JP2008010853A - 電気化学キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車用等に用いる電気化学キャパシタに関し、正極の劣化を抑制して低抵抗化を図ることが可能な電気化学キャパシタを提供することを目的とする。
【解決手段】集電体2上に活性炭主体の分極性電極層3を形成した正極と、集電体4上に黒鉛の電極層5を形成した負極をその間にセパレータ6を介在させて巻回した素子1と、この素子1をLiイオンを含む有機系電解液と共に収容した金属ケース8からなり、上記正極に形成された分極性電極層3中の活性炭が分極性電極層3を構成する材料と接触してない部分を含む活性炭表面を炭素骨格の終端部がフッ素化するようにすると共に、集電体2と分極性電極層3の界面において集電体2が分極性電極層3を構成する材料と接触してない部分を含む集電体2表面にフッ化アルミニウム皮膜を形成した構成により、正極の劣化を抑制して低抵抗化を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器、ハイブリッド自動車や燃料電池車のバックアップ電源用や回生用、あるいは電力貯蔵用等に使用される電気化学キャパシタ及びその製造方法に関するものである。
従来から、高耐電圧で大容量、しかも急速充放電の信頼性が高いということから電気二重層コンデンサが着目され、多くの分野で使用されている。このような電気二重層コンデンサは正極、負極共に活性炭を主体とする分極性電極を電極として用いたものであり、電気二重層コンデンサとしての耐電圧は、水系電解液を使用すると1.2V、有機系電解液を使用すると2.5〜3.3Vである。電気二重層コンデンサのエネルギーは耐電圧の2乗に比例するため、耐電圧の高い有機系電解液の方が水系電解液より高エネルギーであるが、有機系電解液を使用した電気二重層コンデンサでも、そのエネルギー密度は鉛蓄電池等の二次電池の1/10以下であり、更なるエネルギー密度の向上が必要とされている。
このような背景から、活性炭を主体とする電極を正極とし、X線回折法による〔002〕面の面間隔が0.338〜0.356nmである炭素材料にあらかじめリチウムイオンを吸蔵させた電極を負極とする上限電圧3Vの二次電池が提案されている(特許文献1)。
また、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料にあらかじめ化学的方法または電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵させた炭素材料を負極に用いる二次電池が提案されている(特許文献2)。
さらに、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を、リチウムと合金を形成しない多孔質集電体に担持させる負極を有する上限電圧4Vの二次電池が提案されている(特許文献3)。
また、電気二重層コンデンサ以外に大電流充放電可能な電源としてリチウムイオン電池があるが、リチウムイオン電池は電気二重層コンデンサに比べて高電圧かつ大容量という特徴を有するが、抵抗が高く、急速充放電サイクルによる寿命が電気二重層コンデンサに比べて著しく短いという問題があった。
特開昭64−14882号公報 特開平8−107048号公報 特開平9−55342号公報
しかしながら上記従来の電気二重層コンデンサの短所を改良する目的で提案された二次電池では、高耐電圧で大容量、しかも急速充放電が可能という長所は有するものの、電圧印加時に、駆動用電解液を構成する電解質アニオンとして用いられるBF4 -やPF6 -等のF-成分が正極の集電体であるアルミニウムと反応してアルミニウムが溶出し、この溶出したアルミニウムがフッ化アルミニウム(AlF3)として分極性電極層を構成する活性炭の表面に付着してしまうために、抵抗値が上昇したり、集電体が劣化したりして二次電池としての性能が劣化するという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、正極の劣化を抑制して低抵抗化を図ることが可能な電気化学キャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、金属箔からなる集電体上に活性炭を主体とした分極性電極層を形成した正極と、金属箔からなる集電体上に炭素材料を主体とした電極層を形成した負極とを、その間にセパレータを介在させて夫々の電極層が対向した状態で積層または巻回することにより構成された素子と、この素子をリチウムイオンを含む有機系電解液と共に収容したケースと、このケースの開口部を封止した封口部材からなる電気化学キャパシタにおいて、上記正極に形成された分極性電極層中の活性炭が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む活性炭表面を炭素骨格の終端部がフッ素化するようにすると共に、集電体と分極性電極層の界面において集電体が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む集電体表面にフッ化アルミニウム皮膜を形成した構成にしたものである。
