JP2008010302A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】各単位セルの燃料ガス又は酸化剤ガスを供給するための流路が水滴によって塞がれるおそれがなく、各単位セルの起電力が均一であり、安定した起電力特性の燃料電池を提供する。
【解決手段】複数の単位セル2を備えた燃料電池1であって、単位セル2は、電解質膜5をアノード6とカソード7とで挟み込んで構成される膜電極アセンブリと、この膜電極アセンブリのアノード6側に配設されてアノード6に燃料ガスを供給する燃料ガス流路11と、この膜電極アセンブリのカソード7側に配設されてカソード7に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路とを備え、少なくとも二以上の単位セル2の燃料ガス流路11又は酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有することを特徴とする燃料電池。
【選択図】図2a

Description

この発明は、複数の単位セルを備えた燃料電池に関する。
従来、複数の単位セルを備えた燃料電池においては、通常高分子電解質膜などの電解質膜をアノードとカソードとで挟み込んで膜電極アセンブリ(MEA)とし、この膜電極アセンブリの両側にこれに燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給するための流路となる溝が形成された導電性のセパレータをそれぞれ配置することで、1個の単位セルが構成されており、その単位セルが複数個積層されて、燃料電池が構成されている(例えば、特許文献1、2)。
図6は、従来の燃料電池の、セパレータの積層構造を示す斜視図であり(電解質膜、アノード、カソード等は省略されており、酸化剤ガス流路等は見えていない。)、図7は、この燃料電池1の要部分解斜視図である。図7に示した燃料電池1は、n+1個のセパレータ4(S、S、・・・、Sk−1、S、・・・、Sn、n+1(n及びkは、2≦k≦nの関係を満たす整数である。))によって、n個の単位セル2が積層されて構成されており、単位セル2は、電解質膜5をアノード6とカソード7とで挟み込んで構成される膜電極アセンブリと、この膜電極アセンブリのアノード6側に配設されてアノード6に燃料ガスを供給する燃料ガス流路11と、この膜電極アセンブリのカソード7側に配設されてカソード7に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路とを備えている。
図7に示すように、各セパレータ4には、第1貫通孔15、第2貫通孔16、第3貫通孔17、第4貫通孔18が形成されている。燃料電池1は、各セパレータ4の各第1貫通孔15が連通し、各セパレータ4の各第2貫通孔16が連通し、各セパレータ4の各第3貫通孔17が連通し、各セパレータ4の各第4貫通孔18が連通するように、複数の単位セル2がこれらのセパレータ4により挟持され積層されて構成されている。
そして、この燃料電池において、これらのセパレータ4のアノード側の面4aには、蛇行する溝によって第1貫通孔15から第2貫通孔16に連通する燃料ガス流路11が形成されており、第1貫通孔15から燃料ガスが燃料ガス流路11を第2貫通孔16に向かって流れ、この流れの途中において、燃料ガスが膜電極アセンブリ側に浸透してゆき、反応に供されるようになっている。また、図7では見えていないが、セパレータ4のカソード側の面4bには、蛇行する溝によって第3貫通孔17から第4貫通孔18に連通する酸化剤ガス流路13が形成されており、第3貫通孔17から酸化剤ガスが酸化剤ガス流路13を第4貫通孔18に向かって流れ、この流れの途中において、酸化剤ガスが膜電極アセンブリ側に浸透してゆき、反応に供されるようになっている。
このように、従来の積層型の燃料電池において、アノード6に燃料ガスを供給するための各単位セル中の燃料ガス流路11は、それぞれが並列に繋がれた構成になっており、カソード7に酸化剤ガスを供給するための各単位セル中の酸化剤ガス流路13も、それぞれが並列に繋がれた構成になっている。
特開2003−317745号公報 特開2005−44774号公報
ところで、例えば、燃料ガスとして水素ガスを用いる直接型の燃料電池の電極反応は、燃料が酸化されるアノード反応と、水素イオン及び酸素の還元によるカソード反応に大別され、それらの反応式は、次の通りである。
(アノード反応)H→2H+2e
(カソード反応)(1/2)O+2H+2e→ H
(総括反応)H+(1/2)O→ H
また、燃料ガスとしてメタノールガスを用いる直接型の燃料電池の電極反応の反応式は、次の通りである。
(アノード反応)CHOH+HO→CO+6H+6e
(カソード反応)(2/3)O+6H+6e→ 3H
(総括反応)CHOH(ガス) + (2/3)O → CO + 2H
更に、燃料ガスとしてジメチルエーテルガスを用いる直接型の燃料電池の電極反応の反応式は、次の通りである。
(アノード反応)CHOCH+3HO→2CO+12H+12e
(カソード反応)3O+12H+12e→ 6H
(総括反応)CHOCH(ガス) + 3O → 2CO + 3H
しかしながら、上記従来の燃料電池の場合には、次のような問題点を有していた。
上記の反応式からも理解されるように、燃料電池においては、カソード反応でいずれも水が生成する。また、良好な燃料電池性能を維持するために電解質膜やカソードを保湿する必要があり、通常、酸化剤ガスは湿度100%近くまで加湿されて、水蒸気との混合ガスとして供給される。更に、酸化剤ガスと電極とが効率的かつ均一に接触するように、その溝の幅は相当狭く、その深さは相当浅く設計されており、その結果、水蒸気が結露して流路を塞ぎやすい構造になっている。従来の構造の燃料電池では、カソードに酸化剤ガスを供給するための各単位セル中の酸化剤ガスの流路はそれぞれが並列に繋がれた構成になっており、圧力損失が小さいので、結露した水を押し出すことが難しい。その結露した水によって流路が塞がれた単位セルでは、酸化剤ガスの供給が滞ってその起電力が低下し、各単位セルの起電力に大きなばらつきが生じていた。
