JP2008002404A - 電磁駆動弁の制御装置 - Google Patents

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Keiji Yotsueda
啓二 四重田
Yasushi Ito
泰志 伊藤
Kazuhiko Shiratani
和彦 白谷
Yoshiro Kato
吉郎 加藤
Masaji Katsumata
正司 勝間田
Yuichiro Hayase
雄一郎 早瀬
Shiro Tanno
史朗 丹野
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Abstract

【課題】電磁駆動弁とピストンとの干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保できる電磁駆動弁の制御装置を提供すること。
【解決手段】電磁駆動弁40を小リフト量と通常リフト量との2種類の開度で開くことができるように設け、ECU80には、電磁駆動弁40が通常リフト量で開弁した際に弁体45とピストン8とが干渉する領域である干渉領域を含むかを判断する干渉判断部87を設ける。これにより、通常は通常リフト量で電磁駆動弁40を開弁して吸気時や排気時の開口面積を大きくすることができ、通常リフト量で開弁した際には干渉領域を含まれる場合には、小リフト量で開弁することにより、電磁駆動弁40の弁体45とピストン8とが干渉することを抑制することができる。この結果、電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁駆動弁の制御装置に関するものである。特に、この発明は、吸気弁と排気弁とがオーバーラップする内燃機関に備えられる電磁駆動弁の制御装置に関するものである。
従来の内燃機関では、運転性能を向上させるために、吸気弁や排気弁の開閉に用いられるカムの回転位相をずらしたり、異なるカムプロファイルを有するカムを複数備えたりするなどして、内燃機関運転中の吸気弁や排気弁の開閉時期を変化させているものがある。さらに、この開閉時期を内燃機関の運転状態に応じて任意に、且つ、適切に設定して、より高性能化を図れるように、従来の内燃機関では、吸気弁や排気弁、即ち吸排気弁に電磁駆動弁を用いているものがある。この電磁駆動弁は、駆動電流を印加することに作動するため、内燃機関の運転状態に応じて駆動電流を印加することにより開弁や閉弁することができるので、より確実に任意の開閉時期で開閉させることができ、より確実に内燃機関の運転状態に適した開閉時期にすることができる。
例えば、特許文献1に記載の電磁バルブ駆動装置付きエンジンでは、内燃機関、即ちエンジンの回転数とクランク角度とを検出し、検出した回転数とクランク角度とにより、エンジン回転数に応じたバルブリフト量とバルブタイミングで電磁駆動弁を作動させている。これにより、より確実にエンジンの運転状況に応じた吸排気を行なうことができ、運転性能の向上を図ることができる。
特開平2−294507号公報
しかしながら、吸排気弁に電磁駆動弁が用いられている場合には、電磁駆動弁はピストンに機械的に接続されていないため、ピストンの位置に関係なく開閉することができる。このため、ピストンが上死点に位置した際に電磁駆動弁が開弁した場合には、これらが干渉する虞がある。また、内燃機関の運転性能を向上させる場合には、吸排気時の開口面積を大きくするのが好ましいが、開口面積を大きくする、即ち、開度を大きくして開弁する場合、ピストンが上死点付近に位置した際に、ピストンと吸排気弁とは、より干渉し易くなる虞がある。また、吸排気弁の開弁時の開度を、吸排気弁とピストンとが干渉しない程度の開度にした場合には、内燃機関運転時の吸排気の効率が低下し、運転性能を向上させるのが困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電磁駆動弁とピストンとの干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保できる電磁駆動弁の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、往復運動が可能なピストンが内設された気筒を有すると共に前記ピストンの往復運動に伴い回転運動が可能なクランク軸を有する内燃機関の吸気弁または排気弁の少なくともいずれか一方の弁体が設けられ、且つ、前記弁体を少なくとも開く度合いの異なる2種類の開度で開くことが可能な電磁駆動弁と、前記電磁駆動弁の前記2種類の開度のうち開く度合いが大きい方の前記開度である大開度で前記電磁駆動弁を開弁した際には前記弁体と前記ピストンとが干渉する領域である干渉領域を含むかを判断する干渉判断手段と、前記電磁駆動弁の開弁及び閉弁の制御をすると共に、前記電磁駆動弁を開弁する際に前記干渉領域を含むと前記干渉判断手段で判断した場合には、前記2種類の開度のうち開く度合いが小さい方の前記開度である小開度で前記電磁駆動弁を開弁する制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明では、弁体が吸気弁や排気弁として用いられる電磁駆動弁が大開度で開弁した際には干渉領域を含むと干渉判断手段で判断した場合には、制御手段で電磁駆動弁を小開度で開弁している。これにより、通常は大開度で電磁駆動弁を開弁して吸気時や排気時の開口面積を大きくすることができ、大開度で開弁した際には干渉領域を含まれる場合には、小開度で開弁することにより、電磁駆動弁の弁体とピストンとが干渉することを抑制することができる。この結果、電磁駆動弁とピストンとの干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
また、この発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、前記干渉判断手段は、前記電磁駆動弁の開弁が前記干渉領域を含む開弁であるかを、前記クランク軸の回転角度位置であるクランク角に基づいて判断することを特徴とする。
また、この発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、前記干渉判断手段は、前記電磁駆動弁の開弁が前記干渉領域を含む開弁であるかを、前記電磁駆動弁の作動時期における前記クランク角と、前記電磁駆動弁の開弁が前記干渉領域を含んだ開弁となる境界の前記クランク角である干渉クランク角と、を比較することにより判断することを特徴とする。
また、この発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、さらに、前記クランク軸の回転数を取得する回転数取得手段と、前記回転数取得手段が取得した前記回転数より、前記回転数に応じた前記干渉クランク角を導出する干渉クランク角導出手段と、を備えることを特徴とする。
また、この発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、前記電磁駆動弁は複数設けられていると共に前記複数の電磁駆動弁のうち少なくとも一部の前記電磁駆動弁の前記弁体は前記吸気弁として設けられており、前記制御手段は、前記内燃機関の運転中において閉弁状態の前記吸気弁が前記干渉領域を含む開弁となる作動時期よりも早い時期に開弁する際に、前記小開度で前記吸気弁を開弁することを特徴とする。
また、この発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、さらに、前記内燃機関運転時の負荷を取得する負荷取得手段が備えられており、前記制御手段は、前記負荷取得手段で取得した前記負荷が高負荷である場合には、前記干渉領域における前記吸気弁の開度は前記小開度を維持し、前記干渉領域での開弁後に前記吸気弁の開度を前記大開度にすることを特徴とする。
また、この発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、前記電磁駆動弁は複数設けられていると共に前記複数の電磁駆動弁のうち少なくとも一部の前記電磁駆動弁の前記弁体は前記排気弁として設けられており、前記制御手段は、前記内燃機関の運転中において開弁状態の前記排気弁を閉弁する際に、開弁状態の前記排気弁が前記干渉領域を含んで閉弁する作動時期よりも遅い時期に閉弁する場合に、前記排気弁の開弁状態を前記小開度にすることを特徴とする。
また、この発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、さらに、前記内燃機関運転時の負荷を取得する負荷取得手段が備えられており、前記制御手段は、前記負荷取得手段で取得した前記負荷が高負荷である場合には、前記干渉領域での開弁より前の前記排気弁の開度は前記大開度にし、少なくとも前記干渉領域における前記排気弁の開度は前記小開度にすることを特徴とする。
本発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、電磁駆動弁とピストンとの干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る電磁駆動弁の制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。同図に示す内燃機関1は、複数の気筒5を有しており、各気筒5は、内部に燃焼室15が形成されたシリンダヘッド6及びシリンダブロック7を有している。また、シリンダブロック7の内部には、気筒5内を往復運動可能に設けられたピストン8が内設されており、当該内燃機関1の運転時におけるピストン8の下死点方向には、クランク軸であるクランクシャフト12が設けられている。このように配設されるピストン8とクランクシャフト12とは、コネクティングロッド11によって接続されている。これにより、クランクシャフト12はピストン8の往復運動に伴い回転運動が可能に設けられている。
また、シリンダブロック7には、運転時の内燃機関1を循環して内燃機関1を冷却する冷却水が通る冷却水路18が形成されている。また、シリンダヘッド6は、シリンダブロック7の、当該シリンダブロック7におけるピストン8が上死点に向かう方向側の端部に、ガスケット(図示省略)を介して固定されている。また、クランクシャフト12の近傍には、クランクシャフト12の回転角度位置であるクランク角を検出するクランク角検出センサ31が設けられている。詳しくは、このクランク角は、クランクシャフト12の回転軸を中心とした場合におけるコネクティングロッド11が接続されている部分の回転角度位置となっている。
また、シリンダヘッド6には、点火プラグ25と、電磁駆動弁40とが設けられており、本実施例1に係る電磁駆動弁40の制御装置3は、この電磁駆動弁40を制御可能に設けられている。また、これらの点火プラグ25及び電磁駆動弁40は、複数形成される気筒5のそれぞれの気筒5に設けられている。このうち、電磁駆動弁40には、当該電磁駆動弁40に電流を供給することにより往復運動が可能な弁体45が各電磁駆動弁40に設けられている。また、燃焼室15には吸気通路21と排気通路22とが接続されており、前記電磁駆動弁40は、この吸気通路21側と排気通路22側とに設けられ、吸気通路21側に設けられる電磁駆動弁40は吸気側電磁駆動弁41、排気通路22側に設けられる電磁駆動弁40は排気側電磁駆動弁42となっている。
これらのように設けられる電磁駆動弁40の弁体45のうち、吸気側電磁駆動弁41の弁体45は、往復運動をすることにより吸気通路21と燃焼室15とを連通または遮断するように設けられた吸気弁である吸気バルブ46として設けられている。また、電磁駆動弁40の弁体45のうち、排気側電磁駆動弁42の弁体45は、往復運動をすることにより排気通路22と燃焼室15とを連通または遮断するように設けられた排気弁である排気バルブ47として設けられている。これらの吸気バルブ46及び排気バルブ47は、シリンダヘッド6に設けられた電磁駆動弁40が有しているため、吸気バルブ46及び排気バルブ47は、内燃機関1運転時におけるピストン8の上死点方向に設けられている。
また、点火プラグ25は、吸気側電磁駆動弁41と排気側電磁駆動弁42との間に設けられており、さらに、高電圧をかけた際に放電する点火部26を有し、この点火部26が燃焼室15内に位置するように設けられている。また、吸気通路21には、内燃機関1の運転時に使用される燃料を吸気通路21内に噴射する燃料供給手段であるインジェクタ30が設けられている。
また、電磁駆動弁40には、当該電磁駆動弁40に駆動電流である励磁電流を供給する駆動回路33が接続されている。電磁駆動弁40は、この駆動回路33から供給される励磁電流により作動可能に設けられている。これらのクランク角検出センサ31や駆動回路33は、当該内燃機関1を搭載する車両(図示省略)の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)80に接続されている。
