JP2008006777A - プリンタ - Google Patents

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佳寿 菅田
Hiroomi Kondo
洋臣 近藤
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Abstract

【課題】調湿素子の調湿機能部などの状態をオペレータ自身で確認することが可能なプリンタを提供する。
【解決手段】記録紙に画像を形成するプリント部Bと、プリント部Bを収納する筐体10と、筐体10内の所定箇所を調湿する調湿素子2とを備え、調湿素子2は加湿を行う第1機能部と除湿を行う第2機能部とを異なる位置に有するプリンタにおいて、調湿素子2を着脱自在に装着するための被装着凹部10Hと、調湿素子2の装着に基づいて調湿素子に駆動用電圧を印加する端子62a,62bとが備えられ、被装着凹部10Hに対する調湿素子2の装着方向を、所定箇所を加湿可能な第1姿勢と、調湿素子によって所定箇所を除湿可能な第2姿勢との間で選択可能とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録紙に画像を形成するプリント部と、前記プリント部を収納する筐体と、前記筐体内の所定箇所を加湿または除湿するための調湿素子とを備え、前記調湿素子は加湿を行う第1機能部と除湿を行う第2機能部とを互いに異なる位置に有するプリンタに関する。
この種のプリンタとしては、本発明に関連する先行技術文献情報として下記に示す特許文献1がある。この特許文献1に記されたプリンタは、電子写真方式の画像形成装置に関し、帯電ローラを囲むケーシング部材内部の湿度を、ケーシング部材の一部に介装させた調湿素子によって調湿することができる。また、この特許文献1に記された調湿素子は、調湿素子の電極に印加する電圧の極性を変更することによって、ケーシング部材内部を除湿する状態と加湿する状態との間で切り換えることが可能であり、ケーシング部材内部の湿度を検出するセンサの検出結果に応じて前記極性を変更することで、周囲の湿度条件の変動に関わらずケーシング部材内部の湿度を常に帯電ローラの良好な放電に適した湿度に調節できるとしている。
特開2004−252056号公報(段落番号0067、0068、図1、2)
しかし、特許文献1に記されたプリンタでは、調湿素子は簡単に点検し難い画像形成装置の内部に設けてあるので、調湿素子の調湿機能部の状態(目詰まり、破損、黴発生の有無など)をオペレータ自身で確認することが困難であり、例えばプリンタの筐体内に配置された記録紙の状態を適切に保つための湿度調整機能を備えたプリンタとしては適切でないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上に例示した従来技術によるプリンタの持つ前述した欠点に鑑み、調湿素子の調湿機能部などの状態をオペレータ自身で確認することが可能なプリンタを提供することにある。
本発明の第1の特徴構成は、記録紙に画像を形成するプリント部と、前記プリント部を収納する筐体と、前記筐体内の所定箇所を加湿または除湿するための調湿素子とを備え、前記調湿素子は加湿を行う第1機能部と除湿を行う第2機能部とを互いに異なる位置に有するプリンタであって、
前記調湿素子を着脱自在に装着するための被装着凹部と、前記被装着凹部に対する前記調湿素子の装着に基づいて、前記調湿素子に駆動用電圧を印加する端子とが備えられており、
前記被装着凹部に対する前記調湿素子の装着方向を、前記調湿素子によって前記所定箇所を加湿可能な第1姿勢と、前記調湿素子によって前記所定箇所を除湿可能な第2姿勢との間で選択可能となっている点にある。
したがって、本発明の第1の特徴構成によるプリンタでは、オペレータ自身が調湿素子を抜き差し、被装着凹部に対する調湿素子の装着方向を変更することで、その時の気候条件や室内の空調条件などに合わせて、調湿素子によって所定箇所を加湿する状態と所定箇所を除湿する状態との間で機能を切り換え可能な形態となっているので、この機能切り換えの目的で調湿素子を抜き差しする際に、調湿素子の調湿機能部などの状態をオペレータ自身が確認する機会が得られる。したがって、調湿素子の調湿機能部の状態をオペレータが定期的に点検可能となるので、使用前の記録紙の湿度を適切に調整可能なプリンタの構成として採用し易くなる。