また、メタノールやジメチルエーテルを燃料ガスとする燃料電池では、上記の反応式からも理解されるように、燃料ガスと共に水を供給する必要がある。また、良好な燃料電池性能を維持するために電解質膜やカソードを保湿する必要があり、通常、燃料ガスは湿度100%近くまで加湿されて、水蒸気との混合ガスとして供給される。更に、燃料ガス及び水蒸気と電極とが効率的かつ均一に接触するように、その溝の幅は相当狭く、その深さは相当浅く設計されており、その結果、水蒸気が凝集して流路を塞ぎやすい構造になっている。従来の構造の燃料電池では、アノードに燃料ガスを供給するための各単位セル中の燃料ガスの流路はそれぞれが並列に繋がれた構成になっており、圧力損失が小さいので、結露した水を押し出すことが難しい。したがって、その結露した水によって流路が塞がれた単位セルでは、燃料ガス及び水の供給が滞ってその起電力が低下し、各単位セルの起電力に大きなばらつきが生じていた。逆に、結露した水を押し出そうとすると、燃料ガス流れすぎてしまって、燃料の利用効率が低下してしまう。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、各単位セルの燃料ガス又は酸化剤ガスを供給するための流路が水滴によって塞がれるおそれがなく、各単位セルの起電力が均一であり、安定した起電力特性の燃料電池を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、この問題を防ぐためには、複数の単位セルの燃料ガス又は酸化剤ガスを供給するための流路を、直列に繋がれた構成とすることにより、その燃料電池は、各単位セルの起電力が均一であり、安定した起電力特性が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、複数の単位セルを備えた燃料電池であって、
前記単位セルは、電解質膜をアノードとカソードとで挟み込んで構成される膜電極アセンブリと、この膜電極アセンブリのアノード側に配設されて該アノードに燃料ガスを供給する燃料ガス流路と、この膜電極アセンブリのカソード側に配設されて該カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路とを備え、
少なくとも二以上の前記単位セルの燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有することを特徴とする燃料電池である。
請求項2に記載の燃料電池は、各単位セルは第一の燃料ガス流路と第二の燃料ガス流路とを備え、少なくとも二以上の前記単位セルの第一の燃料ガス流路が直列に繋がれて第一の燃料ガス経路が形成され、かつ、その第一の燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、当該二以上の単位セルの第二の燃料ガス流路が直列に繋がれて第二の燃料ガス経路が形成されていることを特徴とする。
本明細書において、「燃料ガス流路」とは、アノードに燃料ガスを供給するための単位セル中の燃料ガスの流路を云い、「燃料ガス経路」とは、少なくとも二以上の単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれて形成される燃料ガスの経路を云う。
また、「燃料ガス経路の向き」とは、燃料ガス経路に沿って燃料ガスが供給されるときの各単位セルの順番の向きを云い、「第一の燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、当該二以上の単位セルの第二の燃料ガス流路が直列に繋がれて第二の燃料ガス経路が形成されている」とは、第一の燃料ガス経路の向きと第二の燃料ガス経路の向きとが、互いに逆の向きであって、第一の燃料ガス経路及び第二の燃料ガス経路によって、当該二以上の単位セルに対して、互いに逆の順番に、両方の側から燃料ガスが供給されるように構成されていることを意味する。
請求項3に記載の燃料電池は、前記燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路が、少なくとも二以上の前記単位セルの間を折り返して直列に繋がれていることを特徴とする。
請求項4に記載の燃料電池は、直列に繋がれた前記燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路は、その流路長が上流側の単位セルでより短く、下流側の単位セルでより長いことを特徴とする。
請求項5に記載の燃料電池は、少なくとも二以上の前記単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれて燃料ガス経路が形成され、かつ、その燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、当該二以上の単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれていることを特徴とする。
本明細書において、「酸化剤ガス流路」とは、カソードに酸化剤ガスを供給するための単位セル中の酸化剤ガスの流路を云い、「酸化剤ガス経路」とは、少なくとも二以上の単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれて形成される酸化剤ガスの経路を云う。
また、「酸化剤ガス経路の向き」とは、酸化剤ガス経路に沿って酸化剤ガスが供給されるときの各単位セルの順番の向きを云い、「燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、当該二以上の単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれている」とは、燃料ガス経路の向きと酸化剤ガス経路の向きとが、互いに逆の向きとなるよう、燃料ガス経路及び酸化剤ガス経路が構成されて、燃料ガス経路及び酸化剤ガス経路によって、当該二以上の単位セルに対して、互いに逆の順番に、両方の側から燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されるように構成されていることを意味する。
