JP2008000857A - 光ナノスイッチ - Google Patents

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】
スイッチの切換を電流制御によらないナノスイッチ、具体的には、光誘導による新規なナ
ノスイッチを提供するものである。
【解決手段】
導波路1を介して光を導入し、近接場光5を発生させ、この近接場光5を電子・イオン混
合伝導体2に注入し、前記電子・イオン混合体中の金属イオンの還元または酸化反応を誘
起することにより、微少間隔をもって配置された少なくとも一対の電極間に金属原子で構
成される金属原子架橋6を形成することによって、光ナノスイッチを実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一方の電極に電子・イオン混合伝導体を用いた光制御型のナノスイッチに関す
る。
近年、電子・イオン混合伝導体を用いたナノスイッチが提案されている(非特許文献1)
。このナノスイッチの作動原理は、トンネル電流により金属原子の酸化・還元反応を制御
することによって、微少空間を隔て設置された電極間に金属原子架橋を生成せしめ、ある
いは金属架橋を消滅せしめることによって、電極間をオンオフ制御するシステムによるも
のである。
この提案されてなるナノスイッチは、電子・イオン混合伝導体からなる電極と金属からな
る対向電極とが約1ナノメートルの超微細真空間隙を挟んで設置されている。両電極間に
流れるトンネル電流を制御することによって、一方の電極である電子・イオン混合伝導体
表面において酸化・あるいは還元反応が生じ、金属原子の酸化あるいは還元反応が誘起さ
れ、これによって電極間において金属原子架橋の生成と消滅とが制御され、スイッチのオ
ンオフ動作を実現している。すなわち、微小領域に流れるトンネル電流を用いることで、
局所的な酸化・還元反応の制御を可能にして、スイッチのナノスケール化を実現している
しかしながら、前記提案によるナノスイッチでは、2つの電極間に流れる電流によりスイ
ッチのオンオフ制御がされるように構成されていることから、信号電流の経路と制御電流
の経路とが同じである2端子素子であった。このため、オンオフの切り替えの際には、前
記酸化・還元反応の臨界電圧よりも高い電圧を印加し、読み出しの時には、臨界電圧より
も低い電圧を用いることで、読み出し時のオンオフ誤動作を防いでいた。しかしながら、
この方法では、制御や読み出しの電圧に制限があるので、シリコントランジスタなどの他
の素子との臨界電圧値との相異などにより、複合化が上手く行かない場合があった。
ネイチャー、第433号(2005年)、第47頁〜50頁、「量子化伝導原子スイッチ」
本発明は、上記状況に鑑み、スイッチの切換を電流制御によらないナノスイッチ、具体的
には、光誘導による新規なナノスイッチを提供するものである。
本発明者らにおいては、鋭意研究の結果、電子・イオン混合伝導体によって先端が被覆さ
れた導波路からなる電極と、金属からなる電極とを、間隙をもって配置し、上記導波路内
に光を導入することで、導波路先端から近接場光を発生させ、この発生した近接場光を、
導波路先端部を被覆している電子・イオン混合伝導体に注入させることによって、該近接
場光によって電子・イオン混合伝導体中の金属イオンが金属へと変化する還元反応が誘起
され、この還元反応によって析出した金属原子により上記電極間に金属原子架橋が形成さ
れ、これによってスイッチオン状態が実現しうることを見いだしたものである。
本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、その構成は、以下(1)〜(8)の
通りである。
(1)近接場光を用いて電子・イオン混合伝導体中の金属イオンの還元または酸化反応を
誘起することにより、微少間隔をもって配置された少なくとも一対の電極間に金属原子で
構成される架橋を形成することを特徴とする、光ナノスイッチ。
(2)前記電極の一方が、電子・イオン混合伝導体によって先端が被覆された導波路から
なる電極であり、もう一方が間隔をもって配置された対向金属電極であることを特徴とす
る、(1)に記載する光ナノスイッチ。
(3)前記電極の一方が、金属によって先端が被覆された導波路からなる電極であり、も
う一方が間隔をもって配置された電子・イオン混合伝導体からなる対向電極であることを
特徴とする、(1)に記載する光ナノスイッチ。
(4)前記導波路先端の膜厚が、注入する光の半波長よりも小さいことを特徴とする、(
2)または(3)に記載する光ナノスイッチ。
