JP2007537178A - 経口投与のためのフィルム型エストリオール含有医薬 - Google Patents
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Abstract
更年期障害を処置するための、特に口を通しての経口投与のためのフィルム型医薬を開示する。この医薬は、活性物質として、エストリオールおよび/または少なくとも1種の薬理学的に許容し得るエストリオールエステルを、単独で、または少なくとも1種のゲスターゲンと組み合わせて含む。
Description
本発明は、経口的に投与される、エストリオールおよび/または少なくとも1種のその薬理学的に許容し得るエステルを、単独で、または少なくとも1種のゲスターゲンと組み合わせて経粘膜的に投与することを目的とする、フィルム型医薬に関する。
本発明はさらに、エストリオールおよび/または少なくとも1種のその薬理学的に許容し得るエステルの、単独での、または少なくとも1種のゲスターゲンと組み合わせての、更年期愁訴の処置のための、フィルム型の経口的に投与される医薬の製造のための使用に関する。
本発明はさらに、エストリオールおよび/または少なくとも1種のその薬理学的に許容し得るエステルの、単独での、または少なくとも1種のゲスターゲンと組み合わせての、更年期愁訴の処置のための、フィルム型の経口的に投与される医薬の製造のための使用に関する。
女性の閉経期(更年期)は、妊娠可能な期間を、生殖がもはや可能ではない期間から分ける、人生の期間である。更年期は、卵巣のホルモン産生の継続的な減少並びに、これに関連する月経の減少および最終的には休止により特徴づけられる。更年期の初期に、血液中のゲスターゲンレベルは減少し、数年後には、エストロゲンの産生も少なくなり、これは身体がこれらのホルモンの産生を完全に停止するまで続く。
このホルモン変化の期間の間、愁訴が約80%の女性において発生する。衰退するホルモン産生により、器質的な愁訴が生じる。これらの中には、乾燥した、薄い、たるんだ皮膚、筋緊張の低下、変化した多毛(altered hairiness)またはさらに毛髪の損失、関節痛および筋肉痛、乳房内に張りをもたらす、組織における増大した水分貯留、乾燥し、かゆみを有する膣、膣の一層頻繁な炎症、膀胱の炎症および尿滴下、並びに骨量の減少(骨粗鬆症)がある。
器質的な愁訴は、自律神経性愁訴、例えばのぼせ、発汗の激増、睡眠障害、眩暈、頻拍または頭痛を伴う場合がある。これらの症状は、更年期愁訴の像を、約2〜3年にわたり決定する。
さらに、精神的な愁訴が生じ得る。これらの中には、不安状態、興奮性および攻撃性、内的緊張、不機嫌、神経質、気分変動およびうつ、疲労および意欲の欠乏、健忘症、減退した集中力および変化した性欲がある。これらの愁訴は、通常、生物がホルモンの欠乏に慣れると、再び減少する。
更年期に伴う愁訴は、罹患した女性の30〜40%によってむしろ温和であると感じられ、罹患した女性の25%においては、精神的および身体的愁訴は極めて強く、関係する女性の5%は、さらに一時的に働くことができない。
いわゆるホルモン補充療法(HRT)においては、エストロゲンを、ゲスターゲンと組み合わせて投与して、ホルモン欠乏を代償し、更年期に伴う愁訴を処置する。閉経後の期間にある女性における更年期愁訴を処置し、骨粗鬆症および循環器疾患を予防するためのホルモン補充療法の利点は、十分証明されている。
しかし、またホルモン補充療法において生じる所望されない副作用の可能性がある。最も頻繁な副作用の中には、浮腫の増大した形成、血栓症の増大した危険、子宮内膜癌に罹患する増大した危険、乳房における張りの感覚、体重の増加、悪心、色素沈着過度および不正出血(spotting)がある。
さらに、ホルモン的に活性なエストロゲンの継続的な投与により、膣上皮細胞の増殖が促進され、子宮内膜の過形成の危険が増大する。
