JP2008005088A - 圧電振動子用パッケージおよび圧電振動子、圧電発振器 - Google Patents

圧電振動子用パッケージおよび圧電振動子、圧電発振器 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性を確保できる小型化・薄型化された圧電振動子用パッケージおよび圧電振動子、圧電発振器を提供する。
【解決手段】一層の絶縁性シートからなり、一方の面に振動片マウント電極12a,12bと他方の面に外部接続電極17a,17b,17c,17dが形成された基板11と、基板11の一方の面に設けられた振動片マウント電極12a,12bを囲むように固着された金属リング15と、を備えた圧電振動子用パッケージ1であって、振動片マウント電極12a,12bに接続され基板11の一方の面から他方の面に貫通するビア14a,14bを備え、ビア14a,14bが外部接続電極17a,17b,17c,17dを形成する領域とは離隔する位置に形成されており、他方の面においてビア14a,14bと外部接続電極17a,17bとが引き出し電極18により接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は圧電振動子用パッケージおよびそのパッケージを利用した圧電振動子、圧電発振器に関する。
近年、電子機器や通信機器の携帯性向上の要求から、機器の小型化・薄型化が急速に進んでいる。このため、これらに用いられる圧電振動子、圧電発振器にも小型化・薄型化の要求がされている。
例えば、特許文献1に示すような凹部を備えたセラミックパッケージに圧電振動片を収納し、蓋体にてこの凹部を気密に封止する構造の小型化された圧電振動子が知られている。この圧電振動子では、セラミックパッケージの底面基板を貫通するビアが設けられ、このビアによって、圧電振動片が固定される振動片マウント電極と、外部回路基板などに実装される外部接続電極とが接続されている。そして、このビアは外部接続電極が形成される領域に含まれるように形成され、ビアと外部接続電極が接続されている。
また、圧電振動子の平面形状の小型化は主に圧電振動片の大きさに依存し、平面形状の小型化には圧電振動片を小さくすることから特性面での限界がある。一方、圧電振動子の薄型化はパッケージの薄さに依存しており、さらなる圧電振動子用パッケージの薄型化の取り組みがなされている。
特開2002−57545号公報(図2参照)
上記のような構造の圧電振動子の薄型化を図るにあたり、まずセラミックなどの圧電振動子用パッケージ(以下、パッケージとも言う)の薄型化が進められ、それには、パッケージを構成するセラミックシートなどの基板の積層数を減らすことと、その基板の厚みを低減することが考えられる。このようにして、パッケージの厚みを薄くする構造の一例としては、厚みの薄い一層の基板を用い、この上に金属リングを固着した構造が考えられている。この金属リングによって、圧電振動片の収納スペースを確保し、かつシーム溶接などの封止を可能とする。
しかしながら、パッケージに薄い基板を用いることから、このパッケージの強度が低下する。圧電振動子の製造工程において、周波数調整、検査工程など、プローブなどの接触子をパッケージの底面基板に形成した外部接続電極に押し当て、圧電振動子の周波数、特性などを測定しており、特に、従来のように外部接続電極を形成する領域にビアが形成されている場合には、接触子がビアの付近にあたり、このビアを起点として基板にクラックが発生することが予想される。このようなクラックが生じた場合には圧電振動片が収容されたパッケージ内の気密が保たれなくなる。特に、微小なクラックでは少しずつ気密が開放される現象(微小リーク)が発生し、圧電振動子としての信頼性を低下させることになる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、圧電振動子用パッケージの基板に圧電振動子の製造工程などにおいて、クラックなどが生じにくく信頼性を確保できる小型化・薄型化された圧電振動子用パッケージおよび圧電振動子、圧電発振器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、一層の絶縁性シートからなり、一方の面に振動片マウント電極と他方の面に外部接続電極が形成された基板と、前記基板の一方の面に設けられた前記振動片マウント電極を囲むように固着された金属リングと、を備えた圧電振動子用パッケージであって、前記振動片マウント電極に接続され前記基板の一方の面から他方の面に貫通するビアを備え、前記ビアが前記外部接続電極を形成する領域とは離隔する位置に形成されており、他方の面において前記ビアと前記外部接続電極とが引き出し電極により接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、圧電振動子用パッケージは一層の絶縁性の基板と、その上に固着された金属リングを有している。この基板には、基板の一方の面から他方の面に貫通するビアを備え、一方の面に形成された振動片マウント電極と他方の面に形成された外部接続電極がこのビアを介して接続されている。そして、ビアは外部接続電極を形成する領域とは離隔する位置に形成されている。
