JP2008012957A - 車両のルーフ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両のルーフを断熱する真空断熱材の断熱性能を維持しながら組付性を高める。
【解決手段】 弾性を有する帯状の固定バンド16に設けた第1、第2取付部16b,16cを隣接する二つのルーフレール12B,12Cにそれぞれクリップ17を用いて取り付け、固定バンド16の第1、第2取付部16b,16c間に設けた断熱材固定部16aで真空断熱材14Bの下面を弾発的に付勢してルーフパネル11の下面に固定するので、真空断熱材14Bにクリップやボルトのような固定部材が貫通する孔を明ける必要がなくなり、真空断熱材14Bの真空を維持して断熱効果を確保することができる。しかも固定バンド16の弾発力で真空断熱材14Bを押さえて固定するので、接着剤や両面粘着テープのような固定部材を用いて固定する場合に比べて、真空断熱材14Bの固定作業が容易になって組付性が向上する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ルーフパネルの下面に所定間隔で固定した複数のルーフレールに挟まれた位置で、前記ルーフパネルの下面にシート状の真空断熱材を密着するように固定する車両のルーフ構造に関する。
鉄道車両の窓を除く外壁および内壁の間と、空調ダクト部の外壁の内側とに、可撓性を有する真空断熱材を接着剤あるいは両面粘着テープで固定して断熱を図るものが、下記特許文献1により公知である。
特開2006−117133号公報
ところで上記従来のものは、真空断熱材を接着剤あるいは両面粘着テープを用いて車体に固定するので、その組付作業性が著しく悪いという問題があった。そこでクリップ等を用いて真空断熱材を車体にワンタッチで固定することが考えられるが、真空断熱材にクリップ孔を形成すると真空が維持できなくなるため、せっかくの断熱性能が損なわれてしまう可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両のルーフを断熱する真空断熱材の断熱性能を維持しながら組付性を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ルーフパネルの下面に所定間隔で固定した複数のルーフレールに挟まれた位置で、前記ルーフパネルの下面にシート状の真空断熱材を密着するように固定する車両のルーフ構造であって、弾性を有する帯状の固定バンドに設けた第1、第2取付部を隣接する二つのルーフレールにそれぞれクリップを用いて取り付け、前記固定バンドの前記第1、第2取付部間に設けた断熱材固定部で前記真空断熱材の下面を弾発的に付勢して前記ルーフパネルの下面に固定することを特徴とする車両のルーフ構造が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記ルーフレールの下面を覆う第2の断熱材を前記クリップを用いて固定することを特徴とする車両のルーフ構造が提案される。
尚、実施の形態のフロントルーフレール12A、第1ミドルルーフレール12B、第2ミドルルーフレール12Cおよびリヤルーフレール12Dは本発明のルーフレールに対応し、第2の真空断熱材18は本発明の第2の断熱材に対応する。
請求項1の構成によれば、弾性を有する帯状の固定バンドに設けた第1、第2取付部を隣接する二つのルーフレールにそれぞれクリップを用いて取り付け、固定バンドの第1、第2取付部間に設けた断熱材固定部で真空断熱材の下面を弾発的に付勢してルーフパネルの下面に固定するので、真空断熱材にクリップやボルトのような固定部材が貫通する孔を明ける必要がなくなり、真空断熱材の真空を維持して断熱効果を確保することができる。しかも固定バンドの弾発力で真空断熱材を押さえて固定するので、接着剤や両面粘着テープのような固定部材を用いて固定する場合に比べて、真空断熱材の固定作業が容易になって組付性が向上する。
また請求項2の構成によれば、ルーフレールの下面を覆う第2の断熱材を、固定バンドをルーフレールに固定するクリップを利用して固定するので、部品点数および組付工数を削減することができる。しかもルーフパネルの下面だけでなくルーフレールの下面まで断熱するので、断熱効果を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の実施の形態を示すもので、図1は自動車の斜視図、図2は図1の2方向矢視図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は固定バンドの作用説明図、図6は真空断熱材の構造を説明する図である。
図1および図2に示すように、自動車の車室の上面を覆うルーフパネル11の下面に、車幅方向に延びるフロントルーフレール12A、第1ミドルルーフレール12B、第2ミドルルーフレール12Cおよびリヤルーフレール12Dが車体前方側から後方側に所定間隔で固定されるととも、ルーフパネル11の左右両側部の下面に車体前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレール13,13が固定される。
左右のルーフサイドレール13,13、フロントルーフレール12Aおよび第1ミドルルーフレール12Bに囲まれたルーフパネル11の下面に密着するように四角いシート状の前側の真空断熱材14Aが固定され、左右のルーフサイドレール13,13、第1ミドルルーフレール12Bおよび第2ミドルルーフレール12Cに囲まれたルーフパネル11の下面に密着するように四角いシート状の中央の真空断熱材14Bが固定され、左右のルーフサイドレール13,13、第2ミドルルーフレール12Cおよびリヤルーフレール12Dに囲まれたルーフパネル11の下面に密着するように四角いシート状の後側の真空断熱材14Cが固定される。
図2〜図4に示すように、第1ミドルルーフレール12Bおよび第2ミドルルーフレール12Cの断面は、底壁12aおよび一対の側壁12b,12bを備えた台形状の溝型に形成されており、その側壁12b,12bの縁部が防振シール材15を介してルーフパネル11の下面に固定される。