継続的なエストラジオール投与に伴う不利益に鑑み、子宮内膜の増殖をほとんど誘発しないエストリオールを、エストラジオールの代わりに、ホルモン補充療法の枠組みの中で用いることが提案された。エストリオール((16α,17β)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,16,17−トリオール)は、通常尿において顕著である、エストロゲン代謝の最終的な代謝産物および中間的な代謝産物である。エストラジオールの代謝物であるため、エストリオールのホルモン効果はまた、エストラジオールのホルモン効果よりも顕著に小さい。
しかし、被覆錠剤、カプセルまたは錠剤の形態で経口的に投与した場合には、エストリオールは、肝臓において、そのグルクロニド誘導体の形成により迅速に不活性化される。したがって、投与されたエストリオール用量のわずか1〜2%が、血液循環に、生物が利用可能な形態で入る。この理由により、エストリオールの経口投与について、1日あたり2mgの用量が、膣萎縮症を防止するのに最適であり、のぼせ、睡眠障害および更年期に伴ういくつかの他の問題を処置するのに有効であることが見出された。投与される比較的高い用量(2mg/日)のために、副作用、例えば悪心および乳房痛などが起こる可能性もある。
経口投与の代替策として、投与しなければならないホルモンの量を減少させながら、同一の全身作用を維持することを可能とするために、エストリオールの膣内投与もまた試験された。さらに、一層小さい用量は、エストロゲンにより調節される肝臓機能の偏向(deflection)が一層小さいという利点を有する。膣内に投与されたエストリオールは、初期に迅速に吸収され、したがって原則的に局所的および全身的ホルモン補充療法に適するため、膣内投与が経口投与よりも有効であることが示されたが、長期間の適用において起こり、エストリオールの吸収に対して負の効果を有する膣上皮の角化は、エストリオールの膣内適用に不利に作用する。さらに、エストリオールの膣内投与は、発端者により許容されていなかった。
膣内投与のほかに、EP 0 630 248には、経皮的に投与されたエストリオールがまた、更年期の骨粗鬆症の治療に適することが記載されている。しかし、女性周期におけるエストロゲン系ホルモンの生理学的濃度(50〜350μg/ml)に相当する遊離のエストリオールの血清レベルを達成するために、男性対象に経皮的に継続的に投与しなければならない極めて高いエストリオール量(24時間あたり12mg)は、不利であることを考慮しなければならない。
これのほか、エストリオールの経皮投与は、ほぼ一定のエストリオールの血中濃度をもたらすはずであり、これは、実際に骨に対してポジティブな効果を有するが、子宮の粘膜への望まない作用をも促進してしまう。
したがって、本発明の目的は、経口的に投与され、更年期の、および/または閉経後の愁訴の処置に適し、かつ既知の経口投与形態の前述の欠点を可能な限り回避する、エストリオールの投与のための医薬を提供することにあった。
驚異的なことに、この目的は、エストリオールおよび/またはエストリオールの少なくとも1種の薬理学的に許容し得るエステルを含む、単層または多層のフィルム型医薬により達成されることが見出された。
エストリオールの好適な薬理学的に許容し得るエステルは、例えば、三酢酸エストリオール、トリプロピオン酸エストリオール、エストリオール−3−酢酸塩、エストリオール−16−酢酸塩、エストリオール−16,17−二酢酸塩、エストリオール−3,17−二硫酸塩、エストリオール−16,17−二硫酸塩、エストリオール−3−硫酸塩、エストリオール−17−硫酸塩、エストリオール−3−ヘミコハク酸塩またはエストリオール−16,17−二ヘミコハク酸塩である。
エストリオールおよび/またはエストリオールの薬理学的に許容し得るエステル(1種または2種以上)は、随意に、少なくとも1種のゲスターゲンと組み合わせて、フィルム型医薬中に含有させることができる。
本発明のフィルム型医薬により、エストリオールおよび/またはエストリオールの薬理学的に許容し得るエステル(1種または2種以上)並びに、場合によっては、当該医薬中にさらに含まれるゲスターゲン(1種または2種以上)の、口腔粘膜を介しての経粘膜的な吸収が、当該医薬を舌下に、または口腔に適用することにより可能になる。フィルム型医薬に含まれる1種または2種以上の活性物質は、唾液の作用によりフィルム型医薬から放出され、その後口腔粘膜を介して吸収され得る。このようにして、経口的に投与されたエストリオールの急速な不活性化の原因である、いわゆる「初回通過効果」が回避される。これにより、顕著に高い用量の経口的または経皮的に投与されたエストリオールと同様の全身作用を達成するために、本発明の医薬により放出されるエストリオールおよび/またはエストリオールエステルの用量を、2mg/24時間より低く、好ましくは24時間あたり約200μgと、エストリオールについての既知の投与形態に比べて減少させることができる。
