JP2008008607A - グロープラグおよびその製造方法 - Google Patents

グロープラグおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008008607A
JP2008008607A JP2007138847A JP2007138847A JP2008008607A JP 2008008607 A JP2008008607 A JP 2008008607A JP 2007138847 A JP2007138847 A JP 2007138847A JP 2007138847 A JP2007138847 A JP 2007138847A JP 2008008607 A JP2008008607 A JP 2008008607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
outer cylinder
plating layer
glow plug
heater holding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007138847A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4968786B2 (ja
Inventor
Tomohisa Goto
智久 後藤
Shinya Murakoshi
新也 村越
Masashi Kato
真史 加藤
Sadamitsu Harada
定光 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2007138847A priority Critical patent/JP4968786B2/ja
Publication of JP2008008607A publication Critical patent/JP2008008607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4968786B2 publication Critical patent/JP4968786B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

【課題】 表面にメッキ層を形成したハウジングを有するグロープラグにおいて、特にヒータを保持するヒータ保持外筒との接合部を含む周囲の耐食性を向上させつつ、良好な接合が維持されたグロープラグを提供する。
【解決手段】
ハウジング10の外周面にZn成分を含むメッキ層11を形成する一方、ハウジング10の先端面10fとヒータ保持外筒60の後端向き端面61とを直接的に接触させる構造とし、この接触した部位の径方向外側の一部が溶融した溶接によってハウジング10とヒータ保持外筒60とが接合された構造とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの予熱や始動補助等に用いられるグロープラグ(以下単にプラグともいう)に関し、特に表面に防錆処理がなされたグロープラグ、およびそのグロープラグを製造する方法に関する。
グロープラグは従来から主にディーゼルエンジンの始動補助や排気ガスの清浄化のために使用されている。グロープラグの種類としては、発熱コイルが金属製チューブの内部に収容されたヒータ(以下、シースヒータともいう)をハウジングで保持させてなるメタルグロープラグと呼ばれるタイプのものと、導電性セラミックからなる発熱体を絶縁性セラミックからなる基体に固定させてなるセラミックヒータをハウジングに保持させてなるセラミックグロープラグと呼ばれるタイプのものとに大別される。このセラミックグロープラグはセラミックヒータをハウジングに保持させるにあたり金属外筒(ヒータ保持外筒)と呼ばれる中間部材を介して固定する構造がある(例えば特許文献1参照)。このようにヒータ保持外筒を用いてセラミックヒータをハウジングに保持させる構成では、セラミックヒータをろう接や圧入によりヒータ保持外筒に保持させ、このヒータ保持外筒とハウジングとを当接させ、その当接した部位に対してレーザ溶接を行うことでその接合の確実性を向上させる構成がとられている。そして、溶接により形成された溶接部とハウジングを覆うように外周面に例えばアルミ微粉末を含有した塗料を塗装(以下、防錆アルミ塗装と称する)するなどの防錆処理が施されている。すなわち、このようなグロープラグはグロープラグを構成する各部材を組み合わせて殆ど完成させた後に最終工程として防錆処理の塗装を行い製造されている。これはハウジングを構成する材料が材料コストや加工性の観点から鉄基合金を用いられているためである。なお、上記メタルグロープラグとしてシースヒータをハウジングが保持するにあたり中間部材、すなわちセラミックグロープラグと同様にヒータ保持外筒を用いるものもある。
ところで、このようにハウジングとヒータ保持外筒との接合後に防錆処理を施すには例えばプラグ1本ごとに支持して防錆塗装を施すというように処理工程が別途必要となり製造コストの増加の原因となりうる。また、プラグが取り付けられるディーゼルエンジンの高出力化、高性能化のため、プラグの使用環境が過酷になることからも防錆アルミ塗装では耐食性が不足することもあり、ハウジングに金属メッキを施し耐食性を向上させることが求められる背景もある。このような事情に際し、金属外筒と接合する前に予めハウジングに対して例えば亜鉛(Zn)メッキを施すことが検討される。Znメッキ層は比較的安価に形成することが可能である。また、さらなる耐食性が必要な場合はニッケル(Ni)メッキやそれらの合金であるZn−Ni合金メッキを施すことも考えられる。
特開2004−205148号
しかしながら、上記のメッキ層は耐食性を容易に得ることができる反面、金属同士の当接界面に存在した状態で溶接すると接合性が悪化するという問題がある。より具体的には、接合される金属部材同士の当接界面にメッキ層が介在した状態でレーザ溶接を行うと、溶接部にボア(ブローホールともいう)の形成や火花(スパッタ)の発生によるスパッタ痕が生じ、外観が損なわれ、また接合性や耐食性も低下したものとなるおそれがある。このような不具合は上記のいずれのメッキ層であってもその種類を問わず生じうるが、特にメッキ層がZn成分を含むものである場合ではその傾向が顕著である。これはZnの沸点が907℃と低く、溶接の際に気化し、溶融している部分の内部から気泡として排出されるためと考えられる。また、グロープラグの完成品においてその外周面の一部を形成する溶接部表面よりも内部(内径側)において、メッキ層を溶融する工程を経てグロープラグを製造することに起因する不具合であるとも考えられる。なお、溶接部とは溶接の際に接合される部材が溶融して溶け込みあった部位を示すものである。
