JP2008008608A - 高温再生器及び吸収冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷変化にかかわらず気液分離器から冷媒蒸気と高濃度の吸収溶液とを確実に取り出すことができる高温再生器及びこれを備える吸収冷凍機を提供すること。
【解決手段】加熱され濃縮される希溶液Swを下方から上方に向かって流す液管10と、液管10に、液管10の下部から希溶液Swを供給する液室14と、液管10で希溶液Swが加熱されることによって発生した1次冷媒蒸気Vpと濃度が上昇した濃溶液Saとの混合流体Fmを導入し、混合流体Fmから1次冷媒蒸気Vpと濃溶液Saとを分離する、液室14と連通する第1の気液分離器22と、1次冷媒蒸気Vpを導入し、1次冷媒蒸気Vpに同伴する、希溶液Swよりも高濃度の溶液である戻り溶液Srと、導出冷媒蒸気Vaとに分離する第2の気液分離器24とを備える高温再生器32A、及びこれを備える吸収冷凍機。
【選択図】図1

Description

本発明は高温再生器及び吸収冷凍機に関し、特に負荷の変化にかかわらず冷媒蒸気と高濃度の吸収溶液とを確実に取り出すことができる高温再生器、及びこのような高温再生器を備える吸収冷凍機に関する。
近年の地球環境保全意識の高まりを背景に、より省エネルギーに資する三重効用冷凍機の採用が推奨されている。三重効用吸収冷凍機では、一般に、作動温度が最も高い高温再生器内の圧力が大気圧以上となるので、貫流ボイラ式の高温再生器が適している。
図7に、吸収冷凍機に用いられる従来の貫流ボイラ式の高温再生器90を示す。高温再生器90は、環状の上部管寄せ91及び下部管寄せ92の間に多数の液管93を設け、その内側上部の中央部に燃焼装置94を設けている。この高温再生器90は次のように作用する。吸収器等(不図示)から下部管寄せ92に供給された希吸収溶液Swを、燃焼装置94によって、加熱沸騰させ、発生した冷媒蒸気Vと濃度が上昇した吸収溶液S(以下濃溶液Sという)の混合体を連絡管96を介して気液分離器97に導く。気液分離器97内で濃溶液Sと分離された冷媒蒸気Vは、気液分離器97の上部に形成された取り出し口97aから高温再生器90よりも作動温度が低い再生器(不図示)に熱源として供給され、濃溶液Sは気液分離器97の下部に形成された濃溶液取り出し口97bから吸収器等(不図示)に向けて導出される。濃溶液取り出し口97bから導出されない余剰の濃溶液Sは濃溶液戻り管98を介して下部管寄せ92に還流する。そして、作動温度が低い再生器(不図示)への冷媒蒸気Vの供給、及び吸収器等(不図示)への濃溶液Sの供給を安定して行うために、気液分離器97では冷媒蒸気相及び濃溶液相の両相が分離された状態で存在するように調整される。
しかしながら、吸収冷凍機の高温再生器では冷凍負荷の変化に伴い、高温再生器に供給される希溶液量が変化し、同時に、発生する冷媒蒸気量も変化する。上述の貫流ボイラ式の高温再生器(図7参照)では、負荷が高い場合には高温再生器に供給される希溶液量が増大し燃焼装置の燃焼量が大きくなるために気液分離器内に供給される濃溶液と冷媒蒸気量が多量となり、気液の分離が不十分となって冷媒蒸気中に濃溶液が混入する場合があり、また、運転状況によっては濃溶液の取り出し量が安定しない場合があった。
本発明は上述の課題に鑑み、高温再生器における負荷の変化にかかわらず気液分離器から冷媒蒸気と高濃度の吸収溶液とを確実に取り出すことができる高温再生器、及びこのような高温再生器を備える吸収冷凍機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る高温再生器は、例えば図1に示すように、加熱され濃縮される希溶液Swを下方から上方に向かって流す液管10と;液管10に、液管10の下部から希溶液Swを供給する液室14と;液管10で希溶液Swが加熱されることによって発生した1次冷媒蒸気Vpと濃度が上昇した濃溶液Saとの混合流体Fmを導入し、混合流体Fmから1次冷媒蒸気Vpと濃溶液Saとを分離する、液室14と連通する第1の気液分離器22と;1次冷媒蒸気Vpを導入し、1次冷媒蒸気Vpに同伴する、希溶液Swよりも高濃度の溶液である戻り溶液Srと、導出冷媒蒸気Vaとに分離する第2の気液分離器24とを備える。ここで「導出冷媒蒸気」は冷媒蒸気であり、1次冷媒蒸気との区別を容易にするためにこのように呼称する。
このように構成すると、第1の気液分離器から濃溶液を取り出し、第2の気液分離器から導出冷媒蒸気を取り出すことができ、濃溶液と導出冷媒蒸気とを確実に取り出すことができる高温再生器となる。
また、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る高温再生器32Aにおいて、液管10で発生した混合流体Fmが第1の気液分離器22に導入される際の流通抵抗(圧力損失)が、第1の気液分離器22への濃溶液Saの導入の妨げにならない程度に低減されて構成されるとよい。このように構成すると、負荷が低く液管で発生する冷媒蒸気量が少ないために、冷媒蒸気に同伴して気液分離器に導かれるはずの液管で発生した濃溶液が気液分離器まで到達しないことを回避することができ、気液分離器内に濃溶液が貯留せずに高温再生器から濃溶液が取り出せないことを回避することができる。
また、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る高温再生器32Aにおいて、第2の気液分離器24に形成された導出冷媒蒸気Vaを導出する導出冷媒蒸気導出口24eが、第1の気液分離器22に形成された1次冷媒蒸気Vpを導出する1次冷媒蒸気導出口22eよりも高所に位置するように構成されていてもよい。このように構成すると、導出冷媒蒸気導出口から取り出される導出冷媒蒸気が、十分に気液分離されたものとなる。
また、本発明の第2の態様に係る高温再生器は、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る高温再生器32Aにおいて、第1の気液分離器22内の濃溶液Saを液室14に導く第1の戻り管25と;戻り溶液Srを液室14に導く第2の戻り管26とを備える。
このように構成すると、第1の気液分離器内の余剰分の濃溶液と第2の気液分離器内の戻り溶液を液室に導くことが可能になり、第1の気液分離器の濃溶液導出口から導出される濃溶液の流量を安定させることができる。
また、本発明の第3の態様に係る高温再生器は、例えば図4に示すように、上記本発明の第2の態様に係る高温再生器32Eにおいて、第2の気液分離器24の最下部に戻り溶液Srを液室14に向けて導出する戻り溶液導出口24rが形成され、戻り溶液導出口24rよりも高所の第2の気液分離器に導出冷媒蒸気Vaを導出する導出冷媒蒸気導出口24eが形成され;戻り溶液導出口24rが形成された最下部が、第1の気液分離器22内の濃溶液Saの常用液位SaLよりも高所に位置するように構成されている。ここで、戻り溶液導出口及び導出冷媒蒸気導出口が水平面以外に形成されている場合は、戻り溶液導出口の上端よりも導出冷媒蒸気導出口の下端が高所に位置するように、戻り溶液導出口及び導出冷媒蒸気導出口が形成される。また「常用液位」とは、典型的には、主として運転される運転負荷時(例えば、運転時間が最も長くなる運転負荷時等)における第1の気液分離器内の濃溶液の液位であって、第1の気液分離器内の濃溶液の最高液位と最低液位との間の液位である。
このように構成すると、導出冷媒蒸気導出口から導出される導出冷媒蒸気が、この高温再生器が吸収冷凍機に組み込まれたときの該吸収冷凍機の作動に支障がない程度に確実に気液分離されることとなる。