3枚の真空断熱材14A〜14Cは、それぞれ2本の固定バンド16,16を用いてルーフパネル11の下面に固定される。固定バンド16は弾性を有する合成樹脂で帯状に一体成形されるもので、中央の平坦な断熱材固定部16aと、その両端の第1、第2取付部16b,16cとを備えており、第1取付部16bが第1ミドルルーフレール12Bの底壁12aおよび一方の側壁12bに当接してクリップ17で固定されるとともに、第2取付部16cが第2ミドルルーフレール12Cの底壁12aおよび一方の側壁12bに当接してクリップ17で固定される。
固定バンド16は両端の第1、第2取付部16b,16cをクリップ17,17で固定された状態で、その断熱材固定部16aが中央の真空断熱材14Bをルーフパネル11の下面に弾発的に押し付けて固定する。即ち、固定バンド16の断熱材固定部16aを図3および図5に実線で示す状態から鎖線で示す状態に手で引き下げて下向きに弾性変形させ、その断熱材固定部16aとルーフパネル11の下面との間に中央の真空断熱材14Bを車幅方向に挿入した後に固定バンド16を放すと、断熱材固定部16aが自己の弾性で元の形状に復帰することでルーフパネル11の下面との間に中央の真空断熱材14Bを挟持して固定する。
第1ミドルルーフレール12Bおよび第2ミドルルーフレール12Cの下面は、それとほぼ同一形状を有する第2の真空断熱材18,18により覆われる。前記クリップ17は第2の真空断熱材18および前記固定バンド16を貫通して第1,第2ミドルルーフレール12B,12Cに係止されるようになっており、共通のクリップ17で第2の真空断熱材18および固定バンド16を共締めすることで部品点数の削減および組付工数の削減を図ることができる。
以上、中央の真空断熱材14Bの固定構造に付いて説明したが、前側および後側の真空断熱材14A,14Cの固定構造も同様である。
図6は真空断熱材14A〜14Cの構造を示すもので、不織布19をラミネート材の袋20に収納した状態で、袋20の内部の空気を開口20aから真空引きした後に、その開口20aを熱シールして密封したものである。この構造により、不織布19の繊維の間に真空の空間が形成されるため、空気の対流による熱伝達を抑制して断熱効果を発揮させることができる。
しかして、隣接する二つのルーフレール12A〜12Dに両端の第1、第2取付部16b,16cをクリップ17,17を用いて取り付けた帯状の固定バンド16が、その中央の断熱材固定部12の弾性で真空断熱材14A〜14Cの下面を弾発的に付勢してルーフパネル11の下面に固定するので、真空断熱材14A〜14Cに取付孔を形成する必要がなくなり、真空断熱材14A〜14Cの真空を維持して断熱効果を確保することができる。また固定バンド16の弾発力で真空断熱材14A〜14Cを押さえて固定するので、接着剤や両面粘着テープのような固定部材を用いて固定する場合に比べて、真空断熱材14A〜14Cの固定作業が容易になって組付性が向上する。
またルーフレール12A〜12Dの下面を覆う第2の真空断熱材18の固定に、固定バンド16をルーフレール12A〜12Dに固定するクリップ17を利用するので、特別の固定部材が不要になって部品点数および組付工数を削減することができる。しかもルーフパネル11の下面だけでなくルーフレール12A〜12Dの下面まで断熱するので、断熱効果が大幅に高められる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では固定バンド16そのものに真空断熱材14A,14B,14Cを固定する弾性を持たせているが、固定バンド16の内部に板ばねのような弾性材を埋め込んだり、固定バンド16の外部に板ばねのような弾性材を取り付けることで弾性を持たせても良い。
また第2の真空断熱材18はクリップ17が貫通するために断熱性能が多少低下する可能性があるが、第2の真空断熱材18は真空断熱材14A,14B,14Cに比べて小面積のルーフレール12A〜12Dを覆うだけであるため、その影響は無視できる範囲である。尚、第2の真空断熱材18は他の構造の断熱材に置き換えることができる。
また実施の形態では1本の固定バンド16が二つのルーフレール12A〜12Dを架橋するように設けられているが、1本の固定バンドが三つあるいはそれ以上の数のルーフレールを架橋するように設けても良い。
自動車の斜視図 図1の2方向矢視図 図2の3−3線断面図 図3の4−4線断面図 固定バンドの作用説明図 真空断熱材の構造を説明する図
符号の説明
11 ルーフパネル
12A フロントルーフレール(ルーフレール)
12B 第1ミドルルーフレール(ルーフレール)
12C 第2ミドルルーフレール(ルーフレール)
12D リヤルーフレール(ルーフレール)
14A 真空断熱材
14B 真空断熱材
14C 真空断熱材
16 固定バンド
16a 断熱材固定部
16b 第1取付部
16c 第2取付部
17 クリップ
18 第2の真空断熱材(第2の断熱材)

Claims (2)

  1. ルーフパネル(11)の下面に所定間隔で固定した複数のルーフレール(12A〜12D)に挟まれた位置で、前記ルーフパネル(11)の下面にシート状の真空断熱材(14A〜14C)を密着するように固定する車両のルーフ構造であって、
    弾性を有する帯状の固定バンド(16)に設けた第1、第2取付部(16b,16c)を隣接する二つのルーフレール(12A〜12D)にそれぞれクリップ(17)を用いて取り付け、前記固定バンド(16)の前記第1、第2取付部(16b,16c)間に設けた断熱材固定部(16a)で前記真空断熱材(14A〜14C)の下面を弾発的に付勢して前記ルーフパネル(11)の下面に固定することを特徴とする車両のルーフ構造。
  2. 前記ルーフレール(12A〜12D)の下面を覆う第2の断熱材(18)を前記クリップ(17)を用いて固定することを特徴とする、請求項1に記載の車両のルーフ構造。
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