本発明はこのように予めメッキ層、特にZn成分を含有するメッキが施されたハウジングとヒータ保持外筒とを接合させても耐食性の不足や上記不具合が生じないグロープラグを提供するとともに、そのグロープラグを製造する方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明のグロープラグは、
軸線方向に伸びる棒状のヒータと、当該ヒータを径方向外側から保持し、後端向き端面を有するヒータ保持外筒と、自身の先端面が前記ヒータ保持外筒の後端向き端面に当接するとともに、当該先端面と前記後端向き端面とが当接しあった当接部の外周に溶接部を介して前記ヒータ保持外筒の後端側に接合される円筒状のハウジングと
を有するグロープラグであって、
少なくとも前記ハウジングの外周面のうち、前記溶接部の後端側に隣接した部位にZn成分を含有するメッキ層を有し、前記溶接部の径方向内側に隣接する前記当接部では前記ヒータ保持外筒と前記ハウジングとが直接的に接触していることを特徴とする。
ハウジングはヒータ保持外筒との当接界面が溶接されることによって一体となりヒータを保持する形態をなす。すなわち、溶接によって溶融する部位は溶接前にハウジングの先端面とヒータ保持外筒の後端向き端面とが当接しあった当接界面を含む部位である。溶接を行う際は、事前にハウジングの先端面とヒータ保持外筒の後端向き端面とを位置決めして行うものであり、これを径方向外側から溶接すると、グロープラグの軸線を含んだ半断面でみればハウジングとヒータ保持外筒との当接部と溶接部とが隣り合った構成となる。前述の通り、溶接部にブローホールやその周囲にスパッタ痕が形成される原因はハウジングとヒータ保持外筒との当接界面にメッキ層が存在しているためであるので、溶接部よりも内側に隣接した当接部がメッキ層等を介さず直接的にハウジングとヒータ保持外筒とが当接していれば溶接する際にブローホールを生じさせる原因が存在しないこととなる。したがって、このように形成されているグロープラグであればブローホールやスパッタ痕に起因する耐食性不足等の不具合の発生を抑制し、外観も良好なグロープラグを提供することが可能となる。なお、このように形成するために、メッキを施したハウジングに対してその当接界面となる先端面を研磨してメッキを剥離しておいてもよく、またメッキ層を形成する際にマスキングをしてメッキ自体をハウジングの先端面に形成しないようにしておいてもよい。なお、マスキングを行う場合は、少なくとも溶接により溶接部となる部位以内に抑えておくことが望ましい。溶接部として形成されない部位までマスキングをしてしまうと、溶接部とならずにハウジングとして露出した部分の耐食性が確保できないためである。
また、ヒータ保持外筒のうち溶接部とならずにヒータ保持外筒として露出する部分の耐食性を確保するためには、耐食性を有するメッキ層が形成されたものを使用するとよい。この場合、ハウジングと当接する部位にはメッキ層が形成されていない状態としておくとよい。また、後述するがヒータ保持外筒の素材自体が耐食性を有するものである場合は別途ヒータ保持外筒の露出する部分にメッキ層を施す必要もなく、また、ハウジングとの当接する部位のメッキを除去するといった工程も不要となるために望ましい構成ともいえる。
なお、ハウジングに形成されるメッキ層はレーザ溶接する際にヒータ保持外筒との当接界面に介在するものが特に問題となるのであり、ハウジングの先端部の外周面にメッキ層が形成されている分には問題は無い。ブローホールやスパッタ痕が形成される問題が生じるのは、溶接時に溶融される当接界面に形成されたメッキ層の成分が気化することが原因と考えられ、表層であれば溶接時の加熱の初期に外気へ蒸発してしまうと考えられるためである。このようなことから、溶接部の軸線方向後端側に隣接するハウジング外周面にはメッキ層を形成しておく方が、より高温になりやすく耐食性が損なわれやすいプラグの先端部分における耐食性を向上させることができる。逆説的には、製造の面ではハウジングの先端面のみメッキ層が存在しないようにしておけばよい。
また、本発明のグロープラグは、前記メッキ層はZn成分を含有することを特徴とする。前述の如く、ブローホールやスパッタの形成は、メッキ層を構成する成分として融点がより低いZn成分を含有する場合に特に顕著に生じる傾向があるため、前述の構成はメッキ層にZn成分が含有されるときに特にその効果が顕著に現れる。
また、本発明のグロープラグは、前記メッキ層の厚みは5μm以上であることを特徴とする。
メッキ層に期待される効果は耐食性の向上である。これを十分満足するためには所定の厚みが必要であると共に、当接界面に存在するメッキ層がある程度の厚みを有するために、当接界面にメッキ層が存在する状態で溶接を行うと前述の不具合が生じるのである。具体的には、メッキ層の厚みを5μm以上とするとよい。メッキ層の厚みが5μm未満である場合は溶融される当接界面に存在していたとしても不具合は生じにくい。また5μm未満では、本来耐食性を稼ぎたいハウジングにおいてその耐食性が不十分となるおそれもある。一方、メッキ層の厚みの上限値については30μm以下とするとよい。メッキ層の厚みが増すことでハウジング耐食性は向上するものの、30μmを超えても必要以上のメッキ層形成によるコストアップやハウジングの全表面に形成した後にハウジングの先端面のメッキ層を剥離・研削等によって取り除く製造方法では、除去されるメッキ量が多く無駄となってしまうことが考えられる。
前述の如く、メッキ層にZn成分が含有されているとその不具合が顕在化するが、一例としては、メッキ層におけるZn成分の含有量は80質量%以上が考えられる。例えば含有量が100質量%とはZnの金属メッキであり、一方、例えばZn−Ni合金メッキのような合金メッキを考慮した場合でもZn成分は80質量%以上含有されることが考えられる。このようにZn成分を高い割合で含有する例では特に問題となりやすいためである。
また、本発明のグロープラグは、前記ヒータ保持外筒は後端向き端面の径方向内側に当該後端向き端面から後端方向に突出するとともに前記ハウジングのうちの先端側内周面に当接する係合部を有し、
前記当接部の径方向内側に隣接した部位は前記ヒータ保持外筒の後端向き端面と前記ハウジングの先端面とが離間していることを特徴とする。
