JP2008003135A - 電気光学装置、表示データ処理回路、処理方法および電子機器 - Google Patents

電気光学装置、表示データ処理回路、処理方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】表示パネル100が表示メモリ60に記憶された表示データに基づいて表示を行う場合に、少ないメモリ容量で動画の表示特性を改善する。
【解決手段】表示メモリ60からの読み出しとは非同期で入力した表示データを記憶する第1バッファ41と、第1バッファ41に記憶される表示データと同じ画素に対応する表示データが、表示メモリから読み出されて格納される第2バッファ42と、両バッファにそれぞれ記憶された表示データを入力し、両者に対応したオーバードライブデータに変換する変換回路50と、を備えて、当該オーバードライブデータを、表示メモリ60に表示データとして書き戻す。
【選択図】図1

Description

本発明は、いわゆるオーバードライブを行うための構成を簡易化する技術に関する。
電気光学材料の一例である液晶は、電気的な変化に対する光学的な応答性が低い。このため、液晶を用いて表示を行う電気光学装置では、特に動画の表示特性が低下する、という問題が指摘されている。具体的には、表示される動画に残像感が現れたり、移動領域の境界がぼやけたり、カーソルが消失したりするなどの問題が発生する。このため、順次入力される表示データと、フレームメモリに一時記憶した1フレーム前の表示データとを比較し、階調が変化する画素に対して表示データで指定される階調に応じた電圧よりも、階調変化方向に過剰に振った電圧を印加する、いわゆるオーバードライブと呼ばれる技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開平10−39837号公報(図1参照)
ところで、携帯端末のような電子機器では、表示データが順次入力される構成とはなっていない。詳細には、このような携帯端末では、各画素に対応して表示データを記憶する表示メモリを有するとともに、当該表示メモリに記憶した表示データを読み出してデータ信号に変換する一方、表示内容を変更すべき場合、変更すべき表示データが転送されて、表示メモリの読み出しとは非同期で書き込む構成となっている。
このため、電子機器の制御中枢であるMPU(CPU)は、表示内容を変更すべき場合に、変更すべき表示データを転送すれば良いので、表示データを常に供給する必要がなくなる結果、表示データの転送等に要する電力消費が抑えられることになる。
近年では、このような携帯端末のような電子機器において、テレビ放送等を受像する機能が求められている。ここで、携帯端末に用いられる電気光学装置において、オーバードライブを適用しようとすると、フレームメモリと表示メモリとの2フレーム分のメモリ容量が必要となり、構成の複雑化が避けられない。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、表示メモリに記憶された表示データに基づいて表示を行う電気光学装置において、動画の表示特性を、より少ないメモリ容量で改善することが可能とする技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る電気光学装置の表示データ処理回路は、複数行の走査線と複数列のデータ線との各交差に対応して設けられ、自身に対応する走査線が選択されたときに、自身に対応するデータ線に供給されたデータ信号に応じた階調となる画素と、前記画素に対応した記憶領域を有し、各記憶領域では、自身に対応する画素の階調を指定する表示データが記憶される表示メモリと、前記複数行の走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、前記走査線駆動回路により選択される走査線に対応する画素の表示データを前記表示メモリから読み出し、当該表示データを前記データ信号に変換して、前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、を有する電気光学装置の表示データ処理回路であって、前記表示メモリからの読み出しとは非同期で供給された表示データが前記表示メモリに書き込まれる前に一旦記憶される第1バッファと、前記第1バッファに記憶される表示データと同じ画素に対応する表示データが、前記表示メモリから読み出されて格納される第2バッファと、前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データを入力し、両者に対応したオーバードライブデータに変換する変換回路と、前記変換回路により変換されたオーバードライブデータを、前記表示メモリに表示データとして書き戻す制御回路と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、表示メモリのほかに要求されるメモリは、第1および第2バッファで済む。
本発明において、前記第1および第2バッファは、1行の走査線に対応する画素1行分の表示データの記憶が可能であり、前記第1バッファには、入力された表示データが1行分記憶され、前記第2バッファには、前記第1バッファに記憶される1行分の表示データと同じ行に対応する表示データが格納され、前記変換回路は、前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データのうち同じ画素同士のものを入力し、両者に対応したオーバードライブデータに変換する構成としても良い。
また、本発明において、供給される表示データが1フレーム分以下である場合、前記変換回路は、当該オーバードライブデータへの変換を無効とし、前記制御回路は、前記第1バッファに記憶された表示データをそのまま前記表示メモリに書き込む構成としても良い。
一方、本発明において、表示データが連続して1フレーム分を超えて入力される場合であって、前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データを1フレーム分入力して、両者に対応したオーバードライブデータを変換したとき、前記変換回路は、次の1フレームの表示データをオーバードライブデータに変換することを無効とし、前記制御回路は、前記第1バッファに記憶された当該表示データをそのまま前記表示メモリに書き込む構成としても良い。
さらに、本発明において、入力されたコマンドをデコードするデコーダを有し、前記変換回路は、前記デコーダに入力されたコマンドによって、静止画の表示が指定された場合に、前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データの両者に対応したオーバードライブデータの変換を無効とする構成としても良いし、前記デコーダに入力されたコマンドによって、動画の表示が指定され、かつ、表示データが連続して2フレーム分以上供給される場合に、前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データを入力して、両者に対応したオーバードライブデータを1フレーム分変換した後、次の1フレームの表示データをオーバードライブデータに変換することを無効とする構成としても良い。
