JP2008009828A - モーションコントローラの位置指令作成方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】指令周期毎に今回値と前回値の差である位置指令差分速度VCが指定された速度に到達するまで加速させる位置指令を作成する過程で、これ以上の加速をさせると指定された加速度ACに従って位置決め位置に減速停止できないと判断した場合は、位置決め位置に減速停止可能な最大の速度となる位置指令差分速度VMから位置指令を作成し、また、速度と時間の関係から形成される速度パターンが左右対称となるような位置指令を作成するものである。
【選択図】図2
Description
しかし、スポット溶接などのショートピッチ作業による短い距離の位置決め作業については、台形パターンと異なり、その動作に適合した速度パターンが用いられる。図5はショートピッチ作業の場合などに指令される加速度がゼロとなる一定速度区間が存在しない三角パターンの指令である。すなわち、図5において、縦軸は速度、横軸は時間である。正の勾配の線分L1は加速であり、負の勾配の線分L2は減速である。勾配ゼロの線分がこの線図にはないので、ここには定速領域がないことになる。
従来の位置指令作成方法は、図6のように、指令周期T1〜T6[単位ms]、位置決め位置[単位p]、速度[単位p/ms]、加速度[p/ms2]で、与えられた制御パラメータに従って、図5のような三角パターンを実現するように指令周期毎の位置指令を作成すると、図7に示す指令周期毎の速度と時間の関係図において、今回指令周期の時刻T1[ms]で、現在速度ゼロから加速度に従って加速する位置指令[p]を作成する。次回指令周期の時刻T2で再び時刻T1の速度から加速度による位置指令を作成する。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、指令周期毎に今回値と前回値の差である位置指令差分速度が指定された速度に到達するまで加速させる位置指令を作成する過程で、これ以上の加速をさせると指定された加速度に従って位置決め位置に減速停止できないと判断した場合は、位置決め位置に減速停止可能な最大の速度となる位置指令差分速度から位置指令を作成してショートビッチ作業に適合した一定速度期間の無い三角パターンが実現できると共に、その三角パターンを左右対称とすることができるモーションコントローラの一指令作成方法および装置を提供することを目的としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のモーションコントローラの位置指令作成方法において、前記位置指令差分速度VCと位置決め時間の関係から形成される速度パターンが左右対称となるように前記位置指令を作成することを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載のモーションコントローラの位置指令作成方法において、前記速度パターンが頂点に達した場合に、これ以上の加速が不可能と判断したとき、前回位置指令差分速度VPに残移動距離TDを加速度ACで除算した余り値TAを加算して今回位置指令差分速度とすることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載のモーションコントローラの位置指令作成方法において、前記減速停止可能な最大の位置指令差分速度VMが、位置決め位置TPまでの残移動距離TDと、加速度ACを用いて算出することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、モーションコントローラの位置指令作成装置に係り、各種演算結果を出力するCPUと設定された周期で定周期信号を出力する定周期発生回路と定周期信号を入力としてCPUに割り込み信号を出力する割り込み回路を備えたCPUユニットと、ユーザアプリケーションプログラムと位置指令作成処理が記述された位置指令作成プログラムおよび制御パラメータを記憶したRAMと、を有し、前記ユーザアプリケーションプログラムなどにより与えられた指定位置と指定速度と加速度に従って、一定の指令周期で位置指令を与え補間するモーションコントローラの指令作成装置において、前記位置指令作成プログラムが、前記指令周期毎に前記加速度に従って、前記位置指令の今回値と前回値の差である位置指令差分速度VCが前記指定速度に到達するまで加速する前記位置指令を作成し、その過程で、これ以上、前記位置指令差分速度を加速させると前記減速度で前記指定位置に減速停止できない場合は、前記減速度で前記指令位置に減速停止可能な最大の前記位置指令差分速度VMになるように前記位置指令を作成することを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のモーションコントローラの位置指令作成装置において、前記位置指令差分速度VCと位置決め時間の関係から形成される速度パターンが左右対称になるように前記位置指令を作成することを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載のモーションコントローラの位置指令作成装置において、前記速度パターンが頂点に達した場合、これ以上の加速が不可能と判断したとき、前回位置指令差分速度VPに残移動距離TDを加速度ACで除算した余り値TAを加算して今回位置指令差分速度とすることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項5記載のモーションコントローラの位置指令作成装置において、前記減速停止可能な最大の位置指令差分速度VMが、位置決め位置TPまでの残移動距離TDと、加速度ACより算出することを特徴としている。