ハウジングの先端面が当接するヒータ保持外筒の後端向き端面の内側にハウジングの内孔と略同一径を有するように、後端向きに突出する凸部(係合部)を形成することによってハウジングとヒータ保持外筒とを接合する際の位置決めを容易にすることができる。しかしながら、この構成を採用すると、次の不具合が生じ得る。すなわち、ハウジングのヒータ保持外筒との接合に先立ち、メッキ層をハウジングの表面に形成しているために、この係合部である凸部に嵌入(圧入)させる際にメッキ層が剥がれ落ちることがある。このとき、剥がれ落ちたメッキがハウジングの先端面とヒータ保持外筒の後端向き端面との間に介在すると、ハウジングの先端面をヒータ保持外筒の後端向き端面に当接させることが困難となったり、力任せに当接させてしまうとハウジングとヒータ保持外筒との同軸度が大きくずれてしまうことがある。本発明のように当接部の径方向内側に隣接した部位にヒータ保持外筒の後端向き端面とハウジングの先端面とが離間するように構成して、いわば"逃げ"となる空間を形成することによって剥がれ落ちたメッキはその空間に収まり、接合に際する不具合を生じないように形成することが可能となるのである。このように"逃げ"を形成することによってハウジングとヒータ保持外筒との当接部近傍は径方向外側から溶接部、当接部、空間(前記後端向き端面と先端面とが離間した部分)、係合部という構成となる。なお、後述する本実施例においては、係合円筒部60kがこの係合部に相当する。
また、本発明のグロープラグは、前記ヒータ保持外筒の素材が前記ハウジングの素材よりも耐食性に優れることを特徴とする。
ハウジングおよび、ハウジングとヒータ保持外筒とが接合された溶接部の耐食性についてはヒータ保持外筒の素材がハウジングの素材よりも耐食性に優れること、すなわちヒータ保持外筒に含まれている耐食性を向上させる成分が混じり合って溶接部が形成されることにより担保される。また、素材自体が耐食性を有するため、別途耐食性向上のための処理を行うことも不要となる。これを達成するヒータ保持外筒の素材の一例としては、クロム(Cr)成分を16質量%以上含有する鉄(Fe)基合金(例えばSUS430、SUS630等のステンレス)があげられる。
また、前記ヒータ保持外筒をCr成分を含有するFe基合金から構成し、前記ハウジングのCr成分の平均含有率をWh、前記ヒータ保持外筒のCr成分の含有率をWc、前記溶接部のCr成分の含有率をWmとしたとき、Wh<Wm<Wcの関係を満たすとともに、Wmが5質量%以上であることを特徴とする。
ヒータ保持外筒はセラミックヒータを保持するため所定の硬さを有していることが必要である。このためにヒータ保持外筒を構成する材料にはCr成分を多く含んだ、例えばステンレス等を用いて構成する。一方、ハウジングは加工の容易性等を重視し、炭素鋼を用いて構成される。しかしながら、炭素鋼(鉄基合金)は耐食性の面では必ずしも優れるものではないため、ハウジングの外周面には上記のように耐食性を有するメッキ層が形成されたものとしているのである。
ところで、Cr成分は耐食性を向上させる成分であり、鉄基合金中に含有させることで耐食性が飛躍的に向上することが知られている。そこで、上記溶接部におけるCr成分の平均含有率Wmを5質量%以上となるように溶接を行えば、例えば従来の防錆アルミ塗装のような接合後に耐食性を向上させる別工程を付加することなく耐食性に優れるグロープラグを構成することが可能となる。すなわち、この構成を採用することにより従来の防錆アルミ塗装に比較して耐食性に優れるメッキをハウジングに対して事前に施したものを採用してグロープラグを製造することができ、ハウジングとヒータ保持外筒とを接合した後に防錆処理を施す必要性がなくなるのである。
ハウジングとヒータ保持外筒との溶接部における耐食性を確保する方法として、上記のようにヒータ保持外筒を構成する素材に含まれる耐食性向上成分(例えばCr)を得る構成を取り得る。溶接部を構成する成分が、過度にハウジングの溶融によって供給される場合は耐食性向上成分の割合が少なく、溶接部の十分な耐食性が得られないおそれがある。そこで本発明のグロープラグは、
前記軸線を含む断面における前記溶接部をみたときに、当該溶接部のうちの前記ハウジングの前記先端面と前記ヒータ保持外筒の前記後端向き端面とが当接した当接面を含んで延長した仮想面によって分断されるハウジング側溶接部面積Sbとヒータ保持外筒側溶接部面積Sfとが
Sb<Sf
の関係を満たす構成とすることができる。このように構成することにより、溶接部を構成する成分としてヒータ保持外筒に含まれる耐食性向上成分が十分に行き渡る構成とすることが可能となる。
グロープラグを製造するにあたっては次のように製造することができる。
軸線方向に延びる棒状のヒータと、当該ヒータを径方向外側から保持し、後端向き端面を有するヒータ保持外筒と、溶接部を介して前記ヒータ保持外筒の後端側に接合され、自身の外周面のうち前記溶接部の後端側に隣接した部位に耐食性を有するメッキ層を有する円筒状のハウジングとを有するグロープラグを製造する方法であって、
前記ハウジングを、自身の前記外周面にメッキ層を形成する一方、先端面には前記メッキ層を形成しないものとするメッキ層形成工程と、前記メッキ層形成工程を経た前記ハウジングの前記先端面を前記ヒータ保持外筒の後端向き端面に当接させて位置決めする位置決め工程と、前記ハウジングと前記ヒータ保持外筒とをレーザ溶接して前記メッキ層の先端側に隣接する前記溶接部を形成するレーザ溶接工程とを含むことを特徴とする。
前述の如く、ハウジングの先端面とヒータ保持外筒の後端向き端面とを当接させ、その当接界面を含むように溶接して製造するときには、ハウジングの表面に形成されたメッキ層が当接界面に存在すると溶接性が損なわれる問題がある。一方、ハウジングは強度と加工性の関係から炭素鋼等が用いられるが、雨を初めとする水分やエンジンの発する熱に曝される関係で耐食性が求められ、これを実現する手段としてその表面(外周面)にメッキ層が形成される。この相反する課題を解決するためにメッキ層形成工程においては、ハウジングの外周面にメッキ層を形成するとともに溶接性に影響を与えるハウジングの先端面にはメッキ層を形成しないようにするとよい。具体的には、メッキ層を形成するためにメッキ浴にハウジングを浸す際に先端面を液面から露出させて先端面にはメッキ層を形成しないようにする手段や、先端面を含むようにマスキングを行った上でハウジング全体をメッキ浴に浸したりする手段を取ることができる。また、ハウジング全体にメッキ層を形成し、溶接に先立ってハウジングの先端面のメッキ層を研磨や切削等により除去する手段を採用してもよい。
このように先端面を除いたハウジングにメッキ層を形成した後、ヒータ保持外筒と溶接するための位置決めを行う。位置決めはそれぞれの部材をそれぞれ保持して、位置を固定した状態で溶接を行ってもよく、また、一方に対して他方が嵌め合わされるようにそれぞれ嵌合する部位を形成しておき、一体化させた後に溶接を行ってもよい。
溶接に際してはレーザ溶接を採用する。強固な接合性とグロープラグの内部と外部との液密を保持するためにも溶接を全周にわたって行うとよく、これを容易に達成できる溶接手段でもあるためである。そして、レーザ溶接工程によって溶接部を形成する際には、形成された溶接部と予めハウジングの外表面に形成されたメッキ層とが隣接するようにする。こうすることで、溶接部よりも後端側のハウジングの外周面についての耐食性が確保される。また、ヒータ保持外筒の素材として耐食性向上成分を含むものを採用することによってレーザ溶接工程により形成される溶接部にも耐食性向上成分が含まれることになり、溶接部の耐食性が確保される。