請求項6に記載の燃料電池は、直列に繋がれた前記燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路は、その流路の断面積が上流側の単位セルでより小さく、下流側の単位セルでより大きいことを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも二以上の単位セルの燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有するので、各単位セルの燃料ガス又は酸化剤ガスを供給するための流路が水滴によって塞がれるおそれがなく、各単位セルの起電力が均一であり、安定した起電力特性の燃料電池を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明の技術範囲は下記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
(実施例1)
図1は、本実施例1の燃料電池1の、セパレータの積層構造を示す斜視図である(電解質膜、アノード、カソード等は省略されている。)。図2aは、本実施例1の燃料電池1の要部分解斜視図であり、図2bは、同じ実施例1の燃料電池の反対側を示す要部分解斜視図である。
燃料電池1は、n+1個のセパレータ4(S、S、・・・、Sk−1、S、・・・、Sn、n+1(n及びkは、2≦k≦nの関係を満たす整数である。))によって、n個の単位セル2が積層されて構成されている。単位セル2は、電解質膜5をアノード6とカソード7とで挟み込んで構成される膜電極アセンブリと、この膜電極アセンブリのアノード6側に配設されてアノード6に燃料ガスを供給する燃料ガス流路11と、この膜電極アセンブリのカソード7側に配設されてカソード7に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路13とを備えている。
本実施例1の燃料電池1では、具体的には、単位セルの数は20個(n=20)であり、セパレータの数は21個である。実施例1の燃料電池で、運転開始1時間後の各単位セルの起電力を測定した(DME、OCV評価試験)。その結果を図8に示す。このとき、燃料供給量は200ml/minであり、入口燃料ガス圧力は100kPaであった。また、運転開始100時間後も、起電力の低下は観測されなかった。実施例1の燃料電池では、各単位セルの起電力が均一であり、燃料電池全体としての起電力は大きく、かつ、安定していた。
少なくとも二以上の前記単位セル2の燃料ガス流路11又は酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有するので、各単位セルの燃料ガス流路が水滴によって塞がれるおそれがなく、各単位セルの起電力が均一であり、安定した起電力特性を得ることができる。
また、本実施例1の燃料電池1では、少なくとも二以上の前記単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれて燃料ガス経路が形成され、かつ、その燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、少なくとも二以上の前記単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれている。
少なくとも二以上の単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれた構成を有することによって、上流側の燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は濃く、下流側の燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は薄くなる傾向になる。
ところが、その燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、少なくとも二以上の前記単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれているので、上流側の燃料ガス流路を備える単位セルは下流側の酸化剤ガス流路を備え、下流側の燃料ガス流路を備える単位セルは上流側の酸化剤ガス流路を備える。下流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は薄く、上流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は濃くなる傾向になる。
したがって、燃料電池全体として、上流側の酸化剤ガス流路と下流側の酸化剤ガス流路とで燃料ガス濃度にばらつきが生じるにもかかわらず、各単位セルの起電力をより均一にすることができる。
この燃料電池1は、ジメチルエーテルを燃料ガスとしている。ジメチルエーテルは液化し易く、輸送や貯蔵の取り扱いも容易であり、かつ、比較的安全である。燃料ガスとしてメタノールを使用した場合、電解質膜を透過するクロスオーバー現象により燃料の利用効率が低下してしまうのに対して、本実施例1の燃料電池においては、燃料ガスとしてジメチルエーテルを使用することにより、簡易な燃料ガス供給装置を選択することでき、燃料ガスの取り扱いを容易にし、燃料ガスの利用効率を向上させることができる。