(5)前記導波路先端の膜厚が、100ナノメートル以下であることを特徴とする、(2
)ないし(4)の何れか1項に記載する光ナノスイッチ。
(6)前記電子・イオン混合伝導体が、銀化合物、銅化合物、リチウム化合物のいずれか
であることを特徴とする、(1)ないし(3)の何れか1項に記載する記載する光ナノス
イッチ。
(7)前記電極間の間隙が、絶縁体によって埋められていることを特徴とする(1)ない
し(6)の何れか1項に記載する光ナノスイッチ。
(8)前記電極間の間隙が、絶縁空間であることを特徴とする(1)から(7)の何れか
1項に記載する光ナノスイッチ。
この発明の光ナノスイッチの作動原理及び具体的態様は、以下〔1〕〜〔4〕のように要
約される。
〔1〕電子・イオン混合伝導体で先端が被覆された導波路からなる電極と、金属からなる
電極とを、間隙をもって配置する。上記導波路内に光を導入することで、導波路先端から
近接場光を発生させ、発生した近接場光を導波路先端部を被覆している電子・イオン混合
伝導体に注入する。該近接場光により、電子・イオン混合伝導体中の金属イオンの還元反
応が誘起され、還元反応により析出する金属原子によって上記電極間に金属原子の架橋が
形成されることで、スイッチオン状態が実現される。
その際、電子・イオン混合伝導体の量を少なく調整することによって、導波路への光の導
入を遮断すると、前記還元反応によって析出した金属原子は、元のイオン状態へと転じ、
金属原子による架橋は自立的に消滅する。すなわち、光の導入、遮断によって作動しうる
超微細スイッチが成立する。
〔2〕また、別の手段として、金属で先端が被覆された導波路からなる電極と、電子・イ
オン混合伝導体からなる電極とを、間隙をもって配置する。その上で、上記導波路内に光
を導入することで、導波路先端から発生する近接場光を対向電極である電子・イオン混合
伝導体に注入する。該近接場光により、電子・イオン混合伝導体中の金属イオンの還元反
応が誘起され、還元反応により析出した金属原子が上記電極間に架橋を形成することで、
スイッチオン状態を実現する。
この場合においても、電子・イオン混合伝導体の量を少なく調整し、導波路への光の導
入を遮断することによって、前記還元反応は元の状態へと転じ、金属原子による架橋は自
立的に消滅する。すなわち、光によって作動する超微細スイッチが成立する。
〔3〕上記〔1〕ないし〔2〕に記載の光ナノスイッチにおいて、前記電子・イオン混合
伝導体部分と前記金属部分の間隙は、真空空間も含めた絶縁材料によって満たされている
必要がある。
〔4〕また、上記〔1〕から〔2〕記載の光ナノスイッチにおいて、前記電子・イオン混
合伝導体として、AgS、ないしAgSe、ないしCuS、ないし CuSe、
さらにはLiI、あるいはさらにLi−TiSが挙げられうる。
本発明を用いれば、光によってオンオフを制御できるナノスイッチを構成することが出
来る。これによって、これまでの電気信号による制御とは異なり、信号系路とは異なるラ
インによって、オンオフを制御できるので、極めて制御性の高いナノスイッチを提供する
ことが出来る。また、光照射によってプログラミングする、いわゆる、フィールドプログ
ラマブルデバイスにおけるスイッチング素子として利用することが出来る。
以下、本発明を図面および実施例に基づいて具体的に説明する。但し、これらは、あくま
でも本発明を容易に理解するための一助として開示するものであり、本発明はこれに限定
されることはない。
本発明では、近接場光を用いて、電子・イオン混合伝導体表面における局所的な金属原子
の還元反応を制御することによって、光制御型のナノスイッチを形成した。図1を用いて
その構造と動作原理とを詳細に説明する。
図1では、導波路1の先端が電子・イオン混合伝導体2によって被覆されている。導波路
先端を被覆している電子・イオン混合伝導体の膜厚は近接場光が透過しうる膜厚に設計さ
れている。最大膜厚は材料によって異なる透過係数に依存するが、概ね、100ナノメー
トル以下に膜厚を設定することが望ましい。
これに対して、対向電極として、金属電極3が間隙をもって配置されている。導波路1内
に光4を注入すると、光4は導波路1の先端の微細開口部で近接場光5を生成する。近接
場光5は、電子・イオン混合伝導体電極2中の金属イオンを励起して、還元反応を誘起し
、還元された金属原子6がその表面に析出する。析出した金属原子6が電子・イオン混合
伝導体電極2と金属電極3の間に架橋を形成して、スイッチオンとなる。
このように、本発明を用いれば、架橋される2つの電極とは異なるラインからの信号(光
)によってスイッチング動作を制御できる。すなわち、固体電気化学反応を用いた、3端