このレーザ溶接工程におけるレーザの出力やレーザの種類等は適宜変更し最適な条件とすればよい。なお、接合部に隣接するメッキ層がより確実に形成されたグロープラグとするには、レーザ溶接工程でのレーザ出力を接合強度に問題が生じない範囲で小さくするとよい。比較的大きい出力のレーザを照射すれば接合強度は高くなるものの、メッキ層のうちの溶接部近傍部分ではメッキ層が除去されて(蒸発して)しまうことがあるためである。
さらに上記グロープラグの製造方法においては、
前記メッキ層形成工程において、前記ハウジングのうち前記レーザ溶接工程にて溶融される部位を含めて前記ハウジングの前記外周面にメッキ層を形成するようにしてもよい。前述の如く、レーザを照射して溶接部を形成する際に、レーザが照射される部位の表面にメッキ層が存在しても溶接部の不具合には殆ど結びつくことはない。したがって、このようにメッキ層を形成しておき、レーザ溶接工程を経ることにより、より確実に溶接部とメッキ層とを隣接させたグロープラグを製造することが可能となる。
以下、本発明のグロープラグについて図面を参照して説明する。なお、図面上下方向を軸線AX方向とし、下方を先端、上方を後端として説明する。
図1は、本発明の一実施形態のグロープラグ100の全体を示す略半断面図であり、一部説明のために拡大して示す図である。グロープラグ100は、概略、ハウジング10、中軸20、セラミックヒータ30、リング部材40、ピン端子50、ヒータ保持外筒60が組み合わされて構成されている。
ハウジング10はS45C相当の炭素鋼からなり、軸線AXに沿って自身の内部が貫通した内孔10hを有する円筒状を呈しており、外周面のうち軸線方向中腹には図示外のディーゼルエンジンへの固定のためのねじ部10nが転造もしくは切削により形成されている。このねじ部10nよりも後端側の後端部10kにはディーゼルエンジンへ取り付ける際に六角レンチやプラグレンチ等の工具が係合する工具係合部10eが形成されている。また、後端部10kの内周側は、後端側に向かって内孔10hを拡径するテーパ部10t、およびこのテーパ10tのさらに後端側に隣接する大径孔10dが形成されている。一方、先端部10sは図3に示すように内周面(内孔10h)と先端面10fとによって形成される角がなくなるようにC面取り(C0.3以上)を施し、先端面10fの径方向内側の一部が面取り部分10mとして形成されている。この面取り部分10mが"ヒータ保持外筒の後端向き端面とハウジングの先端面とが離間した構成"に相当し、いわゆる"逃げ"を構成し、面取りを施した部分を含め先端面10fと呼称している。
一方、ヒータ保持外筒60はSUS430からなり、鍔状部(大円筒部60d)を有し、内孔60hが自身の内周に形成された略筒状を呈しており、この内孔60hへセラミックヒータ30が圧入されることによってセラミックヒータ30を保持している。ヒータ保持外筒60は、先端側に比較的薄肉の小円筒部60s、この小円筒部60sの後端側に隣接して後端向きに拡径するテーパ60t、さらにこのテーパ60tに続き小円筒部60sよりも大径でハウジング10の先端部10sと略同一の外径を有する大円筒部60d、さらに大円筒部60dよりも後端側には大円筒部60dよりも小径の係合円筒部60kが後端向き端面61を介して形成された構成を備える。なお、図示しないディーゼルエンジンへグロープラグ100として取り付けられる際には、テーパ60tが燃焼室との気密を確保するシールとしての役割を担う。
中軸20はS430からなり棒状の形態を呈している。その先端部はリング部材40と嵌合するように先端小径部20sが係合端面20tを境に形成され、一方後端部20kはピン端子50が取り付けられるためにややその他の部位よりも小径に形成されている。
リング部材40はSUS630製の円筒形状をなしている。このリング部材40の内径はセラミックヒータ30の後端部30kおよび中軸20の先端小径部20sのそれぞれの外径と略同径とする一方、外径は中軸20の係合端面20tよりも後端側に隣接する部分の外径と略同径としてなる。
セラミックヒータ30は棒状の絶縁性セラミック基体31に、導電性セラミックからなる抵抗発熱体32および1対のリード部33、33が埋設された構成をなしている。セラミックヒータ30の先端寄りの内部に位置する抵抗発熱体32は導電性セラミックでU字状に形成されたものであり、この抵抗発熱体32の各基端から後方へ向かって延びる2本のリード部33が同様に導電性セラミックから形成されている。なお、リード部33の一方はヒータ30の後端部30kにおいて前記リング部材40と導通可能な電極取出部34が軸線AXに垂直な径方向へセラミック基体31の表面に露出するように形成されている。リード部33の他方は前記電極取出部34より先端側にて、ヒータ保持外筒60と導通可能な電極取出部35が同様に径方向に形成されている。
次に上記それぞれの部材が組み合わされグロープラグ100を構成する過程について図2ないし図5により説明する。なお、従来周知の構成と特に変わらない部位についてはその説明を簡略ないしは省略する。
リング部材40はSUS630のパイプ材を切断し、所定の円筒形状に整えた後、Niストライクメッキ層を形成した後、Auメッキ層を形成する。同様にヒータ保持外筒60はSUS430のパイプ材を切断、切削等により所定の形状に加工し、その内周面に同様のメッキ処理を行いメッキ層を形成する。なお、このメッキ層の厚みは0.8μmとしている。
メッキ層が形成された後、リング部材40へセラミックヒータ30を挿通(圧入)して一体とする。このリング部材40と一体となったセラミックヒータ30をさらにヒータ保持外筒60へ挿入(圧入)し、図2(a)に示す一体物110を作製する。さらにこの一体部のリング部材40へ中軸を圧入の上レーザ溶接を行いヒータ−中軸一体物120(図2(b)参照)を作製する。
一方、ハウジング10はS45Cの炭素鋼棒材を引き抜いたパイプ材を所定の長さに切断し、マシニングセンタやリーマ等を用いて後端部10kの工具係合部10eや大径孔10dを形成する。また、転造ダイスを用いてねじ部10nを形成する。概形の形成方法はこの方法に限定されるわけではないが事前にほぼ完成形状を形成しておき、その後、Zn−Ni合金メッキ浴に浸しその表面にZn−Ni合金メッキ層11を形成する。さらにその上にクロメート処理を施してもよい。メッキ層11を形成した後、ハウジング10の先端面10fに対して研磨を行い、先端面10fのうちヒータ保持外筒60と当接する面のメッキ層11を取り除く。本実施の形態では、このときに面取りを行い、面取り部分10mを形成している。なお、メッキ層11については図面を明瞭に示すため、図4,5のみに描写している。なお、このときのメッキ層11の厚みは5μmとしている。また、実質的にメッキ層11の厚みは20μm程度とされるものもある。また、このメッキ層11にさらに3価のクロメート層を形成してもよい。
