JP2008001621A - トリチル化合物、トリチル化合物の製造方法、電荷輸送材料、発光材料及び有機電界発光素子 - Google Patents

トリチル化合物、トリチル化合物の製造方法、電荷輸送材料、発光材料及び有機電界発光素子 Download PDF

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昌義 矢部
Misako Ohashi
未紗子 大橋
Hidetaka Goromaru
英貴 五郎丸
Kazutake Okabe
一毅 岡部
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Abstract

【課題】燐光発光性化合物を用いた高発光効率、長寿命の有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】一般式(I)のトリチル化合物を発光材料とした有機電界発光素子。(式(I)中、Aは置換基を有していてもよい窒素原子又は酸素原子、R、Rは互いに独立に水素原子又は任意の置換基、但し、R、Rの両方又は何れか一方は置換基を有していてもよいトリチル基を表す。)
Figure 2008001621

【選択図】なし

Description

本発明は、トリチル化合物等に関し、より詳しくは、電荷輸送材料として好適なトリチル化合物等に関する。
近年、薄膜型の電界発光素子として、無機材料に代わり、有機薄膜を用いた有機電界発光素子の開発が行われている。有機電界発光素子は、通常、陽極と陰極の間に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層等を有し、この各層に適した材料が開発されている。
このような材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムが挙げられる。特許文献1では、発光層にトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを含有し、正孔注入層及び正孔輸送層にそれぞれ特定構造のアミン化合物を含有して、発光輝度、発光効率及び耐熱性に優れた有機電界発光素子が提案されている。
また、従来、有機電界発光素子は蛍光発光を利用してきたが、素子の発光効率を上げるために、蛍光発光に代わり燐光発光を用いることが検討されている。
例えば、これまでに開発された燐光発光性分子を用いた有機電界発光素子の多くは、発光層の材料(ホスト材料)として、以下に示すようなカルバゾリル基を有するビフェニル誘導体が用いられている。
Figure 2008001621
国際公開第03/080760号パンフレット
ところで、これまで開発されている有機電界発光素子は、発光輝度、発光効率及び耐熱性にはある程度優れるものの、素子の寿命に関しては、さらなる課題を有している。
例えば、発光層に用いられるトリス(8−キノリノラト)アルミニウムは、発光効率、最大発光輝度及び色純度の点において不十分であるため、フルカラーディスプレイ用途への適用は限定的であるという問題点がある。
また、燐光発光は用いる試みは、未だ十分な発光効率が得られていないのが現状である。さらに、燐光発光性物質として開発されているカルバゾリル基を有するビフェニル誘導体の場合は、非晶質性あるいは電気化学的な耐久性等が不十分であるため、それを用いた素子は、耐久性に課題を有している。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、三重項励起準位が高く、且つ耐熱性が良好なトリチル化合物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、かかるトリチル化合物の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、三重項励起準位が高く、且つ耐熱性が良好なトリチル化合物からなる電荷輸送材料を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、三重項励起準位が高く、且つ耐熱性が良好なトリチル化合物からなる発光材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、長寿命、且つ発光効率が高い有機電界発光素子を提供することにある。
かくして本発明によれば、下記一般式(I)で表されることを特徴とするトリチル化合物が提供される。
Figure 2008001621
(式(I)中、Aは、置換基を有していてもよい窒素原子又は酸素原子を表し、R、Rは、互いに独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。但し、R、Rの両方又は何れか一方は、置換基を有していてもよいトリチル基を表す。)
ここで、式(I)において、Rが水素原子であることが好ましい。
次に、本発明によれば、下記一般式(II)で表される化合物と、下記一般式(III)で表される化合物とを、酸性又は塩基性条件下で作用させることを特徴とするトリチル化合物の製造方法が提供される。
Figure 2008001621
(式(II)中、Aは、置換基を有していてもよい窒素原子又は酸素原子を表し、X、Xは、互いに独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。但し、X、Xの両方又は何れか一方は、水素原子を表す。)
Figure 2008001621
(式(III)中、Xは、ハロゲン原子又は−O−R基(Rは、水素原子又は任意の置換基を表す)を表す。)
ここで、式(III)において、Xが水素原子であることが好ましい。
また、本発明によれば、上述した式(I)で示されるトリチル化合物からなることを特徴とする電荷輸送材料が提供される。
さらに、本発明によれば、上述した式(I)で示されるトリチル化合物からなることを特徴とする発光材料が提供される。
次に、本発明によれば、基板上に、陽極、陰極及びこれら両極間に設けられた有機発光層を有する有機電界発光素子であって、上述した式(I)で示されるトリチル化合物を含有してなる層を有することを特徴とする有機電界発光素子が提供される。
ここで、式(I)で示されるトリチル化合物を含有してなる層が有機発光層であることが好ましい。
さらにこの場合、有機発光層が、式(I)で示されるトリチル化合物からなる電荷輸送材料をホスト材料とし、このホスト材料に対して、燐光発光性色素がドープされてなることが好ましい。
本発明によれば、長寿命、発光効率が高い有機電界発光素子が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
(1)トリチル化合物
本実施の形態が適用されるトリチル化合物は、下記一般式(I)で表されることを特徴とするものである。
Figure 2008001621
ここで、式(I)中、Aは、置換基を有していてもよい窒素原子又は酸素原子を表し、R、Rは、互いに独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。但し、R、Rの両方又は何れか一方は、置換基を有していてもよいトリチル基を表す。
式(I)中のAが有することがある置換基としては、例えば、置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは、炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基で、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルケニル基(例えば、炭素数1から8のアルケニル基であり、ビニル、アリル、1−ブテニル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルキニル基(例えば、炭素数1から8のアルキニル基であり、エチニル、プロパルギル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアラルキル基(例えば、炭素数1から8のアラルキル基であり、ベンジル基等が挙げられる。)が挙げられる。
Aが有することがある置換基の分子量は、1000以下が好ましく、500以下がさらに好ましい。
次に、式(I)中のR、Rとしては、例えば、トリチル基;水素原子;置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基で、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルケニル基(例えば、炭素数1から8のアルケニル基であり、ビニル、アリル、1−ブテニル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルキニル基(例えば、炭素数1から8のアルキニル基であり、エチニル、プロパルギル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアラルキル基(例えば、炭素数1から8のアラルキル基であり、ベンジル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアミノ基(好ましくは、置換基に炭素数1から8のアルキル基を1つ以上有するものであり、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ基等が挙げられる。);置換基を有してもよいヘテロアリールアミノ基(例えば、ピリジルアミノ、チエニルアミノ、ジチエニルアミノ基等が含まれる。);置換基を有してもよいアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアルコキシ基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルコキシ基であり、メトキシ、エトキシ、ブトキシ基等が含まれる);置換基を有してもよいアリールオキシ基(好ましくは、芳香族炭化水素基や複素環基を有するものであり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、ピリジルオキシ、チエニルオキシ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアシル基であり、ホルミル、アセチル、ベンゾイル基等が含まれる);置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等が含まれる);置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数2〜13のアリールオキシカルボニル基であり、アセトキシ基等が含まれる);カルボキシル基;シアノ基;水酸基;チオール基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜8までのアルキルチオ基であり、メチルチオ基、エチルチオ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(好ましくは、炭素数1〜8までのアリールチオ基であり、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいスルホニル基(例えば、メシル基、トシル基等が含まれる);置換基を有してもよいシリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が含まれる);置換基を有してもよいボリル基(例えば、ジメシチルボリル基等が含まれる);置換基を有してもよいホスフィノ基(例えば、ジフェニルホスフィノ基等が含まれる);置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等が含まれる。);芳香族複素環基(例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等が含まれる)、等が挙げられる。
