の治療・予防・改善に限らず、消化管検査時または手術前後における腸管内容物の排除、術後排便補助、造影剤投与後の排便促進等のための薬剤としても極めて有用である。
上記試験によって、A2b受容体を拮抗阻害する化合物は、下痢を生ずることなく強力な排便促進作用を示し、その作用は選択的A1アンタゴニストより遥かに強力であることが明らかにされた。これより、A2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる医薬は、排便促進剤として有用であり、とりわけA2b受容体アンタゴニストを含有してなる医薬が極めて有用である。従って、本発明にかかる排便促進剤は、各種便秘症の治療・予防・改善剤として有用であることは明白であり、例えば機能性便秘症(急性便秘症や各種慢性便秘症(例えば弛緩性便秘症、攣縮性便秘症、排便困難症、直腸性便秘症、薬物誘発性便秘症等))、器質性便秘症、腸管麻痺性イレウス、IBS、IBSに伴う便秘症、先天性消化管機能異常に伴う便秘症、腸閉塞に伴う便秘症等の治療・予防・改善剤として優れた効果を発揮することができる。また、本発明にかかる排便促進剤の医薬としての用途は、各種便秘症の治療・予防・改善に限らず、消化管検査時または手術前後における腸管内容物の排除、術後排便補助、造影剤投与後の排便促進等のための薬剤としても極めて有用である。
[化合物の受容体結合能・阻害能の測定]
なお、アデノシン受容体の各サブタイプに対する化合物の結合能および阻害能は、以下に記載する公知の方法に従って測定した。
なお、アデノシン受容体の各サブタイプに対する化合物の結合能および阻害能は、以下に記載する公知の方法に従って測定した。
1)アデノシンA 1 受容体結合能の測定
ヒトのアデノシンA1受容体cDNAをCHOK1細胞で過剰発現させ、その膜標本を66.7μg/mlのタンパク濃度になるように20mM HEPES緩衝液(10mM MgCl2、100mM NaClを含む;pH7.4)を加え懸濁した。この膜標本懸濁液0.45mlにトリチウム標識した60nMのクロロシクロペンチルアデノシン(3H−CCPA、NEN社製)0.025mlと試験化合物0.025mlを加えた。この混合液を30℃で120分間静置後、ガラス繊維ろ紙(GF/B;Whatman社製)上で急速吸引ろ過し、直ちに水冷した5mlの50mM Tris−HCl緩衝液で2回洗浄した。その後、ガラス繊維ろ紙をバイアル瓶に移し、シンチレーターを加え、ろ紙上の放射能量を液体シンチレーションカウンターで測定した。3H−CCPAのA1の受容体結合に対する試験化合物の阻害率の算出は、以下の式により求め、これをもとに、50%阻害濃度(IC50)を算出した(下記式)。
ヒトのアデノシンA1受容体cDNAをCHOK1細胞で過剰発現させ、その膜標本を66.7μg/mlのタンパク濃度になるように20mM HEPES緩衝液(10mM MgCl2、100mM NaClを含む;pH7.4)を加え懸濁した。この膜標本懸濁液0.45mlにトリチウム標識した60nMのクロロシクロペンチルアデノシン(3H−CCPA、NEN社製)0.025mlと試験化合物0.025mlを加えた。この混合液を30℃で120分間静置後、ガラス繊維ろ紙(GF/B;Whatman社製)上で急速吸引ろ過し、直ちに水冷した5mlの50mM Tris−HCl緩衝液で2回洗浄した。その後、ガラス繊維ろ紙をバイアル瓶に移し、シンチレーターを加え、ろ紙上の放射能量を液体シンチレーションカウンターで測定した。3H−CCPAのA1の受容体結合に対する試験化合物の阻害率の算出は、以下の式により求め、これをもとに、50%阻害濃度(IC50)を算出した(下記式)。
阻害率(%)=[1-{(試験化合物の存在下での結合量−非特異的結合量)/(全結合量−非特異的結合量)}]×100
上記式中、全結合量とは、非存在下での3H−CCPA結合放射能量を示す;非特異的結合とは、100μM RPIA([R]−[1−メチル−2−フェニルエチル]アデノシン)存在下での3H−CCPA結合放射能量を示す;試験化合物存在下での結合量とは、各種濃度の試験化合物存在下での3H−CCPA結合放射能量を示す。表中の阻害定数(Ki値)は、Cheng−Prusoffの式より求めた。
2)アデノシンA 2a 受容体結合能の測定
アデノシンA2a受容体cDNAを過剰発現させた膜標本(Receptor Biology Inc. 社製)を用いて、アデノシンA2a受容体結合阻害実験を行った。この膜標本を22.2μg/mlのタンパク濃度になるように20mM HEPES緩衝液(10mM MgCl2 と 100mM NaClを含む;pH7.4)を加え懸濁した。この膜標本懸濁液 0.45ml に、トリチウム標識した500nMの2−p−[2−カルボキシエチル]フェネエチルアミノ−5’−N−エチルアルボキシアミドアデノシン(3H−CGS21680;NEN社製)0.025mlと試験化合物0.025mlを加えた。この混合液を25℃で90分間静置後、ガラス繊維濾紙(GF/B; Whatman社製)上で急速吸引濾過し、直ちに氷冷した5mlの50mM Tris−HCl緩衝液で2回洗浄した。その後、ガラス繊維濾紙をバイアルビンに移し、シンチレーターを加え、濾紙上の放射能量を液体シンチレーションカウンターで測定した。3H−CGS21680のA2aの受容体結合に対する試験化合物の阻害率の算出は、以下の式により求め、これをもとに50%阻害濃度(IC50)を算出した。
アデノシンA2a受容体cDNAを過剰発現させた膜標本(Receptor Biology Inc. 社製)を用いて、アデノシンA2a受容体結合阻害実験を行った。この膜標本を22.2μg/mlのタンパク濃度になるように20mM HEPES緩衝液(10mM MgCl2 と 100mM NaClを含む;pH7.4)を加え懸濁した。この膜標本懸濁液 0.45ml に、トリチウム標識した500nMの2−p−[2−カルボキシエチル]フェネエチルアミノ−5’−N−エチルアルボキシアミドアデノシン(3H−CGS21680;NEN社製)0.025mlと試験化合物0.025mlを加えた。この混合液を25℃で90分間静置後、ガラス繊維濾紙(GF/B; Whatman社製)上で急速吸引濾過し、直ちに氷冷した5mlの50mM Tris−HCl緩衝液で2回洗浄した。その後、ガラス繊維濾紙をバイアルビンに移し、シンチレーターを加え、濾紙上の放射能量を液体シンチレーションカウンターで測定した。3H−CGS21680のA2aの受容体結合に対する試験化合物の阻害率の算出は、以下の式により求め、これをもとに50%阻害濃度(IC50)を算出した。
阻害率(%)=[1-{(試験化合物存在下での結合量−非特異的結合量)/(全結合量−非特異的結合量)}]×100
上記式中、全結合量とは、試験化合物非存在下での3H−CGS21680結合放射能量を示す;非特異的結合とは、100μM RPIA存在下での3H−CGS21680結合放射能量を示す;試験化合物存在下での結合量とは、各種濃度の試験化合物存在下での3H−CGS21680結合放射能量を示す。表中の阻害定数(Ki値)は、Cheng-Prusoffの式より求めた。
3)アデノシンA 2b 受容体発現細胞における、NECA刺激cAMP産生に対する阻害実験
ヒトのアデノシンA2b受容体を過剰発現させたCHOK1細胞、1.5×105 cells/wellを24Wellのプレートに均一にまき、一晩培養後、実験に使用した。30nMの5’−N−エチルカルボキシアミドアデノシン(NECA;シグマ社製)刺激によって産生されるcAMP量に対する試験化合物の阻害率をA2b受容体に対する親和性として評価した。すなわち、接着した細胞を、クレブス−リンガー緩衝溶液(0.1%BSAを含む;pH7.4)2ml/wellで2回洗浄後、0.5ml/wellで30分間プレインキュベーションを行った。続いて、ホスホジエステラーゼ阻害剤である Ro−20−1724(RBI社製)存在下で、NECAと試験化合物を含む混合溶液を 0.1 ml/wellで加えた。プレインキュベーション15分後に、300μl/wellの0.1N HClで反応を止めた。細胞内cAMPの測定は、Amersham社製のcAMPエンザイムイムノアッセイキットを用いて行った。NECA刺激cAMP産生に対する試験化合物の阻害率の算出は、以下の式により求めた。
ヒトのアデノシンA2b受容体を過剰発現させたCHOK1細胞、1.5×105 cells/wellを24Wellのプレートに均一にまき、一晩培養後、実験に使用した。30nMの5’−N−エチルカルボキシアミドアデノシン(NECA;シグマ社製)刺激によって産生されるcAMP量に対する試験化合物の阻害率をA2b受容体に対する親和性として評価した。すなわち、接着した細胞を、クレブス−リンガー緩衝溶液(0.1%BSAを含む;pH7.4)2ml/wellで2回洗浄後、0.5ml/wellで30分間プレインキュベーションを行った。続いて、ホスホジエステラーゼ阻害剤である Ro−20−1724(RBI社製)存在下で、NECAと試験化合物を含む混合溶液を 0.1 ml/wellで加えた。プレインキュベーション15分後に、300μl/wellの0.1N HClで反応を止めた。細胞内cAMPの測定は、Amersham社製のcAMPエンザイムイムノアッセイキットを用いて行った。NECA刺激cAMP産生に対する試験化合物の阻害率の算出は、以下の式により求めた。
阻害率(%)=[1−{(NECAと試験化合物共存下でのcAMP量−クレブス-リンガー緩衝溶液のみのcAMP量)/(NECA単独刺激のcAMP量−クレブス-リンガー緩衝溶液のみのcAMP量)}]×100
上式より求めた阻害率から50%阻害濃度(IC50)を求めた。
前記受容体結合能および阻害能測定実験の結果は以下の如くであった(表6)。
前記受容体結合能および阻害能測定実験の結果は以下の如くであった(表6)。
本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、これらの方法を用いることにより、いかなる化合物についても容易にそのアデノシン受容体サブタイプに対する結合能・阻害能を測定し、A2受容体拮抗作用を有する化合物、A2b受容体拮抗作用を有する化合物を同定することができる。
これまで、以下に掲げる化合物またはその塩(下記(1)ないし(27)に記載の化合物)が、A2b受容体拮抗作用を示す化合物として知られている。これらの公知化合物のA2b受容体拮抗作用は前記試験によって確認することができる。該化合物および/またはその塩は、本発明にかかる排便を促進する医薬組成物の有効成分として有用である。
(8)2,4-ジオキソベンゾ[g]プテリジン
(9)式
(9)式
〔式中、R1は(1)式
〔式中、Xは水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を示す;
R5およびR6は同一または相異なって水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい飽和または不飽和のC3−8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル−C2−6アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、保護基を有していてもよいカルボキシル基、または置換基を有していてもよい少なくとも1つのヘテロ原子を有する4〜6員環を示す。または、R5およびR6は一緒になって酸素原子または硫黄原子を意味するか、あるいは結合している炭素原子と一緒になって形成されるヘテロ原子を有していてもよい環を意味する。この環は置換基を有していてもよい〕、または(2)置換基およびヘテロ原子を有していてもよい5または6員式芳香環を示す;
R5およびR6は同一または相異なって水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい飽和または不飽和のC3−8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル−C2−6アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、保護基を有していてもよいカルボキシル基、または置換基を有していてもよい少なくとも1つのヘテロ原子を有する4〜6員環を示す。または、R5およびR6は一緒になって酸素原子または硫黄原子を意味するか、あるいは結合している炭素原子と一緒になって形成されるヘテロ原子を有していてもよい環を意味する。この環は置換基を有していてもよい〕、または(2)置換基およびヘテロ原子を有していてもよい5または6員式芳香環を示す;
Wは式 −CH2CH2−、−CH=CH− または −C≡C− で表わされる基を示す;
R2は水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、水酸基、または、式−NR7R8〔式中、R7およびR8は同一または相異なって水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。または、R7およびR8は結合している窒素原子と一緒になって形成される飽和な環を示す。この環はさらにヘテロ原子を有していてもよく、置換基を有していてもよい〕を示す;
R3は、水素原子、置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、または置換基を有していてもよいC2−6アルケニル基を示す;
R4は水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいC2−6アルケニル基、置換基を有していてもよいC2−6アルキニル基または置換基を有していてもよい環状エーテルを示す;
R2は水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、水酸基、または、式−NR7R8〔式中、R7およびR8は同一または相異なって水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。または、R7およびR8は結合している窒素原子と一緒になって形成される飽和な環を示す。この環はさらにヘテロ原子を有していてもよく、置換基を有していてもよい〕を示す;
R3は、水素原子、置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、または置換基を有していてもよいC2−6アルケニル基を示す;
R4は水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいC2−6アルケニル基、置換基を有していてもよいC2−6アルキニル基または置換基を有していてもよい環状エーテルを示す;
但し、1)Wが −CH2CH2− で、且つ、Xが水素原子またはアルキル基の場合、ならびに、2)Wが −C≡C− で、R3が水素原子で、且つ、R4が置換基を有していてもよい環状エーテルの場合は除く。〕で表されるプリン誘導体または薬理学的に許容される塩あるいはそれらの水和物(特開平11−263789号)。
(10)式
(10)式
〔式中、R1は(1)水素原子、(2)水酸基、(3)ハロゲン原子、(4)置換基を有していてもよいC1−8アルキル基または(5)式 −NR4R5〔式中、R4およびR5は同一または相異なって水素原子、C1−8アルキル基もしくはC3−8シクロアルキル基を示すか、または結合している窒素原子と一緒になって形成される炭素数2ないし5の飽和環状アミノ基を示す。該環は該窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよく、さらにハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル基で置換されていてもよい〕を示す;
R2は(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)式 −NR6R7〔式中、R6およびR7は同一または相異なって水素原子、C2−5アシル基、C1−8アルキル基もしくはC3−8シクロアルキル基を示すか、またはR6およびR7は結合している窒素原子と一緒になって形成される炭素数2ないし5の飽和環状アミノ基を示す。該環は該窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよく、さらにハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル基で置換されていてもよい〕で表わされる基、(4)ハロゲン原子、水酸基、C1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC2−8アルキニル基、(5)ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルキル基で置換されていてもよいC3−8アルケニル基、(6)ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルキル基で置換されていてもよいC1−8アルキル基、または(7)ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルキル基で置換されていてもよいC1−8アルコキシ基を示す;