なお、本発明は、電気光学装置の表示データ処理回路のみならず、処理方法や、当該電気光学装置それ自体、さらには当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置10について説明する。図1は、第1実施形態に係る電気光学装置10の全体構成を示すブロック図である。
この図に示される電気光学装置10は、表示パネル100において配列する画素を所定の明るさ(階調)とすることにより、目的とする画像を表示するものであり、各画素の階調は、表示メモリ60において、各画素にそれぞれ対応する記憶領域に記憶された表示データで規定される。ここで、表示データは、表示内容に変更が生じた場合に、書き換えられる構成となっている。
この図において、I/O(input/output)12は、外部のMPU(micro processing unit)1とのデータを入出力するためのものであり、当該MPU1とは外部バス3を介して、電気光学装置10の各部とは内部バス14を介して、それぞれ接続されている。バスホルダー16は、内部バス14における情報保持用の回路である。コマンドデコーダ18は、内部バス14を介して供給されたコマンドをデコードして、後述する制御回路、コントローラの各部を制御するものである。
PROM(electrically erasable programmable ROM)20は、制御回路、コントローラの各部を初期設定するためのデータやパラメータを電気的に書込・消去可能に記憶する。
制御回路30は、内部にMPUを有し、電気光学装置10の各部を制御する。第1バッファ41および第2バッファ42は、それぞれ表示データを1行分記憶するメモリ、すなわち、ラインバッファである。ここで、表示データは、各画素の階調を指定する例えば8ビットのデータであり、表示内容に変更が生じた場合に、外部MPU1から外部バス3、I/O12、内部バス14、コマンドデコーダ18および制御回路30を介して供給される。ここで、表示パネル100における画素が、縦320行×横240×3(RGB)で配列するならば、第1バッファ41および第2バッファ42の容量は、それぞれ240×3×8ビットということになる。
列アドレスコントローラ32は、表示データを第1バッファ41に格納する際に列方向のアドレスを指定する。変換回路50は、詳細については後述するが、第1バッファ41に格納された表示データと第2バッファ42に格納された表示データとの同一列同士を入力して、応答性を補償したオーバードライブデータに変換し、または、第1バッファ41に格納された表示データをそのまま出力するものである。
I/Oバッファ43は、変換回路50がオーバードライブデータを出力する場合には、変換回路50からオーバードライブデータを1行分格納した後、当該1行分のオーバードライブデータを、表示メモリ60において対応する行の記憶領域に書き戻す一方、変換回路50が第1バッファ41に格納された表示データをそのまま出力する場合には、当該出力された表示データを、表示メモリ60において対応する行の記憶領域に書き込むものである。なお、このI/Oバッファ43は、実際には制御回路30により制御されるので、表示メモリ60に対する表示データの書き込み、読み出しの実行主体は、制御回路30であると考えても良い。
行指定回路34は、表示メモリ60から表示データを読み出すべき行を指定するものである。読出回路36は、行指定回路34により指定された行に対応する表示データを、1行分読み出すものである。
一方、表示コントロールユニット70は、制御回路30によって制御される発振回路72とYコントローラ74とを有する。このうち、発振回路72は、表示コントロール等のための各種のクロックや信号などを生成する。例えば発振回路72は、読出回路36が表示メモリ60から表示データを1行分読み出すためのクロック信号や、後述する信号TEを出力する。また、Yコントローラ74は、Yドライバ130による走査線の選択を制御するものである。
なお、表示コントロールユニット70には、Xドライバ140を2つ以上用いるときに、これらXドライバの連携を制御する回路も含まれるが、本実施形態においては、Xドライバ140は1つであり、また、本発明とは直接関係しないので、その説明を省略する。
次に、表示パネル100、Yドライバ130およびXドライバ140について説明する。図2は、表示パネル100の周辺構成を示す図であり、図3は、表示パネル100における画素の構成を示す図である。
図2に示されるように、表示パネル100では、320行の走査線112が行(X)方向に延在する一方、720(=240×3)列のデータ線114が列(Y)方向に延在するように、それぞれ設けられ、これら320行の走査線112と720列のデータ線114との交差に対応して、画素110がそれぞれ配列している。そして、これらの画素は、左からRGBRGB…RGBという順番でストライプ状に配列しており、行方向において互いに隣接するRGBの3つの画素110によって1つの表示ドットを構成する。
なお、画素110を、サブ画素として概念し、RGBの3つのサブ画素を1つの画素として概念する場合もあるが、内容的には同じであるので、本実施形態では上述したように、RGBの3つの画素110により1つの表示ドットを構成するものとする。
図3は、画素110の構成を示す図であり、i行及びこれに隣接する(i+1)行と、j列及びこれに隣接する(j+1)列との交差に対応する2×2の計4画素分の構成をそれぞれ示している。なお、iは、画素110が配列する行を一般的に示す場合の記号であって、1以上320以下の整数であり、j、(j+1)は、画素110が配列する列を一般的に示す場合の記号であって、1以上720以下の整数である。
この図に示されるように、各画素110は、nチャネル型の薄膜トランジスタ(thin film transistor:以下単に「TFT」と略称する)116と、液晶容量120と、蓄積容量130とを有する。各画素110については互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表して説明すると、当該i行j列の画素110において、TFT116のゲート電極はi行目の走査線112に接続される一方、そのソース電極はj列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極は液晶容量120の一端たる画素電極118に接続されている。
また、液晶容量120の他端はコモン電極108である。このコモン電極108は、全ての画素110にわたって共通であり、時間的に一定の電圧LCcomに保たれている。
表示パネル100は、画素電極118が形成された素子基板とコモン電極108が形成された対向基板との一対の基板同士を、電極形成面が互いに対向するように一定の間隙を保って貼り合わせるとともに、この間隙に液晶105を封止した構成となっている。このため、液晶容量120は、画素電極118とコモン電極108とで誘電体の一種である液晶105を挟持したものとなり、画素電極118とコモン電極108との差電圧を保持する構成となっている。この構成において、液晶容量120では、その透過光量が当該保持電圧の実効値に応じて変化する。なお、本実施形態では説明の便宜上、液晶容量120において保持される電圧実効値がゼロに近ければ、光の透過率が最大となって白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過する光量が減少して、ついには透過率が最小の黒色表示になるノーマリーホワイトモードであるとする。
