JP2008002586A - 回転直線運動変換機構の製造方法 - Google Patents

回転直線運動変換機構の製造方法 Download PDF

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忍 嶋▲崎▼
Hiroshi Ryu
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Abstract

【課題】回転直線運動変換機構のより多様な構造に対応して遊星軸の傾きを抑制することのできる回転直線運動変換機構の製造方法を提供する。
【解決手段】この製造方法では、次の各工程を含めて回転直線運動変換機構1の製造を行う。サンシャフト本体31を磁化させる工程。磁化されたサンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とを組み合わせて第1アッセンブリを組み立てる工程。第1アッセンブリと前面リングギア22とを組み合わせて第2アッセンブリを組み立てる工程。第2アッセンブリとリングシャフト本体21とを組み合わせて第3アッセンブリを組み立てる工程。各ギア23,33,43を組み合わせてギアアッセンブリを組み立てる工程。第3アッセンブリとギアアッセンブリとを組み合わせて第4アッセンブリを組み立てる工程。第4アッセンブリと各カラー51,52とを組み合わせて回転直線運動変換機構1を組み立てる工程。
【選択図】図6

Description

本発明は、回転運動を直線運動に変換する回転直線運動変換機構の製造方法に関する。
回転直線運動変換機構としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
この回転直線運動変換機構は、軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸と円環軸の内部に配置される太陽軸と太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸との組み合わせにより構成されている。また、円環軸の雌ねじ及び太陽軸の雄ねじと遊星軸の雄ねじとがそれぞれ噛み合わされている。こうした構造の回転直線運動変換機構においては、円環軸を回転運動させたとき、円環軸から伝達された力を通じて遊星軸が太陽軸のまわりで遊星運動することにより、太陽軸が直線運動するようになる。すなわち、円環軸の回転運動を太陽軸の直線運動に変換することが可能となっている。
特開平10−196757号公報
ところで、回転直線運動変換機構の製造過程においては、円環軸と太陽軸との間で遊星軸が基準姿勢(遊星軸の中心線が太陽軸の中心線に対して平行となる姿勢)に対して傾いた状態となることが本願発明者により確認されている。このように遊星軸が傾く理由は次のように考えられる。
回転直線運動変換機構においては、各構成要素のねじの条数が異なる値に設定されるため、円環軸の雌ねじ及び太陽軸の雄ねじと各遊星軸の雄ねじとが噛み合わされたときにこれらねじの間にバックラッシが形成される。また、このバックラッシの大きさは各ねじの条数の設定態様に応じて異なる。こうしたことから、回転直線運動変換機構の製造過程において、各構成要素の組み合わせにともない遊星軸に力が加えられたとき、遊星軸が上記バックラッシをうめる方向へ動かされることにより遊星軸が傾いた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることもある。
例えば、回転直線運動変換機構の製造に際して太陽軸と遊星軸とが組み合わされた集合体に対して円環軸を組み付ける場合、円環軸の雌ねじを遊星軸の雄ねじに噛み合わせるときに円環軸から遊星軸に力が加えられるため、上述のように遊星軸の傾きが生じるようになる。
回転直線運動変換機構において遊星軸が基準姿勢に対して傾いているとき、各構成要素のねじの噛み合いが不均一となるため、局部的にねじの摩耗が促進することにより寿命の低下をまねくようになる。また、各構成要素の間におけるフリクションが増大するため、回転運動から直線運動への変換効率の低下をまねくようにもなる。
そこで、上述のような回転直線運動変換機構の製造にともなう遊星軸の傾きを抑制するために、例えば、太陽軸と遊星軸とが組み合わされた集合体について、遊星軸の両端にリテーナを取り付けることにより遊星軸の姿勢を拘束することも考えられる。ちなみに、特許文献1にはリテーナを有する構造の回転直線運動変換機構が開示されているため、その製造に際してもリテーナにより遊星軸の姿勢が拘束されると考えられる。
しかし、こうした製造方法においては、上記集合体に対する円環軸のねじ込みにともない各リテーナの位相がずれることもあるため、遊星軸の傾きが十分に抑制されるとは言い難い。そこで、位相のずれを抑制するために複数の軸を通じて2つのリテーナを互いに連結することも考えられるが、この場合には各遊星軸の間にリテーナを連結する軸が配置されるため、回転直線運動変換機構の構造によっては必要とされる数の軸を各リテーナに取り付けることができないこともある。すなわち、遊星軸の傾きを十分に抑制することが困難となる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転直線運動変換機構のより多様な構造に対応して遊星軸の傾きを抑制することのできる回転直線運動変換機構の製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸と該円環軸の内部に配置される太陽軸と該太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸とを備えること、前記円環軸が、雌ねじを有する円環軸本体を含めて構成されること、前記太陽軸が、雄ねじを有する太陽軸本体を含めて構成されること、前記遊星軸が、雄ねじを有する遊星軸本体を含めて構成されること、前記円環軸本体の雌ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、前記太陽軸本体の雄ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、並びに、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方が直線運動することを要件として構成される回転直線運動変換機構について、次の第1工程、第2工程及び第3工程を含めてその製造を行う「前記太陽軸本体を磁化させる第1工程」、「前記遊星軸本体の中心線が前記太陽軸本体の中心線に対して平行となる前記遊星軸本体の姿勢を基準姿勢とし、前記太陽軸本体と前記遊星軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第1集合体として、前記第1工程を経た後に前記遊星軸本体を前記基準姿勢に保持した状態で該第1集合体を組み立てる第2工程」、「前記第1集合体と前記円環軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第2集合体として、前記太陽軸本体が磁化された状態で該第2集合体を組み立てる第3工程」ことを要旨としている。
(2)請求項2に記載の発明は、軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸と該円環軸の内部に配置される太陽軸と該太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸とを備えること、前記円環軸が、雌ねじを有する円環軸本体を含めて構成されること、前記太陽軸が、雄ねじを有する太陽軸本体を含めて構成されること、前記遊星軸が、雄ねじを有する遊星軸本体を含めて構成されること、前記円環軸本体の雌ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、前記太陽軸本体の雄ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、並びに、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方が直線運動することを要件として構成される回転直線運動変換機構について、次の第1工程、第2工程及び第3工程を含めてその製造を行う「前記遊星軸本体の中心線が前記太陽軸本体の中心線に対して平行となる前記遊星軸本体の姿勢を基準姿勢とし、前記太陽軸本体と前記遊星軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第1集合体として、前記遊星軸本体を前記基準姿勢に保持した状態で該第1集合体を組み立てる第1工程」、「前記第1集合体の前記太陽軸本体を磁化させる第2工程」、「前記第1集合体と前記円環軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第2集合体として、前記太陽軸本体が磁化された状態で該第2集合体を組み立てる第3工程」ことを要旨としている。
上記請求項1及び2の発明では、太陽軸本体の磁化により各遊星軸本体を太陽軸本体に固定した状態で第2集合体を組み立てるようにしている。これにより、円環軸本体を第1集合体に組み付けるときに各遊星軸本体が一定の姿勢(基準姿勢)に保持されるため、遊星軸が傾いた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することができるようになる。また、太陽軸本体の磁化を通じて遊星軸本体の姿勢を拘束するようにしているため、上述したリテーナを使用する製造方法とは異なり、回転直線運動変換機構に配置される遊星軸の数にかかわらず遊星軸の傾きを抑制することが可能となる。このように、本発明の製造方法によれば、回転直線運動変換機構のより多様な構造に対応して遊星軸の傾きを抑制することができるようになる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記円環軸が、前記円環軸本体と内歯の円環歯車とを含めて構成されること、前記太陽軸が、前記太陽軸本体と外歯の太陽歯車とを含めて構成されること、前記遊星軸が、前記遊星軸本体と外歯の遊星歯車とを含めて構成されること、前記円環歯車として、前記円環軸本体の一方の端部に設けられる第1円環歯車と前記円環軸本体の他方の端部に設けられる第2円環歯車とを備えること、前記太陽歯車として、前記太陽軸本体の一方の端部に設けられる第1太陽歯車と前記太陽軸本体の他方の端部に設けられる第2太陽歯車とを備えること、前記遊星歯車として、前記遊星軸本体の一方の端部に設けられる第1遊星歯車と前記遊星軸本体の他方の端部に設けられる第2遊星歯車とを備えること、前記第1円環歯車が前記円環軸本体とは各別に形成されること、前記第2太陽歯車が前記太陽軸本体とは各別に形成されること、前記第2遊星歯車が前記遊星軸本体とは各別に形成されること、前記第1円環歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合うこと、前記第2円環歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合うこと、前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合うこと、前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合うことを要件として構成される前記回転直線運動変換機構について、次の第4工程を含めてその製造を行う「前記第2集合体と前記第2遊星歯車との組み合わせにより構成される集合体を第3集合体として、前記太陽軸本体が磁化された状態で該第3集合体を組み立てる第4工程」ことを要旨としている。
