JP2008004234A - 光学式記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チルト補正のために対物レンズのフォーカス方向の高さを求める従来の光学式記録再生装置においては、正確な高さを求めることができず、角度計算に誤差が生じ、適正なチルト補正がなされない。
【解決手段】チルトACTドライバ8に対して、N個の異なるチルト指令値のそれぞれにおいて、ループゲイン測定回路15で測定されたフォーカスループゲイン又はトラッキングループゲインのN個の測定値に基づいて、ループゲインの測定値が最大となるチルト指令値を第1の近似式より算出する。M箇所の光ディスク1の各位置で第1の近似式より求めたM個の最大チルト指令値と光ディスク1の位置との相関関係に基づいて、所望の位置におけるチルト指令値の最適値を求めるための第2の近似式を得る。再生又は記録中に第2の近似式からチルト指令値の最適値を導き、チルトACTドライバ8に設定する。
【選択図】図1
【解決手段】チルトACTドライバ8に対して、N個の異なるチルト指令値のそれぞれにおいて、ループゲイン測定回路15で測定されたフォーカスループゲイン又はトラッキングループゲインのN個の測定値に基づいて、ループゲインの測定値が最大となるチルト指令値を第1の近似式より算出する。M箇所の光ディスク1の各位置で第1の近似式より求めたM個の最大チルト指令値と光ディスク1の位置との相関関係に基づいて、所望の位置におけるチルト指令値の最適値を求めるための第2の近似式を得る。再生又は記録中に第2の近似式からチルト指令値の最適値を導き、チルトACTドライバ8に設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は光学式記録再生装置に係り、特に光ディスクに対して情報を光学的に記録し、又は光ディスクに記録された情報を光学的に再生する際に、光ディスクに反りや光ディスク面に傾きがある場合でも、それを補正する機能を備えた光学式記録再生装置に関する。
光ディスクに対して情報を記録再生するための光ビームは、光ディスク面に対してその光軸が垂直となるように設定されることにより、所望の微細なトラックピッチで高密度に情報の記録ができ、また微細なトラックピッチのトラックから情報を再生することができる。しかし、光ディスクの半径方向に反りがあったり、光ディスク面が傾いている場合は、光ビームの光軸に対して光ディスク面が垂直とならず、高密度な記録再生ができないため、それらの光ディスクの半径方向の反りや光ディスク面の傾きを補正する、チルト補正が従来より行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の光学式記録再生装置によるチルト補正は、光ディスクの内周から外周に至る数箇所の位置で、各々フォーカスサーボを実行し、フォーカスアクチュエータに与える電圧指令値を読み取り、数箇所の電圧指令値とディスク位置とから、近似式を用いて、ディスク位置とチルト角度の相関関係を求めることで、再生又は記録中において、求めた近似式から任意のディスク位置におけるチルト補正を導き、設定を行っている。
ここでいう電圧指令値とは、フォーカス方向の高さを表すパラメータであり、光ディスクに光ビームを収束するための対物レンズの初期状態(対物レンズ位置変位用アクチュエータに電圧を加えない状態)から、フォーカスサーボがかかる駆動電圧を表すパラメータであって、対物レンズの初期位置と光ディスクとの距離が大きければ、電圧指令値は大きくなり、距離が小さければ、電圧指令値は小さくなる。つまり、光ディスクの数箇所の位置における対物レンズのフォーカス方向の高さを求め、隣り合う位置の高さの差分と位置の差分とから、各々の位置における角度を算出し、その角度値とディスク位置の相関関係を近似式により求めたものである。
また、再生中にチルト角を変化させながら、再生信号のジッター値またはエラーレートを測定し、最適なチルト補正値を見つける方法が従来提案されている。
しかしながら、チルト補正のために対物レンズのフォーカス方向の高さを求める従来の光学式記録再生装置においては、フォーカスアクチュエータの感度(電圧指令値に対する対物レンズの移動量)が既知でなければ、正確な高さを求めることができず、角度計算に誤差が生じる。また、チルトアクチュエータの感度(電圧指令値に対する対物レンズの傾き角)においても、既知でなければ、適正なチルト補正がなされない。量産時においては、アクチュエータ感度が一律でない場合もあり、個々を測定して固有のパラメータとして保存する方法もあるが、感度測定には精密な測定が必要であり、組み立て工数を多く必要とする。