これらの中でも、分子振動を制限する観点から、より好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基である。
、Rの分子量は、それぞれ1500以下が好ましく、1000以下がさらに好ましい。
また、R、Rが有することがある置換基としては、置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基で、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルケニル基(例えば、炭素数1から8のアルケニル基であり、ビニル、アリル、1−ブテニル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルキニル基(例えば、炭素数1から8のアルキニル基であり、エチニル、プロパルギル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアラルキル基(例えば、炭素数1から8のアラルキル基であり、ベンジル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアミノ基(好ましくは、置換基に炭素数1から8のアルキル基を1つ以上有するものであり、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ基等が挙げられる。);置換基を有してもよいヘテロアリールアミノ基(例えば、ピリジルアミノ、チエニルアミノ、ジチエニルアミノ基等が含まれる。);置換基を有してもよいアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアルコキシ基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルコキシ基であり、メトキシ、エトキシ、ブトキシ基等が含まれる);置換基を有してもよいアリールオキシ基(好ましくは、芳香族炭化水素基や複素環基を有するものであり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、ピリジルオキシ、チエニルオキシ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアシル基であり、ホルミル、アセチル、ベンゾイル基等が含まれる);置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等が含まれる);置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数2〜13のアリールオキシカルボニル基であり、アセトキシ基等が含まれる);カルボキシル基;シアノ基;水酸基;チオール基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜8までのアルキルチオ基であり、メチルチオ基、エチルチオ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(好ましくは、炭素数1〜8までのアリールチオ基であり、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいスルホニル基(例えば、メシル基、トシル基等が含まれる);置換基を有してもよいシリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が含まれる);置換基を有してもよいボリル基(例えば、ジメシチルボリル基等が含まれる);置換基を有してもよいホスフィノ基(例えば、ジフェニルホスフィノ基等が含まれる);置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等が含まれる。);芳香族複素環基(例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等が含まれる)、
等が挙げられる。これらの中でも、分子振動を制限する観点から、より好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基である。
また、R、Rが有することがある置換基の分子量は、それぞれ500以下が好ましく、250以下がさらに好ましい。
ここで、R、Rの両方又は何れか一方は、置換基を有していてもよいトリチル基である。この場合、トリチル基が有することがある置換基としては、置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基で、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルケニル基(例えば、炭素数1から8のアルケニル基であり、ビニル、アリル、1−ブテニル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルキニル基(例えば、炭素数1から8のアルキニル基であり、エチニル、プロパルギル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアラルキル基(例えば、炭素数1から8のアラルキル基であり、ベンジル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアミノ基(好ましくは、置換基に炭素数1から8のアルキル基を1つ以上有するものであり、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ基等が挙げられる。);置換基を有してもよいヘテロアリールアミノ基(例えば、ピリジルアミノ、チエニルアミノ、ジチエニルアミノ基等が含まれる。);置換基を有してもよいアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアルコキシ基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルコキシ基であり、メトキシ、エトキシ、ブトキシ基等が含まれる);置換基を有してもよいアリールオキシ基(好ましくは、芳香族炭化水素基や複素環基を有するものであり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、ピリジルオキシ、チエニルオキシ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアシル基であり、ホルミル、アセチル、ベンゾイル基等が含まれる);置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等が含まれる);置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数2〜13のアリールオキシカルボニル基であり、アセトキシ基等が含まれる);カルボキシル基;シアノ基;水酸基;チオール基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜8までのアルキルチオ基であり、メチルチオ基、エチルチオ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(好ましくは、炭素数1〜8までのアリールチオ基であり、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいスルホニル基(例えば、メシル基、トシル基等が含まれる);置換基を有してもよいシリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が含まれる);置換基を有してもよいボリル基(例えば、ジメシチルボリル基等が含まれる);置換基を有してもよいホスフィノ基(例えば、ジフェニルホスフィノ基等が含まれる);置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等が含まれる。);芳香族複素環基(例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等が含まれる)等が挙げられる。好ましくはトリチル基は無置換である。
トリチル基が有することがある置換基の分子量は、500以下が好ましく、250以下がさらに好ましい。
また、トリチル基の各ベンゼン環は、同一のベンゼン環に結合する置換基同士が結合して環を形成してもよい。
上述したように、式(I)中のR、Rは、互いに独立に、水素原子又は任意の置換基を表すものであるが、Rが水素原子であることが好ましい。
本実施の形態が適用されるトリチル化合物の分子量は、通常、5000以下、好ましくは3000以下である。トリチル化合物の分子量が過度に大きいと、高純度化が困難になるおそれがある。また、分子量が過度に小さいと、耐熱性が低下するおそれがある。
以下、本実施の形態が適用されるトリチル化合物の具体例(化合物1〜化合物52)を以下に示す。
Figure 2008001621
Figure 2008001621
Figure 2008001621
Figure 2008001621
(2)トリチル化合物の製造方法
本実施の形態が適用される一般式(I)で表されるトリチル化合物は、下記一般式(II)で表される化合物と、下記一般式(III)で表される化合物とを、酸性又は塩基性条件下で作用させることにより製造することができる。
Figure 2008001621
式(II)中、Aは、置換基を有していてもよい窒素原子又は酸素原子を表し、X、Xは、互いに独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。但し、X、Xの両方又は何れか一方は、水素原子を表す。
Figure 2008001621
ここで、式(III)中、Xは、ハロゲン原子又は−O−R基(但し、Rは、水素原子又は任意の置換基を表す)を表す。
式(II)中のAが有することがある置換基としては、例えば、置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは、炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基で、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルケニル基(例えば、炭素数1から8のアルケニル基であり、ビニル、アリル、1−ブテニル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルキニル基(例えば、炭素数1から8のアルキニル基であり、エチニル、プロパルギル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアラルキル基(例えば、炭素数1から8のアラルキル基であり、ベンジル基等が挙げられる。)が挙げられる。