さらに、エストロゲンの膣内投与において観察された膣における上部細胞層の増殖および角化と類似する、口腔粘膜の変化は、エストリオールの口腔投与または舌下投与については観察されなかった。
膣におけるこれらの変化は、同一の処置および用量によって、血液中のエストリオールレベルが、エストリオールを膣内に適用した場合に、ある時間の後に測定可能に降下するが、これを口腔粘膜を介して経粘膜的に投与した場合には、降下しないという観察事実についての理由であり得る。したがって、更年期愁訴の処置を本発明のフィルム型医薬を用いて行う場合には、長期間の使用の場合においてさえも、適用部位としての口腔粘膜において、悪化を示す望まない吸収状態は生じないはずである。
本発明のフィルム型投与形態は、小さい厚さの医薬である。これらのフィルム型医薬の厚さは、0.01mm〜5mm、好ましくは0.03〜3mm、特に好ましくは0.05mm〜2mm、またさらに一層好ましくは0.1mm〜1mmである。本発明の医薬の面積は、0.5〜20cm2であり、好ましくは、面積は、1〜10cm2である。
個々の医薬の形状は異なっていてもよい。これらは、円形、楕円形、三角形、長方形または多角形の形状であってもよい。
個々の医薬の形状は異なっていてもよい。これらは、円形、楕円形、三角形、長方形または多角形の形状であってもよい。
本発明の医薬はまた、「ウエハース」と呼ばれる。これらは、水分を吸収した後に、口腔粘膜の不規則な表面輪郭に適合することができる。さらに、本発明の医薬は、ゼラチン化可能であるか、または膨潤することができてもよい。
好ましい態様において、本発明のフィルム型医薬製剤は、これらを適用する前にすでに柔軟であり、水分を唾液から吸収することができる。
好ましい態様において、本発明のフィルム型医薬製剤は、これらを適用する前にすでに柔軟であり、水分を唾液から吸収することができる。
本発明のフィルム型医薬製剤の活性物質含量は、0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、また特に好ましくは5〜20重量%である。
フィルム型医薬は、ポリマー含有層からなるか、または活性物質貯蔵体として作用する少なくとも1つのポリマー含有層を含む。この層は、活性物質を含み、活性物質を、唾液の作用により遊離することができる。このポリマー含有貯蔵体層中のポリマー比率は、10〜90重量%、好ましくは20〜70重量%、また特に好ましくは30〜60重量%である。
フィルム型医薬は、ポリマー含有層からなるか、または活性物質貯蔵体として作用する少なくとも1つのポリマー含有層を含む。この層は、活性物質を含み、活性物質を、唾液の作用により遊離することができる。このポリマー含有貯蔵体層中のポリマー比率は、10〜90重量%、好ましくは20〜70重量%、また特に好ましくは30〜60重量%である。
活性物質貯蔵体として作用する層の製造に適するポリマーは、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリ酢酸ビニル類、ポリエチレングリコール類、ポリエチレンオキシドポリマー類、ポリウレタン類、ポリアクリル酸類、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリ(メチルビニルエーテル−無水マレイン酸)類、デンプン、デンプン誘導体、天然ゴム、アルギン酸塩類、ペクチン類およびゼラチン、プルラン、ゲル形成タンパク質、キトサン、寒天、アガロース、カラギーナン、キサンタン、トラガカント、デキストランおよびセルロースエーテル類、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プロピルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、Na−カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、酢酸セルロースからなる群から選択することができる。
