JP2008012698A - 液体吐出装置、その吐出量導出方法及びそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の吐出量を精度よく求めることができる液体吐出装置の提供。
【解決手段】インクジェットプリンタにおいて、可撓性のインクカートリッジ24を内蔵する密閉室29の圧力が所定圧力となるように伸縮ポンプ31を制御したあと、ノズルからインクが吐出するよう印刷ヘッドを制御し、続いて密閉室29の圧力が再び所定圧力となるように伸縮ポンプ31を制御し、続いてインクの吐出前後における伸縮ポンプ31のストローク送り量に基づいてノズルから吐出されたインクの吐出量を導出する。ここで、空気供給量と伸縮ポンプ31のストローク送り量との間には一定の相関関係があるため、伸縮ポンプ31のストローク送り量に基づいて空気供給量、ひいてはインクの吐出量を精度よく導出することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体吐出装置、その吐出量導出方法及びそのプログラムに関する。
従来より、液体の残量を演算することができる液体吐出装置が知られている。例えば、特許文献1の液体吐出装置は、加圧ポンプから空気を供給可能な圧力室にインクパックを収容し、そのインクパックから記録ヘッド側にインクを導出することにより減少した体積だけ圧力室の空隙(圧力室の容積からインクパックの体積を差し引いた値)が増大するインクカートリッジを備えており、圧力室の圧力が所定値に到達するまでの加圧ポンプの空気供給量から圧力室の空隙の増加分を算出し、この増加分からインクカートリッジのインク残量を算出する。この液体吐出装置は、加圧ポンプの単位時間当たりの空気供給量(空気供給率)が一定であるという前提のもとで、加圧ポンプの駆動時間に基づいて圧力室の空隙の増加分を算出している。
特開2005−271303号公報
しかしながら、実際の加圧ポンプの空気供給率は種々の条件によって変化する。例えば、加圧ポンプの駆動モータが停止状態から定常回転状態に至るまでの期間と、定常回転している期間と、定常回転状態から停止状態に至るまでの期間とでは、加圧ポンプの空気供給率が異なるため、特許文献1の液体吐出装置のように空気供給率が一定であるという前提のもとに算出した空隙の増加分は、実際の空隙の増加分と一致しないことがある。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、液体の吐出量を精度よく求めることができる液体吐出装置、その吐出量導出方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
本発明の液体吐出装置、その吐出量導出方法及びそのプログラムは、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の液体吐出装置は、
ノズルから液体を吐出可能な液体吐出手段と、
内部に収容された液体を前記液体吐出手段に供給可能な可撓性の液体収容バッグと、
前記液体収容バッグが内部に配置された密閉室と、
伸長時に外気を吸い込み収縮時に前記密閉室へ空気を供給する伸縮ポンプと、
前記密閉室の圧力が所定圧力となるように前記伸縮ポンプを制御したあと、前記ノズルから液体が吐出するよう前記液体吐出手段を制御し、続いて前記密閉室の圧力が再び前記所定圧力となるように前記伸縮ポンプを制御し、続いて液体の吐出前後における前記伸縮ポンプのストローク送り量に基づいて前記ノズルから吐出された液体の吐出量を導出する制御手段と、
を備えたものである。
この液体吐出装置では、密閉室の圧力が所定圧力となるように伸縮ポンプを制御したあと、ノズルから液体が吐出するよう液体吐出手段を制御し、続いて密閉室の圧力が再び所定圧力となるように伸縮ポンプを制御し、続いて液体の吐出前後における伸縮ポンプのストローク送り量に基づいてノズルから吐出された液体の吐出量を導出する。ここで、密閉室の圧力を所定圧力となるようにしたあとノズルから液体を吐出させると、液体が吐出した分だけ液体収容バッグの内容量が減少し、その分だけ密閉室の空隙(密閉室の容積から液体収容バックの内容量を引いた値)が増えるため、密閉室の圧力が所定圧力よりも小さくなる。そして、ノズルから液体が吐出した後に密閉室の圧力を所定圧力となるようにすると、密閉室の空隙が増えた分だけ空気が供給される。この空気供給量と伸縮ポンプのストローク送り量との間には一定の相関関係があるため、伸縮ポンプのストローク送り量に基づいて空気供給量、ひいては液体の吐出量を精度よく導出することができる。
