JP2008008248A - 切欠き付垂直軸風車ブレードおよび垂直軸風車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 切欠き付垂直軸風車ブレードを具備した垂直軸風車にて、ブレード面の流れ剥離防止や流れ乱流化防止によって回転特性の改善と風車回転に伴う騒音の抑制することを課題とする。
【解決手段】 ブレード翼の背面および/またはブレード翼の腹面に剥離防止や流れ乱流化防止のためにリブレット、ボルテックスジェネレータ(渦発生器)、ウィングレット(翼端の翼背面腹面回りこみ渦防止)を配設する。ブレード翼後縁の小さな切欠き群、Edg2 ブレード翼切欠き最深部の上部にあるオーバハング状縁部の延長突起群を配設する。
【選択図】 図3
【解決手段】 ブレード翼の背面および/またはブレード翼の腹面に剥離防止や流れ乱流化防止のためにリブレット、ボルテックスジェネレータ(渦発生器)、ウィングレット(翼端の翼背面腹面回りこみ渦防止)を配設する。ブレード翼後縁の小さな切欠き群、Edg2 ブレード翼切欠き最深部の上部にあるオーバハング状縁部の延長突起群を配設する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、切欠き付垂直軸風車ブレードおよび切欠き付垂直軸風車ブレードを具備した垂直軸風車に関する。特に、切欠き付垂直軸風車ブレードを具備した垂直軸風車の回転特性の改善と風車回転に伴う騒音の抑制に関する。
さまざまな風車形式の中で、切欠き付垂直軸風車ブレードおよび垂直軸風車は弱風で比較的大きな回転トルクが得られるので実用性が高い(特許文献1参照)
回転トルクを含む機械特性や風力発電のための電磁性能の一方、風車の実用性によって騒音低減も重要な課題である。風車の騒音低減のために、ブレード面の風きり方向に長い微小な突起(リブレット)を配設して流れの乱流化を抑制する技術は公知である(特許文献2参照)。
流れ方向に垂直な渦が流れの剥離や流れの乱流化を誘起し、これらが騒音発生のきっかけをつくる。前記リブレットは、流れに並行した縦渦を誘起して剥離・乱流化を防ぐ。その効果として騒音も抑制されると考えられる。また、風車ブレード近傍の流れの剥離や流れの乱流化は、風車の機械特性を損なうものであるので、この観点からもブレード表面流れの剥離や流れの乱流化は抑えるのが望ましい。
航空機の翼まわり気体流にても、翼表面の流れ剥離防止や流れ乱流化防止は重要課題であるのはいうまでもなく、課題解決の手段としてリブレットはもとより、ボルテックスジェネレータ(渦発生器)やウィングレット(翼端の翼背面腹面回りこみ渦防止)といった翼に配設する剥離防止・乱流化防止手段が公知である。
ボルテックスジェネレータにはさまざまなタイプが提案されている(特許文献3、4参照)。これもリブレット同様に流れ方向に長い渦を生成させるもので、かかる縦渦生成が剥離や乱流化の防止に効果があるという実験事実から提案されたものである。
一方液体流であるが、リブレットと表面材質で流れの剥離や流れの乱流化を防止して、航走体の流体抵抗と自己放射雑音レベルを同時に低減する船殻用多層構造が提案されている(特許文献5参照)。
切欠き付垂直軸風車ブレードおよび切欠き付垂直軸風車ブレードを具備した垂直軸風車にて、ブレード面の流れ剥離防止や流れ乱流化防止によって回転特性の改善と風車回転に伴う騒音の抑制することを課題とする。
本発明は、特許文献1の切欠き付垂直軸風車ブレードをブレード面の風きり方向に長い微小な突起(リブレット)を配設することで回転特性の改善と風車回転に伴う騒音を抑制する発明であって、(請求項1)低風速域で翼後縁方向から受けた風によって前縁方向に働く抗力を生む切欠きを有するとともに、風車回転速度上昇後に翼前縁方向から受けた風によって揚力と回転トルクを生む翼形状をなした切欠き付き翼型断面の垂直軸風車ブレードにおいて、ブレード翼の背面および/またはブレード翼の腹面にリブレットをなすようにブレード回転軌跡と並行な複数条の連続した凹凸部を配設した風車ブレードである。
また本発明は、リブレット同様に流れ方向に長い渦を生成させるボルテックスジェネレータを配設することで回転特性の改善と風車回転に伴う騒音を抑制する発明であって、(請求項2)低風速域で翼後縁方向から受けた風によって前縁方向に働く抗力を生む切欠きを有するとともに、風車回転速度上昇後に翼前縁方向から受けた風によって揚力と回転トルクを生む翼形状をなした切欠き付き翼型断面の垂直軸風車ブレードにおいて、ブレード翼の背面および/またはブレード翼の腹面にブレード回転軌跡と並行な形のボルテックスジェネレータをなすように風車回転軸と概直交し、かつ、ブレード翼面に概垂直な面を有する突起物を配設した風車ブレードである。