ECU80には、処理部81、記憶部88及び入出力部89が設けられており、これらは互いに接続され、互いに信号の受け渡しが可能になっている。また、ECU80に接続されているクランク角検出センサ31や駆動回路33は、入出力部89に接続されており、入出力部89は、これらのセンサ等との間で信号の入出力を行なう。また、記憶部88には、本発明に係る電磁駆動弁40の制御装置3を制御するコンピュータプログラム、即ち、本発明に係る電磁駆動弁40の制御装置3の制御方法を実現するコンピュータプログラムが格納されている。この記憶部88は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、またはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、或いはこれらの組み合わせにより構成することができる。
また、処理部81は、メモリ(図示省略)及びCPU(Central Processing Unit)(図示省略)により構成されており、少なくとも、電磁駆動弁40の弁体45を作動させ、開弁と閉弁とを切り替える制御をする制御手段である電磁駆動弁制御部82と、クランク角を取得するクランク角取得部83と、内燃機関1の運転中に電磁駆動弁40の弁体45のバルブタイミングを計算するタイミングであるかを判断する計算タイミング判断手段である計算タイミング判断部84と、クランクシャフト12の回転数を取得する回転数取得手段である回転数取得部85と、電磁駆動弁40を作動させる際の計算を行なうバルブ制御計算手段であるバルブ制御計算部86と、電磁駆動弁40を開弁した際に後述する干渉領域を含むかを判断する干渉判断手段である干渉判断部87と、を有している。
当該内燃機関1に設けられる電磁駆動弁40の制御は、クランク角検出センサ31など車両の各部に設けられたセンサ(図示省略)による検出結果に基づいて、処理部81が前記コンピュータプログラムを当該処理部81に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じて駆動回路33に制御信号を送ることにより、電磁駆動弁40を制御する。その際に処理部81は、適宜記憶部88へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、このように電磁駆動弁40の制御装置3を制御する場合には、前記コンピュータプログラムの代わりに、ECU80とは異なる専用のハードウェアによって制御してもよい。
図2は、図1に示す電磁駆動弁の詳細図である。電磁駆動弁40が有する弁体45は、略円柱形に形成された軸であるバルブステム50に連結されており、バルブステム50は、シリンダヘッド6の内部に固定されたバルブガイド51により軸方向に変位可能に保持されている。このバルブステム50には、当該バルブステム50の両端部のうち、弁体45側の端部の反対側に位置する端部付近にロアリテーナ55が保持されている。さらに、このロアリテーナ55が保持されている側のバルブステム50の端部には、非磁性材料によって略円筒形の形状で形成された軸であるアーマチャシャフト52が接続されている。
また、ロアリテーナ55における弁体45側には、螺旋状に形成されたバネ部材であるロアスプリング56が配設されており、ロアリテーナ55に当接している。このロアスプリング56のロアリテーナ55側に位置する端部の反対側の端部、即ち、弁体45側の端部は、シリンダヘッド6に当接している。このロアスプリング56は、ロアリテーナ55に対して、アーマチャシャフト52方向の付勢力を与えており、ロアリテーナ55を介してバルブステム50及びアーマチャシャフト52もロアスプリング56によって同方向の付勢力が与えられている。
また、アーマチャシャフト52の両端部のうち、バルブステム50側に位置する端部の反対側の端部には、アッパリテーナ60が固定されている。さらに、アッパリテーナ60における前記弁体45側の反対側には、螺旋状に形成されたバネ部材であるアッパスプリング61が配設されており、アッパリテーナ60に当接している。
また、このアッパスプリング61の周囲には、その外周を取り巻くように略円筒形の形状で形成されたアッパキャップ65が配設されている。このように円筒形の形状で形成されるアッパキャップ65の両端部のうち、前記弁体45側に位置する端部の反対側の端部には、当該アッパキャップ65に螺合したアジャストボルト66が設けられており、アッパスプリング61は、アッパリテーナ60に当接している側の反対側の端部が、このアジャストボルト66に当接している。このアッパスプリング61は、アッパリテーナ60に対して、ロアリテーナ55方向の付勢力を与えており、アッパリテーナ60を介してアーマチャシャフト52及びバルブステム50もアッパスプリング61によって同方向の付勢力が与えられている。
また、アーマチャシャフト52の外周には、アーマチャ53が接合されている。このアーマチャ53は、軟磁性材料で構成された環状の部材となっている。このアーマチャ53におけるアッパリテーナ60側には、アッパコイル62及びアッパコア63が配設されており、アーマチャ53におけるロアリテーナ55側には、ロアコイル57及びロアコア58が配設されている。これらのアッパコア63及びロアコア58は、共に磁性材料で構成された部材となっている。
また、アッパコア63及びロアコア58は、中央部に貫通孔が形成された略円筒形の形状で形成されており、アーマチャシャフト52は、アッパコア63及びロアコア58に形成された貫通孔を通り、摺動可能に保持されている。また、アッパコイル62及びロアコイル57は、前記駆動回路33(図1参照)に接続されている。この駆動回路33は、ECU80から供給される制御信号に応じてアッパコイル62及びロアコイル57に駆動電流である励磁電流を供給する。
アッパコア63及びロアコア58の外周には、略円筒形の形状で形成された外筒68が配設されている。アッパコア63とロアコア58とは、双方の間に所定の間隔が確保されるように、外筒68により保持されている。また、アッパキャップ65は、アッパコア63におけるロアコア58側の端部の反対側に位置する端部の端面に固定されている。また、アジャストボルト66は、アッパキャップ65に螺合しているので、螺合している部分をねじ込むことによりアッパキャップ65に対する位置を調整することができ、アジャストボルト66に当接しているアッパスプリング61のアッパキャップ65に対する相対的な位置を調整することができる。これにより、アッパスプリング61に当接しているアッパリテーナ60及びアッパリテーナ60が固定されているアーマチャシャフト52を介してアーマチャ53の位置を調整することができ、この調整により、アーマチャ53の中立位置は、アッパコア63とロアコア58との中央に調整される。即ち、アッパコイル62及びロアコイル57に励磁電流を供給していない状態のアーマチャ53の位置が、アッパコア63とロアコア58との中央になるようにアジャストボルト66により調整される。
この実施例1に係る電磁駆動弁40の制御装置3は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。前記内燃機関1の運転は、ピストン8がシリンダブロック7内で往復運動を繰り返すことにより、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程を1つのサイクルとしてこのサイクルを繰り返して運転し、クランクシャフト12が回転する。また、このように内燃機関1を運転する際には、ECU80から制御信号を受けた駆動回路33が電磁駆動弁40に対して励磁電流を供給することにより、電磁駆動弁40を作動させる。この作動は、詳しくは、内燃機関1の運転時には、ECU80の処理部81が有する電磁駆動弁制御部82から制御信号を駆動回路33に対して送信し、制御信号を受けた駆動回路33が電磁駆動弁40のアッパコイル62やロアコイル57に対して励磁電流を供給することにより、電磁駆動弁40を作動させる。
図3は、図1のA部詳細図である。電磁駆動弁40のアッパコア63やロアコア58に励磁電流を与えない、または、アッパコア63とロアコア58とに同程度の励磁電流を与えた状態では、アーマチャシャフト52やバルブステム50は、アッパスプリング61やロアスプリング56の付勢力がつり合う位置に保持される。これにより、アーマチャ53は、アッパコア63とロアコア58との中央に位置し、中立位置となる(図2参照)。このように、アーマチャ53等が中立位置となっている場合には、弁体45は吸気通路21や排気通路22を閉じておらず、小さい開度である小開度で開いた状態、即ち、小リフト量で開いた状態となる。つまり、小リフト状態70の弁体45は、吸気通路21または排気通路22と燃焼室15内とを小さい開口面積で連通させ、ピストン8の方向に若干突出している。
また、ピストン8には、シリンダヘッド6側の面、或いは弁体45に対向する面であるピストン上面9に、弁体45の逃げであるバルブリセス10が形成されている。このバルブリセス10は、ピストン8が上死点に位置し、弁体45が小リフト状態70の場合でも弁体45とピストン8とが干渉しない深さで、弁体45から離れる方向に凹んだ形状でピストン上面9に形成されている。換言すると、小リフト状態70の弁体45は、ピストン8が上死点に位置した場合でもピストン8と干渉しない位置関係となっており、即ち、小リフト量とは、ピストン8が上死点に位置した場合でも弁体45がピストン8に干渉しないリフト量をいう。
図4は、図2に示す電磁駆動弁を通常リフト量で開弁している状態を示す説明図である。また、電磁駆動弁40を、開度が大きい状態で開弁させる際には、ECU80の電磁駆動弁制御部82から駆動回路33に制御信号を送り、駆動回路33からロアコイル57に対して励磁電流を供給する。ロアコイル57に駆動電流が供給されると、ロアコイル57に電磁力が発生し、ロアコイル57の電磁力に伴いロアコア58にも電磁力が発生する。このようにロアコア58に電磁力が発生すると、この電磁力はアーマチャ53をロアコア58の方向に吸引する吸引力となってアーマチャ53に作用する。ロアコア58からアーマチャ53に作用するこの吸引力は、ロアスプリング56からロアリテーナ55に作用する付勢力に対向する力となるが、ロアコア58の吸引力はロアスプリング56の付勢力よりも大きくなっている。このため、アーマチャ53はロアコア58の吸引力が作用する方向に移動し、ロアコア58の方向に移動してロアコア58に当接して停止する。
また、このように、アーマチャ53が移動すると、アーマチャ53と一体に形成されたアーマチャシャフト52やバルブステム50も一体となって移動し、弁体45も移動する。アーマチャ53がロアコア58の方向に移動し、弁体45が同方向に移動すると、弁体45は吸気通路21または排気通路22から離れる方向に移動する。これにより、吸気通路21に設けられる弁体45である吸気バルブ46は吸気通路21を開弁し、排気通路22に設けられる弁体45である排気バルブ47は排気通路22を、大きい開度である大開度で開いた状態になり、大開度時のリフト量である通常リフト量で開弁した状態となる(図3参照)。即ち、通常リフト状態71の弁体45は、吸気通路21または排気通路22と燃焼室15内とを、大きい開口面積で連通させ、ピストン8の方向に大きく突出している。
図5は、図2に示す電磁駆動弁の閉弁状態を示す説明図である。また、電磁駆動弁40を閉弁させる際には、ECU80の電磁駆動弁制御部82から駆動回路33に制御信号を送り、駆動回路33からアッパコイル62に対して励磁電流を供給する。アッパコイル62に駆動電流が供給されると、アッパコイル62に電磁力が発生し、アッパコイル62の電磁力に伴いアッパコア63にも電磁力が発生する。このようにアッパコア63に電磁力が発生すると、この電磁力はアーマチャ53をアッパコア63の方向に吸引する吸引力となってアーマチャ53に作用する。アッパコア63からアーマチャ53に作用するこの吸引力は、アッパスプリング61からアッパリテーナ60に作用する付勢力に対向する力となるが、アッパコア63の吸引力はアッパスプリング61の付勢力よりも大きくなっている。このため、アーマチャ53はアッパコア63の吸引力が作用する方向に移動し、アッパコア63の方向に移動してアッパコア63に当接して停止する。