また、この電気化学キャパシタを製造する方法としては、正極をフッ素ガス雰囲気で減圧して加熱処理することにより、正極に形成された分極性電極層中の活性炭が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む活性炭表面を炭素骨格の終端部がフッ素化するようにすると共に、集電体と分極性電極層の界面において集電体が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む集電体表面にフッ化アルミニウム皮膜を形成するようにしたものである。
以上のように本発明による電気化学キャパシタは、正極に形成された分極性電極層中の活性炭表面を炭素骨格の終端部がフッ素化するようにすると共に、集電体表面にフッ化アルミニウム皮膜を形成した構成により、フッ化アルミニウムはフッ素原子とアルミニウム原子の結合が強いため、電圧印加時に正極の集電体であるアルミニウムが電解液中に溶出するのを抑制して電極箔の劣化や抵抗の増加を防止することができるようになるという効果が得られるものである。
(実施の形態)
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に全請求項に記載の発明について説明する。
図1は本発明の一実施の形態による電気化学キャパシタの構成を示した一部切り欠き斜視図、図2(a)、(b)は同電気化学キャパシタの原理を説明するために示した放電状態と充電状態の概念図であり、図1と図2において、1は素子であり、この素子1はアルミニウム箔からなる集電体2の表裏面に活性炭を主体とした分極性電極層3を形成した正極と、銅箔からなる集電体4の表裏面に黒鉛の電極層5を形成した負極とを2枚1組とし、その間にセパレータ6を介在させた状態で巻回することにより構成されているものである。
7は上記2枚の電極に夫々接続されて引き出されたリード線、8は上記素子1を駆動用電解液9と共に収容したアルミニウム製の金属ケース、10は上記素子1から一対で引き出されたリード線7が貫通する孔を有して上記金属ケース8の開口部に嵌め込まれ、金属ケース8の開口端の加工により封止を行う封口ゴムであり、以下に具体的な実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、正極として、厚さ30μmの高純度アルミニウム箔(Al:99.99%以上)を集電体2として用い、塩酸系のエッチング液中で電解エッチングして表面を粗面化した。
続いて、平均粒径5μmのフェノール樹脂系活性炭粉末と、導電性付与剤として平均粒径0.05μmのカーボンブラック、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCと呼ぶ)を、10:2:1の重量比に混合して溶解した水溶性バインダ溶液を混練機で十分に混練した後、メタノールと水の分散溶媒を少しずつ加え、更に混練して所定の粘度のペーストを作製し、このペーストを上記集電体2の表裏面に塗布し、100℃の大気中で1時間乾燥することにより分極性電極層3を形成した。
続いて、この集電体2の表裏面に分極層電極層3が形成された正極の表裏面をフッ素ガス雰囲気中で減圧して加熱処理することにより、分極性電極層3中の活性炭が分極性電極層3を構成する材料と接触していない部分を含む活性炭表面を炭素骨格の終端部がフッ素化するようにすると共に、集電体2と分極性電極層3の界面において集電体2が分極性電極層3を構成する材料と接触していない部分を含む集電体2の表面にフッ化アルミニウム皮膜を形成した。なお、このフッ素ガス処理は、上記正極を図示しない処理室に投入し、90KPaの減圧下でフッ素ガス雰囲気にした状態で、90℃で2分間加熱することにより行ったものであり、このようなフッ素ガス処理を行った正極を同処理前の正極と比較して図3に示す。
図3(a)、(b)はフッ素ガス処理前と同処理後の正極を示した断面図であり、図3(a)において、2はアルミニウム箔からなる集電体、2aはこの集電体2の表面に形成されたアルミニウムと酸素からなるAl23組成の合金層、3は分極性電極層である。また、この分極性電極層3は活性炭3aと導電助剤3bとバインダ3cにより構成されているものである。