このように、外部接続電極を形成する領域にはビアが形成されておらず、圧電振動子の製造工程における周波数調整、検査工程などで基板に形成された外部接続電極に接触子などをあてても、ビアを起点とするクラックが発生することを防止することができ、信頼性を確保できる小型化・薄型化された圧電振動子用パッケージを提供することができる。
また、本発明は、一層の絶縁性シートからなり、一方の面に振動片マウント電極と他方の面に外部接続電極が形成された基板と、前記基板の一方の面に設けられた前記振動片マウント電極を囲むように固着された金属リングと、を設けた圧電振動子用パッケージと、前記圧電振動子用パッケージの振動片マウント電極に固着された圧電振動片と、前記金属リングと接合された蓋体と、を備えた圧電振動子であって、前記圧電振動子用パッケージの前記振動片マウント電極に接続され前記基板の一方の面から他方の面に貫通するビアを備え、前記ビアが前記外部接続電極を形成する領域とは離隔するように貫通形成されており、他方の面において前記ビアと前記外部接続電極とが引き出し電極により接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、圧電振動子は、基板と金属リングを有する圧電振動子用パッケージに、圧電振動片が収納され、金属リングの上方に配置された蓋体により、内部を気密に封止されている。そして、圧電振動子用パッケージの基板には、基板の一方の面から他方の面に貫通するビアを備え、一方の面に形成された振動片マウント電極と他方の面に形成された外部接続電極がこのビアを介して接続されている。そして、ビアは外部接続電極を形成する領域とは離隔する位置に形成されている。
このように、外部接続電極を形成する領域にはビアが形成されておらず、圧電振動子の製造工程における周波数調整、検査工程などで基板に形成された外部接続電極に接触子などをあてても、ビアを起点とするクラックが発生することを防止することができ、信頼性を確保できる小型化・薄型化された圧電振動子を提供することができる。
また、本発明の圧電発振器は、上記の圧電振動子と、前記圧電振動子の下方に配置され回路素子が実装された回路基板と、を備え、前記圧電振動子と前記回路基板とが接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、小型化・薄型化された圧電振動子を利用し、その下方に回路素子が実装された回路基板とが接続されており、小型化・薄型化され信頼性が確保された圧電発振器を得ることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は本実施形態の圧電振動子用パッケージの構成を示す構成図であり、図1(a)は模式平面図、図1(b)は同図(a)のA−A断線に沿う模式断面図、図1(c)は模式底面図である。
圧電振動子用パッケージ1は、セラミックなどの絶縁性を有する基板11と、コバールなどの金属材料からなる金属リング15を備えている。
基板11は一層のセラミックシートからなり、基板11の一方の面には振動片マウント電極12a,12bがメタライズされて形成されている。また、基板11の他方の面には外部接続電極17a,17b,17c,17dが形成されている。
さらに基板11の一方の面から他方の面に貫通するビア14a,14bが設けられている。ビア14aは振動片マウント電極12aの形成領域から他方の面(裏面)に貫通して設けられている。ビア14bは、振動片マウント電極12bに接続された引き出し電極13により引き出され、基板11の中央部に対してビア14aと略対称な位置に配設され、基板11の他方の面(裏面)に貫通して設けられている。そして、基板11の他方の面において、ビア14aは引き出し電極18により外部接続電極17aに接続されている。同様に、ビア14bは引き出し電極18により外部接続電極17bに接続されている。