Aが有することがある置換基の分子量は、1000以下が好ましく、500以下がさらに好ましい。
式(II)中のX、Xが表す置換基としては、例えば、トリチル基;水素原子;置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基で、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルケニル基(例えば、炭素数1から8のアルケニル基であり、ビニル、アリル、1−ブテニル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアルキニル基(例えば、炭素数1から8のアルキニル基であり、エチニル、プロパルギル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアラルキル基(例えば、炭素数1から8のアラルキル基であり、ベンジル基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアミノ基(好ましくは、置換基に炭素数1から8のアルキル基を1つ以上有するものであり、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。);置換基を有してもよいアリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ基等が挙げられる。);置換基を有してもよいヘテロアリールアミノ基(例えば、ピリジルアミノ、チエニルアミノ、ジチエニルアミノ基等が含まれる。);置換基を有してもよいアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアルコキシ基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルコキシ基であり、メトキシ、エトキシ、ブトキシ基等が含まれる);置換基を有してもよいアリールオキシ基(好ましくは、芳香族炭化水素基や複素環基を有するものであり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、ピリジルオキシ、チエニルオキシ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアシル基であり、ホルミル、アセチル、ベンゾイル基等が含まれる);置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等が含まれる);置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは、置換基を有してもよい炭素数2〜13のアリールオキシカルボニル基であり、アセトキシ基等が含まれる);カルボキシル基;シアノ基;水酸基;チオール基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜8までのアルキルチオ基であり、メチルチオ基、エチルチオ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(好ましくは、炭素数1〜8までのアリールチオ基であり、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基等が含まれる。);置換基を有していてもよいスルホニル基(例えば、メシル基、トシル基等が含まれる);置換基を有してもよいシリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が含まれる);置換基を有してもよいボリル基(例えば、ジメシチルボリル基等が含まれる);置換基を有してもよいホスフィノ基(例えば、ジフェニルホスフィノ基等が含まれる);置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等が含まれる。);芳香族複素環基(例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等が含まれる)、等が挙げられる。
これらの中でも、分子振動を制限する観点から、より好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基である。
、Xの分子量は、それぞれ1500以下が好ましく、1000以下がさらに好ましい。
式(III)中のXのハロゲン原子としては、F、Cl、Br、Iであり、好ましくは、Clである。
式(III)中のXが表す−O−R基のRとしては、例えば、水素原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;CFSO−基、CH―Ph―SO−基(Phはフェニル基である)等のR−SO−基(Rは任意の置換基)等が挙げられる。
の分子量は、500以下が好ましく、300以下がさらに好ましい。
一般式(I)で表されるトリチル化合物を、一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される化合物とを酸性又は塩基性条件下で作用させる方法としては、公知の各種の方法を採用することができ、特に限定されない。具体例としては、以下の方法が挙げられる。
尚、下記反応式中の化合物は、当該各反応が通常進行しうる範疇にて、図示していない任意の置換基を更に有していてもよい。
また、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよい芳香環を表す。
Figure 2008001621
[2−1]反応例1
反応例1は、少なくとも3,6−位の何れか一方が無置換であり、N上も無置換のカルバゾール化合物と、置換基を有していてもよいPhCXとを、大気中もしくは不活性雰囲気下、酸触媒存在下、無溶媒または溶媒中、0℃〜200℃の温度範囲で、0.1時間〜60時間程度混合することにより、目的物を得ることができる。
ここで、PhCXのXは、塩素原子、臭素原子または−OH基であり、塩素原子が最も好ましい。PhCXの量は、通常、カルバゾール化合物1モルに対して、0.1モル〜10モル、好ましくは0.1モル〜1.5モルである。また、3,6−共に置換基を有さないカルバゾール化合物を用いる場合は、トリチル基が3,6−位の両方に入る場合があるため、その場合は、PhCXの投入比率を少なくするか、あるいは反応時間を短縮したり、反応温度を低めにしたりする等して調整するのが好ましい。
不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。酸触媒としては、例えば、濃塩酸、濃硫酸、塩化アルミニウム、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。酸触媒の量は、通常、カルバゾール化合物1モルに対して、0.001モル〜1000モルである。
溶媒としては、例えば、水;酢酸等の有機酸系溶媒;エタノール等のアルコール系溶媒;ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;トルエン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。溶媒の量は、通常、カルバゾール化合物1モルに対して、0.1リットル〜1000リットルである。
[2−2]反応例2
反応例2は、カルバゾール化合物のN上への置換基導入反応であり、例えば、次の方法(a)〜方法(c)を採用することができる。
方法(a)
フッ素原子を置換基に有するR−Y(Yはフッ素原子)を用いる場合、カルバゾール化合物を、乾燥ガス雰囲気下及び/または不活性ガス雰囲気下、所定の溶媒中、−78℃〜+60℃の温度範囲で強塩基と0.1時間〜60時間撹拌して反応生成物を得る。
一方、前記R−Yを所定の溶媒に溶解した溶液を調製する。
次に、前述した反応生成物とこの溶液とを混合し、加熱還流下、1時間〜60時間撹拌することにより、目的物を得ることができる。
ここで、カルバゾール化合物は、前記Yに対して、1.1当量〜10当量程度を使用する。所定の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エーテル、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
方法(b)
臭素原子及び/またはヨウ素原子を置換基に有するR−Y(Yは、臭素原子またはヨウ素原子)を用いる場合、以下の(i)または(ii)の方法が挙げられる。
(i)R−Yとカルバゾール化合物(前記Yに対して1.0〜100当量程度)とを、銅触媒及び塩基性物質の存在下、不活性ガス気流下、無溶媒または溶媒中で、必要に応じて、所定の配位子を更に加え、20℃〜300℃の温度範囲で、0.5時間〜60時間撹拌混合することにより、目的物を得ることができる。
ここで、銅触媒としては、例えば、銅粉末、銅線、ハロゲン化銅(CuZ(Z=Cl、Br、I))、酸化銅(CuO)、CuO、酢酸銅(Cu(OAc))等が挙げられる。銅触媒の量は、前記Yに対して0.01当量〜10当量程度である。
塩基性物質としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウム、ピリジン等が挙げられる。塩基性物質の量は、前記Yに対して1当量〜100当量程度である。
溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン等の芳香族溶媒;テトラグライム、ポリエチレングリコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメトキシエタン等の溶媒等が挙げられる。溶媒の量は、通常、カルバゾール化合物の1モルに対して、0.1リットル〜100リットルである。
配位子としては、例えば、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−エチレンジアミン、1,2−エチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン、サリチルアルドキシム、ジメチルグリオキシム、2−ピリジンアルドキシム、1,10−フェナントロリン等が挙げられる。配位子の量は、通常、銅触媒1モルに対して、1モル〜10モル程度である。
(ii)R−Yとカルバゾール化合物(前記Yに対して1.0〜100当量程度)とを、触媒及び強塩基の存在下、必要に応じて銅触媒共存下、溶媒中、30℃〜200℃で1時間〜60時間かけて撹拌することににより、目的物を得ることができる。