このようにフッ素ガス処理を行う前の正極(酸化アルミニウムからなるAl23組成の合金層2aが形成され、さらにその上に活性炭3aを主成分とする分極性電極層3が形成されたもの)は、酸化アルミニウムからなるAl23組成の合金層2aが分極性電極層3と集電体2の間に介在することにより、接触抵抗を低減させる効果があるものの、この正極を駆動用電解液中に浸漬して充放電を行うと、Al23組成の合金層2aの一部からアルミニウムが溶出し、駆動用電解液中のフッ素成分と反応してAlF3化合物が生成して活性炭3aの表面に付着する。そのため、活性炭面積が低下し、電気化学キャパシタの容量が低下するようになり、しかも、上記AlF3化合物は良導体ではないために、反応が進むほど抵抗も上昇していくものであるという問題がある。
これに対して本実施の形態によりフッ素ガス処理を行った正極は、図3(b)に示すように、集電体2の表面に形成された酸化アルミニウムからなるAl23組成の合金層2aが表出している部分の表面は勿論、分極性電極層3との界面において上記合金層2aが分極性電極層3を構成する材料と接触していない部分の合金層2aの表面もフッ素化されてAlF3の合金層2bが形成されている。
また、分極性電極層3から表出している活性炭3aの表面は勿論、分極性電極層3中の活性炭3aが分極性電極層3を構成する材料(活性炭3a、導電助剤3b、バインダ3c)と接触していない部分の活性炭3aの表面も、炭素骨格の終端部がフッ素化(通常は水素(H)、または酸素(O)になっている)された状態(図示せず)になっている。
なお、このように分極性電極層3との界面において合金層2aが分極性電極層3を構成する材料と接触していない部分の合金層2aの表面や、分極性電極層3中の活性炭3aが分極性電極層3を構成する材料と接触していない部分の活性炭3aの表面にまでフッ素化されるようになるのは、上記フッ素ガス処理を減圧下で行うことにより実現できたものと思われる。
従って、このように表面がフッ素化された正極は、フッ化アルミニウムはフッ素原子とアルミニウム原子の結合が強いため、この電極体を駆動用電解液中に含浸して充放電を行っても、正極の集電体であるアルミニウムの溶出を抑制することができるようになり、容量ならびに抵抗の劣化を防止することができるようになるものである。
次に、負極として、厚さ15μmの銅箔を集電体4として用い、この集電体4の表裏面に厚さ30μm(片面厚さ)の黒鉛の電極層5を形成した。この黒鉛の電極層5は、黒鉛:アセチレンブラック:バインダ=80:10:10とし、かつ、バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン((以下、PTFEと呼ぶ)8):CMC(2)の割合で構成した。
また、製造方法としては、水にCMC・アセチレンブラック・黒鉛・PTFEの順に添加し、撹拌して混練することによりペースト状にしたものを、コンマコータやダイコータ等を用いて上記集電体4上に厚さ50μm(片面厚さ)に塗工し、これを80℃の温度で乾燥した後、線圧が75〜100kgf/cmでプレス加工することにより、厚さ30μm(片面厚さ)、電極密度が1.2〜1.5g/cm3の黒鉛の電極層5を作製し、これを所定の寸法に切断した。
続いて、この黒鉛の電極層5が表裏面に形成された集電体4をLi箔と共に、電解質カチオンとしてLi+、電解質アニオンとしてBF4 -を、溶媒として高誘電率のエチレンカーボネート(以下、ECと呼ぶ)と低粘度のジエチルカーボネート(以下、DECと呼ぶ)を体積比で1:1に混合した混合溶媒からなる電解液中に浸漬し、図示しない充放電装置の+極を集電体4に、−極をLi箔に接続した。
この状態で+極/−極間の電位差は2.5〜3V程度であるが、この電位差が0.004Vになるまで(0VになるとLiが析出するために好ましくない)定電流放電(集電体4から見ると定電流充電)を行った。そして、この+極/−極間の電位差が0.004Vの状態で5時間、または電流値が1/20になるまで定電位放電(集電体4から見ると定電位充電)を行うことにより、集電体4の表裏面に形成された電極層5を構成する黒鉛にLiイオンを吸蔵させた負極を得た。
次に、このようにして得られた正極と負極を2枚1組とし、その間にセパレータを介在させた状態で巻回することにより素子1を得て、この素子1を駆動用電解液9と共に金属ケース8内に挿入すると共に、素子1に駆動用電解液9を含浸させた。この駆動用電解液9としては、電解質カチオンとしてLi+、電解質アニオンとしてBF3(C25-を、溶媒として高誘電率のECと低粘度のDECを重量比で1:1に混合した混合溶媒を用い、これに添加剤としてリン酸を1wt%添加したものを用いた。