また、フォーカス方向の高さ測定は、フォーカスサーボ実行中に行うため、サーボ残留やディスクの面振れ成分等が電圧指令値に重畳されるため、平滑化するためのフィルタ回路が必要であることや、平均化するために測定時間(ディスク10周程度)を多く必要とする問題がある。
また、チルト補正のために、再生中に再生信号のジッターやエラーレートを測定する従来の方法においては、青色光を記録再生用光ビームとして用いる最近の高密度ディスク(Blu−ray Disc)の場合、ディスクカバー層の厚みが100μmと、従来の光ディスクであるDVD(Digital Versatile Disc)に比べ薄く、チルト角に対するジッターやエラーレートの変化が現れにくいため、変化が現れるまで、チルト角を振ると、サーボはずれが発生する恐れもあり、再生中に行うには適さない。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、光ディスクの反りや傾きに対する補正を対物レンズのフォーカス方向の高さや、ジッター又はエラーレートを用いない方法で、短時間で適正に補正して調整することが可能な光学式記録再生装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、光源から出射したレーザー光を対物レンズにより光ディスクに集光させて情報の記録を行い、光ディスクからの反射光を対物レンズを通して光検出器により受光させる光ピックアップと、光検出器からの検出信号に基づいて再生信号を得ると共に、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を演算算出する演算回路と、フォーカスエラー信号に基づいて、対物レンズの光ディスクのディスク面に対する距離をフォーカスエラーが最小になるように可変制御するフォーカスサーボ手段と、トラッキングエラー信号に基づいて、対物レンズによる光ディスク上でのビームスポット位置をディスク半径方向にトラッキングエラーが最小になるように可変制御するトラッキングサーボ手段と、フォーカスサーボ手段及びトラッキングサーボ手段の少なくとも一方のループゲインを測定するループゲイン測定手段と、光ディスクのディスク面に対するレーザー光の光軸の傾きであるチルト角を、設定されたチルト指令値に基づいて対物レンズの光ディスクに対する角度を制御するチルト補正手段と、光ピックアップを光ディスクの所望の位置へ移動制御する移動手段とを備えた光学式記録再生装置において、
チルト補正手段に対して、N個(Nは3以上の自然数)の異なるチルト指令値を順次に設定し、各チルト指令値設定状態のそれぞれにおいて、ループゲイン測定手段で測定されたフォーカスループゲイン又はトラッキングループゲインのN個の測定値に基づいて、ループゲインの測定値が最大となるチルト指令値を第1の近似式より算出する第1の算出手段と、光ピックアップを移動手段により光ディスクに対する位置を移動して、M箇所(Mは3以上の自然数)の光ディスクの位置のそれぞれで第1の算出手段により求めたM個の最大チルト指令値と光ディスクの位置との相関関係に基づいて、光ピックアップの光ディスクに対する所望の位置におけるチルト指令値の最適値を求めるための第2の近似式を得る第2の算出手段とを有し、再生又は記録中に第2の近似式に光ディスク上の任意の再生又は記録位置の情報を代入することによりチルト指令値の最適値を導き、チルト補正手段に設定することを特徴とする。
チルト補正手段に対して、N個(Nは3以上の自然数)の異なるチルト指令値を順次に設定し、各チルト指令値設定状態のそれぞれにおいて、ループゲイン測定手段で測定されたフォーカスループゲイン又はトラッキングループゲインのN個の測定値に基づいて、ループゲインの測定値が最大となるチルト指令値を第1の近似式より算出する第1の算出手段と、光ピックアップを移動手段により光ディスクに対する位置を移動して、M箇所(Mは3以上の自然数)の光ディスクの位置のそれぞれで第1の算出手段により求めたM個の最大チルト指令値と光ディスクの位置との相関関係に基づいて、光ピックアップの光ディスクに対する所望の位置におけるチルト指令値の最適値を求めるための第2の近似式を得る第2の算出手段とを有し、再生又は記録中に第2の近似式に光ディスク上の任意の再生又は記録位置の情報を代入することによりチルト指令値の最適値を導き、チルト補正手段に設定することを特徴とする。