ここで、触媒としては、2価のパラジウム触媒とリガンドとの組合せ、0価のパラジウム錯体、パラジウム塩化物錯体等が挙げられる。具体的には、2価のパラジウム触媒としては、Pd(dba)(Pd=パラジウム、dba=ジベンジリデンアセトン)、Pd(dba)、酢酸パラジウム等が挙げられる。リガンドとしては、2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ−1,1’−ビナフチル)(BINAP)、トリ(tert−ブチル)フォスフィン、トリフェニルフォスフィン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン(dppf)等が挙げられる。
0価のパラジウム錯体としては、Pd(PPh)(Ph=フェニル)等が挙げられる。パラジウム塩化物錯体としては、PdCl(dppf)等が挙げられる。
触媒の使用量は、通常、前記Yの1当量に対して0.01〜1当量程度である。
また、強塩基としては、例えば、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン等が挙げられる。強塩基の量は、通常、反応で生成し得るハロゲン化水素1当量に対して、1.1当量〜10当量である。
銅触媒としては、例えば、ヨウ化銅等が挙げられる。銅触媒の量は、通常、反応で生成し得るハロゲン化水素1当量に対して、1当量〜10当量である。
溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、トリエチルアミン等が挙げられる。溶媒の量は、通常、前記Yの濃度で0.1ミリモル%〜100ミリモル%程度である。
方法(c)
その他にも、カップリングには、グリニヤ反応、亜鉛を用いる方法、スズを用いる方法等、公知の手法を適用可能である。使用する触媒としては、パラジウム、ニッケル、銅等の遷移金属触媒が挙げられる。触媒の使用料は、通常、カルバゾール化合物に対して0.1モル%〜200モル%程度である。
また、塩基性物質としては、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウム等が挙げられる。塩基性物質の使用量は、通常、カルバゾール化合物に対して50モル%〜1000モル%程度である。
反応温度としては、通常、0℃以上、好ましくは50℃以上であり、通常、300℃以下、好ましくは200℃以下である。
反応に使用する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラグライム等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
さらに、他にも、カルバゾールのN上への置換基導入には、J.Am.Chem.Soc.(2001),123,7727−9、Angew.Chem.Int.Ed.(2003),42,5400−49、Coordination Chemistry Reviews(2004),248,2337−64、「第4版実験化学講座20」(日本化学会編、丸善)、第6章(アミン)の項に記載の方法等が適用可能である。
[2−3]反応例3
反応例3は、前述した反応例2と同様の操作によりに成立させることができる。
[2−4]反応例4
反応例4は、反応例1で使用するN上が無置換のカルバゾール化合物を、N上が置換されたカルバゾール化合物に置き換えることにより、反応例1と同様の操作により成立させることができる。
[2−5]反応例5
反応例5は、3,6−位の両方が無置換で、N上も無置換のカルバゾール化合物と、置換基を有していてもよいPhCXとを、大気中もしくは不活性雰囲気下、酸触媒存在下、無溶媒または溶媒中、0℃〜200℃の温度範囲で、0.1時間〜60時間程度混合することにより目的物を得ることができる。
ここで、PhCXのXは、塩素原子、臭素原子または−OH基であり、塩素原子が最も好ましい。PhCXの量は、通常、カルバゾール化合物1モルに対して、1.5モル〜20モル、好ましくは2モル〜10モルである。不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス等である。
酸触媒としては、濃塩酸、濃硫酸、塩化アルミニウム、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。酸触媒の量としては、通常、カルバゾール化合物1モルに対して、0.001モル〜1000モルである。
溶媒としては、水;酢酸等の有機酸系溶媒;エタノール等のアルコール系溶媒;ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;トルエン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。溶媒の量は、通常、カルバゾール化合物1モルに対して、0.1リットル〜1000リットルである。
[2−6]反応例6
反応例6は、反応例5で使用するN上が置換されたカルバゾール化合物を、N上が無置換のカルバゾール化合物に置き換えることにより、反応例5と同様の操作により成立させることができる。
[2−7]反応例7
反応例7は、反応例3と同条件下で同様な操作を行うことにより成立させることができる。
[2−8]反応例8
反応例8は、6−位が無置換でN上に置換基を有するカルバゾール化合物と、置換基を有していてもよいPhCXとを、大気中もしくは不活性雰囲気下、酸触媒存在下、無溶媒または溶媒中、0℃〜200℃の温度範囲で、0.1時間〜60時間程度混合することにより目的物を得ることができる。
ここで、PhCXのXは、塩素原子、臭素原子または−OH基であり、塩素原子が最も好ましい。PhCXの量は、通常、カルバゾール化合物1モルに対して、1.0モル〜10モル、好ましくは1.1モル〜5モルである。不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス等である。
酸触媒としては、濃塩酸、濃硫酸、塩化アルミニウム、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。酸触媒の量は、通常、カルバゾール化合物1モルに対して、0.001モル〜1000モルである。
溶媒としては、水;酢酸等の有機酸系溶媒;エタノール等のアルコール系溶媒;ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;トルエン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。溶媒の量は、通常、カルバゾール化合物1モルに対して、0.1リットル〜1000リットルである。
[2−9]反応例9
反応例9は、反応例5で使用するカルバゾール化合物をジベンゾフラン化合物に置き換えることにより、反応例5と同様の操作により成立させることができる。
[2−10]反応例10
反応例10は、反応例1で使用するカルバゾール化合物をジベンゾフラン化合物に置き換えることにより、反応例1と同様の操作により成立させることができる。
[2−11]反応例11
反応例11は、反応例8で使用するカルバゾール化合物をジベンゾフラン化合物に置き換えることにより、反応例8と同様の操作により成立させることができる。
化合物の精製方法としては、「分離精製技術ハンドブック」(1993年、(財)日本化学会編)、「化学変換法による微量成分及び難精製物質の高度分離」(1988年、株式会社アイ・ピー・シー発行)、あるいは「実験化学講座(第4版)1」(1990年、財団法人日本化学会編)の「分離と精製」の項に記載の方法をはじめとし、公知の技術を利用可能である。
具体的には、抽出(懸濁洗浄、煮沸洗浄、超音波洗浄、酸塩基洗浄を含む)、吸着、吸蔵、融解、晶析(溶媒からの再結晶、再沈殿を含む)、蒸留(常圧蒸留、減圧蒸留)、蒸発、昇華(常圧昇華、減圧昇華)、イオン交換、透析、濾過、限外濾過、逆浸透、圧浸透、帯域溶解、電気泳動、遠心分離、浮上分離、沈降分離、磁気分離、各種クロマトグラフィー(形状分類:カラム、ペーパー、薄層、キャピラリー。移動相分類:ガス、液体、ミセル、超臨界流体。分離機構:吸着、分配、イオン交換、分子ふるい、キレート、ゲル濾過、排除、アフィニティー)等が挙げられる。
生成物の確認や純度の分析方法としては、ガスクロマトグラフ(GC)、高速液体クロマトグラフ(HPLC)、高速アミノ酸分析計(AAA)、キャピラリー電気泳動測定(CE)、サイズ排除クロマトグラフ(SEC)、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)、交差分別クロマトグラフ(CFC)、質量分析(MS、LC/MS,GC/MS,MS/MS)、核磁気共鳴装置(NMR(HNMR,13CNMR))、フーリエ変換赤外分光高度計(FT−IR)、紫外可視近赤外分光高度計(UV.VIS,NIR)、電子スピン共鳴装置(ESR)、透過型電子顕微鏡(TEM−EDX)電子線マイクロアナライザー(EPMA)、金属元素分析(イオンクロマトグラフ、誘導結合プラズマ−発光分光(ICP−AES)原子吸光分析(AAS)蛍光X線分析装置(XRF))、非金属元素分析、微量成分分析(ICP−MS,GF−AAS,GD−MS)等を必要に応じ、適用可能である。
本実施の形態が適用されるトリチル化合物は電荷輸送材料として好適であり、特に、有機電界発光素子を構成する材料として使用される。
次に、有機電界発光素子について説明する。
(3)有機電界発光素子
本実施の形態が適用される有機電界発光素子は、基板上に少なくとも陽極、陰極及びこれらの両極間に設けられた発光層を有するものであって、電荷輸送材料として好適な一般式(1)で表されるトリチル化合物を含有する層を有するものである。特に、トリチル化合物を含有するこの層は有機発光層であることが好ましい。
図1は、本実施の形態が適用される有機電界発光素子に好適な構造例を示す断面模式図である。図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層(有機発光層)、6正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
[1]基板
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
[2]陽極
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は発光層側の層(正孔注入層3または発光層5等)への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極2に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
[3]正孔注入層
正孔注入層3は陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であるため、正孔注入層3には正孔輸送性化合物を含むことが好ましい。
正孔注入層3は、正孔輸送性化合物を含むことが好ましく、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含むことがさらに好ましい。また、正孔注入層3にカチオンラジカル化合物を含むことが好ましく、カチオンラジカル化合物と正孔輸送性化合物とを含むことがさらに好ましい。
さらに、必要に応じて、正孔注入層3には電荷のトラップになりにくいバインダー樹脂や、塗布性改良剤を含んでいてもよい。