本発明の液体吐出装置において、前記伸縮ポンプは、伸縮可能な蛇腹部と、該蛇腹部の一端に取り付けられた固定ディスクと、前記蛇腹部の他端に取り付けられた可動ディスクと、該可動ディスクを前記固定ディスクに対して接近・離間させる作動機構とを備えたポンプであり、前記制御手段は、液体の吐出量を導出するにあたり、液体の吐出前後における前記可動ディスクの所定の基準点からの位置に基づいて前記伸縮ポンプのストローク送り量を求め、該ストローク送り量に基づいて前記ノズルから吐出された液体の吐出量を導出するとしてもよい。こうすれば、伸縮ポンプの蛇腹部は伸縮を繰り返し行ったとしても毎回ほぼ同じように変形して伸縮するため、長期間使用したとしても、密閉室への空気供給量と伸縮ポンプのストローク送り量との相関関係が一定に維持されやすく、導出される液体の吐出量の精度を高く保つことができる。
本発明の液体吐出装置において、前記伸縮ポンプは、シリンダと、該シリンダの内部に挿入されたピストンと、該ピストンを前記シリンダのヘッドに対して接近・離間させる作動機構とを備えたポンプであり、前記制御手段は、液体の吐出量を導出するにあたり、液体の吐出前後における前記ピストンの所定の基準点からの位置に基づいて前記伸縮ポンプのストローク送り量を求め、該ストローク送り量に基づいて前記ノズルから吐出された液体の吐出量を導出するとしてもよい。こうすれば、シリンダやピストンの形状は一定であるため、長期間使用したとしても、密閉室への空気供給量と伸縮ポンプのストローク送り量との相関関係が一定のままであり、導出される液体の吐出量の精度を高く保つことができる。
本発明の液体吐出装置の吐出量導出方法は、
ノズルから液体を吐出可能な液体吐出手段と、内部に収容された液体を前記液体吐出手段に供給可能な可撓性の液体収容バッグと、前記液体収容バッグが内部に配置された密閉室と、伸長時に外気を吸い込み収縮時に前記密閉室へ空気を供給する伸縮ポンプと、を備えた液体吐出装置の吐出量導出方法であって、
前記密閉室の圧力が所定圧力となるように前記伸縮ポンプを制御したあと、前記ノズルから液体が吐出するよう前記液体吐出手段を制御し、続いて前記密閉室の圧力が再び前記所定圧力となるように前記伸縮ポンプを制御し、続いて液体の吐出前後における前記伸縮ポンプのストローク送り量に基づいて前記ノズルから吐出された液体の吐出量を導出するものである。
この液体吐出装置の吐出量導出方法では、密閉室の圧力が所定圧力となるように伸縮ポンプを制御したあと、ノズルから液体が吐出するよう液体吐出手段を制御し、続いて密閉室の圧力が再び所定圧力となるように伸縮ポンプを制御し、続いて液体の吐出前後における伸縮ポンプのストローク送り量に基づいてノズルから吐出された液体の吐出量を導出する。ここで、密閉室の圧力を所定圧力となるようにしたあとノズルから液体を吐出させると、液体が吐出した分だけ液体収容バッグの内容量が減少し、その分だけ密閉室の空隙(密閉室の容積から液体収容バックの内容量を引いた値)が増えるため、密閉室の圧力が所定圧力よりも小さくなる。そして、ノズルから液体が吐出した後に密閉室の圧力を所定圧力となるようにすると、密閉室の空隙が増えた分だけ空気が供給される。この空気供給量と伸縮ポンプのストローク送り量との間には一定の相関関係があるため、伸縮ポンプのストローク送り量に基づいて空気供給量、ひいては液体の吐出量を精度よく導出することができる。なお、上述した本発明の液体吐出装置が備える各種の構成によって奏される作用・機能を実現するためのステップを追加してもよい。
本発明のプログラムは、上述した吐出量導出方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実行させるためのものである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか複数のコンピュータに分散して実行させれば、上述した吐出量導出方法の各ステップが実行されるため、上述した吐出量導出方法と同様の作用効果が得られる。
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。図1は本実施形態であるインクジェットプリンタ10の構成の概略を示す構成図、図2及び図4はインクカートリッジ24の周辺を表す部分断面図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ10は、モノクロ専用機として構成され、図1に示すように、プラテン46上を図中奥から手前へと搬送される記録紙Sにインク滴を吐出して印刷を行うプリンタ機構20と、駆動モータ14により駆動される紙送りローラ16と、プラテン46の一端に形成された非印刷領域としてのフラッシング領域44と、プラテン46の他端に形成されたキャッピング装置48と、ユーザが各種の指示を行ったりユーザへの報知を行ったりする操作パネル60と、メイン基板49上に設けられインクジェットプリンタ10全体をコントロールするコントローラ70とを備えている。
