JP2008004468A - 燃料電池発電システム、および、その制御装置ならびに制御方法 - Google Patents

燃料電池発電システム、および、その制御装置ならびに制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池の燃料極から排出された燃料排ガスを再利用する場合に、燃料電池発電システムを長寿命化する。
【解決手段】燃料電池発電システムは、燃料ガス供給手段41と、燃料ガス供給手段41から燃料電池入口配管1を介して供給される燃料ガスを用いて発電する燃料電池本体3と、燃料電池入口配管1の途中の再循環燃料合流点12に延びる再循環燃料配管11と、燃料電池本体3から排出される燃料排ガスを再循環燃料配管11を介して輸送する再循環燃料水エゼクタ15と、燃料排ガスが再循環燃料合流点12で燃料ガスに混合されているか否かを判定し、混合されていると判定した場合には、燃料ガス供給手段41による燃料ガスの単位時間当たりの供給量を減少させる制御手段43と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池発電システム、および、その制御装置ならびに制御方法に関する。
燃料の化学エネルギーを直接電気に変換するシステムとして、燃料電池発電システムが知られている。燃料電池発電システムは、燃料である水素と酸化剤である酸素とを電気化学的に反応させて、直接電気を取り出すものであり、高い効率で電気エネルギーを取り出すことができる。しかも、この燃料電池発電システムは、大気汚染物質の排出が少なく、騒音も小さいという環境性に極めて優れた特徴を有している。
燃料電池発電システムでは、水素濃度が高い(水素リッチな)燃料ガスもしくは水素燃料は、燃料電池本体内部の燃料極へ導かれ、発電に用いられた後に排出される。燃料極に供給される燃料ガスの全てが発電のために消費されるわけではなく、一部は消費されずに燃料極から排出される。排出される燃料ガスを少なくし、燃料電池本体における燃料利用率を高めることにより、発電効率が高くなる。
そこで燃料極から排出された燃料排ガスを、燃料極入口に再循環させるといった手法がとられる。たとえば、特許文献1ないし特許文献3には、燃料排ガスを再循環させるための方法が開示されている。
特開2001−196087号公報 特開2003−151588号公報 特開平9−259912号公報
燃料電池発電システムにおいて、燃料極から排出された燃料排ガスを、燃料極入口に再循環させて再利用する場合には、燃料電池本体に供給される燃料ガス流量は、再利用される燃料排ガス流量を勘案した燃料ガス流量に制御される。
しかし、燃料排ガスを再循環させるための装置が故障したり、所定の能力が発揮されない場合には、燃料電池本体に供給される燃料ガス流量が少なくなるため、燃料電池本体が許容する燃料利用率よりも高くなる場合がある。この場合、燃料極において局部的な水素不足が生じ、燃料極が腐食する可能性がある。燃料極が腐食すると、燃料極を構成するカーボン材料が消失し、電池運転が不可能となるおそれがある。
このため、燃料極から排出された燃料排ガスを、燃料極入口に再循環させて再利用する場合には、再循環させる燃料排ガスの流量が健全であることを診断しながら運転することが、燃料電池システムを長寿命化するために重要となる。
そこで、本発明は、燃料電池の燃料極から排出された燃料排ガスを再利用する場合に、燃料電池発電システムを長寿命化することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、燃料電池発電システムにおいて、燃料ガス供給手段と、前記燃料ガス供給手段から供給される燃料ガスを用いて発電する燃料電池本体と、前記燃料ガス供給手段から前記燃料電池本体に延びる燃料電池入口配管と、前記燃料電池入口配管の途中の再循環燃料合流点に延びる再循環燃料配管と、前記燃料電池本体から排出される燃料排ガスを前記再循環燃料配管を介して輸送する燃料再循環手段と、前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されているか否かを判定し、混合されていると判定した場合には、前記燃料ガス供給手段による前記燃料ガスの単位時間当たりの供給量を減少させる制御手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、燃料電池本体に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段を備えた燃料電池発電システムの制御装置において、前記燃料ガス供給手段から供給される燃料ガスにその燃料電池本体から排出される燃料排ガスが前記燃料電池本体よりも上流で混合されているか否かを判定し、混合されていると判定した場合には、前記燃料ガス供給手段による前記燃料ガスの単位時間当たりの供給量を減少させることを特徴とする。