また本発明は、ウィングレット(翼端の翼背面腹面回りこみ渦防止)を配設することで回転特性の改善と風車回転に伴う騒音を抑制する発明であって、(請求項3)低風速域で翼後縁方向から受けた風によって前縁方向に働く抗力を生む切欠きを有するとともに、風車回転速度上昇後に翼前縁方向から受けた風によって揚力と回転トルクを生む翼形状をなした切欠き付き翼型断面の垂直軸風車ブレードにおいて、ブレード翼弦側端にウイングレットをなすようにブレード翼面に概垂直な面を有する突起物を配設した風車ブレードである。
本発明によって、流れに並行した縦渦を誘起して流れ方向に垂直な渦の発生を抑え、剥離・乱流化を防ぐ。その効果として風車の回転特性の改善と風車回転に伴う騒音が抑制される。
本発明の垂直軸風車ブレードについては特許文献1に記載されたものが好適である。すなわち、(請求項4)切欠きが風車ブレード腹面または背面に設けられたものであって、該切欠き部分の最大切欠き深さ位置からブレードの後縁側に向かって空気流がブレード前縁方向からブレード後縁方向に向かって 前記切欠き部分を通過する際に前記腹面または背面から剥離した空気の境界層を再付着させるための円弧部分を有する凸型形状の境界層再付着部分が形成された垂直軸風車ブレードが望ましい。
切欠き部分の深さは、同様に特許文献1に記載されてるように、ブレード翼の最大翼圧tに対して0.2tから0.7tの深さが好適であり、切欠き部分の位置は、同様に特許文献1に記載されてるように、ブレード翼の最大翼弦長Cとして、ブレード前縁から0.45Cから0.7C、または後縁から0.15Cから0.35Cの位置が好適である。すなわち、(請求項5)切欠き部分の深さが、ブレード翼の最大翼圧tに対して0.2tから0.7tの深さである風車ブレードが望ましく、(請求項6)切欠き部分の位置が、ブレード翼の最大翼弦長Cとして、ブレード前縁から0.45Cから0.7C、または、ブレード後縁から0.15Cから0.35Cの位置である風車ブレードが望ましい。
また、同様に特許文献1に記載されてるように、ブレード翼にて切欠きのある部分とない部分が混在してもよい。以下図面を用いて、本発明実施態様を説明する。
図1は、請求項1記載の本発明の切欠き付き翼型断面の垂直軸風車ブレードの模式図であって、切欠き及びリブレットRが、ともにブレード翼の腹面に配設した例図である。リブレットRの高さと隣接リブレット同士の間隔は、レイノルズ数などの流れの無次元数で与えられるが、実用的な風車のブレードに適用する場合は、おおむね高さ0.5−3mm、隣接リブレット同士の間隔0.7−8mmである。
図2は、図1同様の例図で、ブレード翼の腹面に切欠きが配設され、リブレットRがブレード翼の背面に配設した例である。
図3は、本発明の複数の切欠き付き翼型断面の垂直軸風車ブレードを垂直回転軸に結合アームAで結合支持された垂直軸風車の模式図(請求項7の例)であって、ブレード翼の腹面の上方に部分的に切欠きが配設され、リブレットRがブレード翼の腹面および背面に部分的に配設した例図である。図3のように、本発明実施態様として、翼の幅方向(弦長方向)にリブレットあり・なし部分を設けた態様、翼の幅方向にリブレット高さ・幅を可変となした態様(高さ・幅可変の正確な図示は略)、複数の切欠きブレード翼を有し、翼ごとに異なるリブレット配設部位である態様、翼ごとに異なるリブレット高さ・幅である態様がある。
これら態様の選択は、流れに並行した縦渦を誘起して流れ方向に垂直な渦の発生を抑え、剥離・乱流化を防ぎ、その効果として風車の回転特性の改善と風車回転に伴う騒音が抑制される程度を実験的に確認しつつ行う。理論的な選択は現時点では困難である。
図4は、図1同様に切欠き及びリブレットRが、ともにブレード翼の腹面に配設され、かつ、ブレード翼縁の小さな切欠き群Edg1、ブレード翼切欠き最深部の上部のオーバハング状の縁部の延長突起群Edg2、さらにウィングレットWglt(翼測端の後部にて翼背面腹面に回りこむ渦を防止する)を配設した例図である。
図5も、図1同様に切欠きがブレード翼の腹面に配設され、かつ、ブレード翼の腹面にボルテックスジェネレータをなすように風車回転軸と概直交し、かつ、ブレード翼面に概垂直な面を有する突起物Vgを配設した例図であり、図6も、図1同様に切欠きがブレード翼の腹面に配設され、かつ、ブレード翼の背面にボルテックスジェネレータをなすように風車回転軸と概直交し、かつ、ブレード翼面に概垂直な面を有する突起物Vgを配設した例図である。
ボルテックスジェネレータVgについても、翼の幅方向(弦長方向)にボルテックスジェネレータあり・なし部分を設けた態様、翼の幅方向にボルテックスジェネレータ高さ・幅を可変となした態様(高さ・幅可変の正確な図示は略)、複数の切欠きブレード翼を有し、翼ごとに異なるボルテックスジェネレータ配設部位である態様、翼ごとに異なるボルテックスジェネレータ高さ・幅である態様がある。
しかし、ボルテックスジェネレータVgについても、これら態様の選択は、流れに並行した縦渦を誘起して流れ方向に垂直な渦の発生を抑え、剥離・乱流化を防ぎ、その効果として風車の回転特性の改善と風車回転に伴う騒音が抑制される程度を実験的に確認しつつ行う。理論的な選択は現時点では困難である。