また、燃料電池1は、充分な発電出力を得るために、n個の(nは2以上の整数であり、本実施例1の燃料電池においては、n=20)単位セル2がn+1個のセパレータ4により挟持されて構成されており、各セパレータ4には、アノード側の面4aに燃料ガス流路11が形成され、カソード側の面4bに酸化剤ガス流路13が形成されている。燃料電池1において、少なくとも二以上の単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれて形成される燃料ガス経路の圧力損失は、水蒸気が結露した場合に、その結露水を押し出す程度の適度な大きさであることが好ましい。圧力調整のし易さの点から、3〜20個の前記単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれた構成を有することが好ましい。同じく、燃料電池1において、少なくとも二以上の単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれて形成される酸化剤ガス経路の圧力損失は、水蒸気が結露した場合に、その結露水を押し出す程度の適度な大きさであることが好ましい。3〜20個の前記単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有することが好ましい。
膜電極アセンブリは、イオン導電性を有する電解質膜5をアノード6とカソード7とで挟み込んで構成されている。電解質膜5としては、例えば、パーフルオロスルホン酸、スルホン化ポリイミド、スルホン化芳香族ポリエーテルケトン、スルホン化ポリアリーレン、酸性基含有ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリフェニール、リン酸ドープ高分子材などが用いられる。
アノード6は、電気化学的反応を起こさせるための触媒層(不図示)と、多孔質カーボンペーパーなどから構成される拡散層(不図示)とを備え、触媒層は燃料ガス流路に接し、拡散層は電解質膜5に接するように構成されている。また、カソード7は、電気化学的反応を起こさせるための触媒層(不図示)と、多孔質カーボンペーパーなどから構成される拡散層(不図示)とを備え、触媒層は酸化剤ガス流路に接し、拡散層は電解質膜5に接するように構成されている。
ここで、触媒層は、あらかじめテフロン(登録商標)で撥水処理したカーボンペーパーやカーボンクロスなどからなる電極基質の片方の面に、テフロン(登録商標)により電極触媒が付着されて構成されるものである。この触媒層の厚さは、5〜20μmの範囲にあることが好ましい。拡散層は、その内部に浸透する燃料ガスを拡散させて触媒層全体に燃料ガス又は酸化剤ガスを行き渡らせるようにするためのものである。
セパレータ4は、カーボン(黒鉛)、チタン、ステンレスなどの金属製の板体である。本実施例1では、緻密なカーボン板を加工した導電性を有する基板からなっており、供給された燃料ガスや反応後の気体が外部に流出するのを防止するようになっている。また、セパレータ4のアノード側の面4aには、溝が蛇行して設けられて、アノード6に燃料ガスを供給するための燃料ガス流路11が形成されており、不図示の燃料ガスボンベにより送られた燃料ガスが、加湿されて水蒸気との混合ガスとして燃料ガス流路11を通ってアノード6の拡散層に供給されるようになっている。
さらに、各セパレータ4のカソード側の面4bには、溝が蛇行して設けられて、カソード7に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路13が形成されており、不図示の酸化剤ボンベにより送られた酸化剤ガスが、加湿されて水蒸気との混合ガスとして酸化剤ガス流路13を通ってカソード7の拡散層に供給されるようになっている。
なお、図2a及び図2bに示されたとおり、各セパレータ4(S、・・・、Sk−1、S、・・・、Sn、)において、アノード側の面4aに形成された燃料ガス流路11となる溝と、その反対側のカソード側の面4bに形成された、酸化剤ガス流路13となる溝は、互いに鏡面対称に形成されている。
また、一方の端に設けられるセパレータSには、カソード側の面4bにのみ、酸化剤ガス流路13となる溝が形成され、他方の端に設けられるセパレータSn+1では、アノード側の面4aにのみ、燃料ガス流路11となる溝が形成されている。
図2aに示されるように、各セパレータ4(Sk−1)の燃料ガス流路11の、入口側又は出口側のいずれか一方(本実施例1では、出口側)には、隣のセパレータ4(S)の出口側又は入口側のいずれか一方(本実施例1では、入口側)に連通する貫通孔16が設けられており、これによって、各単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれた構成となっている。ここで、kは、2以上の整数である。
さらに、図2bに示されるように、各セパレータ4(S)の酸化剤ガス流路13の、入口側又は出口側のいずれか一方(本実施例1では、出口側)には、隣のセパレータ4(Sk−1)の出口側又は入口側のいずれか一方(本実施例1では、入口側)に連通する貫通孔18が設けられており、これによって、各単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成となっている。
アノード6の拡散層に、燃料ガスおよび水が供給されると、その拡散層の内部に燃料ガス水とが浸透していく。これら浸透した燃料ガスおよび水は、アノード6の拡散層によって拡散されて、アノード6の触媒層に供給される。この触媒層において、ジメチルエーテルが水と反応することにより、二酸化炭素とイオン化された水素(水素イオン)と電子とが生じる(CHOCH+3HO→2CO+12H+12e)。なお、余った水は電解質膜5に浸透し、これによりアノード6の拡散層、アノード6の触媒層および電解質膜5が保湿される。
アノード6の触媒層において生じた電子は、外部回路を通ってカソード7の触媒層に電流として流れる。また、アノード6の触媒層において生じた水素イオンは、電解質膜5を通ってカソード7の触媒層に移動する。なお、直列に繋がれているので、水蒸気が結露しても、速やかに、燃料ガス経路を通って二酸化炭素とともに排出される。カソード7の触媒層には、酸化剤ガス流路13およびカソード7の拡散層を介して、酸化剤ガスが供給されており、この酸化剤ガス中の酸素と水素イオンと電子とが反応して水が生成される(3O+12H+12e→ 6HO)。そして、外部回路に流れた電子により生じた電流が直流電流として利用される。