R3は(1)ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルキル基で置換されていてもよいC3−8アルキニル基、(2)ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルキル基で置換されていてもよいC3−8アルケニル基、(3)ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルキル基で置換されていてもよいC1−8アルキル基、(4)置換基を有していてもよいアリール基、(5)置換基を有していてもよいヘテロアリール基、(6)(a)ハロゲン原子またはC1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに窒素原子が(b-1)ハロゲン原子、水酸基または保護基を有していてもよいカルボキシル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、(b-2)置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル−C1−4アルキル基、または(b-3)置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよい1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジル基、(7)(a)ハロゲン原子またはC1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに窒素原子が(b-1)ハロゲン原子、水酸基または保護基を有していてもよいカルボキシル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、(b-2)置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル−C1−4アルキル基、または(b-3)C3−6シクロアルキル基で置換されているジヒドロオキソピリミジル基、または(8)(a)ハロゲン原子またはC1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに窒素原子が(b-1)ハロゲン原子、水酸基または保護基を有していてもよいカルボキシル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、(b-2)置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル−C1−4アルキル基、または(b-3)C3−6シクロアルキル基でそれぞれ置換されているジヒドロオキソまたはテトラヒドロジオキソピラジニル基を示す;
Arは(1)置換基を有していてもよいアリール基、(2)置換基を有していてもよいヘテロアリール基、(3)ハロゲン原子またはC1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに窒素原子がC1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基で置換されているオキソピリジル基、または(4)ハロゲン原子またはC1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに窒素原子がC1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基で置換されているオキソピリミジル基を示す;
QおよびWは同一または異なってNまたはCHを示す;
QおよびWは同一または異なってNまたはCHを示す;
但し上記において、R2が1)ハロゲン原子、水酸基、C1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC2−8アルキニル基、2)ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルキル基で置換されていてもよいC3−8アルケニル基、または3)ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルキル基で置換されていてもよいC1−8アルキル基の場合は、R3は1)ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルキル基で置換されていてもよいC1−8アルキル基、または2)置換基を有していてもよいアリール基ではないものとする。〕で表されるプリン化合物または薬理学的に許容される塩あるいはそれらの水和物(WO2001/2400)。
(11)式
(11)式
〔式中、R1およびR2は各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルアリール基、または一緒になって形成する置換基を有していてもよいヘテロ環を意味する;
R3は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルアリール基を意味する;
R4は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルアリール基を意味する;
R5およびR6は各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルアリール基、またはR4およびR5、またはR5およびR6が一緒になって形成する置換基を有していてもよいヘテロ環または炭化水素環を意味する。〕で表わされるピロロ[2,3d]ピリミジン誘導体(WO9962518)。
(12)式
R3は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルアリール基を意味する;
R4は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルアリール基を意味する;
R5およびR6は各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルアリール基、またはR4およびR5、またはR5およびR6が一緒になって形成する置換基を有していてもよいヘテロ環または炭化水素環を意味する。〕で表わされるピロロ[2,3d]ピリミジン誘導体(WO9962518)。
(12)式
(式中、1)R1は水素、アルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基を、R2はシクロアルキル基、またはアリール基を、且つ、R3はフェニル基、シクロアルキル基、置換基を有するフェニル基、または置換基を有するシクロアルキル基を示すか、あるいは、2)R1およびR2は式
で表わされる基を示す。)で表わされる8−フェニル、または8−シクロアルキルキサンチン、および8位に置換基を有するキサンチン誘導体(WO9942093)。
(13)1)3−n−プロピルキサンチン;2)1,3−ジプロピル−8−(p−アクリリック)フェニルキサンチン;3)1,3−ジプロピル−8−シクロペンチルキサンチン;4)1,3−ジプロピル−8−(p−スルフォフェニル)キサンチン;5)キサンチンアミン同族体;6)1,3−ジプロピル−8−[2−(5,6−エポキシノルボニル)]キサンチン;7)1,3−ジメチルシクロヘキシル−8−フェニル(4−アクリレート)キサンチン(US6060481)。
(14)式
(14)式
〔式中、RおよびR1は独立に水素、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C8)アルコキシ、(C3〜C8)シクロアルキル、(C4〜C16)シクロアルキルアルキル、ヘテロ環、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、またはヘテロアリールを示す;
Zは、
Zは、
Xは(C1〜C8)アルキレン、(C2〜C8)アルケニレン、(C2〜C8)アルキニレンを表し、これらアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンの一つの炭素原子は −O−、−N(R4)C(O)−、−OC(O)−、−N(R5)(R6)−、−S−、−S(O)−、または −SO2− を含む置換基で置換されていてもよい;
R2は水素、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C8)アルコキシ、(C3〜C8)シクロアルキル、(C4〜C16)シクロアルキルアルキル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロ環、またはヘテロアリールを表し、このR2は −OH、−SH、−NH2、−NHR7、−CN、−COOH、および −SO3H を含む置換基群から選ばれた一つ以上の置換基で置換されていてもよい;
R4,R5,R6およびR7は独立に水素、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、またはヘテロ(C1〜C6)アルキルを示す;
R8は水素、(C3〜C8)シクロアルキル、(C4〜C16)シクロアルキルアルキル、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロ環、またはヘテロアリールを表し、各々一つ以上の置換基で置換されていてもよく、その置換基は独立にオキソ、(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、ハロ、−OR15、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19,−SO2R20 または −SO3H から選ばれる;
またはR8は(C1〜C8)アルキルを表し、それは一つ以上の置換基で置換されていて、その置換基は独立にオキソ、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、ハロ、−CN、−NO2、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H から選ばれる;
またはR8は(C6〜C10)アリールを表し、それは一つ以上の置換基で置換されていて、その置換基は独立に(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H から選ばれる。
R8は水素、(C3〜C8)シクロアルキル、(C4〜C16)シクロアルキルアルキル、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロ環、またはヘテロアリールを表し、各々一つ以上の置換基で置換されていてもよく、その置換基は独立にオキソ、(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、ハロ、−OR15、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19,−SO2R20 または −SO3H から選ばれる;
またはR8は(C1〜C8)アルキルを表し、それは一つ以上の置換基で置換されていて、その置換基は独立にオキソ、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、ハロ、−CN、−NO2、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H から選ばれる;
またはR8は(C6〜C10)アリールを表し、それは一つ以上の置換基で置換されていて、その置換基は独立に(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H から選ばれる。
R9は −NR10R11 を表すか、または独立にオキソ、(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、ハロ、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H の一つ以上の置換基で置換されていてもよい(C3〜C8)シクロアルキル、(C4〜C16)シクロアルキルアルキル、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロ環、またはヘテロアリールを表わす。
またはR9は(C1〜C8)アルキルを表し、それは一つ以上の置換基で置換されていて、その置換基は独立にオキソ、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、ハロ、−CN、−NO2、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H から選ばれる;
またはR9は(C6〜C10)アリールを表し、それは一つ以上の置換基で置換されていて、その置換基は独立に(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O)R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H から選ばれる;
またはR9は(C1〜C8)アルキルを表し、それは一つ以上の置換基で置換されていて、その置換基は独立にオキソ、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、ハロ、−CN、−NO2、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H から選ばれる;
またはR9は(C6〜C10)アリールを表し、それは一つ以上の置換基で置換されていて、その置換基は独立に(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O)R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H から選ばれる;
R10およびR11は独立にハロゲン、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロ環、ヘテロアリール、−C(O)(CH2)nCO 2R12、−C(O)C R21=CR22(CH2)mCO 2R12、−C(O)R12、−C(O)(C3〜C8)シクロアルキル、または−C(O)(C3〜C8)シクロアルケニルを表し、各々は一つ以上の置換基で置換されていてもよく、その置換基は独立にオキソ、(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、ハロ、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H であるか、またはR10およびR11は窒素原子とともにヘテロ環、ヘテロアリール環を形成してもよく、各々の環は一つ以上の置換基で置換されていてもよく、その置換基は独立にオキソ、(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、ハロ、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H であり、nは1から6、mは0から4をである;
R12は水素、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C4〜C16)シクロアルキルアルキル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロ環、またはヘテロアリールを表す;
R12は水素、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C4〜C16)シクロアルキルアルキル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロ環、またはヘテロアリールを表す;
R12は一つ以上の置換基で置換されていてもよく、その置換基は独立にオキソ、(C1〜C8)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、ヘテロアリール、−OR15、ハロ、−CN、−NO2、−CO2R15、−OC(O)R16、−C(O)R16、−NR13R14、−N(R23)C(O) R24、−C(O)NR17R18、−SR19、−SO2R20 または −SO3H から選ばれる;
R13、R14、 R15、R16、 R17、R18、 R19、R20、 R23およびR24は独立に水素、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、 C3〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、またはハロ(C1〜C6)アルキルである;
R21およびR22は独立に水素、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、 (C3〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキルを表す;
R13、R14、 R15、R16、 R17、R18、 R19、R20、 R23およびR24は独立に水素、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、 C3〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキル、またはハロ(C1〜C6)アルキルである;