ところで、比較的長い円筒部材に対してメッキ層を形成する場合、内孔の表面まで一様にメッキ層を形成することは困難ではあるが、開口部付近には円筒部材の外周面同様にメッキ層は形成され得る。このため、完成したグロープラグ100はハウジング10の内孔10hのうちヒータ保持外筒60の後端部(係合円筒部60k)の軸方向に隣接する部位にはメッキ層11が形成されたものとなっている。
一方、ヒータ−中軸一体物120とハウジングとを接合する(図2(c)参照)。この接合に際しては、まず、係合円筒部60kにハウジング10の内孔10hの先端部を嵌め込み(圧入)、ハウジング10の先端面10fがヒータ保持外筒60の後端向き端面61に当接するまで押し嵌め両者の接合位置の位置決めを行う(図3(a),(b)参照)。この位置決めを行った上でハウジング10の先端面10fとヒータ保持外筒60の後端向き端面61とが当接しあった部分に対して径方向からレーザを照射することによってレーザ溶接を行い、両者を固定する(図3(b),(c)参照)。
この位置決めの際には、ハウジング10の先端面10fに設けた面取り部分10mは、圧入を容易にする効果と、ハウジング10の先端面10fとヒータ保持外筒60の後端向き端面61とが確実に当接する効果とを奏する。この効果を図3(a)〜(b)の過程を拡大して示す図4を用いて詳述する。
図4(a)に示すように、面取り部分10mはハウジング10をヒータ保持外筒60の係合円筒部60kに嵌入させる際に導入テーパとしての役割をも果たし、圧入を容易にする効果を奏する。このように圧入して溶接に先立ち各部材の位置決めを行うのであるが、このときにハウジング10の表面に形成したメッキ層11が剥がれ落ちてしまうことがある(図4(b)参照)。このとき、ハウジング10の先端面10fのうち面取りを行った面取り部分10mはヒータ保持外筒60の後端向き端面61から離間するため、後端向き端面61との間に空間が形成されることとなり、この空間に剥がれ落ちたメッキが収まる(図4(c)参照)。このため、面取り部分10mを形成しない図4(d)のように先端面10fと後端向き端面61とが非接触となってしまう事態を回避することができる。
このようにしてハウジング10とヒータ保持外筒60との位置決めを行った上(位置決め工程)、レーザ溶接により両者を接合する(レーザ溶接工程)(図2(c)、図3(b),(c)参照)。このレーザ溶接では、出力を適宜調整して過不足なく接合された状態とすればよいが、特に図5に示すように、ハウジング10の先端面10fとヒータ保持外筒60の後端向き端面61との当接界面の一部が当接部として残存するようにレーザ溶接を行い溶接部12を形成することが望ましい。前述の通り、面取り部分10mによって形成された空間に剥離したメッキが収容されている可能性があるため、当接界面の全てが溶融してしまうようにレーザを照射してしまうと、この収容されたメッキが気化し、やはり溶接部12にはブローホールやスパッタ痕が形成されてしまうおそれがあるためである。なお、本実施例において使用したレーザはYAGレーザであるが、特にレーザの種類を問うものではなく、例えばCOレーザ等、任意に使用すればよいが、実施の容易性の面からは本実施例のようにYAGレーザが好ましい。
以上のようにしてハウジング10、中軸20、セラミックヒータ30、ヒータ保持外筒60等が一体とされた後に、図2(d)のようにOリング101、絶縁ブッシュ102を挿入し、ハウジング10の後端部10kから突出した中軸20の後端部20kに予め形成したピン端子50を加締め固定することでグロープラグ100は完成する。
上記レーザ溶接工程においてハウジング10とヒータ保持外筒60とを接合する際に、両部材の当接面の外周部(すなわち、レーザにより溶融・溶接される部分である)はともに面取りを行わずそれぞれの部材を接合している。理由は定かではないが、両部材の当接面の外周部のC面取りがC0.15以上となると耐食性が落ちる傾向が見られたためである。
完成したグロープラグ100を軸線AXを含む平面にて切断し、この切断面における溶接部12およびその周辺部の様子を成分分析(EDS、EPMAなど)によりCr成分の分布状態を測定した。この測定結果を図6に示す。なお、EDS分析は、分析走査電子顕微鏡(JEOL製JSM-6380A)を用い、加速電圧を20kvで測定を行っている。この溶接部12におけるCr成分の分布状態を調べるため、溶接部12の外周面について、ハウジング10側からヒータ保持外筒60側へ軸方向にライン分析を行う。この測定結果を図7に示す。ライン分析の分析開始原点からの軸方向距離が0.14mmの位置がハウジング10の先端面10fとヒータ保持外筒60の後端向き端面61との当接界面が位置する点である。このライン分析の結果から溶接部12のCr成分の含有率を求める。この結果、溶接部12にはCr成分が平均5質量%以上含有されていることが確認された。なお、ハウジング10のCr成分の含有率Whは0質量%、ヒータ保持外筒60のCr成分の含有率Wcは16質量%であった。この結果Wh<Wm<Wcの関係を満たしていることが確認された。
次に本発明のグロープラグ100の特にハウジング10とヒータ保持外筒60の接合部である溶接部12の耐食性について確認した。試験方法はJIS H8502に準拠した塩水噴霧試験を行っている。この結果900時間が経過しても赤錆が発生しないことが確認され、耐食性に優れることが確認できた。なお、図7のライン分析結果によると、溶接部12のうちハウジング10に極近い部分は僅かではあるがCr成分の含有率が5質量%未満となる部分が確認される。しかしながら、上記の耐食性の確認試験においては良好な結果を示し、たとえ赤錆が発生するようなことがあっても本実施例のグロープラグ100では致命的となる錆は発生しない。この現象について溶接部12とハウジング10との界面近傍を拡大し模式的に示す図8を用いて考察する。なお、この図8においては明瞭化のため溶接部12にはハッチングを入れていない。
ハウジング10とヒータ保持外筒60とは互いに位置決めされた後にレーザ溶接により溶接されている。両者の部材が溶融されて形成された溶接部12はその一部がハウジング10の外周面に形成されたZn−Ni合金メッキ層11上に形成されうる(溶接部12のうち、境界線βにより区分する符号12aにて示す部分が相当する)。この符号12aの部分は主にハウジング10が溶融されて形成されているためCr成分の含有量は少なく、酸化するおそれがある。しかしながら、符号12a部分の内周側(図8において下方)にはZn−Ni合金メッキ層11が形成され、一方符号12a部分の先端側(図8において左方向)にはCr含有率がより高い溶接部12が形成されているため、符号12a部分を起点に錆が発生したとしても、その錆が進行することはなく、耐食性に優れる良好なグロープラグを実現することができるのである。すなわち、ヒータ保持外筒60とハウジング10とを接合する溶接部12の後端寄りの一部に外周面に形成されたメッキ層11が潜り込むように内周側に形成されることによってより確実な耐食性を得ることができるともいえる。