但し、正孔注入層3として、電子受容性化合物のみを湿式製膜法によって陽極2上に製膜し、その上から直接、本発明の電荷輸送材料組成物を塗布、積層することも可能である。この場合、本発明の組成物の一部が電子受容性化合物と相互作用することによって、正孔注入性に優れた層が形成される。
(正孔輸送性化合物)
正孔輸送性化合物としては、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。
正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。
特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型炭化水素化合物)がさらに好ましい。
芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記一般式(VII)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2008001621
(一般式(VII)中、Ar21,Ar22は各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar23〜Ar25は、各々独立して、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。Yは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar21〜Ar25のうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 2008001621
(上記各式中、Ar31〜Ar41は、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、または置換基を有していてもよい芳香族複素環由来の1価または2価の基を表す。R51及びR52は、各々独立して、水素原子または任意の置換基を表す。)
Ar21〜Ar25及びAr31〜Ar41としては、任意の芳香族炭化水素環または芳香族複素環由来の、1価または2価の基が適用可能である。これらは各々同一であっても、互いに異なっていてもよい。また、任意の置換基を有していてもよい。
Ar21〜Ar41の芳香族炭化水素環及び/または芳香族複素環由来の基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。
Ar21、Ar22としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の1価の基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がさらに好ましい。
また、Ar23〜Ar25としては、耐熱性、酸化還元電位を含めた正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環由来の2価の基が好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基がさらに好ましい。
一般式(VII)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン高分子化合物の具体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられる。
正孔注入層3の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種または2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種または2種以上とを併用するのが好ましい。
(電子受容性化合物)
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
例としては、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等の有機基の置換したオニウム塩、塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物、テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物、フラーレン誘導体、ヨウ素等が挙げられる。
上記の化合物のうち、強い酸化力を有する点で有機基の置換したオニウム塩、高原子価の無機化合物が好ましく、種々の溶剤に可溶で湿式塗布に適用可能である点で有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物が好ましい。
電子受容性化合物として好適な有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物の具体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられ、その好適例も同様であり、例えば下記構造式で表される化合物(A−2)が挙げられるが、何らそれらに限定されるものではない。
Figure 2008001621
(カチオンラジカル化合物)
カチオンラジカル化合物とは、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であるカチオンラジカルと、対アニオンからなるイオン化合物である。但し、カチオンラジカルが正孔輸送性の高分子化合物由来である場合、カチオンラジカルは高分子化合物の繰り返し単位から一電子取り除いた構造となる。
カチオンラジカルは、正孔輸送性化合物に前述した化合物から一電子取り除いた化学種であることが好ましく、正孔輸送性化合物としてさらに好ましい化合物から一電子取り除いた化学種であることが非晶質性、可視光の透過率、耐熱性、溶解性等の点からさらに好ましい。
カチオンラジカル化合物は、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合することにより生成させることができる。即ち、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合することにより、正孔輸送性化合物から電子受容性化合物へと電子移動が起こり、正孔輸送性化合物のカチオンラジカルと対アニオンからなるカチオンイオン化合物が生成する。
PEDOT/PSS(Adv.Mater.,2000年,12巻,481頁)やエメラルジン塩酸塩(J.Phys.Chem.,1990年,94巻,7716頁)等の高分子化合物由来のカチオンラジカル化合物は、酸化重合(脱水素重合)、即ち、モノマーを酸性溶液中で、ペルオキソ二硫酸塩等を用いて化学的に、または、電気化学的に酸化することによっても生成する。この酸化重合(脱水素重合)の場合、モノマーが酸化されることにより、高分子化されるとともに、酸性溶液由来のアニオンを対アニオンとする、高分子の繰り返し単位から一電子取り除かれたカチオンラジカルが生成する。
正孔注入層3は、湿式製膜法または真空蒸着法により陽極2上に形成される。
湿式製膜法による層形成の場合は、前述した各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)の1種または2種以上の所定量を、必要により電荷のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤を添加して、溶剤に溶解させて、塗布溶液を調製し、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ダイコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット法等の湿式製膜法により陽極2上に塗布し、乾燥して、正孔注入層3を形成させる。
湿式製膜法による層形成のために用いられる溶剤としては、前述の各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)を溶解することが可能な溶剤であれば、その種類は特に限定されないが、正孔注入層3に用いられる各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)を失活させる恐れのある、失活物質または失活物質を発生させるものを含まないものが好ましい。好ましくは、エーテル系溶剤またはエステル系溶剤である。
真空蒸着法による層形成の場合には、前述した各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)の1種または2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上材料を用いる場合はそれぞれ独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極2上に正孔注入層3を形成させる。尚、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱し蒸発させて正孔注入層3形成に用いることもできる。
このようにして形成される正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。尚、正孔注入層3は省略してもよい。
[4]正孔輸送層
正孔注入層3上に正孔輸送層4が設けられる。正孔輸送層4の材料に要求される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5に接するために発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子には更に耐熱性が要求される。従って、ガラス転移温度として85℃以上の値を有する材料が望ましい。
このような正孔輸送材料としては、発光層5のホスト材料に用いられる正孔輸送性材料と同様に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4''−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J.Lumin.,72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)、4,4'−N,N'−ジカルバゾールビフェニル等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で用いてもよいし、必要に応じて複数種混合して用いてもよい。
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym.Adv.Tech.,7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
正孔輸送層4は、スプレー法、印刷法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法等の通常の塗布法や、インクジェット法、スクリーン印刷法等各種印刷法等の湿式成膜法や、真空蒸着法等の乾式成膜法で形成することができる。