また、本発明の第4の態様に係る高温再生器は、例えば図2に示すように、上記本発明の第2の態様又は第3の態様に係る高温再生器において、戻り溶液26が第1の戻り管25を経由して液室14に導かれるように構成されている。
このように構成すると、高温再生器内の保有溶液量を少なくすることができる。
また、本発明の第5の態様に係る高温再生器は、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る高温再生器32Aにおいて、第1の気液分離器22に、濃溶液Saを吸収冷凍機の吸収器31(図3参照)に向けて導出する濃溶液導出口22nが形成され;濃溶液導出口22nが、作動中における液管10に現れる液面の最低高さと、液管10の上端の高さとの間の高さに位置するように構成されている。ここで「濃溶液を吸収冷凍機の吸収器に向けて導出する」とは、濃溶液を高温再生器から直接吸収器に導くことのみならず、他の再生器を介して吸収器に導くことも含む。また、濃溶液導出口が水平面以外に形成されている場合は、濃溶液導出口の下端を位置関係の基準とする。また「液管に現れる液面」とは、典型的には、液管の両端の圧力差を示す指標であり、例えば希溶液が混合流体となる程の熱を受けない連通管(例えば図1中の連通管11)を液管の両端に接続したときにその連通管内に現れる液面とほぼ等しい液面である。また「液管に現れる液面の最低高さ」とは、典型的には、高温再生器の運転中に維持すべき最低安全液位であって、液管を熱損傷から保護することができる最低の液面である。
このように構成すると、濃溶液導出口が、作動中における液管に現れる液面の最低高さと、液管の上端の高さとの間の高さに位置するので、ほとんどの場合で濃溶液が第1の気液分離器に存在し、吸収冷凍機の作動に影響を与えることがない。また、高温再生器内の液位を液管の最低液位以上に維持することができ、液管の損傷を防止することができる。
また、本発明の第6の態様に係る高温再生器は、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つの態様に係る高温再生器32Aにおいて、液管10を複数備え;さらに、複数の液管10から混合流体Fmを収集する上部環状部材15を備え;液室14が、複数の液管10に希溶液Swを供給するように構成されている。
このように構成すると、液管を複数備えるので希溶液から濃溶液へ再生する溶液量を増加させることあるいは液管を流れる溶液の加熱面積を増加させることができ、複数の液管から混合流体を収集する上部環状部材を備えるので複数の液管で生成された混合流体を収集して第1の気液分離器に導くことができる。
また、本発明の第7の態様に係る高温再生器は、例えば図4に示すように、上記本発明の第6の態様に係る高温再生器32Eにおいて、第1の気液分離器22の上端が、上部環状部材15の上端よりも高所に位置するように構成されている。
このように構成すると、第1の気液分離器内における1次冷媒蒸気が占める容積を確保することが可能となり、第1の気液分離器における気液分離効果を向上させることができる。上部環状部材と第1の気液分離器とを連通する混合流体管の流通抵抗を低減させた場合(例えば混合流体管を大径にする又は複数本にする、あるいは長さを短くする等)は、運転負荷が低いために液管で発生する混合流体が少ないことに起因する、1次冷媒蒸気に同伴する濃溶液が第1の気液分離器まで到達しないという不都合を回避することができ、第1の気液分離器内に濃溶液が貯留せずに高温再生器から濃溶液を取り出すことができないという不都合を回避することができて、高温再生器からの濃溶液の取り出しを安定して行うことができる。
また、本発明の第8の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図3に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第7の態様のいずれか1つの態様に係る高温再生器32Aと;冷媒蒸気を凝縮する凝縮器33と;凝縮器33で凝縮した冷媒液Vfを導入し被冷却媒体pの熱で冷媒液Vfを蒸発させる蒸発器34と;濃溶液Sdを導入し、蒸発器34で蒸発した冷媒Veを濃溶液Sdで吸収し濃度が低下した希溶液Swを液室14(図1参照)に向けて導出する吸収器31とを備える。
このように構成すると、濃溶液と冷媒蒸気とを確実に取り出すことができる高温再生器を備えるので、安定して作動する吸収冷凍機となる。
本発明に係る高温再生器によれば、第1の気液分離器から濃溶液を取り出し、第2の気液分離器から導出冷媒蒸気を取り出すことができ、濃溶液と導出冷媒蒸気とを確実に取り出すことができる。
また、本発明に係る吸収冷凍機によれば、濃溶液と冷媒蒸気とを確実に取り出すことができる高温再生器を備えるので、安定して作動する吸収冷凍機となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る高温再生器32Aの構成を説明する。図1は、高温再生器32Aの縦断面図である。高温再生器32Aは貫流式再生器であり、希溶液Swを導入する液室としての下部管寄せ14と、下部管寄せ14の希溶液Swを上方に向けて流す複数の液管10と、液管10内で濃溶液としての高温濃溶液Saと1次冷媒蒸気Vpとの混合流体Fmとなったものを収集する上部環状部材としての上部管寄せ15と、液管10内の希溶液Swを加熱する燃焼ガスを生成する燃焼装置としてのバーナー16と、これらの部材を収容する外容器13と、高温濃溶液Saと冷媒蒸気Vaとの混合流体Fmから高温濃溶液Saと1次冷媒蒸気Vpとを分離する第1気液分離器22と、1次冷媒蒸気Vpから戻り溶液Srを分離する第2気液分離器24とを備えている。
下部管寄せ14は、希溶液Swを複数の液管10に分配する部材である。下部管寄せ14は、典型的には、水平断面が円環状に、鉛直断面が矩形状に形成されている。なお、水平断面は円形以外の多角形状(三角形及び矩形を含む)にひとまわりしているものであってもよく、環状につながれずにC字状に形成されていてもよい。鉛直断面は矩形以外の円形あるいは楕円形であってもよい。また、下部管寄せ14の中心部に形成された空洞部分には、耐火材17が充填されている。下部管寄せ14には、希溶液Swを導入する希溶液管45と、第1気液分離器22から導出された高温濃溶液Saを導入する第1の戻り管25と、第2気液分離器24から導出された戻り溶液Srを導入する第2の戻り管26とが接続されている。
下部管寄せ14には、複数の液管10がほぼ鉛直に配設されている。液管10がほぼ鉛直とは、液管10の軸がほぼ鉛直の状態である。ほぼ鉛直は、液管10内で加熱されて希溶液Swから蒸発して生じた1次冷媒蒸気Vpが高温濃溶液Saと共に円滑に排出される程度であればよい。液管10の長さは、高温再生器32Aの高さに制限があるときは、その高さに納まるように決定されると共に、内部を流れる希溶液Swに与える熱量によって希溶液Sw中から1次冷媒蒸気Vpを発生させて高温濃溶液Saを生成することができるように、高温再生器32Aに供給される希溶液Swの流量、液管10の本数及び径との関係を総合的に勘案して決定される。また、複数の液管10は、下部管寄せ14と略同心円上にほぼ等間隔に配設されている。下部管寄せ14と同心円上にほぼ等間隔に配設された複数の液管10の内側には、燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼室20が形成されている。
