JP2008041394A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムに関し、残留水素と空気とを反応させた後にアノードに残留する水を低減することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック1内部のアノードを、管路20に連通させる。エアコンプレッサ11を駆動させることにより、水素系置換用空気供給ライン6、管路23、管路20を経由して、燃料電池スタック1内部のアノードに空気を供給することができる。燃料電池の運転停止後に、アノードの水素を窒素に置換し、その置換後にアノードがカソードよりも高圧になるように空気を供給する。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池システムに係り、特に、燃料電池の停止時におけるアノードの水管理に関する。
従来、特許第2541288号公報に開示されているように、燃料電池の運転停止時にアノードに空気を供給し、アノードの残留水素を空気と反応させる燃料電池システムが知られている。上記従来のシステムによれば、燃料電池の運転停止後に、水素が残存しているアノードに空気が供給される。その後、アノードにおいて水素と空気が反応し、水素が窒素に置換される。これにより、システムの停止時に、アノードに残留する水素量を減少させることができる。
特許第2541288号公報 特許第2887346号公報 特開2003−331893号公報
しかしながら、上述した従来のシステムでは、残留水素と空気の反応により生成された水がアノードに残留したまま、次回の始動が行われる場合がある。この場合には、アノードへの水素の供給が残留した水によって阻害され、燃料電池の次回の始動を円滑に行えなくなる場合がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、残留水素と空気とを反応させた後にアノードに残留する水を低減することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムであって、
電解質膜の一方の側にアノードを配置し、前記電解質膜の他方の側にカソードを配置した燃料電池と、
前記燃料電池のアノードに空気を供給する空気供給機構と、
前記燃料電池の運転停止時に、前記アノードの水素を窒素に置換し該置換の後に該アノードをカソードよりも高圧にするための空気を前記空気供給機構により供給する空気供給手段と、
を有することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記空気供給手段は、
前記燃料電池の運転停止時に前記アノードの水素を窒素に置換するための空気を前記空気供給機構により供給する置換手段と、
前記置換手段によって前記アノードに空気が供給された後で該アノードを前記カソードよりも高圧にするための空気を前記空気供給機構により供給する加圧手段と、
を含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記置換の完了を検知する検知手段をさらに有し、該検知がなされた後に前記加圧手段によって前記アノードに空気を供給することを特徴とする。
第1の発明によれば、燃料電池の運転停止後にアノードに空気を供給することにより、アノードの水素を窒素に置換し、置換後にアノードをカソードよりも高圧にすることができる。これにより、アノード内の窒素などのガスが、カソードへと移動する。それに伴い、水素の置換を行った後にアノードに生じた水が、アノード内の窒素などのガスに付随して、アノードからカソードへ搬送される。このため、本発明によれば、水素の置換後に水がアノードに残留するのを避けることができ、燃料電池の始動が妨げられるのを避けることができる。
第2の発明によれば、燃料電池の運転停止後に、水素を置換するための空気をアノードに供給する。その後、水素の置換が進んでアノードの圧力が一旦下がったところへ、アノードをカソードよりも高圧にするための空気を供給する。これにより、アノードが必要以上に高圧になる恐れが無い。従って、燃料電池内部の電解質膜への負担を少なくした上で、アノードに水が残存するのを避けることができる。
第3の発明によれば、水素の置換の完了を検知することができる。そして、水素の置換が完了してアノードの圧力が最も下がったところへ、空気を供給することができる。これにより、燃料電池内部の電解質膜への負担をさらに少なくした上で、アノードに水が残存するのを避けることができる。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステムの構成]