R21およびR22は独立に水素、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、 (C3〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、(C7〜C18)アルアルキルを表す;
ただし、−NR8R9 がアミノアルキル、アミノジアルキル、またはヒドラジノでないか、 RおよびR8がともに水素、R1およびR2がともにアルキルのとき、 R9は2−ヒドロキシエチル、2−チオールエチル、2−ハロエチル、2,2−ジメトキシエチル、2−アセトキシエチル、1−メチル−2−フェニルエチル、4−メチルフェニル、または4−ヒドロキシフェニルではない。〕で表わされる置換された8−フェニルキサンチン誘導体Iまたはその薬理学的に許容される塩(WO0073307)。
(15)式
(15)式
〔式中、Arは式に示されたチアゾールの炭素原子に芳香環の炭素原子を介して結合する無置換、あるいは置換されたアリール基を表し、Rは水素、アシル基、または式に示された窒素原子に芳香環の炭素原子を介して結合する10以上の炭素原子を含む芳香環を表し、 Arがフェニル、または4−メトキシフェニルのとき、Rは水素ではない。〕で表わされるアリールピリジニルチアゾール誘導体またはその塩(WO9964418)。
(16)1)3−n−プロピルキサンチン;2)1,3−ジプロピル−8−(p−アクリリック)フェニルキサンチン;3)1,3−ジプロピル−8−シクロペンチルキサンチン;4)1,3−ジプロピル−8−(p−スルフォフェニル)キサンチン;5)キサンチンアミンコンジナー;6)1,3−ジプロピル−8−[2−(5,6−エポキシノルボニル)]キサンチン(US6060481)。
(17)式
(17)式
で表わされる化合物(Journal of Medicinal Chemistry, 2000, 43, 1165-1172)。
(21)式
(21)式
で表わされる化合物(Bioorganic & Medicinal Chemistry 6 (1998) 523-533)。
(22)式
(22)式
で表わされる化合物(Naunyn-Schmiedeberg's Arch Pharmacol (2000) 362 : 382-391)。
(23)1)8−シクロヘキシル−1,3−ジプロピル−7−メチルキサンチン;2)3,7−ジメチル−1−プロパルギルキサンチン;3)7−(2−クロロエチル)−テオフィリン;4)3−イソブチル−7−メチルキサンチン;5)1,7−ジメチルキサンチン(Biochemical Pharmacology, 47(5), 801-814, 1994)。
(23)1)8−シクロヘキシル−1,3−ジプロピル−7−メチルキサンチン;2)3,7−ジメチル−1−プロパルギルキサンチン;3)7−(2−クロロエチル)−テオフィリン;4)3−イソブチル−7−メチルキサンチン;5)1,7−ジメチルキサンチン(Biochemical Pharmacology, 47(5), 801-814, 1994)。
(24)1)8-FB-PTP (5−アミノ−8−(4−フルオロベンジル)−2−(2−フリル)−ピラゾロ[4,3−e]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン);2)3−プロピルキサンチン(British Journal of Pharmacology (1996) 119, 1286-1290)。
(25)式
(25)式
で表される化合物(Journal of Medicinal Chemistry, 2001, 44, 170-179)。
(26)1)1−メチルキサンチン;2)3−メチルキサンチン;3)7−メチルキサンチン;4)3−イソブチル−1−メチルキサンチン;5)1,3−ジメチル−8−シクロペンチルキサンチン(Pharmaceutica Acta Helvetiae 68 (1993) 77-111)。
(27)式
(26)1)1−メチルキサンチン;2)3−メチルキサンチン;3)7−メチルキサンチン;4)3−イソブチル−1−メチルキサンチン;5)1,3−ジメチル−8−シクロペンチルキサンチン(Pharmaceutica Acta Helvetiae 68 (1993) 77-111)。
(27)式
〔式中、Rは脂肪族または環状脂肪族アミノ基(例えばC1からC6アルキルアミノ基、C1からC6ジアルキルアミノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、ピロリジノ基、ピロリノ基、モルホリノ、またはアミノシクロヘキシル誘導体)を意味する〕で表わされる化合物(WO01/16134)。
例えば、8−フェニルテオフィリン(下記表中の「8−PT」)およびWO2001/2400に記載の実施例番号5に開示されている5−[6−アミノ−8−(3−フルオロフェニル)−9H−9−プリニル]−1−メチル−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン(下記表中の化合物II)の排便促進作用は以下の如くであった。なお、8−PTは、Drug Development Research 47:45-53(1999)の記載に基づいて容易に製造できるし、また、市販物質として容易に入手することもできる(本試験においてはSigma社から購入)。
本発明は、前記式(I)または(II)で表わされる化合物またはその塩にも関する。該化合物は、本発明にかかる排便を促進する医薬組成物を探索する過程で見出された新規なピリミジン化合物である。該化合物は、アデノシンA2受容体、特にアデノシンA2b受容体に対し優れた拮抗作用を示し、且つ、優れた排便促進作用を有する化合物である。
本発明にかかる前記式(I)または(II)で表わされる化合物またはその塩において、化合物の構造式が便宜上一定の異性体を表すことがあるが、本発明には化合物の構造上生ずる総ての幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体等の異性体および異性体混合物を含み、便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか一方の異性体でも混合物でもよい。従って、化合物(I)または(II)には、分子内に不斉炭素原子を有し光学活性体およびラセミ体が存在することがあり得るが、本発明においては限定されず、いずれもが含まれる。また、結晶多形が存在することもあるが同様に限定されず、いずれかの結晶形が単一であってもまたは結晶形混合物であってもよい。本発明にかかる化合物(I)または(II)あるいはそれらの塩は、無水物であっても水和物であってもよく、いずれも本願明細書の特許請求の範囲に含まれる。さらに、化合物(I)または(II)が生体内で分解されて生じる代謝物、ならびに、化合物(I)または(II)あるいはそれらの塩のプロドラッグも本願明細書の特許請求の範囲に包含される。
本願明細書において用いる「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、等の原子があげられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子で、より好ましくはフッ素原子または塩素原子で、更に好ましくはフッ素原子である。
本願明細書において用いる「C1−6アルキル基」とは、炭素数が1ないし6個のアルキル基を示し、好適な基としては例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−プロピルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、等の直鎖または分枝状アルキル基があげられ、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、等である。
本願明細書において用いる「C1−6アルコキシ基」とは、炭素数1ないし6のアルコキシ基を示し、好適な基としては例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、sec−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、n−ヘキソキシ基、iso−ヘキソキシ基、1,1−ジメチルプロピルオキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、2−エチルプロポキシ基、1−メチル−2−エチルプロポキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブチルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、ヘキシルオキシ基、等があげられる。
本願明細書において用いる「C1−6アルコキシ−カルボニル基」とは、C1−6アルコキシ基が結合したカルボニル基を示し、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、sec−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、iso−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、iso−ペンチルオキシカルボニル基、sec−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキソキシカルボニル基、iso−ヘキソキシカルボニル基、1,1−ジメチルプロピルオキシカルボニル基、1,2−ジメチルプロポキシカルボニル基、2,2−ジメチルプロピルオキシカルボニル基、2−エチルプロポキシカルボニル基、1−メチル−2−エチルプロポキシカルボニル基、1−エチル−2−メチルプロポキシカルボニル基、1,1,2−トリメチルプロポキシカルボニル基、1,1,2−トリメチルプロポキシカルボニル基、1,1−ジメチルブトキシカルボニル基、1,2−ジメチルブトキシカルボニル基、2,2−ジメチルブトキシカルボニル基、2,3−ジメチルブチルオキシカルボニル基、1,3−ジメチルブチルオキシカルボニル基、2−エチルブトキシカルボニル基、1,3−ジメチルブトキシカルボニル基、2−メチルペントキシカルボニル基、3−メチルペントキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、等があげられる。
本願明細書において用いる「アシル基」とは、C1−7脂肪酸のカルボキシル基からOH基を除いた原子団を示し、好適な基としては例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、等があげられる。
本願明細書において用いる「C1−6アルキルスルホニル基」とは、C1−6アルキル基が結合したスルホニル基を示し、好適な基としては例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、iso−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、iso−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基、等があげられる。
前記式(I)または(II)におけるAは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる1または2個の基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、ピリジル基、チエニル基またはフリル基を示し、Aにおける好適な基は特に限定されない。Aにおけるより好適な基をあげるとフッ素原子、塩素原子、水酸基、メチル基、エチル基、メトキシ基およびエトキシ基から選ばれる1ないし3個の基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、ピリジル基、チエニル基またはフリル基である。さらに好適な基をあげると、1)それぞれ無置換のフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、ならびに、2)フッ素原子、塩素原子、水酸基、メチル基、エチル基、メトキシ基およびエトキシ基から選ばれる1ないし3個の基でそれぞれ置換されたフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、等があげられる。
前記式(I)におけるBはハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基およびアミノ基から選ばれる1以上の基で置換されていてもよいピリジル基を示し、Bにおける好適な基は特に限定されない。Bにおけるより好適な基をあげると、1)無置換の4−ピリジル基、2)フッ素原子、塩素原子、水酸基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基およびアミノ基から選ばれる1ないし3個の基で置換された4−ピリジル基である。
前記式(II)におけるB'は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基およびアミノ基から選ばれる1以上の基で置換されていてもよい1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン−4−イル基を示し、B'における好適な基は特に限定されないが、より好適な基をあげれば、1)無置換の1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン−4−イル基、2)フッ素原子、塩素原子、水酸基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基およびアミノ基から選ばれる1ないし2個の基で置換された1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン−4−イル基であり、更に好適な基としては無置換の1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン−4−イル基である。
前記式(I)または(II)におけるR1は水素原子、モルホリニル基または式 −NR1aR1b〔式中、R1aおよびR1bは同一または相異なって水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アシル基、フェニル基またはC1−6アルキルスルホニル基を示す〕で表わされる基を示し、より好適な基としては1)水素原子、2)4−モルホリニル基、3)アミノ基、4)C1−6アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、iso−プロピルアミノ基、等)、5)N,N−ジC1−6アルキルアミノ基(例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、等)、6)C1−6アシルアミノ基(例えばアセトアミド基、プロピオニルアミノ基、)、7)N,N−C1−6アルキル(C1−6アシル)アミノ基、8)C1−6アルキルスルホニルアミノ基(例えばメチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、iso−プロピルスルホニルアミノ基、等)があげられる。
前記式(I)または(II)におけるR2は水素原子または式 −NR2aR2b〔式中、R2aおよびR2bは同一または相異なって水素原子またはC1−6アルキル基を示す〕で表わされる基を示し、より好適な基としては水素原子、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−メチルエチルアミノ基、等があげられる。
化合物(I)または(II)における好ましい態様としては、例えば以下の化合物があげられる。