プリンタ機構20は、キャリッジベルト21によりガイド22に沿って左右に往復動するキャリッジ23と、ブラック(K)のインクを収容しキャリッジ23へインクを供給可能な可撓性を有するインクカートリッジ24と、このインクカートリッジ24から供給されたインクに圧力をかけて記録紙Sに向かって吐出する印刷ヘッド25とを備えている。
キャリッジ23は、メカフレーム12の右側に取り付けられたキャリッジモータ26のモータ軸である駆動ローラ27とメカフレーム12の左側に取り付けられた従動ローラ28との間に架設されたキャリッジベルト21がキャリッジモータ26によって駆動されるのに伴って移動する。ここでは、キャリッジ23上にインクカートリッジ24を搭載しない、いわゆるオフキャリッジ型を採用している。このキャリッジ23の背面には、キャリッジ移動方向に沿って設けられたリニアスケール42aの目盛りを読み取るフォトディテクタ42bが設けられ、このフォトディテクタ42bからの検出信号を用いてキャリッジ23の位置が管理可能となっている。
インクカートリッジ24は、可撓性の薄膜フィルムからなるバッグにインクを収容した容器である。このインクカートリッジ24は、図2に示すように、密閉室29の内部に配置され、密閉室29のインク供給口29aに液密に接続された開口部24aからインクチューブ30を介して印刷ヘッド25にインクを供給可能となっている。密閉室29は、インク供給口29aのほか、内部圧力を検出可能な圧力センサ29bや、伸縮ポンプ31からの空気が密閉室29へ供給される連通口29cを備えている。
伸縮ポンプ31は、伸縮可能な蛇腹部32と、該蛇腹部32の一端に取り付けられ蛇腹部32と密閉室29とを連通する導管33を有する固定ディスク34と、蛇腹部32の他端に取り付けられた可動ディスク35と、該可動ディスク35を固定ディスク34に対して接近・離間させる作動機構36とを備えている。作動機構36は、可動ディスク35を貫通するナット35aに螺合され一端が固定ディスク34の支持穴34aに空転自在に挿入された一対のネジ軸37,37と、各ネジ軸37の他端に固着された従動ギヤ38と、二つの従動ギヤ38,38と噛み合う駆動ギヤ39がモータ軸に固着されたポンプ作動モータ40とを備えている。このうち、ネジ軸37とナット35aとが図示しないボールを介して螺合されてボールネジを構成し、ネジ軸37が回転するのに伴ってナット35aを含む可動ディスク35が直線的に移動する。なお、導管33には、蛇腹部32から密閉室29へ空気が流入するのを許容し密閉室29から蛇腹部32へ空気が流入するのを禁止する第1の一方向弁V1が取り付けられている。また、固定ディスク34には、外気が蛇腹部32へ流入するのを許容し蛇腹部32から外部へ空気が流出するのを禁止する第2の一方向弁V2が取り付けられている。そして、ポンプ作動モータ40が正回転すると、駆動ギヤ39及び従動ギヤ38,38を介して一対のネジ軸37,37が同方向に同期して回転し、このネジ軸37,37の回転に伴って可動ディスク35が固定ディスク34に接近する。この結果、蛇腹部32は収縮され、蛇腹部32から第1の一方向弁V1を介して密閉室29へ空気が供給される(このとき、第2の一方向弁V2は閉じている)。一方、ポンプ作動モータ40が逆回転すると、駆動ギヤ39及び従動ギヤ38,38を介して一対のネジ軸37,37が先ほどとは逆向きに同期して回転し、このネジ軸37,37の回転に伴って可動ディスク35が固定ディスク34から離間する。この結果、蛇腹部32は伸長され、外気が第2の一方向弁V2を介して蛇腹部32へ流入する(このとき、第1の一方向弁V1は閉じている)。可動ディスク35には、ネジ軸37の長手方向に沿って設けられたリニアスケール41aの目盛りを読み取るフォトディテクタ41bが設けられ、このフォトディテクタ41bからの検出信号を用いて固定ディスク34を基準とする可動ディスク35の位置を管理することが可能となっている。
印刷ヘッド25は、キャリッジ23の下部に設けられており、図示しない圧電素子に電圧をかけることによりこの圧電素子を変形させてインクを加圧する方式により印刷ヘッド25の下面に設けられた多数のノズル25aからインクを吐出するものである。なお、この印刷ヘッド25は、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