また、このように、アーマチャ53が移動すると、アーマチャ53と一体に形成されたアーマチャシャフト52やバルブステム50も一体となって移動し、弁体45も移動する。アーマチャ53がアッパコア63の方向へ移動し、弁体45が同方向に移動すると、弁体45は吸気通路21または排気通路22に近付く方向に移動する。これにより、吸気通路21側に設けられる弁体45である吸気バルブ46は吸気通路21を閉弁し、排気通路22側に設けられる弁体45である排気バルブ47は排気通路22を閉弁する(図3参照)。即ち、閉弁状態72の弁体45は、吸気通路21または排気通路22と燃焼室15内とを遮断する。
内燃機関1の運転時には、このようにロアコイル57とアッパコイル62とに必要に応じて励磁電流を流すことにより、弁体45を小リフト状態70や通常リフト状態71の開弁状態と、閉弁状態72とを繰り替えして作動させることができる。これにより、吸気通路21や排気通路22と燃焼室15との連通と遮断とを繰り返すことができる。
電磁駆動弁40は、このように駆動回路33からの制御信号により開閉するため、ピストン8の作動には連動しておらず、電磁駆動弁40とピストン8とは、それぞれ独立して作動可能になっている。ここで、内燃機関1は、運転性能の向上を目的として圧縮比を向上させるために、ピストン8が上死点に位置する場合には、シリンダヘッド6の方向に近付くように設けられている。また、ピストン8に形成されるバルブリセス10は、圧縮比を向上させるために、上死点に位置したピストン8と、小リフト状態70の弁体45とが干渉しない程度の深さになっている。このため、電磁駆動弁40が通常リフト量で開弁した状態でピストン8が上死点付近に位置した場合には、ピストン8と電磁駆動弁40の弁体45とは、干渉する位置関係となっている。
内燃機関1の運転時には、上述したように電磁駆動弁40が作動することより弁体45が作動して吸気通路21や排気通路22と燃焼室15との連通と遮断とを繰り返すことにより、吸排気を行ない、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程を繰り返す。各行程の概略は、吸気行程ではインジェクタ30から燃料を噴射することにより吸気通路21内に燃料を供給し、吸気通路21内を流れる空気と燃料との混合気を生成する。さらに、排気側電磁駆動弁42が有する排気バルブ47は閉弁し、吸気側電磁駆動弁41が有する吸気バルブ46は開弁した状態で気筒5内のピストン8が弁体45方向からクランクシャフト12方向、即ち上死点方向から下死点方向に移動することにより、吸気通路21から燃焼室15内に混合気が吸入される。
また、圧縮行程では、吸気バルブ46も排気バルブ47も閉弁し、この状態でピストン8がクランクシャフト12方向から弁体45方向に移動することにより、吸気行程で燃焼室15内に取り入れた混合気を圧縮する。
また、燃焼行程では、吸気バルブ46と排気バルブ47とを閉弁した状態で点火プラグ25に高電圧の電流を印加し、点火プラグ25の点火部26にアーク放電を発生させることにより、圧縮した混合気が点火する。これにより、圧縮した混合気中の燃料が燃焼するので、燃焼時の圧力によりピストン8は弁体45方向からクランクシャフト12の方向に移動する。さらに、コネクティングロッド11によってピストン8に接続されているクランクシャフト12は、ピストン8のこの移動に伴って回動する。
また、排気行程では、吸気バルブ46は閉弁し、排気バルブ47は開弁した状態でピストン8がクランクシャフト12方向から弁体45方向に移動することにより、燃料の燃焼後の排気ガスが燃焼室15から排気通路22の方向に流れ、排気される。
図6は、内燃機関の高回転時における吸気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。なお、図6は、横軸が時間軸となっており、図の左側から右側に向けて時間が進行している。また、図6の縦軸は、吸気バルブとピストンとの相対的な位置関係を示している。電磁駆動弁40は、内燃機関1の運転時には上述したように作動し、また、電磁駆動弁40が通常リフト状態71の場合においてピストン8が上死点付近に位置した場合には、ピストン8と電磁駆動弁40の弁体45とは干渉する位置関係となっているが、内燃機関1の高回転時、つまり、クランクシャフト12が高速回転で回転する状態で内燃機関1を運転する場合には、吸気側電磁駆動弁41は、通常リフト量で開弁する。
つまり、内燃機関1の吸気行程時には、ピストン8が上死点付近に位置した際に吸気側電磁駆動弁41は開弁をし始め、さらに、吸気側電磁駆動弁41は、吸気効率を向上させるため、往復運動をするピストン8が上死点に位置するよりも若干早く、開弁を始める。このように、ピストン8が上死点に位置するよりも早く開弁をし始めた吸気側電磁駆動弁41の弁体45である吸気バルブ46は、吸気側電磁駆動弁41を開弁作動させることによりピストン8の方向に向かう。その際に、内燃機関1を高回転で運転している場合のピストン8は、高速で往復運動をするため、上死点に位置した後、早急に下死点の方向、つまり、吸気バルブ46から離れる方向に向かう。このため、吸気側電磁駆動弁41を通常リフト量で開弁し、吸気バルブ46が完全に開弁した時点では、ピストン8は既に下死点方向に移動しており、吸気バルブ46とピストン8とは干渉しない。
即ち、吸気バルブ46の開き具合を示す線である吸気バルブ開度線101は、ピストン8の位置を示すピストン位置線103が上死点104付近に位置した際にピストン位置線103の方向に向かうが、ピストン位置線103は早急に吸気バルブ開度線101から離れて下死点105の方向に向かうため、吸気バルブ開度線101とピストン位置線103とは交差しない。
図7は、内燃機関の低回転時に通常リフト量で開弁した場合における吸気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。なお、図7は、ピストンの移動状態が基準となっており、図6よりも時間軸を縮めて図6のピストン位置線と合わせている。つまり、吸気バルブとピストンとの相対的な位置関係を示す説明図となっている。内燃機関1の低回転時には、クランクシャフト12は低速回転をするため、ピストン8の往復運動の速度が低下するのに対し、電磁駆動弁40を開閉する際における弁体45の開閉の速度は、内燃機関1の運転速度に関わらず一定である。このため、内燃機関1を低回転で運転している場合に吸気側電磁駆動弁41を開弁すると、内燃機関1を高回転で運転している場合に吸気側電磁駆動弁41を開弁した場合と比較して、ピストン8の移動速度に対する吸気バルブ46の相対的な開弁速度は速くなる。これにより、内燃機関1の低回転運転時に、ピストン8が上死点付近に位置した際に吸気側電磁駆動弁41を通常リフト量で開弁すると、吸気バルブ46は、内燃機関1を高回転で運転している場合と比較して相対的に早い速度でピストン8の方向に向かう。この場合、ピストン8が吸気バルブ46から離れる速度よりも早い速度で吸気バルブ46はピストン8の方向に向かうので、ピストン8が十分に吸気バルブ46から下死点の方向に離れる前に吸気バルブ46は大きく開弁するため、吸気バルブ46とピストン8とは干渉する。
即ち、吸気バルブ開度線101は、ピストン位置線103が上死点104に位置するよりも早い段階でピストン位置線103の方向に向かい、ピストン位置線103が吸気バルブ開度線101から離れて下死点105に向かう速度よりも早い速度でピストン位置線103に近付く。このため、吸気バルブ開度線101とピストン位置線103は交差する。つまり、吸気バルブ46とピストン8とは干渉する。このように、内燃機関1の運転時において吸気側電磁駆動弁41を通常リフト量で開弁した際に、弁体45とピストン8とが干渉する領域は、干渉領域108となっている。
図8は、内燃機関の低回転時に小リフト量で開弁した場合における吸気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。上記のように、内燃機関1の低回転運転時に吸気側電磁駆動弁41を通常リフト量で開弁すると吸気バルブ46とピストン8とは干渉するため、内燃機関1の低回転運転時には、吸気側電磁駆動弁41は小リフト量で開弁する。この場合、吸気側電磁駆動弁41は、通常リフト量で開弁する場合と同様に、ピストン8が上死点に位置するよりも若干早く開弁し始める。
このタイミングで開弁を始めた吸気バルブ46は、内燃機関1の低回転時には、ピストン8が吸気バルブ46から離れるよりも早い移動速度でピストン8に近付くが、吸気バルブ46が小リフト量で開弁する際には、吸気バルブ46が完全に開弁した場合でも、吸気バルブ46はピストン8に干渉しない位置関係になっている。このため、吸気バルブ46は、小リフト量で開弁する場合には、ピストン8に干渉することなく開弁する。
即ち、吸気バルブ開度線101は、ピストン位置線103が上死点104に位置するよりも早い段階でピストン位置線103の方向に向かい、ピストン位置線103が吸気バルブ開度線101から離れて下死点105に向かう速度よりも早い速度でピストン位置線103に近付くが、吸気バルブ開度線101とピストン位置線103とが交差する前に、吸気バルブ開度線101のピストン位置線103の方向への移動は停止する。このため、吸気バルブ開度線101とピストン位置線103とは交差しない。換言すると、吸気バルブ開度線101は、ピストン位置線103の上死点104の位置よりも常に離れた位置に位置するため、吸気バルブ開度線101とピストン位置線103とは交差しない。
図9は、内燃機関の高回転時における排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。なお、図9は、横軸が時間軸となっており、図の左側から右側に向けて時間が進行している。また、図9の縦軸は、排気バルブとピストンとの相対的な位置関係を示している。内燃機関1の高回転運転時における排気側電磁駆動弁42は、内燃機関1の高回転運転時における吸気側電磁駆動弁41と同様に通常リフト量で開弁する。また、内燃機関1の排気行程では、開弁状態の排気側電磁駆動弁42が、ピストン8が上死点付近に位置した場合に閉弁する。詳しくは、排気側電磁駆動弁42は、排気効率を高めるため、往復運動をするピストン8が上死点を若干過ぎてから完全に閉弁する。このため、開弁中の排気側電磁駆動弁42は、このタイミングで完全に閉弁できるように閉弁を開始する。即ち、開弁中の排気側電磁駆動弁42は、ピストン8が下死点から上死点に向かっている途中で閉弁を開始する。その際に、内燃機関1を高回転で運転している場合のピストン8は、高速で往復運動をするため、排気側電磁駆動弁42は、早い段階、つまり、下死点から上死点方向に移動中のピストン8が上死点に近付く前に閉弁を開始する。このため、ピストン8が上死点に近付いた場合には、排気側電磁駆動弁42の弁体45である排気バルブ47はピストン8から離れた状態になっており、排気バルブ47は、ピストン8が上死点を若干過ぎた時点で完全に閉弁する。従って、内燃機関1を高回転で運転している場合には、排気側電磁駆動弁42を通常リフト量で開弁した場合でも排気バルブ47とピストン8とは干渉しない。
即ち、排気バルブ47の開き具合を示す線である排気バルブ開度線102は、排気行程においてピストン位置線103が下死点105付近に位置している際に開弁状態となってピストン位置線103の方向に近付き、ピストン位置線103の下死点105と上死点104との途中の早い段階で排気バルブ開度線102はピストン位置線103から離れ始める。このため、排気バルブ開度線102とピストン位置線103とは交差しない。
図10は、内燃機関の低回転時に通常リフト量で開弁した場合における排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。なお、図10は、図7と同様にピストンの移動状態が基準となっている。内燃機関1の低回転時には、ピストン8の移動速度に対する排気バルブ47の相対的な閉弁速度は速くなる。このため、開弁中の排気バルブ47をピストン8が上死点を若干過ぎた時点で完全に閉弁するには、排気側電磁駆動弁42の閉弁動作の開始タイミングを遅らせる必要がある。この場合、排気側電磁駆動弁42が閉弁動作を終了する前にピストン8は上死点に近付くため、排気バルブ47とピストン8とは干渉する。
即ち、排気バルブ開度線102は、ピストン位置線103が下死点105から上死点104に向かい、上死点104に近付いてもピストン位置線103から離れないため、排気バルブ開度線102とピストン位置線103とは交差する。つまり、排気バルブ47とピストン8とは干渉する。従って、内燃機関1を低回転で運転する際において排気バルブ47を通常リフト量で開弁する際には、干渉領域108を有する。