このように、振動片マウント電極12aはビア14aを介して外部接続電極17aに接続され、ビア14aは他方の面では外部接続電極17aの形成領域とは離隔し、かつ基板11の中央部に向かう位置に設けられている。同様に、振動片マウント電極12bはビア14bを介して外部接続電極17bに接続され、ビア14bは他方の面では外部接続電極17bの形成領域とは離隔し、かつ基板11の中央部に向かう位置に設けられている。
本実施形態の圧電振動子用パッケージ1では、振動片マウント電極12a,12bと接続される外部接続電極17a,17bが対角に配置される構成となっている。
基板11の一方の面には、金属リング15が振動片マウント電極12a,12bを囲むように銀ろうなどにより固着されている。なお、金属リング15の表面にはNi,Auなどのメッキが施されている。
また、金属リング15の下部に位置する基板11にビア16が形成され、外部接続電極17c,17dの形成領域に貫通して形成されている。なお、この外部接続電極17c,17dはGND端子として利用できるように、金属リング15と外部接続電極17c,17dがビア16を介して接続されている。
以上のように、本実施形態の圧電振動子用パッケージ1は、一層の基板11とその上に固着された金属リング15を有している。この基板11には、基板11の一方の面から他方の面に貫通するビア14a,14bを備え、一方の面に形成された振動片マウント電極12a,12bと他方の面に形成された外部接続電極17a,17bがこのビア14a,14bを介して接続されている。そして、ビア14a,14bは外部接続電極17a,17bを形成する領域とは離隔する位置に形成されている。
このように、外部接続電極17a,17bを形成する領域にはビア14a,14bが形成されておらず、圧電振動子の製造工程における周波数調整、検査工程などで基板11に形成された外部接続電極17a,17bに接触子などをあてても、ビア14a,14bを起点とするクラックが発生することを防止することができ、信頼性を確保できる小型化・薄型化された圧電振動子用パッケージ1を提供することができる。
(変形例1)
次に、第1の実施形態における圧電振動子用パッケージの変形例について説明する。この変形例は、振動片マウント電極と接続される外部接続電極がパッケージの短辺側に配設された構成となっている。
図2は第1の実施形態における変形例の圧電振動子用パッケージの構成を示す構成図であり、図2(a)は模式平面図、図2(b)は同図(a)のB−B断線に沿う模式断面図、図2(c)は模式底面図である。
圧電振動子用パッケージ2は、セラミックなどの絶縁性を有する基板21と、コバールなどの金属材料からなる金属リング25を備えている。
基板21は一層のセラミックシートからなり、基板21の一方の面には振動片マウント電極22a,22bがメタライズされて形成されている。また、基板21の他方の面には外部接続電極27a,27b,27c,27dが形成されている。
さらに基板21の一方の面から他方の面に貫通するビア24a,24bが設けられている。このビア24a,24bは振動片マウント電極22aの形成領域から他方の面(裏面)に貫通して設けられている。そして、他方の面において、ビア24a,24bは引き出し電極28により外部接続電極27a,27bに接続されている。
このように、振動片マウント電極22a、22bはビア24a,24bを介して外部接続電極27a,27bに接続され、ビア24a,24bは他方の面では外部接続電極27a,27bの形成領域とは離隔し、かつ基板21の中央部に向かう位置に設けられている。
基板21の一方の面には、金属リング25が振動片マウント電極22a,22bを囲むように銀ろうなどにより固着されている。なお、金属リング25の表面にはNi,Auなどのメッキが施されている。
また、金属リング25の下部に位置する基板21にビア26が形成され、外部接続電極27c,27dの形成領域に貫通して形成されている。なお、この外部接続電極27c,27dはGND端子として利用できるように、金属リング25と外部接続電極27c,27dがビア26を介して接続されている。
以上のように、外部接続電極27a,27bを形成する領域にはビア24a,24bが形成されておらず、第1の実施形態と同様に圧電振動子の製造工程において、ビア24a,24bを起点とするクラックが発生することを防止することができ、信頼性を確保できる小型化・薄型化された圧電振動子用パッケージ2を提供することができる。