また、本発明は、燃料電池発電システムの制御方法において、燃料ガスを燃料電池入口配管を介して燃料電池本体に供給する工程と、前記燃料ガスを用いて発電する発電工程と、前記発電工程の後に燃料電池本体から排出される燃料排ガスを、前記燃料電池入口配管につながる再循環燃料配管に排出する工程と、前記燃料ガス供給手段から前記燃料電池本体に延びる燃料電池入口配管と、前記燃料電池から排出される燃料排ガスを輸送する燃料再循環手段と、前記燃料ガスが前記燃料電池本体に供給される前に前記燃料排ガスと混合されているか否かを判定し、混合されていると判定した場合には、前記燃料電池本体への前記燃料ガスの単位時間当たりの供給量を減少させる工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池の燃料極から排出された燃料排ガスを再利用する場合に、燃料電池発電システムを長寿命化できる。
本発明に係る燃料電池発電システムの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る第1の実施の形態における燃料電池発電システムのブロック図である。
燃料電池本体3は、燃料極31および酸化剤極32を有している。酸化剤極32には、酸化剤ガス供給装置2が接続されている。
燃料極31には、燃料電池入口配管1を介して燃料ガス供給装置41が接続されている。燃料ガス供給装置41の上流側には、燃料供給源40が接続されている。たとえば、燃料供給源40は所定の濃度以上の水素濃度の燃料ガスを生成する装置で、燃料ガス供給装置41はブロワである。また、燃料供給源40が水素を貯えたボンベで、燃料ガス供給装置41が流量調整弁としてもよい。
また、燃料電池本体3は、冷却水系33を有している。冷却水系33には、冷却水供給装置7を介して水タンク6が接続されている。冷却水供給装置7は、たとえばポンプである。冷却水系33は、また、熱交換器8に接続されていて、熱交換器8は水タンク6に接続されている。熱交換器8には、排熱回収ライン45を介して貯湯槽9も接続されている。
燃料電池本体3の酸化剤極32には、酸化剤排ガス配管5が接続されている。また、燃料電池本体3の燃料極31には、燃料排ガス配管4が接続されている。
燃料排ガス配管4には、再循環燃料分岐点10でエゼクタ吸引ライン44が接続されている。エゼクタ吸引ライン44は、再循環燃料水エゼクタ15に接続されている。エゼクタ吸引ライン44の途中には再循環燃料遮断弁20が挿入されている。
冷却水供給装置7の下流側は冷却水系33よりも上流側で分岐して、水エゼクタ供給水配管16を介して再循環燃料水エゼクタ15に接続されている。水エゼクタ供給水配管16の途中には、水エゼクタ供給水遮断弁21が挿入されている。再循環燃料水エゼクタ15の下流側には、再循環燃料配管11が接続されている。再循環燃料配管11は、燃料電池入口配管1の途中の再循環燃料合流点12に接続されている。
再循環燃料配管11には、水回収セパレータ17が挿入されている。また、水回収セパレータ17と再循環燃料合流点12との間には、再循環燃料逆止弁18が挿入されている。水回収セパレータ17は、水タンク6よりも高い位置に配置され、水回収セパレータ17から水タンク6には、ドレン回収ライン42が延びている。
再循環燃料配管11の途中には、再循環燃料温度検出手段22が取り付けられている。
また、この燃料電池発電システムは、再循環燃料温度検出手段22から信号が伝達される制御器43を有している。制御器43は、燃料ガス供給装置41、再循環燃料遮断弁20、水エゼクタ供給水遮断弁21、冷却水供給装置7および酸化剤ガス供給装置2などを制御する。
水素リッチな燃料ガスもしくは水素燃料は、燃料電池入口配管1を介して燃料電池本体3の燃料極31へ導かれ、発電に用いられた後に燃料排ガス配管4からカソード排ガス(燃料排ガス)として排出される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給装置2によって燃料電池本体3内部の酸化剤極32に導かれ、発電に使われた後に酸化剤排ガス配管5からカソード排ガスとして排出される。
また、水タンク6に貯められた水は、冷却水供給装置7により燃料電池本体3の冷却水系33に導かれ、燃料電池本体3の冷却に用いられる。燃料電池本体3で加温され、冷却水系33から排出された水は、熱交換器8を介して、貯湯槽9の蓄熱に利用される。
燃料極31に供給された燃料ガスの一部は発電反応により消費され、残りは排出される。この燃料電池発電システムでは、消費されずに燃料極31から排出される燃料ガス(燃料排ガス)の一部または全部を再利用する。
図2は、第1の実施の形態における燃料電池発電システムの制御器の動作を示す流れ図である。
まず、この燃料電池発電システムで燃料排ガスの再利用を開始する信号が制御器43に与えられると、制御器43は再循環燃料遮断弁20および水エゼクタ供給水遮断弁21を開く(工程S1)。
水エゼクタ供給水遮断弁21が開くことによって、冷却水供給装置7によって供給される冷却水の一部が再循環燃料水エゼクタ15に供給される。この冷却水を駆動力として、燃料排ガス配管4を流れる燃料排ガスの一部または全部は、エゼクタ吸引ライン44を介して、再循環燃料水エゼクタ15に吸引される。