6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン;6−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン;4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−フェニル−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;5−(4−ピリジル)−4−(2−チエニル)−2−ピリミジニルアミン;4−(2−ピリジル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)ピリミジン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)ピリミジン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N,N−ジメチルアミン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン;4−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]モルホリン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン;4−[4−(3−フルオロフェニル)−2−(メチルアミノ)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン;N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アセトアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N1−メチルアセトアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]ブタンアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N1−メチルプロパンアミド;4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;N1−エチル−N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド;4−[2−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン;N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;4−[2−(エチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−プロピルアミン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−フェニルアミン;N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン;N−[5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−N−エチルアミン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(3−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン;5−(2−アミノ−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン;N4−メチル−6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン;N4,N4−ジメチル−6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン;N−エチル−N−[4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;N−エチル−N−[4−フェニル−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;N−エチル−N−[5−(4−ピリジル)−4−(2−チエニル)−2−ピリミジニル]アミン;5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(2−フリル)−2−ピリミジニルアミン;N−エチル−N−[5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(2−フリル)−2−ピリミジニル]アミン;4−(2,5−ジメチル−3−フリル)−5−(3−エチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;N−[4−(2,5−ジメチル−3−フリル)−5−(3−エチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−エチルアミン;5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−6−(3−フルオロフェニル)−2,4−ピリミジンジアミン;4−(3−メチル−2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]メタンスルホンアミド;4,5−ジ(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−(4−メトキシフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−[2−アミノ−5−(4−ピリジル)−4−ピリミジニル]フェノール;メチル 3−[2−アミノ−5−(4−ピリジル)−4−ピリミジニル]ベンゾエート;N4,N4−ジメチル−6−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン。
6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン;6−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン;4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−フェニル−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;5−(4−ピリジル)−4−(2−チエニル)−2−ピリミジニルアミン;4−(2−ピリジル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)ピリミジン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)ピリミジン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N,N−ジメチルアミン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン;4−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]モルホリン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン;4−[4−(3−フルオロフェニル)−2−(メチルアミノ)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン;N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アセトアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N1−メチルアセトアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]ブタンアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N1−メチルプロパンアミド;4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;N1−エチル−N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド;N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド;4−[2−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン;N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;4−[2−(エチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−プロピルアミン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−フェニルアミン;N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン;N−[5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−N−エチルアミン;4−(3−フルオロフェニル)−5−(3−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン;5−(2−アミノ−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン;N4−メチル−6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン;N4,N4−ジメチル−6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン;N−エチル−N−[4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;N−エチル−N−[4−フェニル−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン;N−エチル−N−[5−(4−ピリジル)−4−(2−チエニル)−2−ピリミジニル]アミン;5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(2−フリル)−2−ピリミジニルアミン;N−エチル−N−[5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(2−フリル)−2−ピリミジニル]アミン;4−(2,5−ジメチル−3−フリル)−5−(3−エチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;N−[4−(2,5−ジメチル−3−フリル)−5−(3−エチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−エチルアミン;5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−6−(3−フルオロフェニル)−2,4−ピリミジンジアミン;4−(3−メチル−2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]メタンスルホンアミド;4,5−ジ(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−(4−メトキシフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン;4−[2−アミノ−5−(4−ピリジル)−4−ピリミジニル]フェノール;メチル 3−[2−アミノ−5−(4−ピリジル)−4−ピリミジニル]ベンゾエート;N4,N4−ジメチル−6−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン。
本発明にかかる前記式(I)または(II)で表わされる化合物は、様々な方法によって製造することが可能であるが、代表的な製造法は以下の如くである。なお、以下の製造法において、「室温」とは、通常、10ないし35℃を示す。
[製造方法A]
式中、Aはハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる1または2個の基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、ピリジル基、チエニル基またはフリル基を、Bはハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基およびアミノ基から選ばれる1以上の基で置換されていてもよいピリジル基を、XはC1−8アルキル基を示す。工程A1は、本発明にかかる前記式(I)で表わされる化合物の製造中間体である1,2−ビアリール−1−エタノン化合物(3)を製造する工程である。即ち、化合物(3)は、塩基存在下、芳香族カルボン酸エステル(1)と4−メチルピリジン誘導体(2)を溶媒中で反応させて脱アルコール縮合させることにより得られる。用いる塩基は、使用する原料、試薬、溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好適にはリチウム ビス(トリメチルシリル)アミドやリチウム ジイソプロピルアミドに代表される2級アミンの金属塩、等があげられる。使用する溶媒は、使用する原料、試薬等により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はされないが、好適にはテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコール、等のエーテル類、等があげられる。反応温度は、好適には−78℃ないし室温であり、より好適には0℃付近である。
[製造方法B]
式中、AおよびB環はそれぞれ前記定義をそれぞれ同意義を示し、Meはメチル基を示す。本発明にかかる前記式(I)で表わされる化合物の製造中間体としての3−(ジメチルアミノ)−2−プロペン−1−オン化合物(4)は、製造法Aにおいて製造した化合物(3)の活性メチレンにN,N−ジメチルホルムアミド ジメチルアセタールを作用させることにより製造することができる(工程B1)。本反応は無溶媒で行うのが好適であるが、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解する溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ベンゼン、トルエン、等で希釈して行ってもよい。ただし、ここで使用する溶媒は、使用する原料、試薬等により異なり、特に限定はされない。反応温度は、通常、室温から120℃が好適であり、より好適な温度は100℃付近である。
[製造方法C]
式中、A、BおよびMeはそれぞれ前記定義と同意義を示し、R1は水素原子、モルホリニル基または式 −NR1aR1b〔式中、R1aおよびR1bは同一または相異なって水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アシル基、フェニル基またはC1−6アルキルスルホニル基を示す〕で表わされる基を示す。本発明にかかる化合物(6)は、製造方法Bで得られた3−(ジメチルアミノ)−2−プロペン−1−オン化合物(4)に、塩基存在下、ホルムアミジンまたはグアニジン誘導体(5)を反応させることにより製造することができる(工程C1)。用いるグアニジン誘導体(5)は、市販物質として容易に入手することができる他、例えばJ. Org. Chem. 1992, 57, 2497-2502、等に記載されている公知の方法またはそれに準じた方法に基づいて容易に製造することもできる。用いる塩基は、使用する原料、試薬、溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好適にはアルカリ金属の炭酸塩(例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、等)、アルカリ金属のアルコキシド(例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、等)、等である。本反応は、反応を阻害せず、出発物質および塩基をある程度溶解する溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、等の中で行われるのが好ましいが、使用する原料、試薬等により異なり、特に限定はされない。反応温度は、通常、室温から120℃が好適で、より好適な温度は70℃付近である。
[製造方法D]
式中、A、B環およびR1はそれぞれ前記定義と同意義を示す。本発明にかかる化合物(9)は、アリールアセトニトリル(7)に、塩基存在下にてアリールアルデヒドを脱水縮合し、2,3−ビアリール−2−プロペンニトリル(8)を製造し(工程D1)、さらに、かかるニトリル化合物(8)に塩基存在下にてホルムアニジンまたはグアニジン誘導体を反応させた後、酸化剤にて芳香化することにより、製造することができる(工程D2)。
[工程D1]工程D1において用いる塩基は、使用する原料、試薬、溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好適にはアルカリ金属のアルコキシド(例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、等)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、等)、等があげられる。反応に使用する溶媒は、使用する原料、試薬等により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はされないが、好適にはエタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドや、これらの混合溶媒である。反応は、通常、0ないし120℃で行われる。