また、振動片マウント電極22a,22bがパッケージの短辺側に形成され、かつそれら振動片マウント電極と夫々接続される外部接続電極27a,27bがパッケージの短辺側に配設されている。よって、振動片マウント電極22a,22bと外部接続電極27a,27bとの間の配線の引き回し長さを短くすることができ、配線引き回しによる圧電振動子の寄生容量値を抑制可能な圧電振動子用パッケージ2を提供することができる。
(変形例2)
次に、第1の実施形態における圧電振動子用パッケージの他の変形例について説明する。この変形例は振動片マウント電極と接続される外部接続電極がパッケージの短辺側に配設され、もう一方の短辺側にGND端子が形成された3端子の構成となっている。
図3は第1の実施形態における変形例の圧電振動子用パッケージの構成を示す構成図であり、図3(a)は模式平面図、図3(b)は同図(a)のC−C断線に沿う模式断面図、図3(c)は模式底面図である。
圧電振動子用パッケージ3は、セラミックなどの絶縁性を有する基板31と、コバールなどの金属材料からなる金属リング35を備えている。
基板31は一層のセラミックシートからなり、基板31の一方の面には振動片マウント電極32a,32bがメタライズされて形成されている。また、基板31の他方の面には外部接続電極37a,37b,37cが形成されている。
さらに基板31の一方の面から他方の面に貫通するビア34a,34bが設けられている。このビア34a,34bは振動片マウント電極32aの形成領域から他方の面(裏面)に貫通して設けられている。そして、基板31の他方の面において、ビア34a,34bは引き出し電極38により外部接続電極37a,37bに接続されている。
このように、振動片マウント電極32a、32bはビア34a,34bを介して外部接続電極37a,37bに接続され、ビア34a,34bは他方の面では外部接続電極37a,37bの形成領域とは離隔し、かつ基板31の中央部に向かう位置に設けられている。
基板31の一方の面には、金属リング35が振動片マウント電極32a,32bを囲むように銀ろうなどにより固着されている。なお、金属リング35の表面にはNi,Auなどのメッキが施されている。
また、金属リング35の下部に位置する基板31にビア36が形成され、基板31を貫通して形成され、外部接続電極37cに接続されている。なお、この外部接続電極37cはGND端子として利用できるように、金属リング35と外部接続電極37cがビア36を介して接続されている。
以上のように、外部接続電極37a,37bを形成する領域にはビア34a,34bが形成されておらず、第1の実施形態と同様に圧電振動子の製造工程において、ビア34a,34bを起点とするクラックが発生することを防止することができ、信頼性を確保できる小型化・薄型化された圧電振動子用パッケージ3を提供することができる。
また、振動片マウント電極32a,32bがパッケージの短辺側に形成され、かつそれら振動片マウント電極と夫々接続される外部接続電極37a,37bがパッケージの短辺側に配設されている。よって、振動片マウント電極32a,32bと外部接続電極37a,37bとの間の配線の引き回し長さを短くすることができ、配線引き回しによる圧電振動子の寄生容量値を抑制可能な圧電振動子用パッケージ3を提供することができる。
(第2の実施形態)
次に、第1の実施形態で説明した圧電振動子用パッケージ1を利用した、圧電振動子について説明する。なお、圧電振動子用パッケージ1の構成は、図1で説明した符号と同じ符号を付し説明を省略する。
図4は本実施形態の圧電振動子としての水晶振動子の構成を示す構成図であり、図4(a)は模式平面図、図4(b)は模式断面図、図4(c)は模式底面図である。
水晶振動子4は、圧電振動子用パッケージ1に、水晶振動片41と、蓋体44を備えている。
圧電振動子用パッケージ1には、基板11と金属リング15により画定される凹部が形成され、この凹部内の振動片マウント電極12a,12bに、水晶振動片41がAgペーストなどの導電性接着剤43により固定されている。このようにして、水晶振動片41の一方の励振電極42は、振動片マウント電極12a、ビア14a、引き出し電極18を経由して外部接続電極17aに接続されるように構成されている。また、水晶振動片41の他方の励振電極42は、振動片マウント電極12b、引き出し電極13、ビア14b、引き出し電極18を経由して外部接続電極17bに接続されるように構成されている。
なお、圧電振動子用パッケージ1の底面において、ビア14a,14bは外部接続電極17a,17bの形成領域とは離隔して形成されている。
そして、金属リング15の上方にNiメッキが施されたコバール材などからなる蓋体44が配置され、蓋体44と金属リングと15をシーム溶接などで接合することにより圧電振動子用パッケージ1の凹部内を気密に封止している。