回転直線運動変換機構の製造過程において、第2集合体の遊星軸本体が基準姿勢に対して過度に傾いている場合、第2遊星歯車を遊星軸本体に組み付けることができなくなる。こうした事態が生じた場合には、組み付け作業が一時的に中断されるため、生産性の低下をまねくようになる。この点、上記発明では太陽軸本体への吸着により遊星軸本体が基準姿勢に保持された状態で第2集合体と第2遊星歯車との組み合わせを行うようにしているため、第2遊星歯車が的確に第2集合体に組み付けられるようになる。これにより、生産性の低下をまねくことを抑制することができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、次の第5工程を含めて前記回転直線運動変換機構の製造を行う「前記第3工程を経た後に前記太陽軸本体を消磁させる第5工程」ことを要旨としている。
上記発明では、太陽軸本体を消磁させて回転直線運動変換機構の組み立てを行うようにしているため、太陽軸本体に異物が吸着されることに起因して回転直線運動変換機構の動作不良をまねくことを抑制することができるようになる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、次の第6工程を含めて前記回転直線運動変換機構の製造を行う「前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされた状態かつ前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされた状態の前記第3集合体について、前記太陽軸本体を消磁させる第6工程」ことを要旨としている。
回転直線運動変換機構の製造過程において、上記歯車の噛み合い状態が得られる前に太陽軸本体の消磁が行われる場合には次のようなことが問題となる。すなわち、遊星軸本体の端部が歯車の噛み合いを通じて拘束されていない状態で遊星軸本体が太陽軸本体に吸着されなくなるため、遊星軸本体がねじのバックラッシをうめる方向へ動くことにより遊星軸本体の傾きが生じることもある。この点、上記発明では各遊星歯車と各円環歯車及び各太陽歯車との噛み合わせを通じて遊星軸本体の姿勢が拘束された後に太陽軸本体の消磁を行うようにしているため、遊星軸本体の傾きを好適に抑制することができるようになる。
(6)請求項6に記載の発明は、軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸と該円環軸の内部に配置される太陽軸と該太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸とを備えること、前記円環軸が、雌ねじを有する円環軸本体を含めて構成されること、前記太陽軸が、雄ねじを有する太陽軸本体を含めて構成されること、前記遊星軸が、雄ねじを有する遊星軸本体を含めて構成されること、前記円環軸本体の雌ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、前記太陽軸本体の雄ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、並びに、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方が直線運動することを要件として構成される回転直線運動変換機構について、次の第1工程、第2工程及び第3工程を含めてその製造を行う「前記円環軸本体を磁化させる第1工程」、「前記遊星軸本体の中心線が前記円環軸本体の中心線に対して平行となる前記遊星軸本体の姿勢を基準姿勢とし、前記円環軸本体と前記遊星軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第1集合体として、前記第1工程を経た後に前記遊星軸本体を前記基準姿勢に保持した状態で該第1集合体を組み立てる第2工程」、「前記第1集合体と前記太陽軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第2集合体として、前記円環軸本体が磁化された状態で該第2集合体を組み立てる第3工程」ことを要旨としている。
(7)請求項7に記載の発明は、軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸と該円環軸の内部に配置される太陽軸と該太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸とを備えること、前記円環軸が、雌ねじを有する円環軸本体を含めて構成されること、前記太陽軸が、雄ねじを有する太陽軸本体を含めて構成されること、前記遊星軸が、雄ねじを有する遊星軸本体を含めて構成されること、前記円環軸本体の雌ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、前記太陽軸本体の雄ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、並びに、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方が直線運動することを要件として構成される回転直線運動変換機構について、次の第1工程、第2工程及び第3工程を含めてその製造を行う「前記遊星軸本体の中心線が前記円環軸本体の中心線に対して平行となる前記遊星軸本体の姿勢を基準姿勢とし、前記円環軸本体と前記遊星軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第1集合体として、前記遊星軸本体を前記基準姿勢に保持した状態で該第1集合体を組み立てる第1工程」、「前記第1集合体の前記円環軸本体を磁化させる第2工程」、「前記第1集合体と前記太陽軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第2集合体として、前記円環軸本体が磁化された状態で該第2集合体を組み立てる第3工程」ことを要旨としている。
上記請求項6及び7の発明では、円環軸本体の磁化により各遊星軸本体を円環軸本体に固定した状態で第2集合体を組み立てるようにしている。これにより、太陽軸本体を第1集合体に組み付けるときに各遊星軸本体が一定の姿勢(基準姿勢)に保持されるため、遊星軸が傾いた状態で回転直線運動変換機構が組み立てられることを抑制することができるようになる。また、円環軸本体の磁化を通じて遊星軸本体の姿勢を拘束するようにしているため、上述したリテーナを使用する製造方法とは異なり、回転直線運動変換機構に配置される遊星軸の数にかかわらず遊星軸の傾きを抑制することが可能となる。このように、本発明の製造方法によれば、回転直線運動変換機構のより多様な構造に対応して遊星軸の傾きを抑制することができるようになる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、前記円環軸が、前記円環軸本体と内歯の円環歯車とを含めて構成されること、前記太陽軸が、前記太陽軸本体と外歯の太陽歯車とを含めて構成されること、前記遊星軸が、前記遊星軸本体と外歯の遊星歯車とを含めて構成されること、前記円環歯車として、前記円環軸本体の一方の端部に設けられる第1円環歯車と前記円環軸本体の他方の端部に設けられる第2円環歯車とを備えること、前記太陽歯車として、前記太陽軸本体の一方の端部に設けられる第1太陽歯車と前記太陽軸本体の他方の端部に設けられる第2太陽歯車とを備えること、前記遊星歯車として、前記遊星軸本体の一方の端部に設けられる第1遊星歯車と前記遊星軸本体の他方の端部に設けられる第2遊星歯車とを備えること、前記第1円環歯車が前記円環軸本体とは各別に形成されること、前記第2太陽歯車が前記太陽軸本体とは各別に形成されること、前記第2遊星歯車が前記遊星軸本体とは各別に形成されること、前記第1円環歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合うこと、前記第2円環歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合うこと、前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合うこと、前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合うことを要件として構成される前記回転直線運動変換機構について、次の第4工程を含めてその製造を行う「前記第2集合体と前記第2遊星歯車との組み合わせにより構成される集合体を第3集合体として、前記円環軸本体が磁化された状態で該第3集合体を組み立てる第4工程」ことを要旨としている。
回転直線運動変換機構の製造過程において、第2集合体の遊星軸本体が基準姿勢に対して過度に傾いている場合、第2遊星歯車を遊星軸本体に組み付けることができなくなる。こうした事態が生じた場合には、組み付け作業が一時的に中断されるため、生産性の低下をまねくようになる。この点、上記発明では円環軸本体への吸着により遊星軸本体が基準姿勢に保持された状態で第2集合体と第2遊星歯車との組み合わせを行うようにしているため、第2遊星歯車が的確に第2集合体に組み付けられるようになる。これにより、生産性の低下をまねくことを抑制することができるようになる。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項6または7に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、次の第5工程を含めて前記回転直線運動変換機構の製造を行う「前記第3工程を経た後に前記円環軸本体を消磁させる第5工程」ことを要旨としている。