子素子を形成することができる。
本発明による素子は、信号電流の経路とは異なるラインを用いてオンオフを制御できるの
で、極めて使い勝手の良いナノスイッチである。なお、図1では、電子・イオン混合伝導
体電極と金属電極間の間隙は、真空ギャップであるが、絶縁性の有機分子膜などで構成さ
れていても良い。要は、電気的に絶縁されていることが、本発明を実施する上で必要な要
件である。
以下、本発明を、実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
実施例1;
図2を用いて、図1に示した光ナノスイッチの動作原理を詳しく説明する。図2では、簡
単のため、スイッチの主要部のみを示している。導波路1に注入された光4は、導波路1
の先端部において近接場光5を生成する(図2a)。導波路1の先端の開口部を光4の半
波長よりも小さくすることで、近接場光5を生成し、該近接場光5のみを電子・イオン混
合伝導体電極2中を透過させることができる。この近接場光5は、電子・イオン混合伝導
体電極2内において金属イオンを励起し、その還元反応を誘起する。還元された金属原子
6は、電子・イオン混合伝導体電極2表面上に析出する(図2b)。光4を注入し続ける
と、ついには、還元された金属原子6によって、電子・イオン混合伝導体電極2と金属電
極3との間に架橋が形成される(図2c)。すなわち、スイッチがオン状態となる。
実施例2;
この実施例では、導波路1の先端部を覆う電子・イオン混合伝導体電極2の体積が十分あ
るため、金属原子6の析出による電子・イオン混合伝導体電極2中の金属イオン濃度の低
下は殆ど無視出来る。このため、金属原子による架橋は安定に存在する。この意味で、本
実施例によるスイッチは、本質的には非可逆スイッチである。ただし、後述するように電
子・イオン混合伝導体の設定量を少なくすることによって可逆スイッチとすることが可能
である。
図3を用いて、光ナノスイッチの別の実施例を説明する。
導波路11の先端が金属12によって被覆されている。導波路先端を被覆している金属の
膜厚は、近接場光が透過できるように設計する必要がある。その最大膜厚は、材料によっ
て異なる透過係数に依存するが、概ね100ナノメートル以下に設定することが望ましい
これに対して、対向電極として、電子・イオン混合伝導体電極13が間隙をもって配置さ
れている。導波路11内に光14を注入すると、光14は導波路先端の微細開口部で近接
場光15を生成する。この微小開口部のサイズは、光14の半波長以下のサイズに設計さ
れている。
近接場光15は、対向電極である電子・イオン混合伝導体電極13に到達し、同電極1
3中の金属イオンを励起して、還元反応を誘起し、還元された金属原子16がその表面に
析出する。析出した金属原子16が、金属電極12と電子・イオン混合伝導体電極13の
間に架橋を形成して、スイッチオンとなる。このように、本発明を用いれば、架橋される
2つの電極とは異なるラインからの信号(光)によってスイッチング動作を制御できる。
なお、この実施例では、電子・イオン混合伝導体電極13のサイズが十分大きいため、金
属原子16が析出しても、電子・イオン混合伝導体電極13内の金属イオンの濃度が殆ど
変化しないため、光14の注入を止めても析出した金属原子16は安定に存在する。すな
わち、本実施例による光ナノスイッチは、電子・イオン混合伝導体の設定量を大きく設定
することによって本質的には非可逆スイッチである。ただし、電子・イオン混合伝導体の
設定量を少なくすることによって可逆スイッチとすることが可能である。
実施例3;
ここでは、図4を用いて、可逆的光ナノスイッチの実施例を説明する。
可逆的光ナノスイッチでは、導波路31の先端部を覆う電子・イオン混合伝導体32のサ
イズが小さく設計されている。その他の部分は、金属34によって被覆されている。入射
光35は、導波路31の先端において近接場光36を生成する(図4a)。この近接場光
36は、電子・イオン混合伝導体32中の金属イオンを励起してその還元反応を誘起、金
属原子が析出してくる。析出した金属原子が、電極間に架橋を形成して、スイッチがオン
となる(図4b)。
続いて、光35の照射を止めると、前記金属原子の析出は停止する。ここで、本実施例に
基づく可逆的光ナノスイッチでは、電子・イオン混合伝導体部32のサイズが小さいため
、金属原子の析出による電子・イオン混合伝導体32内部の金属イオン濃度の低下による
エネルギー不安定性が高い。このため、光35の照射を止めると同時に、析出した金属原
子はこの不安定性を解消するために、電子・イオン混合伝導体内部に固溶し始め(図4c