塗布法の場合は、正孔輸送材料の1種又は2種以上に、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤等の添加剤を添加し、適当な溶剤に溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法等の方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、正孔輸送層中の含有量で50重量%以下が好ましい。
真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向かい合って置かれた、陽極2が形成された基板1上に正孔輸送層4を形成させる。
正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
[5]発光層(有機発光層)
正孔輸送層4の上には、通常、発光層5(有機発光層)が設けられる。発光層5は、例えば、発光材料を含む層であり、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極9から電子注入層8を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
ここで発光材料とは、有機電界発光素子用組成物において、主として発光する成分を指し、有機ELデバイスにおけるドーパント成分に当たる。有機電界発光素子用組成物から発せられる光量(単位:cd/m)の内、通常10%〜100%、好ましくは20%〜100%、より好ましくは50%〜100%、最も好ましくは80%〜100%が、ある成分材料からの発光と同定される場合、それを発光材料と定義する。
発光材料としては、任意の公知材料を適用可能であり、蛍光発光材料あるいは燐光発光性色素を単独若しくは複数を混合して使用できるが、内部量子効率の観点から、好ましくは、燐光発光性色素である。尚、溶剤への溶解性を向上させる目的で、発光材料分子の対称性や剛性を低下させたり、あるいはアルキル基等の親油性置換基を導入したりすることも重要である。
また、本実施の形態が適用されるトリチル化合物は、発光材料として使用することもできる。
青色発光を与える蛍光色素としては、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。緑色蛍光色素としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。黄色蛍光色素としては、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色蛍光色素としては、DCM系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
燐光発光性色素としては、例えば周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む燐光性有機金属錯体における金属として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記一般式(V)または下記一般式(VI)で表される化合物が挙げられる。
ML”(q−j)L’ (V)
(一般式(V)中、Mは金属を表し、qは上記金属の価数を表す。また、L”及びL’は二座配位子を表す。jは0、1または2を表す。)
Figure 2008001621
(一般式(VI)中、Mは金属を表し、Tは炭素または窒素を表す。R92〜R95は、それぞれ独立に置換基を表す。ただし、Tが窒素の場合は、R94及びR95は無い。
以下、一般式(V)で表される化合物について説明する。
一般式(V)中、Mは任意の金属を表し、好ましいものの具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。
また、一般式(V)中の二座配位子L”及びL’は、それぞれ、以下の部分構造を有する配位子を示す。
Figure 2008001621
Figure 2008001621
L’として、錯体の安定性の観点から、特に好ましくは、下記のものが挙げられる。
Figure 2008001621
上記L”,L’の部分構造において、環A1は、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。また、環A2は、含窒素芳香族複素環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
環A1,A2が置換基を有する場合、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、カルバゾリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
一般式(V)で表される化合物として、さらに好ましくは、下記一般式(Va)、(Vb)、(Vc)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008001621
(一般式(Va)中、MはMと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。また、環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。)
Figure 2008001621
(一般式(Vb)中、MはMと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。また、環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。)
Figure 2008001621
(一般式(Vc)中、MはMと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。また、jは0、1または2を表す。さらに、環A1及び環A1’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。また、環A2及び環A2’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。)
上記一般式(Va)、(Vb)、(Vc)において、環A1及び環A1’の基としては、好ましくは、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
また、環A2、環A2’の基としては、好ましくは、例えばピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フェナントリジル基等が挙げられる。
中でも、環A1、環A1’、環A2及び環A2’の置換基として、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ジアリールアミノ基、カルバゾリル基が挙げられる。
また、一般式(Va)、(Vb)、(Vc)におけるM,M,Mとして好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられる。
上記一般式(V)、(Va)、(Vb)または(Vc)で示される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるものではない(以下において、Phはフェニル基を表す。)。
Figure 2008001621
Figure 2008001621
上記一般式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)で表される有機金属錯体の中でも、特に、配位子L”及び/またはL’として2−アリールピリジン系配位子、即ち、2−アリールピリジン、これに任意の置換基が結合したもの、及び、これに任意の基が縮合してなるものを有する化合物が好ましい。
次に、前記一般式(VI)で表される化合物について説明する。
一般式(VI)中、Mは金属を表し、具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。中でも好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
また、一般式(VI)において、R92及びR93は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。
さらに、Tが炭素の場合、R94及びR95は、それぞれ独立に、R92及びR93と同様の例示物で表される置換基を表す。また、前述の如く、Tが窒素の場合はR94及びR95は無い。
また、R92〜R95はさらに置換基を有していてもよい。この場合のさらに有していてもよい置換基には特に制限はなく、任意の基を置換基とすることができる。
さらに、R92〜R95は互いに連結して環を形成してもよく、この環がさらに任意の置換基を有していてもよい。
一般式(VI)で表される有機金属錯体の具体例(T−1,T−10〜T−15)を以下に示すが、下記の例示化合物に限定されるものではない。尚、以下において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
Figure 2008001621
また、有機金属錯体としては、WO2005/019373号公報に記載の化合物も使用することができる。
発光層5は前述した発光材料(ドーパント)と1種または2種以上のホスト材料を含むことが好ましい。特に、発光層5は、本実施の形態が適用されるトリチル化合物をホスト材料とし、このホスト材料に対して、発光材料として燐光発光性色素である有機金属錯体がドープされていることが好ましい。
また、発光層5は、真空蒸着法で形成しても、湿式製膜法で形成してもよい。
尚、発光層5は、本発明の性能を損なわない範囲で、他の材料、成分を含んでいてもよい。
一般に有機電界発光素子において、同じ材料を用いた場合、電極間の膜厚が薄い方が、実効電界が大きくなる為、注入される電流が多くなるので、駆動電圧は低下する。その為、電極間の総膜厚は薄い方が、有機電界発光素子の駆動電圧は低下するが、あまりに薄いと、ITO等の電極に起因する突起により短絡が発生する為、ある程度の膜厚が必要となる。
本実施の形態においては、発光層5以外に、正孔注入層3及び後述の電子注入層8等の有機層を有する場合、発光層5と正孔注入層3や電子注入層8の他の有機層とを合わせた総膜厚は通常30nm以上、好ましくは50nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上で、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは300nm以下である。また、発光層5以外の正孔注入層3や後述の電子注入層8の導電性が高い場合、発光層5に注入される電荷量が増加する為、例えば正孔注入層3の膜厚を厚くして発光層5の膜厚を薄くし、総膜厚をある程度の膜厚を維持したまま駆動電圧を下げることも可能である。
よって、発光層5の膜厚は、通常10nm以上、好ましくは20nm以上で、通常300nm以下、好ましくは200nm以下である。尚、本発明の素子が、陽極2及び陰極9の両極間に、発光層5のみを有する場合の発光層5の膜厚は、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、通常500nm以下、好ましくは300nm以下である。