上記発明では、円環軸本体を消磁させて回転直線運動変換機構の組み立てを行うようにしているため、円環軸本体に異物が吸着されることに起因して回転直線運動変換機構の動作不良をまねくことを抑制することができるようになる。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、次の第6工程を含めて前記回転直線運動変換機構の製造を行う「前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされた状態かつ前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされた状態の前記第3集合体について、前記円環軸本体を消磁させる第6工程」ことを要旨としている。
回転直線運動変換機構の製造過程において、上記歯車の噛み合い状態が得られる前に円環軸本体の消磁が行われる場合には次のようなことが問題となる。すなわち、遊星軸本体の端部が歯車の噛み合いを通じて拘束されていない状態で遊星軸本体が円環軸本体に吸着されなくなるため、遊星軸本体がねじのバックラッシをうめる方向へ動くことにより遊星軸本体の傾きが生じることもある。この点、上記発明では各遊星歯車と各円環歯車及び各太陽歯車との噛み合わせを通じて遊星軸本体の姿勢が拘束された後に円環軸本体の消磁を行うようにしているため、遊星軸本体の傾きを好適に抑制することができるようになる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図20を参照して説明する。以下では、本実施形態の製造方法を通じて組み立てられる回転直線運動変換機構の構造、同変換機構の動作態様、及び回転直線運動変換機構の製造方法の順に従って説明を行う。
<回転直線運動変換機構の構造>
図1及び図2を参照して、回転直線運動変換機構1の構造の概略について説明する。
・図1は、回転直線運動変換機構1の斜視構造を示す。
・図2は、回転直線運動変換機構1の内部の斜視構造を示す。
回転直線運動変換機構1は、軸方向へ延びる空間を内部に有するリングシャフト2と、リングシャフト2の内部に配置されるサンシャフト3と、サンシャフト3の周囲に配置される複数のプラネタリシャフト4との組み合わせにより構成されている。リングシャフト2及びサンシャフト3は、各々の中心線が互いに整合する状態または実質的に整合する状態で配置されている。サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4は、各々の中心線が互いに平行となる状態または実質的に平行となる状態で配置されている。また、各プラネタリシャフト4はサンシャフト3のまわりにおいて等間隔に配置されている。
本実施形態では、回転直線運動変換機構1の各構成要素について、自身の中心線がサンシャフト3の中心線と整合する姿勢及び実質的に整合する姿勢を整合姿勢とする。また、自身の中心線がサンシャフト3の中心線と平行となる姿勢及び実質的に平行となる姿勢を平行姿勢とする。すなわち、リングシャフト2は整合姿勢に保持された状態で回転直線運動変換機構1を構成している。また、各プラネタリシャフト4は平行姿勢に保持された状態で回転直線運動変換機構1を構成している。
回転直線運動変換機構1においては、リングシャフト2に設けられたねじ及びギアと各プラネタリシャフト4に設けられたねじ及びギアとの噛み合いにより、リングシャフト2及び各プラネタリシャフト4の一方の構成要素から他方の構成要素に力が伝達される。また、サンシャフト3に設けられたねじ及びギアと各プラネタリシャフト4に設けられたねじ及びギアとの噛み合いにより、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4の一方の構成要素から他方の構成要素に力が伝達される。
回転直線運動変換機構1は、こうした各構成要素の組み合わせに基づいて次のように動作する。すなわち、リングシャフト2及びサンシャフト3の一方の構成要素が回転運動するとき、同構成要素から伝達された力を通じて各プラネタリシャフト4がサンシャフト3のまわりで遊星運動する。これにより、各プラネタリシャフト4からリングシャフト2及びサンシャフト3の他方の構成要素に伝達された力を通じて同構成要素が各プラネタリシャフト4に対して軸方向へ移動する。
このように、回転直線運動変換機構1は、リングシャフト2及びサンシャフト3の一方の回転運動をリングシャフト2及びサンシャフト3の他方の直線運動に変換する。なお、本実施形態においては、サンシャフト3の軸方向について、サンシャフト3がリングシャフト2から押し出される方向を前面方向FRとし、サンシャフト3がリングシャフト2内に引き込まれる方向を背面方向RRとしている。また、回転直線運動変換機構1の任意の位置を基準としたときに、この基準位置よりも前面方向FR側の範囲を前面側とし、同基準位置よりも背面方向RR側の範囲を背面側としている。
リングシャフト2には、サンシャフト3を支持する前面カラー51及び背面カラー52が固定されている。すなわち、リングシャフト2と前面カラー51及び背面カラー52とが一体的に運動する。リングシャフト2においては、前面側の開口部が前面カラー51により閉塞されている。また、背面側の開口部が背面カラー52により閉塞されている。
サンシャフト3は、前面カラー51のベアリング51A及び背面カラー52のベアリング52Aにより支持されている。一方で、各プラネタリシャフト4は、前面カラー51及び背面カラー52のいずれによっても支持されていない。すなわち、回転直線運動変換機構1においては、サンシャフト3の径方向の位置がねじ及びギアの噛み合いと前面カラー51及び背面カラー52とにより拘束されている一方で、各プラネタリシャフト4の径方向の位置がねじ及びギアの噛み合いのみにより拘束されている。
回転直線運動変換機構1には、リングシャフト2の内部(リングシャフト2、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4のねじ及びギアが噛み合わされている箇所)を潤滑するために次のような構造が採用されている。すなわち、リングシャフト2の内部に潤滑油を供給するための油孔51Hが前面カラー51に複数形成されている。また、リングシャフト2の内部をシールするOリング53が前面カラー51及び背面カラー52の各々に装着されている。
〔1〕「リングシャフトの構造」
図3を参照して、リングシャフト2の構造について説明する。
・図3(A)は、リングシャフト2の断面構造を示す。
・図3(B)は、リングシャフト2の一部を分解した状態の断面構造を示す。
リングシャフト2は、リングシャフト本体21(円環軸本体)と前面リングギア22及び背面リングギア23との組み合わせにより構成されている。リングシャフト2においては、リングシャフト本体21の中心線(軸線)がリングシャフト2の中心線(軸線)に相当する。従って、リングシャフト本体21の中心線がサンシャフト3の中心線と整合または実質的に整合するときにリングシャフト2の整合姿勢が確保される。
リングシャフト本体21は、内周面に雌ねじ24が形成された本体ねじ部21Aと、前面リングギア22が組み付けられる本体ギア部21Bと、背面リングギア23が組み付けられる本体ギア部21Cとを含めて構成されている。
前面リングギア22は、平歯の内歯車としてリングシャフト本体21とは各別に形成されている。また、リングシャフト本体21に組み付けられたときに自身の中心線がリングシャフト本体21の中心線と整合するように構成されている。リングシャフト本体21に対する前面リングギア22の組み付け態様について、本実施形態では圧入により前面リングギア22をリングシャフト本体21に固定するようにしている。なお、圧入以外の方法により前面リングギア22をリングシャフト本体21に固定することもできる。
背面リングギア23は、平歯の内歯車としてリングシャフト本体21とは各別に形成されている。また、リングシャフト本体21に組み付けられたときに自身の中心線がリングシャフト本体21の中心線と整合するように構成されている。リングシャフト本体21に対する背面リングギア23の組み付け態様について、本実施形態では圧入により背面リングギア23をリングシャフト本体21に固定するようにしている。なお、圧入以外の方法により背面リングギア23をリングシャフト本体21に固定することもできる。
リングシャフト2において、前面リングギア22及び背面リングギア23は同一形状の歯車として構成されている。すなわち、前面リングギア22及び背面リングギア23の諸元(基準ピッチ円直径や歯数等)が互いに等しい値に設定されている。
〔2〕「サンシャフトの構造」
図4を参照して、サンシャフト3の構造について説明する。
・図4(A)は、サンシャフト3の正面構造を示す。
・図4(B)は、サンシャフト3の一部を分解した状態の正面構造を示す。
サンシャフト3は、サンシャフト本体31(太陽軸本体)と背面サンギア33との組み合わせにより構成されている。サンシャフト3においては、サンシャフト本体31の中心線(軸線)がサンシャフト3の中心線(軸線)に相当する。
サンシャフト本体31は、外周面に雄ねじ34が形成された本体ねじ部31Aと、平歯の外歯車(前面サンギア32)が形成された本体ギア部31Bと、背面サンギア33が組み付けられる本体ギア部31Cとを含めて構成されている。また、強磁性体を素材として形成されている。
背面サンギア33は、平歯の外歯車としてサンシャフト本体31とは各別に形成されている。また、サンシャフト本体31に組み付けられたときに自身の中心線がサンシャフト本体31の中心線と整合するように構成されている。サンシャフト本体31に対する背面サンギア33の組み付け態様について、本実施形態では圧入により背面サンギア33をサンシャフト本体31に固定するようにしている。なお、圧入以外の方法により背面サンギア33をサンシャフト本体31に固定することもできる。
サンシャフト3において、前面サンギア32及び背面サンギア33は同一形状の歯車として構成されている。すなわち、前面サンギア32及び背面サンギア33の諸元(基準ピッチ円直径や歯数等)が互いに等しい値に設定されている。
〔3〕「プラネタリシャフトの構造」
図5を参照して、プラネタリシャフト4の構造について説明する。
・図5(A)は、プラネタリシャフト4の正面構造を示す。
・図5(B)は、プラネタリシャフト4の一部を分解した状態の正面構造を示す。
・図5(C)は、中心線に沿った背面プラネタリギア43の断面構造を示す。
プラネタリシャフト4は、プラネタリシャフト本体41(遊星軸本体)と背面プラネタリギア43との組み合わせにより構成されている。プラネタリシャフト4においては、プラネタリシャフト本体41の中心線(軸線)がプラネタリシャフト4の中心線(軸線)に相当する。従って、プラネタリシャフト本体41の中心線がサンシャフト3の中心線に対して平行または実質的に平行となるときに、プラネタリシャフト4の平行姿勢が確保される。
プラネタリシャフト本体41は、外周面に雄ねじ44が形成された本体ねじ部41Aと、平歯の外歯車(前面プラネタリギア42)が形成された本体ギア部41Bと、背面プラネタリギア43が組み付けられる背面側シャフト41Rと、回転直線運動変換機構1の組み立てに際して治具にはめ込まれる前面側シャフト41Fとを含めて構成されている。また、強磁性体を素材として形成されている。