以上のように、水晶振動子4は、基板11と金属リング15を有する圧電振動子用パッケージ1に、水晶振動片41が収納され、金属リング15の上方に配置された蓋体44により、内部を気密に封止されている。そして、圧電振動子用パッケージ1の基板11には、基板11の一方の面から他方の面に貫通するビア14a,14bを備え、一方の面に形成された振動片マウント電極12a,12bと他方の面に形成された外部接続電極17a,17bがこのビア14a,14bを介して接続されている。そして、ビア14a,14bは外部接続電極17a,17bを形成する領域とは離隔する位置に形成されている。
このように、外部接続電極17a,17bを形成する領域にはビア14a,14bが形成されておらず、水晶振動子4の製造工程における周波数調整、検査工程などで基板11に形成された外部接続電極17a,17bに接触子などをあてても、ビア14a,14bを起点とするクラックが発生することを防止することができ、信頼性を確保できる小型化・薄型化された水晶振動子4を提供することができる。
(第3の実施形態)
次に、第1の実施形態の変形例で説明した圧電振動子用パッケージ3を利用して圧電振動子を形成し、さらに回路素子を加えて圧電発振器を構成した実施形態について説明する。
図5は本実施形態の圧電発振器としての水晶発振器の構成を示す構成図であり、図5(a)は模式平面図、図5(b)は模式断面図である。なお、図5(a)は便宜上、表面を覆う樹脂を取り除いて表している。
水晶発振器5は、圧電振動子用パッケージ3、水晶振動片41、蓋体44から構成される水晶振動子6と、ICチップ52と、ICチップ52を搭載する回路基板51と、水晶発振器5を覆う樹脂部56とを備えている。
圧電振動子用パッケージ3には、基板31と金属リング35により画定される凹部が形成され、この凹部内の振動片マウント電極32a,32bに、水晶振動片41がAgペーストなどの導電性接着剤43により固定されている。このようにして、水晶振動片41の励振電極42は、振動片マウント電極32a,32b、ビア34a,34b、引き出し電極38を経由して外部接続電極37a,37bに接続されるように構成されている。
なお、図3に示すように圧電振動子用パッケージ3の底面において、ビア34a,34bは外部接続電極37a,37bの形成領域とは離隔して形成されている。
そして、金属リング35の上方にNiメッキが施されたコバール材などからなる蓋体44が配置され、蓋体44と金属リングと35を溶接することにより圧電振動子用パッケージ3の凹部内を気密に封止している。
回路基板51には、回路素子としてのICチップ52が搭載され、Au線などの金属ワイヤ53により、回路基板51に形成された端子に接続されている。また、回路基板51の裏面には、表面から貫通されたビアなどにより接続され外部の回路基板などに接続される外部接続端子54が形成されている。そして、回路基板51に形成された端子にバンプ55が形成され、圧電振動子用パッケージ3の基板31に形成された外部接続電極37a,37b,37cと接続固定されている。さらに、水晶振動子6と回路基板51の間、および水晶振動子6の上面がエポキシ樹脂などの樹脂で覆われて樹脂部56が形成され水晶発振器5が構成されている。
本実施形態の水晶発振器5で利用する圧電振動子用パッケージ3は、ICチップ52と回路基板51に形成された端子とを接続する複数の金属ワイヤ53と、圧電振動子用パッケージ3の基板31に形成された外部接続電極37a,37b,37cとが接触して電気的にショートしてしまうことを防止するために、金属ワイヤ53の上方に外部接続電極37a,37b,37cが存在しないようになっている。すなわち、圧電発振器5を平面視して、金属ワイヤ53と外部接続電極37a,37b,37cとが互いに重ならないように配置されている。また、特に本実施形態の水晶発振器5においては、複数の金属ワイヤ53のうち、金属ワイヤ531が回路基板51の角部に位置している。よって、図3(c)に示されるように、圧電振動子用パッケージ3の外部電極37cが存在する側の2つの角部に電極を設けていない。また、圧電振動子用パッケージ3の外部接続電極37cのうち、バンプ55と接続する部分を、外部接続電極37cが存在する側の2つの角部を避けるようにして、圧電振動子用パッケージ3の長辺側に引き出している。この構成により、ICチップ52が回路基板51の短辺近傍まで配置されていて、更にICチップ52上の電極パッドの位置の制約により、本実施形態の金属ワイヤ531のように回路基板51上の角部に金属ワイヤを配置する必要がある場合であっても、回路基板51と圧電振動子用パッケージ3とをバンプ55などの接続部材によって接続固定することができる。