[工程D2]また、工程D2において用いるグアニジン誘導体は、市販物質として容易に入手することができる他、J. Org. Chem. 1992, 57, 2497-2502、等に記載されている公知の方法またはこれらに準じた方法に基づいて製造することもできる。用いる塩基は、使用する原料、試薬、溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好適にはアルカリ金属のアルコキシド(例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、等)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、等)、等である。用いる酸化剤も、使用する原料、試薬、溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好適にはマンガン化合物(例えば活性二酸化マンガン、等)、キノン類(例えば2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、等)、硫黄、等である。使用する溶媒は、使用する原料、試薬等により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はされないが、好適にはエタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドや、これらの混合溶媒、等である。また、工程D2の反応温度は、通常、0ないし120℃である。
なお、工程D1においては、2,3−ビアリール−2−プロペンニトリル(8)を単離することなく、反応当初からホルムアミジンまたはグアニジン誘導体を共存させ、次いで酸化剤にて芳香化することによっても、本発明にかかるピリミジン誘導体(9)を製造することができる。
[製造方法E]
式中、AおよびB環はそれぞれ前記定義に同意義を、R3は水素原子またはC1−6アルキル基を示す。本工程E1は、化合物(10)に、酸性条件下、カルボン酸無水物を作用させ、アミノ基をアシル化して、本発明にかかるアシル誘導体(11)を製造する工程である。原料化合物(10)は、前記製造法Cにより製造することができ、R1がアミノ基である化合物(6)に対応する。工程E1は、無溶媒で行うのが好ましいが、溶媒で希釈して行ってもよい。かかる溶媒は、使用する原料、試薬等により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はされないが、好適にはN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ベンゼン、トルエン、等である。用いる酸は、使用する原料、試薬、溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好適には濃硫酸、等の鉱酸である。反応温度は、室温から120℃が好適であるが、より好適な温度は90℃付近である。
[製造方法F]
式中、AおよびB環はそれぞれ前記定義と同意義を、R4は水素原子またはC1−6アルキル基を示す。本発明にかかるスルホンアミド誘導体(13)は、前記製造法Eにより製造できる化合物(11)においてR3がメチル基であるものに対応する化合物(12)を原料として、かかる(12)に塩基性条件下にてスルホニルクロリドを作用させスルホニル化した後、酸性条件下、アシル基を除去することにより製造することができる(工程F1)。スルホニル化反応に用いる塩基は、使用する原料、試薬、溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好適には水素化ナトリウム、等である。スルホニル化に使用する溶媒は、使用する原料、試薬等により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はされないが、好適にはテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールの如きエーテル類、等があげられる。反応温度は、好適には−10℃ないし室温である。工程F1における脱アセチル化反応に用いる酸は、使用する原料、試薬、溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好適には塩酸、等である。かかる反応で使用する溶媒は、使用する原料、試薬等により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであって、且つ、水とある程度混じり合うものであれば特に限定はされないが、好適にはエーテル類(例えばテトラヒドロフラン)と水との混合溶媒があげられる。反応温度は、好適には室温ないし100℃である。
[製造方法G]
式中、AおよびR1はそれぞれ前記定義と同意義を示す。本発明にかかる前記式(II)で表わされる化合物は、例えば本工程G1により製造することができる。原料としての化合物(14)は、前記製造方法Cにより製造することができる。本発明にかかるピリドン誘導体(15)は、かかる(14)を酸性条件下にて加水分解し、製造することができる。用いる酸は、使用する原料、試薬、溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好適には塩酸、臭化水素酸、硫酸、等である。本反応は、水中で行うのが好ましく、また、反応温度は、通常、室温ないし120℃付近で、好適には100℃である。
[製造方法H]
式中、AおよびR1はそれぞれ前記定義と同意義を示す。本発明にかかる化合物(16)は、前記製造方法Cで製造することができる化合物(14)にアンモニアを作用させてフッ素原子をアミノ基に置換することにより、製造することができる(工程H1)。本反応においては、アンモニアガスをエタノール等の適当な溶媒に飽和させたものを本反応試剤として用いる。反応は、反応液をオートクレーブなどに封管し、150℃付近まで加熱して行うのが好ましい。
なお、本発明化合物(I)または(II)の製造における原料化合物は、塩や水和物を形成していてもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されるものではない。また、本発明に係る化合物(I)または(II)がフリー体として得られる場合、前記の化合物(I)または(II)が形成していてもよい塩の状態に常法に従って変換することができる。また、本発明に係る化合物(I)または(II)について得られる種々の異性体(例えば幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体、等)は、通常の分離手段、例えば再結晶、ジアステレオマー塩法、酵素分割法、種々のクロマトグラフィー(例えば薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、等)を用いることにより精製し、単離することができる。
[本発明にかかる医薬組成物または化合物に関する製剤例]
本発明にかかる医薬組成物は、慣用される方法により製剤化することが可能で、好ましい剤形としては錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等があげられる。製剤化には、通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を配合して常法により製剤化可能である。これらの成分としては例えば(1)大豆油、牛脂、合成グリセライド等の動植物油;(2)流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィン等の炭化水素;(3)ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;(4)セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;(5)シリコン樹脂;(6)シリコン油;(7)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面活性剤;(8)ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどの水溶性高分子;(9)エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;(10)グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール;(11)グルコース、ショ糖などの糖;(12)無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウムなどの無機粉体;(13)精製水などがあげられる。
本発明にかかる医薬組成物は、慣用される方法により製剤化することが可能で、好ましい剤形としては錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等があげられる。製剤化には、通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を配合して常法により製剤化可能である。これらの成分としては例えば(1)大豆油、牛脂、合成グリセライド等の動植物油;(2)流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィン等の炭化水素;(3)ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;(4)セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;(5)シリコン樹脂;(6)シリコン油;(7)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面活性剤;(8)ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどの水溶性高分子;(9)エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;(10)グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール;(11)グルコース、ショ糖などの糖;(12)無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウムなどの無機粉体;(13)精製水などがあげられる。
1)賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素等;2)結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリオキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミン、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン等;3)崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・カルシウム等;4)滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油、等;5)着色剤としては医薬品に添加することが許可されているものであれば、いかなるものでもよく;6)矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等;7)抗酸化剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、等、医薬品に添加することが許可されているものがそれぞれ用いられる。
1)経口製剤は、有効成分に賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤等とする。2)錠剤・顆粒剤の場合には、糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングすることはもちろん差支えない。3)シロップ剤、注射用製剤、点眼剤、等の液剤の場合は、pH調整剤、溶解剤、等張化剤、等と、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤、緩衝剤、懸濁化剤、抗酸化剤、等を加えて、常法により製剤化する。該液剤の場合、凍結乾燥物とすることも可能で、また、注射剤は静脈、皮下、筋肉内に投与することができる。懸濁化剤における好適な例としては、メチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、等;溶解補助剤における好適な例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等;安定化剤における好適な例としては、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、エーテル等;保存剤における好適な例としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾール等があげられる。また、4)外用剤の場合は、特に製法が限定されず、常法により製造することができる。使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能で、例えば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐防黴剤、着色料、香料などを添加することができる。さらに、必要に応じて分化誘導作用を有する成分、血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤、等の成分を配合することもできる。
本発明にかかる医薬組成物または化合物の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の種類、薬剤に対する感受性差、疾患の具体的な種類、等に応じて異なるが、通常、成人の場合は1日あたり経口投与で約30μgないし10g、好ましくは100μgないし5g、さらに好ましくは100μgないし100mgを、注射投与で約30μgないし1g、好ましくは100μgないし500mg、さらに好ましくは100μgないし30mgをそれぞれ1回または数回に分けて投与する。
本発明により、排便を促進する新規医薬組成物を提供することができた。本発明にかかる排便促進剤は、生理的な排便を促す医薬として有用である。また、本発明により、新規なピリミジン化合物およびその塩を提供することもできた。該化合物およびその塩は、アデノシンA2受容体、特にA2b受容体に対し優れた拮抗作用を示し、且つ、排便を促進する医薬として有用である。従って、本発明にかかる排便を促進する医薬組成物および本発明にかかる化合物は、各種便秘症の治療・予防・改善剤として有用で、例えば機能性便秘症(急性便秘症や各種慢性便秘症(例えば弛緩性便秘症、攣縮性便秘症、排便困難症、直腸性便秘症、薬物誘発性便秘症等))、器質性便秘症、腸管麻痺性イレウス、IBS、IBSに伴う便秘症、先天性消化管機能異常に伴う便秘症、腸閉塞に伴う便秘症等の治療・予防・改善剤として有効である。また、本発明にかかる排便促進剤の医薬としての用途は、各種便秘症の治療・予防・改善に限られず、消化管検査時または手術前後における腸管内容物の排除、術後排便補助、造影剤投与後の排便促進等のための薬剤として、さらには、患者が高血圧であったり、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の危険性を有する場合の排便促進剤としても有用である。
以下に、本発明にかかる排便を促進する医薬組成物の有効成分である化合物の具体例として、既述の公知化合物以外の最良の態様を示す。なお、既述した公知化合物および下記実施例等は単に例示的なものにすぎないのであって、本発明にかかる医薬組成物の有効成分である化合物は如何なる場合もこれらの具体例に制限されるものではない。本願明細書に具体的に記載されていない化合物であっても、A2受容体拮抗作用を有する化合物、特にA2b受容体拮抗作用を有する化合物およびこれらの塩であれば、総て本発明にかかる排便を促進する医薬組成物の有効成分として有用であり、当該医薬組成物は本願明細書にかかる特許請求の範囲に含まれるものである。
参考例1
3−(3−フルオロフェニル)−2−(4−ピリジル)−2−プロペンニトリル
3−(3−フルオロフェニル)−2−(4−ピリジル)−2−プロペンニトリル
ナトリウム(3.0g、130mmol)をエタノール(150mL)に溶解させた後、塩酸4−ピリジルアセトニトリル(33g、121mmol)を加え、室温にて攪拌した。10分後、3−フルオロベンズアルデヒド(8g、65mmol)を加え、そのまま30分間攪拌した。生じた沈殿物を濾取、少量の水にて洗浄し、標記化合物(8.2g、56%)を無色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 7.40-7.46 (1H, m), 7.61-7.68 (1H, m), 7.75 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.77-7.86 (2H, m), 8.37 (1H, s), 8.73 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 7.40-7.46 (1H, m), 7.61-7.68 (1H, m), 7.75 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.77-7.86 (2H, m), 8.37 (1H, s), 8.73 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz).
