JP2008000090A - 調味料の製造方法及びコク味増強方法 - Google Patents

調味料の製造方法及びコク味増強方法 Download PDF

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律彰 山田
Tomohiro Kodera
智博 小寺
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Abstract

【課題】うま味と口腔へのひろがりがバランスよく付与され、コク味の増強された調味料の製造方法を提供すること、並びに、調味料のコク味増強方法を提供すること。
【解決手段】調味料にアスパラギナーゼを添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アスパラギナーゼ、もしくはアスパラギナーゼとグルタミナーゼを作用させることにより、うま味、口腔へのひろがり、甘味、まろやかさなどが付与され、えぐ味、渋味、収斂味などが抑制された、コク味の増強された調味料を製造する方法、調味料のコク味増強方法に関する。
グルタミン酸ナトリウム(以下MSGとする)は、昆布だしの「うま味」成分研究により、うま味の呈味成分であることが発見されて以来(非特許文献1)、うま味調味料として汎用的に利用されている。現在では、MSGは調味料をはじめとするあらゆる食品中に配合されており、市場に出ている多くの食品はこれによりうま味が強化されている。また、食品素材中のグルタミン酸含量を酵素により増加させることで、うま味を強化する方法も、多く検討されている。例えば、プロテアーゼ反応時にγグルタミルトランスペプチダーゼを作用させることで、遊離グルタミン酸量を増加させる方法(特許文献1)、グルタミナーゼを作用させグルタミンをグルタミン酸にすることで、遊離グルタミン酸含量を増加させる方法(特許文献2、3、4)などが知られており、特にグルタミナーゼの使用例は多い。
酵素により遊離アスパラギン酸量を増加させる方法としては、アスパラギナーゼを作用させアスパラギンをアスパラギン酸に変換する方法がある。アスパラギナーゼは、LアスパラギンをLアスパラギン酸に分解する特異性の高い酵素であり(非特許文献2)、抗腫瘍作用があることから、主に医薬品用途として使用されている(非特許文献3)。一方、食品に対しての利用としては、アスパラギナーゼによりアスパラギン量を低減させることでアクリルアミドの生成を低減させる方法が近年報告されているが(特許文献5)、呈味改善を目的とした利用については報告されていない。
単独の酵素により遊離グルタミン酸量及び遊離アスパラギン酸量を同時に増加させる方法としては、酸性アミノ酸特異的アミノペプチダーゼによりペプチドからグルタミン酸及びアスパラギン酸を遊離させることで、遊離グルタミン酸量及び遊離アスパラギン酸量を増加させる方法(特許文献6)が知られている。しかし、増加する遊離グルタミン酸量及び遊離アスパラギン酸量や、官能上増強されるコク味強度は、本発明におけるそれと比べると後述のとおり、はるかに低い。
酵素の併用による呈味増強方法としては、グルタミナーゼとペプチダーゼの併用によるグルタミン酸含有率の高い醤油の製造方法(特許文献7)、蛋白分解酵素と澱粉分解酵素で処理した後に固定化グルタミナーゼで処理することによるグルタミン酸量の高い調味料の製造方法(特許文献8)などが知られている。しかし、グルタミナーゼとアスパラギナーゼの併用によりグルタミン酸及びアスパラギン酸含量を同時に高めることで、コク味を増強させるという後述する本発明についての記載は無い。
特開平07−09923号公報 特開昭61−85165号公報 特開平9−149787号公報 特開2002−171961号公報 US2004058046号 WO2004/105503号 特開昭61−85165号公報 特開昭64−10957号公報 池田、東京化学学会誌30、p820(1908) N. Nakamura, et al, Agr. Biol. Chem., Vol. 35, No. 5, p. 743~751(1971) Kidd J. G., Recent Results in Cancer Research Experimental and Clinical Effects of L-Asparaginase Springer-Verlag, p3(1970)
グルタミナーゼを用いて調味料を製造する場合にみられる、調味料中の遊離グルタミン酸量を増加させることでうま味が強化されるものの、呈味のバランスや立体感が損なわれ単調な味になってしまうという問題点を解決し、うま味と口腔へのひろがりがバランスよく付与され、コク味の増強された調味料の製造方法を提供すること、並びに、調味料のコク味増強方法を提供することが本発明の課題である。