背面プラネタリギア43は、平歯の外歯車としてプラネタリシャフト本体41とは各別に形成されている。また、プラネタリシャフト本体41の背面側シャフト41Rが軸受孔43Hに挿入されることによりプラネタリシャフト本体41に組み付けられる。また、プラネタリシャフト本体41に組み付けられた状態において、自身の中心線がプラネタリシャフト本体41の中心線と整合するように構成されている。
プラネタリシャフト本体41に対する背面プラネタリギア43の組み付け態様について、本実施形態では背面プラネタリギア43がプラネタリシャフト本体41に対して相対的に回転できるようにすきまばめを採用している。なお、プラネタリシャフト本体41と背面プラネタリギア43との相対的な回転を得るための組み付け態様として、すきまばめ以外の組み付け態様を採用することもできる。
プラネタリシャフト4において、前面プラネタリギア42及び背面プラネタリギア43は同一形状の歯車として構成されている。すなわち、前面プラネタリギア42及び背面プラネタリギア43の諸元(基準ピッチ円直径や歯数等)が互いに等しい値に設定されている。
〔4〕「各構成要素の関係」
図6〜図9を参照して、回転直線運動変換機構1における各構成要素の関係について説明する。なお、ここでは9本のプラネタリシャフト4が備えられている構造の回転直線運動変換機構1を例示しているが、プラネタリシャフト4の配置数は適宜変更することができる。
・図6は、サンシャフト3の中心線に沿った回転直線運動変換機構1の断面構造を示す。
・図7は、図6のDA−DA線に沿った回転直線運動変換機構1の断面構造を示す。
・図8は、図6のDB−DB線に沿った回転直線運動変換機構1の断面構造を示す。
・図9は、図6のDC−DC線に沿った回転直線運動変換機構1の断面構造を示す。
回転直線運動変換機構1においては、各構成要素の動作が次のように許容または制限されている。
(a)リングシャフト2について、リングシャフト本体21と前面リングギア22及び背面リングギア23との相対的な回転が不能にされている。また、リングシャフト本体21と前面カラー51及び背面カラー52との相対的な回転が不能にされている。
(b)サンシャフト3について、サンシャフト本体31と背面サンギア33との相対的な回転が不能にされている。
(c)プラネタリシャフト4について、プラネタリシャフト本体41と背面プラネタリギア43との相対的な回転が許容されている。
回転直線運動変換機構1においては、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4とのねじ及びギアの噛み合いを通じて、これら各構成要素の間で次のように力の伝達が行われる。
リングシャフト2及び各プラネタリシャフト4においては、リングシャフト本体21の雌ねじ24と各プラネタリシャフト本体41の雄ねじ44とが噛み合わされる。また、リングシャフト本体21の前面リングギア22と各プラネタリシャフト本体41の前面プラネタリギア42とが噛み合わされる。また、リングシャフト本体21の背面リングギア23と各プラネタリシャフト本体41の背面プラネタリギア43とが噛み合わされる。
これにより、リングシャフト2及び各プラネタリシャフト4の一方に回転運動が入力されたときには、雌ねじ24と雄ねじ44との噛み合い、前面リングギア22と前面プラネタリギア42との噛み合い、及び背面リングギア23と背面プラネタリギア43との噛み合いを通じて、リングシャフト2及び各プラネタリシャフト4の他方に力が伝達される。
サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4においては、サンシャフト本体31の雄ねじ34と各プラネタリシャフト本体41の雄ねじ44とが噛み合わされる。また、サンシャフト本体31の前面サンギア32と各プラネタリシャフト本体41の前面プラネタリギア42とが噛み合わされる。また、サンシャフト本体31の背面サンギア33と各プラネタリシャフト本体41の背面プラネタリギア43とが噛み合わされる。
これにより、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4の一方に回転運動が入力されたときには、雄ねじ34と雄ねじ44との噛み合い、前面サンギア32と前面プラネタリギア42との噛み合い、及び背面サンギア33と背面プラネタリギア43との噛み合いを通じて、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4の他方に力が伝達される。
このように、回転直線運動変換機構1は、リングシャフト2の雌ねじ24とサンシャフト3の雄ねじ34と各プラネタリシャフト4の雄ねじ44とにより構成される減速機構、前面リングギア22と前面サンギア32と各前面プラネタリギア42とにより構成される減速機構、及び背面リングギア23と背面サンギア33と各背面プラネタリギア43とにより構成される減速機構とを備えて構成されている。
<回転直線運動変換機構の動作態様>
回転直線運動変換機構1においては、各ギアの歯数及び各ねじの条数の設定態様に基づいて、回転運動を直線運動に変換するための動作方式(運動変換方式)が決定される。すなわち、運動変換方式として、リングシャフト2の回転運動によりサンシャフト3を直線運動させる太陽軸変位方式と、サンシャフト3の回転運動によりリングシャフト2を直線運動させる円環軸変位方式とのいずれかを選択することができる。以下、各運動変換方式における回転直線運動変換機構1の動作態様について説明する。
(A)運動変換方式として太陽軸変位方式が採用されている場合においては、次のように回転運動から直線運動への変換が行われる。すなわち、リングシャフト2に回転運動を入力したとき、前面リングギア22と各前面プラネタリギア42との噛み合い、背面リングギア23と各背面プラネタリギア43との噛み合い、及び雌ねじ24と各雄ねじ44との噛み合いを通じて、リングシャフト2から各プラネタリシャフト4に力が伝達されることにより、各プラネタリシャフト4がサンシャフト3のまわりにおいて自転しつつ公転する。そして、このプラネタリシャフト4の遊星運動にともない、各前面プラネタリギア42と前面サンギア32との噛み合い、各背面プラネタリギア43と背面サンギア33との噛み合い、及び各雄ねじ44と雄ねじ34との噛み合いを通じて各プラネタリシャフト4からサンシャフト3に力が伝達されることにより、サンシャフト3が軸方向へ変位する。
(B)運動変換方式として円環軸変位方式が採用されている場合においては、次のように回転運動から直線運動への変換が行われる。すなわち、サンシャフト3に回転運動を入力したとき、前面サンギア32と各前面プラネタリギア42との噛み合い、背面サンギア33と各背面プラネタリギア43との噛み合い、及び雄ねじ34と各雄ねじ44との噛み合いを通じて、サンシャフト3から各プラネタリシャフト4に力が伝達されることにより、各プラネタリシャフト4がサンシャフト3のまわりにおいて自転しつつ公転する。そして、このプラネタリシャフト4の遊星運動にともない、各前面プラネタリギア42と前面リングギア22との噛み合い、各背面プラネタリギア43と背面リングギア23との噛み合い、及び各雄ねじ44と雌ねじ24との噛み合いを通じて各プラネタリシャフト4からリングシャフト2に力が伝達されることにより、リングシャフト2が軸方向へ変位する。
<回転直線運動変換機構の製造方法>
図10〜図20を参照して、回転直線運動変換機構の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法においては、以下に示す工程A〜工程Jを含めて回転直線運動変換機構1の製造が行われる。なお、ここでは9本のプラネタリシャフト4を備える回転直線運動変換機構1を想定している。
[工程A(図10)]リングシャフト本体21、サンシャフト本体31、プラネタリシャフト本体41、前面リングギア22、背面リングギア23、背面サンギア33及び背面プラネタリギア43の各構成要素を洗浄する。
[工程B(図11)]着磁装置71によりサンシャフト本体31を磁化させる。
[工程C(図12)]サンシャフト本体31を基本治具61に取り付ける。
図13を参照して、基本治具61の構造について説明する。
・図13(A)は、基本治具61の正面構造を示す。
・図13(B)は、DD−DD線に沿った基本治具61の断面構造を示す。
基本治具61は、サンシャフト本体31を固定するための太陽治具62とプラネタリシャフト本体41の前面側シャフト41Fを支持するための遊星治具63とを備えて構成されている。すなわち、回転直線運動変換機構1に備えられるプラネタリシャフト4の数と同じ数の遊星治具63が太陽治具62と一体に形成されている。
太陽治具62は、挿入孔62Hにサンシャフト本体31を挿入した状態において自身の中心線(挿入孔62Hの中心線)がサンシャフト本体31の中心線と整合するように構成されている。各遊星治具63は、それぞれの中心線が挿入孔62Hの中心線まわりにおいて等間隔となるように構成されている。太陽治具62及び各遊星治具63は、それぞれの中心線が互いに平行となるように構成されている。各遊星治具63の先端部には、プラネタリシャフト本体41の前面側シャフト41Fの形状に対応した支持穴63Hが形成されている。
各プラネタリシャフト本体41は、自身の中心線と遊星治具63の中心線とが整合する状態で前面側シャフト41Fが支持穴63Hにはめ込まれたとき、平行姿勢の状態でサンシャフト本体31のまわりにおいて等間隔に配置されるようになる。
工程Cにおいては、具体的には次の(a)及び(b)の作業を通じてサンシャフト本体31を基本治具61に取り付ける。
(a):サンシャフト本体31において前面サンギア32よりも前面側に位置する部位を太陽治具62に挿入する。
(b):サンシャフト本体31を太陽治具62に固定する。
[工程D(図14)]サンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41との組み合わせにより構成される集合体(第1アッセンブリ91(第1集合体))を組み立てる。すなわち、サンシャフト本体31に対して各プラネタリシャフト本体41を組み付けることにより第1アッセンブリ91を組み立てる。具体的には、第1アッセンブリ91を組み立てるための作業及びそれに付随する作業として次の(a)及び(b)の作業を行う。
(a):プラネタリシャフト本体41の中心線が遊星治具63の中心線と整合するように、すなわちプラネタリシャフト本体41が平行姿勢の状態でサンシャフト本体31に吸着されるように、各プラネタリシャフト本体41の前面側シャフト41Fを遊星治具63に取り付ける。