また、i行j列の画素110における蓄積容量130は、一端が画素電極118(TFT116のドレイン電極)に接続されるとともに、他端がi行目の容量線132に接続されている。
なお、RGBについては、対向基板に設けられる図示省略したカラーフィルタの色(赤、緑、青)により規定されるのみであり、電気的な回路に相違はない。
Yドライバ(走査線駆動回路)130は、Yコントローラ74による制御にしたがって1、2、3、…、320行目の走査線112をこの順番で選択するとともに、選択した走査線の論理レベルをHレベルとし、それ以外の走査線の論理レベルをLレベルとするものである。なお、1行目から320行目までの走査線112を順番に選択するのに要する期間を、本実施形態では1フレームの期間とする。この1フレームの期間は16.7ミリ秒であり、周波数60Hzの逆数である。
一方、Xドライバ(データ線駆動回路)140は、Yドライバ130によって選択される走査線112に対応する1〜720列目の画素110に対し、階調に応じた電圧のデータ信号をそれぞれ供給するものである。例えば、i行目の走査線112が選択されたとき、Xドライバ140は、i行j列の画素の階調に応じた電圧のデータ信号をj列目のデータ線114に供給する。
上述したように、行指定回路34により指定された行に対応する表示データが、読出回路36によって1行分読み出されてXドライバ140に供給されるので、このときに読み出される表示データの行と、選択される走査線112の行とが一致するように、行指定回路34とYコントローラ74とは互いに連携することになる(実際には、制御回路30が、行指定回路34とYコントローラ74とを制御する)。
続いて変換回路50について説明する。図4は、変換回路50の構成を示すブロック図である。
指定回路52は、詳細については後述するが、信号Vsync、信号TEおよびリセット信号/Resにしたがって、オーバードライブデータへの変換の有効/無効を指定する信号Q4を出力するものである。
スイッチSw1、Sw2は、信号Q4がHレベルとなって、オーバードライブデータへの変換の有効が指定されたときに、図において実線の位置となって第1バッファ41からの表示データがLUT54に供給されるとともに、LUT54からのオーバードライブデータがI/Oバッファ43に供給される一方、信号Q4がLレベルとなって、オーバードライブデータへの変換の無効が指定されたときに、図において破線の位置となって第1バッファ41からの表示データが直接(LUT54を経由せずに)I/Oバッファ43に供給される。
LUT(ルックアップテーブル)54は、いわゆるオーバードライブデータの変換用であり、MPU1(第1バッファ41)から供給される表示データで指定される階調を、表示メモリ60に記憶された(第2バッファ42に格納された)表示データで指定される階調に応じて補正(補償)して、オーバードライブデータとして出力する二次元変換テーブルである。詳細には、LUT54は、第1バッファ41から供給される表示データと、第2バッファ42に格納された表示データとの組み合わせの各々に対応するオーバードライブデータを予め記憶して、2つのデータの組み合わせに対応するオーバードライブデータを読み出して出力する構成となっている。
次に、指定回路52の一例について説明する。図5は、指定回路52の構成を示す回路図である。
この図に示されるように指定回路52は、3つのD−FF(フリップフロップ)回路522、526、528と、NOT回路524、および2つのAND回路532、534とを有する。
D−FF回路522、526、528は、いずれもD入力端に供給された信号の論理レベルを、クロック入力端に供給された信号がHレベルとなったときにラッチして出力端Qに出力するものであり、反転リセット入力端Resに供給された信号がLレベルとなったときに、出力端Qの出力信号をLレベルにリセットするものである。
まず、D−FF回路522のD入力端には、論理信号のHレベルに相当する電源電圧Vddが印加されている。一方、そのクロック入力端には同期信号Vsyncが供給され、反転リセット入力端Resには、NOT回路524により論理反転した信号TEが供給されている。D/FF回路522の出力端Qから出力される信号Q1は、AND回路532の入力端の一方、D/FF回路526のD入力端、および、D/FF回路528のクロック入力端にそれぞれ供給される。
D−FF回路526のクロック入力端には信号TEが供給され、その反転リセット入力端Resにはリセット信号/Resが供給される。D/FF回路526の出力端Qから出力される信号Q2は、AND回路532の入力端の他方に供給される。AND回路532による論理積信号Q3は、AND回路534の入力端の一方に供給される。
D−FF回路528の反転リセット入力端Resにはリセット信号/Resが供給され、D/FF回路528の反転出力端/Qから出力される信号/Aは、自身のD入力端に帰還されている。D/FF回路528の出力端Qから出力される信号Aは、AND回路534の入力端の他方に論理レベルが反転されて供給される。
AND回路534は、D−FF回路528の出力端Qから出力される信号Aの反転信号と、AND回路532による論理積信号Q3との論理積信号をQ4として出力する。
なお、図5では、D−FF回路528の出力端Qから出力される信号Aの反転信号と、信号Q3との論理積信号を信号Q4として出力する構成であるが、D−FF回路528の反転出力端/Qから出力される信号/Aと、信号Q3との論理積信号を信号Q4とする構成でも良い。
ここで、指定回路52に供給される信号について説明する。
まず、信号TEは、外部のMPU1に対し、書き換えるべき表示データを電気光学装置1に出力することを許可する信号である。表示メモリ60に記憶された表示データを表示パネル100の線順次走査に伴って読み出す動作は、表示内容に変更が生じたときに変更後の表示内容を示す表示データを表示メモリ60に書き込む動作と非同期で実行されるが、このときの書き込み速度は、読み出し速度よりも高速である。このため、何らかの調停をしないと、表示データの書き換え位置が表示データの読み出し位置を追い越してしまい、表示内容の断裂が生じる。
そこで、電気光学装置10は、表示メモリ60からの表示データの読み出しに対し、表示データの書き込みが開始しても、その書き込みが表示データの読み出しに追いつかないようなタイミングにて信号TEを出力する(Hレベルのパルスを出力する)。この信号TEを受信すると、外部のMPU1は、同期信号Vsyncの出力後に、変更後の表示内容を示す表示データを出力することになる。
ここで、表示メモリ60の読み出し行は、行指定回路34によって指定されるが、行指定回路34の制御主体は、制御回路30である。また、表示パネル100において1〜320行目の表示データを読み出すのに要する時間は1フレームの期間(16.7ミリ秒)であり、この1フレームの期間において各部を制御するためのクロックや信号などを生成する主体は、発振回路72である。このため、本実施形態において、発振回路72が、信号TEを1フレームの期間である16.7ミリ秒毎に出力する構成となっている。