本発明の他の特徴構成は、前記調湿素子は前記筐体の外部から前記被装着凹部に装着される点にある。
本構成であれば、オペレータは調湿素子が被装着凹部に正しく装着されているか否か常に簡単に監視できるので、プリンタの使用上およびメンテナンス上の管理が容易となり都合が良い。
本発明の他の特徴構成は、前記調湿素子は、前記第2機能部から前記第1機能部に対して水素イオンを受け渡す電解質膜を前記第1機能部と前記第2機能部との間に備える電気分解式調湿素子であり、前記第1機能部と前記第2機能部の一方が前記所定箇所と対向するように前記調湿素子が前記被装着凹部に装着された状態において、前記第1機能部と前記第2機能部の他方を前記筐体の外部と連通させる通気窓が前記筐体に形成されている点にある。
本構成であれば、加湿作用を示す第1機能部が所定箇所と面する第1姿勢においては、除湿作用を示す第2機能部には、一般にプリンタ内部などに比して水分補給能力の高い外気から供給される水分が通気窓を介して補充されるので、第1機能部と第2機能部との間に位置する調湿素子の電解質膜を介して、第2機能部から第1機能部へと十分な量の水素イオンH+が補充され、第1機能部において水分子を生成することによる加湿作用が促進される。同様に、除湿作用を示す第2機能部が所定箇所と面する第2姿勢においては、加湿作用を示す第1機能部で生じる水分は通気窓を介して隣接した一般にプリンタ内部などに比して水分拡散能力の高い外気に積極的に放出されるので、電解質膜を介して、第2機能部から第1機能部へと十分な量の水素イオンH+が補充され、第2機能部において水分子を分解することによる除湿作用が促進される。
本発明の他の特徴構成は、前記被装着凹部は前記筐体の内部を前記筐体の外部と連通させる貫通孔からなり、前記調湿素子の前記被装着凹部への装着に基づいて前記貫通孔が気密状に封鎖される点にある。
本構成であれば、被装着凹部を構成する貫通孔は調湿素子を装着することによって気密状に封鎖され、調湿素子の機能部は筐体の内部全体と面することになるので、調湿素子によって筐体の内部全体を前記所定箇所として効果的に調湿可能なプリンタが得られる。
本発明の他の特徴構成は、前記調湿素子を前記被装着凹部に抜き差しするためのハンドル部が前記調湿素子に設けられており、前記調湿素子の装着方向を示す指標手段が前記ハンドル部の外面に配置されている点にある。
本構成であれば、オペレータはハンドル部によって調湿素子を容易に着脱でき、また、ハンドル部の指標手段を見ただけで、所定箇所を加湿する装着姿勢になっているか、それとも除湿する装着姿勢になっているかを確認できる。また、もしもその確認された装着姿勢がその日の気象状態やプリンタが設置された地域の気候に適していないと判断した場合、適宜、逆の装着姿勢に手動で付け直すことができる。
以下に本発明による最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔全体構成〕
図1及び図2に示すプリンタは、プリント部Bに設けられた微細なノズルからインク液滴を記録紙に向けて吐出するインクジェットプリンタである。また、このプリンタでは、使用可能な記録紙として、両面にレジンコート層を形成した基材の一方の面に、微細な孔を多数形成した多孔質インク受容層を形成することにより、表面に光沢を持たせた多孔タイプの記録紙がロール状に巻き取られたものを想定している。
〔プリンタの概略構成〕
このインクジェットプリンタは、プリンタ本体の外殻を構成する筐体10の下方に配置された2つのマガジン収容部A1,A2、筐体10の上方に配置されたプリント部B、及び、筐体10の側部にインク貯留部Cを有する。筐体10の上面部には、比較的小さいサイズの仕上がりプリントP′を横送りベルト11で送り出す仕分け部12と、大きいサイズの仕上がりプリントP′を受け止めるラック板13とが設けられている。