また、指令周期毎に今回値と前回値の差である位置指令差分速度が指定された速度に到達するまで加速させる位置指令を作成する過程で、これ以上の加速をさせると指定された加速度に従って位置決め位置に減速停止できないと判断した場合は、速度と時間の関係から形成される三角速度パターンが左右対称となる速度から位置指令を作成するので、位置決め作業時間の短縮と同時に、速度パターンを滑らかにすることができる。
図1において、1は接続された制御機器をコントロールするモーション・コントローラ、2−n(n=1、2、・・・)はコントローラ1から出力される指令に従って、接続されるサーボモータの回転駆動を制御するサーボドライブ、3−nはサーボモータ、4はコントローラとサーボドライブ、サーボドライブとサーボモータを接続するモーションネットワーク、5は各種演算結果を出力するCPUと設定された周期で定周期信号を出力する定周期発生回路と定周期信号を入力としてCPUに割り込み信号を出力する割り込み回路を備えたCPUユニット、6はユーザによって記述されたユーザアプリケーションプログラム7と位置指令作成処理が記述された位置指令作成プログラム8や各種制御パラメータ等を記憶したRAM、9はオペレータ等が各種制御パラメータ等を入力する為の入力装置である。
なお、コントローラ1は本来コントローラとして機能するための機能ブロックや通信処理を実行するための機能ブロックを当然備えているものであるが、本発明の説明には直接関係しないため図示していない。
また、本実施例では予め入力装置9によって位置決め位置と送り速度と加速度がオペレータ等によって設定されているものとする。
以降に記述する位置指令差分速度VCとは、今回と前回の指令周期で作成した位置指令の差分値を示す。
図3と図4は、グラフ横軸が時間T1〜T5[単位ms]を、縦軸が速度0〜500[単位p/ms]を表している。又、各パラメータ表については、上から、時間[ms]、位置指令差分速度[p/ms]、位置指令[p]、を示す。
はじめに、ソフトウェア割り込みによって起動する図2の位置指令作成プログラム8の説明をする。なお、このプログラムの初回起動時は減速要求フラグはOFFに初期化された状態でスタートするものとする。
まず、S1において、減速領域に入ったことを示す減速要求フラグがオンであるかどうかを判断する。
減速要求フラグがONである場合はS2で減速時VC設定処理を行う。S2では、次式(1)式のように
VC=VP−AC ……(1)
前回位置指令差分速度VPから加速度ACを減算した値を今回位置指令差分速度VCとする。
但し、保存してある前回指令周期の位置指令差分速度:VPと比較し、VP<ACである場合はこれ以上の減速ができないことから、所定の例外処理にてVCを決定する。
さらに求めたVCで走行する距離より、位置決め位置TPまでの残移動距離TDが小さい場合(VC>TD)、今回指令周期の位置指令によって十分位置決め位置TPに到達可能であること意味するので、位置決め位置TPまでの残移動距離TDを今回位置指令差分速度VCによるものとし(VC=TD)、次ステップであるS3に遷移する。
一方、S1で減速要求フラグがONでないと判断された場合は加速領域として、S11で保存しておいた前回指令周期の位置指令差分速度VPを取得し、次式(2)式のように、
VC=VP+AC ……(2)
予め設定されている加速度ACを加算して、暫定的に今回指令周期の位置指令差分速度VCとする。
次にS12において、今回位置指令差分速度VCと予め設定されている送り速度FCとの値の大小を比較して、VC>FCであれば、今回位置指令差分速度VCで送り速度FCに到達すると判断し、S13で次式(3)式のように送り速度FCを今回位置指令差分速度VCとする。
VC=FC ……(3)
VC=VM ……(5)
S24にて減速要求フラグをONにして、S3のステップに遷移する。
また、S22で、VM>VCである場合は、加速することが可能と判断して、今回位置指令差分速度VCは更新せずそのままS3のステップに遷移する。
最終的に各分岐処理は、S3において合流し、今回でTPに到達可能か(TD=<VC)を判断して、S4にて減速要求フラグをOFFに戻し、S5において各ステップで更新された今回位置指令差分速度VCは、前回周期の位置指令に加算して、今回指令周期の位置指令として下位サーボドライブに出力する。最後にS6にて今回位置指令差分速度VCを次回指令周期で参照するためにVPとして保存しておく。
図3、図4は、図2に示す位置指令作成方法と図6で与えられた制御パラメータに従って、本発明をシミュレーションしたものである。
図3の時刻T3において、与えられた加速度に従って位置決め位置に減速停止できないと判断し、減速停止可能な最大速度を今回位置指令差分速度としているので、加速度がゼロとなる一定速度区間が存在しない三角パターンとなり、位置決め時間が最小となる位置指令となっている。