図1は、実施の形態1の燃料電池システムの構成を説明するための図である。本実施の形態のシステムは、例えば車両などに搭載した状態で用いることができる。
このシステムは、燃料電池スタック1を備えている。燃料電池スタック1は、内部に複数の燃料電池セル(図示せず)を有する。燃料電池セルは、電解質膜を有する。電解質膜を境界に、燃料電池の一方の側にアノード、他方の側にカソードが設けられる。アノードとカソードは、それぞれ、電極、触媒層などを備える。燃料電池セルの運転時には、アノードには水素が供給され、カソードには空気が供給される。この水素および空気が燃料電池セル内部で反応し、電力が発生する。
発電の最中には、アノードの触媒層において水素が反応し、水素イオンと電子が生成される。水素イオンは、電解質膜を通過してカソードへと移動する。電子は、アノードの電極内部を移動し、隣接する他の燃料電池セルのカソードへと到達する。カソードでは、空気(酸素)が水素イオンおよび電子と反応し、水が生成される。なお、燃料電池セルの構造および発電時の反応に関する更なる詳細については、多くの文献が開示されているため、説明を省略する。
燃料電池スタック1は、水素供給口31を備えている。前述したアノードは、水素供給口31に連通している。水素供給口31は、管路20に連通している。管路20は、水素圧力センサ10を備える。水素圧力センサ10を用いることにより、アノードの圧力を検知できる。
管路20は、水素入口弁3に連通している。水素入口弁3により、管路20への水素流入経路を開閉することができる。水素入口弁3は、水素調圧弁2に連通している。水素調圧弁2は、水素で充填された水素供給源17に連通している。水素調圧弁2は、水素供給源17の高圧な水素を、適当な圧力に減圧して供給する。
燃料電池スタック1は、水素排気口32を備えている。アノードは、水素供給口31に連通するとともに、水素排気口32にも連通している。水素排気口32は、気液分離器7に連通している。気液分離器7は、水素排気口32から流入してくるガスに含まれる水を分離することができる。ガスには、水素の余剰分と、アノード内の水および窒素とが混合して含まれている。気液分離器7は、排気弁8を備える。排気弁8を開くことにより、ガスから分離した水を排出することができる。
気液分離器7は、管路23に連通している。気液分離器7から管路23へ、水分離が行われたガスが流入する。管路23は、水素濃度センサ9を備える。水素濃度センサ9により、管路23を流れるガスの水素濃度を検知することができる。管路23は水素循環ポンプ4の吸入口に連通している。水素循環ポンプ4は、管路23から吸入したガスを、管路20に吐出する。その結果、水素排気口32から流出したガスは、水素供給口31に循環される。
燃料電池スタック1は、空気供給口33を備えている。前述したカソードは、空気供給口33に連通している。空気供給口33は、管路25に連通している。管路25は、加湿モジュール12に連通している。加湿モジュール12は、エアコンプレッサ11に連通している。エアコンプレッサ11はエア吸気口15から空気を吸入し、加湿モジュール12に供給する。加湿モジュール12は、供給された空気を加湿し、管路25へ流出する。
燃料電池スタック1は、空気排気口34を備えている。カソードは、空気供給口33に連通すると共に、空気排気口34にも連通している。空気排気口34は、管路26に連通している。管路26へは、カソードから排気されるガスが、空気排気口34を通って流入する。管路26は、カソードの圧力を検知する空気圧力センサ13を備える。管路26は、加湿モジュール12に連通している。
加湿モジュール12は、管路26より流入するガスから、水を取り入れることができる。この水は、前述した、管路25へ流出する空気の加湿に利用される。加湿モジュール12は、空気調圧弁14に連通する。空気調圧弁14は、加湿モジュール12側の圧力を適切に調節しつつ、カソードから排気されるガスをエア排気口16に排出する。
管路25からは、水素系置換用空気供給ライン6が分岐している。水素系置換用空気供給ライン6は、空気供給弁5を介して管路23に連通する。空気供給弁5を開くことで、水素系置換用空気供給ライン6からアノードに連通する経路が形成される。
図2は、実施の形態1の燃料電池システムを、燃料電池ハイブリッド車に搭載した場合の構成を示す図である。燃料電池スタック1には、発電した電力を外部に供給するための導電線51が接続される。導電線51は、車両の駆動機構52へ接続される。また、導電線51は、コンバータを介してバッテリー55に接続されている。状況に応じ、バッテリー55が充電される。