)、ついには、全ての金属原子が固溶してしまう(図4d)。すなわち、スイッチオフと
なる。
このように、電子・イオン混合伝導体電極のサイズを制御することで、可逆的光ナノスイ
ッチを作製することが出来る。この実施例では、電子・イオン混合伝導体電極が導波路先
端を被覆している実施例を述べたが、実施例2で述べたような対向電極が電子・イオン混
合伝導体で構成された光ナノスイッチでも、可逆的光ナノスイッチ動作を実現できる。す
なわち、対向電極部の電子・イオン混合伝導体部分のサイズを小さくすれば良い。以上に
述べた可逆的光ナノスイッチを実現する上での、電子・イオン混合伝導体部分のサイズは
、エネルギー不安定性を決定する要因である、(1)電極間のギャップサイズ(架橋を形
成するに必要な金属原子数)、並びに、(2)電子・イオン混合伝導体を構成する金属原
子イオン濃度(組成比)によって決定されうる。
実施例5;
図5を用いて、光ナノスイッチの微細化を実現する一実施例を説明する。
図5では、導波路1の先端が電子・イオン混合伝導体2によって被覆されている。導波路
先端を被覆している電子・イオン混合伝導体の膜厚は近接場光が透過できる膜厚に設計さ
れている。最大膜厚は材料によって異なる透過係数に依存するが、概ね、100ナノメー
トル以下に膜厚を設定することが望ましい。
これに対して、対向電極として、金属電極3が間隙をもって配置されている。導波路1内
に光4を注入すると、光4は導波路1の先端の微細開口部で近接場光5を生成する。近接
場光5は、電子・イオン混合伝導体電極2中の金属イオンを励起して、還元反応を誘起し
、還元された金属原子6がその表面に析出する。析出した金属原子6が電子・イオン混合
伝導体電極2と金属電極3の間に架橋を形成して、スイッチオンとなる。
本実施例の特徴は、導波路1の先端径を極めて小さくすることである。すなわち、近接場
光5の光源が点光源に近くなり、電子・イオン混合伝導体2の極微小領域にのみ近接場光
5を照射出来ることになる。その結果、形成される金属原子架橋のサイズ(径)を小さく
することができる。そのサイズ(径)は、電子・イオン混合伝導体電極2と金属電極3の
間隙の大きさにも依存するが、理想的には、10ナノメートル以下にすることも可能であ
る。
なお、本実施例では、電子・イオン混合伝導体が導波路の先端を被覆している光ナノスイ
ッチに関して述べたが、実施例2、実施例3で述べた構成の光ナノスイッチに付いても、
導波路の先端を鋭利にすることによって、同様の効果を得ることができる。
実施例5;
ここでは、図6を用いて、近接場光を利用した別のタイプの光ナノスイッチの実施例を説
明する。ガラス基板41の表面に、電子・イオン混合伝導体薄膜42が形成されている。
これに対して、間隙をもって、鋭利な先端を有する金属電極43が設置されている。光4
4をガラス基板41の背面から注入する。ここで、光44の入射角θは、光44が全反射
するように設定されている。すると、金属電極43の直下においては、強い電場によって
、近接場光45が生成される。この結果、金属原子の析出反応が起こり、架橋46が形成
される。
図6に示したスイッチでは、電子・イオン混合伝導体薄膜が全面にわたって形成されてい
るので、このスイッチは、非可逆動作をする。なお、金属電極直下の電子・イオン混合伝
導体部分のサイズを小さくすることで、可逆スイッチが形成出来ることは言うまでもない
実施例6;
ここでは、光ナノスイッチを集積化した実施例を説明する。
図7では、ガラス基板51の表面に、電子・イオン混合伝導体薄膜52が形成されている
。これに対して、間隙をもって、鋭利な先端を有する金属電極53−56が設置されてい
る。光57を、ガラス基板51の上面と下面において全反射する角度で、ガラス基板51
の端面から注入する。金属電極53−56を光57が全反射する位置に配置することで、
実施例5で説明した原理により、各金属電極と電子・イオン混合伝導体電極との間に、析
出した金属原子による架橋が形成される。図7では、一定の間隔で金属電極が並んでいる
が、金属電極を任意に配置することで、任意のパターンの回路を形成することも出来る。
実施例7;
図8を用いて、本発明に基づく、光ナノスイッチを集積した別の実施例を説明する。この
実施例では、液晶分子を用いることで、スイッチ動作を行う光ナノスイッチを選択するこ
とが出来るので、プログラマブルデバイスへの応用が可能である。ここでは、簡単のため
、2つの光ナノスイッチを用いて説明する。導波路61、62が電子・イオン混合伝導体
71、72で被覆された光ナノスイッチに対して、その導波路61、62の上部に、液晶