[6]正孔阻止層
発光物質として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合、正孔阻止層6を設けることが効果的である。正孔阻止層6は正孔と電子を発光層5内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。即ち、正孔阻止層6は、発光層5から移動してくる正孔が電子輸送層7に到達するのを阻止することで、発光層5内で電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、電子輸送層7から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割がある。
正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物により、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層形成される。
正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。
このような条件を満たす正孔阻止層6の材料としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)が挙げられる。
さらに、WO2005/022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も正孔阻止材料として好ましい。
正孔阻止層6の膜厚は、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上で、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。正孔阻止層6は正孔注入層3と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
[7]電子輸送層
電子輸送層7は素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、発光層5と電子注入層8との間に設けられる。
電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極9または電子注入層8からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−または5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。
電子輸送層7の膜厚は、通常下限は1nm、好ましくは5nm程度であり、上限は通常300nm、好ましくは100nm程度である。電子輸送層7は、正孔注入層3と同様にして湿式製膜法、或いは真空蒸着法により発光層5上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
[8]電子注入層
電子注入層8は陰極9から注入された電子を効率よく発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行うには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましく、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウム等のアルカリ土類金属が用いられる。電子注入層8の膜厚は0.1〜5nmが好ましい。
また、陰極9と発光層5または後述の電子輸送層7との界面にLiF、MgF、LiO、CsCO等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl.Phys.Lett.,70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEETrans.Electron.Devices,44巻,1245頁,1997年;SID 04 Digest,154頁)。
さらに、後述するバソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報等に記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は通常5nm以上、好ましくは10nm以上で、通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
電子注入層8は、発光層5と同様にして湿式製膜法、或いは真空蒸着法により発光層5上に積層することにより形成される。真空蒸着法の場合には、真空容器内に設置されたるつぼまたは金属ボートに蒸着源を入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、るつぼまたは金属ボートを加熱して蒸発させ、るつぼまたは金属ボートと向き合って置かれた基板上に電子注入層8を形成する。
アルカリ金属の蒸着は、クロム酸アルカリ金属と還元剤をニクロムに充填したアルカリ金属ディスペンサーを用いて行う。このディスペンサーを真空容器内で加熱することにより、クロム酸アルカリ金属が還元されてアルカリ金属が蒸発される。有機電子輸送材料とアルカリ金属とを共蒸着する場合は、有機電子輸送材料を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、各々のるつぼ及びディスペンサーを同時に加熱して蒸発させ、るつぼ及びディスペンサーと向き合って置かれた基板上に電子注入層8を形成する。このとき、電子注入層8の膜厚方向において均一に共蒸着されるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。尚、電子注入層8は、これを省略してもよい。
[9]陰極
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8または発光層5等)に電子を注入する役割を果たす。陰極9として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極9の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
[10]その他の構成層
以上、図1に示す層構成の素子を中心に説明してきたが、本実施の形態においては、有機電界発光素子における陽極2及び陰極9と発光層5との間には、その性能を損なわない限り任意の層を有していてもよく、また発光層5以外の任意の層を省略してもよい。例えば、電子輸送層7及び正孔阻止層6は必要に応じて、適宜設ければよく、1)電子輸送層のみ、2)正孔阻止層のみ、3)正孔阻止層/電子輸送層の積層、4)用いない等の用法がある。
正孔阻止層6と同様の目的で、正孔注入層3と発光層5の間に電子阻止層(図示せず。)を設けることも効果的である。電子阻止層は、発光層5から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層5内で正孔との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層5の方向に輸送する役割がある。
電子阻止層に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。また、発光層5を湿式製膜法で形成する場合、電子阻止層も湿式製膜法で形成することが、素子製造が容易となるため、好ましい。
このため、電子阻止層も湿式製膜適合性を有することが好ましく、このような電子阻止層に用いられる材料としては、上述した有機電界発光素子組成物の他、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(WO2004/084260号公報記載)等が挙げられる。
尚、図1とは逆の構造、即ち、基板1上に陰極9、電子注入層8、発光層5、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に有機電界発光素子を設けることも可能である。
さらに、図1に示す層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合はその2層)の代わりに、例えばV等を電荷発生層(CGL)として用いると段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
本実施の形態が適用される有機電界発光素子は、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
本実施の形態が適用されるトリチル化合物を用いた有機電界発光素子は、フラットパネル、ディスプレイ(例えば、OAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
尚、本実施の形態が適用されるトリチル化合物は、有機電界発光素子に限らず、電子写真感光体に利用することも有用である。
また、本実施の形態が適用されるトリチル化合物は、電荷輸送材料用だけでなく、各種発光材料用、太陽電池材料用、バッテリー材料(電解液、電極、分離膜、安定剤等)用、医療用、塗装材料用、コーティング材料用、有機半導体材料用、トイレタリー材料用、帯電防止材料用、熱電素子材料用等においても有用である。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。尚、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下、Phはフェニル基を表す。
(実施例1)
[合成例1]目的物1
Figure 2008001621
下記条件でトリチル化合物を合成した。
大気中、室温、カルバゾール(2.00g)、トリフェニルメチルクロライド(6.67g)、氷酢酸(69ml)の混合物を撹拌し、ここに濃塩酸(6.9ml)滴下した後、加熱還流下、4.4時間撹拌した。
得られた溶液に、水(10ml)、エタノール(50ml)を加えて、析出した沈殿を濾取し、これをトルエン−エタノール混合溶媒中で加熱環流下での熱懸洗、更にN,N−ジメチルホルムアミド−クロロホルム混合溶媒中で加熱環流下での熱懸洗で精製し、目的物1(4.99g)を得た。
脱離電子イオン化質量分析(Desorption electron Ionization−Mass Spectrum:以下、DEI−MSと記す。)の結果、DEI−MSm/z=651(M)により、目的物1は、一般式(1)で表される化合物であることを確認した。
(実施例2)
[合成例2]目的物2
Figure 2008001621
下記条件でトリチル化合物を合成した。
窒素気流中、実施例1で合成した目的物1(3.26g)、3−ヨードトルエン(2.18g)、銅粉(0.32g)、炭酸カリウム(2.07g)、テトラグライム(8ml)の混合物を、180℃で4.5時間撹拌した。
得られた混合物にメタノールと水を加えて可溶成分を洗い落とした後、残渣からトルエン(250ml)で抽出し、抽出液に活性白土を加えて加熱環流した。これをろ過して残った固形分から、ジクロロメタン(300ml)で抽出し、抽出液を濃縮することで、目的物2を得た。