図示は略すが、結合アームAの表面にリブレット、ボルテックスジェネレータを配設して結合アームAの周りの空気流にて流れに並行した縦渦を誘起して流れ方向に垂直な渦の発生を抑え、剥離・乱流化を防ぎ、その効果として風車の回転特性の改善と風車回転に伴う騒音が抑制されるようにしてもよい。
すなわち、(請求項8)結合アームの表面にリブレットをなすように該結合アーム回転軌跡と並行な複数条の連続した凹凸部が配設、あるいは、(請求項9)結合アームの表面にボルテックスジェネレータをなすようにブレード翼面に概平行な面を有する突起物が配設された風車となしてもよい。
A 本発明風車ブレードを垂直回転軸に結合支持する結合アーム
Edg1 ブレード翼後縁の小さな切欠き群
Edg2 ブレード翼切欠き最深部の上部にあるオーバハング状縁部の延長突起群
R リブレット
Vg ボルテックスジェネレータ(渦発生器)
Wglt ウィングレット(翼測端の後部にて翼背面腹面に回りこむ渦を防止する)
Edg1 ブレード翼後縁の小さな切欠き群
Edg2 ブレード翼切欠き最深部の上部にあるオーバハング状縁部の延長突起群
R リブレット
Vg ボルテックスジェネレータ(渦発生器)
Wglt ウィングレット(翼測端の後部にて翼背面腹面に回りこむ渦を防止する)
Claims (9)
- 低風速域で翼後縁方向から受けた風によって前縁方向に働く抗力を生む切欠きを有するとともに、風車回転速度上昇後に翼前縁方向から受けた風によって揚力と回転トルクを生む翼形状をなした切欠き付き翼型断面の垂直軸風車ブレードにおいて、ブレード翼の背面および/またはブレード翼の腹面にリブレットをなすようにブレード回転軌跡と並行な複数条の連続した凹凸部を配設した風車ブレード。
- 低風速域で翼後縁方向から受けた風によって前縁方向に働く抗力を生む切欠きを有するとともに、風車回転速度上昇後に翼前縁方向から受けた風によって揚力と回転トルクを生む翼形状をなした切欠き付き翼型断面の垂直軸風車ブレードにおいて、ブレード翼の背面および/またはブレード翼の腹面にブレード回転軌跡と並行な形のボルテックスジェネレータをなすように風車回転軸と概直交し、かつ、ブレード翼面に概垂直な面を有する突起物を配設した風車ブレード。
- 低風速域で翼後縁方向から受けた風によって前縁方向に働く抗力を生む切欠きを有するとともに、風車回転速度上昇後に翼前縁方向から受けた風によって揚力と回転トルクを生む翼形状をなした切欠き付き翼型断面の垂直軸風車ブレードにおいて、ブレード翼弦側端にウイングレットをなすようにブレード翼面に概垂直な面を有する突起物を配設した風車ブレード。
- 切欠きが風車ブレード腹面または背面に設けられたものであって、該切欠き部分の最大切欠き深さ位置からブレードの後縁側に向かって空気流がブレード前縁方向からブレード後縁方向に向かって 前記切欠き部分を通過する際に前記腹面または背面から剥離した空気の境界層を再付着させるための円弧部分を有する凸型形状の境界層再付着部分が形成された垂直軸風車ブレードである請求項1から請求項3の風車ブレード。
- 切欠きが風車ブレード腹面または背面に設けられたものであって、該切欠き部分の深さが、ブレード翼の最大翼圧tに対して0.2tから0.7tの深さである請求項1から請求項3の風車ブレード。
- 切欠きが風車ブレード腹面または背面に設けられたものであって、該切欠き部分の位置が、ブレード翼の最大翼弦長Cとして、ブレード前縁から0.45Cから0.7C、または、ブレード後縁から0.15Cから0.35Cの位置である請求項1から請求項3の風車ブレード。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載された風車ブレードを含む複数の風車ブレードが垂直回転軸に結合アームで結合支持された垂直軸風車。
- 結合アームの表面にリブレットをなすようにブレード回転軌跡と並行な複数条の連続した凹凸部が配設された請求項7の垂直軸風車。
- 結合アームの表面にボルテックスジェネレータをなすようにブレード翼面に概平行な面を有する突起物が配設された請求項7の垂直軸風車。
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JP2006181345A JP2008008248A (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | 切欠き付垂直軸風車ブレードおよび垂直軸風車 |
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Family Applications (1)
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- 2006-06-30 JP JP2006181345A patent/JP2008008248A/ja active Pending
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