この発明では、チルト指令値を異ならせて得たフォーカスループゲイン又はトラッキングループゲインのN個の測定値からフォーカスループゲイン又はトラッキングループゲインの測定値が最大となるチルト指令値を第1の近似式より算出し、更にM箇所の光ディスクの位置のそれぞれで第1の近似式で求めたM個の最大チルト指令値と光ディスクの位置との相関関係に基づいて、光ピックアップの光ディスクに対する所望の位置におけるチルト指令値の最適値を求めるための第2の近似式を得るようにしたため、再生又は記録中に第2の近似式に光ディスク上の任意の再生又は記録位置の情報を代入するだけでチルト指令値の最適値を導くことができる。
本発明によれば、チルト指令値を異ならせて得たフォーカスループゲイン又はトラッキングループゲインのN個の測定値からフォーカスループゲイン又はトラッキングループゲインが最大となるチルト指令値を第1の近似式より算出し、更にM箇所の光ディスクの位置のそれぞれで第1の近似式で求めたM個の最大チルト指令値と光ディスクの位置との相関関係に基づいて、光ピックアップの光ディスクに対する所望の位置におけるチルト指令値の最適値を求めるための第2の近似式を得ることにより、再生又は記録中に第2の近似式に光ディスク上の任意の再生又は記録位置の情報を代入するだけでチルト指令値の最適値を導くことができるため、光ディスクの反りや傾きによって生じるチルト補正量を光ディスクの任意の位置に応じて短時間で正確に導くことができ、チルト補正を短時間でかつ正確に実行することができる。
次に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて詳述する。図1(A)は本発明になる光学式記録再生装置の一実施の形態の構成図、同図(B)は同図(A)に示すループゲイン測定回路15の一実施の形態のブロック図を示す。同図(A)において、光学式記録再生装置は、光ディスク1に対して光ピックアップ2内に設けられた光源である例えば半導体レーザー素子により出射されるレーザー光4を対物レンズ3により集光照射し、また光ディスク1からの反射光4を対物レンズ3を通して光ピックアップ2内の光学系に導いて、再生信号や各種検出信号を生成する。
上記光ピックアップ2内の光検出器17の検出信号に基づいて、フォーカスエラー演算回路12によりフォーカスエラー信号Fが演算により生成され、トラッキングエラー演算回路13によりトラッキングエラー信号Tが演算により生成される。フォーカスエラー演算回路12により得られたフォーカスエラー信号Fと、トラッキングエラー演算回路13により得られたトラッキングエラー信号Tとは、コントローラ14内のループゲイン測定回路15にそれぞれ供給される。
ループゲイン測定回路15は、図1(B)に示すように、フォーカスエラー信号Fを位相補償回路151aで位相補償した後、ループゲインを測定するためのサイン波加算回路154aでサイン波発生回路157からの単一周波数(例えば、3.2kHz)のサイン波と加算した後図1(A)のフォーカスアクチュエータ(ACT)ドライバ9に供給し、また、トラッキングエラー信号Tを位相補償回路151bで位相補償した後、サイン波加算回路154bでサイン波発生回路157からのサイン波と加算した後図1(A)のトラッキングアクチュエータ(ACT)ドライバ10に供給して制御する。フォーカスACTドライバ9は、対物レンズ3を光ディスク1のディスク面に対して垂直方向に変位させる。また、トラッキングACTドライバ10は、光ディスク1のトラック幅方向(ディスク半径方向)に光ディスク1上のビームスポットが移動するように対物レンズ3を変位させる。
また、ループゲイン測定回路15は、位相補償回路151aで位相補償されたフォーカスエラー信号をフィルタ152a、測定回路153aを介して測定結果Aとしてループゲイン演算回路158に供給し、位相補償回路151bで位相補償されたトラッキングエラー信号をフィルタ152b、測定回路153bを介して測定結果A’としてループゲイン演算回路158に供給する。また、加算回路154aからのサイン波と加算されたフォーカスエラー信号は、フィルタ155a、測定回路156aを介して測定結果Bとしてループゲイン演算回路158に供給され、加算回路154bからのサイン波と加算されたトラッキングエラー信号は、フィルタ155b、測定回路156bを介して測定結果B’としてループゲイン演算回路158に供給される。