図11は、内燃機関の低回転時に小リフト量で開弁した場合における排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。上記のように、内燃機関1の低回転運転時に排気側電磁駆動弁42を通常リフト量で開弁すると排気バルブ47とピストン8とは干渉するため、内燃機関1の低回転運転時には、排気側電磁駆動弁42は小リフト量で開弁する。この場合、小リフト量で開弁した排気側電磁駆動弁42は、通常リフト量で開弁した排気側電磁駆動弁42を閉弁する場合と同様に、ピストン8が上死点を若干過ぎた時点で完全に閉弁するタイミングで閉弁動作を開始する。つまり、排気側電磁駆動弁42は、ピストン8が上死点に近付いた段階で閉弁動作を開始するが、排気バルブ47を小リフト量で開弁している際には、排気バルブ47が開弁してピストン8が上死点に位置している場合でも、排気バルブ47とピストン8とは干渉しない位置関係になっている。このため、排気バルブ47は、小リフト量で開弁している場合には、ピストン8に干渉することなく、ピストン8が上死点を若干過ぎた時点で閉弁することができる。
即ち、ピストン位置線103に近付いた状態の排気バルブ開度線102は、ピストン位置線103が下死点105から上死点104に向かい、上死点104付近に位置した段階でピストン位置線103から離れるが、排気バルブ開度線102はピストン位置線103の上死点104の位置よりも常に離れた位置に位置するため、排気バルブ開度線102とピストン位置線103とは交差しない。
図12は、内燃機関の高回転時における吸気バルブと排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。内燃機関1の運転時には、運転性能の向上を図るため排気行程における排気バルブ47はピストン8が上死点を若干過ぎた位置で完全に閉弁し、吸気行程における吸気バルブ46は、ピストン8が上死点に位置するよりも若干早く、開弁を始める。即ち、排気行程から吸気行程への移行する際の排気バルブ47と吸気バルブ46とは、オーバーラップしている。このように、排気バルブ47と吸気バルブ46とをオーバーラップさせる場合でも、内燃機関1を高回転で運転する場合には、排気バルブ47と吸気バルブ46とは、共に通常リフト量で開弁する。内燃機関1を高回転で運転する場合には、ピストン8は高速で往復運動するため、このように排気バルブ47と吸気バルブ46とをオーバーラップさせ、これらを通常リフト量で開弁させた場合でも、排気バルブ47や吸気バルブ46は、ピストン8に干渉しない。即ち、吸気バルブ開度線101や排気バルブ開度線102は、ピストン位置線103と交差しない。
図13は、内燃機関の低回転時に通常リフト量で開弁した場合における吸気バルブと排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。また、内燃機関1を低回転で運転する場合には、排気バルブ47と吸気バルブ46とをオーバーラップさせた場合でも、これらを通常リフト量で開弁することにより排気バルブ47や吸気バルブ46とピストン8とは干渉する。即ち、吸気バルブ開度線101や排気バルブ開度線102は、ピストン位置線103と交差する。
図14は、内燃機関の低回転時に小リフト量で開弁した場合における吸気バルブと排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。また、内燃機関1を低回転で運転する場合において、排気バルブ47と吸気バルブ46とを共に小リフト量で開弁する場合には、これらをオーバーラップさせた場合でも、排気バルブ47や吸気バルブ46は、ピストン8に干渉しない。即ち、吸気バルブ開度線101や排気バルブ開度線102は、ピストン位置線103とは交差しない。
吸気バルブ46や排気バルブ47は、これらのように内燃機関1の運転状態によって干渉の仕方が変化するため、運転状態に応じてリフト量を変化させる。具体的には、クランク角検出センサ31で検出したクランク角を、ECU80の処理部81が有するクランク角取得部83で取得し、所定時間あたりのクランク角の変化を取得することにより、クランクシャフト12の回転数を取得する。前記電磁駆動弁制御部82では、この取得した回転数より弁体45のリフト量を決定して電磁駆動弁40を作動させる。
図15は、本発明の実施例1に係る電磁駆動弁の制御装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例1に係る電磁駆動弁40の制御装置3の制御方法、即ち、当該電磁駆動弁40の制御装置3の処理手順について説明する。この処理手順では、まず、回転中のクランクシャフト12のクランク角を取得する(ステップST101)。このクランク角は、クランク角検出センサ31で検出した検出結果がECU80の処理部81が有するクランク角取得部83に伝達され、このクランク角取得部83で取得される。
次に、運転中の内燃機関1が、吸気バルブ46や排気バルブ47の開閉のタイミング、即ちバルブタイミングを計算するタイミングであるかを判断する(ステップST102)。この判断は、クランク角取得部83で取得したクランク角がECU80の処理部81が有する計算タイミング判断部84に伝達され、この計算タイミング判断部84で判断する。また、この判断の基になるタイミングは、予めECU80の記憶部88に記憶されている。具体的には、このタイミングは、バルブタイミングの計算を開始するタイミングとしてクランク角によって設定されており、このクランク角が記憶部88に記憶されている。計算タイミング判断部84では、クランク角取得部83で取得したクランク角と記憶部88に記憶されたクランク角とを比較し、クランク角取得部83で取得したクランク角が記憶部88に記憶されたクランク角ではない場合には、運転中の内燃機関1はバルブタイミングを計算するタイミングではないと判断する。この場合、ステップST101に戻り、再びクランク角を取得する。
計算タイミング判断部84で、運転中の内燃機関1がバルブタイミングを計算するタイミングであると判断された場合には、次に、内燃機関1運転時のクランクシャフト12の回転数を取得する(ステップST103)。詳しくは、クランク角取得部83で取得したクランク角が、ECU80の処理部81が有する回転数取得部85に伝達され、伝達されたクランク角より所定時間におけるクランク角の変化を回転数取得部85で検出し、この変化よりクランクシャフト12の回転数を算出して取得する。
次に、吸気開弁時期INOPを算出する(ステップST104)。この計算は、ECU80の処理部81が有するバルブ制御計算部86で行なう。つまり、回転数取得部85で取得されたクランクシャフト12の回転数がバルブ制御計算部86に伝達され、伝達された回転数より、この回転数に応じた吸気バルブ46の開弁時期、即ち、吸気開弁時期INOPをバルブ制御計算部86で算出する。同様に、バルブ制御計算部86で、クランクシャフト12の回転数に応じた排気バルブ47の閉弁時期である排気閉弁時期EXCLを算出する(ステップST105)。
次に、算出した吸気開弁時期INOPが、吸気バルブ46とピストン8との干渉基準となるCR1以下であるかを判断する(ステップST106)。この判断は、ECU80の処理部81が有する干渉判断部87によって行ない、バルブ制御計算部86で算出した吸気開弁時期INOPと、吸気バルブ46とピストン8との干渉基準となるCR1とを比較し、CR1≧INOPであるかを判断する。なお、このCR1は、通常リフト量で開弁した際における吸気側電磁駆動弁41の開弁が干渉領域108(図7参照)を含んだ開弁となる境界のクランク角である干渉クランク角となっており、所定値としてECU80の記憶部88に予め記憶されている。即ち、CR1は、通常リフト量で吸気側電磁駆動弁41を開弁する際に、クランク角においてCR1よりも早いタイミングで開くと吸気バルブ46とピストン8とは干渉し、CR1よりも遅いタイミングで開くと吸気バルブ46とピストン8とは干渉しないタイミングとなるクランク角となっている。
この判断により、INOPがCR1以下(図8参照)であると判断された場合には、吸気バルブ46のリフト量を示すフラグであるLinを小リフトにする(ステップST107)。なお、このLinには、吸気バルブ46のリフト量の状態として、小リフトと通常リフトとのいずれかの情報が入れられる。このように、干渉判断部87での判断によりINOPがCR1以下であると判断された場合には、吸気側電磁駆動弁41を通常リフト量で開弁した際に吸気バルブ46とピストン8とが干渉する虞があることを示しているので、この場合、フラグLinを小リフトにする。また、このようにフラグLinに吸気バルブ46のリフト量の情報を入れる場合には、バルブ制御計算部86によって入れられ、フラグLinは、ECU80の記憶部88で記憶される。
また、干渉判断部87での判断により、INOPがCR1よりも大きい(図6参照)と判断された場合には、フラグLinを通常リフトにする(ステップST108)。干渉判断部87での判断によりINOPがCR1よりも大きいと判断された場合には、吸気側電磁駆動弁41を通常リフト量で開弁した際に吸気バルブ46とピストン8とは干渉しないことを示しているので、この場合、フラグLinを通常リフトにする。
次に、ステップST105で算出した排気閉弁時期EXCLが、排気バルブ47とピストン8との干渉基準となるCR2以上であるかを判断する(ステップST109)。この判断は、干渉判断部87によって行ない、バルブ制御計算部86で算出した排気閉弁時期EXCLと、排気バルブ47とピストン8との干渉基準となるCR2とを比較し、CR2≦EXCLであるかを判断する。なお、このCR2は、通常リフト量で開弁した際における排気側電磁駆動弁42の開弁が干渉領域108(図10参照)を含んだ開弁となる境界のクランク角である干渉クランク角となっており、CR1と同様に所定値としてECU80の記憶部88に予め記憶されている。即ち、CR2は、通常リフト量で排気側電磁駆動弁42を開弁し続けた際に、クランク角においてCR2よりも遅いタイミングで閉じる排気バルブ47とピストン8とは干渉し、CR2よりも早いタイミングで閉じると排気バルブ47とピストン8とは干渉しないタイミングとなるクランク角となっている。
この判断により、EXCLがCR2以上(図11参照)であると判断された場合には、排気バルブ47のリフト量を示すフラグであるLexを小リフトにする(ステップST110)。なお、このLexには、排気バルブ47のリフト量の状態として、小リフトと通常リフトとのいずれかの情報が入れられる。このように、干渉判断部87での判断によりEXCLがCR2以上であると判断された場合には、排気側電磁駆動弁42を通常リフト量で開弁し続けた際に排気バルブ47とピストン8とが干渉する虞があることを示しているので、この場合、フラグLexを小リフトにする。また、このようにフラグLexに排気バルブ47のリフト量の情報を入れる場合には、バルブ制御計算部86によって入れられ、フラグLexは、ECU80の記憶部88で記憶される。
また、干渉判断部87での判断により、EXCLがCR2よりも小さい(図9参照)と判断された場合には、フラグLexを通常リフトにする(ステップST111)。干渉判断部87での判断によりEXCLがCR2よりも小さいと判断された場合には、排気側電磁駆動弁42を通常リフト量で開弁し続けた場合でも排気バルブ47とピストン8とは干渉しないことを示しているので、この場合、フラグLexを通常リフトにする。
次に、排気側電磁駆動弁42を作動させる(ステップST112)。この排気側電磁駆動弁42の作動は、ECU80の処理部81が有する電磁駆動弁制御部82が駆動回路33に対して制御信号を送信し、制御信号を受けた駆動回路33が排気側電磁駆動弁42に対して励磁電流を供給することにより排気側電磁駆動弁42は作動する。排気バルブ47は、このように排気側電磁駆動弁42が作動することにより開閉するが、排気行程において排気側電磁駆動弁42を作動させる際には、フラグLexを参照する。即ち、電磁駆動弁制御部82は、フラグLexを参照し、フラグLexが小リフトの場合には、排気側電磁駆動弁42を小リフト量で開弁させ、フラグLexが通常リフトの場合には、排気側電磁駆動弁42を通常リフト量で開弁させる。
次に、吸気側電磁駆動弁41を作動させる(ステップST113)。この吸気側電磁駆動弁41の作動は、排気側電磁駆動弁42の作動と同様に、電磁駆動弁制御部82及び駆動回路33によって作動する。吸気バルブ46は、このように吸気側電磁駆動弁41が作動することにより開閉するが、吸気行程において吸気側電磁駆動弁41を作動させる際には、フラグLinを参照する。即ち、電磁駆動弁制御部82は、フラグLinを参照し、フラグLinが小リフトの場合には、吸気側電磁駆動弁41を小リフト量で開弁させ、フラグLinが通常リフトの場合には、吸気側電磁駆動弁41を通常リフト量で開弁させる。