[実施の形態1のシステムの動作]
以下、図1を参照して、本実施形態の燃料電池システムの動作について説明する。
(運転時の動作)
運転時には、水素入口弁3が開状態となる。これにより、水素供給源17に貯留されている水素が、管路20、水素供給口31を通ってアノードへと供給される。エアコンプレッサ11が駆動されることにより、エア吸気口15から空気が吸入される。
吸入された空気は、エアコンプレッサ11から吐出され、加湿モジュール12に至る。加湿モジュール12は、空気に対して加湿を行い、管路25へと流出する。空気供給弁5は、運転時には閉状態とされる。管路25を通った空気は、空気供給口33を通ってカソードへと到達する。このようにして、カソードに空気が供給される。
アノードに供給された水素と、カソードに供給された空気により、燃料電池セルで前述した反応が生じる。これにより、発電を行うことができる。
(停止時の動作)
(操作者より)燃料電池システムの停止が要求された場合、まず、水素入口弁3を閉じて、水素供給源17からの水素供給を停止する。このときアノードおよび管路20、23(循環系路)の内部には水素が消費されずに残留している。本実施例では、この水素を低減するために、システム停止要求があっても、引き続き水素循環ポンプ4とエアコンプレッサ11を継続して作動させ、燃料電池で発電反応を生じさせる(水素消費制御)。
更に、アノード内の水素を不活性ガスに置換するため、水素残留量が所定値以下になった時点で、水素系置換用空気供給ライン6の空気供給弁5を開弁して、残留水素量に対応する量の空気をアノードに供給する。目標量の空気を供給後、空気供給弁5を閉じると共に、引き続き水素循環ポンプ4の運転を継続して、循環系路内でガスを流動させ、アノードでの残留水素と空気の反応を促進する。アノードでは残留水素と空気中の酸素の酸化反応により、水が生成し、次第にアノードでは窒素の濃度が上昇して窒素置換が行われる。
アノードが窒素に置換された後、生成された水はアノードに残留する。この水が、アノードへの水素の供給を阻害し、次回の燃料電池システムの始動を円滑に行えなくする恐れがある。よって、これを防止するために、本実施形態では、水素の置換後にアノードがカソードよりも高圧になるようにアノードへ空気を供給する。その後、アノードがカソードよりも高圧になった状態で、燃料電池システムの運転を終了する。
アノードとカソードの差圧によって、アノードの窒素が電解質膜を通過してカソードへと流れる。この過程において、窒素が、置換時にアノードに生成された水をカソードへと搬送する。その結果、アノードに水が残留するのを避けることができる。また、カソードからアノードへ窒素や水が電解質膜を介して通過することも、回避することができる。従って、次回の始動時に、アノードへの水素の供給が妨げられるのを避けることができる。
[実施の形態1における具体的処理]
以下、図3を参照して、本実施形態の燃料電池システムが行う具体的処理を説明する。この処理は、燃料電池システムを停止する際に実行される。
図3は、本実施形態の燃料電池システムが行う具体的処理を示すフローチャートである。この処理は、一例として、燃料電池システムが車両に搭載された状態を想定したものである。
図3に示す処理においては、先ず、システムメインスイッチがオフになっているか否かが判別される(ステップ101)。燃料電池システムが、車両以外に搭載されている場合には、当該システムが停止状態への移行を開始したか否かなどの情報により、上記の判断を下すことができる。
システムメインスイッチがオフになっていると判別された場合には、水素消費制御が行われる(ステップ102)。具体的には、アノードの水素を低減する処理が行われる。先ず、水素入口弁3が閉状態となり、水素の供給が停止される。その後、残留する水素と空気が前述した反応を生ずる。反応に伴い、アノードの水素が減少し、アノードの圧力が低下する。水素の減少により、置換に要する時間が短縮される。反応により生じた電力は、本実施の形態では、バッテリー55へと充電するか、あるいは、水素循環ポンプ4またはエアコンプレッサ11に供給されるものとする。
その後、水素消費が完了しているか否かが判別される(ステップ103)。具体的には、水素圧力センサ10の検知によって、アノードの圧力が所定の閾値よりも低くなっているか否かが判別され、圧力が当該閾値を下回った場合には水素消費制御完了の成立が認められる。本実施形態では、前述した閾値を1気圧に設定することとする。また、本実施形態では、カソードの圧力も1気圧まで低下させるものとする。水素消費が完了したと判別されるまでは、水素消費制御が継続される。