フラッシング領域44は、プラテン46の印刷可能領域から図1中の左側に外れた位置に設けられ、ノズル25aの先端でインクが乾燥して固化するのを防止するために定期的又は所定のタイミングで印刷データとは無関係にインク滴を吐出させる、いわゆるフラッシング動作を行うときに利用されるものである。このフラッシング領域44は、印刷ヘッド25がキャリッジ23と共に左端まで移動したときに該印刷ヘッド25のノズル25aと対向するように設けられている。このため、フラッシング動作は、印刷ヘッド25をキャリッジ23と共に左端まで移動させたあとに行われる。
キャッピング装置48は、プラテン46の印刷可能領域から図1中の右側に外れた位置に設けられ、略直方体で上部が開口した筐体を備えている。このキャッピング装置48は、印刷ヘッド25に向かって上昇して印刷ヘッド25を封止した状態で負圧により強制的にノズル25aをクリーニングする際に利用されるほか、印刷休止中などに印刷ヘッド25が乾燥するのを防止する際にも利用される。
操作パネル60は、ユーザがインクジェットプリンタ10に対して各種の指示を入力するためのデバイスであり、各種の指示に応じた文字、図形又は記号が表示されるディスプレイ62や、ユーザが各種操作を行うためのボタン類64が設けられている
コントローラ70は、図1に示すように、メカフレーム12の背面に取り付けられたメイン基板49上に設けられ、CPU71を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM72と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM73と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ74と、ユーザPC90などの外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)75と、図示しない入出力ポートとを備えている。RAM73には、印刷バッファ領域が設けられており、この印刷バッファ領域にはユーザPC90から送られてきた印刷データが一時的に記憶される。このコントローラ70には、キャリッジ23に搭載されたフォトディテクタ42bからのポジション信号や可動ディスク35に搭載されたフォトディテクタ41bからのポジション信号、圧力センサ29bからの密閉室29の内部圧力が図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC90から出力された印刷ジョブなどがI/F75を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド25への制御信号や駆動モータ14への駆動信号、キャリッジモータ26への駆動信号、ポンプ作動モータ40への駆動信号、キャッピング装置48への駆動信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、ユーザPC90への印刷ステータス情報などがI/F75を介して出力される。
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ10の動作について説明する。図3は、コントローラ70のCPU71により実行される印刷制御ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、ROM72に記憶され、インクジェットプリンタ10の電源がオンされたあと、ユーザPC90から印刷ジョブの指令をI/F75を介して受信したときに実行される。このルーチンが開始されると、CPU71は、まず、密閉室29の内部圧力を表す圧力センサ29bの出力値が予め定められた所定圧力(例えば1.1気圧)となるようにポンプ作動モータ40を正回転することにより駆動ギヤ39を回転駆動して可動ディスク35を固定ディスク34に接近させる(ステップS100)。可動ディスク35が固定ディスク34に接近すると、蛇腹部32が収縮され、蛇腹部32から第1の一方向弁V1を介して密閉室29へ空気が供給されるため、圧力センサ29bの出力値が上昇し、ついには所定圧力に達する。このようにして密閉室29が所定圧力に達した時点で、ポンプ作動モータ40の回転を止めて可動ディスク35を停止させる。続いて、そのときの固定ディスク34を基準とする可動ディスク35の位置をフォトディテクタ41bのポジション信号から導出し、それをインク吐出前の位置Pos1としてRAM73に記憶する(ステップS110)。
続いて、印刷ジョブに含まれる印刷データのうち、キャリッジ23がガイド22に沿って片道移動する際に印刷可能なデータ(1パス分の印刷データ)が記録紙Sに印刷されるようにプリンタ機構20を制御する(ステップS120)。具体的には、印刷ジョブに含まれる印刷データのうちの1パス分をRAM73の印刷バッファから読み出し、該印刷データをビットマップイメージへ展開する。そして、プリンタ機構20の駆動モータ14を駆動して紙送りローラ16を回転させて記録紙Sをプラテン46上の印刷可能領域へ搬送したあと、キャリッジモータ26を駆動してキャリッジベルト21を介してキャリッジ23を片道移動させながら展開データが記録紙Sに印刷されるよう印刷ヘッド25への印加電圧を制御する。