(b):上記(a)の作業にあわせて、サンシャフト本体31の雄ねじ34と各プラネタリシャフト本体41の雄ねじ44とを噛み合わせるとともに前面サンギア32と各前面プラネタリギア42とを噛み合わせる。
[工程E(図15)]第1アッセンブリ91と前面リングギア22との組み合わせにより構成される集合体(第2アッセンブリ92)を組み立てる。すなわち、第1アッセンブリ91に対して前面リングギア22を組み付けることにより第2アッセンブリ92を組み立てる。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて第2アッセンブリ92の組み立てを行う。
(a):第1アッセンブリ91の背面側においてサンシャフト本体31の中心線と自身の中心線とが整合する位置に前面リングギア22を配置する。
(b):前面リングギア22と各前面プラネタリギア42とを噛み合わせる。
[工程F(図16)]第2アッセンブリ92とリングシャフト本体21との組み合わせにより構成される集合体(第3アッセンブリ93(第2集合体))を組み立てる。すなわち、第2アッセンブリ92に対してリングシャフト本体21を組み付けることにより第3アッセンブリ93を組み立てる。具体的には、次の(a)〜(c)の作業を通じて第3アッセンブリ93の組み立てを行う。
(a):第2アッセンブリ92の背面側においてサンシャフト本体31の中心線と自身の中心線とが整合する位置にリングシャフト本体21を配置する。
(b):リングシャフト本体21の雌ねじ24を各プラネタリシャフト本体41の雄ねじ44に噛み合わせて所定の位置までねじ込む。
(c):前面リングギア22を本体ギア部21Bに圧入することによりリングシャフト本体21に固定する。
[工程G(図17)]背面リングギア23と背面サンギア33と各背面プラネタリギア43との組み合わせにより構成される集合体(ギアアッセンブリ99)を組み立てる。具体的には、ギアアッセンブリ99を組み立てるための作業及びそれに付随する作業として次の(a)及び(b)の作業を行う。
(a):背面リングギア23、背面サンギア33及び各背面プラネタリギア43を歯車治具64の対応する位置に取り付ける。すなわち、歯車治具64上において、背面リングギア23及び背面サンギア33と各背面プラネタリギア43とを噛み合わせる。この作業を通じて、背面リングギア23の中心線と背面サンギア33の中心線とが整合した状態かつ各背面プラネタリギア43の中心線が背面サンギア33の中心線に対して平行となる状態でギアアッセンブリ99が組み立てられる。
(b):ギアアッセンブリ99を歯車治具64から取り外した後、背面リングギア23及び背面サンギア33の中心線が第3アッセンブリ93のリングシャフト本体21の中心線と整合する位置にギアアッセンブリ99を移動する。この作業を通じて、背面リングギア23及び背面サンギア33が整合姿勢に保持されるとともに各背面プラネタリギア43が平行姿勢に保持される。
[工程H(図18)]第3アッセンブリ93とギアアッセンブリ99との組み合わせにより構成される集合体(第4アッセンブリ94(第3集合体))を組み立てる。すなわち、第3アッセンブリ93に対してギアアッセンブリ99を組み付けることにより第4アッセンブリ94を組み立てる。具体的には、次の(a)〜(c)の作業を通じて第4アッセンブリ94の組み立てを行う。
(a):ギアアッセンブリ99の各背面プラネタリギア43を対応するプラネタリシャフト本体41の背面側シャフト41Rに取り付ける。
(b):背面リングギア23をリングシャフト本体21の本体ギア部21Cにはめ合わせた後、リングシャフト本体21に圧入する。
(c):背面サンギア33をサンシャフト本体31の本体ギア部31Cにはめ合わせた後、サンシャフト本体31に圧入する。
[工程I(図19)]脱磁装置72により第4アッセンブリ94のサンシャフト本体31を消磁させる。
[工程J(図20)]第4アッセンブリ94と前面カラー51及び背面カラー52との組み合わせにより構成される集合体(回転直線運動変換機構1)を組み立てる。すなわち、第4アッセンブリ94に対して前面カラー51及び背面カラー52を組み付けることにより回転直線運動変換機構1を組み立てる。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて回転直線運動変換機構1の組み立てを行う。
(a):前面カラー51にOリング53を装着した後、リングシャフト本体21の本体ギア部21Bに前面カラー51を取り付ける。
(b):背面カラー52にOリング53を装着した後、リングシャフト本体21の本体ギア部21Cに背面カラー52を取り付ける。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第1実施形態にかかる回転直線運動変換機構の製造方法によれば、以下に示すような効果が得られるようになる。
(1)回転直線運動変換機構1においては、リングシャフト2、サンシャフト3及び各プラネタリシャフト4のねじの条数が異なる値に設定されるため、リングシャフト2の雌ねじ24及びサンシャフト3の雄ねじ34と各プラネタリシャフト4の雄ねじ44とが噛み合わされたときにこれらねじの間にバックラッシが形成される。また、このバックラッシの大きさは各ねじの条数の設定態様に応じて異なる。こうしたことから、回転直線運動変換機構1の製造過程において各構成要素の組み合わせにともないプラネタリシャフト本体41に力が加えられたとき、プラネタリシャフト本体41が上記バックラッシをうめる方向へ動かされることによりプラネタリシャフト本体41が平行姿勢に対して傾いた状態で回転直線運動変換機構1が組み立てられることもある。
例えば、回転直線運動変換機構1の製造に際して、本実施形態のようにサンシャフト本体31と各プラネタリシャフト本体41とを組み合わせた後にリングシャフト本体21を各プラネタリシャフト本体41に組み付ける場合には、次のようにプラネタリシャフト本体41の傾きが生じる。すなわち、リングシャフト本体21の雌ねじ24を各プラネタリシャフト本体41の雄ねじ44に噛み合わせるとき、リングシャフト本体21から各プラネタリシャフト本体41に力が加えられることによりプラネタリシャフト本体41が上記バックラッシをうめる方向へ動かされるため、プラネタリシャフト本体41の傾きが生じるようになる。
この点、本実施形態の製造方法では、サンシャフト本体31の磁化を通じて各プラネタリシャフト本体41をサンシャフト本体31に固定した状態で第3アッセンブリ93を組み立てるようにしているため、リングシャフト本体21を第2アッセンブリ92に組み付けるときに各プラネタリシャフト本体41が一定の姿勢(平行姿勢)に保持されるようになる。これにより、プラネタリシャフト4が傾いた状態で回転直線運動変換機構1が組み立てられることを抑制することができるようになる。
(2)本実施形態の製造方法では、サンシャフト本体31の磁化を通じて各プラネタリシャフト本体41の姿勢を拘束するようにしているため、上述したリテーナを使用する製造方法とは異なり、回転直線運動変換機構1に配置されるプラネタリシャフト4の配置個数にかかわらず各プラネタリシャフト4の傾きを抑制することが可能となる。このように、本実施形態の製造方法によれば、回転直線運動変換機構1のより多様な構造に対応してプラネタリシャフト4の傾きを抑制することができるようになる。
(3)回転直線運動変換機構1においては、プラネタリシャフト4が平行姿勢に対して傾いているとき、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間においてねじの噛み合いが不均一になるため、局部的にねじの摩耗が促進することにより寿命の低下をまねくようになる。また、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間におけるフリクションが増大するため、回転運動から直線運動への変換効率の低下をまねくようにもなる。
この点、本実施形態の製造方法によれば、回転直線運動変換機構1の組み立てにともなうプラネタリシャフト本体41の傾きが抑制されるため、回転直線運動変換機構1の寿命の向上及び回転運動から直線運動への変換効率の向上を図ることができるようになる。
(4)回転直線運動変換機構1の製造過程において、第3アッセンブリ93のプラネタリシャフト本体41が平行姿勢に対して過度に傾いている場合、ギアアッセンブリ99の各背面プラネタリギア43をプラネタリシャフト本体41の背面側シャフト41Rに組み付けることができなくなる。すなわち、ギアアッセンブリ99を第3アッセンブリ93に組み付けることができなくなる。こうした事態が生じた場合には、組み付け作業が一時的に中断されるため、生産性の低下をまねくようになる。
この点、本実施形態の製造方法によれば、サンシャフト本体31の磁化を通じて各プラネタリシャフト本体41を平行姿勢に保持した状態で第3アッセンブリ93とギアアッセンブリ99とを組み合わせるようにしているため、ギアアッセンブリ99が的確に第3アッセンブリ93に組み付けられるようになる。これにより、生産性の低下をまねくことを抑制することができるようになる。
(5)回転直線運動変換機構1の製造過程において、第3アッセンブリ93のプラネタリシャフト本体41が平行姿勢に対して傾いているものの傾き度合いが比較的小さい場合には、ギアアッセンブリ99の各背面プラネタリギア43をプラネタリシャフト本体41の背面側シャフト41Rに組み付けることが可能となる。しかし、この場合には新たに次のような問題が生じる。すなわち、各背面プラネタリギア43がプラネタリシャフト本体41の姿勢に追従して傾いた状態で背面側シャフト41Rに組み付けられるため、各背面プラネタリギア43が平行姿勢に対して傾いた状態で背面リングギア23及び背面サンギア33に噛み合わされるようになる。これにより、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間においてギアの噛み合いが不均一になるため、局部的にギアの摩耗が促進することにより回転直線運動変換機構1の寿命の低下をまねくようになる。また、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間におけるフリクションが増大するため、回転運動から直線運動への変換効率の低下をまねくようにもなる。
この点、本実施形態の製造方法によれば、サンシャフト本体31の磁化を通じて各プラネタリシャフト本体41を平行姿勢に保持した状態で第3アッセンブリ93とギアアッセンブリ99とを組み合わせるようにしているため、各背面プラネタリギア43が傾いた状態で背面リングギア23及び背面サンギア33と噛み合わされることが抑制されるようになる。これにより、回転直線運動変換機構1の寿命の向上及び回転運動から直線運動への変換効率の向上を図ることができるようになる。