ここで、燃料ガス流路11は、蛇行して形成されているため、燃料ガス及び水をアノード6の拡散層の表面に沿って蛇行させることができ、そのためアノード6の拡散層の全体に行き渡らせるように効率よくそれら燃料ガスと水を供給することができる。また、酸化剤ガス流路もまた、蛇行して形成されているため、酸化剤ガス及び水をカソード7の拡散層の表面に沿って蛇行させることができ、そのためカソード7の拡散層の全体に行き渡らせるように効率よくそれら酸化剤ガスと水を供給することができる。
(比較例)
図6、図7に示す構造の燃料電池であって、燃料ガスとしてジメチルエーテル(DME)を用い、実施例1の燃料電池と、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路の断面形状が矩形で等しく、幅と深さも等しく、それぞれの流路の長さが等しく、同じ数の単位セルを積層した従来例の燃料電池を準備した。
本比較例の燃料電池で、運転開始1時間後の各単位セルの起電力を測定した(DME、OCV評価試験)。その結果を図9に示す。このとき、燃料供給量は200ml/minであり、入口燃料ガス圧力は50kPaであった。
本比較例の燃料電池では、各単位セルの起電力にばらつきが大きく、凝縮して生成した水滴によって流路が塞がれたと思われる単位セルの起電力が低下していた。その単位セルが大きな電気抵抗となって、燃料電池全体としての起電力が損なわれ、また、不安定な起電力の原因になっていると考えられる。
(実施例2)
図3は、本実施例2の燃料電池の、燃料ガス流路11、12が形成されたセパレータの積層構造を示したものである(電解質膜、アノード、カソード等は省略されており、酸化剤ガス流路等は見えていない。)。
本実施例2の燃料電池と上記実施例1の燃料電池とは基本的構成は同一であるが、本実施例2における燃料電池は、各単位セルは第一の燃料ガス流路11と第二の燃料ガス流路12を備え、少なくとも二以上の前記単位セルの第一の燃料ガス流路11が直列に繋がれて第一の燃料ガス経路が形成され、かつ、その第一の燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、当該二以上の単位セルの第二の燃料ガス流路12が直列に繋がれて第二の燃料ガス経路が形成されている。この燃料電池は、n+1個の(nは2以上の整数であり、本実施例2の燃料電池においては、n=10)セパレータと、n個の単位セルとを備え、これらのセパレータ(S〜Sn+1)のうち、セパレータ(S〜Sn+1)のアノード側の面4aには、それぞれ第一の燃料ガス流路11及び第二の燃料ガス流路12の複数の燃料ガス流路が形成されており、k−1番目のセパレータSk−1の第一の燃料ガス流路11の出口が次のk番目のセパレータSの第一の燃料ガス流路11の入口に連通し、k番目のセパレータSの第一の燃料ガス流路11の出口が次のk+1番目のセパレータSk+1の第一の燃料ガス流路11の入口に連通し、同様にして、n番目のセパレータSの第一の燃料ガス流路11の出口がn+1番目のセパレータSn+1の第一の燃料ガス流路11の入口に連通している。そして、2番目のセパレータSの第一の燃料ガス流路11の入口に燃料ガス及び水蒸気が混合された供給ガスを供給することにより、これらのセパレータ(S〜Sn+1)のアノード側の面4aのおよそ半分の面に燃料ガスと水が供給されて反応に供され、アノード反応により発生した二酸化炭素はn+1番目のセパレータSn+1の第一の燃料ガス流路11の出口から排出されるようになっている。
更に、n+1番目のセパレータSn+1の第二の燃料ガス流路12の出口がn番目のセパレータSの第二の燃料ガス流路12の入口に連通し、同様にして、k+1番目のセパレータSK+1の第二の燃料ガス流路12の出口がk番目のセパレータSの第二の燃料ガス流路12の入口に連通し、k番目のセパレータSの第二の燃料ガス流路12の出口がk−1番目のセパレータSk−1の第二の燃料ガス流路12の入口に連通している。2番目のセパレータSまで同様である。そして、n+1番目のセパレータSn+1の第二の燃料ガス流路11の入口に燃料ガス及び水蒸気が混合された供給ガスを供給することにより、これらのセパレータ(S〜Sn+1)のアノード側の面4aの残りの面を含めた全体に燃料ガスと水が供給されて反応に供され、アノード反応により発生した二酸化炭素は2番目のセパレータSの第二の燃料ガス流路12の出口側から排出されるようになっている。
少なくとも二以上の単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれた構成を有することによって、上流側の燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は濃く、下流側の燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は薄くなる傾向になる。ところが、本実施例2の燃料電池においては、このように、第一の燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、第二の燃料ガス流路が直列に繋がれて第二の燃料ガス経路が形成されているので、各単位セルの、燃料ガス流路の平均燃料ガス濃度が全体として略均一になり、その結果、各単位セルの起電力はより均一になる。そして、上記実施例1と同様の効果を奏することによって、供給ガスが安定して流れ、流路が水滴によって塞がれるおそれがなく、安定した起電力特性の燃料電池を提供することができる。
本実施例2の燃料電池においては、第一の燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、第二の燃料ガス流路が直列に繋がれているが、この構成に代えて、又は、この構成に加えて、各単位セルは第一の酸化剤ガス流路と第二の酸化剤ガス流路を備え、少なくとも二以上の前記単位セルの第一の酸化剤ガス流路が直列に繋がれて第一の酸化剤ガス経路が形成され、かつ、その第一の酸化剤ガス経路の向きとは逆の向きに、当該二以上の単位セルの第二の酸化剤ガス流路が直列に繋がれて第二の酸化剤ガス経路が形成されていることも好ましい。