再循環燃料水エゼクタ15から吐出される燃料排ガスに含まれる、駆動源となった冷却水などの水分は、水回収セパレータ17によって分離される。分離された水分は、ドレン回収ライン42を通じて、水タンク6に回収される。
水分を分離された残りの燃料排ガスは、再循環燃料合流点12において、燃料ガス供給装置41によって供給される燃料ガスと混合される。なお、再循環燃料逆止弁18によって、燃料ガス供給装置41によって供給される燃料ガスは、水回収セパレータ17側に逆流しないようになっている。
燃料排ガスは、燃料電池本体3で発生する熱により約65℃に加温される。このため、燃料排ガスが再循環燃料配管11を流れると、再循環燃料温度検出手段22によって温度の上昇が検知される。
制御器43は、再循環燃料配管11を流れるガスの温度と基準温度とを比較して、燃料排ガスが再利用されているか否かを判断する(工程S2)。再循環燃料配管11を流れるガスの温度が基準温度以上になった場合には、燃料排ガスが再利用されていると判断し、基準温度未満の場合は、燃料排ガスが再利用されていないと判断する。なお、燃料排ガスの温度が基準温度と等しくなった場合に、燃料排ガスが再利用されていないと判断してもよい。
燃料排ガスが再利用されていると判断する基準温度は、燃料電池本体で発生する熱量、や再循環燃料配管11を流れる途中で外部に放出される熱量などを考慮して決定する。また、外気温を考慮して、この基準の温度をより正確に決定するようにしてもよい。
制御器43は、燃料排ガスが再利用されていると判断した場合には、燃料ガス供給装置41によって単位時間当たりに供給する燃料ガスの量を少なくする(工程S3)。これにより、燃料電池本体3における燃料の利用率が高まる。
制御器43は、燃料排ガスが再利用されていないと判断した場合には、冷却水供給装置7の回転数を増加させ、再循環燃料水エゼクタ15によって燃料排ガスを吸引する量を増加させる。なお、この際、燃料リサイクルライン遮断弁20および水エゼクタ供給水遮断弁21を閉じてから、冷却水供給装置7の回転数を上昇させてもよい。
このようにして、燃料排ガスの一部または全部を再利用して、外部に排出される燃料ガスを少なくすることにより、燃料電池本体3の燃料利用率を高めることができ、発電効率を高めることができる。
また、燃料排ガスが再利用されていることを確認した後に、燃料の供給量を調整するため、燃料排ガスが再利用されてないにもかかわらず燃料の供給量を少なくすることを防止できる。このため、燃料の供給不足によって、燃料の利用率が燃料電池本体3が許容する利用率よりも高くなることに起因する燃料極31での局部的な水素不足を抑制できる。したがって、燃料極が腐食することを防止し、燃料極31および燃料電池発電システム全体を長寿命化できる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明に係る第2の実施の形態における燃料電池発電システムのブロック図である。
本実施の形態の燃料電池発電システムは、第1の実施の形態の燃料電池発電システムに、燃料ガス供給装置41と再循環燃料合流点12との間に取り付けられた燃料ガス温度検出手段23を追加したものである。また、制御器43には、燃料ガス温度検出手段23から信号も伝達されるようになっている。燃料ガス温度検出手段23は、燃料ガス供給装置41によって供給される燃料ガスの温度を検出する。
この燃料電池発電システムの制御器43は、再循環燃料配管11を流れるガスと燃料ガスとの温度差を基準温度差と比較して、燃料排ガスが再利用されているか否かを判断する。
燃料排ガスが再利用されていると判断する基準温度差は、第1の実施の形態と同様に、燃料電池本体で発生する熱量や再循環燃料配管11を流れる途中で外部に放出される熱量などを考慮して決定する。また、外気温を考慮して、この基準温度差をより正確に決定するようにしてもよい。たとえば燃料ガス供給装置41が供給する燃料ガスの温度が約30℃で、燃料排ガスの温度が約65℃の場合には、基準温度差を35℃とする。
本実施の形態においては、燃料ガスと燃料排ガスの温度差を用いて、燃料排ガスが再利用されているか否かを判断するため、外気温の上昇に伴う燃料ガスの温度上昇に起因して燃料排ガスの温度が上昇する場合などでも、外部環境の影響を受けにくい。
[第3の実施の形態]
図4は、本発明に係る第3の実施の形態における燃料電池発電システムのブロック図である。
本実施の形態の燃料電池発電システムは、第2の実施の形態の燃料電池発電システムの再循環燃料温度検出手段を削除し、再循環燃料合流点12と燃料極31との間に、燃料極入口温度検出手段24を追加したものである。また、制御器43には、燃料極入口温度検出手段24から信号も伝達されるようになっている。
燃料極入口温度検出手段24は、燃料極に供給される燃料ガスの温度を検出する。つまり、燃料排ガスが混合された後の燃料ガスの温度を検出する。
この燃料電池発電システムの制御器43は、燃料ガス温度検出手段23によって検出する温度と、再循環燃料温度検出手段22によって検出する温度(燃料極入口温度)との差を、基準温度差と比較して、燃料排ガスが再利用されているか否かを判断する。