(6)リングシャフト本体21の組み付けにともなう各プラネタリシャフト本体41の傾きを抑制する製造方法として、本実施形態の製造方法の他に、第1アッセンブリ91または第2アッセンブリ92の各プラネタリシャフト本体41の両端を治具により支持する製造方法が考えられる。ここで、こうした治具の一例として、各プラネタリシャフト本体41の前面側シャフト41Fを一括して支持するリテーナと各プラネタリシャフト本体41の背面側シャフト41Rを一括して支持するリテーナとこれら各リテーナを連結する複数のシャフトとにより構成される治具を想定する。
この治具を用いた製造方法によれば、治具を装着した状態で第2アッセンブリ92にリングシャフト本体21を組み付けることにより各プラネタリシャフト本体41の傾きを抑制することができるものの、各プラネタリシャフト本体41に背面プラネタリギア43を組み付けるとき(第3アッセンブリ93に対してギアアッセンブリ99を組み付ける工程に相当)、背面側シャフト41Rに装着されたリテーナを各プラネタリシャフト本体41から取り外す必要がある。すなわち、前面リングギア22及び前面サンギア32と各前面プラネタリギア42とが噛み合わされた状態かつ背面リングギア23及び背面サンギア33と各背面プラネタリギア43とが噛み合わされた状態のアッセンブリ(基準アッセンブリ(本実施形態の第4アッセンブリ94に相当))を組み立てる前にリテーナを取り外す必要が生じる。
このように、上記製造方法においては、各プラネタリシャフト本体41の背面プラネタリギア43が対応するギアと噛み合わされていない状態でリテーナが取り外されるため、背面プラネタリギア43の組み付けに際してプラネタリシャフト本体41の傾きが生じることもある。ちなみに、回転直線運動変換機構1においては、上記各ねじの間のバックラッシに起因してねじの噛み合いだけではプラネタリシャフト本体41の姿勢が十分に拘束されないこともある。このとき、上記基準アッセンブリ(本実施形態においては第4アッセンブリ94)の組み立て前にリテーナが取り外されることにより、プラネタリシャフト本体41の傾きが生じるようになる。一方で、基準アッセンブリにおいてはプラネタリシャフト本体41の両端部が各ギアの噛み合いにより拘束されるため、治具等を通じてプラネタリシャフト本体41の姿勢を拘束しなくともプラネタリシャフト本体41の傾きが抑制されるようになる。
上記製造方法に対して、本実施形態の製造方法ではサンシャフト本体31の磁化を通じて各プラネタリシャフト本体41を拘束することにより、各プラネタリシャフト本体41が両端部のギアの噛み合いを通じて拘束されていない状態においても各プラネタリシャフト本体41を平行姿勢に保持することができるようにしている。従って、各プラネタリシャフト本体41に背面プラネタリギア43を組み付ける際に生じるプラネタリシャフト本体41の傾きを好適に抑制することができるようになる。
(7)本実施形態の製造方法では、サンシャフト本体31を消磁させて回転直線運動変換機構1の組み立てを行うようにしている。これにより、サンシャフト本体31に異物が吸着されることに起因して回転直線運動変換機構1の動作不良をまねくことを抑制することができるようになる。
(8)回転直線運動変換機構1の製造過程において、基準アッセンブリ(本実施形態においては第4アッセンブリ94)が組み立てられる前にサンシャフト本体31の消磁が行われた場合には次のようなことが問題となる。この場合、各プラネタリシャフト本体41の両端部がギアの噛み合いを通じて拘束されていない状態で各プラネタリシャフト本体41がサンシャフト本体31に吸着されなくなるため、サンシャフト本体31の消磁にともなってプラネタリシャフト本体41の傾きが生じることもある。
この点、本実施形態の製造方法では各リングギア22,23及び各サンギア32,33と各プラネタリギア42,43との噛み合わせを通じてプラネタリシャフト本体41の姿勢が拘束された後にサンシャフト本体31の消磁を行うようにしているため、プラネタリシャフト本体41の傾きを好適に抑制することができるようになる。
<実施形態の変更例>
なお、上記第1実施形態は、例えば以下に示すように変更して実施することもできる。
・上記第1実施形態においては、各構成要素と組み合わせる前のサンシャフト本体31を磁化する製造方法を採用したが、第3アッセンブリ93の組み立て前において第1アッセンブリ91または第2アッセンブリ92のサンシャフト本体31を磁化させる製造方法に変更することもできる。なお、この場合には、第1アッセンブリ91または第2アッセンブリ92において別途の治具により各プラネタリシャフト本体41が平行姿勢に保持された状態でサンシャフト本体31の磁化が行われる。
・上記第1実施形態においては、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間でねじ及びギアの噛み合いを通じて力の伝達が行われる構造の回転直線運動変換機構1に対して本発明の製造方法を適用したが、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間でねじの噛み合いのみにより力の伝達が行われる構造の回転直線運動変換機構に対して本発明の製造方法を適用することもできる。具体的には、上記第1実施形態の製造方法に対して次の変更を加えることにより、上記回転直線運動変換機構の製造方法として本発明の製造方法を具体化することができる。
(a):工程E、工程G及び工程Hを省略する。
(b):工程Fにおいて、第1アッセンブリ91とリングシャフト本体21との組み合わせにより構成されるアッセンブリを組み立てる。
(c):工程Iにおいて、上記(b)の工程にて組み立てたアッセンブリを消磁させる。
(d):工程Jにおいて、上記(c)の工程を経たアッセンブリと前面カラー51及び背面カラー52との組み合わせにより回転直線運動変換機構1を組み立てる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。
前記第1実施形態では、サンシャフト本体31を磁化させることにより各プラネタリシャフト本体41の姿勢を拘束する製造方法として本発明の製造方法を具体化している。これに対して、本実施形態では、リングシャフト本体21を磁化させることにより各プラネタリシャフト本体41の姿勢を拘束する製造方法として本発明を具体化している。
<回転直線運動変換機構の製造方法>
本実施形態の製造方法は、前記第1実施形態の製造方法を基礎としてその一部を以下のように変更することにより具体化されている。
[工程B]着磁装置71によりリングシャフト本体21を磁化させる。
[工程C]リングシャフト本体21をリング用治具に取り付ける。なお、リング用治具は前記第1実施形態の基本治具61に準じた構造の治具として構成されている。すなわち、リングシャフト本体21を固定するための太陽治具と各プラネタリシャフト本体41の端部を支持するための遊星治具とを備えて構成されている。これにより、リングシャフト本体21がリング用治具の太陽治具に固定された状態において、プラネタリシャフト本体41の中心線と遊星治具の中心線とが整合する状態で各プラネタリシャフト本体41の一方の端部が対応する遊星治具に取り付けられたとき、各プラネタリシャフト本体41が平行姿勢の状態でリングシャフト本体21の中心線まわりにおいて等間隔に配置される。
[工程D]リングシャフト本体21と各プラネタリシャフト本体41との組み合わせにより構成される集合体(第5アッセンブリ)を組み立てる。すなわち、リングシャフト本体21に対して各プラネタリシャフト本体41を組み付けることにより第5アッセンブリを組み立てる。具体的には、第5アッセンブリを組み立てるための作業及びそれに付随する作業として次の(a)及び(b)の作業を行う。
(a):プラネタリシャフト本体41の中心線がリング用治具の遊星治具の中心線と整合するように、すなわちプラネタリシャフト本体41が平行姿勢の状態でリングシャフト本体21に吸着されるように、各プラネタリシャフト本体41の前面側シャフト41Fを遊星治具に取り付ける。
(b):上記(a)の作業にあわせて、リングシャフト本体21の雌ねじ24と各プラネタリシャフト本体41の雄ねじ44とを噛み合わせるとともに前面リングギア22と各前面プラネタリギア42とを噛み合わせる。
[工程E]第5アッセンブリと前面リングギア22との組み合わせにより構成される集合体(第6アッセンブリ)を組み立てる。すなわち、第5アッセンブリに対して前面リングギア22を組み付けることにより第6アッセンブリを組み立てる。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて、第6アッセンブリの組み立てを行う。
(a):第5アッセンブリの背面側においてリングシャフト本体21の中心線と自身の中心線とが整合する位置に前面リングギア22を配置する。
(b):前面リングギア22と各前面プラネタリギア42とを噛み合わせる。
(c):前面リングギア22を本体ギア部21Bに圧入することによりリングシャフト本体21に固定する。
[工程F]第6アッセンブリとサンシャフト本体31との組み合わせにより構成される集合体(第7アッセンブリ)を組み立てる。すなわち、第6アッセンブリに対してサンシャフト本体31を組み付けることにより第7アッセンブリを組み立てる。具体的には、次の(a)及び(b)の作業を通じて第7アッセンブリの組み立てを行う。
(a):第6アッセンブリの背面側においてリングシャフト本体21の中心線と自身の中心線とが整合する位置にサンシャフト本体31を配置する。
(b):サンシャフト本体31の雄ねじ34を各プラネタリシャフト本体41の雄ねじ44に噛み合わせて所定の位置までねじ込む。
[工程G]背面リングギア23と背面サンギア33と各背面プラネタリギア43とを組み合わせることによりギアアッセンブリ99を組み立てる。
[工程H]第7アッセンブリとギアアッセンブリ99との組み合わせにより構成される集合体(第8アッセンブリ)を組み立てる。すなわち、第7アッセンブリに対してギアアッセンブリ99を組み付けることにより、第8アッセンブリを組み立てる。
[工程I]脱磁装置72により第8アッセンブリのリングシャフト本体21を消磁させる。
[工程J]第8アッセンブリと前面カラー51及び背面カラー52との組み合わせにより構成される集合体(回転直線運動変換機構1)を組み立てる。すなわち、第8アッセンブリに対して前面カラー51及び背面カラー52を組み付けることにより回転直線運動変換機構1を組み立てる。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第2実施形態にかかる回転直線運動変換機構の製造方法によれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(8)の効果に準じた効果が得られるようになる。
<実施形態の変更例>
なお、上記第2実施形態は、例えば以下に示すように変更して実施することもできる。