このように1パス分の印刷を実行したあと、CPU71は、再び、密閉室29の内部圧力を表す圧力センサ29bの出力値が予め定められた所定圧力となるようにポンプ作動モータ40を正回転することにより駆動ギヤ39を回転駆動して可動ディスク35を固定ディスク34に接近させ(ステップS130)、そのときの固定ディスク34を基準とする可動ディスク35の位置をインク吐出後の位置Pos2としてRAM73に記憶する(ステップS140)。
続いて、可動ディスク35のインク吐出前の位置Pos1とインク吐出後の位置Pos2との差をストローク送り量として算出し、このストローク送り量に基づいて空気供給量を導出する(ステップS150)。ここでは、予め蛇腹部32のストローク送り量と伸縮ポンプ31から送出される空気供給量との関係を実験などにより求め、その関係をマップで表し該マップをROM72に記憶しておき、今回算出したストローク送り量に対応する空気供給量をそのマップから導出するものとした。なお、マップの代わりにテーブルを用いてもよいし、計算式を用いてもよい。このようにして導出した空気供給量は、今回の1パス分の印刷で消費されたインク量と一致するが、この点を図4を用いて説明する。図4では、インク吐出前のインクカートリッジ24を一点鎖線で表し、インク吐出後のインクカートリッジ24を実線で表した。インク吐出後であって伸縮ポンプ31の可動ディスク35を移動させる前の位置Pos1にある状態では、インクが吐出された分だけインクカートリッジ24の内容量が減少し、それに伴い密閉室29の空隙(密閉室29の容積からインクカートリッジ24の内容量を引いた値)が増加するから、内部圧力が所定圧力よりも低くなる。その後、伸縮ポンプ31の可動ディスク35を固定ディスク34に接近させることにより密閉室29の内部圧力を所定圧力に戻すと、可動ディスク35は位置Pos2に移動する。このとき、可動ディスク35が位置Pos1から位置Pos2まで移動したときのストローク送り量に見合った空気が密閉室29に供給される。この空気供給量は、インクが吐出された分つまりインクカートリッジ24の内容量が減少した分に相当する。
続いて、このようにして導出した空気供給量をそれまでのインク消費量に加算し、加算後の値を新たなインク消費量として不揮発性のフラッシュメモリ74に記憶する(ステップS160)。なお、インク消費量は、工場出荷時には値ゼロに設定されているものとする。その後、インク消費量を、インクカートリッジ24が空(カラ)になったか否かを判定するための閾値(ここでは工場出荷時のインクカートリッジ24のインク充填量より僅かに小さい値とする)と比較する(ステップS170)。そして、インク消費量が閾値を超えていないときには、インクカートリッジ24にインクが残っているとみなし、今回受信した印刷ジョブに含まれる印刷データの処理が完了したか否かを判定し(ステップS190)、未だ完了していないときには再びステップS100〜S170を実行する。一方、今回受信した印刷ジョブに含まれる印刷データの処理が完了したときには、そのまま本ルーチンを終了する。また、ステップS170でインク消費量が閾値を超えていたときには、インクカートリッジ24にインクが残っていないとみなし、ユーザにインク切れになったことを知らせるためのエラーメッセージを操作パネル60のディスプレイ62に表示し(ステップS180)、本ルーチンを終了する。
次に、コントローラ70のCPU71により実行されるメンテナンス制御ルーチンについて説明する。図5はメンテナンス制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ROM72に記憶され、予め定められたフラッシングの実行タイミング(例えばノズル25aからのインクの吐出回数が所定回数に至るごと)になったときや操作パネル60の図示しないクリーニングボタンが押下されたときに実行される。このルーチンが開始されると、CPU71は、まず、密閉室29の内部圧力が予め定められた所定圧力となるように可動ディスク35を作動し(ステップS200)、そのときの固定ディスク34を基準とする可動ディスク35の位置をインク吐出前の位置Pos1としてRAM73に記憶し(ステップS210)、その後、メンテナンス(フラッシング又はクリーニング)を実行する(ステップS220)。