以上のように作製されたグロープラグ100はハウジング10の表面にはZn成分を含有するメッキ層11が形成され、メッキ層11が形成されていない溶接部12にはヒータ保持外筒60との溶接の際に供給されるCr成分が平均5質量%以上含まれるため耐食性に優れたグロープラグを実現することができる。そして、この溶接の際にはZn成分を含有するメッキ層が被接合部材(ハウジング10およびヒータ保持外筒60)の内部に存在しない、または存在しても溶接部12と触れない位置にメッキ層が存在するため、ブローホールやスパッタ痕が発生する不具合も回避したグロープラグを実現することが可能となる。
以上、実施例および検証試験に基づき本発明を説明してきたが、本発明は上記実施例になんら限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲での適宜変更が可能であることは言うまでもない。以下、変形例を例示するが同一の部材については同一の符号を準用する。例えば、上記実施例においてはハウジング10の先端面10fの一部のC面取りを行っているが、この面取りはC面取りに限られることなくR面取りとしてもよいし、面取り角度が45°である必要もない。また、ハウジング10にメッキ層を形成した前に面取りを行い面取り部分10mを含めてメッキ層11を形成しているが、メッキ層11を形成した後に面取りを行い面取り部分10mを形成してもよい。この面取りは剥離したメッキ層11の退避可能な空間を形成するために行っているが、この空間を形成するにあたっては図9(a)に示すようにヒータ保持外筒60の後端向き端面61のうち、係合円筒部60kの周囲一部のみを削り掘り下げた形状としてもよい。この形態とした場合も、掘り下げた部分を含めて後端向き端面と呼称する。
また、図9(b)に示すように、ハウジング10の先端面10fのうち径方向外側の一部を面取りし、一方、ヒータ保持外筒60の後端向き端面61のうちの一部がその面取り部分に係合するように形成して溶接を行うことによって、形成される溶接部12のCr成分の含有率を向上させてもよい。このように溶接部12のCr成分の含有率を向上させる手段として、図9(c)に示すように、ハウジング10の先端面10fのうちの径方向外側の一部とヒータ保持外筒60の後端向き端面61のうちの径方向外側の一部とをともに面取りしておき、両者を溶接する際にCr成分を含有する金属を添加しながら溶接部12を形成してもよい。
さらに本発明を実施すれば溶接部を含む周辺の耐食性は確保できるが、さらに従来のように防錆アルミ塗装を施すことを除外するものでもなく、耐食性を向上させる有機系の保護層を形成してもよい。例えば、外観を向上させるために有色陽極酸化膜を形成してもよい。
また、上記実施例では軸線AXを含む断面において、図6に示すようにハウジング10とヒータ保持外筒60との当接界面に溶接部12の径方向内側の最深部が来るように形成しているが、図10に模式的に示すように溶接部12の径方向内側の最深部Pがハウジングの先端面10fとヒータ保持外筒の後端向き端面61が当接した当接面を含むように延長(拡大)してなる仮想平面VPよりも先端側に来るようにしてもよい。
また、図11に示すように、溶接部12を仮想平面VPによって分断したときのハウジング10寄りのハウジング側溶接部面積Sbとヒータ保持外筒60側のヒータ保持外筒側溶接部面積Sfとを比較したときに、Sfの方が大きくなる(Sb<Sf)ように構成してもよい。
なお、ハウジング10の先端面10とヒータ保持外筒60の後端向き端面61(、およびそれら2つの当接面)とは必ずしも軸線AXに垂直な径方向に形成されていなければならないものではなく、図12(a)、図12(b)に示すように傾斜した向きを構成していても何ら問題はない。
さらに、メッキ層が形成されたハウジング10とヒータ保持外筒60とでは金属光沢の度合いが異なるためエネルギーの吸収率は異なる。レーザの照射径は微小であり、ハウジング10とヒータ保持外筒60との当接面にレーザを照射したときの、レーザの焦点径内(スポット内)におけるハウジング10とヒータ保持外筒60との面積占有率が個々の生産品で異なり、バラツキを生じうる。これを解消するために、レーザの狙いをずらして照射することにより、エネルギーの吸収率にバラツキが生じないようにしてもよい。
また、上記実施例においてはセラミックグロープラグを例に説明したが、メタルグロープラグであってもよく、例えばメタルグロープラグである場合は、ヒータ保持外筒とヒータチューブを一部材として構成してもよい。
本発明のグロープラグ100の全体の半断面図である。また一部を拡大し、当該拡大図中にてさらに一部を破断して説明する図である。 本発明のグロープラグ100の製造過程を説明する図である。 ヒータ−中軸一体物120とハウジング10との接合過程を説明する図である。 ヒータ−中軸一体物120とハウジング10との接合過程を拡大して本発明の効果を説明する図である。 ヒータ保持外筒60とハウジング10との接合をなす溶接部12を説明する図である。 溶接部12周辺部のEDS分析図である。 溶接部12のCr成分についてのライン分析図である。 本発明のグロープラグ100の耐食性に優れる考察を説明する図である。 本発明の変形例を説明する図である。 本発明の変形例を示し、溶接部12の最も径方向内側の点Pが仮想面VPよりも先端側に位置した例である。 本発明の変形例を示し、仮想面VPにより分断される溶接部12の面積(Sb、Sf)を説明する図である。 本発明の変形例を示し、当接面が傾斜した構成を示す図である。
符号の説明
10 ハウジング
11 メッキ層
12 溶接部
20 中軸
30 セラミックヒータ
40 リング部材
50 ピン端子
60 ヒータ保持外筒
100 グロープラグ

Claims (10)

  1. 軸線方向に伸びる棒状のヒータと、
    当該ヒータを径方向外側から保持し、後端向き端面を有するヒータ保持外筒と、
    自身の先端面が前記ヒータ保持外筒の後端向き端面に当接するとともに、当該先端面と前記後端向き端面とが当接しあった当接部の外周に溶接部を介して前記ヒータ保持外筒の後端側に接合される円筒状のハウジングと
    を有するグロープラグであって、
