JP2008001740A - 紫外線硬化型被覆形成用塗布液およびその塗布液による被膜形成をした成形体。 - Google Patents

紫外線硬化型被覆形成用塗布液およびその塗布液による被膜形成をした成形体。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、紫外線硬化型被覆用塗布液を使用することにより作業時間を短縮し、作業者が、作業時に、既塗り、未塗りの区別を明確に判断可能であり、最終的に無色透明となる紫外線硬化型被覆形成用塗布液、及び、その塗布液を塗布した成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、以下の構成により、上記課題を解決するものである。(1) ラテントピグメントと光酸発生剤とを含有する着色紫外線硬化型被覆形成用塗布液。(2) 項(1)に記載される着色紫外線硬化型被覆用塗布液が表面に塗布され、加熱処理又は紫外線照射により得られた無色透明な紫外線硬化型被覆膜成形体。(3) 項(2)において、成形体が、水回り機器である紫外線硬化型被覆膜成形体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ラテントピグメントと光酸発生剤とを含有する着色紫外線硬化型被覆形成用塗布液に関するものであり、また、その塗布液により被膜形成をした成形体に関するものである。
紫外線硬化型被覆形成用塗布液は、液を塗布した部分に紫外線を照射することにより、短時間に硬化するもので、利便性が高く、広く使用されている。
より具体的に述べると、水場である浴室に設置される浴槽は、その光沢や平滑性に商品価値があり、滑らかに仕上げられている。場合によっては表面コートが行われることもあり、経年変化によりこの表面部分にひび割れ、亀裂、めくれ等が生じた際に、紫外線硬化型被覆形成用塗布液を用いてリフォーム、補修を行い初期に近いレベルの光沢や平滑性を確保する。また、紫外線硬化型被覆用塗布液を使用しない浴槽のリフォーム、補修方法は特許文献1に記載されるように知られている。
特開平2−250982号公報
しかしながら、無色透明な紫外線硬化型被覆形成用塗布液は、塗布現場において、既に塗布してある部分と、未だ塗布していない部分との差が、透明であるが故に分からず、塗布作業が困難という問題があった。
既塗り、未塗りの区別がつかない場合は、作業者が安全を考え、二度塗り、三度塗りを行うこととなり、その結果、被覆の厚さが不均一となる、液だれを生ずる、無駄に材料を使用する等の不具合が発生する。
また、着色された紫外線硬化型被覆形成用塗布膜は、既塗り、未塗りの区別をつけやすいものの、被膜の厚さにより色の濃淡が変化し、塗布作業に熟練を要すると共に、多くの場合、被覆する成形体そのものの色を主体と考えて、無色透明なものを望まれており、その要求に答えることができない。
更に、紫外線硬化型被覆用塗布液を使用しない浴槽のリフォーム、補修はトップコートを24時間以上乾燥させる必要があり、作業時間が長くなるという問題があった。
本発明は、紫外線硬化型被覆用塗布液を使用することにより作業時間を短縮し、作業者が、作業時に、既塗り、未塗りの区別を明確に判断可能であり、最終的に無色透明となる紫外線硬化型被覆形成用塗布液、及び、その塗布液を塗布した成形体を提供することを目的とする。
(1)本発明は、ラテントピグメントと光酸発生剤とを含有する着色紫外線硬化型被覆形成用塗布液である。
(2)また、本発明は、項(1)に記載される着色紫外線硬化型被覆用塗布液が表面に塗布され、加熱処理又は紫外線照射により得られた無色透明な紫外線硬化型被覆膜成形体である。
(3)項(2)において、成形体が、水回り機器である紫外線硬化型被覆膜成形体である。
本発明によれば、既塗り、未塗りの区別が可能であり、二度塗り、三度塗りを行うことによる被覆膜の不均一、液だれ、材料の無駄使用等の不具合を解消することができる。
また、本発明によれば、硬化後に透明になることから、被覆膜の厚さにより生ずる色の濃淡の変化がなくなり、塗布作業に熟練を要さず、成形体そのものの色を残すことができる。更に、半透明にするのであれば、成形体の色と相まって、使用者の好みの色を発現することもできる。
水回り機器に適用した場合は、他に比較して劣化速度の速い水回り機器の修理等を素早くおこなうことが可能となり、使用者の利便性を大きく向上させ、長期に亘り風呂の使用ができなくなることがない。
本発明に用いられるラテントピグメントは、顔料を構成する母体骨格に溶媒可溶性を促進させる保護基が導入された溶媒可溶性顔料誘導体(顔料前駆体)を意味する。この導入された保護基は、化学的処理、光分解的処理、熱処理などにより容易に脱離され、その結果、母体骨格が現れて顔料化が起こり、本来の顔料の色が発色する。