ループゲイン測定では、ある単一周波数の外乱信号(サイン波)をサーブループに加算し、加算前後の振幅比又は差を測定する。ここで、フィルタ152a、152b、155a、155bは、ループゲインの測定精度を上げるために、上記の単一周波数のみを通過させる帯域フィルタ特性を有している。また、測定回路153a、156a、153b、156bは測定値を積算平均化するための回路であり、ループゲイン演算回路158は、サイン波加算の前後を測定した結果(A及びB、又はA’及びB’)からループゲイン演算を行い、その演算結果をメモリに保存すると共に、サイン波発生回路157の動作を停止する。
また、図1(A)において、コントローラ14は、マイクロコンピュータ等により構成されており、プログラムの記述により、本実施の形態のチルト補正値を求める動作を実現する。このコントローラ14は、後述する動作を行って、光ディスク1の任意の位置におけるチルト最適値をチルトアクチュエータ(ACT)ドライバ8に向けて出力する。スピンドルドライバ11は、コントローラ14からの制御信号を受けてスピンドルモータ18の回転を制御し、その結果光ディスク1の回転を制御する。
スレッドモータ6は、例えばステッピングモータにより構成されており、その主軸にリードスクリュー5を連結し、リードスクリュー5の回転によって、光ピックアップ2を光ディスク1の半径方向に移動させる機構を構成している。スレッドドライバ7はスレッドモータ6を制御するドライバで、スレッドモータ6の回転ステップ数、回転方向をコントローラ14からの制御信号に基づいて制御し、光ディスク1の内周から外周まで、任意の位置に光ピックアップ2を位置決め制御させる。
次に、チルト補正方法について詳細に説明する。まず、スレッドモータ6により、光ピックアップ2を任意の位置へ移動させる。ここで、フォーカスサーボを実行し、第一の過程を実行する。第一の過程では、チルトアクチュエータドライバ8に対し、異なるN個(3つ以上)のチルト指令値をコントローラ14から与え、各々の状態においてフォーカスループゲイン測定又はトラッキングループゲイン測定を実行する。ここでいうフォーカスループゲイン測定(又はトラッキングループゲイン測定)とは、閉ループを構成する経路内に単一周波数のサイン波を一定時間加算し、サイン波加算前のフォーカスエラー(又はトラッキングエラー)のサンプリング値を前記一定時間積算した数値A(又はA’)とサイン波加算後のフォーカスエラー(又はトラッキングエラー)のサンプリング値を前記一定時間積算した数値B(又はB’)とから、フォーカスループゲイン(又はトラッキングループゲイン)の測定値C=A/B(又は測定値C=A−Bでもよい)を求める過程をいう(トラッキングループゲインの場合は測定値C’はA’/B’又はA’−B’である。)。第一の過程では更に、測定した3つ以上のループゲインの測定値C又はC’に基づいて、測定値C又はC’が最大となるチルト指令値を第一の近似式により計算し求めて保存する。
一方、後述する第二の過程では、光ピックアップ2の位置をスレッドモータ6により、コントローラ14からスレッドドライバ7に対し指令することにより、異なるM個(3つ以上)の位置へ移動させる。各々の位置において第一の過程を実行し、得られた第一の過程におけるチルト指令値と光ピックアップ2の位置とから第二の近似式を求め、近似式の係数を保存する。移動させるM個の位置が光ディスク1の内周から外周に渡って位置していれば、光ディスク1の任意の位置と傾きを表す方程式を得ることができる。
その後、通常の再生又は記録動作に移った後、光ディスク1の物理アドレス又は光ピックアップ2の原点位置からのステップ数等により、光ピックアップ2の位置を計算し、第二の過程で求めた第二の近似式の係数から、再生又は記録中の光ピックアップ2の位置におけるチルト指令値を短時間で計算することができ、そのチルト指令値をチルトアクチュエータドライバ8に向けてコントローラ14から設定することにより、光ディスク1の反りや傾きに対するチルト補正が常に最適に保たれる。