本発明者らは、酵素による野菜エキス、ビーフエキス等の調味料の分解及びそれにより製造される調味料の呈味質に関して研究したところ、調味料にグルタミナーゼのみを作用させるとうま味の強い単調な呈味となり、飲食品に配合することで飲食品の持つ呈味の立体感が損なわれる傾向にあることを認めた。一方、調味料の製造工程において調味料素材にアスパラギナーゼを作用させるとひろがりがあり、まろやかなコク味の増強された調味料となることを見出した。そこで、調味料の製造工程において、調味料素材にグルタミナーゼとアスパラギナーゼを同時に作用させ、調味料中の遊離グルタミン酸量と遊離アスパラギン酸量を増加させたところ、うま味と口腔へのひろがりがバランスよく付与され、調味料のコク味が増強されることを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下に記載する通りである。
(1)アスパラギナーゼを添加することを特徴とする調味料の製造方法。
(2)アスパラギナーゼ及びグルタミナーゼを添加することを特徴とする調味料の製造方法。
(3)アスパラギナーゼ及びグルタミナーゼを添加することを特徴とする調味料のコク味の増強方法。
(4)調味料が野菜エキス又は畜肉エキス又は酵母エキスである(1)乃至(3)記載の方法。
本発明により、グルタミナーゼを単独で作用させることでは製造できない、うま味と口腔へのひろがりをバランスよく有し、コク味の増強された調味料を提供することが可能となる。
本発明におけるアスパラギナーゼは、動物組織、植物組織、微生物中に分布するもの、あるいは市販品を使用することが可能であり、いかなる起源のものでもよく、その製造法、精製法も問わないが、精製あるいは部分精製品が好ましい。また、遊離のアスパラギンをアスパラギン酸に変換するアミダーゼ活性を有する酵素であれば、その他のアミダーゼ活性、プロテアーゼ活性、ペプチダーゼ活性など、いかなる酵素活性を持ち合わせていてもよい。また、グルタミナーゼ活性並びにアスパラギナーゼ活性以外の活性を有する酵素との混合物でもよい。
本発明におけるグルタミナーゼは、動物組織、植物組織、微生物中に分布するもの、あるいは市販品を使用することが可能であり、いかなる起源のものでもよく、その製造法、精製法も問わないが、精製あるいは部分精製品が好ましい。また、遊離のグルタミンをグルタミン酸に変換するアミダーゼ活性を有する酵素であれば、その他のアミダーゼ活性、プロテアーゼ活性、ペプチダーゼ活性など、いかなる酵素活性を持ち合わせていてもよい。また、グルタミナーゼ活性並びにアスパラギナーゼ活性以外の活性を有する酵素との混合物でもよい。
本発明における調味料は、オニオンエキスや白菜エキスなどの野菜エキス、ビーフエキスやチキンエキスなどの畜肉エキス、鰹エキスや昆布エキスなどの水産物エキス、椎茸エキス、酵母エキス、香辛料エキス、紅茶エキス、緑茶エキス、果実エキス、豆類エキス、ごまエキス、穀類エキス、花卉エキスなどいかなる調味料でもよく、それらの混合物、その他の飲食品や調味料との混合物でもよい。
本発明においては、調味料製造工程において、調味料素材、すなわち調味料へ加工される原料にアスパラギナーゼを添加することで、あるいはグルタミナーゼとアスパラギナーゼを併用し添加することで調味料のコク味を増強する。併用の場合、バランス良いコク味付与には酵素処理により増加する調味料2重量%水溶液あたりの遊離グルタミン酸及びアスパラギン酸量は、共に10μM以上が好ましい。また、調味料中の既存の遊離グルタミン酸及びアスパラギン酸量に対する、酵素処理により増加する遊離グルタミン酸及びアスパラギン酸量の、増加割合の大きい値を増加割合の小さい値で割った値が10以下であることが好ましい。この値が10を上回った際の大きい方の値がグルタミン酸の増加割合であった場合、単純なうま味の増強となり、大きい方の値がアスパラギン酸の増加割合であった場合、ひろがりは付与されるが、グルタミナーゼ効果の認識が困難となる。ここで言う遊離アミノ酸量とは、調味料中の各アミノ酸もしくは各アミノ酸塩のモル濃度を指し、アミノ酸アナライザー(日立アミノ酸アナライザーL8500等)あるいはHPLCなどの定法により、容易に定量することができる。
コク味を増強するためには、過剰の酵素を添加し短時間処理してもよいし、少量の酵素を添加し長時間処理してもよい。酵素の必要量は、対象とする調味料により異なる。酵素反応時の温度は酵素が活性を有する温度である限りいかなる温度でもよく、好ましくは37℃から70℃である。また、酵素反応時のpHは酵素が活性を有するpHである限りいかなるpHでもよく、好ましくは3.5から9.5である。