分子を用いた光学シャッター63、64が設置されている。この光学シャッター63、6
4は、印加する電圧65、66を制御することにより、導波路先端部に光を注入するか否
かを制御できる。
図8では、光学シャッター63は開状態であり、導波路61の先端部に光67が到達して
いる。その結果、導波路61の先端部では、近接場光68が生成されて、上記実施例で述
べた原理によって金属原子架橋69が、金属電極70との間に形成されて、スイッチがオ
ンとなっている。これに対して、光学シャッター64は閉状態であるので、導波路62内
には光が注入されず、スイッチはオフのままである。本実施例による集積化光ナノスイッ
チを用いれば、光学シャッターを制御することで、任意の光ナノスイッチをオン状態に出
来るので、フィールドプログラマブルデバイスのスイッチング素子として用いることがで
きる。
なお、本実施例では、液晶分子を用いた光学シャッターを用いたが、ピエゾ素子等を用い
た機械シャッターなど、光の進入を制御できる素子であれば、本実施例で述べた効果を実
現できることは言うまでも無い。また、導波路先端部が金属で覆われ、対向電極が電子・
イオン混合伝導体であってもよいことも言うまでもない。
近年、ナノレベルオーダーの各種技術が極めて注目され、求められている。本発明で対
象とするスイッチにおいても、その例外ではなく、超微細スイッチを実現することが求め
られている。本発明は、このような要望に応えられるものであり、今後、各種スイッチ素
子設計において大いに利用され、産業の発展に大いに寄与するものと期待される。
光ナノスイッチの模式図。 光ナノスイッチの動作原理を説明する図。 別の光ナノスイッチの模式図。 可逆的光ナノスイッチの動作原理を説明する図。 極微細化光ナノスイッチの模式図。 別の光ナノスイッチの模式図。 集積化光ナノスイッチの模式図。 別の集積化光ナノスイッチの模式図。
符号の説明
1・・・導波路、2・・・電子・イオン混合伝導体、3・・・金属電極、4・・・光、5
・・・近接場光、6・・・金属原子、11・・・導波路、12・・・金属電極、13・・
・電子・イオン混合伝導体電極、14・・・光、15・・・近接場光、16・・・金属原
子、31・・・導波路、32・・・電子・イオン混合伝導体、34・・・金属、35・・
・入射光、36・・・近接場光、41・・・ガラス基板、42・・・電子・イオン混合伝
導体、43・・・金属電極、44・・・光、45・・・近接場光、46・・・架橋、51
・・・ガラス基板、52・・・電子・イオン混合伝導体薄膜、53、54、55、56・
・・金属電極、57・・・光、61、62・・・導波路、63、64・・・光学シャッタ
ー、65、66・・・電圧、67・・・光、68・・・近接場光、69・・・金属原子架
橋、70・・・金属電極、71、72・・・電子・イオン混合伝導体

Claims (8)

  1. 近接場光を用いて電子・イオン混合伝導体中の金属イオンの還元または酸化反応を誘起す
    ることにより、微少間隔をもって配置された少なくとも一対の電極間に金属原子で構成さ
    れる架橋を形成することを特徴とする、光ナノスイッチ。
  2. 前記電極の一方が、電子・イオン混合伝導体によって先端が被覆された導波路からなる電
    極であり、もう一方が間隔をもって配置された対向金属電極であることを特徴とする、請
    求項1に記載する光ナノスイッチ。
  3. 前記電極の一方が、金属によって先端が被覆された導波路からなる電極であり、もう一方
    が間隔をもって配置された電子・イオン混合伝導体からなる対向電極であることを特徴と
    する、請求項1に記載する光ナノスイッチ。
  4. 前記導波路先端の膜厚が、注入する光の半波長よりも小さいことを特徴とする、請求項2
    または3に記載する光ナノスイッチ。
  5. 前記導波路先端の膜厚が、100ナノメートル以下であることを特徴とする、請求項2な
    いし4の何れか1項に記載する光ナノスイッチ。
  6. 前記電子・イオン混合伝導体が、銀化合物、銅化合物、リチウム化合物のいずれかである
    ことを特徴とする、請求項1ないし3の何れか1項に記載する記載する光ナノスイッチ。
  7. 前記電極間の間隙が、絶縁体によって埋められていることを特徴とする、請求項1ないし
    6の何れか1項に記載する光ナノスイッチ。
  8. 前記電極間の間隙が、絶縁空間であることを特徴とする、請求項1ないし7の何れか1項
    に記載する光ナノスイッチ。
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