次に、以上のように構成された本発明の各実施例の動作について説明する。
本実施例は、フォーカスループゲインを測定し、その測定結果に基づいてチルトを最適に補正する例である。なお、フォーカスループゲイン測定時にはフォーカスサーボを行っている必要があるが、トラッキングサーボはオンでもオフでもどちらでもよい。以下、フォーカスループゲインを使い、第一の過程で測定する点数(N)を”4”、第二の過程で光ピックアップを移動する点数(M)を”4”とした場合の手順について、図1と図2及び図3のフローチャートを参照して説明する。
電源投入、ディスクローディング後、コントローラ14は初期準備の実行を行う(図3のステップS11)。この初期準備では、光ピックアップ2を光ディスク1の内周側へ、原点検出器16が光ピックアップ2を検出するまで移動させ、原点検出器16が光ピックアップ2を検出した原点位置において光ピックアップ2の移動ステップ数を“0”にセットする。続いて、フォーカスサーボを行うのに必要なパラメータの設定を行うために、光ピックアップ2を所定の位置へ移動させ、この位置において、フォーカスエラーオフセット、フォーカスエラーゲインキャリーブレーション等を行い、フォーカスサーボを実行できる様にサーボパラメータを調整する。
次に、コントローラ14は光ピックアップ2を第1の位置(M=1)の位置に移動させる。そして、この第1の位置において、第一の過程を実行する。第一の過程では、変数Nの値を初期値”1”に設定し(図2のステップS2)、第1の状態(N=1)でのチルト指令値を設定し(図2のステップS3)、この指令値によるチルト補正状態でフォーカスループゲイン測定(又はトラッキングループゲイン測定)を行い(図2のステップS4)、測定値を保存する(図2のステップS5)。ただし、この実施例1では、コントローラ14内のループゲイン測定回路15はステップS4ではフォーカスループゲインの測定だけをループゲイン演算回路158で行い、その測定値をコントローラ14内のメモリに保存する。このときの測定値Cは、サイン波加算前のフォーカスエラーの測定値のサンプリング値を一定時間積算した数値をAとし、サイン波加算後のフォーカスエラーの測定値のサンプリング値を一定時間積算した数値をBとすると、A/B(又はA−Bでもよい)である。
続いて、変数Nが”4”であるかどうか判定し(図2のステップS6)、”4”でない場合は、変数Nを”1”インクリメントした後(図2のステップS7)、再びステップS3〜S7の処理を繰り返す。このようにして、コントローラ14は第2の状態(N=2)、第3の状態(N=3)、第4の状態(N=4)においても同様にフォーカスループゲイン測定を行い、測定値をメモリに保存する。
このようにして、ステップS6で変数Nが”4”であると判定されたときは、状態”1”〜”4”の4つのフォーカスループゲインの測定値がメモリに保存されているので、これら4つの測定値に基づいて、フォーカスループゲインの測定値が最大となるチルト指令値を近似式より求める(図2のステップS8)。ここで、上記4つのチルト指令値Xnと測定値Ynを(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)とした場合、測定値Yが最大となるときのチルト指令値Xmaxは、下記(2)式〜(5)式の連立方程式から求まる係数a、b、cから次式
Xmax={−b−(b2−3・a・c)1/2}/(3・a) (1)
より算出する。この(1)式は、(2)式〜(5)式の3次関数の極値をとる、1階微分方程式の解である。
Xmax={−b−(b2−3・a・c)1/2}/(3・a) (1)
より算出する。この(1)式は、(2)式〜(5)式の3次関数の極値をとる、1階微分方程式の解である。
Y1=a・X1 3+b・X1 2+c・X1+d (2)
Y2=a・X2 3+b・X2 2+c・X2+d (3)
Y3=a・X3 3+b・X3 2+c・X3+d (4)
Y4=a・X4 3+b・X4 2+c・X4+d (5)
そして、上記の(1)式より得られたチルト指令値Xmaxをコントローラ14内のメモリに保存する(図2のステップS9)。なお、図4はチルト指令値とフォーカスループゲイン測定値の一例の関係を示す図である。ここでは、第二の状態と第三の状態の中間で上記の(1)式により、最大となるチルト指令値Xmaxが算出される。