2つのマガジン収容部A1,A2は、互いに上下に位置する関係に配置され、何れのマガジン収容部A1,A2も前後方向に移動可能なドロワー15を備え、これらのドロワー15は、ロール紙(記録紙の一例)が収納されたペーパマガジンMを載置するための支持台部15aと、支持台部15aの前端に固定されたマガジンカバー15bとからなる。支持台部15aにはペーパマガジンMの載置位置を一義的に定めるための一般的な位置決め手段(不図示)が設けられている。
オペレータがドロワー15を完全に引き出すと、支持台部15aに載置されたペーパマガジンMにアクセスでき、例えば、ペーパマガジンMの内部のロール紙RPを交換することができる。また、ドロワー15を完全に押し込むと、ペーパマガジンMなどを収納した収納領域がマガジンカバー15bによって外部から遮蔽され、内部のロール紙RPをプリント部Bに向けて送り出し可能となる。
図4に示すように、このペーパマガジンMは、ロール紙RPを収容するためのケース51を備え、ケース51にはロール紙RPを圧着してプリント部Bに向けて送り出す機構として、モータによって駆動される圧着型のフィードローラ53が備えられ、一旦送り出されたロール紙RPを再びケース1内に巻き戻す機構として、モータD1によって駆動される支持ローラ54が備えられている。
プリント部Bでは、ペーパマガジンM内のロール紙RPから引き出されて供給される記録紙Pに対して、プリントヘッドHでのインクの吹き付けによって画像のプリントが行われる。プリント部Bの前面は、透明な樹脂製の窓部Qを備えた揺動式のカバー10Bによって通常は閉じられている。
インク貯留部Cには、縦向き姿勢の軸芯周りで揺動開閉自在な側部カバー10Cの内部に、互いにインク色相の異なる複数のインクカートリッジ16が交換自在に配置されている。尚、夫々のインクカートリッジ16は、ブラック(BK)、ライトブラック(LK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、イエロー(Y)のインクを封入した7色のものが使用される。図面には示していないが、このインクジェットプリンタは、インクカートリッジ16に封入されたインクを空気圧によって送り出し、サブタンク(図示せず)に一時的に貯留した後、プリントヘッドHに供給するインクの供給系を備えている。
〔搬送系の構成〕
図4に示すように、このインクジェットプリンタに設けられた搬送系では、ペーパマガジンMから提供された記録紙Pを、供給経路U1を介してプリント部Bに供給し、このプリント部Bではプリント搬送ユニットU2によって搬送を行いながらプリント処理を実行し、プリント後の記録紙PはカッターユニットU3でプリントサイズに切断し、その後、スイッチバックユニットU4から排出ユニットU5へ搬送して送り出す。
供給経路U1は、フィードローラ53と支持ローラ54とを駆動してマガジンMからのペーパーPの送り出しと、マガジンMへの巻き戻しとを行う第1モータD1を備えている。また、この供給ユニットU1は、下側のペーパマガジンMから送り出された記録紙Pを上方にガイドするように、上側のマガジン収容部Aに備えられたガイド体18と、上側のペーパマガジンMから送り出された記録紙Pを上方にガイドするガイド体19とを備えている。
プリント搬送ユニットU2は、プリントヘッドHの上流側に配置された圧着型の第1搬送ローラ21、プリントヘッドHの下流側に配置された圧着型の第2搬送ローラ22、及び、第1、第2搬送ローラ21、22の中間位置において記録紙Pの裏面側を案内する案内プレート23を備えている。案内プレート23には多数の貫通孔が形成されており、案内プレート23の下方位置には、これらの貫通孔と連通した負圧ケース24と、負圧ケース24の内部の空気を排出することで負圧ケース24内の気圧を下げて、記録紙Pを案内プレート23に押し付けるためのファン25とを備えている。