DEI−MSm/z=741(M)により、目的物2は、一般式(1)で表される化合物であることを確認した。
(実施例3、4)
[合成例3]目的物3、4
Figure 2008001621
下記条件でトリチル化合物を合成した。
大気中、N−フェニルカルバゾール(2.43g)、トリフェニルメチルクロライド(6.69g)、氷酢酸(100ml)の混合物を、室温で撹拌しつつ、濃塩酸(10ml)を滴下した。
これを加熱還流下、6.5時間撹拌した後、o−ジクロロベンゼン(20ml)を加え、3.5時間撹拌し、更にo−ジクロロベンゼン(50ml)を加え、3時間撹拌した。
得られた溶液にメタノール(150ml)を加えてから、ろ過し、ろ液(=これをろ液Aとする)と残渣(これを残渣Aとする)に分離した。残渣Aをトルエン(300ml)中、加熱環流条件下で2回懸濁洗浄を繰返し、残った残渣(これを残渣Bとする)を、高真空下、400℃で昇華精製することにより、目的物3(0.12g)を得た。
DEI−MSm/z=727(M)により、目的物3は、一般式(1)で表される化合物であることを確認した。
この目的物3のガラス転移温度は149℃、結晶化温度は182℃、気化温度は456℃であった。
また、ろ液Aを濃縮後、メタノール(400ml)での懸濁洗浄及びトルエン−エタノール混合溶媒中での熱懸洗により精製し、目的物4(1.46g)を得た。
DEI−MSm/z=485(M)により、目的物4は、一般式(1)で表される化合物であることを確認した。
この目的物4のガラス転移温度は78℃、結晶化温度は153℃、融点は270℃、気化温度は377℃であり、充分な耐熱性と適度な昇華性を有する化合物であることが分かる。
[測定例1]
窒素雰囲気下、77Kで、2−メチルテトラヒドロフラン溶媒に、目的物3を溶解し、337nm波長レーザーで励起したときの燐光発光スペクトルを測定した。測定結果から算出した目的物3の三重項励起準位は、418.5nm(2.96eV)であり、高い三重項励起準位を有する化合物であることが分かる。
[測定例2]
測定例1と同様の操作により、目的物4の燐光発光スペクトルを測定した。測定結果から、目的物4の三重項励起準位は、414.5nm(2.99eV)であり、高い三重項励起準位を有する化合物であることが分かる。
(比較例1)
一般式(1)で表されるトリチル化合物とは異なる下記化合物の三重項励起準位は、490nm(2.53eV)程度であることが、Organic Letters(2005),7(24),p.5361〜5364に開示されている。尚、Meはメチル基を表す。
Figure 2008001621
(比較例2)
測定例1と同様の操作により、一般式(1)で表されるトリチル化合物とは異なる下記化合物の燐光発光スペクトルを測定した。測定結果から、下記化合物の三重項励起準位は430nm(2.88eV)であり、実施例で得られた化合物(本実施の形態が適用されるトリチル化合物)に比べて、三重項励起準位が低いことが分かる。
Figure 2008001621
(実施例5)
図1に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス製の基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。
パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥し、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
正孔注入層3を以下のように湿式塗布法によって形成した。正孔注入層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する高分子化合物(P−1(重量平均分子量:29400、数平均分子量:12600))と下記に示す構造式の電子受容性化合物(A−1)とを用い、下記の条件でスピンコートした。
Figure 2008001621
Figure 2008001621
スピンコート条件
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 P−1 2.0重量%
A−1 0.4重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×15分
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
続いて、正孔輸送層4として下記に示すトリフェニルアミン誘導体を用いて真空蒸着法によって形成した。このとき、トリフェニルアミン誘導体のるつぼの温度は283℃〜297℃として、蒸着速度0.08nm/秒〜0.11nm/秒で40nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は3.5−5Pa〜3.2×10−5Paであった。
Figure 2008001621
続いて、正孔輸送層4の上に発光層5を蒸着した。発光層5の材料としては、ホスト材料として下記に示す構造のトリチル化合物(E−1)を用い、これにドープする燐光発光性色素である有機金属錯体として下記に示す構造式のイリジウム錯体(D−1)と用いた。
蒸着は、トリチル化合物(E−1)をるつぼの温度184℃〜201℃、蒸着速度0.1nm/秒とし、また、イリジウム錯体D−1をるつぼの温度254℃〜255℃、蒸着速度0.006nm/秒とし、厚さ31.9nmに積層した。蒸着時の真空度は4.5−5Pa〜4.4×10−5Paであった。
Figure 2008001621
Figure 2008001621
次に、正孔阻止層6として下記に示すピリジン誘導体(HB−1)をるつぼ温度275℃〜271℃として、蒸着速度0.1nm/秒で5nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は4.5×10−5Paであった。
Figure 2008001621
次に、正孔阻止層6の上に、電子輸送層7として下記に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(ET−1)を同様にして蒸着した。このときのアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は243℃〜268℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は4.6×10−5Pa、蒸着速度は0.08nm/秒〜0.1nm/秒で膜厚は30nmとした。
Figure 2008001621
上記の正孔輸送層4、発光層5、正孔阻止層6及び電子輸送層7を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が1.0×10−4Pa以下になるまで排気した。
陰極9として、先ず、フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.008nm/秒、真空度1.2×10−4Paで、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。
次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.08nm/秒〜0.11nm/秒、真空度1.4×10−4Pa〜2.4×10−4Paで膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極9を完成させた。以上の2層型の陰極9の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上のようにして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性は以下の通りである。
輝度/電流:32.7[cd/A]@100cd/m
電圧:8.6[V]@100cd/m
発光効率:12.0[1m/w]@100cd/m
素子の発光スペクトルの極大波長は519nmであり、イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.302,0.558)であった。
この結果、本実施の形態が適用されるトリチル化合物を含有する有機電界発光素子は、発光効率が優れることが分かる。
有機電界発光素子に好適な構造例を示す断面模式図である。
符号の説明
1…基板、2…陽極、3…正孔注入層、4…正孔輸送層、5…発光層、6…正孔阻止層、7…電子輸送層、8…電子注入層、9…陰極

Claims (9)

  1. 下記一般式(I)で表されることを特徴とするトリチル化合物。
    Figure 2008001621
    (式(I)中、Aは、置換基を有していてもよい窒素原子又は酸素原子を表し、R、Rは、互いに独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。但し、R、Rの両方又は何れか一方は、置換基を有していてもよいトリチル基を表す。)
  2. が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載のトリチル化合物。
  3. 下記一般式(II)で表される化合物と、下記一般式(III)で表される化合物とを、酸性又は塩基性条件下で作用させることを特徴とする請求項1に記載のトリチル化合物の製造方法。
    Figure 2008001621
    (式(II)中、Aは、置換基を有していてもよい窒素原子又は酸素原子を表し、X、Xは、互いに独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。但し、X、Xの両方又は何れか一方は、水素原子を表す。)
    Figure 2008001621
    (式(III)中、Xは、ハロゲン原子又は−O−R基(Rは、水素原子又は任意の置換基を表す)を表す。)
  4. が水素原子であることを特徴とする請求項3に記載のトリチル化合物の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載のトリチル化合物からなることを特徴とする電荷輸送材料。
  6. 請求項1又は2に記載のトリチル化合物からなることを特徴とする発光材料。
  7. 基板上に、陽極、陰極及びこれら両極間に設けられた有機発光層を有する有機電界発光素子であって、
    請求項1又は2に記載のトリチル化合物を含有してなる層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
  8. 前記請求項1又は2に記載のトリチル化合物を含有してなる層が有機発光層であることを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記有機発光層が、請求項5に記載の電荷輸送材料をホスト材料とし、当該ホスト材料に対して、燐光発光性色素がドープされてなることを特徴とする請求項8に記載の有機電界発光素子。
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