ラテントピグメントについては、Nature 388巻、131頁(1997)に記載されており、例えば、特開平9−3362号公報、国際公開番号第98/32802号公報、国際公開番号第98/45757号公報、国際公開番号第98/58027号公報、国際公開番号第99/01511号公報、特開平11−92695号公報、特開平11−310726号公報に、様々な色、構造を有する顔料前駆体が挙げられている。
本発明に用いられるラテントピグメントは、下記一般式(1):
A(B)x (1)
で表される。Aはキナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、インダントロン、イソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、フタロシアニン、ジケトピロロピロールまたはアゾ系列の着色剤の残基である。この残基Aは、X個のヘテロ原子を含有しており、これらのヘテロ原子は少なくとも一つのカルボニル基と共役しているか、または隣接しており、そして、Bは下記式(2)の基:
−C(=O)−O−R (2)
であり、これは上記ヘテロ原子の一つに結合している。Rは、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基またはアラルキル基を表す。
アルキル基としては、C1〜C24のアルキル基が好ましい。アルケニル基としては、C3〜C24のアルケニル基が好ましい。アルキニル基としてはC3〜C24のアルキニル基が好ましい。シクロアルキル基としてはC4〜C12のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルケニル基としては、C4〜C12のシクロアルケニル基が好ましい。アラルキル基としては、C7〜C24のアラルキル基が好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、エーテル基、アミノ基、チオエーテル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。
これらのラテントピグメントは単独で用いてもよく、2以上組合せて用いてもよい。
ラテントピグメントは、適切な溶媒に溶解される。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、シクロヘキサノール、グリシドール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体類、o−キシレン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−n−ブチル、ブチロラクトンなどのエステル、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトンが挙げられる。
本発明において光酸発生剤とは、光エネルギーを吸収して酸を発生する化合物であれば特に限定されないが、その効果から、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート等のトリフェニルスルホニウム塩が好ましい。
光酸発生剤の具体例としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体、ジフェニルジスルホン、ジシクロヘキシルジスルホン等のジスルホン誘導体、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドプロピルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドイソプロピルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドペンチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドオクチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−p−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−p−アニシルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2−クロロエチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルフェニルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドナフチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドフェニルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドフェニルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミド−p−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミドフェニルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメチルスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−p−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等が挙げられる。
本発明にて述べる着色とは、紫外線硬化型被覆形成用塗布液にラテントピグメントを含有し着色するものである。
本発明にて述べる紫外線硬化型の塗布液とは、不飽和ポリエステル系樹脂、不飽和アクリル系樹脂、不飽和ウレタン系樹脂、不飽和エポキシ系樹脂、不飽和ポリアミド系樹脂あるいはこれら樹脂とエチレン性不飽和基を有する反応性希釈剤との混合物が代表的なものとして挙げられるが、好ましくは紫外線によって重合しうる重合性官能基を2個以上有するアクリレート系多官能性化合物と、触媒の光重合開始剤と、コロイド状シリカを含む混合物である。
アクリレート系多官能性化合物は、アクリロイル基やメタクリロイル基、他の官能基や結合を有していてもよい。他の官能基や結合としては、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、ウレタン結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合などである。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンジル類などがあり、照射する紫外線の波長に合わせて選択する。光重合開始剤のほかに、光安定剤、紫外線吸収剤、増粘剤、揺変剤を含んでいてもよい。
紫外線硬化型の塗布液は、塗工の作業性や塗膜厚みの調整のために、溶剤で希釈することもできる。溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン(MEK)などがある。通常は、固形分濃度が5〜40重量%の範囲で濃度調整する。好ましくは、エチルセロソルブが良い。
基材への塗布方法としては、一般的には、例えばスプレーコート、ワイピング、スピンコート、ディップコート、フローコート、刷毛塗り、等があるが、本発明にて述べる塗布方法はスプレーコート、ワイピング、刷毛塗りが好適である。塗布後は、溶剤を充分に揮発させた後、紫外線照射を行う。塗膜厚み(硬化膜としての厚み)は約1μm〜50μm程度が好ましい。
また、基材と硬化膜形成材料との密着性をよくするために、基材表面を前処理することができる。通常は、基材表面を洗浄及び脱脂処理した後、サンディング、フレーム処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、シランカップリング剤等によるプライマー処理等からの一つ又は複数を選んで行う。これらの前処理は、基材や硬化膜形成材料等の種類及び組成に合わせて適宜選ぶことができる。
本発明にて述べる加熱処理とは、乾燥炉を使い100℃〜200℃の範囲内で1分〜60分の間で加熱することが望ましいが、100℃以上加熱できるヒーティングガン、赤外線ランプ等の加熱処理機でも代用できる。
本発明にて述べる紫外線照射とは、高圧水銀ランプを使用し基材との距離を3cm〜30cmに保ちながら照射する。好ましくは、5cm〜15cmとなるように照射する。また、紫外線の積算光量が500mJ/cm〜3000mJ/cmとなるように照射する。好ましくは紫外線の積算光量が1000mJ/cm〜2000mJ/cmとなるように照射する。
本発明にて述べる無色化の原理とは、光を照射することにより光酸発生剤から酸が発生し、この酸が重合性化合物の架橋反応の触媒として機能する。また、発生した酸は被覆膜内で拡散する。しかも、酸の拡散および酸を触媒とした架橋反応は、加熱することにより加速可能である。この架橋反応は、ラジカル重合とは異なって、酸素の存在によって阻害されることがない。そのため、1つの光子で複数の架橋反応を生じさせることができ、高い感度を実現することができる。よって色素破壊が起こり退色すると推測される。
また、本発明において述べる無色透明とは、JISZ8729、JISZ8721より未着色の紫外線硬化型被覆用塗布液から得られた被覆膜と、着色紫外線硬化型被覆用塗布液が退色して得られた被覆膜の明度差(ΔL値)が−1〜+1の範囲で、彩度差(ΔC値)が4以下とする。