しかし、図3に示す三角パターンは、頂点で速度パターンが左右非対称となっている。これを解消するために、本実施例に追加するのは、図4のT3の時刻、つまり図2のS22において、これ以上の加速は不可能と判断した場合、S23にて次式(6)式のように、
VC=VP+TA ……(6)
前回位置指令差分速度VPに残移動距離TDを加速度ACで除算した余り値TAを加算して今回位置指令差分速度とする。
これにより、図4に示す三角パターンは、図3の三角パターンと異なり、つまり演算結果として、
図3のT3時における、
位置指令差分速度VC=570[p/ms]、
位置指令 =1170[p]
が、図4のT3時では、
位置指令差分速度VC=500[p/ms]
位置指令 =1100[p]
に減算され、T4、T5時も同様に減算調整されて、三角パターンの頂点で速度パターンが左右対称となる滑らかな速度パターンとなっている。
このように、指令周期毎に今回値と前回値の差である位置指令差分速度が、指定された速度に到達するまで加速させる位置指令を作成する過程で、これ以上の加速をさせると指定された加速度に従って位置決め位置に減速停止できないと判断した場合は、位置決め位置に減速停止可能な最大の速度となる位置指令差分速度から位置指令を作成するので、位置決め作業時間を最小にすることができる。
また、速度と時間の関係から形成される速度パターンが左右対称となる速度から位置指令を作成するので、位置決め作業時間の短縮と同時に、速度パターンを滑らかにすることができる。
なお、本発明の他の用途としては、モータなどの可動体を制御する数値制御装置の用途などに適用できる。
2n(n=1、2、・・・) サーボドライブ
3n(n=1、2、・・・) サーボモータ
4 モーションネットワーク
5 CPUユニット
6 RAM
7 ユーザアプリケーションプログラム
8 位置指令作成プログラム
9 入力装置
Claims (8)
- ユーザアプリケーションプログラムなどにより与えられた指定位置と指定速度と加速度に従って、一定の指令周期で位置指令を与え補間するモーションコントローラの指令作成方法において、
前記指令周期毎に前記加速度に従って、前記位置指令の今回値と前回値の差である位置指令差分速度VCが前記指定速度FCに到達するまで加速する前記位置指令を作成する過程で、これ以上、前記位置指令差分速度を加速させると減速度で前記指定位置に減速停止できない場合は、前記減速度で前記指令位置に減速停止可能な最大の前記位置指令差分速度VMになるように前記位置指令を作成することを特徴とするモーションコントローラの位置指令作成方法。 - 前記位置指令差分速度VCと位置決め時間の関係から形成される速度パターンが左右対称となるように前記位置指令を作成することを特徴とする請求項1記載のモーションコントローラの位置指令作成方法。
- 前記速度パターンの頂点において、これ以上の加速が不可能と判断した場合、前回位置指令差分速度VPに残移動距離TDを加速度ACで除算した余り値TAを加算して今回位置指令差分速度とすることを特徴とする請求項2記載のモーションコントローラの位置指令作成方法。
- 前記減速停止可能な最大の位置指令差分速度VMは、位置決め位置TPまでの残移動距離TDと、加速度ACを用いて算出することを特徴とする請求項1記載のモーションコントローラの位置指令作成方法。
- 各種演算結果を出力するCPUと設定された周期で定周期信号を出力する定周期発生回路と定周期信号を入力としてCPUに割り込み信号を出力する割り込み回路を備えたCPUユニットと、ユーザアプリケーションプログラムと位置指令作成処理が記述された位置指令作成プログラムおよび制御パラメータを記憶したRAMと、を有し、前記ユーザアプリケーションプログラムなどにより与えられた指定位置と指定速度と加速度に従って、一定の指令周期で位置指令を与え補間するモーションコントローラの指令作成装置において、
前記位置指令作成プログラムが、前記指令周期毎に前記加速度に従って、前記位置指令の今回値と前回値の差である位置指令差分速度VCが前記指定速度に到達するまで加速する前記位置指令を作成し、その過程で、これ以上、前記位置指令差分速度を加速させると前記減速度で前記指定位置に減速停止できない場合は、前記減速度で前記指令位置に減速停止可能な最大の前記位置指令差分速度VMになるように前記位置指令を作成することを特徴とするモーションコントローラの位置指令作成装置。 - 前記位置指令差分速度VCと位置決め時間の関係から形成される速度パターンが左右対称になるように前記位置指令を作成することを特徴とする請求項5記載のモーションコントローラの位置指令作成装置。
- 前記速度パターンの頂点において、これ以上の加速が不可能と判断した場合、前回位置指令差分速度VPに残移動距離TDを加速度ACで除算した余り値TAを加算して今回位置指令差分速度とすることを特徴とする請求項6記載のモーションコントローラの位置指令作成装置。
- 前記減速停止可能な最大の位置指令差分速度VMは、位置決め位置TPまでの残移動距離TDと、加速度ACより算出することを特徴とする請求項5記載のモーションコントローラの位置指令作成装置。
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