以上のように、本実施形態の水晶発振器5に使用される水晶振動子6は、基板31を貫通するビア34a,34bが外部接続電極37a,37bの形成領域とは離隔して形成されている。このため、水晶振動子6の製造工程においてビア34a,34bを起点とするクラックが発生することがない。そして、本実施形態では、この小型化・薄型化された水晶振動子を利用しているため、その下方に回路素子52が実装された回路基板51とを接続することで、小型化・薄型化され信頼性を確保できる圧電発振器5を得ることが可能である。
なお、上記実施形態では、圧電振動子として水晶振動片を用いた水晶振動子を例示して説明したが、振動片の材料として水晶に限らず、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料を利用した圧電振動片としても良い。
第1の実施形態における圧電振動子用パッケージの構成を示す構成図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のA−A断線に沿う模式断面図、(c)は模式底面図。 第1の実施形態における変形例1の圧電振動子用パッケージの構成を示す構成図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のB−B断線に沿う模式断面図、(c)は模式底面図。 第1の実施形態における変形例2の圧電振動子用パッケージの構成を示す構成図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のC−C断線に沿う模式断面図、(c)は模式底面図。 第2の実施形態における圧電振動子の構成を示す構成図であり、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図、(c)は模式底面図。 第3の実施形態における圧電発振器の構成を示す構成図であり、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図。
符号の説明
1,2,3…圧電振動子用パッケージ、4…圧電振動子としての水晶振動子、5…圧電発振器としての水晶発振器、11…基板、12a,12b…振動片マウント電極、13…引き出し電極、14a,14b…ビア、15…金属リング、16…ビア、17a,17b,17c,17d…外部接続電極、18…引き出し電極、41…圧電振動片としての水晶振動片、42…励振電極、43…導電性接着剤、44…蓋体、51…回路基板、52…回路素子としてのICチップ、53…金属ワイヤ、54…外部接続端子、55…バンプ、56…樹脂部。

Claims (3)

  1. 一層の絶縁性シートからなり、一方の面に振動片マウント電極と他方の面に外部接続電極が形成された基板と、
    前記基板の一方の面に設けられた前記振動片マウント電極を囲むように固着された金属リングと、を備えた圧電振動子用パッケージであって、
    前記振動片マウント電極に接続され前記基板の一方の面から他方の面に貫通するビアを備え、前記ビアが前記外部接続電極を形成する領域とは離隔する位置に形成されており、他方の面において前記ビアと前記外部接続電極とが引き出し電極により接続されていることを特徴とする圧電振動子用パッケージ。
  2. 一層の絶縁性シートからなり、一方の面に振動片マウント電極と他方の面に外部接続電極が形成された基板と、前記基板の一方の面に設けられた前記振動片マウント電極を囲むように固着された金属リングと、を設けた圧電振動子用パッケージと、
    前記圧電振動子用パッケージの振動片マウント電極に固着された圧電振動片と、
    前記金属リングと接合された蓋体と、を備えた圧電振動子であって、
    前記圧電振動子用パッケージの前記振動片マウント電極に接続され前記基板の一方の面から他方の面に貫通するビアを備え、前記ビアが前記外部接続電極を形成する領域とは離隔するように貫通形成されており、他方の面において前記ビアと前記外部接続電極とが引き出し電極により接続されていることを特徴とする圧電振動子。
  3. 請求項2に記載の圧電振動子と、
    前記圧電振動子の下方に配置され回路素子が実装された回路基板と、を備え、
    前記圧電振動子と前記回路基板とが接続されていることを特徴とする圧電発振器。
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