水素消費が完了したと判別された場合には、アノード空気置換制御が行われる(ステップ104)。具体的には、アノードの水素を窒素に置換する処理が行われる。アノードに対して、残留する水素が全て反応するように空気を供給する。空気中の酸素の比率は約5分の1(約21%)であるため、水素の2.5倍の量の空気が供給されることにより、必要な酸素量が供給される。
空気が供給される際には、先ず、空気供給弁5が開状態とされ、エアコンプレッサ11がONとされる。これにより、エアコンプレッサ11がエア吸気口15から吸入した空気が、水素系置換用空気供給ライン6を通ってアノードに供給される。
アノードに空気が供給されると、アノードの圧力が上昇する。水素圧力センサ10の検知により、圧力の上昇分が検知され、アノードに供給された空気の量が算出される。本実施形態では、水素の2.5倍の量の空気を供給するため、アノードは3.5気圧まで上昇する。アノードが3.5気圧であると検知されたら、十分な空気が供給されたものと判別され、空気の供給が停止される。具体的には、空気供給弁5が閉じられ、エアコンプレッサ11がOFFとされる。
その後、水素循環ポンプ4がONとされる。これにより、水素と空気が、アノードおよびアノードに連通する管路の中を混合しながら循環する。アノードの触媒層における、水素と酸素の酸化反応が促進されて、水が生成される。水素濃度センサ9によって、循環する混合ガスの水素濃度が検知される。反応が進むにつれ、水素濃度および酸素濃度が低下する。
その後、アノードの置換が完了しているか否かが判別される(ステップ105)。具体的には、水素濃度センサ9の検知によって、アノードの水素濃度が零となっているか否かが判別される。置換が完了していると判別された場合には、水素循環ポンプ4がOFFとされる。なお、水素濃度センサ9を用いる代わりに、アノード側の圧力や、水素循環ポンプ4の駆動時間に基づいて、この判断を行っても良い。その場合には、水素濃度センサ9をシステムから省くことができる。
置換完了後には、アノードに残留していた全ての水素と、供給された空気中の全ての酸素が反応する。従って、アノードには、空気中に含まれていた窒素と、生成された水が残留する。空気中の窒素の比率は約5分の4であるため、アノードに供給された空気に含まれる窒素量は、残留していた水素量の2.0倍となる。よって、置換が完了した後、アノードは2気圧となる。
続いて、アノード圧力制御が行われる(ステップ106)。具体的には、アノードをカソードよりも高圧にするために、空気をアノードに供給する。先ず、空気供給弁5が開状態とされ、エアコンプレッサ11がONとされる。これにより、ステップ104と同様に、空気がアノードに供給される。
アノードとカソードの差圧が大きいほど、後述する水の搬送の効果が高くなる。一方、差圧が大きすぎると、アノードとカソードの境界にある電解質膜への負担が大きくなる。これらの事情を考慮して、適当な目標差圧を定め、その差圧を得るために必要な量の空気を、アノードへと供給する。
その後、アノードがカソードよりも十分に高圧になっているか否かが判別される(ステップ107)。具体的には、水素圧力センサ10の値と空気圧力センサ13の値とを比較し、差圧が前述した目標差圧を超えているか否かが判別される。差圧が目標差圧を越えていると判別された場合には、空気供給弁5が閉状態とされ、エアコンプレッサ11がOFFとされる。その後、燃料電池システムにおけるその他の運転終了処理(ステップ108)が行われた後、一連の処理が終了する。
以上の処理によれば、燃料電池の運転停止後に、アノードをカソードよりも高圧にすることができる。アノードとカソードの差圧によって、アノードの窒素がカソードに移動する。窒素の移動に伴って、置換によって生成した水が、アノードからカソードへと搬送される。その結果、アノードに水が残留するのを避けることができる。よって、次回の始動時に、アノードへの水素の供給が妨げられるのを避けることができる。
本実施形態では、置換完了時に、既にアノード(2気圧)がカソード(1気圧)よりも高圧になっているものの、十分な水搬送効果を得るために、更にアノードに空気を供給することとしている。
本実施形態では、水素圧力センサ10によって水素の置換の完了を検知している。これにより、置換が完了してアノードの圧力が最も下がったところへ、空気を供給することができる。その結果、アノードの圧力の上昇を最小限に抑え、電解質膜への負担を大きくすることなく、アノードへの水の残留を避けることができる。