次に、このようにして駆動用電解液9と共に金属ケース8内に挿入された素子1から引き出されたリード線7を封口ゴム10に設けられた孔を貫通させ、この封口ゴム10を金属ケース8の開口部に嵌め込んだ後、金属ケース8の開口部近傍を絞り加工とカーリング加工することにより封止を行い、本実施の形態による電気化学キャパシタを完成させた。
このように構成された本実施の形態による電気化学キャパシタの容量/抵抗特性を測定した結果を比較例としての従来品と比較して(表1)に示す。
Figure 2008010853
(表1)から明らかなように、本実施の形態による電気化学キャパシタは、分極性電極層が形成された正極の表裏面をフッ化アルミニウムで被覆した構成により、フッ化アルミニウムはフッ素原子とアルミニウム原子の結合が強いため、電圧印加時に正極の集電体であるアルミニウムが駆動用電解液中に溶出するのを抑制して電極箔の劣化を防止することができるようになるという格別の効果が得られるものである。
なお、本実施の形態においては、上記駆動用電解液9の電解質アニオンとしてBF3(C25-を用いた例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、PF3(C253 -、(CF3SO22-、(C25SO22-、(CF3SO23-、(化1)、(化2)、PF6 -のいずれかを用いた場合でも同様の効果が得られるものであり、このような各電解質アニオンを以下に示す(a)〜(d)に分類分けし、夫々の電解質アニオンによる効果についてより詳しく説明する。
Figure 2008010853
Figure 2008010853
(a)BF3(C25-、PF3(C253 -を用いた場合
(b)(CF3SO22-、(C25SO22-、(CF3SO23-を用いた場合
(c)(化1)、(化2)を用いた場合
(d)PF6 -を用いた場合
まず、(a)のBF3(C25-、PF3(C253 -の電解質アニオンを用いた場合、従来品としてのBF4 -アニオンを用いた場合と比較して、加水分解を抑制することによるセル劣化抑制の効果とセル低抵抗化の効果が得られるものである。
この理由を説明するため、まず従来品のBF4 -アニオンを用いた場合について説明すると、BF4 -アニオンを用いた場合の加水分解は、(式1)〜(式4)のように進行し、平衡が右へ進み、H+およびF-の濃度が増大する。
Figure 2008010853
+濃度が増大すると電解液系内の酸性化が進行する。電解液が強酸性になると一般的に電気化学キャパシタや電気二重層キャパシタの電解液中の溶媒として使用される環状カーボネート系溶媒(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等)の分解(溶媒分解反応)が進むため、ガス発生や容量劣化および抵抗劣化を引き起こすことになる。なお、この溶媒分解反応は化学反応のため、温度が高いほど反応速度が速くなってセル性能劣化が大きくなる。また、(式1)〜(式4)は平衡反応であり、H+濃度により溶液内平衡が変化することは言うまでもない。
一方、F-濃度が増大すると主に正極集電体であるアルミニウム表面のアルミニウムや酸化アルミニウムがF-と反応しやすくなり、フッ化アルミニウム(主にAlF、AlF3)に変化する(アルミ腐食反応)。このアルミ腐食反応を(式5)〜(式8)で示す。
Figure 2008010853
この反応は、電気化学キャパシタセル使用中(主に電圧印加時)に緩やかに反応するため、アルミニウム表面はアルミニウムまたは酸化アルミニウムの比率が徐々に減ると共に、フッ化アルミニウムの比率が徐々に増加する。フッ化アルミニウムは有機電解液中で非常に安定であり、その皮膜が機械的、電気的または電気化学的に破壊されたとしても電解液中にフッ素源があれば修復される。すなわちアルミニウム表面を緩やかに安定化(不動態化)できる。また、フッ素とアルミニウムはその結合エネルギーが高いため、フッ化アルミニウムは特に酸もしくはアルカリ溶液中でも非常に安定な化合物を形成する。このためBF4 -アニオンは電気化学キャパシタや電気二重層キャパシタに広く利用されている。
しかし、このアルミ腐食反応は、電解液溶液内でフッ化アルミニウムを生成し、電極表面またはセパレータ表面に付着することにより、電極活物質表面、セパレータ表面を不導体のフッ化アルミニウムで覆うことになる。このため、電気化学キャパシタセルの容量劣化、抵抗劣化の要因となっているという課題がある。
フッ化アルミニウムの組成は主にAlF、AlF3であるが、AlOF、AlO(OH)、Al(OH)3等の酸素を含有した組成(構造)になっている部分も若干量は残存することは言うまでもない。また、AlOF等が若干量存在していたとしても、主組成がAlF、AlF3であれば良好な不動態皮膜として機能することは言うまでもない。