参考例2
1−(2−フリル)−2−(4−ピリジル)−1−エタノン
1−(2−フリル)−2−(4−ピリジル)−1−エタノン
4−ピコリン(4.6g、49.4mmol)および2−フランカルボン酸エチル(7.7g、54.9mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液にリチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(100mL、100mmol)を窒素雰囲気下、0℃にて1時間かけて滴下した後、そのまま2時間攪拌した。反応液にヘキサン(140mL)を加え、生じた結晶を濾取した。得られた結晶を酢酸エチルおよび飽和塩化アンモニウム水溶液に溶かした。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(×2)および飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濃縮した。残さにヘキサンを加え、生じた沈殿物を濾取、ヘキサンにて洗浄し、標記化合物(6.5g、70%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 4.26 (2H, s), 6.77 (1H, dd, J = 2.0, 3.6 Hz), 7.31 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.65 (1H, dd, J = 0.8, 3.6 Hz), 8.05 (1H, dd, J = 0.8, 2.0 Hz), 8.51 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 4.26 (2H, s), 6.77 (1H, dd, J = 2.0, 3.6 Hz), 7.31 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.65 (1H, dd, J = 0.8, 3.6 Hz), 8.05 (1H, dd, J = 0.8, 2.0 Hz), 8.51 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz).
参考例3
3−(ジメチルアミノ)−1−(2−フリル)−2−(4−ピリジル)−2−プロペン−1−オン
3−(ジメチルアミノ)−1−(2−フリル)−2−(4−ピリジル)−2−プロペン−1−オン
1−(2−フリル)−2−(4−ピリジル)−1−エタノン(2.0g,10.7mmol)にN,N−ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(5mL)を加え、100℃にて2時間攪拌した。放冷後、反応液を酢酸エチルおよび飽和塩化アンモニウム水溶液にて希釈した。水層を酢酸エチル(×6)にて抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、濃縮し、標記化合物(2.5g,97%)を赤褐色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 2.80 (6H, br s), 6.53 (1H, br), 6.60 (1H, br), 7.10 (2H, d, J = 4.0 Hz), 7.65 (1H, br), 7.75 (1H, s), 8.44 (2H, d, J = 4.0 Hz).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 2.80 (6H, br s), 6.53 (1H, br), 6.60 (1H, br), 7.10 (2H, d, J = 4.0 Hz), 7.65 (1H, br), 7.75 (1H, s), 8.44 (2H, d, J = 4.0 Hz).
実施例1
6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
ナトリウム(6.2g、268mmol)をエタノール(700mL)に溶解させた後、3−(3−フルオロフェニル)−2−(4−ピリジル)−2−プロペンニトリル(50g、223mmol)および塩酸グアニジン(25.6g、268mmol)を順に加え、4時間加熱還流した。放冷後、溶媒を留去した。残さにテトラヒドロフラン(500mL)を加え、不溶物を濾去、濾液を濃縮した。残さおよび活性二酸化マンガン(200g)のクロロホルム(1000mL)懸濁液を2時間加熱還流した。放冷後、二酸化マンガンをセライト濾去、テトラヒドロフラン(500mL×3)およびメタノールクロロホルム(1:1)(1000mL×2)にて洗浄した。集めた濾液を濃縮した後、残さにメタノールを加えた。生じた沈殿物を濾取し、標記化合物の粗固形物(14.6g)を得た。粗結晶を、メタノールクロロホルムにて再結晶し、標記化合物(12.4g、20%)を無色固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 6.03 (2H, br s), 6.22 (2H, br s), 6.90-7.00 (2H, m), 7.01-7.12 (1H, m), 7.08 (2H, d, J = 5.6 Hz), 7.16-7.23 (1H, m), 8.43 (2H, d, J = 5.6 Hz); MS m/e (ESI) 282 (MH+).
6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
ナトリウム(6.2g、268mmol)をエタノール(700mL)に溶解させた後、3−(3−フルオロフェニル)−2−(4−ピリジル)−2−プロペンニトリル(50g、223mmol)および塩酸グアニジン(25.6g、268mmol)を順に加え、4時間加熱還流した。放冷後、溶媒を留去した。残さにテトラヒドロフラン(500mL)を加え、不溶物を濾去、濾液を濃縮した。残さおよび活性二酸化マンガン(200g)のクロロホルム(1000mL)懸濁液を2時間加熱還流した。放冷後、二酸化マンガンをセライト濾去、テトラヒドロフラン(500mL×3)およびメタノールクロロホルム(1:1)(1000mL×2)にて洗浄した。集めた濾液を濃縮した後、残さにメタノールを加えた。生じた沈殿物を濾取し、標記化合物の粗固形物(14.6g)を得た。粗結晶を、メタノールクロロホルムにて再結晶し、標記化合物(12.4g、20%)を無色固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 6.03 (2H, br s), 6.22 (2H, br s), 6.90-7.00 (2H, m), 7.01-7.12 (1H, m), 7.08 (2H, d, J = 5.6 Hz), 7.16-7.23 (1H, m), 8.43 (2H, d, J = 5.6 Hz); MS m/e (ESI) 282 (MH+).
実施例2
6−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
ナトリウム(3.2g,139mmol)を無水エタノール(200mL)に溶解させた後、塩酸4−ピリジルアセトニトリル(10.0g、64mmol)および2−フルアルデヒド(6.1mL、73.6mmol)および塩酸グアニジン(7.0g、73.3mmol)を順に加え、室温にて1時間攪拌した後、7時間加熱還流した。放冷後、不溶物を濾去、テトラヒドロフランにて洗浄し、濾液の溶媒を留去した。残さにテトラヒドロフラン(200mL)および活性二酸化マンガン(30.0g)を加え、2.5時間加熱還流した。放冷後、二酸化マンガンをセライト濾去、テトラヒドロフランにて洗浄した。集めた濾液を濃縮した後、残さにメタノールを加えた。生じた沈殿物を濾取、メタノールにて洗浄し、標記化合物(3.48g、21%)を単褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 5.88 (2H, br s), 6.15 (2H, br s), 6.18 (1H, d, J = 3.2 Hz), 6.38 (1H, dd, J = 1.8, 3.2 Hz), 7.18 (2H, dd, J = 1.4, 4.4 Hz), 7.47-7.51 (1H, m), 8.59 (2H, dd, J = 1.4, 4.4 Hz).
6−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
ナトリウム(3.2g,139mmol)を無水エタノール(200mL)に溶解させた後、塩酸4−ピリジルアセトニトリル(10.0g、64mmol)および2−フルアルデヒド(6.1mL、73.6mmol)および塩酸グアニジン(7.0g、73.3mmol)を順に加え、室温にて1時間攪拌した後、7時間加熱還流した。放冷後、不溶物を濾去、テトラヒドロフランにて洗浄し、濾液の溶媒を留去した。残さにテトラヒドロフラン(200mL)および活性二酸化マンガン(30.0g)を加え、2.5時間加熱還流した。放冷後、二酸化マンガンをセライト濾去、テトラヒドロフランにて洗浄した。集めた濾液を濃縮した後、残さにメタノールを加えた。生じた沈殿物を濾取、メタノールにて洗浄し、標記化合物(3.48g、21%)を単褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 5.88 (2H, br s), 6.15 (2H, br s), 6.18 (1H, d, J = 3.2 Hz), 6.38 (1H, dd, J = 1.8, 3.2 Hz), 7.18 (2H, dd, J = 1.4, 4.4 Hz), 7.47-7.51 (1H, m), 8.59 (2H, dd, J = 1.4, 4.4 Hz).