複数の液管10の頂部には、上部管寄せ15が接続されている。上部管寄せ15は、下部管寄せ14と同様に、典型的には、水平断面が円環状に、鉛直断面が矩形状に形成されている。上部管寄せ15には、高温濃溶液Saと1次冷媒蒸気Vpとの混合流体Fmを1次気液分離器22に導く混合流体管21が側面に接続されている。混合流体管21は、上部管寄せ15の上面に接続されていてもよい。上部管寄せ15の中心部に形成された空洞部分には、バーナー16が配設されている。また、上部管寄せ15と下部管寄せ14とは連通管11で接続され、連通管11には液面センサー(不図示)を有する液位検出部12が配設されており、液管10の液位を制御することができるように構成されている。
外容器13は、燃焼室20で生成された燃焼ガスを外部に漏らさないガスシール構造となっており、典型的には、円筒形状を有している。外容器13は、下部管寄せ14及び上部管寄せ15と略同心円となっており、下部管寄せ14及び上部管寄せ15を嵌め込むことができるような内径を有している。外容器13には、燃焼ガスGbを排出する煙道18が設けられている。
第1気液分離器22は、典型的には、円筒状に形成されているが、四角柱形状や多角形形状、その他の形状であってもよい。第1気液分離器22は、鉛直方向に長手方向がくるようにして上部管寄せ15に近接した位置に配設されている。そして、図1に示す例では上部管寄せ15の上端と第1気液分離器22の上端とがほぼ同じ高さになるように配設され、上部管寄せ15の側面と第1気液分離器22の上部側面とが直管の混合流体管21で接続されているが、これに限らず例えば上部管寄せ15の上端よりも第1気液分離器22の上端の方が高くなるように配設し、上部管寄せ15の上面と第1気液分離器22の上部側面とを90°曲がった混合流体管で接続するようにしてもよい。上部管寄せ15と第1気液分離器22とが、直管の混合流体管21で接続されている場合であっても、90°曲がった混合流体管で接続されている場合(上部管寄せ15の上端よりも第1気液分離器22の上端の方が高くなるように配設されている場合)であっても、液管10で発生した混合流体Fmが第1気液分離器22に導入される際の流通抵抗が、第1気液分離器22への高温濃溶液Saの導入の妨げにならない程度に低減されていればよい。混合流体管の流通抵抗が上述のように低減されていると、運転負荷が低いために液管10で発生する1次冷媒蒸気Vpの量が少ない場合であっても、液管10で発生した高温濃溶液Saが1次冷媒蒸気Vpに同伴して第1気液分離器22に導かれて、高温濃溶液Saを第1気液分離器22に貯留することができ、高温濃溶液Saが第1気液分離器22に到達することができないという不都合を回避することができる。他方、運転負荷が高く液管10で発生する1次冷媒蒸気Vpの量が多い場合は、液管10で発生した高温濃溶液Saは容易に第1気液分離器22に導かれる。
第1気液分離器22内には、混合流体管21を介して導入した混合流体Fmを1次冷媒蒸気Vpと高温濃溶液Saとに分離するバッフル板22aが設けられている。バッフル板22aは、第1気液分離器22の上部を2分割するように第1気液分離器22の天板に取り付けられている。バッフル板22aによって分割された空間の、混合流体管21が接続されていない方の領域の第1気液分離器22の上面には、分離した1次冷媒蒸気Vpを導出する1次冷媒蒸気導出口22eが形成されており、1次冷媒蒸気導出口22eには1次冷媒蒸気管23が接続されている。1次冷媒蒸気導出口22eは、第1気液分離器22の上部側面に形成されていてもよいが、1次冷媒蒸気管23に溶液が混入する量をできるだけ少なくして高温濃溶液Saを第1気液分離器22の下部に導くようにする観点から、第1気液分離器22の上方に形成されていることが好ましい。なお、高温再生器32Aでは溶液を1次冷媒蒸気Vpと共に第2気液分離器24に持ち込まれることが許容されるので、必ずしもバッフル板22aを設けなくてもよい。
また、第1気液分離器22の底面には分離した高温濃溶液Saを導出する高温濃溶液導出口22nが形成されており、高温濃溶液導出口22nには高温濃溶液管46が接続されている。高温濃溶液導出口22nは、典型的には第1気液分離器22の底面に形成されているが、第1気液分離器22の下部側面に形成されていてもよい。第1気液分離器22は、高温濃溶液導出口22nが、作動中における液管10に現れる液面の最低高さと、液管10の上端の高さとの間の高さに位置するように配設されているのが好ましい。ここでいう「作動中」とは高温再生器32Aの作動中(混合流体Fmが生成される状態)のことであり、「最低高さ」とは液管10の熱損傷を防止するために高温再生器32Aの作動中に維持すべき安全低液位のことである。
さらに第1気液分離器22の底面の別の部分には、分離した高温濃溶液Saのうちの余剰分を下部管寄せ14に戻す第1の戻り管25が接続されている。本実施の形態では、第1の戻り管25により下部管寄せ14と第1気液分離器22とが連通している。下部管寄せ14と第1気液分離器22とが連通していると、第1気液分離器22内に貯留した高温濃溶液Saを下部管寄せ14に還流でき、第1気液分離器22内の高温濃溶液Saの液位を安定させることができて吸収器31(図3参照)への高温濃溶液Saの供給を安定して行うことができる。
第2気液分離器24は、第1気液分離器22と同様に、典型的には円筒状に形成されているが、四角柱形状や多角形形状、その他の形状であってもよい。第2気液分離器24は、上部側面に、1次冷媒蒸気Vpを導入する1次冷媒蒸気管23が接続されている。また、第2気液分離器24内には、1次冷媒蒸気管23を介して導入した1次冷媒蒸気Vpから、1次冷媒蒸気Vpに同伴して入ってきた戻り溶液Srを分離するバッフル板24aが設けられている。戻り溶液Srは、典型的には高温濃溶液Saとほぼ同じ濃度の溶液であるが、説明の便宜上名称を区別している。なお、戻り溶液Srは、高温濃溶液Saと異なる濃度の溶液であってもよい。バッフル板24aは、第2気液分離器24の上部を2分割するように第2気液分離器24の上面に取り付けられている。バッフル板24aによって分割された空間の、1次冷媒蒸気管23が接続されていない方の領域の第2気液分離器24の上面には、1次冷媒蒸気Vpから戻り溶液Srを分離した後の導出冷媒蒸気としての高温冷媒蒸気Vaを導出する導出冷媒蒸気導出口24eが形成されており、導出冷媒蒸気導出口24eには冷媒蒸気管57が接続されている。なお、導出冷媒蒸気導出口24eは、第2気液分離器24の上部側面に形成されていてもよいが、気液分離の観点からは、第2気液分離器24の上面に形成されていた方が高温冷媒蒸気Vaを取り出すまでの第2気液分離器24内における1次冷媒蒸気Vp(高温冷媒蒸気Va)の占める容積を大きくすることができて好ましい。
第2気液分離器24は、典型的には、導出冷媒蒸気導出口24eが、第1気液分離器22の1次冷媒蒸気導出口22eよりも高い位置になるように配設されている。このようにすると、分離した戻り溶液Srが冷媒蒸気管57から導出されることが抑制される。しかしながら、第2気液分離器24は、導出冷媒蒸気導出口24eが1次冷媒蒸気導出口22eとほぼ同じ高さに位置するように配設されていてもよい。導出冷媒蒸気導出口24eと1次冷媒蒸気導出口22eとがほぼ同じ高さに位置する場合は、逆U字形状の管で形成された1次冷媒蒸気管23で第1気液分離器22の上面と第2気液分離器24の上面とが接続される場合が典型例であるが、このような場合は第1気液分離器22の上面と第2気液分離器24の上面とをほぼ同じ高さとすることができ、高温再生器32A全体の高さを抑制することができる。このようにしても、高温濃溶液Saを取り出す第1気液分離器22と、高温冷媒蒸気Vaを取り出す第2気液分離器24とが別に設けられているので、高温濃溶液Saと高温冷媒蒸気Vaとを確実に取り出すことができる。また、第2気液分離器24の底面には分離した戻り溶液Srを導出する第2の戻り管26が接続されている。第2の戻り管26は、典型的には第2気液分離器24の底面に接続されているが、第2気液分離器24の下部側面に接続されていてもよい。第2の戻り管26の他端は、典型的には下部管寄せ14の側面に接続されているが以下に説明するように接続されていてもよい。