    少なくとも前記ハウジングの外周面のうち、前記溶接部の後端側に隣接した部位に耐食性を有するメッキ層を有し、前記溶接部の径方向内側に隣接する前記当接部では前記ヒータ保持外筒と前記ハウジングとが直接的に接触していることを特徴とするグロープラグ。
  2. 前記メッキ層はZn成分を含有することを特徴とする請求項1記載のグロープラグ。
  3. 前記メッキ層の厚みは5μm以上であることを特徴とする請求項1または2記載のグロープラグ。
  4. 前記ヒータ保持外筒は後端向き端面の径方向内側に当該後端向き端面から後端方向に突出するとともに前記ハウジングのうちの先端側内周面に当接する係合部を有し、
    前記当接部の径方向内側に隣接した部位は前記ヒータ保持外筒の後端向き端面と前記ハウジングの先端面とが離間していることを特徴とする請求項1ないし3記載のグロープラグ。
  5. 前記ヒータ保持外筒の素材が前記ハウジングの素材よりも耐食性に優れることを特徴とする請求項1ないし4記載のグロープラグ。
  6. 前記ヒータ保持外筒をCr成分を含有するFe基合金から構成し、前記ハウジングのCr成分の平均含有率をWh、前記ヒータ保持外筒のCr成分の含有率をWc、前記溶接部のCr成分の含有率をWmとしたとき、Wh<Wm<Wcの関係を満たすとともに、Wmが5質量%以上であることを特徴とする請求項1ないし5記載のグロープラグ。
  7. 前記軸線を含む断面における前記溶接部をみたときに、
    当該溶接部のうちの前記ハウジングの前記先端面と前記ヒータ保持外筒の前記後端向き端面とが当接した当接面を含んで延長した仮想面によって分断されるハウジング側溶接部面積Sbとヒータ保持外筒側溶接部面積Sfとが
    Sb<Sf
    の関係を満たすことを特徴とする請求項5または6記載のグロープラグ。
  8. 軸線方向に延びる棒状のヒータと、
    当該ヒータを径方向外側から保持し、後端向き端面を有するヒータ保持外筒と、
    溶接部を介して前記ヒータ保持外筒の後端側に接合され、自身の外周面のうち前記溶接部の後端側に隣接した部位に耐食性を有するメッキ層を有する円筒状のハウジングと
    を有するグロープラグを製造する方法であって、
    前記ハウジングを、自身の前記外周面にメッキ層を形成する一方、先端面には前記メッキ層を形成しないものとするメッキ層形成工程と、
    前記メッキ層形成工程を経た前記ハウジングの前記先端面を前記ヒータ保持外筒の後端向き端面に当接させて位置決めする位置決め工程と、
    前記ハウジングと前記ヒータ保持外筒とをレーザ溶接して前記メッキ層の先端側に隣接する前記溶接部を形成するレーザ溶接工程と
    を含むことを特徴とするグロープラグの製造方法。
  9. 請求項8に記載のグロープラグの製造方法であって、
    前記メッキ層形成工程において、前記ハウジングのうち前記レーザ溶接工程にて溶融される部位を含めて前記ハウジングの前記外周面にメッキ層を形成することを特徴とするグロープラグの製造方法。
  10. 請求項9に記載のグロープラグの製造方法であって、
    前記レーザ溶接工程は、前記溶接部のうち最も径方向内側の部位が前記ヒータ保持外筒内に位置するようにレーザを照射することを特徴とするグロープラグの製造方法。
JP2007138847A 2006-05-31 2007-05-25 グロープラグおよびその製造方法 Active JP4968786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007138847A JP4968786B2 (ja) 2006-05-31 2007-05-25 グロープラグおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006151802 2006-05-31
JP2006151802 2006-05-31
JP2007138847A JP4968786B2 (ja) 2006-05-31 2007-05-25 グロープラグおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008008607A true JP2008008607A (ja) 2008-01-17
JP4968786B2 JP4968786B2 (ja) 2012-07-04

Family

ID=39066974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007138847A Active JP4968786B2 (ja) 2006-05-31 2007-05-25 グロープラグおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4968786B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010048444A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Denso Corp グロープラグ
JP2011027303A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグの製造方法
JP2011038698A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ用ハウジング及びグロープラグ
JP2013140016A (ja) * 2013-04-22 2013-07-18 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグの製造方法
WO2013136658A1 (ja) * 2012-03-12 2013-09-19 日本特殊陶業株式会社 セラミックグロープラグ
JP2014013128A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ
JP2014142122A (ja) * 2013-01-24 2014-08-07 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ
JP2016099044A (ja) * 2014-11-20 2016-05-30 日本特殊陶業株式会社 グロープラグおよびその製造方法
JPWO2016080105A1 (ja) * 2014-11-21 2017-06-29 ボッシュ株式会社 セラミックスヒータ型グロープラグの製造方法及びセラミックスヒータ型グロープラグ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003059624A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Ngk Spark Plug Co Ltd ヒータ