なお、信号TEは、外部のMPU1に対して、特に図示しないが、内部バス14、I/O12および外部バス3を介してMPU1に供給される。
次に、信号Vsyncは、信号TEにより表示データの出力を許可されたMPU1が変更後の表示内容を示す表示データを出力する前に出力するHレベルのパルスである。換言すれば、信号Vsyncの後には、変更すべき表示データが供給されることになる。ただし、信号TEにより表示データの出力が許可されても、表示内容を変更する必要がなければ、MPU1は、表示データを出力しないので、信号Vsyncは出力されない(Hレベルとはならない)。
なお、この信号Vsyncは、MPU1から、外部バス3、I/O12、内部バス14、コマンドデコーダ18および制御回路30を介して変換回路50(指定回路52)に供給される。
続いて、負論理のリセット信号/Resは、MPU1が静止画ではなく、動画の表示データを出力しようとするときに、出力する信号である。なお、このリセット信号/Resは、MPU1から信号Vsyncと同様な経路で変換回路50(指定回路52)に供給される。
ここで、動画である場合、変更後の表示内容を示す表示データは、2フレーム以上の期間で連続して供給されるが、単なる静止画や表示文字の変更などであれば、その静止画、または、書き換えるべき内容を示す表示データを1フレームの期間内で単発的に供給される。
なお、MPU1は、リセット信号/Resを出力しても、直ちに表示データの出力はせず、電気光学装置10からの信号TEによって許可されてから、はじめて表示データの出力をすることになる。
このように出力される信号TE、Vsync、/Resに対して、指定回路52は、図6に示されるように信号Q4を出力することになる。
詳細には、この図に示されるように、リセット信号/ResがLレベルになると、信号Q2、AはいずれもLレベルにリセットされる。D−FF回路522から出力される信号Q1は、そのD入力端がHレベルに保たれているので、信号TEによるリセット後に信号VsyncがHレベルになると、Hレベルとなるが、1フレームの期間経過後に信号TEが再びHレベルになるとLレベルにリセットされる。なお、信号TEがHレベルになったものの信号VsyncがLレベルである場合、すなわち、表示内容を変更する必要がなく、表示データが出力されない場合、信号Q1は、そのときの信号TEの立ち上がりによりLレベルにリセットされたままとなる。
この信号Q1を、信号TEがHレベルとなるタイミングで取り込んだものが信号Q2となる。このため、信号Q2は、リセット信号/ResがLレベルになった後に、2回目に信号TEがHレベルとなるタイミングから、Hレベルを維持することになる。また、信号TEがHレベルになったものの信号VsyncがLレベルである場合、信号Q2は、その次に信号TEがHレベルになったときにLレベルとなる。
信号Q3は、このような信号Q1と信号Q2との論理積信号である。
D−FF回路528の反転出力端/Qから出力される信号/Aは、リセット信号/ResがLレベルになると、Hレベルとなる。このため、信号/AをD入力端に帰還するD−FF回路528の出力端Qから出力される信号Aは、信号/Aを、信号Q1がHレベルとなるタイミングで取り込んだものとなる。
したがって、信号Aの反転論理信号と信号Q3との論理積信号である信号Q4は、図6に示されるように、リセット信号/ResがLレベルとなってから数えて信号TEの立ち下がり回数が偶数回目(2、4、…、)となるタイミングから、信号TEの立ち上がり回数が当該偶数に続く奇数回目(3、5、…、)となるタイミングまで、Hレベルとなる。
次に、本実施形態に係る電気光学装置10の動作について説明する。
上述したように、電気光学装置10において表示メモリ60に記憶された表示データを表示パネル100の線順次走査に伴って読み出す動作と、表示内容に変更が生じたときに変更後の表示内容を示す表示データを表示メモリ60に書き込む動作とは非同期で実行される。
そこでまず、表示データの読み出し動作について簡単に説明する。
この読み出し動作は、表示パネル100の線順次走査に同期して実行される。この線順次動作とは、表示パネル100において、1、2、3、…、320行目の走査線112を順番に選択する動作をいう。
まず、1行目の走査線112が選択される前に、行指定回路34は読出行を1行目に設定する一方、読出回路36は、表示メモリ60から、読出行に設定された1行目であって1、2、3、…、720列の画素1行分、すなわち、これから選択される画素1行分の表示データを読み出して、Xドライバ140に転送する。Xドライバ140は、転送された画素1行分の表示データをラッチする。
1行目の走査線112に供給される走査信号Y1がHレベルとなったときに、Xドライバ140は、ラッチした1行目であって1、2、3、…、720列の画素に対応する表示データに応じた電圧だけ、コモン電極108に印加される電圧LCcomを基準にして高位側または低位側の電圧に変換するとともに、当該変換した電圧を、それぞれ1、2、3、…、720列目のデータ線114にデータ信号として印加する。走査信号Y1がHレベルであれば、1行目に位置する画素110において、TFT116がオン(ソース・ドレイン間が導通)状態となるので、データ線114に供給されたデータ信号の電圧が画素電極118に印加される。このため、1行目の各画素110にあっては、それぞれ表示データで指定された階調に応じた電圧が書き込まれることとなる。
また、走査信号Y1がHレベルであるときに、行指定回路34は読出行を2行目に設定する一方、読出回路36は、表示メモリ60から、読出行に設定された2行目であって1、2、3、…、720列の画素1行分の表示データを読み出して、Xドライバ140に転送し、Xドライバ140は、転送された2行目に相当する表示データをラッチする。
1行目の走査線112の選択が終了すると、走査信号Y1はLレベルになる。走査信号Y1がLレベルになると、1行目に位置する画素110において、TFT116がオフ(ソース・ドレイン間が非導通)状態となるが、液晶容量120に書き込まれた電圧は、自身と蓄積容量130との容量性により保持される。このため、1行目における各液晶容量120は、表示データで指定された階調に維持されることになる。
また、1行目の走査線112の選択が終了すると、次の2行目の走査線112が選択されて、走査信号Y2がHレベルになる。走査信号Y2がHレベルとなったときに、Xドライバ140は、ラッチした2行目であって1、2、3、…、720列の画素に対応する表示データに応じた電圧だけ、コモン電極108に印加される電圧LCcomを基準にして高位側または低位側の電圧に変換するとともに、当該変換した電圧を、それぞれ1、2、3、…、720列目のデータ線114にデータ信号として印加する。
これにより、2行目に位置する画素110において、TFT116がオン状態となるので、データ線114に供給されたデータ信号の電圧が画素電極118に印加される。このため、2行目の各画素110にあっては、それぞれ表示データで指定された階調に応じた電圧が書き込まれることとなる。
また、走査信号Y2がHレベルであるときに、行指定回路34は読出行を3行目に設定する一方、読出回路36は、表示メモリ60から、読出行に設定された3行目であって1、2、3、…、720列の画素1行分の表示データを読み出して、Xドライバ140に転送し、Xドライバ140は、転送された3行目に相当する表示データをラッチする。