続いて、再び密閉室29の内部圧力が予め定められた所定圧力となるように可動ディスク35を作動し(ステップS230)、そのときの可動ディスク35の位置をインク吐出後の位置Pos2としてRAM73に記憶し(ステップS240)、二つの位置Pos1,Pos2に基づいて空気供給量を導出し(ステップS250)、それまでのインク消費量に今回導出した空気供給量を加算した値を新たなインク消費量とし(ステップS260)、そのインク消費量が閾値(前出)を超えているか否かを判定する(ステップS270)。そして、インク消費量が閾値を超えていないときには、そのまま本ルーチンを終了し、インク消費量が閾値を超えていたときには、操作パネル60のディスプレイ62にエラーメッセージを表示し(ステップS280)、本ルーチンを終了する。なお、ステップS200〜S280(ステップS220を除く)は実質的に前出のステップS100〜S180(ステップS120を除く)と同じである。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の印刷ヘッド25が本発明の液体吐出手段に相当し、インクカートリッジ24が液体収容バッグに相当し、密閉室29が密閉室に相当し、伸縮ポンプ31が伸縮ポンプに相当し、コントローラ70が制御手段に相当する。なお、本実施形態では、インクジェットプリンタ10の動作を説明することにより本発明の吐出量導出方法の一例も明らかにしている。
以上詳述した本実施形態のインクジェットプリンタ10によれば、密閉室29への空気供給量と伸縮ポンプ31のストローク送り量との間には一定の相関関係があるため、伸縮ポンプ31のストローク送り量に基づいて空気供給量、ひいてはインク消費量を精度よく導出することができる。
また、伸縮ポンプ31の蛇腹部32は伸縮を繰り返し行ったとしても毎回ほぼ同じように変形して伸縮するため、長期間使用したとしても、密閉室29への空気供給量と伸縮ポンプ31のストローク送り量との相関関係が一定に維持されやすく、インク消費量の精度を高く保つことができる。
更に、伸縮ポンプ31において可動ディスク35が固定ディスク34に最接近した場合には、作動機構36を作動させて可動ディスク35を固定ディスク34から離間させることにより、蛇腹部32を伸長させることができる。この過程において、第2の一方向弁V2から外気が蛇腹部32へ流入するが、第1の一方向弁V1は閉鎖されているため、密閉室29の内部圧力を維持したまま、再度伸縮ポンプ31を収縮させることにより密閉室29へ空気を供給することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、伸縮ポンプ31として蛇腹部32を利用したものを採用したが、図6に示すように、固定ディスク34と可動ディスク35との間にシリンダ132aとこのシリンダ132aの内部に挿入されたピストン132cとを有する伸縮ポンプ131を採用してもよい。この伸縮ポンプ131では、上述した実施形態と同様にして作動機構36を作動させて可動ディスク35を固定ディスク34に接近させることにより、ピストン132cをシリンダ132aのヘッド132bに近づけて空気を密閉室29へ供給することができる。こうすれば、シリンダ132aやピストン132cの形状は一定であるため、長期間使用したとしても、密閉室29への空気供給量と伸縮ポンプ131のストローク送り量との相関関係が一定のままであり、導出されるインク消費量の精度を高く保つことができる。
上述した実施形態では、インクジェットプリンタ10をモノクロ専用機として説明したが、フルカラーに対応した機種としてもよい。この場合、各色のインクカートリッジを別々の密閉室に配置し、各密閉室ごとに伸縮ポンプを設置すればよい。
上述した実施形態では、固定ディスク34を基準とする可動ディスク35の位置をフォトディテクタ41bからの出力信号に基づいて求めることとしたが、ポンプ作動モータ40が1回転したときに可動ディスク35が固定ディスク34に向かってどれだけ進むかを予め求めておき、ポンプ作動モータ40の回転数に基づいて可動ディスク35の位置を導出するようにしてもよい。
上述した実施形態では、液体吐出装置としてインクを吐出するインクジェットプリンタ10を例示したが、その他の液体吐出装置であってもよい。例えば、本発明を、インクジェット記録機構を内蔵するファクシミリ装置やコピー装置、染色装置に適用してもよいし、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、面発光ディスプレイなどの製造に用いられ電極材や色材などの液体を噴射するディスプレイ製造装置に適用してもよいし、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する生体有機物噴射装置に適用してもよいし、精密ピペットとしての試料噴射装置に適用してもよい。