JP2005207721A (ja) * 2003-12-24 2005-08-04 Denso Corp グロープラグ
WO2005080877A1 (ja) * 2004-02-19 2005-09-01 Ngk Spark Plug Co., Ltd. グロープラグ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003059624A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Ngk Spark Plug Co Ltd ヒータ
JP2005207721A (ja) * 2003-12-24 2005-08-04 Denso Corp グロープラグ
WO2005080877A1 (ja) * 2004-02-19 2005-09-01 Ngk Spark Plug Co., Ltd. グロープラグ

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010048444A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Denso Corp グロープラグ
JP2011027303A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグの製造方法
JP2011038698A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ用ハウジング及びグロープラグ
WO2013136658A1 (ja) * 2012-03-12 2013-09-19 日本特殊陶業株式会社 セラミックグロープラグ
JP5525106B2 (ja) * 2012-03-12 2014-06-18 日本特殊陶業株式会社 セラミックグロープラグ
JPWO2013136658A1 (ja) * 2012-03-12 2015-08-03 日本特殊陶業株式会社 セラミックグロープラグ
US9879646B2 (en) 2012-03-12 2018-01-30 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Ceramic glow plug
JP2014013128A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ
JP2014142122A (ja) * 2013-01-24 2014-08-07 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ
JP2013140016A (ja) * 2013-04-22 2013-07-18 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグの製造方法
JP2016099044A (ja) * 2014-11-20 2016-05-30 日本特殊陶業株式会社 グロープラグおよびその製造方法
JPWO2016080105A1 (ja) * 2014-11-21 2017-06-29 ボッシュ株式会社 セラミックスヒータ型グロープラグの製造方法及びセラミックスヒータ型グロープラグ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4968786B2 (ja) 2012-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4968786B2 (ja) グロープラグおよびその製造方法
JP5075127B2 (ja) 溶接したスリーブを電極に備えた点火プラグ
JP5200013B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
CN101359811A (zh) 内燃机用火花塞及火花塞的制造方法
JPWO2009037884A1 (ja) スパークプラグ
JP2011187344A (ja) スパークプラグ、スパークプラグ用の主体金具、及び、スパークプラグの製造方法
CN104028959A (zh) 不锈钢复合材料的焊接方法
CN101859984B (zh) 内燃机用火花塞及其制造方法
JP2009158431A (ja) シースヒータ及びグロープラグ
US20190091795A1 (en) Welded portion forming structure and metal member joining method
US20170321899A1 (en) Method for manufacturing ceramic heater-type glow plug, and ceramic heater-type glow plug
SG175121A1 (en) Method for repairing worn valve spindles
JP4954191B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法
JP4885837B2 (ja) スパークプラグの製造方法
JP2006269436A (ja) スパークプラグおよびその製造方法
JP5337311B2 (ja) スパークプラグ
JP5357650B2 (ja) グロープラグの製造方法
JP2009257666A (ja) グロープラグ及びグロープラグの製造方法
JP6138712B2 (ja) スパークプラグの製造方法
JP2007009323A (ja) 金型補修方法
JP5536929B2 (ja) グロープラグの製造方法
JP7056145B2 (ja) グロープラグ及びその製造方法
JP2009156560A (ja) シースヒータ及びグロープラグ
US10680416B2 (en) Method for producing a spark plug including an electrode having a base portion and a tip fixed to the base portion
JP2022064169A (ja) 溶接接合体の製造方法、及びセラミックヒータの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120306

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120329

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4968786

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250