以下同様な動作が3、4、…、320行目の走査線112が選択されるまで繰り返される。これにより、1〜320行目のすべての画素(液晶容量120)に対して、表示データで指定された階調に応じた電圧が書き込まれる。このように、走査線が選択される前に表示メモリ60から表示データが読み出されて、Xドライバ140にラッチされるとともに、走査線の選択に合わせて、ラッチされた表示データをデータ信号に変換して各列のデータ線114に供給する動作が、1フレームの期間をかけて1、2、3、…、320行目の走査線112について順番に実行される。
次の1フレームでは、同様な動作が繰り返される。ただし、液晶容量120に対する電圧極性は、所定の周期(例えば、1フレームの期間)毎に入れ替えられて、液晶105に直流成分が印加されるのが防止される。
なお、各画素に対する書込極性の反転については、走査線の行(ライン)毎、データ線の列毎、面反転、ドット反転が挙げられるが、本発明については、いずれも適用可能である。
次に、表示データの書き込み動作について簡単に説明する。
上述したように、信号TEが、読み出し動作に同期してHレベルのパルスとして出力されるので、そのパルス出力の間隔は、図6に示されるように、読み出し動作における1フレームの期間と同じ16.7ミリ秒である。
ここで、外部のMPU1は、Hレベルとなる信号TEの供給を受けても、表示メモリ60の記憶内容を書き換える必要がない場合には、すなわち、表示パネル100による表示される画像を変更する必要がない場合には、表示データを供給しない。一方、外部のMPU1は、表示メモリ60の記憶内容を書き換える必要が生じた場合には、表示データを出力する前に、リセット信号/Resとして、Lレベルのパルスを出力する。そして、MPU1は、リセット信号/Resを出力後にはじめて信号TEを受信したときに、同期信号Vsyncを出力するとともに、この同期信号Vsyncの出力に続いて表示データを出力する。
このときに、MPU1は、動画表示とする場合、リセット信号/Resの出力後において、1回の同期信号Vsyncに続いて1フレーム分の表示データを出力する、という動作を複数フレームにわたって実行する。なお、1フレーム分の表示データを出力するのに要する期間は、16.7ミリ秒よりも短い、例えば半分の期間であり、図6においてハッチングで示した期間に相当する(図9乃至図12においても同様である)。
一方、MPU1は、書き換える内容が静止画である場合、リセット信号/Resの出力後に、1回の同期信号Vsyncに続いて書き換える必要のある表示データだけを出力する。
ここで、外部のMPU1から出力されたリセット信号/Res、同期信号Vsyncは、I/O12、内部バス14、コマンドデコーダ18、制御回路30を介して変換回路50に供給される。また、信号TEは、上述したように、発振回路72から変換回路50に供給される。
このような、リセット信号/Res、同期信号Vsyncおよび信号TEの供給を受けた変換回路50は、上述したような信号Q4を出力する。詳細には、Q4は、リセット信号/ResがLレベルとなってから数えて信号TEの立ち下がり回数が偶数回目(2、4、…、)となるタイミングから、信号TEの立ち上がり回数が当該偶数に続く奇数回目(3、5、…、)となるタイミングまでHレベルとなる。換言すれば、信号Q4は、動画表示のための複数フレームにわたる表示データのうち、偶数フレーム目の表示データが出力される期間を含むような期間において、Hレベルとなる。
このため、動画表示のために、奇数(1、3、5、…)フレーム目の表示データが供給されるときには、信号Q4がLレベルとなる。奇数フレーム目の表示データは、一旦、列アドレスコントローラ32によって第1バッファ41に1行分格納された後に、読み出されて変換回路50に供給される。信号Q4がLレベルであると、スイッチSw1、Sw2は、図7(a)に示される状態となるので、LUT54による変換が無効とされる。このため、第1バッファ41から読み出される表示データがLUT54を経由せずにI/Oバッファ43に格納される。そして、I/Oバッファ43に格納された1行分の表示データは、表示メモリ60のうち当該表示データが表す行に対応する記憶領域において書き込まれることとなる。例えばI/Oバッファ43に格納された表示データが1行1列〜1行720列の画素に対応しているならば、表示メモリ60において1行1列〜1行720列の画素に対応する記憶領域にそれぞれ書き込まれる。
なお、外部のMPU1から供給された表示データと同じ行の表示データを表示メモリ60から読み出す方策として、例えば表示データに行を示すデータを付帯させるとともに、このデータで示される行を読出行として制御回路30が行指定回路34に設定することで可能である。
また、奇数フレーム目の表示データは、第1バッファ41およびI/Oバッファ43において1行分を単位として、すなわち1、2、3、…、320行目という順番で、格納および読出が実行される。
次に、動画表示のために、偶数(2、4、6、…)フレーム目の表示データが供給されると、当該表示データは、図7(b)に示されるように、一旦、列アドレスコントローラ32によって第1バッファ41に1行分格納される一方、表示メモリ60からは、第1バッファ41に表示データが格納された行と同一行の表示データの1行分が、読み出されてI/Oバッファ43に格納される。
ここで、偶数フレーム目の表示データが供給される場合には、信号Q4はHレベルとなるので、スイッチSw1、Sw2は、図7(c)に示される状態となり、LUT54による変換が有効となる。
詳細には、第1バッファ41および第2バッファ42からは同じ画素に対応する表示データがそれぞれ読み出されて、LUT54は、両者に対応するオーバードライブデータを読み出し、I/Oバッファ43に格納する。I/Oバッファ43に1行分のオーバードライブデータが格納されると、当該1行分のオーバードライブデータを、表示メモリ60において対応する行に書き戻す。例えばI/Oバッファ43に格納されたオーバードライブデータが2行1列〜2行720列の画素に対応しているならば、表示メモリ60において2行1列〜2行720列の画素に対応する記憶領域にそれぞれ書き込まれる。なお、偶数フレーム目の表示データも、奇数フレームと同様に、第1バッファ41およびI/Oバッファ43において1行分を単位として、すなわち1、2、3、…、320行目という順番で、格納および読出が実行される。
なお、本実施形態では、静止画の書き換えであれば、MPU1は、リセット信号/Resの出力後に、1回の同期信号Vsyncに続いて書き換える必要のある表示データだけを出力するので、変換回路50においては、動画表示における1フレーム目の表示データが供給される動作と同じとなる。すなわち、第1バッファ41に1行分蓄積された後に読み出されて変換回路50に供給されるが、信号Q4がLレベルとなるので、LUT54による変換が無効とされて、I/Oバッファ43にそのまま格納される。このため、I/Oバッファ43に格納された1行分の表示データは、表示メモリ60のうち当該表示データが表す行に対応する記憶領域において書き込まれることとなる。なお、静止画の書き換えであれば、書き換える必要のある行の表示データだけが供給されるので、第1バッファ41およびI/Oバッファ43においては、その行のみに対応して表示データの格納および読出が実行される。