以上の電磁駆動弁40の制御装置3は、吸気バルブ46や排気バルブ47を有する電磁駆動弁40が、小リフト量と通常リフト量との2種類の開度で開くことが可能に設けられており、干渉判断部87は、電磁駆動弁40が通常リフト量で開弁した際には干渉領域108を含むかを判断可能に設けられている。また、電磁駆動弁制御部82は、電磁駆動弁40の開弁及び閉弁の制御をすると共に、電磁駆動弁40を開弁する際に干渉領域108を含むと干渉判断部87で判断した場合には、小リフト量で電磁駆動弁40を開弁させる。これにより、通常は通常リフト量で電磁駆動弁40を開弁することにより、吸気時や排気時の開口面積を大きくすることができ、干渉領域108を含む開弁となる場合には、小リフト量で開弁することにより、電磁駆動弁40の弁体45とピストン8とが干渉することを抑制することができる。この結果、電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
また、干渉判断部87は、電磁駆動弁40の開弁が干渉領域108を含む開弁であるかを、クランク角に基づいて判断している。このため、電磁駆動弁40を開弁した際にその開弁が干渉領域108を含む開弁であるかを判断する際に、電磁駆動弁40の弁体45とピストン8との状態を検出することなく判断できるので、容易に判断することができる。従って、電磁駆動弁40を開弁する際に、弁体45とピストン8とが干渉するかを容易に判断できるので、弁体45とピストン8とが干渉する場合には小リフト量にして容易に干渉を抑制でき、弁体45とピストン8とが干渉しない場合には通常リフト量にして容易に開口面積を確保できる。この結果、容易に電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
また、干渉判断部87は、干渉クランク角CR1と、吸気側電磁駆動弁41の作動時期である吸気開弁時期INOPにおけるクランク角とを比較することにより、吸気側電磁駆動弁41の開弁が干渉領域108を含む開弁であるか否かを判断しており、干渉クランク角CR2と、排気側電磁駆動弁42の作動時期である排気閉弁時期EXCLにおけるクランク角とを比較することにより、排気側電磁駆動弁42の開弁が干渉領域108を含む開弁であるか否かを判断している。これにより、電磁駆動弁40を開弁した際にその開弁が干渉領域108を含む開弁であるかを判断する際に、クランク角同士を比較して判断できるので、より確実に判断することができる。従って、電磁駆動弁40を開弁する際に、弁体45とピストン8とが干渉するか否を、より確実に判断することができる。この結果、より確実に電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
また、複数の電磁駆動弁40のうち、一部の電磁駆動弁40である吸気側電磁駆動弁41の弁体45は吸気バルブ46として設けられており、吸気側電磁駆動弁41は、吸気バルブ46を作動可能に設けられている。また、吸気開弁時期INOPが干渉クランク角CR1以下の場合、即ち、吸気開弁時期INOPが干渉クランク角CR1よりも早い時期である場合には、バルブ制御計算部86はフラグLinを小リフトにし、電磁駆動弁40の開閉を制御する電磁駆動弁制御部82は、フラグLinに基づいて吸気側電磁駆動弁41を作動させ、吸気バルブ46を小リフト量で開弁させている。つまり、電磁駆動弁制御部82は、内燃機関1の運転中において閉弁状態の吸気バルブ46が干渉領域108を含む開弁となる作動時期よりも早い時期に開弁する際に、小リフト量で吸気バルブ46を開弁させる。
これにより、より確実に吸気バルブ46の開弁時に吸気バルブ46とピストン8とが干渉することを抑制できる。また、内燃機関1の運転中において閉弁状態の吸気バルブ46が干渉領域108を含む開弁となる作動時期よりも遅い時期に開弁する場合には、吸気バルブ46を通常リフト量で開弁させているので、吸気時の開口面積を確保できる。これらの結果、より確実に電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
また、複数の電磁駆動弁40のうち、一部の電磁駆動弁40である排気側電磁駆動弁42の弁体45は排気バルブ47として設けられており、排気側電磁駆動弁42は、排気バルブ47を作動可能に設けられている。また、排気閉弁時期EXCLが干渉クランク角CR2以下の場合、即ち、排気閉弁時期EXCLが干渉クランク角CR2よりも遅い時期である場合には、バルブ制御計算部86はフラグLexを小リフトにし、電磁駆動弁40の開閉を制御する電磁駆動弁制御部82は、フラグLexに基づいて排気側電磁駆動弁42を作動させ、排気バルブ47の開弁を小リフト量にしている。つまり、電磁駆動弁制御部82は、内燃機関1の運転中において開弁状態の排気バルブ47を閉弁する際に、開弁状態の排気バルブ47が干渉領域108を含んで閉弁する作動時期よりも遅い時期に閉弁する場合には、排気バルブ47のリフト量を小リフト量にしている。
これにより、より確実に排気バルブ47の閉弁時に排気バルブ47とピストン8とが干渉することを抑制できる。また、電磁駆動弁制御部82は、内燃機関1の運転中において開弁状態の排気バルブ47を閉弁する際において、開弁状態の排気バルブ47が干渉領域108を含んで閉弁する作動時期よりも早い時期に閉弁する場合には、排気バルブ47を通常リフト量で開弁させているので、排気時の開口面積を確保できる。これらの結果、より確実に電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
また、これらのように吸気バルブ46と排気バルブ47とをそれぞれ電磁駆動弁40で作動させ、吸気バルブ46や排気バルブ47の開弁が干渉領域108を含む開弁となる場合には小リフト量で開弁し、干渉領域108を含まないで開弁する際には通常リフト量で開弁しているので、内燃機関1の運転性能の向上を目的としてバルブリセス10を小さくした場合でも、吸気バルブ46や排気バルブ47とピストン8との干渉を抑制できる。これにより、自由なバルブオーバーラップタイミングを設定することができる。この結果、電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ、より確実に内燃機関1の運転性能の向上を図ることができる。
本実施例2に係る電磁駆動弁の制御装置は、実施例1に係る電磁駆動弁の制御装置と略同様の構成であるが、干渉クランク角を内燃機関の回転数に応じて変更させている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図16は、本発明の実施例2に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。同図に示す電磁駆動弁40の制御装置110は、実施例1に係る電磁駆動弁40の制御装置3と同様に内燃機関1に設けられており、ECU120を有している。このECU120には、実施例1に係る電磁駆動弁40の制御装置3と同様に処理部81が設けられており、処理部81は、少なくとも電磁駆動弁制御部82と、クランク角取得部83と、計算タイミング判断部84と、回転数取得部85と、バルブ制御計算部86と、干渉判断部87と、を有している。さらに、この処理部81は、回転数取得部85が検出した回転数より、回転数に応じた干渉クランク角を導出する干渉クランク角導出手段である干渉クランク角導出部121を有している。
この実施例2に係る電磁駆動弁40の制御装置110は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。内燃機関1の運転時には、電磁駆動弁40の制御装置110は、ECU120の干渉判断部87で吸気開弁時期INOPと干渉クランク角CR1とを比較し、この比較の結果に基づいて電磁駆動弁制御部82で吸気側電磁駆動弁41を制御することにより、吸気バルブ46のリフト量を変化させる。同様に、干渉判断部87で排気閉弁時期EXCLと干渉クランク角CR2とを比較し、この比較の結果に基づいて電磁駆動弁制御部82で排気側電磁駆動弁42を制御することにより、排気バルブ47のリフト量を変化させる。
図17は、クランクシャフトの回転数に対する干渉クランク角の一例を示す図表である。電磁駆動弁制御部82は、このように吸気バルブ46や排気バルブ47のリフト量を変化させながら電磁駆動弁40を作動させるが、その際に、ECU120の回転数取得部85は内燃機関1運転時のクランクシャフト12の回転数を取得し、干渉クランク角導出部121でクランクシャフト12の回転数に応じた干渉クランク角CR1、CR2を導出する。具体的には、記憶部88にはクランクシャフト12の回転数(NE)に応じた干渉クランク角のマップである干渉クランク角マップ130が予め記憶されており、干渉クランク角導出部121は、この干渉クランク角マップ130より干渉クランク角CR1、CR2を導出する。
つまり、干渉クランク角マップ130には、所定の回転数における吸気側電磁駆動弁41の干渉クランク角であるmap_CR1が複数の回転数に対応して記憶されている。同様に、干渉クランク角マップ130には、所定の回転数における排気側電磁駆動弁42の干渉クランク角であるmap_CR2が複数の回転数に対応して記憶されている。干渉クランク角導出部121は、記憶部88に記憶された干渉クランク角マップ130を参照し、回転数取得部85が取得した回転数に対応した干渉クランク角map_CR1、map_CR2より、CR1、CR2を導出する。これにより、電磁駆動弁制御部82は、内燃機関1運転時のクランクシャフト12の回転数に応じて吸気側電磁駆動弁41と排気側電磁駆動弁42とを作動させて、吸気バルブ46及び排気バルブ47のリフト量を、内燃機関1運転時のクランクシャフト12の回転数に応じて変化させる。これらにより、吸気バルブ46や排気バルブ47は、ピストン8に干渉することなく、内燃機関1運転時のクランクシャフト12の回転数に適したリフト量で開閉する。
なお、記憶部88に記憶された干渉クランク角マップ130の干渉クランク角map_CR1、map_CR2のうち、map_CR1は回転数が高くなるに従って数値、つまりクランク角が小さくなり、map_CR2は回転数が高くなるに従って数値、つまりクランク角が大きくなっている。
図18は、本発明の実施例2に係る電磁駆動弁の制御装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例2に係る電磁駆動弁40の制御装置110の制御方法、即ち、当該電磁駆動弁40の制御装置110の処理手順について説明する。この処理手順では、まず、クランク角検出センサ31で検出した検出結果より、ECU120のクランク角取得部83で回転中のクランクシャフト12のクランク角を取得する(ステップST201)。次に、クランク角取得部83で取得したクランク角より、運転中の内燃機関1がバルブタイミングを計算するタイミングであるかをECU120の計算タイミング判断部84で判断する(ステップST202)。この判断により、運転中の内燃機関1はバルブタイミングを計算するタイミングではないと判断した場合には、ステップST201に戻り、再びクランク角を取得する。
計算タイミング判断部84で、運転中の内燃機関1がバルブタイミングを計算するタイミングであると判断された場合には、次に、ECU120の回転数取得部85で、内燃機関1運転時のクランクシャフト12の回転数を取得する(ステップST203)。
次に、回転数取得部85で取得したクランクシャフト12の回転数より、ECU120のバルブ制御計算部86で吸気開弁時期INOPを算出する(ステップST204)。同様に、バルブ制御計算部86で、クランクシャフト12の回転数に応じた排気バルブ47の閉弁時期である排気閉弁時期EXCLを算出する(ステップST205)。
次に、クランクシャフト12の回転数に対応した吸気側の干渉クランク角CR1を導出する(ステップST206)。詳しくは、回転数取得部85が取得したクランクシャフト12の回転数が、ECU120の処理部81が有する干渉クランク角導出部121に伝達される。回転数が伝達された干渉クランク角導出部121は、記憶部88に記憶された干渉クランク角マップ130(図17参照)を参照し、回転数(NE)に対応した吸気側の干渉クランク角であるmap_CR1を、吸気開弁時期INOPと比較する干渉クランク角CR1として導出する。
次に、クランクシャフト12の回転数に対応した排気側の干渉クランク角CR2を導出する(ステップST207)。この排気側の干渉クランク角CR2の導出は、吸気側の干渉クランク角CR1の導出と同様に干渉クランク角導出部121で行なう。即ち、干渉クランク角導出部121が、記憶部88に記憶された干渉クランク角マップ130を参照して、回転数(NE)に対応した排気側の干渉クランク角であるmap_CR2を、排気閉弁時期EXCLと比較する干渉クランク角CR2として導出する。