Y2=a・X2 3+b・X2 2+c・X2+d (3)
Y3=a・X3 3+b・X3 2+c・X3+d (4)
Y4=a・X4 3+b・X4 2+c・X4+d (5)
そして、上記の(1)式より得られたチルト指令値Xmaxをコントローラ14内のメモリに保存する(図2のステップS9)。なお、図4はチルト指令値とフォーカスループゲイン測定値の一例の関係を示す図である。ここでは、第二の状態と第三の状態の中間で上記の(1)式により、最大となるチルト指令値Xmaxが算出される。
次に、光ピックアップ2を第2の位置(M=2)、第3の位置(M=3)、第4の位置(M=4)に順次に移動し、各々の位置において、前記ステップS1〜S9の第一の過程をそれぞれ実行する。
上記4つの位置(M=1〜4)における各最大チルト指令値Xmax_Mと光ピックアップ2の位置LMを(L1,Xmax_1)、(L2,Xmax_2)、(L3,Xmax_3)、(L4,Xmax_4)、と表記する場合、コントローラ14は以下の連立方程式から求まる係数e、f、g、hを算出し、内部のメモリに保存する。
Xmax_1=e・L1 3+f・L1 2+g・L1+h (6)
Xmax_2=e・L2 3+f・L2 2+g・L2+h (7)
Xmax_3=e・L3 3+f・L3 2+g・L3+h (8)
Xmax_4=e・L4 3+f・L4 2+g・L4+h (9)
これにより、(6)式〜(9)式の連立方程式から求まった係数e、f、g、hの値をそれぞれE、F、G、Hとすると、次式の第2の近似式が得られる。
Xmax_2=e・L2 3+f・L2 2+g・L2+h (7)
Xmax_3=e・L3 3+f・L3 2+g・L3+h (8)
Xmax_4=e・L4 3+f・L4 2+g・L4+h (9)
これにより、(6)式〜(9)式の連立方程式から求まった係数e、f、g、hの値をそれぞれE、F、G、Hとすると、次式の第2の近似式が得られる。
Xmax=E・L3+F・L2+G・L+H (10)
(10)式中、Lは光ピックアップ2の位置情報である。
(10)式中、Lは光ピックアップ2の位置情報である。
従って、再生中又は記録中において、光ピックアップ2の位置L’を光ディスク1の物理アドレス又はスレッドモータ6のステップ数等から求め、(10)式の第2の近似式のLに上記の位置L’の値を代入することにより、任意の位置L’における最適なチルト指令値Xmaxを算出することができる。
この最適なチルト指令値はチルトアクチュエータドライバ8に設定される。これにより、光ディスク1に反りや、傾きが有る場合でも、フォーカスループゲインの測定値を用いることにより、チルト補正量を正確にディスクの任意の位置に応じて短時間で導くことができ、その結果、常時、最適なチルト補正を行って、安定したサーボを行うことが可能となる。
次に、実施例2について説明する。本実施例は、トラッキングループゲインを測定し、その測定結果に基づいてチルトを最適に補正する例である。なお、トラッキングループゲイン測定時にはトラッキングサーボとフォーカスサーボの両方を行っている必要がある。以下、トラッキングループゲインを使い、第一の過程で測定する点数(N)を”4”、第二の過程で光ピックアップを移動する点数(M)を”4”とした場合の手順について図3等と共に説明する。
電源投入、ディスクローディング後、コントローラ14は初期準備の実行を行う(図3のステップS11)。この初期準備では、光ピックアップ2を光ディスク1の内周側へ、原点検出器16が光ピックアップ2を検出するまで移動させ、原点検出器16が光ピックアップ2を検出した原点位置において光ピックアップ2の移動ステップ数を“0”にセットする。
続いて、トラッキングサーボを行うのに必要なパラメータの設定を行うために、所定の位置へ移動し、この位置において、まず、フォーカスエラーオフセット、フォーカスエラーゲイン、トラッキングエラーオフセット、トラッキングエラーゲインキャリブレーション等を行い、トラッキングサーボを実行できる様にサーボパラメータを調整する。