実施例3
4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
3−(ジメチルアミノ)−1−(2−フリル)−2−(4−ピリジル)−2−プロペン−1−オン(2.2g、9.08mmol)、塩酸グアニジン(2.6g、27.2mmol)および炭酸カリウム(7.5g、54.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)懸濁液を70℃にて12時間攪拌した。放冷後、反応液を水にて希釈した。生じた結晶を濾取、水にて洗浄し、標記化合物(1.73g,80%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 6.56 (1H, dd, J = 1.6, 3.6 Hz), 6.68 (1H, dd, J = 0.8, 3.6 Hz), 6.98 (2H, br s), 7.27 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.67 (1H, dd, J = 0.8, 1.6 Hz), 8.22 (1H, s), 8.56 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz); MS m/e (ESI) 239 (MH+).
4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
3−(ジメチルアミノ)−1−(2−フリル)−2−(4−ピリジル)−2−プロペン−1−オン(2.2g、9.08mmol)、塩酸グアニジン(2.6g、27.2mmol)および炭酸カリウム(7.5g、54.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)懸濁液を70℃にて12時間攪拌した。放冷後、反応液を水にて希釈した。生じた結晶を濾取、水にて洗浄し、標記化合物(1.73g,80%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 6.56 (1H, dd, J = 1.6, 3.6 Hz), 6.68 (1H, dd, J = 0.8, 3.6 Hz), 6.98 (2H, br s), 7.27 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.67 (1H, dd, J = 0.8, 1.6 Hz), 8.22 (1H, s), 8.56 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz); MS m/e (ESI) 239 (MH+).
実施例4
4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 7.04-7.07 (1H, m), 7.10 (2H, br s), 7.12-7.18 (1H, m), 7.14 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.20-7.26 (1H, m), 7.32-7.38 (1H, m), 8.38 (1H, s), 8.45 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz);
MS m/e (ESI) 267 (MH+).
4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 7.04-7.07 (1H, m), 7.10 (2H, br s), 7.12-7.18 (1H, m), 7.14 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.20-7.26 (1H, m), 7.32-7.38 (1H, m), 8.38 (1H, s), 8.45 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz);
MS m/e (ESI) 267 (MH+).
実施例5
4−フェニル−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δd ppm; 7.04 (2H, br s), 7.10 (2H, d, J = 5.4 Hz), 7.28-7.41 (5H, m), 8.36 (1H, s), 8.42 (2H, d, J = 5.4 Hz);
MS m/e (ESI) 249 (MH+).
4−フェニル−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δd ppm; 7.04 (2H, br s), 7.10 (2H, d, J = 5.4 Hz), 7.28-7.41 (5H, m), 8.36 (1H, s), 8.42 (2H, d, J = 5.4 Hz);
MS m/e (ESI) 249 (MH+).
実施例6
5−(4−ピリジル)−4−(2−チエニル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 6.70 (1H, dd, J = 1.2, 3.8 Hz), 6.94 (1H, dd, J = 3.8, 5.2 Hz), 6.97 (2H, br s), 7.37 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.67 (1H, dd, J = 1.2, 5.2 Hz), 8.16 (1H, s), 8.61 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz); MS m/e (ESI) 255 (MH+).
5−(4−ピリジル)−4−(2−チエニル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 6.70 (1H, dd, J = 1.2, 3.8 Hz), 6.94 (1H, dd, J = 3.8, 5.2 Hz), 6.97 (2H, br s), 7.37 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.67 (1H, dd, J = 1.2, 5.2 Hz), 8.16 (1H, s), 8.61 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz); MS m/e (ESI) 255 (MH+).
実施例7
4−(2−ピリジル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 7.02 (2H, dd, J = 1.6, 4.6 Hz), 7.09(2H, br s), 7.37-7.41 (1H, m), 7.71-7.75 (1H, m), 7.88-7.93 (1H, m), 8.34-8.37 (1H, m), 8.37 (2H, dd, J = 1.6, 4.6 Hz), 8.42 (1H, s); MS m/e (ESI) 250 (MH+).
4−(2−ピリジル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 7.02 (2H, dd, J = 1.6, 4.6 Hz), 7.09(2H, br s), 7.37-7.41 (1H, m), 7.71-7.75 (1H, m), 7.88-7.93 (1H, m), 8.34-8.37 (1H, m), 8.37 (2H, dd, J = 1.6, 4.6 Hz), 8.42 (1H, s); MS m/e (ESI) 250 (MH+).
実施例8
4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)ピリミジン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 7.08-7.15 (2H, m), 7.17 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.22-7.31 (2H, m), 8.64 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 8.77 (1H, s), 9.33 (1H, m); MS m/e (ESI) 252 (MH+).
4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)ピリミジン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm; 7.08-7.15 (2H, m), 7.17 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 7.22-7.31 (2H, m), 8.64 (2H, dd, J = 1.6, 4.4 Hz), 8.77 (1H, s), 9.33 (1H, m); MS m/e (ESI) 252 (MH+).
実施例9
4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)ピリミジン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 270 (MH+).
4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)ピリミジン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 270 (MH+).
実施例10
4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 285 (MH+).
4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 285 (MH+).
実施例11
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N,N−ジメチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 295 (MH+).
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N,N−ジメチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 295 (MH+).
実施例12
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 281 (MH+).
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 281 (MH+).
実施例13
4−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]モルホリン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 337 (MH+).
4−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]モルホリン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 337 (MH+).
実施例14
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 299 (MH+).
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 299 (MH+).
実施例15
4−[4−(3−フルオロフェニル)−2−(メチルアミノ)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン(30mg,0.101mmol)および6N塩酸(3mL)の混合物を40分間加熱還流した。反応液を放冷後、酢酸エチルにて洗浄した。水層を5N水酸化ナトリウム水溶液にて中和した後、酢酸エチルにて抽出、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濃縮した。残さをジエチルエーテルにて懸濁した後、生じた固形物を濾取、ジエチルエーテルにて洗浄し、標記化合物(20mg,67%)を得た。
MS m/e (FAB) 297 (MH+).
4−[4−(3−フルオロフェニル)−2−(メチルアミノ)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−メチルアミン(30mg,0.101mmol)および6N塩酸(3mL)の混合物を40分間加熱還流した。反応液を放冷後、酢酸エチルにて洗浄した。水層を5N水酸化ナトリウム水溶液にて中和した後、酢酸エチルにて抽出、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濃縮した。残さをジエチルエーテルにて懸濁した後、生じた固形物を濾取、ジエチルエーテルにて洗浄し、標記化合物(20mg,67%)を得た。
MS m/e (FAB) 297 (MH+).
実施例16
N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 295 (MH+).
N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 295 (MH+).
実施例17
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アセトアミド
4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン(200mg,0.751mmol)、無水酢酸(6mL)、および濃硫酸(4滴)の混合物を90℃にて16時間攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチル、水、および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(×2)および飽和食塩水にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濃縮した。残さをジエチルエーテルにて懸濁した後、生じた固形物を濾取、ジエチルエーテルにて洗浄し、標記化合物(126mg,54%)を得た。
MS m/e (FAB) 309 (MH+).
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アセトアミド
4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン(200mg,0.751mmol)、無水酢酸(6mL)、および濃硫酸(4滴)の混合物を90℃にて16時間攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチル、水、および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(×2)および飽和食塩水にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濃縮した。残さをジエチルエーテルにて懸濁した後、生じた固形物を濾取、ジエチルエーテルにて洗浄し、標記化合物(126mg,54%)を得た。
MS m/e (FAB) 309 (MH+).
実施例18
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N1−メチルアセトアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 323 (MH+).
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N1−メチルアセトアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 323 (MH+).
実施例19
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 323 (MH+).
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 323 (MH+).
実施例20
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]ブタンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 337 (MH+).
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]ブタンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 337 (MH+).
実施例21
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N1−メチルプロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 337 (MH+).
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N1−メチルプロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 337 (MH+).
実施例22
4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 281 (MH+).
4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 281 (MH+).
実施例23
N1−エチル−N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 351 (MH+).
N1−エチル−N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 351 (MH+).
実施例24
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 341 (MH+).
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 341 (MH+).
実施例25
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 337 (MH+).
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]プロパンアミド
参考例2、参考例3、実施例3および実施例17と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 337 (MH+).
実施例26
4−[2−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン
参考例2、参考例3、実施例3および実施例15と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 283 (MH+).
4−[2−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン
参考例2、参考例3、実施例3および実施例15と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 283 (MH+).
実施例27
N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 313 (MH+).
N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 313 (MH+).
実施例28
4−[2−(エチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン
参考例2、参考例3、実施例3および実施例15と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 311 (MH+).
4−[2−(エチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)−5−ピリミジニル]−1,2−ジヒドロ−2−ピリジノン
参考例2、参考例3、実施例3および実施例15と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 311 (MH+).
実施例29
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−プロピルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 309 (MH+).
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−プロピルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 309 (MH+).
実施例30
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−フェニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 343 (MH+).
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−フェニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 343 (MH+).
実施例31
N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 309 (MH+).
N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 309 (MH+).
実施例32
5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 295 (MH+).
5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 295 (MH+).
実施例33
N−[5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−N−エチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 323 (MH+).
N−[5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−N−エチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 323 (MH+).
実施例34
4−(3−フルオロフェニル)−5−(3−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 281 (MH+).
4−(3−フルオロフェニル)−5−(3−メチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 281 (MH+).
実施例35
5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 295 (MH+).
5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (FAB) 295 (MH+).
実施例36
5−(2−アミノ−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン
4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン(100mg,0.352mmol)およびアンモニア/エタノール(氷冷下、エタノールにアンモニアガスを飽和させたもの)(20mL)の混合物を封管し、150℃にて2週間攪拌した。反応液を放冷後、濃縮した。残さに酢酸エチルおよび水を加え溶解させた。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濃縮した。残さをTLCプレート(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製し、標記化合物(12mg,12%)を得た。
MS m/e (FAB) 282 (MH+).
5−(2−アミノ−4−ピリジル)−4−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニルアミン
4−(3−フルオロフェニル)−5−(2−フルオロ−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン(100mg,0.352mmol)およびアンモニア/エタノール(氷冷下、エタノールにアンモニアガスを飽和させたもの)(20mL)の混合物を封管し、150℃にて2週間攪拌した。反応液を放冷後、濃縮した。残さに酢酸エチルおよび水を加え溶解させた。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濃縮した。残さをTLCプレート(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製し、標記化合物(12mg,12%)を得た。
MS m/e (FAB) 282 (MH+).