これに対し、本発明によるBF3(C25-を電解質アニオンに用いた場合には、以下の(式9)に示すようになる。
Figure 2008010853
(式9)の反応は、上記(式1)の反応と比較して右辺に進み難い。すなわち上記(式1)〜(式4)のような加水分解反応が進行しにくいため、H+発生およびF-発生を抑制できる。そのために劣化反応が抑制でき、セル容量劣化、抵抗劣化、ガス発生を抑制できると考えられる。F-発生を抑制できることから、上記(式5)〜(式8)に示すような反応は、BF4 -アニオンの場合より進行しにくい。従って、実使用上アルミニウム集電体をあらかじめ主にフッ化アルミニウムにしておくことが必須というわけではないが、長期間の使用においては、アルミニウム集電体をあらかじめ主にフッ化アルミニウムにしておく方が劣化抑制の効果が若干あるものと考えられる。
更に、BF3(C25-アニオンはBF4 -アニオンと比較して、電解液粘度が低く電導度が高い傾向があるため、電気化学キャパシタセルとして低抵抗化の効果も得られる。
このように、BF3(C25-アニオンは加水分解抑制による劣化抑制効果に加え、低抵抗化の効果が得られるものである。なお、PF3(C253 -を用いた場合も同様の効果が得られるものである。
次に、(b)の(CF3SO22-、(C25SO22-、(CF3SO23-の電解質アニオンを用いた場合について、(CF3SO22-を例に用いて説明する。
この電解質アニオンを単独で電気化学キャパシタセルに適用した場合(電極処理やリン酸系添加をしない場合)、セル容量劣化、抵抗劣化が生じるという課題がある。劣化の理由としては、アニオンの加水分解反応によってH++F- が多量に生成するため、上記(式5)〜(式8)に示したアルミ腐食反応が激しく起こるためと推定される。
このアニオンの加水分解反応について(式10)〜(式15)を用いて説明する。
Figure 2008010853
これらの式より、加水分解反応が進行すると平衡が右へ進み、F-およびH+の濃度が増大することが分かる。このため、(i)アルミ腐食反応と(ii)溶媒分解反応が進行する。
(i)アルミ腐食反応の抑制
アルミ腐食反応を抑制するため、アルミ表面をあらかじめ主にフッ化アルミニウム(AlFまたはAlF3)からなる組成にする電極処理が特に有効である。
電極活物質を有する電極に対して電極処理する場合、電極処理方法はドライプロセスとする必要がある。ウエットプロセスでは、反応生成物(主にフッ化アルミニウム等の不導体)が電極活物質表面やセパレータに付着するため、セル容量劣化や抵抗劣化の原因となるためである。このために電極へのプラズマ処理やガス処理等のドライプロセスでの処理が必要となる。
電極活物質を有さない電極に対して電極処理する場合(活物質層形成前に集電体アルミニウムのみにフッ化アルミニウムを形成する場合)には、ドライプロセスに限らず、ウエットプロセスを用いてもよい。この場合は、ウエットプロセスでも、先に述べた容量劣化や抵抗劣化を引き起こさないためである。ウエットプロセスで用いる溶液は、フッ酸含有水溶液やBF4 -アニオンやPF6 -アニオン含有電解液等、Fを含有する電解液であれば良い。好ましくはBF4 -アニオンやPF6 -アニオン含有有機系電解液がある。
なお、AlFまたはAlF3がアルミニウム集電体表面、電極表面に形成されていることは、例えばXPS分析(Al2pおよびF1s結合エネルギーの評価)により確認できる。Handbook of X−ray Photospectron Spectroscopy(Perkin−Elmer Corporation) Appendix B. Chemical States Tablesに記載されているXPS分析により得られるAl2p結合エネルギーによると、その値が76.3eVであればAlF3と同定されることが分かる。一方、アルミニウム単体:72.9eV、酸化アルミニウム:74.4〜74.7eV、水酸化アルミニウム:74.0〜74.2eV、であることが分かる。酸化アルミニウムの結合(Al−O結合)よりも強固な結合を形成する元素は、Oの電気陰性度(3.44)よりも高い元素と考えられ、該当するのはF(電気陰性度:3.98)のみである(電気陰性度値はポーリングのもの)。よって、Al−Fの結合がAl−O結合より強固な唯一の結合と推定される。よって、酸化アルミニウムの結合エネルギーよりも高エネルギー側にシフトするためにはAl−F結合が少なくとも形成される必要がある。
以上から、XPS分析により得られるAl2p結合エネルギーが74.7eVより大であれば、アルミニウム集電体表面組成はフッ化アルミニウムを有するものであり上述の腐食反応が抑制されるものと考えられる。