このように本実施形態において動画表示を行う場合、奇数フレーム目では、外部のMPU1から供給された表示データがそのまま表示メモリ60に記憶された後に当該表示データが表示パネル100に供給されるので、応答性を補償した表示とはならないが、偶数フレーム目では、供給された表示データと1フレーム前に供給されて表示メモリ60に記憶された表示データとがLUT54によってオーバードライブデータに変換されて、表示メモリ60に書き戻された後に当該表示データが表示パネル100に供給されるので、応答性を補償した表示が可能となる。
ここで、本実施形態において、必要となるメモリ容量は、従来から存在する表示メモリ60のほかには、第1バッファ41および第2バッファ42のみで済み、両バッファはラインバッファに過ぎないので、必要とするメモリ容量を抑えることが可能となる。
また、外部のMPU1は、動画表示のための表示データを、静止画と同様に区別することなく供給すれば良いので、同期信号Vsync以外の信号等を電気光学装置10に別途供給する必要もない。
ところで、本実施形態において、オーバードライブデータに基づく表示を1フレームおきに実行するが、フレーム毎としなかった理由は次の通りである。すなわち、表示メモリ60にオーバードライブデータを書き込むとともに、当該オーバードライブデータを1フレーム後に読み出して、外部のMPU1から供給された表示データと比較してしまうと、表示メモリ60に書き込んだオーバードライブデータは、もはや1フレーム前の表示データではないので、1フレーム前の階調(電圧)変化を求めることができないからである。 このため、本実施形態では、LUT54によりオーバードライブデータを求める場合には、その1フレーム前に表示データ(つまり、オーバードライブデータではなく、外部MPU1により供給された素の表示データ)を表示メモリ60に書き込むようにしたのである。
逆にいえば、オーバードライブデータの変換については、本実施形態のように1フレームおきではなく、2以上のフレームおきとしても良いのである。ただし、応答性として動画の表示品質は低下する。
携帯電話などで動画像を表示する場合には、通信上でのデータ転送スピードの制約から60フレーム毎秒での動画を転送できない場合がある。この場合、半分の30フレーム毎秒での動画像表示を行う場合がある。30フレーム毎秒の動画表示であっても、画像が変化した場合の動画の表示品質を向上させるためには、オーバードライブが必要である。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電気光学装置について説明する。
第1実施形態に係る電気光学装置10では、同期信号Vsync、信号TE、リセット信号/Resを入力する指定回路52(図4参照)が信号Q4を出力する一方、外部のMPU1から複数フレームにわたって表示データが供給された場合に、奇数フレームの表示データをそのまま表示メモリ60に記憶する動作と、偶数フレームの表示データをオーバードライブデータに変換して表示メモリ60に記憶する動作との切り換えを、当該信号Q4にしたがって実行する構成とした。
第2実施形態では、外部のMPU1が、表示データを出力する前であって、第1実施形態においてリセット信号/ResがLレベルとなるタイミングにおいて当該表示データが静止画であるか動画であるかを指定するコマンドを出力するとともに、当該コマンドの後に表示データを出力する一方、このコマンドのデコード結果にしたがって信号Q4を制御回路30が出力する構成となっている。
このため、第2実施形態では、変換回路50において指定回路52が存在せず、コマンドデコーダ18によるデコード結果にしたがって制御回路30が変換回路50に対して信号Q4を供給する構成となる。
次に第2実施形態に係る電気光学装置の動作について説明する。図8は、この動作を示すフローチャートである。
この図において、まずコマンドデコーダ18は、外部のMPU1からのコマンドを外部バス3、I/O12、内部バス14を介して受信したか否かを判定する(ステップS1)。コマンドデコーダ18は、受信していないと判定したならば、判定結果を「No」として処理手順をステップS1に戻し、なんらかのコマンドを受信するまで待機する。
一方、コマンドデコーダ18は、なんらかのコマンドを受信すると、判定結果を「Yes」として、その受信したコマンドをデコードする(ステップS2)。そして、コマンドデコーダ18は、受信したコマンドの内容が静止画または動画を指定するコマンドであるか、それ以外のコマンドであるかを判定する(ステップS3)。
ここで、コマンドデコーダ18は、受信したコマンドの内容が静止画または動画を指定するコマンドでなければ、判定結果を「No」として、受信したコマンドの内容を制御回路30に通知し、これにより、制御回路30は、当該コマンドに応じた処理を実行する(ステップS7)。この後、処理手順をステップS1に戻し、次のコマンドの受信に備える。
一方、コマンドデコーダ18は、受信したコマンドの内容が静止画または動画を指定するコマンドであれば、判定結果を「Yes」として、さらに、静止画を指定するコマンドである否かを判定する(ステップS4)。
コマンドデコーダ18は、受信したコマンドの内容が静止画を指定するコマンドであれば、判定結果を「Yes」として、制御回路30にその旨を通知し、これにより、制御回路30は、信号Q4をLレベルとして変換回路50に供給する(ステップS5)。したがって、静止画を指定するコマンドの後に供給される表示データは、そのまま表示メモリ60に書き込まれる。
コマンドデコーダ18は、受信したコマンドの内容が動画を指定するコマンドであれば、判定結果を「No」とし、制御回路30にその旨を通知する。一方、制御回路30は、動画を指定するコマンドに続いて供給される表示データが奇数(1、3、5、…、)フレーム目であれば信号Q4をLレベルとし、偶数(2、4、6、…、)フレーム目であれば信号Q4をHレベルとして変換回路50に供給する(ステップS6)。したがって、第2実施形態においても、信号Q4は、図9に示されるように、動画を指定するコマンドが出力されたタイミング(リセット信号/ResがLレベルとなるタイミングに相当する)の後に供給される表示データのうち、偶数フレーム目に相当するものが供給される期間においてのみHレベルとなるので、奇数フレームの表示データは、そのまま表示メモリ60に書き込まれる一方、偶数フレーム目であれば、オーバードライブデータに変換されて表示メモリ60に書き込まれる。
なお、コマンドデコーダ18は、同期信号Vsyncが予め定められた複数フレームの期間で継続して供給されない場合、表示データの供給が終了したものとして、処理手順をステップS1に戻り、次のコマンドの受信に備えるが、例えば図9に示されるように、同期信号Vsyncが1フレームの期間だけ供給されない場合には、ステップS1に戻らず、ステップS6を持続する。
このように、第2実施形態においても、動画表示を行う場合、第1実施形態と同様に、奇数フレームでは、外部のMPU1から供給された表示データがそのまま表示メモリ60に記憶された後に当該表示データが表示パネル100に供給される一方、偶数フレームでは、供給された表示データと1フレーム前に供給されて表示メモリ60に記憶された表示データとがオーバードライブデータに変換されて、表示メモリ60に書き戻された後に当該表示データが表示パネル100に供給されるので、応答性を補償した表示が可能となる。
なお、制御回路30が、動画を指定するコマンドの後に供給される表示データが、偶数フレーム目であるのか、偶数目であるのかを判定するのは、例えば、動画を指定するコマンドの受信によってリセットするとともに、同期信号Vsyncの立ち上がりをカウントすることで可能である。
上述した第1および第2実施形態では、表示パネル100のフレームの周期を16.7ミリ秒(垂直走査周波数60Hz)とし、これに合わせて動画の表示データの1フレーム分を外部のMPU1が供給する構成とした。すなわち、表示パネル100において60フレーム毎秒の表示がなされるのであれば、動画の表示データも60フレーム毎秒で供給される構成とした。
ここで、表示パネル100における表示サイズが対角で数インチ程度の大きさであるならば、動画の表示データを、例えば半分の30フレーム毎秒に落としても表示品位の低下として視認されにくい。
なお、表示パネル100の垂直周波数を落とすと、フリッカーの発生を招くので、ここでは、60Hzで固定とする。
表示データを30フレーム毎秒に落としても供給する方法としては、MPU1が、
(1)表示パネル100において連続する2フレームに1回の割合で、表示データを1フレーム分供給する、
(2)表示パネル100においてれ連続する2フレームのそれぞれに、同じ1フレーム分の表示データを供給する、
が考えられる。
図10は、(1)とした場合を示す図である。この場合でも、信号Q4を、偶数フレーム目の表示データが供給される期間においてHレベルとすれば良い。なお、この場合、1フレーム分の画像データは、表示パネル100において2フレームにわたって供給されることになる。すなわち、表示パネル100においては同じ表示データに基づく表示が2フレーム分連続することになる。
図11は、(2)とした場合であって最初に動画の1フレーム目が2回供給された場合の動作を示す図である。この場合に、第1実施形態の変換回路50と同様とすると、同じ表示データ同士の比較によりオーバードライブデータを求めてしまうので、信号Q4については、信号TE(同期信号Vsync)の1周期分だけ遅延させれば良い。
図12は、(2)とした場合であって最初に動画の1フレーム目が1回供給され、引き続き動画の2フレーム目が2回供給された場合の動作を示す図である。この場合に、信号Q4について信号TE(同期信号Vsync)の1周期分だけ遅延させると、同じ表示データ同士の比較によりオーバードライブデータを求めてしまうので、信号Q4については、第1実施形態の変換回路50と同様にして求めれば良い。
上述した説明では、書込極性の基準をコモン電極108に印加される電圧LCcomとしているが、これは、画素110におけるTFT116が理想的なスイッチとして機能する場合であり、実際には、TFT116のゲート・ドレイン間の寄生容量に起因して、オンからオフに状態変化するときにドレイン(画素電極118)の電位が低下する現象(プッシュダウン、突き抜け、フィールドスルーなどと呼ばれる)が発生する。液晶の劣化を防止するため、液晶容量120については交流駆動としなければならないが、コモン電極108への印加電圧LCcomを書込極性の基準として交流駆動すると、プッシュダウンのために、負極性書込による液晶容量120の電圧実効値が、正極性書込による実効値よりも若干大きくなってしまう(TFT116がnチャネルの場合)。このため、実際には、書込極性の基準電圧とコモン電極108の電圧LCcomとを別々とし、詳細には、書込極性の基準電圧を、プッシュダウンの影響が相殺されるように、電圧LCcomよりも高位側にオフセットして設定するようにしても良い。
さらに、上述した説明では、電圧無印加状態において白色を表示するノーマリーホワイトモードとしたが、電圧無印加状態において黒色を表示するノーマリーブラックモードとしても良い。また、R(赤)、G(緑)、B(青)の3画素で表示1ドットを構成して、カラー表示を行う構成としたが、さらに例えばC(シアン)を加えて4画素で表示ドットを構成しても良いし、単なる白黒表示としても良い。表示パネル100は透過型に限られず、反射型や、両者の中間的な半透過半反射型であっても良い。
また、本発明は、液晶に限られず、電気的な変化に対して光学的な応答速度が低い電気光学材料を用いて表示を行う構成のすべてに適用可能である。
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置10を有する電子機器について説明する。図13は、実施形態に係る電気光学装置10を用いた携帯電話1200の構成を示す図である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した電気光学装置10を備えるものである。なお、電気光学装置10のうち、表示パネル100以外の構成要素については、携帯電話1200に内蔵されるので、外観としては現れない。
なお、電気光学装置10が適用される電子機器としては、図13に示される携帯電話の他にも、デジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示装置として、上述した電気光学装置1が適用可能であることは言うまでもない。
本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。 同電気光学装置における液晶パネルの構成を示す図である。 同液晶パネルにおける画素の構成を示す図である。 同電気光学装置における変換回路の構成を示す図である。 同変換回路における指定回路の構成を示す図である。 同電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 同電気光学装置の動作を説明するための図である。 第2実施形態に係る電気光学装置の動作を示すフローチャートである。 同電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 電気光学装置の別動作を説明するためのタイミングチャートである。 電気光学装置の別動作を説明するためのタイミングチャートである。 電気光学装置の別動作を説明するためのタイミングチャートである。 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話を示す図である。
符号の説明
10…電気光学装置、18…コマンドデコーダ、30…制御回路、41…第1バッファ、42…第2バッファ、50…変換回路、60…表示メモリ、100…表示パネル、110…画素、112…走査線、114…データ線、120…液晶容量、130…Xドライバ、140…Yドライバ、1200…携帯電話

Claims (9)

  1. 複数行の走査線と複数列のデータ線との各交差に対応して設けられ、自身に対応する走査線が選択されたときに、自身に対応するデータ線に供給されたデータ信号に応じた階調となる画素と、
    前記画素に対応した記憶領域を有し、各記憶領域では、自身に対応する画素の階調を指定する表示データが記憶される表示メモリと、
    前記複数行の走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