次に、算出した吸気開弁時期INOPが、吸気バルブ46とピストン8との干渉基準となるCR1以下であるかを、ECU120の干渉判断部87で判断する(ステップST208)。即ち、干渉判断部87で、前記吸気開弁時期INOPと、干渉クランク角導出部121で導出したCR1とを比較し、CR1≧INOPであるかを判断する。
この判断により、INOPがCR1以下であると判断された場合には、バルブ制御計算部86で吸気バルブ46のリフト量を示すフラグであるLinを小リフトにする(ステップST209)。また、干渉判断部87での判断により、INOPがCR1よりも大きいと判断された場合には、フラグLinを通常リフトにする(ステップST210)。
次に、ステップST205で算出した排気閉弁時期EXCLが、排気バルブ47とピストン8との干渉基準となるCR2以上であるかを、ECU120の干渉判断部87で判断する(ステップST211)。即ち、干渉判断部87で、排気閉弁時期EXCLと、干渉クランク角導出部121で導出したCR2とを比較し、CR2≦EXCLであるかを判断する。
この判断により、EXCLがCR2以上であると判断された場合には、バルブ制御計算部86で排気バルブのリフト量を示すフラグであるLexを小リフトにする(ステップST212)。また、干渉判断部87での判断により、EXCLがCR2よりも小さいと判断された場合には、フラグLexを通常リフトにする(ステップST213)。
次に、フラグLexに基づいて、電磁駆動弁制御部82によって排気側電磁駆動弁42を作動させる(ステップST214)。これにより、電磁駆動弁制御部82は、フラグLexが小リフトの場合には排気側電磁駆動弁42を小リフト量で開弁させ、フラグLexが通常リフトの場合には排気側電磁駆動弁42を通常リフト量で開弁させる。
次に、フラグLinに基づいて、電磁駆動弁制御部82によって吸気側電磁駆動弁41を作動させる(ステップST215)。これにより、電磁駆動弁制御部82は、フラグLinが小リフトの場合には吸気側電磁駆動弁41を小リフト量で開弁させ、フラグLinが通常リフトの場合には吸気側電磁駆動弁41を通常リフト量で開弁させる。
以上の電磁駆動弁40の制御装置110は、回転数取得部85でクランクシャフト12の回転数を取得し、取得した回転数に応じた干渉クランク角CR1、CR2を、干渉クランク角導出部121で導出している。即ち、回転数に応じて、干渉クランク角CR1、CR2を変化させている。これにより、吸気バルブ46や排気バルブ47のリフト量を、回転数に応じてより適切に変化させることができる。従って、電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制する際に小リフト量で開弁する領域を少なくすることができ、吸排気時の開口面積が不必要に小さくなることを抑制できるので、小リフト量で開弁した際の吸気絞り、または排気絞りが発生する領域を最小限に抑えることができる。この結果、電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
また、吸気バルブ46や排気バルブ47のリフト量を、回転数に応じてより適切に変化させることにより、高回転域において通常リフト量のままオーバーラップを設定することができる。これにより、排気行程時に、大きな掃気効果を得ることができる。この結果、排気効率の向上を図ることができ、内燃機関1の運転性能の向上を図ることができる。
また、吸気側の干渉クランク角CR1は、回転数が高くなるに従ってクランク角が小さくなっている。つまり、回転数が高くなるに従って、通常リフト量で吸気側電磁駆動弁41を開弁できるバルブタイミングが早くなっている。また、排気側の干渉クランク角CR2は、回転数が高くなるに従ってクランク角が大きくなっている。つまり、回転数が高くなるに従って、通常リフト量で排気側電磁駆動弁42を開弁し続けることができるバルブタイミングが遅くなっている。これらにより、より確実に小リフト量で開弁する領域を少なくすることができ、また、多量の吸気や排気を行なう高回転時の吸排気の開口面積を確保することができる。この結果、より確実に吸排気の効率を向上させることができ、より確実に内燃機関1の運転性能の向上を図ることができる。
本実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置は、実施例2に係る電磁駆動弁の制御装置と略同様の構成であるが、内燃機関運転時の負荷に応じて弁体の開度を変化させている点に特徴がある。他の構成は実施例2と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図19は、本発明の実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。同図に示す電磁駆動弁40の制御装置140は、実施例2に係る電磁駆動弁40の制御装置110と同様に内燃機関1に設けられており、ECU150を有している。このECU150には、実施例2に係る電磁駆動弁40の制御装置110と同様に処理部81が設けられており、処理部81は、少なくとも電磁駆動弁制御部82と、クランク角取得部83と、計算タイミング判断部84と、回転数取得部85と、バルブ制御計算部86と、干渉判断部87と、干渉クランク角導出部121と、を有している。さらに、この処理部81は、内燃機関1運転時の負荷を取得する負荷取得手段である負荷取得部151と、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷であるかを判断する負荷判断手段である負荷判断部152と、電磁駆動弁40のリフト量を変化させるクランク角であるリフト量変化クランク角を導出するリフト量変化クランク角導出手段であるリフト量変化クランク角導出部153と、電磁駆動弁40の弁体45の開閉時期であるかを判断する開閉時期判断手段である開閉時期判断部154と、電磁駆動弁40の弁体45の開度を判断する開度判断手段である開度判断部155と、運転中の内燃機関1のクランク角がリフト量変化クランク角であるかを判断するリフト量変化クランク角判断手段であるリフト量変化クランク角判断部156と、を有している。
この実施例3に係る電磁駆動弁40の制御装置140は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。内燃機関1の運転時には、電磁駆動弁40の制御装置140は、ECU150の干渉判断部87で吸気開弁時期INOPと干渉クランク角CR1とを比較し、この比較の結果に基づいて電磁駆動弁制御部82で吸気側電磁駆動弁41を制御することにより、吸気バルブ46のリフト量を変化させる。同様に、干渉判断部87で排気閉弁時期EXCLと干渉クランク角CR2とを比較し、この比較の結果に基づいて電磁駆動弁制御部82で排気側電磁駆動弁42を制御することにより、排気バルブ47のリフト量を変化させる。
また、このCR1とCR2は、クランクシャフト12の回転数により変化させ、干渉クランク角導出部121によって、クランクシャフト12の回転数に応じた干渉クランク角を導出する。これにより、電磁駆動弁制御部82は、内燃機関1運転時のクランクシャフト12の回転数に応じて吸気側電磁駆動弁41と排気側電磁駆動弁42とを作動させて、吸気バルブ46及び排気バルブ47のリフト量を、内燃機関1運転時のクランクシャフト12の回転数に応じて変化させる。
また、ECU150の処理部81が有する負荷取得部151は、内燃機関1を搭載する車両(図示省略)に設けられるアクセルペダル(図示省略)の開度等より、内燃機関1運転時の負荷を取得する。このように負荷取得部151で取得した負荷は、ECU150の処理部81が有する負荷判断部152に伝達される。負荷判断部152では、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷であるかを判断し、判断した結果は、電磁駆動弁制御部82に伝達される。
図20は、本発明の実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の低回転時における吸気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。電磁駆動弁制御部82は、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷であると負荷判断部で判断した場合、即ち、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷である場合には、吸気バルブ46を開弁した際に、干渉領域108(図7参照)における吸気バルブ46の開度は小リフト量を維持し、干渉領域108での開弁後に吸気バルブ46の開度を通常リフト量にする。つまり、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷である場合には、吸気バルブ46を開弁した際に、その開弁が干渉領域108を含む場合、電磁駆動弁制御部82は、吸気側電磁駆動弁41に対して、内燃機関1の運転中に吸気バルブ46の開弁が干渉領域108での開弁となっている間は小リフト量で開弁させ続け、干渉領域108を過ぎたら吸気バルブ46の開度を通常リフト量にさせる。
即ち、吸気バルブ開度線101は、ピストン位置線103が上死点104に位置するよりも早い段階でピストン位置線103の方向に向かい、ピストン位置線103が吸気バルブ開度線101から離れて下死点105に向かう速度よりも早い速度でピストン位置線103に近付くが、吸気バルブ開度線101とピストン位置線103とが交差する前に、吸気バルブ開度線101のピストン位置線103の方向への移動は、一旦停止する。その後、所定の期間を経過した時点で、吸気バルブ開度線101はピストン位置線103の方向に再び向かい、吸気バルブ46の開度は大きくなる。このように、吸気バルブ開度線101は、ピストン位置線103と交差する前にピストン位置線103の方向への移動が、一旦停止するため、吸気バルブ開度線101とピストン位置線103とは交差しない。
図21は、本発明の実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の低回転時における排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。また、電磁駆動弁制御部82は、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷であると負荷判断部152で判断した場合、即ち、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷である場合には、排気バルブ47を開弁した際に、干渉領域108(図10参照)での開弁より前の排気バルブ47の開度は通常リフト量にし、その後、少なくとも干渉領域108における排気バルブ47の開度は小リフト量にする。つまり、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷である場合には、排気バルブ47を開弁した際に、その開弁が干渉領域108を含む場合、電磁駆動弁制御部82は排気側電磁駆動弁42に対して、内燃機関1の運転中において干渉領域108での開弁より前の排気バルブ47の開度は通常リフト量で開弁させ、開弁が少なくとも干渉領域108での開弁になったら排気バルブ47の開度を小リフト量にさせる。
即ち、排気バルブ開度線102は、排気行程においてピストン位置線103が下死点105付近に位置している際に開弁状態となってピストン位置線103の方向に近付く。その後、排気バルブ開度線102は、ピストン位置線103が下死点105から上死点104に向かう段階で、ピストン位置線103から離れ、ピストン位置線103が上死点104に位置した場合でもピストン位置線103と交差しない位置になる。これらのため、排気バルブ開度線102とピストン位置線103とは交差しない。
また、これらのように、電磁駆動弁40の弁体45のリフト量を変化させる際には、ECU150の処理部81が有するリフト量変化クランク角導出部153がリフト量変化クランク角を導出し、内燃機関1の運転時にクランク角がリフト量変化クランク角に達した際に、リフト量を変化させる。ここで、リフト量変化クランク角とは、小リフト量で開弁している吸気バルブ46を通常リフト量に変化させるタイミング、または、通常リフト量で開弁している排気バルブ47を小リフト量に変化させるタイミングのクランク角であり、吸気側のリフト量変化クランク角CR4(図20)と排気側のリフト量変化クランク角CR5(図21)とは、異なったクランク角になっている。