また、本質的にはアルミニウム表面の皮膜のAl2p結合エネルギーが74.7eVより大であれば、フッ化アルミニウムに限らず、電極(アルミニウム集電体)腐食反応は抑制できるものと考えられる。
さらに、皮膜組成が主にフッ化アルミニウムということであれば、酸化アルミニウムの結合エネルギー値の上限:74.7eVとAlF3の結合エネルギー値:76.3eVの中心値である75.5eV以上であれば皮膜組成が主にフッ化アルミニウムであると完全に言えるものと考える。
すなわち、未使用(エージング後も含む)の電気化学キャパシタセルを分解して、正極集電体表面をXPS分析した場合、Al2p結合エネルギーが少なくとも74.7eVより大、好ましくは75.5eV以上であれば、本発明によるものとみなせる。
さらに、XPS分析により、F1s結合エネルギーを評価でき、そのエネルギーが686〜687eVにあることにより、フッ化アルミニウムが形成されていることが分かる。
なお、上記XPS分析条件とは、以下に示す内容のものである。
装 置 Physical Electronics社 ESCA5400MC
X線アノード Monochromated-AlKα(1486.6eV) 14kV 200W
分析領域 直径0.6mmの円
(ii)溶媒分解反応の抑制
溶媒分解反応を抑制するため、駆動用電解液に用いる添加剤としてリン酸トリメチルを添加するのが効果的である。このメカニズム詳細は明らかではないが、電極活物質表面およびアルミニウム集電体表面に薄い不動態皮膜を形成するため、溶媒分解反応が抑制されるためと推定される。
また、上記駆動用電解液に用いる添加剤としては、リン酸の他に、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸トリメチル、リン酸エステル、亜リン酸、またはそれらの塩、またはホウ酸エステル、ホウ酸、またはその塩を用いることができ、添加量としては0.01〜20wt%の範囲が好ましい。添加量が0.01wt%未満の場合には十分に良好な不動態皮膜が形成できない場合があり、電圧印加時に正極表面が酸性を帯び、アルミニウムを溶解してしまい、電気化学キャパシタの劣化が起こってしまう。また、20wt%を超えるとアルミニウムの表面に不動態皮膜が必要以上に厚く形成されてしまい、不動態皮膜による抵抗増加を引き起こしてしまうために好ましくないものである。
以上のことから、(b)の電解質アニオンを用いた場合、(1)アルミニウム集電体表面をフッ化アルミニウムで被う、(2)リン酸トリメチル系添加剤を使用する、という(1)と(2)の両方または片方の工夫を施すことにより、(b)の電解質アニオンの本来の性能である劣化抑制(耐電圧を向上させる)能力を引き出すことができるものである。
次に、(c)の(化1)、(化2)の電解質アニオンを用いた場合について、(化1)を用いた場合を例にして説明する。
この場合には、上記(b)の電解質アニオンの場合と同じ説明(電極処理によるフッ化アルミニウム形成とリン酸系添加剤の添加による(i)アルミ腐食反応抑制と、(ii)溶媒分解反応抑制)が成り立ち、加えて上記(a)の電解質アニオンで示した加水分解反応抑制効果があるため、上記(a)、(b)の電解質アニオンの場合よりも、更に大きな劣化抑制効果が得られるものである。
上記(化1)の加水分解反応を以下の(式16)〜(式19)に示す。
Figure 2008010853
Figure 2008010853
Figure 2008010853
Figure 2008010853
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上記(式16)〜(式19)のように加水分解反応が進むと、H+とF-が増大するため、上記(b)の電解質アニオンの場合と同様に(i)アルミ腐食と(ii)溶媒分解が進む。それらを抑制するために、電極処理によるアルミ集電体表面へのフッ化アルミニウム形成と電解液中へのリン酸系添加剤の添加が効果的である。
また、上記(式16)〜(式19)は上記(式10)〜(式15)と比較すると右辺に反応が進行する度合いは少ないと考えられる。これはアニオン構造を環状にしたためと考えられる。従って、上記(化1)、(化2)のような環状アニオンは、加水分解抑制、すなわち上記(a)に分類した電解質アニオンで示した効果も併せ持つものと推定できる。
以上のことから、(c)の電解質アニオンを用いた場合には、(1)加水分解反応抑制による劣化反応抑制と、(2)アニオンの本来の性能である劣化抑制(耐電圧を向上させる)能力を引き出すことができるという2つの効果を併せ持つものである。