次に、コントローラ14は変数Mの値を初期値の”1”に設定した後(図3のステップS12)、上記光ピックアップ2を第1の位置(M=1)に移動させる(図3のステップS13)。そして、この第1の位置において、第一の過程を実行する(図3のステップS14)。このステップS14の第一の過程の実行時は、図2のステップS2〜S9の処理を行い、チルト指令値を第一の状態(N=1)に設定し、ループゲイン測定回路15でループゲイン測定を行い、測定値を保存する。ただし、本実施例では第一の過程でのループゲイン測定はトラッキングループゲインの測定を行う。続いて、第2の状態(N=2)、第3の状態(N=3)、第4の状態(N=4)においても同様にトラッキングループゲイン測定を行い、測定値を保存する。
次に、上記4つのトラッキングループゲイン測定値に基づいて、これらの測定値が最大となるチルト指令値Xmaxを近似式より求める。上記4つのチルト指令値Xnとトラッキングループゲイン測定値Ynを(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)とした場合、トラッキングループゲイン測定値Yが最大となるときのチルト指令値Xmaxの値は、前記(2)式〜(5)式に示した連立方程式から求まる係数a、b、cから前記(1)式より算出する。そして、上記の第一の過程の実行により得られた最大のチルト指令値Xmaxを保存する。
ステップS14の第一の過程の実行に続いて、Mの値が”4”であるかどうか判定し(図3のステップS15)、”4”でないときにはMの値を”1”インクリメントして(図3のステップS16)、再びステップS13及びS14の処理を行うことをM=4になるまで繰り返す。これにより、光ピックアップ2は第2の位置(M=2)、第3の位置(M=3)、第4の位置(M=4)に各々順次に移動され、各々の位置において、第一の過程を実行する。
このようにして得られた上記4つの位置(M=1〜4)における最大のチルト指令値Xmax_Mと光ピックアップ2の位置LMを(L1,Xmax_1)、(L2,Xmax_2)、(L3,Xmax_3)、(L4,Xmax_4)、とした場合、コントローラ14は前記(6)式〜(9)式の連立方程式から求まる係数e、f、g、hを算出し、内部のメモリに保存する(図3のステップS17)。
そして、再生中又は記録中において、光ピックアップ2の位置Lを光ディスク1の物理アドレス又はスレッドモータ6のステップ数等から求め、上記から得られた係数e、f、g、hを使い、再生中又は記録中の任意の位置Lにおける最適なチルト指令値を短時間で算出することができ、その算出したチルト指令値をチルトアクチュエータドライバ8に設定する。これにより、光ディスク1の反りや、傾きが有る場合でも、常時、再生中又は記録中の任意の位置Lにおける最適なチルト補正を行って、安定したサーボを行うことが可能となる。
なお、図5はチルト指令値とトラッキングループゲイン測定値の一例の関係を示す図である。この実施例2における図5のチルト指令値とトラッキングループゲイン測定値の一例の関係を示す図と、実施例1における図4に示したチルト指令値とフォーカスループゲイン測定値との関係を示す図を比較すると、図5の方が図4に比べて特性の山の傾斜がやや急峻であるので、図5の方が精度が高いチルト補正が可能である。
1 光ディスク
2 光ピックアップ
3 対物レンズ
6 スレッドモータ
8 チルトアクチュエータドライバ
9 フォーカスアクチュエータドライバ
10 トラッキングアクチュエータドライバ
12 フォーカスエラー演算回路
13 トラッキングエラー演算回路
14 コントローラ
15 ループゲイン測定回路
16 原点センサ
17 光検出器
2 光ピックアップ
3 対物レンズ
6 スレッドモータ
8 チルトアクチュエータドライバ
9 フォーカスアクチュエータドライバ
10 トラッキングアクチュエータドライバ
12 フォーカスエラー演算回路
13 トラッキングエラー演算回路
14 コントローラ
15 ループゲイン測定回路
16 原点センサ
17 光検出器
Claims (1)
- 光源から出射したレーザー光を対物レンズにより光ディスクに集光させて情報の記録を行い、前記光ディスクからの反射光を前記対物レンズを通して光検出器により受光させる光ピックアップと、
前記光検出器からの検出信号に基づいて再生信号を得ると共に、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を演算算出する演算回路と、
前記フォーカスエラー信号に基づいて、前記対物レンズの前記光ディスクのディスク面に対する距離をフォーカスエラーが最小になるように可変制御するフォーカスサーボ手段と、