    前記走査線駆動回路により選択される走査線に対応する画素の表示データを前記表示メモリから読み出し、当該表示データを前記データ信号に変換して、前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、
    を有する電気光学装置の表示データ処理回路であって、
    前記表示メモリからの読み出しとは非同期で供給された表示データが前記表示メモリに書き込まれる前に一旦記憶される第1バッファと、
    前記第1バッファに記憶される表示データと同じ画素に対応する表示データが、前記表示メモリから読み出されて格納される第2バッファと、
    前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データを入力し、両者に対応したオーバードライブデータに変換する変換回路と、
    前記変換回路により変換されたオーバードライブデータを、前記表示メモリに表示データとして書き戻す制御回路と、
    を具備することを特徴とする電気光学装置の表示データ処理回路。
  2. 前記第1および第2バッファは、1行の走査線に対応する画素1行分の表示データの記憶が可能であり、
    前記第1バッファには、入力された表示データが1行分記憶され、
    前記第2バッファには、前記第1バッファに記憶される1行分の表示データと同じ行に対応する表示データが格納され、
    前記変換回路は、前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データのうち同じ画素同士のものを入力し、両者に対応したオーバードライブデータに変換する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の表示データ処理回路。
  3. 供給される表示データが1フレーム分以下である場合、
    前記変換回路は、当該オーバードライブデータへの変換を無効とし、
    前記制御回路は、前記第1バッファに記憶された表示データをそのまま前記表示メモリに書き込む
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の表示データ処理回路。
  4. 表示データが連続して1フレーム分を超えて入力される場合であって、前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データを1フレーム分入力して、両者に対応したオーバードライブデータを変換したとき、
    前記変換回路は、次の1フレームの表示データをオーバードライブデータに変換することを無効とし、
    前記制御回路は、前記第1バッファに記憶された当該表示データをそのまま前記表示メモリに書き込む
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の表示データ処理回路。
  5. 入力されたコマンドをデコードするデコーダを有し、
    前記変換回路は、前記デコーダに入力されたコマンドによって、静止画の表示が指定された場合に、前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データの両者に対応したオーバードライブデータの変換を無効とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の表示データ処理回路。
  6. 入力されたコマンドをデコードするデコーダを有し、
    前記デコーダに入力されたコマンドによって、動画の表示が指定され、かつ、表示データが連続して2フレーム分以上供給される場合に、
    前記変換回路は、
    前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データを入力して、両者に対応したオーバードライブデータを1フレーム分変換した後、
    次の1フレームの表示データをオーバードライブデータに変換することを無効とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の表示データ処理回路。
  7. 複数行の走査線と複数列のデータ線との各交差に対応して設けられ、自身に対応する走査線が選択されたときに、自身に対応するデータ線に供給されたデータ信号に応じた階調となる画素と、
    前記画素に対応した記憶領域を有し、各記憶領域では、自身に対応する画素の階調を指定する表示データが記憶される表示メモリと、
    前記複数行の走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
    前記走査線駆動回路により選択される走査線に対応する画素の表示データを前記表示メモリから読み出し、当該表示データを前記データ信号に変換して、前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、
    を有する電気光学装置の表示データ処理方法であって、
    前記表示メモリからの読み出しとは非同期で供給される表示データに対応する画素と同じ画素に対応する表示データを、前記表示メモリから読み出し、
    当該供給された表示データと当該読み出した表示データとをそれぞれ入力し、両者に対応したオーバードライブデータに変換し、
    当該変換したオーバードライブデータを、前記表示メモリに表示データとして書き戻す
    ことを特徴とする電気光学装置の表示データ処理方法。
  8. 複数行の走査線と複数列のデータ線との各交差に対応して設けられ、自身に対応する走査線が選択されたときに、自身に対応するデータ線に供給されたデータ信号に応じた階調となる画素と、
    前記画素に対応した記憶領域を有し、各記憶領域では、自身に対応する画素の階調を指定する表示データが記憶される表示メモリと、
    前記複数行の走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
    前記走査線駆動回路により選択される走査線に対応する画素の表示データを前記表示メモリから読み出し、当該表示データを前記データ信号に変換して、前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、
    前記表示メモリからの読み出しとは非同期で供給された表示データが前記表示メモリに書き込まれる前に一旦記憶される第1バッファと、
    前記第1バッファに記憶される表示データと同じ画素に対応する表示データが、前記表示メモリから読み出されて格納される第2バッファと、
    前記第1および第2バッファにそれぞれ記憶された表示データを入力し、両者に対応したオーバードライブデータに変換する変換回路と、
    前記変換回路により変換されたオーバードライブデータを、前記表示メモリに表示データとして書き戻す制御回路と、
    を具備することを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項8に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
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