図5に示すように、第1搬送ローラ21は、記録紙Pを圧着搬送するための従動ローラ21Aを備え、第2搬送ローラ22は、記録紙Pを圧着搬送するための従動ローラ22Aを備え、第1搬送ローラ21と第2搬送ローラ22とは駆動ベルト26によって同期駆動される。そして、プリント搬送ユニットU2には、第1搬送ローラ21と第2搬送ローラ22とを同期して駆動する第2モータD2を備えている。
プリントヘッドHを支持するキャリッジ29は、主走査方向(記録紙Pの幅方向)に沿う姿勢で配置されたガイドレール27に沿って摺動移動するスライダ28の下面に懸架されている。
また、ガイドレール27の両端部付近に配置した一対のプーリ30にタイミングベルト型の駆動ベルト31を巻回し、一方のプーリ30を主走査用の走査モータDSの駆動軸に連結し、駆動ベルト31の一端にキャリッジ29が固定されている。走査モータDSによってプーリ30を駆動回転させると、プリントヘッドHをキャリッジ29と共に主走査方向に往復移動させることができる。
そこで、記録紙Pに画像をプリントする際には、先ず記録紙Pを第1、第2搬送ローラ21、22によって案内プレート23上のプリント位置に供給し、負圧によって記録紙Pを案内プレート23に軽く押し付けた状態で、キャリッジ29を主走査方向に沿う一方の方向に移動させ乍ら、この移動と連係してプリントヘッドHから記録紙Pにインクを吐出することにより設定されたプリント幅で画像のプリントを行う。
また、前記移動に基づいてキャリッジ29が主走査方向の端部に達した後に、第2モータD2で第1、第2搬送ローラ21、22を駆動することによりプリント幅に対応した単位搬送量だけ記録紙Pを副走査方向に搬送し、この後、キャリッジ29を主走査方向に沿う他方(逆方向)に移動させ乍ら、この移動と連係してプリント幅での次のプリントを行い、このようなプリントを反復することにより記録紙Pに二次元画像のプリントが行われる。
図4に戻ると、カッターユニットU3は、フレーム(図示せず)に固定された固定刃35、可動刃36、カッターモータDC、及び、カッターモータDCからの回転駆動力を往復作動力に変換して可動刃36に伝えるクランク式の駆動機構37を備える。カッターユニットU3の下流側には、カッターユニットU3の切断位置を通過した記録紙Pを送り出す圧着型の排出ローラ38と、この排出ローラ38を駆動する第3モータD3を備えている。
スイッチバックユニットU4は、駆動ローラ40、駆動ローラ40を回転駆動する駆動モータ、駆動ローラ40に圧着する位置に配置された遊転型の反転ローラ41と、反転ローラ41を駆動ローラ40の軸芯周りで正逆両方向に90度作動させる反転機構とを備えている。このスイッチバックユニットU4では、上流側の排出ローラ38によって先端側から先に送り込まれる記録紙Pを、駆動ローラ40と反転ローラ41とで圧着した状態で更に搬送した後、図4の矢印で示すように、反転ローラ41を駆動ローラ40の軸芯周りで90度回転させた後、駆動ローラ40を逆回転させることにより、記録紙Pを後端側から排出ユニットU5に送り出すことで、記録紙Pの表裏が反転操作される。スイッチバックユニットU4は、駆動ローラ40を駆動する第4モータD4と、反転ローラ41を反転作動させる反転モータDRを備えている。
排出ユニットU5は、記録紙Pを搬送する複数の圧着ローラ45を備えると共に、この圧着ローラ45で搬送される記録紙Pを筐体上部の横送りベルト11とラック板13との何れかに送り出す経路切り換え機構(図示せず)を備えている。排出ユニットUは圧着ローラ45を駆動する第5モータD5を備えている。
〔調湿素子ユニット〕
このインクジェットプリンタの筐体10の一方の側面下部には、筐体10の内部空間10Sを外部と連通させる貫通孔状の開口部10H(被装着凹部の一例)が形成されており、この開口部10Hには、オペレータが調湿素子ユニット1を手動で着脱可能となっている。
調湿素子ユニット1は、一端に一対のピン状電極3a,3bを備えた矩形板状の調湿素子2と、調湿素子2の他端に一体的に形成されたハンドル部材4とを有し、ハンドル部材4の側面全周にはOリング5が取り付けてあるので、調湿素子2の開口部10Hへの装着に基づいて開口部10Hは気密状に封鎖される。