なお、上記(化1)、(化2)の構造において炭素末端基は全てフッ素で終端した構造で示したが、一部を水素やハロゲン原子で置き換えても同様の効果が得られるものである。
最後に、(d)のPF6 -の電解質アニオンを用いた場合について説明すると、この効果は上記(b)の電解質アニオンによる効果と電解液電導度向上によるセル低抵抗化が図れるというものである。
PF6 -アニオン単独では、BF4 -アニオン単独の場合と比較して、耐電圧は高いが、加水分解時にフッ素の解離が多く、アルミニウムの腐食が生じ、セル容量劣化、抵抗劣化が生じるという課題がある。そこで、(1)アルミニウム集電体表面をフッ化アルミニウムで被う、(2)リン酸トリメチル系添加剤を使用する、という(1)と(2)の両方または片方の工夫を施すことにより、(d)のPF6 -の電解質アニオンの本来の性能である劣化抑制(耐電圧を向上させる)能力を引き出すことが可能となるものである。
さらに、PF6 -アニオン自体はサイズが小さく、負電荷が非局在化しており、上記(b)、(c)の電解質アニオンと比較すると、低粘度で高電導度のためにセル低抵抗化を図ることができるという効果を有するものである。
なお、本発明の請求項1に記載した、正極に形成された分極性電極層中の活性炭が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む活性炭表面を炭素骨格の終端部がフッ素化するようにする(α)と共に、集電体と分極性電極層の界面において集電体が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む集電体表面にフッ化アルミニウム皮膜を形成する(β)ことにより、以下のような効果が同時に得られるものである。
すなわち、上記(α)により、正極での活性炭(活性炭自身または活性炭表面官能基)と電解液(特にアニオンや溶媒、更にその加水分解生成物等)とが電気化学的に反応する電位を高めることができる(耐電圧の向上)効果が得られる。この効果は、単セルの使用電圧を従来と同等に設定したときにおいては劣化抑制効果が得られるものといえる。
また、上記(β)により、アルミ溶出による劣化物の電極付着起因のセル容量劣化と抵抗劣化を抑制する効果が得られる。
このように、正極電極箔へのフッ素ガス処理は、(α)、(β)を同時に得ることができるため、(α)、(β)夫々の効果を同時に得ることができるという格別の効果を奏するものである。
なお、上記(α)、(β)による効果を同時に得るために、正極電極箔に対するフッ素ガス処理を行う例を用いて説明したが、特にこの方法に制限されるものではない。
例えば、先にアルミ集電体のみにフッ素ガス処理、またはフッ素プラズマ処理、またはフッ素含有溶液やフッ素含有有機電解液による電気化学的な処理等によりフッ化アルミニウムをアルミニウム集電体表面に形成した後に、表面にフッ化アルミニウムを形成したアルミニウム集電体層の両面または片面に、活性炭層を塗工や貼り合せシート形成によって形成し、最後に活性炭層に対しフッ素ガス処理、またはフッ素プラズマ処理をすることで活性炭表面官能基をフッ素原子で終端する方法等が考えられる。
これらの方法を使用することにより、次のような場合に特に良好な効果が得られる。
すなわち、単にフッ素ガス処理で(α)、(β)の両方を実現するのに、単一のフッ素ガス処理条件を設定することが困難な場合が多い。このような場合に上記の方法を使用すれば、(α)、(β)の各々について最適なフッ素化条件を設定することが可能となるため、高い量産安定性が得られるという効果を奏する。
なお、フッ素ガス処理のガス組成は、単にフッ素だけではなく、撥水性を高めるガス組成であれば良く、フッ素と不活性ガスの混合ガスが好ましく、より好ましくはフッ素と窒素の混合ガスが望ましい。なお、混合ガス比率について、その比率とキャパシタ特性を詳細に検討した結果、その比率はフッ素分圧/窒素分圧=0.26〜0.02の範囲がより望ましい。
フッ素分圧/窒素分圧比率が0.26以上の場合には、フッ素ガス処理の際に、フッ素ガスと活性炭との反応熱が大きくなって活性炭表面積が減り、セル容量減少を招くことと、活性炭表面に活性炭よりも導電率が低いフッ化炭素層が形成されるためにセル抵抗が増大する、という2つの理由でセル初期特性が著しく悪化し、実質的なセル劣化抑制効果が得られなくなると考えられる。一方、フッ素分圧/窒素分圧比率が0.02以下の場合には、活性炭表面の末端基のフッ素化やアルミニウム表面のフッ素化が充分進行しないために効果が得られないと考えられる。
以上のように、電気化学キャパシタの正極集電体のアルミニウムにフッ素処理を行うことと、活性炭表面をフッ素で終端することによってセル劣化抑制の効果が得られ、更に、アニオンと組み合わせることによってセル劣化抑制の効果が得られるものである。