制御器43は、燃料ガス温度検出手段23によって検出された温度と燃料極入口温度との差から、再利用された燃料排ガス流量を推定することができる。たとえば、燃料ガス温度検出手段23で約30℃が検知され、燃料排ガスの温度が約65℃である場合には、両者の混合比を燃料入口温度から推定することができる。
制御器43が推定した燃料排ガス流量が基準流量よりも少ない場合には、燃料排ガスが再利用されていないと判断する。基準流量よりも多い場合には、燃料排ガスが再利用されていると判断する。
[第4の実施の形態]
図5は、本発明に係る第4の実施の形態における燃料電池発電システムのブロック図である。
本実施の形態の燃料電池発電システムは、第1の実施の形態における再循環燃料温度検出手段を再循環燃料湿度検出手段25に変更したものである。
この燃料電池発電システムは、再循環燃料湿度検出手段25によって再循環燃料配管11を流れるガスの湿度を検出する。
燃料排ガスは、燃料排ガスは燃料電池本体31で加湿され、約65℃の飽和水蒸気を含んだガスとして排出される。このため、燃料排ガスが再利用されている場合には、再循環燃料湿度検出手段25において、再循環燃料配管11を流れるガスの湿度の上昇が検知される。
制御器43は、この湿度が基準湿度より高い場合に、燃料排ガスが再利用されていると判断する。基準湿度は、燃料電池本体3において加熱された燃料排ガスの温度などを考慮して決定する。
[第5の実施の形態]
図6は、本発明に係る第5の実施の形態における燃料電池発電システムのブロック図である。
本実施の形態の燃料電池発電システムは、第4の実施の形態における再循環燃料湿度検出手段を削除し、再循環燃料合流点12と燃料極31との間に、燃料極入口湿度検出手段26を取り付けたものである。
この燃料電池発電システムは、燃料極入口湿度検出手段26によって燃料極31に供給されるガスの湿度を検出する。燃料排ガスは、飽和水蒸気を含んでいるため、燃料排ガスが再利用されていると、再循環燃料合流点12と燃料極31との間を流れるガスの湿度の上昇が検知される。
制御器43は、この湿度が基準湿度より高い場合に、燃料排ガスが再利用されていると判断する。基準湿度は、燃料電池本体3において加熱された燃料排ガスの温度や、燃料ガス供給装置41が供給する燃料ガスの湿度などを考慮して決定する。
[第6の実施の形態]
図7は、本発明に係る第6の実施の形態における燃料電池発電システムのブロック図である。
本実施の形態の燃料電池発電システムは、第1の実施の形態における再循環燃料温度検出手段を再循環燃料流量測定手段30に変更したものである。
再循環燃料流量測定手段30は、再循環燃料配管11の途中に設けられたオリフィス29と、その前後のそれぞれの圧力を測定するオリフィス入口圧力計27およびオリフィス出口圧力計28を有している。再循環燃料流量測定手段30は、オリフィス入口圧力計27とオリフィス出口圧力計28で測定するそれぞれの圧力の差と、オリフィス29の仕様から、再循環燃料配管11を流れるガスの流量を測定する。なお、オリフィス29の前後の圧力を別々に測定する代わりに、オリフィス29の前後の圧力差を測定してもよい。
制御器43は、再循環燃料流量測定手段30が測定するガスの流量が所定の基準流量よりも大きい場合に、燃料排ガスが再利用されていると判断する。この基準流量は、燃料ガス供給装置41が供給する燃料ガスの流量などを考慮して決定する。
[第7の実施の形態]
図8は、本発明に係る第7の実施の形態における燃料電池発電システムの燃料電池本体およびその周辺のブロック図である。
本実施の形態の燃料電池発電システムは、第1の実施の形態における燃料電池本体3を、主スタック34および従スタック35とからなる2段直列構成としたものである。主スタック34および従スタック35は、それぞれ燃料極31、酸化剤極32および冷却水系33を有している。主スタック34の燃料排ガスは、従スタック35に供給されるようになっている。
この燃料電池発電システムは、主スタック34の燃料排ガスを従スタック35の燃料として再利用し、従スタック35の燃料排ガスを主スタック34の燃料として再利用する。
たとえば、燃料電池本体3に燃料ガスとして水素ガスを供給し、主スタック34および従スタック35の燃料利用率が共に80%となるように、主スタック34および従スタック35のセル数を決定した場合を考える。このとき、主スタック34に供給される水素ガスのうち80%が主スタック34で消費され、残りの20%が従スタックに供給される。この残りの20%のうちの80%が従スタックで消費される。つまり、従スタック35では、主スタック34に供給された水素ガス全体の16%(=0.2×0.8)が消費される。したがって、主スタック34に供給された水素ガス全体のうち、残りの4%が従スタック35から排出される。つまり、主スタック34の燃料排ガスを従スタック35の燃料として再利用のみを実施する場合には、燃料電池本体3の全体としての燃料利用率は96%となる。