図2は、高温再生器32Aの変形例を説明する縦断面図であり、第2の戻り管26の接続部回りが高温再生器32Aとは異なっている。第2の戻り管26の接続部回り以外は高温再生器32Aと同様であるので重複した説明は省略する。変形例では、第2の戻り管26の他端を第1の戻り管25に割り込ませ、戻り溶液Srを第1の戻り管25内を流れる高温濃溶液Saに合流させている。すなわち、戻り溶液Srを第1の戻り管25を経由して下部管寄せ14に導くこととしている。このようにすると、高温再生器内の保有溶液量を少なくすることができ、機器の軽量化を図ることができる。あるいは、図示による説明は省略するが、第2の戻り管26の他端を第1気液分離器22の下部側面に接続してもよい。第2の戻り管26の他端を第1気液分離器22の下部側面に接続した場合も、戻り溶液Srは第1の戻り管25を経由して下部管寄せ14に導かれることとなる。また、図2に示すように、戻り溶液Srが第1の戻り管25の一部を流れる場合も第1の戻り管25を経由していることに変わりはない。
次に図3を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る吸収冷凍機30の構成を説明する。図3は吸収冷凍機30の系統図である。吸収冷凍機30は、三重効用吸収冷凍機であり、被冷却媒体としての冷水pの熱で冷媒液Vfを蒸発させて冷媒蒸気Veを発生させることにより冷水pを冷却する蒸発器34と、蒸発器34で発生した冷媒蒸気Veを混合濃溶液Sdで吸収する吸収器31と、吸収器31で冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swを導入し、希溶液Swを加熱し冷媒を蒸発させて濃度が上昇した高温濃溶液Saを生成する高温再生器32Aと、吸収器31から希溶液Swを導入し、高温再生器32Aで発生した高温冷媒蒸気Vaで希溶液Swを加熱し冷媒を蒸発させて濃度が上昇した中温濃溶液Smを生成する中温再生器32Mと、同じく吸収器31から希溶液Swを導入し、主に中温再生器32Mで発生した中温冷媒蒸気Vmで希溶液Swを加熱し冷媒を蒸発させて濃度が上昇した低温濃溶液Sbを生成する低温再生器32Bと、低温再生器32Bで希溶液Swから蒸発した低温冷媒蒸気Vbを冷却して凝縮させ、蒸発器34に送る冷媒液Vfを生成する凝縮器33とを備えている。吸収冷凍機30で使用される冷媒及び溶液は、典型的には、冷媒として水が、溶液として臭化リチウム(LiBr)が用いられるが、これに限らず他の冷媒、溶液(吸収剤)の組み合わせで使用してもよい。
蒸発器34には、冷却する対象である冷水pを流す冷水管34aが配設されている。冷水管34aは、エアハンドリングユニット等の冷水利用機器(不図示)と配管52を介して接続されている。また、蒸発器34には、冷媒液Vfを冷水管34aに向けて散布するための冷媒液散布ノズル34bが冷水管34aの上方に配設されている。蒸発器34の下部には、導入した冷媒液Vfを貯留する貯留部34cが形成されている。
吸収器31には、混合濃溶液Sdで冷媒蒸気Veを吸収した際に発生する吸収熱を奪う冷却水qを流す冷却水管31aが内部に配設されている。冷却水管31aは、凝縮器33内の冷却水管33aと配管53を介して、及び冷却塔(不図示)と配管54を介して、それぞれ接続されている。また、吸収器31には、混合濃溶液Sdを冷却水管31aに向けて散布する濃溶液散布ノズル31bが冷却水管31aの上方に配設されている。吸収器31は、冷却水管31aの下方に、冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swを貯留する貯留部31cが形成されている。
吸収器31と蒸発器34とは共に1つの缶胴内にシェルアンドチューブ型に形成され、両者の間には仕切壁31dが設けられている。吸収器31と蒸発器34とは仕切壁31dの上部で連通しており、蒸発器34で発生した冷媒蒸気Veを吸収器31に移動させることができるように構成されている。缶胴外側の蒸発器34側には、貯留部34cに貯留されている冷媒液Vfを上部の冷媒液散布ノズル34bに導く循環冷媒管51が配設されている。循環冷媒管51には、貯留部34cに貯留している冷媒液Vfを冷媒液散布ノズル34bに圧送する冷媒ポンプ39が配設されている。
吸収器31の底部には、貯留部31cの希溶液Swを高温再生器32Aに導く希溶液管45と、中温再生器32M及び低温再生器32Bに導く希溶液管55が接続されている。希溶液管45には、希溶液Swを高温再生器32Aに圧送する溶液ポンプ48が配設されている。希溶液管55には、希溶液Swを中温再生器32M及び低温再生器32Bに圧送する溶液ポンプ38が配設されている。溶液ポンプ48、38は、典型的には、インバータ(不図示)により回転速度を調節することが可能なように構成されており、冷凍負荷に応じた流量の希溶液Swを圧送することができるように構成されている。
溶液ポンプ48の下流側の希溶液管45には、希溶液Swと高温濃溶液Saとの間で熱交換を行わせる高温溶液熱交換器37が配設されている。高温溶液熱交換器37には、また、高温濃溶液Saを流す濃溶液管46が接続されている。高温溶液熱交換器37は、典型的にはプレート型熱交換器が用いられるがシェルアンドチューブ型やその他の熱交換器であってもよい。
希溶液管45は、高温再生器32Aに接続されている。上述のように、高温再生器32Aには、高温濃溶液管46が接続されている。また、高温再生器32Aには、発生した高温冷媒蒸気Vaを流す冷媒蒸気管57が接続されている。高温再生器32Aへの希溶液管45、高温濃溶液管46、冷媒蒸気管57の具体的な接続位置は既に述べている(図1参照)のでここでは省略する。
溶液ポンプ38の下流側の希溶液管55には、希溶液Swと混合濃溶液Scとの間で熱交換を行わせる低温溶液熱交換器36が配設されている。低温溶液熱交換器36には、また、混合濃溶液Scを流す濃溶液管56が接続されている。低温溶液熱交換器36は、典型的にはプレート型熱交換器が用いられるがシェルアンドチューブ型やその他の熱交換器であってもよい。
希溶液管55は、低温溶液熱交換器36の下流側で、中温再生器32Mに接続される希溶液管55Aと、低温再生器32Bに接続される希溶液管55Bとに分岐している。希溶液管55Aには、希溶液Swと中温濃溶液Smとの間で熱交換を行わせる中温溶液熱交換器35が配設されている。中温溶液熱交換器35には、また、中温濃溶液Smを流す中温濃溶液管56Aが接続されている。中温溶液熱交換器35は、典型的にはプレート型熱交換器が用いられるがシェルアンドチューブ型やその他の熱交換器であってもよい。
中温再生器32Mには、希溶液Swを加熱するための加熱源となる高温冷媒蒸気Vaを流す加熱蒸気管32Maが配設されている。加熱蒸気管32Maは、一端が冷媒蒸気管57に接続されている。他端は、凝縮冷媒管57Dに接続されている。中温再生器32Mには、導入した希溶液Swを加熱蒸気管32Maに向けて散布する希溶液散布ノズル32Mbが配設されている。希溶液散布ノズル32Mbは、希溶液管55Aに接続されている。中温再生器32Mの底部には、温度が上昇した中温濃溶液Smを通す中温濃溶液管56Aが接続されている。中温濃溶液管56Aは、中温溶液熱交換器35を経由して低温濃溶液管56Bに接続されている。また、中温再生器32Mには、発生した中温冷媒蒸気Vmを流す冷媒蒸気管58が接続されている。冷媒蒸気管58には、上述の凝縮冷媒管57Dが接続されている。