これらの証明には、例えば、先に述べた、XPS分析でのAl2p結合エネルギーの測定により検証できる。初期またはエージング後、または使用済みの電気化学キャパシタセルを分解し、正負極の集電体アルミニウムについて、先に示した分析条件と同等の条件でXPS分析し、正極のAl2p結合エネルギーと負極のAl2p結合エネルギーに有意差があり、正極のAl2p結合エネルギーより負極のAl2p結合エネルギーの方が高く、かつ負極のAl2p結合エネルギーが74.7eVより大であれば、本発明によるものとみなせる。
また、活性炭表面がフッ素化している証明にも、例えばXPS分析が使用できる。初期またはエージング後、または使用済みの電気化学キャパシタセルを分解し、正極の活性炭表面の分析を実施し、C−F結合を示す287〜290eV付近にピークの一つが得られれば、本発明によるものとみなせる。
以上、本発明による内容についてのXPSによる検出方法の例について説明したが、NMR等の他の分析方法によっても検出できることは言うまでもない。
また、本発明に示したアニオン種の同定には、NMR、イオンクロマトグラフィー、FT−IR、GC−MS等の各種分析方法により同定可能であることは言うまでもない。
本発明による電気化学キャパシタ及びその製造方法は、アルミニウムが電解液中に溶出するのを抑制して電極箔の劣化を防止し、抵抗の増加を抑制することができるという効果を有し、特に、ハイブリッド自動車や燃料電池車のバックアップ電源や回生用等として有用である。
本発明の一実施の形態による電気化学キャパシタの構成を示した一部切り欠き斜視図 (a)同電気化学キャパシタの原理を説明するために示した放電状態の概念図、(b)同充電状態の概念図 (a)フッ素ガス処理前の正極を示した断面図、(b)同処理後の正極を示した断面図
符号の説明
1 素子
2、4集電体
2a Al23組成の合金層
2b AlF3組成の合金層
3 分極性電極層
3a 活性炭
3b 導電助剤
3c バインダ
5 電極層
6 セパレータ
7 リード線
8 金属ケース
9 駆動用電解液
10 封口ゴム

Claims (3)

  1. 金属箔からなる集電体上に活性炭を主体とした分極性電極層を形成した正極と、金属箔からなる集電体上に炭素材料を主体とした電極層を形成した負極とを、その間にセパレータを介在させて夫々の電極層が対向した状態で積層または巻回することにより構成された素子と、この素子をリチウムイオンを含む有機系電解液と共に収容したケースと、このケースの開口部を封止した封口部材からなる電気化学キャパシタにおいて、上記正極に形成された分極性電極層中の活性炭が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む活性炭表面を炭素骨格の終端部がフッ素化するようにすると共に、集電体と分極性電極層の界面において集電体が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む集電体表面にフッ化アルミニウム皮膜を形成した電気化学キャパシタ。
  2. 有機系電解液の電解質カチオンとしてLi+、電解質アニオンとしてBF3(C25-、PF3(C253 -、(CF3SO22-、(C25SO22-、(CF3SO23-、(化1)、(化2)、PF6 -のいずれか一つを用いた請求項1に記載の電気化学キャパシタ。
    Figure 2008010853
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  3. 金属箔からなる集電体上に活性炭を主体とした分極性電極層を形成して正極を作製する工程と、金属箔からなる集電体上に炭素材料を主体とした電極層を形成して負極を作製する工程と、上記正極と負極とをその間にセパレータを介在させて夫々の電極層が対向した状態で積層または巻回することにより素子を作製する工程と、この素子をリチウムイオンを含む有機系電解液と共にケース内に収容する工程と、このケースの開口部を封止する工程とを有した電気化学キャパシタの製造方法において、上記正極をフッ素ガス雰囲気で減圧処理することにより、正極に形成された分極性電極層中の活性炭が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む活性炭表面を炭素骨格の終端部がフッ素化するようにすると共に、集電体と分極性電極層の界面において集電体が分極性電極層を構成する材料と接触していない部分を含む集電体表面にフッ化アルミニウム皮膜を形成するようにした電気化学キャパシタの製造方法。
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