前記トラッキングエラー信号に基づいて、前記対物レンズによる前記光ディスク上でのビームスポット位置をディスク半径方向にトラッキングエラーが最小になるように可変制御するトラッキングサーボ手段と、
前記フォーカスサーボ手段及びトラッキングサーボ手段の少なくとも一方のループゲインを測定するループゲイン測定手段と、
前記光ディスクのディスク面に対する前記レーザー光の光軸の傾きであるチルト角を、設定されたチルト指令値に基づいて前記対物レンズの前記光ディスクに対する角度を制御するチルト補正手段と、
前記光ピックアップを前記光ディスクの所望の位置へ移動制御する移動手段と
を備えた光学式記録再生装置において、
前記チルト補正手段に対して、N個(Nは3以上の自然数)の異なるチルト指令値を順次に設定し、各チルト指令値設定状態のそれぞれにおいて、前記ループゲイン測定手段で測定された前記フォーカスループゲイン又は前記トラッキングループゲインのN個の測定値に基づいて、ループゲインの測定値が最大となるチルト指令値を第1の近似式より算出する第1の算出手段と、
前記光ピックアップを前記移動手段により前記光ディスクに対する位置を移動して、M箇所(Mは3以上の自然数)の前記光ディスクの位置のそれぞれで前記第1の算出手段により求めた前記M個の最大チルト指令値と前記光ディスクの位置との相関関係に基づいて、前記光ピックアップの前記光ディスクに対する所望の位置における前記チルト指令値の最適値を求めるための第2の近似式を得る第2の算出手段と
を有し、再生又は記録中に前記第2の近似式に前記光ディスク上の任意の再生又は記録位置の情報を代入することにより前記チルト指令値の最適値を導き、前記チルト補正手段に設定することを特徴とする光学式記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006175481A JP2008004234A (ja) | 2006-06-26 | 2006-06-26 | 光学式記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006175481A JP2008004234A (ja) | 2006-06-26 | 2006-06-26 | 光学式記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008004234A true JP2008004234A (ja) | 2008-01-10 |
Family
ID=39008479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006175481A Pending JP2008004234A (ja) | 2006-06-26 | 2006-06-26 | 光学式記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008004234A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003228865A (ja) * | 2002-02-04 | 2003-08-15 | Nec Corp | 光ディスク装置および光ディスク装置のチルト補償方法 |
JP2005267805A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Ricoh Co Ltd | 光ディスク装置およびそのチルト補正方法 |
-
2006
- 2006-06-26 JP JP2006175481A patent/JP2008004234A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003228865A (ja) * | 2002-02-04 | 2003-08-15 | Nec Corp | 光ディスク装置および光ディスク装置のチルト補償方法 |
JP2005267805A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Ricoh Co Ltd | 光ディスク装置およびそのチルト補正方法 |
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