また、燃料利用率の上限が80%で、燃料電池本体3が主スタック34のみであり、燃料電池本体3に供給される水素ガス流量の10%相当分を燃料極31の出口から再利用する場合を考える。この場合、燃料電池本体3で消費された後、燃料電池本体3から排出される水素ガス流量は燃料電池本体3に供給される水素ガス流量の22%(=(1+0.1)×0.2)となる。したがって、主スタック34に供給された水素ガス全体のうち、12%相当分が排出され、システム全体としての燃料利用率は88%となる。
一方、本実施の形態では、主スタック34および従スタック35の燃料利用率が共に80%となるようにセル数を決定した場合、主スタック34に供給する水素ガス流量の3%相当分を従スタック35の出口の燃料排ガスから再利用するだけで、システム全体としての燃料利用率は99%となり、より100%に近い運転となる。
このように、燃料電池本体3を主スタック32と従スタック33とからなる2段直列構成とすることで、再利用する燃料排ガスの流量を増加させることなく、燃料の再利用率を高めることができる。このため、燃料電池システム全体の効率が向上する。また、従スタック35の燃料排ガスを主スタック34入口に戻すことにより、主スタック34および従スタック35に流入される燃料の流速が上がる。このため、燃料配流のアンバランスによる燃料極31での局部的な水素不足に起因する腐食の発生の可能性が低減され、高燃料利用率での長期安定運転が可能となる。
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
本発明に係る第1の実施形態の燃料電池発電システムのブロック図である。 本発明に係る第1の実施形態の燃料電池発電システムにおける制御方法の流れ図である。 本発明に係る第2の実施形態の燃料電池発電システムのブロック図である。 本発明に係る第3の実施形態の燃料電池発電システムのブロック図である。 本発明に係る第4の実施形態の燃料電池発電システムのブロック図である。 本発明に係る第5の実施形態の燃料電池発電システムのブロック図である。 本発明に係る第6の実施形態の燃料電池発電システムのブロック図である。 本発明に係る第7の実施形態の燃料電池発電システムの燃料電池本体およびその周辺のブロック図である。
符号の説明
1…燃料電池入口配管、2…酸化剤ガス供給装置、3…燃料電池本体、4…燃料排ガス配管、5…酸化剤排ガス配管、6…水タンク、7…冷却水供給装置、8…熱交換器、9…貯湯槽、10…再循環燃料分岐点、11…再循環燃料配管、12…再循環燃料合流点、15…再循環燃料水エゼクタ、16…水エゼクタ供給水配管、17…水回収セパレータ、18…再循環燃料逆止弁、20…再循環燃料遮断弁、21…水エゼクタ供給水遮断弁、22…再循環燃料温度検出手段、23…燃料ガス温度検出手段、24…燃料極入口温度検出手段、25…再循環燃料湿度検出手段、26…燃料極入口湿度検出手段、27…オリフィス入口圧力計、28…オリフィス出口圧力計、29…オリフィス、30…再循環燃料流量測定手段、31…燃料極、32…酸化剤極、33…冷却水系、34…主スタック、35…従スタック、40…燃料供給源、41…燃料ガス供給装置、42…ドレン回収ライン、43…制御器、45…排熱回収ライン

Claims (14)

  1. 燃料ガス供給手段と、
    前記燃料ガス供給手段から供給される燃料ガスを用いて発電する燃料電池本体と、
    前記燃料ガス供給手段から前記燃料電池本体に延びる燃料電池入口配管と、
    前記燃料電池入口配管の途中の再循環燃料合流点に延びる再循環燃料配管と、
    前記燃料電池本体から排出される燃料排ガスを前記再循環燃料配管を介して輸送する燃料再循環手段と、
    前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されているか否かを判定し、混合されていると判定した場合には、前記燃料ガス供給手段による前記燃料ガスの単位時間当たりの供給量を減少させる制御手段と、
    を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 前記制御手段は、前記再循環燃料配管を流れるガスの温度を検出して、その温度が所定の基準温度よりも高い場合に前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されていると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記制御手段は、前記燃料再循環手段を流れるガスの温度と前記燃料電池入口配管の前記再循環燃料合流点よりも上流側を流れるガスの温度との差を検出して、その温度差が所定の基準温度差よりも大きい場合に前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されていると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  4. 