少なくとも二以上の単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有することによって、上流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は濃く、下流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は薄くなる傾向になる。ところが、このように、第一の酸化剤ガス経路の向きとは逆の向きに、当該二以上の単位セルの第二の酸化剤ガス流路が直列に繋がれて第二の酸化剤ガス経路が形成されているので、各単位セルの、酸化剤ガス流路の平均酸化剤ガス濃度が全体として略均一になり、その結果、各単位セルの起電力はより均一になる。
(実施例3)
図4は、本実施例3の燃料電池の、燃料ガス流路11、12が形成されたセパレータの積層構造を示したものである(電解質膜、アノード、カソード等は省略されており、酸化剤ガス流路等は見えていない。)。
本実施例3の燃料電池と上記実施例1の燃料電池とは基本的構成は同一であるが、本実施例3における燃料電池は、各単位セルの燃料ガス流路が、これらの単位セルの間を折り返して直列に繋がれている。この燃料電池は、n+1個の(nは2以上の整数であり、本実施例3の燃料電池においては、n=10)セパレータと、n個の単位セルとを備え、これらのセパレータ(S〜Sn+1)のうち、セパレータ(S〜Sn+1)のアノード側の面4aには、それぞれ第一の燃料ガス流路11及び第二の燃料ガス流路12の複数の燃料ガス流路が形成されており、k−1番目のセパレータSk−1の第一の燃料ガス流路11の出口が次のk番目のセパレータSの第一の燃料ガス流路11の入口に連通し、k番目のセパレータSの第一の燃料ガス流路11の出口が次のk+1番目のセパレータSk+1の第一の燃料ガス流路11の入口に連通し、同様にして、n番目のセパレータSの第一の燃料ガス流路11の出口がn+1番目のセパレータSn+1の第一の燃料ガス流路11の入口に連通し、n+1番目のセパレータSn+1の第一の燃料ガス流路11の出口がn+1番目のセパレータSn+1の第二の燃料ガス流路12の入口に連通し、n+1番目のセパレータSn+1の第二の燃料ガス流路12の出口がn番目のセパレータSの第二の燃料ガス流路12の入口に連通し、更に、k+1番目のセパレータSK+1の第二の燃料ガス流路12の出口がk番目のセパレータSの第二の燃料ガス流路12の入口に連通し、k番目のセパレータSの第二の燃料ガス流路12の出口がk−1番目のセパレータSk−1の第二の燃料ガス流路12の入口に連通している。そして、2番目のセパレータSの第一の燃料ガス流路11の入口に燃料ガス及び水蒸気が混合された供給ガスを供給することにより、これらのセパレータ(S〜Sn+1)のアノード側の面4aの全体に燃料ガスと水が供給されて、反応に供するように構成されている。アノード反応により発生した二酸化炭素は2番目のセパレータSの第二の燃料ガス流路12の出口側から排出される。
少なくとも二以上の単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれた構成を有することによって、上流側の燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は濃く、下流側の燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は薄くなる傾向になる。ところが、本実施例3の燃料電池においては、このように、各単位セルの燃料ガス流路が、これらの単位セルの間を折り返して直列に繋がれているので、各単位セルの、燃料ガス流路の平均燃料ガス濃度が全体として略均一になり、その結果、各単位セルの起電力はより均一になる。そして、上記実施例1と同様の効果を奏することによって、供給ガスが安定して流れ、流路が水滴によって塞がれるおそれがなく、安定した起電力特性の燃料電池を提供することができる。
本実施例3の燃料電池においては、燃料ガス流路が、少なくとも二以上の単位セルの間を折り返して直列に繋がれているが、この構成に代えて、又は、この構成に加えて、酸化剤流路が、少なくとも二以上の単位セルの間を折り返して直列に繋がれていることも好ましい。
少なくとも二以上の単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有することによって、上流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は濃く、下流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は薄くなる傾向になる。ところが、このように、各単位セルの酸化剤ガス流路が、これらの単位セルの間を折り返して直列に繋がれているので、各単位セルの、酸化剤ガス流路の平均酸化剤ガス濃度が全体として略均一になり、その結果、各単位セルの起電力はより均一になる。
(実施例4)
図5は、本実施例4の燃料電池の、燃料ガス流路11、12が形成されたセパレータの積層構造を示したものである(電解質膜、アノード、カソード等は省略されており、酸化剤ガス流路等は見えていない。)。
本実施例4の燃料電池と上記実施例3の燃料電池とは基本的構成は同一であるが、本実施例4における燃料電池は、各単位セルの燃料ガス流路が、これらの単位セルの間を折り返して直列に繋がれているとともに、直列に繋がれた前記燃料ガス流路の流路長が上流側の単位セルでより短く、下流側の単位セルでより長く構成されている。
すなわち、セパレータ(S〜Sn+1)のアノード側の面4aに形成された第一の燃料ガス流路11において、最も上流側の単位セルを構成するセパレータSの第一の燃料ガス流路11の流路長が最も短く、下流側の単位セルを構成するセパレータの第一の燃料ガス流路11の流路長は徐々に長く、最も下流側の単位セルを構成するセパレータSn+1の第一の燃料ガス流路11の流路長が最も長く構成されている。