調湿素子2は、矩形の窓枠状の外縁部材2cを備え、外縁部材2cの開口部には薄い高分子電解質膜(不図示)が配置され、この高分子電解質膜の両面はいずれも多孔性電極によって被覆されている。各多孔性電極はピン状電極3a,3bのいずれかと電気的に接続され、一方の多孔性電極は第1調湿面2aを構成し、他方の多孔性電極は第2調湿面2bを構成している。ピン状電極3a,3bに対する正規の電圧印加方向によって、第2調湿面2bは周囲の空気に含まれる水分子から水素イオンH+を取り出して、第1調湿面2aに手渡し、第1調湿面2aでは水素イオンH+が空気中の酸素と結合して水分子を生成するので、結果的に、第1調湿面2aは加湿作用を果たす第1機能部となり、第2調湿面2bは逆に除湿作用を果たす第2機能部となる。また、仮にピン状電極3a,3bに対して前記正規と逆の印加方向で電圧をかけると、逆に、調湿素子2の第1調湿面2aは除湿作用を果たす第2機能部となり、第2調湿面2bは加湿作用を示す第1機能部となる。
尚、図2及び図8に示すように、ピン状電極3a,3bを備えた端面が縦になるように調湿素子ユニット1を配置した時、一対のピン状電極3a,3bのうち、マイナス側のピン状電極3bは上下方向に関して調湿素子2の中央付近に位置するが、プラス側のピン状電極3aは中央よりも上下のいずれかに偏った位置にある。
また、筐体10の背面には、内部空間10Sと連通し、金属製のメッシュなどで保護された矩形の通気窓10Vが、開口部10Hと隣接するように形成されている。筐体10の内部には、通気窓10Vを四方から包囲する矩形の支持枠60が設けられており、調湿素子ユニット1を開口部10Hに装着すると、調湿素子2の外縁部材2cが支持枠60の端面と密着するので、内部空間10Sは調湿素子2の調湿面2a,2bによって外部と隔離される。その結果、仮に、図2に示すように、調湿素子2の第2調湿面2bが内部空間10S(所定箇所の一例)と面するように装着された場合には、第1調湿面2aは通気窓10Vを介して外気と面することになる。
図3に示すように、筐体10の内部には、調湿素子ユニット1を開口部10Hに装着すると、自動的に調湿素子1のピン状電極3a,3bと電気的に接続される端子62と駆動用電圧回路65(図7を参照)とが備えられており、この接続によって調湿素子2に駆動用電圧が印加可能となる。図8に示すように、端子62は、上下方向に関して開口部10Hの中心部に位置する一つの陰極62aと、陰極62aを挟んで上下に配置された二つの陽極62b,62bとからなる。
したがって、調湿素子ユニット1の装着時、もしも、図8に示すように、調湿素子2のプラス側のピン状電極3aがマイナス側のピン状電極3bよりも上方に位置する第1姿勢で調湿素子ユニット1を装着すると、調湿素子1のマイナス側のピン状電極3bは、開口部10Hの中心部に位置する陰極62aと接続され、調湿素子1のプラス側のピン状電極3aは、開口部10Hの上方に位置する陽極62bと接続される。他方、これとは逆に、図2及び図3に示すように、調湿素子1のプラス側のピン状電極3aがマイナス側のピン状電極3bよりも下方に位置する第2姿勢で調湿素子ユニット1を装着すると、調湿素子2のマイナス側のピン状電極3bは同じく開口部10Hの中心部に位置する陰極62aと接続され、調湿素子1のプラス側のピン状電極3aは、開口部10Hの下方に位置する陽極62bと接続される。
すなわち、開口部10Hに対する調湿素子ユニット1の装着方向と無関係に、調湿素子2には常に前述した正規の印加方向で電圧が掛けられる。その結果、図8に示すように、プラス側のピン状電極3aがマイナス側のピン状電極3bよりも上方に位置する第1姿勢で調湿素子ユニット1を装着すると、図9(a)に示すように、第1調湿面2aが内部空間10Sに面するので、筐体10の内部は調湿素子2によって加湿されることになり、逆に、図2及び図3に示すように、調湿素子2のプラス側のピン状電極3aがマイナス側のピン状電極3bよりも下方に位置する第2姿勢で調湿素子ユニット1を装着すると、図9(b)に示すように、第2調湿面2bが内部空間10Sに面するので、筐体10の内部は調湿素子2によって除湿されることになる。