実施例37
N4−メチル−6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 296 (MH+).
N4−メチル−6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 296 (MH+).
実施例38
N4,N4−ジメチル−6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 310 (MH+).
N4,N4−ジメチル−6−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 310 (MH+).
実施例39
N−エチル−N−[4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 267 (MH+).
N−エチル−N−[4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 267 (MH+).
実施例40
N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 310 (MH+).
N−エチル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 310 (MH+).
実施例41
N−エチル−N−[4−フェニル−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 277 (MH+).
N−エチル−N−[4−フェニル−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 277 (MH+).
実施例42
N−エチル−N−[5−(4−ピリジル)−4−(2−チエニル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 283 (MH+).
N−エチル−N−[5−(4−ピリジル)−4−(2−チエニル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 283 (MH+).
実施例43
5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(2−フリル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 267 (MH+).
5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(2−フリル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 267 (MH+).
実施例44
N−エチル−N−[5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(2−フリル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 295 (MH+).
N−エチル−N−[5−(3−エチル−4−ピリジル)−4−(2−フリル)−2−ピリミジニル]アミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 295 (MH+).
実施例45
4−(2,5−ジメチル−3−フリル)−5−(3−エチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 267 (MH+).
4−(2,5−ジメチル−3−フリル)−5−(3−エチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 267 (MH+).
実施例46
N−[4−(2,5−ジメチル−3−フリル)−5−(3−エチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−エチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 295 (MH+).
N−[4−(2,5−ジメチル−3−フリル)−5−(3−エチル−4−ピリジル)−2−ピリミジニル]−N−エチルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 295 (MH+).
実施例47
5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−6−(3−フルオロフェニル)−2,4−ピリミジンジアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 310 (MH+).
5−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−6−(3−フルオロフェニル)−2,4−ピリミジンジアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 310 (MH+).
実施例48
4−(3−メチル−2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 253 (MH+).
4−(3−メチル−2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 253 (MH+).
実施例49
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]メタンスルホンアミド
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アセトアミド(100mg,0.324mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、氷冷下、窒素雰囲気中で60%水素化ナトリウム油状物(20mg,0.500mmol)を加えた。反応液をそのまま20分間攪拌した後、メタンスルホニルクロリド(30μL,0.388mmol)を滴下し、室温にて攪拌した。1時間後、氷冷下、60%水素化ナトリウム油状物(20mg,0.500mmol)およびメタンスルホニルクロリド(30μL,0.388mmol)を追加し、室温にてさらに1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルおよび飽和塩化アンモニウム水溶液にて希釈した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化アンモニウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濃縮した。残さをTLCプレート(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製し、出発物質のスルホンアミド体(70mg)を得た。このものにテトラヒドロフラン(10mL)および1N塩酸(1mL)を加え、1時間加熱還流した。反応液を放冷後、濃縮した。残さをジエチルエーテルにて懸濁した後、生じた固形物を濾取、ジエチルエーテルにて洗浄し、標記化合物(68mg,55%)を塩酸塩として得た。
MS m/e (ESI) 345 (MH+).
N−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]メタンスルホンアミド
N1−[4−(3−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニル]アセトアミド(100mg,0.324mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、氷冷下、窒素雰囲気中で60%水素化ナトリウム油状物(20mg,0.500mmol)を加えた。反応液をそのまま20分間攪拌した後、メタンスルホニルクロリド(30μL,0.388mmol)を滴下し、室温にて攪拌した。1時間後、氷冷下、60%水素化ナトリウム油状物(20mg,0.500mmol)およびメタンスルホニルクロリド(30μL,0.388mmol)を追加し、室温にてさらに1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルおよび飽和塩化アンモニウム水溶液にて希釈した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化アンモニウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濃縮した。残さをTLCプレート(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製し、出発物質のスルホンアミド体(70mg)を得た。このものにテトラヒドロフラン(10mL)および1N塩酸(1mL)を加え、1時間加熱還流した。反応液を放冷後、濃縮した。残さをジエチルエーテルにて懸濁した後、生じた固形物を濾取、ジエチルエーテルにて洗浄し、標記化合物(68mg,55%)を塩酸塩として得た。
MS m/e (ESI) 345 (MH+).
実施例50
4,5−ジ(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 250 (MH+).
4,5−ジ(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 250 (MH+).
実施例51
4−(4−メトキシフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 279 (MH+).
4−(4−メトキシフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 279 (MH+).
実施例52
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 309 (MH+).
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5−(4−ピリジル)−2−ピリミジニルアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 309 (MH+).
実施例53
4−[2−アミノ−5−(4−ピリジル)−4−ピリミジニル]フェノール
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 265 (MH+).
4−[2−アミノ−5−(4−ピリジル)−4−ピリミジニル]フェノール
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 265 (MH+).
実施例54
メチル 3−[2−アミノ−5−(4−ピリジル)−4−ピリミジニル]ベンゾエート
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 307 (MH+).
メチル 3−[2−アミノ−5−(4−ピリジル)−4−ピリミジニル]ベンゾエート
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 307 (MH+).
実施例55
N4,N4−ジメチル−6−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 282 (MH+).
N4,N4−ジメチル−6−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)−2,4−ピリミジンジアミン
参考例2、参考例3および実施例3と同様またはこれらに準じた方法で合成した。
MS m/e (ESI) 282 (MH+).
[排便促進作用の評価]
前記方法の如くアデノシン受容体への結合能・阻害能を測定することで同定されたアデノシンA2b受容体阻害化合物、その塩、それらの水和物またはこれらを含有してなる医薬組成物の排便促進作用は、本願明細書において記載した方法に基づいて評価することができる。
前記方法の如くアデノシン受容体への結合能・阻害能を測定することで同定されたアデノシンA2b受容体阻害化合物、その塩、それらの水和物またはこれらを含有してなる医薬組成物の排便促進作用は、本願明細書において記載した方法に基づいて評価することができる。
すなわち、SD IGSラット(6ないし7週齢;チャールスリバー)を1ケージ毎に3匹入れ、自由摂食摂水のもと1週間予備飼育した。実験当日に体重を測定し、ケージ下に吸水シートを設置し、実験終了時まで絶食、自由摂水とした。絶食開始3時間後にケージ毎の便を回収し、実験前の便の異常の有無を観察した後、0.5%(W/V)メチルセルロース(MC)に懸濁した化合物を5ml/kg体重の容量で経口投与し、一方、対照群には0.5%(W/V)MCのみを経口投与した。化合物投与後、ラットを新しい吸水シートを設置したケージに戻し、投与後180分まで吸水シート上の便をケージ毎に回収し、外観を観察後、計数した。便数はケージ毎の値として表わした。
本発明にかかる化合物(I)および(II)は、いずれも優れたアデノシンA2受容体拮抗作用を示し、特にA2b受容体に対し優れた拮抗作用を示した。また、化合物(I)および(II)は、いずれも優れた排便促進作用を示した。以下に、実施例1の標題化合物の排便促進作用を示す。その他、実施例3の標題化合物の排便促進作用については、前記表の如くである。
Claims (13)
- アデノシンA2受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる排便促進剤。
- アデノシンA2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有してなる排便促進剤。
- 排便が困難および/または稀である症状を治療、予防または改善するための請求項1または2に記載の排便促進剤。
- 便秘症の治療剤、予防剤または改善剤である請求項1または2に記載の排便促進剤。
- 機能性便秘症の治療剤、予防剤または改善剤である請求項1または2に記載の排便促進剤。
- 機能性便秘症が攣縮性便秘症または弛緩性便秘症である請求項5記載の排便促進剤。
- 過敏性腸症候群またはこれに伴う便秘症の治療剤、予防剤または改善剤である請求項1または2に記載の排便促進剤。
- 器質性便秘症、腸管麻痺性イレウスに伴う便秘症、先天性消化管機能異常に伴う便秘症または腸閉塞に伴う便秘症の治療剤、予防剤または改善剤である請求項1または2に記載の排便促進剤。
- 消化管検査時または手術前後における腸管内容物排除のための請求項1または2に記載の排便促進剤。
- 化合物が2−アミノ−4−(2−フリル)−5−(4−ピリジル)ピリミジン、3−n−プロピルキサンチン、テオフィリン、カフェイン、1,3−ジプロピルキサンチン、エンプロフィリン、1−メチル−3−イソブチルキサンチン、パラキサンチン、8−フェニルテオフィリン、1,3−ジエチル−8−フェニルキサンチン、8−[4−[[[[(2−アミノエチル)アミノ]カルボニル]メチル]オキシ]フェニル]−1,3−ジプロピルキサンチン、8−[4−[[[メチル−(2−ジメチルアミノエチル)−アミノ]スルホニル]フェニル]−1,3−ジプロピルキサンチン、1,3−ジメチル−8−(p−スルホフェニル)キサンチンおよび1,3−ジプロピル−8−(p−スルホフェニル)キサンチンから選ばれる1または2以上の化合物である請求項1または2に記載の排便促進剤。
- 排便促進剤の製造を目的としたアデノシンA2受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩の使用。
- 排便促進剤の製造を目的としたアデノシンA2b受容体拮抗作用を有する化合物またはその塩の使用。
- 便秘症の治療、予防または改善を目的とした医薬製剤のためのアデノシンA2b受容体アンタゴニストの使用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Non-Patent Citations (2)
Title |
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JPN6010056571, Makoto K ET AL, "Molecular identification and pharmacological characterization of adenosine receptors in the guinea−p", British Journal of Pharmacology, 2000, Vol.129, p.871−876 * |
JPN6010056572, Julie A.P ET AL, "Ontogeny of adenosine receptors in the longitudinal muscle and muscularis mucosae of the rat distal", Naunyn−Schmiedeberg’s Archives of Pharmacology, 1999, Vol.359, p.140−146 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112011100142T5 (de) | 2010-05-28 | 2012-09-20 | Interchange Japan Corporation | Ultraschall-verstopfungsabhilfevorrichtung |
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