更に、セパレータ(S〜Sn+1)のアノード側の面4aに形成された第二の燃料ガス流路12において、最も上流側の単位セルを構成するセパレータSn+1の第二の燃料ガス流路12の流路長が最も短く、下流側の単位セルを構成するセパレータの第二の燃料ガス流路12の流路長は徐々に長く、最も下流側の単位セルを構成するセパレータSの第二の燃料ガス流路12の流路長が最も長く構成されている。
このように、本実施例4の燃料電池では、各単位セルの燃料ガス流路が、これらの単位セルの間を折り返して直列に繋がれているとともに、直列に繋がれた前記燃料ガス流路は、燃料ガスの濃度が高い上流側の燃料ガス流路の流路長が短く、燃料ガスの濃度が低い下流側の燃料ガス流路の流路長が長く構成されているので、上記実施例3と同様の効果を奏することができるだけでなく、各単位セルのアノードの全体に、比較的均一に起電力を発生させることができる。
本実施例4の燃料電池においては、直列に繋がれた燃料ガス流路の流路長が上流側の単位セルでより短く、下流側の単位セルでより長く構成されているが、この構成に代えて、又は、この構成に加えて、直列に繋がれた酸化剤ガス流路の流路長が上流側の単位セルでより短く、下流側の単位セルでより長く構成されていることも好ましい。
少なくとも二以上の単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有することによって、上流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は濃く、下流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は薄くなる傾向になる。ところが、このように、直列に繋がれた酸化剤ガス流路の流路長が上流側の単位セルでより短く、下流側の単位セルでより長く構成されているので、各単位セルの、各単位セルの起電力はより均一になる。
(実施例5)
本実施例5の燃料電池と上記実施例1の燃料電池とは基本的構成は同一であるが、本実施例5における燃料電池においては、直列に繋がれた燃料ガス流路の断面積が上流側の単位セルでより小さく、下流側の単位セルでより大きく形成されている。燃料ガス流路の断面積は、セパレータ4のアノード側の面の溝の深さと幅によって調整することができる。
少なくとも二以上の単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれた構成を有することによって、上流側の燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は濃く、下流側の燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は薄くなる傾向になる。
ところが、本実施例5における燃料電池では、このように、直列に繋がれた燃料ガス流路の断面積が上流側の単位セルでより小さく、下流側の単位セルでより大きいので、上流側の単位セルで、燃料ガス流路を流れる混合ガスの流速は速く、下流側の単位セルで、燃料ガス流路を流れる混合ガスの流速は遅い。すなわち、上流側の単位セルでは、燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は濃く、流速は速い。また、下流側の単位セルで、燃料ガス流路を流れる混合ガスの燃料ガス濃度は薄く、流速は遅い。その結果、本実施例5における燃料電池は、上流側の燃料ガス流路と下流側の燃料ガス流路とで燃料ガス濃度にばらつきが生じるにもかかわらず、上記実施例1と同様の効果を奏することができるだけでなく、燃料電池全体として、各単位セルの起電力が均一であり、安定した起電力特性の燃料電池を提供することができる。また、下流側の単位セルで燃料ガス流路の断面積をより大きく形成することは、各単位セルの燃料ガス流路の圧力損失を低減するためにも好ましい。
本実施例5の燃料電池においては、直列に繋がれた燃料ガス流路の断面積が上流側の単位セルでより小さく、下流側の単位セルでより大きく形成されているが、この構成に代えて、又は、この構成に加えて、直列に繋がれた酸化剤ガス流路の断面積が上流側の単位セルでより小さく、下流側の単位セルでより大きく形成することも好ましい。
少なくとも二以上の単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有することによって、上流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は濃く、下流側の酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は薄くなる傾向になる。
ところが、直列に繋がれた酸化剤ガス流路の断面積が上流側の単位セルでより小さく、下流側の単位セルでより大きいので、上流側の単位セルで、酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの流速は速く、下流側の単位セルで、酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの流速は遅い。すなわち、上流側の単位セルでは、酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は濃く、流速は速い。また、下流側の単位セルで、酸化剤ガス流路を流れる混合ガスの酸化剤ガス濃度は薄く、流速は遅い。その結果、上流側の酸化剤ガス流路と下流側の酸化剤ガス流路とで酸化剤ガス濃度にばらつきが生じるにもかかわらず、上記実施例1と同様の効果を奏することができるだけでなく、燃料電池全体として、各単位セルの起電力が均一であり、安定した起電力特性の燃料電池を提供することができる。また、下流側の単位セルで酸化剤ガス流路の断面積をより大きく形成することは、各単位セルの酸化剤ガス流路の圧力損失を低減するためにも好ましい。