低温再生器32Bには、希溶液Swを加熱するための加熱源となる混合冷媒蒸気Vnを流す加熱蒸気管32Baが配設されている。加熱蒸気管32Baは、一端が冷媒蒸気管58に接続されている。他端は、凝縮冷媒管59に接続されている。凝縮冷媒管59は、加熱蒸気管32Ba内で混合冷媒蒸気Vnが凝縮した冷媒液Vdを凝縮器33へと導く配管である。低温再生器32Bには、導入した希溶液Swを加熱蒸気管32Baに向けて散布する希溶液散布ノズル32Bbが配設されている。希溶液散布ノズル32Bbは、希溶液管55Bに接続されている。
凝縮器33には、低温再生器32Bで発生した低温冷媒蒸気Vbを冷却するための冷却水qを流す冷却水管33aが配設されている。冷却水管33aは、一端が吸収器31内の冷却水管31aと配管53を介して、他端が冷却塔(不図示)と配管54を介して、それぞれ接続されている。
凝縮器33と低温再生器32Bとは共に1つの缶胴内にシェルアンドチューブ型に形成され、両者の間には仕切壁33dが設けられている。凝縮器33と低温再生器32Bとは仕切壁33dの上部で連通しており、低温再生器32Bで発生した低温冷媒蒸気Vbを凝縮器33に移動させることができるように構成されている。凝縮器33と低温再生器32Bとが形成された缶胴は、吸収器31と蒸発器34とが形成された缶胴よりも上方に配設されており、低温再生器32B内の低温濃溶液Sbを吸収器31に、凝縮器33内の冷媒液Vfを蒸発器34に、それぞれ重力によって送液することができるように構成されている。
低温再生器32Bの底部には、濃度が上昇した低温濃溶液Sbを通す低温濃溶液管56Bが接続されている。低温濃溶液管56Bには中温濃溶液管56Aが接続されて濃溶液管56となっている。濃溶液管56は、低温溶液熱交換器36を経由して濃溶液管66に接続されている。濃溶液管66は、濃溶液散布ノズル31bに接続されている。凝縮器33の底部には、冷媒液Vfを蒸発器34に向けて導出する冷媒液管60が接続されている。冷媒液Vfは、低温冷媒蒸気Vbが凝縮した冷媒液Vcと、加熱蒸気管32Ba内で混合冷媒蒸気Vnが凝縮し、凝縮器33で冷却された冷媒液Vdとが混合した冷媒液である。
引き続き図1及び図3を参照して高温再生器32A及び吸収冷凍機30の作用を説明する。なお、高温再生器32Aの作用は、吸収冷凍機30の作用の説明の一環として説明する。まず図3を参照して吸収冷凍機30の冷媒側のサイクルを説明する。凝縮器33では、低温再生器32Bで蒸発した低温冷媒蒸気Vbを受け入れて、冷却塔(不図示)から供給された、冷却水管33aを流れる冷却水qで冷却して凝縮し、冷媒液Vcとする。凝縮した冷媒液Vcは、冷媒液Vdと混合され冷媒液Vfとなって蒸発器34へと送られ、貯留部34cに冷媒液Vfとして貯留される。貯留部34cに貯留された冷媒液Vfは、冷媒ポンプ39により冷媒液散布ノズル34bに送液される。蒸発器34の冷媒液Vfが冷媒液散布ノズル34bから冷水管34aに散布されると、冷媒液Vfは冷水管34a内の冷水pから熱を受けて蒸発する一方、冷水pは冷やされる。冷やされた冷水pは冷熱を利用する場所(不図示)に送られて使われる。他方、蒸発器34で蒸発した冷媒液Vfは冷媒蒸気Veとなって、連通している吸収器31へと移動する。
次に吸収冷凍機30の溶液側のサイクルを説明する。吸収器31では、高濃度の混合濃溶液Sdが濃溶液散布ノズル31bから散布され、蒸発器34で発生した冷媒蒸気Veを混合濃溶液Sdが吸収して希溶液Swとなる。希溶液Swは、貯留部31cに貯留される。混合濃溶液Sdが冷媒蒸気Veを吸収する際に発生する吸収熱は、冷却水管31aを流れる冷却水qによって除去される。貯留部31cの希溶液Swは、溶液ポンプ48で高温再生器32Aへ、溶液ポンプ38で中温再生器32M及び低温再生器32Bへ、それぞれ圧送される。なお、貯留部31cに溜まった溶液を溶液循環ポンプ(不図示)により循環させて冷却水管31aに散布する構成としてもよい。このようにすると、冷却水管31aを溶液で十分に濡らすことができ、冷却水管31aに接触する溶液の偏りを防止することができる。また、溶液ポンプ38が溶液循環ポンプを兼ねるように構成してもよい。この場合は、溶液ポンプ38と低温溶液熱交換器36との間の希溶液管55から配管を分岐して濃溶液散布ノズル31bに接続するとよい。
溶液ポンプ48で圧送されて希溶液管45を流れる希溶液Swは、高温溶液熱交換器37で高温再生器32Aから導出された高温濃溶液Saと熱交換して温度が上昇した後に高温再生器32Aへと導入される。
ここで図1を参照して、高温再生器32Aの作用を説明する。希溶液管45を流れて高温再生器32Aへと導入された希溶液Swは、下部管寄せ14に流入する。下部管寄せ14に流入した希溶液Swは、各液管10の下部に達し、溶液ポンプ48(図3参照)の圧力により複数の液管10を上昇して上部管寄せ15へと向かう。希溶液Swは、各液管10を上昇する過程で燃焼ガスGbにより加熱され、冷媒が蒸発して1次冷媒蒸気Vpが発生し、溶液自体の濃度は上昇して高温濃溶液Saとなる。このとき、各液管10の液位は、上部管寄せ15よりも下方かつ所定の最低高さよりも上方になるように、溶液ポンプ48(図3参照)によって調節される。所定の最低高さは、前述のように、液管10に流体がない状態で加熱することによる液管10の損傷を防ぐための、液管10に溶液を満たしておくべき最低高さである。また、各液管10の液位を上部管寄せ15よりも下方に設定するのは、ある液管10の液位が上部管寄せ15に達すると液管10の上部(上部管寄せ15)を溶液が流動して他の液管10を溶液が下降する現象が発生する場合があり、これを防ぐためである。1次冷媒蒸気Vpは、希溶液Swから濃度が上昇した高温濃溶液Saとの混合流体Fmとして各液管10から上部管寄せ15に流入して収集され、混合流体管21を介して第1気液分離器22に流入される。
第1気液分離器22に流入した混合流体Fmは、バッフル板22aにより1次冷媒蒸気Vpと高温濃溶液Saとに分離され、高温濃溶液Saは第1気液分離器22の下部に溜まる。第1気液分離器22の下部に溜まった高温濃溶液Saは、高温濃溶液導出口22nから導出され、高温濃溶液管46を吸収器31(図3参照)に向かって流れる。また、第1気液分離器22の下部に溜まった高温濃溶液Saの余剰分が、第1の戻り管25を流れて下部管寄せ14に還流する。なお、吸収冷凍機30の起動時には、高温再生器32Aの燃焼部20における燃焼開始前に希溶液Swが下部管寄せ14に供給されるが、液管10と第1気液分離器22とが第1の戻り管25及び混合流体管21を介して連通していることから、液管10の液位と同高さの液位が第1気液分離器22にも現れる。そして、高温再生器32Aに供給された希溶液Swは、第1気液分離器22の高温濃溶液導出口22nから導出されるので、液管10の液位は高温濃溶液導出口22nの高さ以上に維持される。ここで、第1気液分離器22の高温濃溶液導出口22nが、作動中における液管10に現れる液面の最低高さ以上に設定されているために、燃焼開始時の高温再生器32A内の液位はこの最低高さ以上に維持される。その後、運転中に高温再生器32Aの液位が低下した場合には、第1気液分離器22に現れる液位も低下するが、その際、一時的に高温濃溶液導出口22nの高さよりも第1気液分離器22に現れる液位が低下した場合には、高温濃溶液導出口22nからの高温濃溶液Saの取り出しが止まり、高温再生器32A内の溶液貯留量が急増して、高温再生器32A内(ひいては第1気液分離器22内)の液位が急回復する。ゆえに、高温再生器32A内の液位はこの最低高さ以上に実質的に維持される。結局、燃焼開始時から運転中にわたって高温再生器32A内の液位はこの最低高さ以上に実質的に維持されて、火炎の加熱により液管10が損傷されることがない。