なお、上述した実施の形態1においては、アノードに空気を供給する機構が、前記第1の発明における「空気供給機構」に、ステップ104からステップ107までの処理が前記第1の発明における「空気供給手段」にそれぞれ相当する。また、ステップ104からステップ105までが、前記第2の発明における「置換手段」に、ステップ106からステップ107までが前記第2の発明における「加圧手段」にそれぞれ相当する。また、水素濃度センサ9が、前記第3の発明における「検知手段」に相当する。
ところで、上述した実施の形態1においては、アノードが1気圧となるまで水素消費を行った。しかし、本発明の実施形態はこれに限られない。アノードの圧力が、1気圧よりも低い圧力に、または、1気圧よりも高い圧力になった状態で、水素消費制御を完了することができる。このような場合でも、圧力制御の完了の判別(ステップ107)が行われることにより、アノードとカソードの間に十分な差圧が確保された状態で、運転終了処理(ステップ108)に移行できる。
[本発明の変形例]
次に、本発明の変形例について説明する。
(第1変形例)
実施の形態1の処理においては、置換に用いられる空気と、アノードをカソードよりも十分に高圧にするための空気とを、異なるステップで独立に供給している。これに対し、電解質膜が差圧に対して十分な耐性を有する場合には、それぞれの空気を同時にアノードに供給することができる。この場合、空気を供給した時のアノードの圧力が実施の形態1の場合よりも大きくなるものの、それぞれの空気を別々に供給する場合に比べて処理すべきステップ数が少なくなり、処理を簡略化することができる。
(第2変形例)
実施の形態1の処理においては、置換の完了を検知し、アノードの圧力が最も下がった後で、アノードをカソードよりも高圧にするための空気を供給している。一方、電解質膜が差圧に対して十分な耐性を有する場合には、置換完了の検知を行わずに、アノードをカソードよりも高圧にするための空気を供給することができる。
この場合には、置換が開始してアノードの圧力が一旦下がった後で、置換の完了が検知されることなく、アノードをカソードよりも高圧にするための空気が供給される。このようにすることで、第1変形例と比較してアノードが必要以上に高圧になることを防ぎつつ、置換完了の検知(ステップ105)を省略し、処理を簡略化することができる。
(第3変形例)
実施の形態1においては、置換完了時に、既にアノードがカソードよりも高圧になっているものの、十分な水搬送効果を得るために、更にアノードに空気を供給することとしている。一方、置換完了時にアノードがカソードよりも高圧である場合に、更なる空気の供給を行わなくとも、必要な水搬送効果が十分に得られると判断できる場合がある。
例えば、要求される水搬送効果が実施の形態1よりも小さい状況においては、置換完了時のアノード(2気圧)とカソード(1気圧)の差圧(1気圧)を、十分な差圧であると判断できる場合がある。この場合には、アノード圧力制御(ステップ106)におけるアノードへの空気供給を省略することができる。
具体的には、次のような処理を実行する。置換の完了が検知(ステップ105)された後に、水素圧力センサ10と空気圧力センサ13によって、アノードとカソードの差圧を検知される。差圧が十分であると判断された場合には、アノード圧力制御(ステップ106)が実行されることなく、運転終了処理(ステップ108)へと移行する。これにより、アノード圧力制御(ステップ106)および圧力制御完了の確認(ステップ107)を省略することができ、処理を簡略化することができる。
(その他の変形例)
実施の形態1では、水素消費制御(ステップ102)の際に、アノードに残留した水素を発電に利用している。しかし、例えば、排気弁8を開いて外部に排出することにより、アノードの水素を減少させることができる。この場合には、アノードの水素を、図示しない希釈機構を用いて希釈した後に、排気弁8から排気する。このようにすることで、反応による水素の消費を待つ時間が短縮され、アノード空気置換制御(ステップ104)への移行を迅速に行うことができる。また、ステップ102およびステップ103の処理を省略することにより、制御を簡略化することも可能である。
また、実施の形態1では、アノード空気置換制御(ステップ104)において、水素圧力センサ10の値を参照して、アノードに供給される空気が置換必要量に至ったことを確認している。これ以外の方法として、例えば、エア吸気口15とエアコンプレッサ11との間にエアフローメータを取り付け、流通する空気の量を検知することによって、アノードへの空気の供給量を検知することができる。