尚、図9(a)に示すように、加湿作用を示す第1調湿面2aが内部空間10Sに面する第1姿勢においては、除湿作用を示す第2調湿面2bには、一般に外気に十分に含まれる水分が通気窓10Vを介して補充されるので、第1調湿面2aと第2調湿面2bとの間に位置する固体高分子電解質膜を介して、第2調湿面2bから第1調湿面2aへと十分な量の水素イオンH+が補充され、第1調湿面2aでの水分子の生成による内部空間10Sの加湿が促進される。他方、図9(b)に示すように、除湿作用を示す第2調湿面2bが内部空間10Sに面する第2姿勢においては、加湿作用を示す第1調湿面2aで生じる水分は通気窓10Vを介して隣接した一般に乾燥した外気に積極的に放出されるので、固体高分子電解質膜を介して、第2調湿面2bから第1調湿面2aへと十分な量の水素イオンH+が補充され、第2調湿面2bでの水分子の分解による内部空間10Sの除湿が促進される。
図6に示すように、ハンドル部材4には、調湿素子ユニット1の装着方向を示すマーカ6(指標手段の一例)が設けられている。マーカ6は、ハンドル部材4の内部に形成された空洞部4aと、空洞部4aに内装された円柱状の小さなスライダ7とからなる。図3と図8に示すように、スライダ7は長手方向の中心を境に赤色と青色とに塗り分けられ、調湿素子ユニット1の第1姿勢では赤色が上になり、第2姿勢では青色が上になるように内装されている。また、空洞部4aは、スライダ7が長手方向に大きく移動可能な十分な長さを有するので、調湿素子ユニット1の向きに応じてスライダ7は自重によって空洞部4aを摺動移動する。空洞部4aの一部は切り欠かれて、内部のスライダ7を視認するための確認窓Wとなっており、確認窓Wからは自重で下方に落下したスライダ7の上半分のみが観察される。すなわち、図8に示すように、確認窓Wからスライダ7の赤色部位が視認されれば、調湿素子ユニット1は内部空間10Sを加湿する第1姿勢であることが判り、図3に示すように、確認窓Wからスライダ7の青色部位が視認されれば、調湿素子ユニット1は内部空間10Sを除湿する第2姿勢であることが示される。
〔制御系の構成〕
筐体10内に設けられた制御装置70は、マイクロプロセッサを備えており、プログラム(ソフトウエア)で成る搬送制御手段71と、プリント制御手段72と、調湿制御手段73とを備えている。この制御装置70は、プリントヘッドH、供給経路U1、プリント搬送ユニットU2、カッターユニットU3、スイッチバックユニットU4、及び、排出ユニットU5を制御するための出力系を備える。
制御装置70によるプリント処理では、プリントヘッドHが主走査方向に作動する毎に、このプリントヘッドHによるプリント幅に対応した量だけ記録紙Pの搬送を行い、次に、プリント処理後の記録紙PをカッターユニットU3において必要とするサイズに切断し、このように切断された記録紙PをスイッチバックユニットU4において表裏を入れ換えた状態で排出ユニットU5に送り、この排出ユニットU5から横送りベルト11あるいはラック板13に排出する。
このようにプリント処理が行われた後には、設定時間が経過するまでに、次のプリント処理を行う場合には、前述と同様に、プリント搬送ユニットU2に記録紙Pを供給すると共に、プリント処理後の記録紙PをカッターユニットU3において必要とするサイズに切断し、このように切断された記録紙PをスイッチバックユニットU4において表裏を入れ換えた状態で排出ユニットU5に送り、この排出ユニットU5から横送りベルト11あるいはラック板13に排出する制御を行う。しかし、先に行われたプリント処理から設定時間以内にプリントが行われない場合、又は、作業を終了する際には、ペーパマガジンMに対して記録紙Pを巻き戻す処理が行われる。
このような処理を制御装置70に行わせることにより、ペーパマガジンMから記録紙Pが引き出された状態が長時間継続しないようにしており、継続してプリントを行わない場合には記録紙Pをロール紙カートリッジ4内に巻き取り、ロール紙カートリッジ4内において記録紙Pの湿度をできるだけ適正に維持できるようにしている。