上部管寄せ15から第1気液分離器22へ混合流体Fmが流れる際、上部管寄せ15と第1気液分離器22とが近接し、混合流体管21が短くほとんど勾配がない場合、混合流体管21における流通抵抗(圧力損失)が小さくなる。第1気液分離器22がこのように配置されていると、運転負荷が低い場合は、高温再生器32Aへの希溶液Sw供給量が少なくなり燃焼部20における燃焼量が小さくなって液管10内で発生する1次冷媒蒸気Vp及び高温濃溶液Saは少量となるが、混合流体管21の流通抵抗が小さいために、少量の高温濃溶液Saは少量の1次冷媒蒸気Vpに同伴して容易に上部管寄せ15から第1気液分離器22へ流入し、第1気液分離器22内に高温濃溶液Saを供給することができる。また、運転負荷が高い場合は、高温再生器32Aへの希溶液Sw供給量が多くなり燃焼部20における燃焼量が大きくなって液管10内で発生する1次冷媒蒸気Vp及び高温濃溶液Saは多量となり、発生した高温濃溶液Saは多量の1次冷媒蒸気Vpに同伴して上部管寄せ15から第1気液分離器22に流入する。高温濃溶液Saは第1気液分離器22内に常に貯留されることとなり、第1気液分離器22からの高温濃溶液Saの取り出しを可能とする。このように、運転負荷が低い場合でも高い場合でも、第1気液分離器22の高温濃溶液導出口22nから、常に、高温濃溶液Saを取り出すことができる。なお、上部管寄せ15の上端よりも第1気液分離器22の上端の方が高くなるように配設されている場合には、第1気液分離器22内における1次冷媒蒸気Vpが占める容積を増大させることが可能となり、第1気液分離器22における気液分離効果を向上させることができる。この場合であっても、混合流体管21の全体又は一部を大径にするもしくは複数本にする、あるいは上部管寄せ15の上端と第1気液分離器22の上端が近接するようにする等により、液管10で発生した混合流体Fmが第1気液分離器22に導入される際の流通抵抗(圧力損失)が、第1気液分離器22への高温濃溶液Saの導入の妨げにならない程度に低減されていれば同様の効果が得られ、この場合も第1気液分離器22の高温濃溶液導出口22nから、常に、高温濃溶液Saを取り出すことができる。
第1気液分離器22で混合流体Fmから高温濃溶液Saが分離した1次冷媒蒸気Vpは、1次冷媒蒸気導出口22eから導出され、1次冷媒蒸気管23を第2気液分離器24に向かって流れる。第1気液分離器22から第2気液分離器24へ流れる1次冷媒蒸気Vpには、戻り溶液Srが同伴することが多い。ここで、戻り溶液Srは、典型的には高温濃溶液Saとほぼ同じ性質の溶液であり、説明の便宜上単に名称を変えて区別したものである。第2気液分離器24に流入した、戻り溶液Srを同伴する1次冷媒蒸気Vpは、バッフル板24aにより高温冷媒蒸気Vaと戻り溶液Srとに分離され、戻り溶液Srは第2の戻り管26を流れて下部管寄せ14に還流する。他方、高温冷媒蒸気Vaは導出冷媒蒸気導出口24eから導出され、冷媒蒸気管57を中温再生器32M(図3参照)に向かって流れる。
上述のように、第1気液分離器22から第2気液分離器24へ流れる1次冷媒蒸気Vpには、戻り溶液Srが同伴することが多い。特に運転負荷が高い場合には、第1気液分離器22に流入する混合流体Fmの流量が多くなるため、第1気液分離器22から第2気液分離器24へ同伴する戻り溶液Srが多くなる。しかしながら、1次冷媒蒸気Vpが同伴する高温濃溶液Saである戻り溶液Srは、第1気液分離器22内で冷媒蒸気から一度分離されているために、上部管寄せ15から第1気液分離器22へ流れる混合流体Fmに含まれる高温濃溶液Saよりもはるかに少ない。また、第2気液分離器24には第1気液分離器22と連通した戻り溶液Sr(高温濃溶液Sa)の液位が現れる。ここで、第2気液分離器24が第1気液分離器22よりも高い位置に配設されている場合は、第2気液分離器24内が分離前後の1次冷媒蒸気Vpで満たされて、第2気液分離器24内すべての空間を利用して気液分離が行われ、高温冷媒蒸気Vaを十分に(中温再生器32M(図3参照)の作動に必要な程度)取り出すことができる。運転負荷が低い場合には、第1気液分離器22から第2気液分離器24に同伴する戻り溶液Srは少ないために、この傾向はより顕著になる。このため、運転負荷が高い場合でも低い場合でも、第2気液分離器24の導出冷媒蒸気導出口24eから、常に、高温冷媒蒸気Vaを取り出すことができる。
再び図3に戻って、溶液側のサイクルの説明を続ける。高温再生器32Aから導出されて高温濃溶液管46を流れる高温濃溶液Saは、高温溶液熱交換器37に導かれて高温再生器32Aに向かう希溶液Swと熱交換を行い温度が低下する。他方、高温再生器32Aから導出されて冷媒蒸気管57を流れる高温冷媒蒸気Vaは、中温再生器32Mの加熱蒸気管32Maに流入する。
ここから低温再生器21B及び中温再生器32Mまわりの作用に視点を移すと、溶液ポンプ38で圧送されて希溶液管55を流れる希溶液Swは、まず低温溶液熱交換器36で混合濃溶液Scと熱交換して熱回収した後に分流し、一部は希溶液管55Aを流れて中温溶液熱交換器35へと導かれ、残りは希溶液管55Bを流れて低温再生器32Bへと導かれる。希溶液管55Aを流れて中温溶液熱交換器35へ流入した希溶液Swは、中温再生器32Mから導出された中温濃溶液Smと熱交換して温度が上昇した後に希溶液管55Aを流れて中温再生器32Mへと導入される。
中温再生器32Mに導かれた希溶液Swは、希溶液散布ノズル32Mbから散布される。希溶液散布ノズル32Mbから散布された希溶液Swは、加熱蒸気管32Maを流れる高温冷媒蒸気Vaによって加熱され、中温再生器32M内の希溶液Sw中の冷媒が蒸発して中温濃溶液Smとなる。高温冷媒蒸気Vaからの受熱により温度が上昇した中温濃溶液Smは、重力及び中温再生器32M内の圧力により中温濃溶液管56Aへ導出される。他方、希溶液Swから蒸発した冷媒は中温冷媒蒸気Vmとして冷媒蒸気管58を流れる。加熱蒸気管32Maを流れる高温冷媒蒸気Vaは、希溶液Swに熱を奪われ凝縮して冷媒液となり、凝縮冷媒管57Dを介して冷媒蒸気管58に流入し、中温冷媒蒸気Vmと混合される。冷媒蒸気管58を流れる中温冷媒蒸気Vmは、冷媒液が混入して混合冷媒蒸気Vnとなり、低温再生器32Bの加熱蒸気管32Baへと送られる。
他方、希溶液管55Bを流れて低温再生器32Bに導かれた希溶液Swは、希溶液散布ノズル32Bbから散布される。希溶液散布ノズル32Bbから散布された希溶液Swは、加熱蒸気管32Baを流れる混合冷媒蒸気Vnによって加熱され、低温再生器32B内の希溶液Sw中の冷媒が蒸発して低温濃溶液Sbとなる。他方、希溶液Swから蒸発した冷媒は低温冷媒蒸気Vbとして凝縮器33へと送られる。混合冷媒蒸気Vnからの受熱により温度が上昇した低温濃溶液Sbは、低温再生器32B内の圧力や重力により低温濃溶液管56Bへ導出される。なお、加熱蒸気管32Baを流れる混合冷媒蒸気Vnは、希溶液Swに熱を奪われ凝縮して冷媒液Vdとなり、凝縮冷媒管59を流れて凝縮器33に導入される。
低温再生器32Bから導出されて低温濃溶液管56Bを流れる低温濃溶液Sbは、中温溶液熱交換器35から導出されて高温濃溶液管56Aを流れてきた高温濃溶液管Saと合流して混合濃溶液Scとなって濃溶液管56を流れる。その後混合濃溶液Scは、低温溶液熱交換器36に流入して吸収器31から導出された希溶液Swと熱交換を行い温度が低下する。温度が低下した混合濃溶液Scは、高温溶液熱交換器37で熱交換を行って温度が低下した高温濃溶液Saと混ざり合って混合濃溶液Sdとなる。混合濃溶液Sdは、吸収器31に導かれ、濃溶液散布ノズル31bから冷却水管31aに向けて散布される。以降、同様のサイクルを繰り返す。