本発明によると、うま味と口腔へのひろがりをバランスよく有し、コク味の増強された調味料の製造方法を提供することができる。また、調味料のコク味を増強する方法を提供することができる。以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。尚、本発明は、この実施例により何ら限定されない。
市販の各種調味料の5重量%水溶液に、グルタミナーゼ、アスパラギナーゼを単独で、あるいは併用で、37℃で2時間反応させた後、90℃で10分間処理することで酵素を失活させ、最終的に2重量%に希釈して官能評価を行った。また、アミノ酸アナライザーを用いて各サンプルの遊離アミノ酸量を測定した。調味料としては、オニオンエキス、ニンジンエキス、キャベツエキス、ガーリックエキス、白菜エキス、セロリエキス、酵母エキス(A)〜(B)、チキンエキス、ビーフエキス(A)〜(D)の13種類を用いた。グルタミナーゼとして天野エンザイム(株)の「グルタミナーゼダイワC100S」(製剤活性:100u/g)、アスパラギナーゼとして協和発酵工業(株)の「ロイナーゼ注」(比活性:223u/mg)を用いた。尚、いずれの酵素においても、37℃で1分間に1μmolのNH3を発生するのに必要な酵素量を1uと定義した。グルタミナーゼの添加量はエキス1kgあたり1600u、アスパラギナーゼの添加量はエキス1kgあたり12000uとした。試験区分は、グルタミナーゼ単独処理、アスパラギナーゼ単独処理、グルタミナーゼ及びアスパラギナーゼ併用処理の3区分とし、酵素未処理区分を対照とした。官能評価は、うま味、ひろがり、まろやかさ、呈味力価、呈味バランスに着目して行い、併用処理区分に関してはコク味増強の好ましさを5段階で評価した。また、参考として、酸性アミノ酸特異的アミノペプチダーゼ(特許文献6記載)単独処理区分についても、同様の評価を行なった。これらの官能評価結果を表1に示した。さらに、併用処理区分におけるアミノ酸分析結果をもとに、酵素処理による遊離グルタミン酸及びアスパラギン酸の増加量、調味料中の既存の遊離グルタミン酸及びアスパラギン酸量に対する酵素処理により増加した遊離グルタミン酸及びアスパラギン酸の割合(増加率)、グルタミン酸及びアスパラギン酸の増加割合の大きい値を増加割合の小さい値で割った値を算出した。アミノ酸分析結果をもとにした各種計算値を表2に示した。尚、表に示す値は全て2重量%水溶液あたりの換算値である。
表1に示したように、いずれの調味料においても、酸性アミノ酸特異的アミノペプチダーゼ単独処理の場合はコク味はあまり増強されず、グルタミナーゼ単独処理の場合はうま味が強くべたっとしたくどい味質であった。一方、アスパラギナーゼ単独処理の場合はひろがりが強く軽くてキレのよいコク味の増強された味質となり、グルタミナーゼ及びアスパラギナーゼ併用処理の場合は、多くの調味料においてうま味とひろがりのバランスがとれ、まろやかでコク味の増強された味質となっていた。中でも、野菜エキス6種類及びビーフエキスにおいて好ましい効果が確認された。また、表2に示したように、遊離グルタミン酸及びアスパラギン酸の増加量が共に10μM以上である調味料は、いずれも官能評価において「△(やや好ましい効果)」以上の評価を得ていた。さらには、遊離グルタミン酸及びアスパラギン酸がバランスよく増加している調味料、すなわちグルタミン酸及びアスパラギン酸の増加割合の大きい値を増加割合の小さい値で割った値が10以下である調味料は、いずれも官能評価において「○○(より好ましい効果)」以上の評価を得ていた。以上より、遊離グルタミン酸及びアスパラギン酸の増加量が共に10μM以上であり、かつグルタミン酸及びアスパラギン酸の増加割合の大きい値を増加割合の小さい値で割った値が10以下である調味料は、グルタミナーゼ及びアスパラギナーゼの併用処理により好ましいコク味増強効果が得られることが示された。
本発明によれば、遊離グルタミン酸量を増加させるグルタミナーゼなどの酵素単独添加では得られない、うま味とひろがりのバランスがとれ、まろやかでコク味の増強された調味料を得ることができるため、本発明は食品分野において極めて有用である。

Claims (4)

  1. アスパラギナーゼを添加することを特徴とする調味料の製造方法。
  2. アスパラギナーゼ及びグルタミナーゼを添加することを特徴とする調味料の製造方法。
  3. アスパラギナーゼ及びグルタミナーゼを添加することを特徴とする調味料のコク味増強方法。
  4. 調味料が野菜エキス又は畜肉エキス又は酵母エキスである請求項1乃至3記載の方法。
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