・上記第2実施形態においては、各構成要素と組み合わせる前のリングシャフト本体21を磁化する製造方法を採用したが、第7アッセンブリの組み立て前において第5アッセンブリまたは第6アッセンブリのリングシャフト本体21を磁化させる製造方法に変更することもできる。なお、この場合には、第5アッセンブリまたは第6アッセンブリにおいて別途の治具により各プラネタリシャフト本体41が平行姿勢に保持された状態でリングシャフト本体21の磁化が行われる。
・上記第2実施形態においては、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間でねじ及びギアの噛み合いを通じて力の伝達が行われる構造の回転直線運動変換機構1に対して本発明の製造方法を適用したが、リングシャフト2及びサンシャフト3と各プラネタリシャフト4との間でねじの噛み合いのみにより力の伝達が行われる構造の回転直線運動変換機構に対して本発明の製造方法を適用することもできる。具体的には、上記第2実施形態の製造方法に対して次の変更を加えることにより、上記回転直線運動変換機構の製造方法として本発明の製造方法を具体化することができる。
(a):工程E、工程G及び工程Hを省略する。
(b):工程Fにおいて、第5アッセンブリとサンシャフト本体31との組み合わせにより構成されるアッセンブリを組み立てる。
(c):工程Iにおいて、上記(b)の工程にて組み立てたアッセンブリを消磁させる。
(d):工程Jにおいて、上記(c)の工程を経たアッセンブリと前面カラー51及び背面カラー52との組み合わせにより回転直線運動変換機構1を組み立てる。
(その他の実施形態)
その他、上記各実施形態に共通して変更することができる要素を以下に示す。
・上記各実施形態では、第3アッセンブリ93とギアアッセンブリ99との組み合わせを通じて第4アッセンブリ94を組み立てるようにしたが、第4アッセンブリ94の組み立て手順を例えば次の(A)〜(C)のいずれかに変更することもできる。
(A)背面リングギア23、背面サンギア33及び各背面プラネタリギア43を個別に第3アッセンブリ93に組み付けることにより、第4アッセンブリ94を組み立てる。
(B)背面リングギア23と各背面プラネタリギア43との組み合わせにより構成されるアッセンブリと背面サンギア33とを個別に第3アッセンブリ93に組み付けることにより、第4アッセンブリ94を組み立てる。
(C)背面サンギア33と各背面プラネタリギア43との組み合わせにより構成されるアッセンブリと背面リングギア23とを個別に第3アッセンブリ93に組み付けることにより、第4アッセンブリ94を組み立てる。
・本発明の適用対象となる回転直線運動変換機構は、上記各実施形態にて例示した構造の回転直線運動変換機構に限られるものではない。要するに、リングシャフトの雌ねじ及びサンシャフトの雄ねじとプラネタリシャフトの雄ねじとの噛み合いを通じてこれらシャフト間で力の伝達が行われるとともに、リングシャフト及びサンシャフトの一方の回転運動にともなうプラネタリシャフトの遊星運動を通じてリングシャフト及びサンシャフトの他方を直線運動させる回転直線運動変換機構であれば、その製造方法として本発明を具体化することができる。
本発明にかかる回転直線運動変換機構の製造方法を具体化した第1実施形態について、回転直線運動変換機構の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、その内部構造を示す斜視図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構を構成するリングシャフトについて、その中心線に沿った断面構造を示す断面図。(B)同リングシャフトについて、その一部を分解した状態の断面構造を示す断面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構を構成するサンシャフトについて、その正面構造を示す正面図。(B)同サンシャフトについて、その一部を分解した状態の正面構造を示す正面図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構を構成するプラネタリシャフトについて、その正面構造を示す正面図。(B)同プラネタリシャフトについて、その一部を分解した状態の正面構造を示す正面図。(C)同プラネタリシャフトを構成する背面プラネタリギアについて、その中心線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、その中心線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、図6のDA−DA線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、図6のDB−DB線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、図6のDC−DC線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Aにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Bにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Cにおける作業態様を示す工程図。 (A)同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法において使用される基本治具について、その正面構造を示す正面図。(B)同基本治具について、図13(A)のDD−DD線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Dにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Eにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Fにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Gにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Hにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Iにおける作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、工程Jにおける作業態様を示す工程図。
符号の説明
1…回転直線運動変換機構、2…リングシャフト、21…リングシャフト本体、21A…本体ねじ部、21B…本体ギア部、21C…本体ギア部、22…前面リングギア、23…背面リングギア、24…雌ねじ、3…サンシャフト、31…サンシャフト本体、31A…本体ねじ部、31B…本体ギア部、31C…本体ギア部、32…前面サンギア、33…背面サンギア、34…雄ねじ、4…プラネタリシャフト、41…プラネタリシャフト本体、41A…本体ねじ部、41B…本体ギア部、41F…前面側シャフト、41R…背面側シャフト、42…前面プラネタリギア、43…背面プラネタリギア、43H…軸受孔、44…雄ねじ、51…前面カラー、51A…ベアリング、51H…油孔、52…背面カラー、52A…ベアリング、53…Oリング、61…基本治具、62…太陽治具、62H…挿入孔、63…遊星治具、63H…支持穴、64…歯車治具、71…着磁装置、72…脱磁装置、91…第1アッセンブリ、92…第2アッセンブリ、93…第3アッセンブリ、94…第4アッセンブリ、99…ギアアッセンブリ。

Claims (10)

  1. 軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸と該円環軸の内部に配置される太陽軸と該太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸とを備えること、
    前記円環軸が、雌ねじを有する円環軸本体を含めて構成されること、
    前記太陽軸が、雄ねじを有する太陽軸本体を含めて構成されること、
    前記遊星軸が、雄ねじを有する遊星軸本体を含めて構成されること、
    前記円環軸本体の雌ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、
    前記太陽軸本体の雄ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、
    並びに、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方が直線運動すること
    を要件として構成される回転直線運動変換機構について、
    次の第1工程、第2工程及び第3工程を含めてその製造を行う
    「前記太陽軸本体を磁化させる第1工程」
    「前記遊星軸本体の中心線が前記太陽軸本体の中心線に対して平行となる前記遊星軸本体の姿勢を基準姿勢とし、前記太陽軸本体と前記遊星軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第1集合体として、前記第1工程を経た後に前記遊星軸本体を前記基準姿勢に保持した状態で該第1集合体を組み立てる第2工程」
    「前記第1集合体と前記円環軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第2集合体として、前記太陽軸本体が磁化された状態で該第2集合体を組み立てる第3工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  2. 軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸と該円環軸の内部に配置される太陽軸と該太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸とを備えること、
    前記円環軸が、雌ねじを有する円環軸本体を含めて構成されること、
    前記太陽軸が、雄ねじを有する太陽軸本体を含めて構成されること、
    前記遊星軸が、雄ねじを有する遊星軸本体を含めて構成されること、
    前記円環軸本体の雌ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、
    前記太陽軸本体の雄ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、
    並びに、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方が直線運動すること
    を要件として構成される回転直線運動変換機構について、
    次の第1工程、第2工程及び第3工程を含めてその製造を行う