以上の説明では、高温再生器32A(図1参照)(変形例(図2参照)を含む)の上部管寄せ15の上端と第1気液分離器22の上端とがほぼ同じ高さになるように構成されているとしたが、以下の高温再生器32E(図4参照)のように構成されていてもよい。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る高温再生器32Eの縦断面図である。高温再生器32Eの、高温再生器32A(図1参照)と異なる点を以下に示す。高温再生器32Eは、第1気液分離器22の上端が上部管寄せ15の上端よりも高所に位置するように、第1気液分離器22及び上部管寄せ15が配設されている。そして、上部管寄せ15の上面に混合流体Fmを導出する混合流体導出口15eが形成されており、この混合流体導出口15eと第1の気液分離器22に形成された混合流体導入口22dとが90°曲がった混合流体管21Eで接続されている。これにより、混合流体導入口22d(少なくとも混合流体導入口22dの下端)が混合流体導出口15e(少なくとも混合流体導出口15eの下端)よりも高所に位置するようになっている。このように構成されていると、第1気液分離器22内における1次冷媒蒸気Vpが占める容積を増大させることができ、第1気液分離器22における気液分離効果を向上させることができる。この場合、混合流体管21の全体又は一部を大径にするもしくは複数本にする、あるいは上部管寄せ15の混合流体導出口15eと第1気液分離器22の混合流体導入口22dとを近接させて混合流体管21の長さを短くする等によって、液管10で発生した混合流体Fmが第1気液分離器22に導入される際の流通抵抗(圧力損失)を、第1気液分離器22への高温濃溶液Saの導入の妨げにならない程度に低減することにより、第1気液分離器22の高温濃溶液導出口22nから、常に、高温濃溶液Saを取り出すことができる。
また、高温再生器32Eでは、第1気液分離器22と第2気液分離器24との位置関係が、外見上高温再生器32A(図1参照)と同様に示されているが、第2気液分離器24に形成された戻り溶液導出口24rは第2気液分離器24内の最下部である底面に設けられており、第2気液分離器24の最下部(すなわち戻り溶液導出口24r)が第1の気液分離器22内の高温濃溶液Saの常用液位SaLよりも高所に位置するように構成されている。このように構成されていると、第2気液分離器24内は、実質的に1次冷媒蒸気Vp(導出冷媒蒸気Va)で満たされることとなり、第2気液分離器24の内容積を小さくすることができる。常用液位SaLとして第1気液分離器22内に現れる高温濃溶液Saの最高液位を採用してもよく、この場合は、第2気液分離器24内は常に分離前後の1次冷媒蒸気Vpで満たされて十分に気液分離を行うことができる。また、常用液位SaLとして第1気液分離器22内に現れる高温濃溶液Saの最低液位を採用してもよく、この場合は、常用液位SaLを第1気液分離器22内に現れる高温濃溶液Saの最高液位とした場合に次ぐ気液分離性能になるが、高温再生器の全高を下げて高温再生器をコンパクトにすることができる。常用液位SaLとして第1気液分離器22内に現れる高温濃溶液Saの最高液位と最低液位との間の液位を採用すれば、両者の長所を按分することとなるため、常用液位SaLとして、典型的には主として運転される運転負荷時(例えば、運転時間が最も長くなる運転負荷時)における第1気液分離器22内の高温濃溶液Saの液位を採用すると、気液分離性能の向上と高温再生器32Eのコンパクト化とのバランスがよくなり好適である。吸収冷凍機30(図3参照)がどのような運転負荷で最も運転されるか、ひいては高温再生器32Eがどのような運転負荷で最も運転されるかは、高温再生器32Eが採用されるシステムの設計条件によるところが大きい。つまり、運転負荷範囲や第1気液分離器22及び第2気液分離器24の気液分離方式や気液分離効果を勘案して、第1気液分離器22の常用液位SaL(基準液面)を適宜決定するとよい。
前述のように、1次冷媒蒸気Vpが同伴する高温濃溶液Saである戻り溶液Srは、第1気液分離器22内で冷媒蒸気から一度分離されているために、上部管寄せ15から第1気液分離器22へ流れる混合流体Fmに含まれる高温濃溶液Saよりもはるかに少ない。また、第2気液分離器24には第1気液分離器22と連通した戻り溶液Sr(高温濃溶液Sa)の液位が現れる。高温再生器32Eでは、第2気液分離器24の最下部が第1の気液分離器22内の高温濃溶液Saの常用液位SaLよりも高所に位置し、第2気液分離器24の最下部に戻り溶液導出口24rが形成されているので、第2気液分離器24内に流入する戻り溶液Srの量が少ないことと1次冷媒蒸気Vp(導出冷媒蒸気Va)で満たされた第2気液分離器24内すべての空間を利用して、第2気液分離器24に流入した、戻り溶液Srが同伴した1次冷媒蒸気Vpから、戻り溶液Srを十分に(導出冷媒蒸気導出口24eから導出される導出冷媒蒸気Vaが、高温再生器32Eが吸収冷凍機30(図3参照)に組み込まれたときの吸収冷凍機30の作動に支障がない程度に)分離することができる。運転負荷が低い場合には、第1気液分離器22から第2気液分離器24に同伴する戻り溶液Srは少ないために、この傾向はより顕著になる。このため、運転負荷が高い場合でも低い場合でも、第2気液分離器24の導出冷媒蒸気導出口24eから、常に、高温冷媒蒸気Vaを取り出すことができる。
なお、図5で本発明の第4の実施の形態に係る高温再生器32Fとして示すように、第1の気液分離器22の上端が、上部管寄せ15の上端よりも高所に位置するようにしつつ(図5では第1気液分離器22の混合流体導入口22dも上部管寄せ15の混合流体導出口15eよりも高所に位置するようになっている)、第2気液分離器24の導出冷媒蒸気導出口24eが第1気液分離器22の1次冷媒蒸気導出口22eとほぼ同じ高さに位置するように配設して、高温再生器32Fの高さを抑制するように構成されていてもよい。導出冷媒蒸気導出口24eが1次冷媒蒸気導出口22eとほぼ同じ高さに位置し、第1気液分離器22の上端が上部管寄せ15の上端よりも高所に位置していると、第1気液分離器22内における1次冷媒蒸気Vpが占める容積を確保することが可能となり、第1の気液分離器22における気液分離効果を向上させることができる。
また、高温再生器32E(図4参照)及び高温再生器32F(図5参照)共に、第2の戻り管26の他端を第1の戻り管25に割り込ませ、戻り溶液Srを第1の戻り管25内を流れる高温濃溶液Saに合流させるように図示したが、図1に示す高温再生器32Aのように、第1の戻り管25と第2の戻り管26とが共に下部管寄せ14に接続されるように構成されていてもよい。
以上の説明では、高温再生器32A(図1参照)(変形例(図2参照)を含む)、32E(図4参照)、32F(図5参照)の第1気液分離器22及び第2気液分離器24が、共に垂直のバッフル板22a、24aを内蔵した気液分離方式であるとしたが、これに限らず、図6に示す遠心式気液分離方式やその他の気液分離方式でもよい。