また、エアコンプレッサ11の駆動時間と空気吐出量との相関を基にして、駆動時間を調整することにより、アノードへの空気の供給量を調節することができる。必要に応じ、これらの手段から最適な方法を選択することにより、または、これらの手段を併用することにより、空気の供給量をより容易に、正確に把握することができる。
なお、実施の形態1では、アノードの水素を不活性ガスである窒素に全て置換して、アノードを含む系内を窒素で満たす場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。アノードに対して空気を供給して水素を低減するシステムであれば、本発明の思想に基づいて、アノードの残留水を低減し、システムの次回の運転が円滑に行われるようにすることができる。
また、実施の形態1では、システムメインスイッチがOFF状態か否かの確認後であって、水素消費制御を行った後に、アノードへの空気供給を行った。しかしながら、本発明におけるアノードへの空気供給のタイミングはこれに限られない。例えば、燃料電池の停止要求後の運転停止処理中、または、燃料電池が運転停止状態となる前に、アノードへの空気供給が開始されるようなシステムであってもよい。
なお、本実施の形態において説明した空気量や圧力などに関する数値は、環境要因(温度)や設計要因(公差など)などを考慮して、必要に応じ適宜調整を行うことができる。
本発明の実施の形態1の燃料電池システムの構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1の燃料電池システムが、車両に搭載された様子を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
燃料電池スタック 1 水素循環ポンプ 4
空気供給弁 5 水素系置換用空気供給ライン 6
水素濃度センサ 9 水素圧力センサ 10
エアコンプレッサ 11 空気圧力センサ 13
水素供給口 31 水素排気口 32
空気供給口 33 空気排気口 34

Claims (3)

  1. 電解質膜の一方の側にアノードを配置し、前記電解質膜の他方の側にカソードを配置した燃料電池と、
    前記燃料電池のアノードに空気を供給する空気供給機構と、
    前記燃料電池の運転停止時に、前記アノードの水素を窒素に置換し該置換の後に該アノードをカソードよりも高圧にするための空気を前記空気供給機構により供給する空気供給手段と、
    を有する燃料電池システム。
  2. 前記空気供給手段は、
    前記燃料電池の運転停止時に前記アノードの水素を窒素に置換するための空気を前記空気供給機構により供給する置換手段と、
    前記置換手段によって前記アノードに空気が供給された後で該アノードを前記カソードよりも高圧にするための空気を前記空気供給機構により供給する加圧手段と、
    を含む請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記置換の完了を検知する検知手段をさらに有し、該検知がなされた後に前記加圧手段によって前記アノードに空気を供給する請求項2に記載の燃料電池システム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010080434A (ja) * 2008-08-26 2010-04-08 Honda Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2012185996A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Honda Motor Co Ltd 燃料電池システムの運転停止方法
JP2012216480A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Honda Motor Co Ltd 燃料電池システムの運転停止方法
JP2014232702A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 株式会社豊田自動織機 燃料電池システム
JP2019133763A (ja) * 2018-01-29 2019-08-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 燃料電池システム

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