また、このリフト量変化クランク角は、クランクシャフト12の回転数に応じたリフト量変化クランク角のマップであるリフト量変化クランク角マップ(図示省略)が予め記憶部88に記憶されており、このリフト量変化クランク角マップよりリフト量変化クランク角を導出する。即ち、リフト量変化クランク角マップには、所定の回転数における吸気側電磁駆動弁41のリフト量変化クランク角であるmap_CR4が複数の回転数に対応して記憶されている。同様に、リフト量変化クランク角マップには、所定の回転数における排気側電磁駆動弁42のリフト量変化クランク角であるmap_CR5が複数の回転数に対応して記憶されている。リフト量変化クランク角導出部153は、記憶部88に記憶されたリフト量変化クランク角マップを参照し、回転数取得部85が取得した回転数に対応したリフト量変化クランク角map_CR4、map_CR5より、CR4、CR5を導出する。
これにより、電磁駆動弁制御部82は、運転中の内燃機関1の負荷が高負荷の場合には、クランクシャフト12の回転数に応じて吸気側電磁駆動弁41と排気側電磁駆動弁42とを作動させて、吸気バルブ46及び排気バルブ47のリフト量を、これらの弁体45が開弁している最中にクランクシャフト12の回転数に応じて変化させる。これにより、運転中の内燃機関1の負荷が高負荷の場合には、吸気バルブ46や排気バルブ47は、少なくとも通常リフト量で開弁する期間を設けて開口面積を確保し、また、干渉領域108付近では小リフト量にして吸気バルブ46や排気バルブ47とピストン8との干渉を抑制している。
図22−1、図22−2は、本発明の実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例3に係る電磁駆動弁40の制御装置140の制御方法、即ち、当該電磁駆動弁40の制御装置140の処理手順について説明する。なお、以下の説明では、吸気側電磁駆動弁41と排気側電磁駆動弁42とのうち、排気側電磁駆動弁42の制御について説明する。この処理手順では、まず、クランク角検出センサ31で検出した検出結果より、ECU150のクランク角取得部83で回転中のクランクシャフト12のクランク角を取得し(ステップST301)、取得したクランク角より、運転中の内燃機関1がバルブタイミングを計算するタイミングであるかをECU150の計算タイミング判断部84で判断する(ステップST302)。この判断により、運転中の内燃機関1はバルブタイミングを計算するタイミングではないと判断した場合には、ステップST301に戻り、再びクランク角を取得する。
計算タイミング判断部84で、運転中の内燃機関1がバルブタイミングを計算するタイミングであると判断された場合には、次に、ECU150の回転数取得部85で、内燃機関1運転時のクランクシャフト12の回転数を取得する(ステップST303)。次に、回転数取得部85で取得したクランクシャフト12の回転数より、ECU150のバルブ制御計算部86で、クランクシャフト12の回転数に応じた排気バルブ47の閉弁時期である排気閉弁時期EXCLを算出する(ステップST304)。
次に、クランクシャフト12の回転数に対応した排気側の干渉クランク角CR2を導出する(ステップST305)。つまり、干渉クランク角導出部121が、記憶部88に記憶された干渉クランク角マップ(図17参照)を参照し、回転数(NE)に対応した排気側の干渉クランク角であるmap_CR2を、排気閉弁時期EXCLと比較する干渉クランク角CR2として導出する。
次に、排気閉弁時期EXCLが、排気バルブ47とピストン8との干渉基準となるCR2以上であるかを、ECU150の干渉判断部87で判断する(ステップST306)。即ち、干渉判断部87で、排気閉弁時期EXCLと、干渉クランク角導出部121で導出したCR2とを比較し、CR2≦EXCLであるかを判断する。
この判断により、EXCLがCR2以上であると判断された場合には、バルブ制御計算部86で排気バルブ47のリフト量を示すフラグであるLexを小リフトにする(ステップST307)。また、干渉判断部87での判断により、EXCLがCR2よりも小さいと判断された場合には、フラグLexを通常リフトにする(ステップST308)。
次に、ECU150の処理部81が有する負荷取得部151で、アクセルペダル(図示省略)の開度等より内燃機関1運転時の負荷を取得する(ステップST309)。次に、負荷取得部151で取得した負荷が、高負荷であるかを判断する(ステップST310)。詳しくは、負荷取得部151で取得した負荷が、ECU150の処理部81が有する負荷判断部152に伝達され、負荷判断部152で行なう。なお、この判断は、負荷を数値化して所定の数値以上の場合には高負荷であると判断してもよく、また、複数のパラメータより作成した負荷のマップを予め記憶部88に記憶しておき、負荷取得部151で取得した負荷をこのマップに照らし合わせて、マップ上の所定の範囲に位置する場合には、高負荷であると判断してもよい。
この判断により、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷であると負荷判断部152で判断された場合には、クランクシャフト12の回転数に対応した排気側のリフト量変化クランク角CR5を導出する(ステップST311)。つまり、ECU150の処理部81が有するリフト量変化クランク角導出部153が、記憶部88に記憶されたリフト量変化クランク角マップ(図示省略)を参照し、クランクシャフト12の回転数に対応した排気側のリフト量変化クランク角であるmap_CR5を、排気側のリフト量変化クランク角CR5として導出する。
また、負荷判断部152での判断により、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷であると判断された場合には、内燃機関1の運転が高負荷であるかを示すフラグであるFLGをONにする(ステップST312)。このFLGは、バルブ制御計算部86によって内容が変更され、また、FLGは、ECU150の記憶部88で記憶される。また、負荷取得部151で取得した負荷が高負荷ではないと負荷判断部152で判断された場合には、FLGをOFFにする(ステップST313)。
次に、運転中の内燃機関1のクランク角をクランク角取得部83で取得する(ステップST314)。次に、取得したクランク角が排気バルブ47の開弁時期であるかを判断する(ステップST315)。この判断は、ECU150の処理部81が有する開閉時期判断部154によって行なわれる。この開閉時期判断部154には、クランク角取得部83で取得したクランク角がクランク角取得部83から伝達され、開閉時期判断部154は、伝達されたクランク角より、運転中の内燃機関1が排気バルブ47の開弁時期であるかを判断する。この判断により、排気バルブ47の開弁時期ではないと判断された場合には、ステップST314に戻ってクランク角を取得し、クランク角が開弁時期になるまで開弁時期の判断を繰り返す。
開閉時期判断部154の判断により、運転中の内燃機関1が排気バルブの開弁時期であると判断された場合には、次に、内燃機関1の運転が高負荷であるかを示すFLGがONであるかを判断する(ステップST316)。この判断は、負荷判断部152で行ない、FLG=ONであると判断された場合には、通常リフトで排気バルブ47を開弁する(ステップST317)。即ち、開閉時期判断部154での判断の結果が電磁駆動弁制御部82に伝達され、この結果に応じて電磁駆動弁制御部82が駆動回路33に対して排気側電磁駆動弁42を通常リフト量で開弁させる制御信号を送信する。制御信号を受けた駆動回路33は、排気側電磁駆動弁42に対して励磁電流を供給し、これにより排気側電磁駆動弁42は作動して排気バルブ47を通常リフト量で開弁する。
これに対し、負荷判断部152での判断により、FLG=ONではないと判断された場合には、小リフトで排気バルブ47を開弁する(ステップST318)。即ち、電磁駆動弁制御部82及び駆動回路33によって排気側電磁駆動弁42を作動させ、排気バルブ47を小リフト量で開弁させる。
排気側電磁駆動弁42を開弁した場合には、次に、排気バルブ47のリフト量を示すフラグLexの状態とFLGの状態とを判断する。具体的には、Lex=小リフトで、且つ、FLG=ONであるかを判断する(ステップST319)。この判断は、ECU150の処理部81が有する開度判断部155でLex=小リフトであるかを判断し、負荷判断部152でFLG=ONであるかを判断する。この判断により、Lex=小リフトで、且つ、FLG=ONではないと判断された場合には、後述するステップST323に向かう。
これに対し、開度判断部155での判断により、Lex=小リフトで、且つ、FLG=ONであると判断された場合には、次に、運転中の内燃機関1のクランク角をクランク角取得部83で取得する(ステップST320)。次に、クランク角取得部83で取得したクランク角が、リフト量変化クランク角導出部153で導出したリフト量変化クランク角CR5であるかを判断する(ステップST321)。この判断は、ECU150の処理部81が有するリフト量変化クランク角判断部156で判断し、このリフト量変化クランク角判断部156により、クランク角取得部83で取得したクランク角=CR5であるかを判断する。この判断により、取得したクランク角がリフト量変化クランク角CR5ではないと判断された場合には、ステップST320に戻ってクランク角を取得し、クランク角がCR5になるまで、リフト量変化クランク角判断部156での判断を繰り返す。
リフト量変化クランク角判断部156での判断により、クランク角=CR5であると判断された場合には、排気バルブ47の開度を小リフトに移動する(ステップST322)(図21参照)。詳しくは、電磁駆動弁制御部82及び駆動回路33によって排気側電磁駆動弁42を作動させ、排気バルブ47が通常リフト量で開弁している場合には、リフト量を小リフト量に移動させ、排気バルブ47を小リフト量で開弁させる。つまり、Lex=小リフトで、且つ、FLG=ONの場合、即ち、電磁駆動弁40のリフト量が小リフト量で、内燃機関1運転時の負荷が高負荷である場合には、クランク角がリフト量変化クランク角CR5に到達した際に、リフト量を小リフト量にする。
排気バルブ47のリフト量を小リフト量にした後、または、開度判断部155、及び負荷判断部152の判断で(ステップST319)、Lex=小リフトで、且つ、FLG=ONではないと判断された場合には、次に、運転中の内燃機関1のクランク角をクランク角取得部83で取得する(ステップST323)。次に、取得したクランク角が排気バルブ47の閉弁時期であるかを判断する(ステップST324)。この判断は、ECU150の開閉時期判断部154によって行なわれる。この開閉時期判断部154には、クランク角取得部83で取得したクランク角がクランク角取得部83から伝達され、開閉時期判断部154は、伝達されたクランク角より、運転中の内燃機関1が排気バルブ47の閉弁時期であるかを判断する。この判断により、排気バルブ47の閉弁時期ではないと判断された場合には、ステップST323に戻ってクランク角を取得し、クランク角が閉弁時期になるまで閉弁時期の判断を繰り返す。
開閉時期判断部154の判断により、運転中の内燃機関1が排気バルブ47の閉弁時期であると判断された場合には、排気バルブ47の閉弁処理を行なう(ステップST325)。即ち、電磁駆動弁制御部82及び駆動回路33によって排気側電磁駆動弁42を作動させて排気側電磁駆動弁42を閉弁作動させ、開弁状態の排気バルブ47を閉弁する。
なお、この処理手順は排気側電磁駆動弁42の制御について説明しているが、吸気側電磁駆動弁41を制御する場合も、同様の処理手順で行なう。即ち、クランクシャフト12の回転数に応じて吸気バルブ46を小リフト量、または通常リフト量のいずれで開弁するかを判断し、また、内燃機関1の運転時の負荷が高負荷であるかを判断する。これらの判断により、吸気バルブ46の開弁初期には小リフト量で開弁する必要があり、且つ、運転中の内燃機関1の負荷が高負荷である場合には、まず、小リフトで吸気バルブ46を開弁し、所定のクランク角になった際にリフト量を通常リフト量にする。
以上の電磁駆動弁40の制御装置140は、ECU150の処理部81に負荷取得部151を設けて内燃機関1運転時の負荷を取得し、取得した負荷が高負荷の場合には、電磁駆動弁40を通常リフト量で開弁する期間を設けている。つまり、取得した負荷が高負荷の場合には、吸気側電磁駆動弁41では、運転中の内燃機関1のクランク角がリフト量変化クランク角CR4に到達した際に、吸気バルブ46を小リフトから通常リフトに移動させている。また、取得した負荷が高負荷の場合、排気側電磁駆動弁42では、運転中の内燃機関1のクランク角がリフト量変化クランク角CR5に到達した際に、排気バルブを通常リフトから小リフトに移動させている。