前記制御手段は、前記燃料電池入口配管の前記再循環燃料合流点よりも上流側を流れるガスの温度と下流側を流れるガスの温度の差を検出して、その温度差が所定の基準温度差よりも大きい場合に前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されていると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  5. 前記制御手段は、前記再循環燃料配管を流れるガスの湿度を検出して、その湿度が所定の基準湿度よりも高い場合に前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されていると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  6. 前記制御手段は、前記燃料電池入口配管の前記再循環燃料合流点よりも下流側を流れるガスの湿度を検出して、その湿度が所定の基準湿度よりも高い場合に前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されていると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  7. 前記制御手段は、前記燃料電池入口配管の前記再循環燃料合流点よりも上流側を流れるガスの湿度と下流側を流れるガスの湿度の差を検出して、その湿度の差が所定の基準湿度差よりも大きい場合に前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されていると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  8. 前記再循環燃料配管にはオリフィスが設けられ、
    前記制御手段は、前記オリフィスの前後での圧力の差を検出して、前記再循環燃料配管を流れるガスの量を検出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  9. 前記制御手段は、前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されていると判断しない場合には、前記燃料再循環手段の前記燃料排ガスの輸送量を増加させることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  10. 前記燃料再循環手段は、ブロワを有していて、
    前記制御手段は、前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されていると判断しない場合には、前記ブロワの回転数を増加させることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池発電システム。
  11. 前記燃料再循環手段は、水ポンプおよびその水ポンプから供給される水によって駆動されるエゼクタを備えていて、
    前記制御手段は、前記燃料排ガスが前記再循環燃料合流点で前記燃料ガスに混合されていると判断しない場合には、前記水ポンプの回転数を増加させることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池発電システム。
  12. 前記燃料電池本体は、前記燃料電池入口配管に接続された主スタックと、その主スタックから排出されるガスを用いて発電する従スタックを備えていて、
    前記燃料再循環手段は、前記従スタック下流に接続されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  13. 燃料電池本体に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段を備えた燃料電池発電システムの制御装置において、
    前記燃料ガス供給手段から供給される燃料ガスにその燃料電池本体から排出される燃料排ガスが前記燃料電池本体よりも上流で混合されているか否かを判定し、混合されていると判定した場合には、前記燃料ガス供給手段による前記燃料ガスの単位時間当たりの供給量を減少させることを特徴とする燃料電池発電システムの制御装置。
  14. 燃料ガスを燃料電池入口配管を介して燃料電池本体に供給する工程と、
    前記燃料ガスを用いて発電する発電工程と、
    前記発電工程の後に燃料電池本体から排出される燃料排ガスを、前記燃料電池入口配管につながる再循環燃料配管に排出する工程と、
    前記燃料ガス供給手段から前記燃料電池本体に延びる燃料電池入口配管と、
    前記燃料電池から排出される燃料排ガスを輸送する燃料再循環手段と、
    前記燃料ガスが前記燃料電池本体に供給される前に前記燃料排ガスと混合されているか否かを判定し、混合されていると判定した場合には、前記燃料電池本体への前記燃料ガスの単位時間当たりの供給量を減少させる工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
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