図6は、高温再生器32A(変形例(図2参照)を含む)、32E、32Fが有する気液分離器の変形例を説明する図であり、(a)は水平断面図、(b)は縦断面図である。ここでは第1気液分離器22(図1等参照)の変形例として説明し、第2気液分離器24(図1等参照)については対応する部材の符号を図6中に括弧書きで示す。変形例に係る気液分離器22Cは、バッフル板22a(図1等参照)に代えて蒸気導出管22pが設けられている。蒸気導出管22pは、一端が気液分離器22Cの上面に形成された1次冷媒蒸気導出口22eに接続されており、他端が気液分離器22C内に貯留される高温濃溶液Saの最高液位よりも上方に位置するように配設されている。蒸気導出管22pが気液分離器22C内に延びている場合であっても、蒸気導出管22pと1次冷媒蒸気管23との接続位置を気液分離器22Cの蒸気取り出し口の位置とする。このように構成された気液分離器22Cでは、混合流体管21を介して導入された混合流体Fmが蒸気導出管22pの外周に沿って旋回しながら下降し、1次冷媒蒸気Vpと高温濃溶液Saとに分離される。そして、1次冷媒蒸気Vpは蒸気導出管22pの内部を通って1次冷媒蒸気導出口22eから導出され、高温濃溶液Saは高温濃溶液管46あるいは第1の戻り管25(図1等参照)に導出される。
バッフル板を内蔵した気液分離方式及び遠心式気液分離方式にはそれぞれ気液分離性能が優れている運転負荷領域があるので、気液分離性能が優れている運転負荷領域が異なる2個の気液分離器を、それぞれ第1気液分離器及び第2気液分離器として組み合わせてもよい。例えば、高温再生器に流入する溶液流量、高温再生器の運転圧力、運転負荷範囲の広狭等に応じて、バッフル板を内蔵した気液分離器、遠心式気液分離器、あるいは他の方式の気液分離器のうちの1つを第1気液分離器とし、第1の気液分離器と異なる方式の気液分離器を第2気液分離器として採用してもよい。また、第1及び第2の気液分離器として同じ気液分離器方式を採用した場合であっても、気液分離器の寸法を変えることによって気液分離に優れた運転負荷領域を変えることができるので、寸法の異なる2個の気液分離器を合わせて高温再生器を構成してもよい。このように構成することにより、広い運転負荷範囲で優れた気液分離性能を発揮する気液分離器を備えた高温再生器とすることができる。
以上の説明では、上部管寄せ15と第1気液分離器22とが1本の混合流体管21(図1、図2参照)、21E(図4、図5参照)で接続されているように示されているが、2本以上の混合流体管21、21Eで接続されていてもよい。
また、環状の上部管寄せ及び下部管寄せを採用した例を示したが、水平断面が矩形形状の上部管寄せ及び下部管寄せを採用した角形貫流ボイラ式高温再生器に適用してもよい。
以上の説明では、吸収冷凍機30が三重効用吸収冷凍機であるとして説明したが、単効用吸収冷凍機や二重効用吸収冷凍機であってもよい。単効用吸収冷凍機とした場合は、本実施の形態で説明した高温再生器32A(変形例(図2参照)を含む)、32E、32Fを再生器とすることができ、二重効用吸収冷凍機とした場合は、本実施の形態で説明した高温再生器32A(変形例(図2参照)を含む)、32E、32Fを作動温度が高い方の再生器とするとよい。
以上の説明では、吸収冷凍機30が高温再生器32A(変形例(図2参照)を含む)、32E、32Fの下部管寄せ14に希溶液Swを導入するように構成されることとしたが、低温濃溶液Sbや中温濃溶液Smを下部管寄せ14に導入するように構成してもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る高温再生器の縦断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高温再生器の変形例の縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る吸収冷凍機の系統図である。 本発明の第3の実施の形態に係る高温再生器の縦断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る高温再生器の縦断面図である。 高温再生器が有する気液分離器の変形例を説明する図である。(a)は水平断面図、(b)は縦断面図である。 従来の貫流ボイラ式高温再生器の縦断面図である。
符号の説明
10 液管
14 下部管寄せ(液室)
15 上部管寄せ(上部環状部材)
15e 混合流体導出口
22 第1の気液分離器
22d 混合流体導入口
22e 1次冷媒蒸気導出口
22n 濃溶液導出口
24 第2の気液分離器
24e 導出冷媒蒸気導出口
24r 戻り溶液導出口
25 第1の戻り管
26 第2の戻り管
31 吸収器
32A、32E、32F 高温再生器
32M 中温再生器
32B 低温再生器
33 凝縮器
34 蒸発器
Fm 混合流体
p 被冷却媒体
Sa 高温濃溶液
SaL 常用液位
Sd 濃溶液
Sr 戻り溶液
Sw 希溶液
Va 高温濃溶液(導出冷媒蒸気)
Ve 冷媒
Vf 冷媒液
Vp 1次冷媒蒸気

Claims (8)

  1. 加熱され濃縮される希溶液を下方から上方に向かって流す液管と;
    前記液管に、前記液管の下部から前記希溶液を供給する液室と;
    前記液管で前記希溶液が加熱されることによって発生した1次冷媒蒸気と濃度が上昇した濃溶液との混合流体を導入し、前記混合流体から前記1次冷媒蒸気と前記濃溶液とを分離する、前記液室と連通する第1の気液分離器と;
    前記1次冷媒蒸気を導入し、前記1次冷媒蒸気に同伴する、前記希溶液よりも高濃度の溶液である戻り溶液と、導出冷媒蒸気とに分離する第2の気液分離器とを備える;
    高温再生器。
  2. 前記第1の気液分離器内の濃溶液を前記液室に導く第1の戻り管と;
    前記戻り溶液を前記液室に導く第2の戻り管とを備える;
    請求項1に記載の高温再生器。
  3. 前記第2の気液分離器の最下部に前記戻り溶液を前記液室に向けて導出する戻り溶液導出口が形成され、前記戻り溶液導出口よりも高所の前記第2の気液分離器に前記導出冷媒蒸気を導出する導出冷媒蒸気導出口が形成され;
    前記戻り溶液導出口が形成された前記最下部が、前記第1の気液分離器内の濃溶液の常用液位よりも高所に位置するように構成された;
    請求項2に記載の高温再生器。
  4. 前記戻り溶液が前記第1の戻り管を経由して前記液室に導かれるように構成された;
    請求項2又は請求項3に記載の高温再生器。
  5. 前記第1の気液分離器に、前記濃溶液を吸収冷凍機の吸収器に向けて導出する濃溶液導出口が形成され;
    前記濃溶液導出口が、作動中における前記液管に現れる液面の最低高さと、前記液管の上端の高さとの間の高さに位置するように構成された;
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高温再生器。
  6. 前記液管を複数備え;
    さらに、複数の前記液管から前記混合流体を収集する上部環状部材を備え;
    前記液室が、複数の前記液管に前記希溶液を供給するように構成された;
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の高温再生器。
  7. 前記第1の気液分離器の上端が、前記上部環状部材の上端よりも高所に位置するように構成された;
    請求項6に記載の高温再生器。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の高温再生器と;
    冷媒蒸気を凝縮する凝縮器と;
    前記凝縮器で凝縮した冷媒液を導入し被冷却媒体の熱で前記冷媒液を蒸発させる蒸発器と;
    前記濃溶液を導入し、前記蒸発器で蒸発した冷媒を前記濃溶液で吸収し濃度が低下した希溶液を前記液室に向けて導出する吸収器とを備える;
    吸収冷凍機。
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