オペレータが調湿素子ユニット1を筐体10の開口部10Hにいずれかの手動で装着することによって、電力制御回路65から適切な電圧が調湿素子2に印加され、調湿素子2による加湿または除湿が自動的に開始されるように構成されているので、通常は、着脱調湿制御手段73は調湿素子2に印加される電圧を一定に保つ制御以外に特に働きをしないが、インクジェットプリンタに付随するオペレートステーション(不図示)に設けられた入力部から調湿能力を変更する指令を入力した場合、この入力に応じて電力制御回路65から印加する電圧を調整する働きを有する。
〔別実施形態〕
筐体10の内部空間10Sの全体的に調湿する構成となっているが、例えば、ペーパマガジンMのケース体51に調湿素子ユニット1を装着可能な開口部を設けて、ペーパマガジンMの内部空間のみを調湿する構成とすることも可能である。
本発明に係るプリンタの外観を示す斜視図 プリンタの別の状態における斜視図 プリンタの一部破断正面図 プリンタの内部構成を示す略図 プリンタのプリント部付近を示す斜視図 プリンタに用いられる調湿素子ユニットを示す斜視図 プリンタの制御装置を説明する概略構成図 プリンタの要部を示す一部破断正面図 装着された調湿素子ユニットの付近を示す破断側面図
符号の説明
A1、A2 マガジン収容部
B プリント部
C インク貯留部
H プリントヘッド
M ペーパマガジン
P 記録紙
P′ 仕上がりプリント
RP ロール紙
1 調湿素子ユニット
2 調湿素子
2a 第1調湿面
2b 第2調湿面
2c 外縁部材
3a,3b ピン状電極
4 ハンドル部材
4a 空洞部
5 Oリング
6 マーカ(指標手段)
7 スライダ
10S 内部空間(所定箇所)
10H 開口部(被装着凹部)
10V 通気窓
10 筐体
15 ドロワー
15a 支持台部
15b マガジンカバー
16 インクカートリッジ
18 ガイド体
19 ガイド体
29 キャリッジ
51 ケース
53 フィードローラ
54 支持ローラ
60 支持枠
62 端子
62a 陰極(端子)
62b 陽極(端子)
65 駆動用電圧回路

Claims (5)

  1. 記録紙に画像を形成するプリント部と、前記プリント部を収納する筐体と、前記筐体内の所定箇所を加湿または除湿するための調湿素子とを備え、前記調湿素子は加湿を行う第1機能部と除湿を行う第2機能部とを互いに異なる位置に有するプリンタであって、
    前記調湿素子を着脱自在に装着するための被装着凹部と、前記被装着凹部に対する前記調湿素子の装着に基づいて、前記調湿素子に駆動用電圧を印加する端子とが備えられており、
    前記被装着凹部に対する前記調湿素子の装着方向を、前記調湿素子によって前記所定箇所を加湿可能な第1姿勢と、前記調湿素子によって前記所定箇所を除湿可能な第2姿勢との間で選択可能となっているプリンタ。
  2. 前記調湿素子は前記筐体の外部から前記被装着凹部に装着される請求項1に記載のプリンタ。
  3. 前記調湿素子は、前記第2機能部から前記第1機能部に対して水素イオンを受け渡す電解質膜を前記第1機能部と前記第2機能部との間に備える電気分解式調湿素子であり、前記第1機能部と前記第2機能部の一方が前記所定箇所と対向するように前記調湿素子が前記被装着凹部に装着された状態において、前記第1機能部と前記第2機能部の他方を前記筐体の外部と連通させる通気窓が前記筐体に形成されている請求項1または2に記載のプリンタ。
  4. 前記被装着凹部は前記筐体の内部を前記筐体の外部と連通させる貫通孔からなり、前記調湿素子の前記被装着凹部への装着に基づいて前記貫通孔が気密状に封鎖される請求項1から3のいずれか一項に記載のプリンタ。
  5. 前記調湿素子を前記被装着凹部に抜き差しするためのハンドル部が前記調湿素子に設けられており、前記調湿素子の装着方向を示す指標手段が前記ハンドル部の外面に配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載のプリンタ。
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