    「前記遊星軸本体の中心線が前記太陽軸本体の中心線に対して平行となる前記遊星軸本体の姿勢を基準姿勢として、前記太陽軸本体と前記遊星軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第1集合体として、前記遊星軸本体を前記基準姿勢に保持した状態で該第1集合体を組み立てる第1工程」
    「前記第1集合体の前記太陽軸本体を磁化させる第2工程」
    「前記第1集合体と前記円環軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第2集合体として、前記太陽軸本体が磁化された状態で該第2集合体を組み立てる第3工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記円環軸が、前記円環軸本体と内歯の円環歯車とを含めて構成されること、
    前記太陽軸が、前記太陽軸本体と外歯の太陽歯車とを含めて構成されること、
    前記遊星軸が、前記遊星軸本体と外歯の遊星歯車とを含めて構成されること、
    前記円環歯車として、前記円環軸本体の一方の端部に設けられる第1円環歯車と前記円環軸本体の他方の端部に設けられる第2円環歯車とを備えること、
    前記太陽歯車として、前記太陽軸本体の一方の端部に設けられる第1太陽歯車と前記太陽軸本体の他方の端部に設けられる第2太陽歯車とを備えること、
    前記遊星歯車として、前記遊星軸本体の一方の端部に設けられる第1遊星歯車と前記遊星軸本体の他方の端部に設けられる第2遊星歯車とを備えること、
    前記第1円環歯車が前記円環軸本体とは各別に形成されること、
    前記第2太陽歯車が前記太陽軸本体とは各別に形成されること、
    前記第2遊星歯車が前記遊星軸本体とは各別に形成されること、
    前記第1円環歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合うこと、
    前記第2円環歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合うこと、
    前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合うこと、
    前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合うこと
    を要件として構成される前記回転直線運動変換機構について、
    次の第4工程を含めてその製造を行う
    「前記第2集合体と前記第2遊星歯車との組み合わせにより構成される集合体を第3集合体として、前記太陽軸本体が磁化された状態で該第3集合体を組み立てる第4工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    次の第5工程を含めて前記回転直線運動変換機構の製造を行う
    「前記第3工程を経た後に前記太陽軸本体を消磁させる第5工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  5. 請求項3に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    次の第6工程を含めて前記回転直線運動変換機構の製造を行う
    「前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされた状態かつ前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされた状態の前記第3集合体について、前記太陽軸本体を消磁させる第6工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  6. 軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸と該円環軸の内部に配置される太陽軸と該太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸とを備えること、
    前記円環軸が、雌ねじを有する円環軸本体を含めて構成されること、
    前記太陽軸が、雄ねじを有する太陽軸本体を含めて構成されること、
    前記遊星軸が、雄ねじを有する遊星軸本体を含めて構成されること、
    前記円環軸本体の雌ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、
    前記太陽軸本体の雄ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、
    並びに、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方が直線運動すること
    を要件として構成される回転直線運動変換機構について、
    次の第1工程、第2工程及び第3工程を含めてその製造を行う
    「前記円環軸本体を磁化させる第1工程」
    「前記遊星軸本体の中心線が前記円環軸本体の中心線に対して平行となる前記遊星軸本体の姿勢を基準姿勢とし、前記円環軸本体と前記遊星軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第1集合体として、前記第1工程を経た後に前記遊星軸本体を前記基準姿勢に保持した状態で該第1集合体を組み立てる第2工程」
    「前記第1集合体と前記太陽軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第2集合体として、前記円環軸本体が磁化された状態で該第2集合体を組み立てる第3工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  7. 軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸と該円環軸の内部に配置される太陽軸と該太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸とを備えること、
    前記円環軸が、雌ねじを有する円環軸本体を含めて構成されること、
    前記太陽軸が、雄ねじを有する太陽軸本体を含めて構成されること、
    前記遊星軸が、雄ねじを有する遊星軸本体を含めて構成されること、
    前記円環軸本体の雌ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、
    前記太陽軸本体の雄ねじと前記遊星軸本体の雄ねじとが噛み合うこと、
    並びに、前記円環軸及び前記太陽軸の一方の回転運動にともなう前記遊星軸の遊星運動を通じて前記円環軸及び前記太陽軸の他方が直線運動すること
    を要件として構成される回転直線運動変換機構について、
    次の第1工程、第2工程及び第3工程を含めてその製造を行う
    「前記遊星軸本体の中心線が前記円環軸本体の中心線に対して平行となる前記遊星軸本体の姿勢を基準姿勢とし、前記円環軸本体と前記遊星軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第1集合体として、前記遊星軸本体を前記基準姿勢に保持した状態で該第1集合体を組み立てる第1工程」
    「前記第1集合体の前記円環軸本体を磁化させる第2工程」
    「前記第1集合体と前記太陽軸本体との組み合わせにより構成される集合体を第2集合体として、前記円環軸本体が磁化された状態で該第2集合体を組み立てる第3工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    前記円環軸が、前記円環軸本体と内歯の円環歯車とを含めて構成されること、
    前記太陽軸が、前記太陽軸本体と外歯の太陽歯車とを含めて構成されること、
    前記遊星軸が、前記遊星軸本体と外歯の遊星歯車とを含めて構成されること、
    前記円環歯車として、前記円環軸本体の一方の端部に設けられる第1円環歯車と前記円環軸本体の他方の端部に設けられる第2円環歯車とを備えること、
    前記太陽歯車として、前記太陽軸本体の一方の端部に設けられる第1太陽歯車と前記太陽軸本体の他方の端部に設けられる第2太陽歯車とを備えること、
    前記遊星歯車として、前記遊星軸本体の一方の端部に設けられる第1遊星歯車と前記遊星軸本体の他方の端部に設けられる第2遊星歯車とを備えること、
    前記第1円環歯車が前記円環軸本体とは各別に形成されること、
    前記第2太陽歯車が前記太陽軸本体とは各別に形成されること、
    前記第2遊星歯車が前記遊星軸本体とは各別に形成されること、
    前記第1円環歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合うこと、
    前記第2円環歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合うこと、
    前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合うこと、
    前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合うこと
    を要件として構成される前記回転直線運動変換機構について、
    次の第4工程を含めてその製造を行う
    「前記第2集合体と前記第2遊星歯車との組み合わせにより構成される集合体を第3集合体として、前記円環軸本体が磁化された状態で該第3集合体を組み立てる第4工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  9. 請求項6または7に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    次の第5工程を含めて前記回転直線運動変換機構の製造を行う
    「前記第3工程を経た後に前記円環軸本体を消磁させる第5工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  10. 請求項8に記載の回転直線運動変換機構の製造方法において、
    次の第6工程を含めて前記回転直線運動変換機構の製造を行う
    「前記第1円環歯車及び前記第1太陽歯車と前記第1遊星歯車とが噛み合わされた状態かつ前記第2円環歯車及び前記第2太陽歯車と前記第2遊星歯車とが噛み合わされた状態の前記第3集合体について、前記円環軸本体を消磁させる第6工程」
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
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