インクジェットプリンタ10の概略構成を示す説明図。 インクカートリッジ24の周辺を表す部分断面図。 印刷制御ルーチンのフローチャート。 インクカートリッジ24の周辺を表す部分断面図。 メンテナンス制御ルーチンのフローチャート。 伸縮ポンプ131を表す部分断面図。
符号の説明
10 インクジェットプリンタ、12 メカフレーム、14 駆動モータ、16 紙送りローラ、20 プリンタ機構、21 キャリッジベルト、22 ガイド、23 キャリッジ、24 インクカートリッジ、24a 開口部、25 印刷ヘッド、25a ノズル、26 キャリッジモータ、27 駆動ローラ、28 従動ローラ、29 密閉室、29a インク供給口、29b 圧力センサ、29c 連通口、30 インクチューブ、31 伸縮ポンプ、32 蛇腹部、33 導管、34 固定ディスク、34a 支持穴、35 可動ディスク、35a ナット、36 作動機構、37 ネジ軸、38 従動ギヤ、39 駆動ギヤ、40 ポンプ作動モータ、41a リニアスケール、41b フォトディテクタ、42a リニアスケール、42b フォトディテクタ、44 フラッシング領域、46 プラテン、48 キャッピング装置、49 メイン基板、60 操作パネル、62 ディスプレイ、64 ボタン類、70 コントローラ、71 CPU、72 ROM、73 RAM、74 フラッシュメモリ、75 インタフェース、90 ユーザPC、131 伸縮ポンプ、132a シリンダ、132b ヘッド、132c ピストン、S 記録紙、V1 第1の一方向弁、V2 第2の一方向弁。

Claims (5)

  1. ノズルから液体を吐出可能な液体吐出手段と、
    内部に収容された液体を前記液体吐出手段に供給可能な可撓性の液体収容バッグと、
    前記液体収容バッグが内部に配置された密閉室と、
    伸長時に外気を吸い込み収縮時に前記密閉室へ空気を供給する伸縮ポンプと、
    前記密閉室の圧力が所定圧力となるように前記伸縮ポンプを制御したあと、前記ノズルから液体が吐出するよう前記液体吐出手段を制御し、続いて前記密閉室の圧力が再び前記所定圧力となるように前記伸縮ポンプを制御し、続いて液体の吐出前後における前記伸縮ポンプのストローク送り量に基づいて前記ノズルから吐出された液体の吐出量を導出する制御手段と、
    を備えた液体吐出装置。
  2. 前記伸縮ポンプは、伸縮可能な蛇腹部と、該蛇腹部の一端に取り付けられた固定ディスクと、前記蛇腹部の他端に取り付けられた可動ディスクと、該可動ディスクを前記固定ディスクに対して接近・離間させる作動機構とを備えたポンプであり、
    前記制御手段は、液体の吐出量を導出するにあたり、液体の吐出前後における前記可動ディスクの所定の基準点からの位置に基づいて前記伸縮ポンプのストローク送り量を求め、該ストローク送り量に基づいて前記ノズルから吐出された液体の吐出量を導出する、
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記伸縮ポンプは、シリンダと、該シリンダの内部に挿入されたピストンと、該ピストンを前記シリンダのヘッドに対して接近・離間させる作動機構とを備えたポンプであり、
    前記制御手段は、液体の吐出量を導出するにあたり、液体の吐出前後における前記ピストンの所定の基準点からの位置に基づいて前記伸縮ポンプのストローク送り量を求め、該ストローク送り量に基づいて前記ノズルから吐出された液体の吐出量を導出する、
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. ノズルから液体を吐出可能な液体吐出手段と、内部に収容された液体を前記液体吐出手段に供給可能な可撓性の液体収容バッグと、前記液体収容バッグが内部に配置された密閉室と、伸長時に外気を吸い込み収縮時に前記密閉室へ空気を供給する伸縮ポンプと、を備えた液体吐出装置の吐出量導出方法であって、
    前記密閉室の圧力が所定圧力となるように前記伸縮ポンプを制御したあと、前記ノズルから液体が吐出するよう前記液体吐出手段を制御し、続いて前記密閉室の圧力が再び前記所定圧力となるように前記伸縮ポンプを制御し、続いて液体の吐出前後における前記伸縮ポンプのストローク送り量に基づいて前記ノズルから吐出された液体の吐出量を導出する、
    吐出量導出方法。
  5. 請求項4に記載の吐出量導出方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのプログラム。
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