本発明にて述べる水回り機器は、洗面化粧台、浴室、台所、化粧室等を意味するものであり、特に、直接水に触れる洗面ボール、浴槽、流し台、便器等に用いる。
以下、本発明の具体的な実施例、比較例を下記表1に示す。なお、基材(成形板)は不飽和ポリエステル樹脂を用いたSMC成形板を用い、各々の評価方法は次の通りである。
「無色化」は、日本電色工業株式会社製のハンディ型色差計「NR−1」を使い、ΔL値、ΔC値にて評価した。
「密着性」は、テープ試験法(JIS−K−5400)で評価した。○:剥離なし △:0〜10 ×:10以上
「表面硬度」は、鉛筆硬度(JIS−K−5400)で評価した。
「光沢」は、株式会社堀場製作所製のハンディ光沢計(グロスチェッカ)「IG331」を使い評価した。
「耐熱水性」は、試験片を80℃の蒸留水に全浸漬し、24時間毎に取り出し、膜の有無を評価する。
(実施例1)
紫外線硬化型塗料HB510−NDS(旭硝子株式会社製)100g、ラテント化インジゴ0.005g、光酸発生剤WPAG−336(和光純薬工業株式会社製)0.02gを混合し、予め脱脂処理した基材にスプレーコートで塗布し、100℃の乾燥炉で10分加熱処理した後、基材との距離を10cmに保ちながら高圧水銀ランプM−400/HB400X−21(セン特殊光源株式会社製)で1500mJ/cm±250mJ/cmの紫外線を照射する。
(実施例2)
紫外線硬化型塗料HB510−NDS(旭硝子株式会社製)100g、ラテント化インジゴ0.02g、光酸発生剤WPAG−336(和光純薬工業株式会社製)0.02gを混合し、予め脱脂処理した基材にスプレーコートで塗布し、100℃の乾燥炉で10分加熱処理した後、基材との距離を10cmに保ちながら高圧水銀ランプM−400/HB400X−21(セン特殊光源株式会社製)で1500mJ/cm±250mJ/cmの紫外線を照射する。
(実施例3)
紫外線硬化型塗料HB510−NDS(旭硝子株式会社製)100g、ラテント化インジゴ0.06g、光酸発生剤WPAG−336(和光純薬工業株式会社製)0.02gを混合し、予め脱脂処理した基材にスプレーコートで塗布し、100℃の乾燥炉で10分加熱処理した後、基材との距離を10cmに保ちながら高圧水銀ランプM−400/HB400X−21(セン特殊光源株式会社製)で1500mJ/cm±250mJ/cmの紫外線を照射する。
(比較例1)
紫外線硬化型塗料HB510−NDS(旭硝子株式会社製)100g、アシッドレッド(関東化学株式会社製)0.02g、光酸発生剤WPAG−336(和光純薬工業株式会社製)0.02gを混合し、予め脱脂処理した基材にスプレーコートで塗布し、100℃の乾燥炉で10分加熱処理した後、基材との距離を10cmに保ちながら高圧水銀ランプM−400/HB400X−21(セン特殊光源株式会社製)で1500mJ/cm±250mJ/cmの紫外線を照射する。
(比較例2)
紫外線硬化型塗料HB510−NDS(旭硝子株式会社製)100g、ローダミンB(関東化学株式会社製)0.02g、光酸発生剤WPAG−336(和光純薬工業株式会社製)0.02gを混合し、予め脱脂処理した基材にスプレーコートで塗布し、100℃の乾燥炉で10分加熱処理した後、基材との距離を10cmに保ちながら高圧水銀ランプM−400/HB400X−21(セン特殊光源株式会社製)で1500mJ/cm±250mJ/cmの紫外線を照射する。
(比較例3)
紫外線硬化型塗料HB510−NDS(旭硝子株式会社製)100g、インジゴ(関東化学株式会社製)0.02g、光酸発生剤WPAG−336(和光純薬工業株式会社製)0.02gを混合し、予め脱脂処理した基材にスプレーコートで塗布し、100℃の乾燥炉で10分加熱処理した後、基材との距離を10cmに保ちながら高圧水銀ランプM−400/HB400X−21(セン特殊光源株式会社製)で1500mJ/cm±250mJ/cmの紫外線を照射する。
Figure 2008001740
表1に示す実験結果は、紫外線硬化型塗料の種類にもよるが、ラテントピグメントの含有量は紫外線硬化型塗料100重量部に対し0.005重量部〜0.1重量部が好ましい。より好ましくは0.02重量部〜0.06重量部である。また、光酸発生剤の含有量は0.001〜0.1が好ましい。


Claims (3)

  1. ラテントピグメントと光酸発生剤とを含有する着色紫外線硬化型被覆形成用塗布液。
  2. 請求項1に記載される着色紫外線硬化型被覆用塗布液が表面に塗布され、加熱処理又は紫外線照射により得られた無色透明な紫外線硬化型被覆膜成形体。
  3. 請求項2において、成形体が、水回り機器である紫外線硬化型被覆膜成形体。
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