なお、上記実施例1から実施例5においては、燃料ガスをジメチルエーテルとしたが、これに限ることはなく、水素やメタノールなどであってもよい。但し、ジメチルエーテルとした方がメタノールに対してメリットがあるのは上述した通りである。また、燃料ガス流路11、12及び酸化剤ガス流路13を蛇行させるものとしたが、これに限ることはなく、直線状にしたりその形は適宜変更してもよい。但し、蛇行させた方が利用効率が良くなる点で好ましいのは上述した通りである。
また、上記実施例1から実施例5においては、各単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれて、1本の燃料ガス経路が形成される構成となっているが、直列に繋がれる各単位セルの燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路の個数は、圧力調整のし易さの点から、3〜20個が好ましい。燃料電池の出力を大きくするためには、単に直列に接続する燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路の個数を多くするだけでは、圧力損失が大きくなって効果が薄い。そこで、このようにして各単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれて形成された燃料ガス経路、又は、各単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれて形成された酸化剤ガス経路を更に並列に繋いで、ひとつの燃料電池を形成する構成を採用することもできる。
また、燃料ガスを加湿する装置や酸化剤ガスを加湿する装置としては既知の装置を適宜使用することができ、これらには圧力調整手段を備えることが好ましい。燃料ガスと水、又は、酸化剤ガスと水をそれぞれ適切な圧力、流量にて供給することができる。圧力調整手段としては、例えば、差圧調整弁などの圧力調整用の弁を用いることができる。
本発明に係る燃料電池の、燃料ガス流路11又は酸化剤ガス流路13が形成されたセパレータの積層構造を示す斜視図である。 本発明に係る実施例1の燃料電池の要部分解斜視図である。 同じ実施例1の燃料電池の反対側を示す要部分解斜視図である。 本発明に係る実施例2の燃料電池の、燃料ガス流路11、12が形成されたセパレータの積層構造を示す斜視図である。 本発明に係る実施例3の燃料電池の、燃料ガス流路11、12が形成されたセパレータの積層構造を示す斜視図である。 本発明に係る実施例4の燃料電池の、燃料ガス流路11、12が形成されたセパレータの積層構造を示す斜視図である。 従来例の燃料電池の、燃料ガス流路11又は酸化剤ガス流路13が形成されたセパレータの積層構造を示す斜視図である。 従来例の燃料電池の要部分解斜視図である。 実施例1の燃料電池の、各単位セルの起電力の測定結果である。 比較例の燃料電池の、各単位セルの起電力の測定結果である。
符号の説明
1、10:燃料電池
2:単位セル
4、S、S、Sk−1、S、Sn−1、S、Sn+1:セパレータ
4a:アノード側の面
4b:カソード側の面
5:電解質膜
6:アノード
7:カソード
11:燃料ガス流路(第一の燃料ガス流路)
12:燃料ガス流路(第二の燃料ガス流路)
13:酸化剤ガス流路
15:第1貫通孔
16:貫通孔(第2貫通孔)
17:第3貫通孔
18:貫通孔(第4貫通孔)

Claims (6)

  1. 複数の単位セルを備えた燃料電池であって、
    前記単位セルは、電解質膜をアノードとカソードとで挟み込んで構成される膜電極アセンブリと、この膜電極アセンブリのアノード側に配設されて該アノードに燃料ガスを供給する燃料ガス流路と、この膜電極アセンブリのカソード側に配設されて該カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路とを備え、
    少なくとも二以上の前記単位セルの燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路が直列に繋がれた構成を有することを特徴とする燃料電池。
  2. 各単位セルは第一の燃料ガス流路と第二の燃料ガス流路とを備え、少なくとも二以上の前記単位セルの第一の燃料ガス流路が直列に繋がれて第一の燃料ガス経路が形成され、かつ、その第一の燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、当該二以上の単位セルの第二の燃料ガス流路が直列に繋がれて第二の燃料ガス経路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路が、少なくとも二以上の前記単位セルの間を折り返して直列に繋がれていることを特徴とする、請求項1記載の燃料電池。
  4. 直列に繋がれた前記燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路は、その流路長が上流側の単位セルでより短く、下流側の単位セルでより長いことを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の燃料電池。
  5. 少なくとも二以上の前記単位セルの燃料ガス流路が直列に繋がれて燃料ガス経路が形成され、かつ、その燃料ガス経路の向きとは逆の向きに、当該二以上の単位セルの酸化剤ガス流路が直列に繋がれていることを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の燃料電池。
  6. 直列に繋がれた前記燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路は、その流路の断面積が上流側の単位セルでより小さく、下流側の単位セルでより大きいことを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれかに記載の燃料電池。

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