換言すると、運転中の内燃機関1の負荷が高負荷の場合には、吸気側電磁駆動弁41では、干渉領域108における吸気バルブ46の開度は小リフト量にし、クランク角がリフト量変化クランク角CR4に到達した際、つまり、干渉領域108での開弁を経過した後に、吸気バルブ46の開度を通常リフト量にしている。また、運転中の内燃機関1の負荷が高負荷の場合には、排気側電磁駆動弁42では、干渉領域108での開弁より前の排気バルブ47の開度は通常リフト量にし、クランク角がリフト量変化クランク角CR5に到達した際、つまり、干渉領域108では、排気バルブ47の開度を小リフト量にしている。
このように、干渉領域108では吸気バルブ46や排気バルブ47を小リフト量で開弁しているので、吸気バルブ46や排気バルブ47とピストン8とが干渉することを抑制できる。また、内燃機関1を高負荷で運転している際の干渉領域108以外の開弁は、通常リフト量で開弁しているので、効率よく多量の吸排気をする必要がある高負荷運転時の吸排気の開口面積を確保することができる。これらの結果、高負荷運転時において、より確実に電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
また、小リフトで開弁した吸気側電磁駆動弁41は、クランク角がリフト量変化クランク角CR4に到達した際に通常リフトで開弁しているので、吸気行程の途中から吸気通路21の開口面積が大きくなっている。このため、吸気時における慣性効果を最大限に活用できる。つまり、吸気行程前半では、ピストン8が上死点から下死点の方向に向かうことにより気筒5内に負圧が発生し、吸気通路21から新気が導かれる。この時、気筒5内に流入する新気は、大きな流速を得て流入するので気筒5内の圧力が高くなっても流れは停止せず、正圧に転じるまで気筒5内に流入する。即ち、吸入行程では慣性効果が生じるが、吸気行程の途中からは吸気通路21の開口面積が大きくなっているので、吸気時における慣性効果を最大限に活用できる。これらの結果、吸排気の効率を、より確実に向上させることができる。
また、排気側電磁駆動弁42の開弁直後は通常リフトで開弁し、クランク角がリフト量変化クランク角CR5に到達した際に、小リフトにしているので、排気行程の前半は排気通路の開口面積が大きくなっており、排気行程の途中から排気通路の開口面積が小さくなっている。このため、排気行程における前半で、排気ガスの大半を排気させることができ、燃焼室15内の残留排気ガスを、より確実に低減できる。この結果、内燃機関1の高負荷運転時におけるノッキングの発生を低減することができる。
なお、上述した電磁駆動弁40は、2種類の開度で弁体45が開くように設けられているが、弁体45は3種類以上の開度で開くように設けられていてもよい。要は、複数の開度で開弁するように電磁駆動弁40が設けられている場合において、大開度で開弁した際には弁体45とピストン8とが干渉する場合には、小開度で開弁し、それ以外の場合には大開度で開弁するように設けられていればよい。これにより、電磁駆動弁40とピストン8との干渉を抑制しつつ吸排気時の開口面積を確保することができる。
以上のように、本発明に係る電磁駆動弁の制御装置は、電磁駆動弁を有する内燃機関に有用であり、特に、内燃機関運転時における吸排気バルブとピストンとの干渉の抑制と、運転性能の確保とを両立する場合に適している。
本発明の実施例1に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。 図1に示す電磁駆動弁の詳細図である。 図1のA部詳細図である。 図2に示す電磁駆動弁を通常リフト量で開弁している状態を示す説明図である。 図2に示す電磁駆動弁の閉弁状態を示す説明図である。 内燃機関の高回転時における吸気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 内燃機関の低回転時に通常リフト量で開弁した場合における吸気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 内燃機関の低回転時に小リフト量で開弁した場合における吸気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 内燃機関の高回転時における排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 内燃機関の低回転時に通常リフト量で開弁した場合における排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 内燃機関の低回転時に小リフト量で開弁した場合における排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 内燃機関の高回転時における吸気バルブと排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 内燃機関の低回転時に通常リフト量で開弁した場合における吸気バルブと排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 内燃機関の低回転時に小リフト量で開弁した場合における吸気バルブと排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 本発明の実施例1に係る電磁駆動弁の制御装置の処理手順を示すフロー図である。 本発明の実施例2に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。 クランクシャフトの回転数に対する干渉クランク角の一例を示す図表である。 本発明の実施例2に係る電磁駆動弁の制御装置の処理手順を示すフロー図である。 本発明の実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。 本発明の実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の低回転時における吸気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 本発明の実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置が設けられた内燃機関の低回転時における排気バルブとピストンとの位置関係を示す説明図である。 本発明の実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置の処理手順を示すフロー図である。 本発明の実施例3に係る電磁駆動弁の制御装置の処理手順を示すフロー図である。
符号の説明
1 内燃機関
3、110、140 制御装置
5 気筒
6 シリンダヘッド
7 シリンダブロック
8 ピストン
9 ピストン上面
10 バルブリセス
11 コネクティングロッド
12 クランクシャフト
15 燃焼室
18 冷却水路
21 吸気通路
22 排気通路
25 点火プラグ
26 点火部
30 インジェクタ
31 クランク角検出センサ
33 駆動回路
40 電磁駆動弁
41 吸気側電磁駆動弁
42 排気側電磁駆動弁
45 弁体
46 吸気バルブ
47 排気バルブ
50 バルブステム
51 バルブガイド
52 アーマチャシャフト
53 アーマチャ
55 ロアリテーナ
56 ロアスプリング
57 ロアコイル
58 ロアコア
60 アッパリテーナ
61 アッパスプリング
62 アッパコイル
63 アッパコア
65 アッパキャップ
66 アジャストボルト
68 外筒
70 小リフト状態
71 通常リフト状態
72 閉弁状態
80、120、150 ECU
81 処理部
82 電磁駆動弁制御部
83 クランク角取得部
84 計算タイミング判断部
85 回転数取得部
86 バルブ制御計算部
87 干渉判断部
88 記憶部
89 入出力部
101 吸気バルブ開度線
102 排気バルブ開度線
103 ピストン位置線
104 上死点
105 下死点
108 干渉領域
121 干渉クランク角導出部
130 干渉クランク角マップ
151 負荷取得部
152 負荷判断部
153 リフト量変化クランク角導出部
154 開閉時期判断部
155 開度判断部
156 リフト量変化クランク角判断部

Claims (8)

  1. 往復運動が可能なピストンが内設された気筒を有すると共に前記ピストンの往復運動に伴い回転運動が可能なクランク軸を有する内燃機関の吸気弁または排気弁の少なくともいずれか一方の弁体が設けられ、且つ、前記弁体を少なくとも開く度合いの異なる2種類の開度で開くことが可能な電磁駆動弁と、
    前記電磁駆動弁の前記2種類の開度のうち開く度合いが大きい方の前記開度である大開度で前記電磁駆動弁を開弁した際には前記弁体と前記ピストンとが干渉する領域である干渉領域を含むかを判断する干渉判断手段と、
    前記電磁駆動弁の開弁及び閉弁の制御をすると共に、前記電磁駆動弁を開弁する際に前記干渉領域を含むと前記干渉判断手段で判断した場合には、前記2種類の開度のうち開く度合いが小さい方の前記開度である小開度で前記電磁駆動弁を開弁する制御手段と、
    を備えることを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
  2. 前記干渉判断手段は、前記電磁駆動弁の開弁が前記干渉領域を含む開弁であるかを、前記クランク軸の回転角度位置であるクランク角に基づいて判断することを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動弁の制御装置。
  3. 前記干渉判断手段は、前記電磁駆動弁の開弁が前記干渉領域を含む開弁であるかを、前記電磁駆動弁の作動時期における前記クランク角と、前記電磁駆動弁の開弁が前記干渉領域を含んだ開弁となる境界の前記クランク角である干渉クランク角と、を比較することにより判断することを特徴とする請求項2に記載の電磁駆動弁の制御装置。
  4. さらに、前記クランク軸の回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記回転数取得手段が取得した前記回転数より、前記回転数に応じた前記干渉クランク角を導出する干渉クランク角導出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の電磁駆動弁の制御装置。
  5. 前記電磁駆動弁は複数設けられていると共に前記複数の電磁駆動弁のうち少なくとも一部の前記電磁駆動弁の前記弁体は前記吸気弁として設けられており、
    前記制御手段は、前記内燃機関の運転中において閉弁状態の前記吸気弁が前記干渉領域を含む開弁となる作動時期よりも早い時期に開弁する際に、前記小開度で前記吸気弁を開弁することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁駆動弁の制御装置。
  6. さらに、前記内燃機関運転時の負荷を取得する負荷取得手段が備えられており、
    前記制御手段は、前記負荷取得手段で取得した前記負荷が高負荷である場合には、前記干渉領域における前記吸気弁の開度は前記小開度を維持し、前記干渉領域での開弁後に前記吸気弁の開度を前記大開度にすることを特徴とする請求項5に記載の電磁駆動弁の制御装置。
  7. 前記電磁駆動弁は複数設けられていると共に前記複数の電磁駆動弁のうち少なくとも一部の前記電磁駆動弁の前記弁体は前記排気弁として設けられており、
    前記制御手段は、前記内燃機関の運転中において開弁状態の前記排気弁を閉弁する際に、開弁状態の前記排気弁が前記干渉領域を含んで閉弁する作動時期よりも遅い時期に閉弁する場合に、前記排気弁の開弁状態を前記小開度にすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁駆動弁の制御装置。
  8. さらに、前記内燃機関運転時の負荷を取得する負荷取得手段が備えられており、
    前記制御手段は、前記負荷取得手段で取得した前記負荷が高負荷である場合には、前記干渉領域での開弁より前の前記排気弁の開度は前記大開度にし、少なくとも前記干渉領域における前記排気弁の開度は前記小開度にすることを特徴とする請求項7に記載の電磁駆動弁の制御装置。
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