ポリマーは、単独で、または互いに組み合わせて用いて、所望の特性、例えば接着性、放出特性または崩壊特性を有する本発明の医薬を製造することができる。
最も単純な態様において、本発明のフィルム型医薬は単一のポリマー層からなる。他の態様は、二層または多層構造を有し、層の少なくとも1つが活性物質を含む、フィルム型医薬に関する。これらの態様の複数の層が1種または2種以上の活性物質を含む場合には、これらの層は、その活性物質含量およびその活性物質組成の点で、またそのポリマー組成並びにこれによるその接着特性および/または崩壊特性の点で異なり得る。
本発明の医薬は、さらに、当業者に知られている1種または2種以上の不活性成分を含むことができる。これらの不活性成分は、以下の群の1種または2種以上から選択することができる:ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエトキシル化脂肪族アルコール類およびレシチンを含む乳化剤;ポリエチレングリコール、グリセロールおよび他のポリアルコール類、高級アルコール類、例えばドデカノール、ウンデカノールまたはオクタノール、ソルビトール、マンニトールおよび他の糖アルコール類、デキスパンテノールおよびトリグリセリド類を含む可塑剤;高分散(high-disperse)二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化亜鉛、白墨およびデンプンを含む充填剤;着色剤;甘味剤および風味剤;湿潤剤;保存剤;pH調整剤および酸化防止剤;崩壊促進剤;エストラジオールの粘膜を介しての吸収を改善する浸透促進剤、例えば脂肪酸および脂肪酸エステル類、多価アルコール類、例えばプロパンジオール、トコフェロール類またはエーテル油、例えばメントール。
これらの不活性成分の比率は、医薬の合計重量に対して60重量%までであってもよい。好ましくは、不活性成分の比率は、5〜40重量%である。前述の不活性成分の1種または2種以上を加えることにより、当業者は、活性物質含有フィルム型医薬の化学的および物理的特性に対して影響を与えることができ、したがって、例えば所望の柔軟性、粘膜付着性、膨潤性または崩壊性、および拡散特性を調整することができる。
好ましい態様において、フィルム型医薬は、時間的に遅延された、長時間持続する活性物質放出を可能にする。活性物質は、好ましくは4時間にわたり、特に好ましくは6時間にわたり、尚一層好ましくは8時間にわたり放出される。毎日1回の4時間、6時間または8時間以内の活性物質のパルス状放出により、治療的に所望される中枢神経系、膣上皮および泌尿生殖器組織における効果を、発生学的に同一の起源を有する膣または泌尿生殖器組織における萎縮症を誘発せずに、生じさせることが可能である。
パルス状の投与は、例えば、改善された子宮/膣分離(utero-/vaginal dissociation)に寄与することができる。この観点において、本発明の医薬は、エストリオールおよびエストリオールエステル(1種または2種以上)の、更年期愁訴の処置における組織特異性を改善することができる。
本発明の医薬の他の好ましい態様において、活性物質(1種または2種以上)は、24時間またはこれより長い期間にわたり放出される。これにより、ほぼ一定した血中濃度を達成することが可能であり、これは、骨におけるその好ましい効果のために、骨粗鬆症の処置に特に適している。
二層または多層医薬における遅延された活性物質放出を達成するために、活性物質含有ポリマー層の少なくとも1つは、活性物質の遅延された放出を有する。
遅延された活性物質放出を達成するために、フィルム型医薬は、好ましくは、数時間後にのみ完全に崩壊するか、または完全に溶解する、遅溶性または遅崩壊性フィルムとして製剤することができる。好ましくは、これらは、4時間後にのみ、特に好ましくは6時間後にのみ、また一層好ましくは8時間後にのみ、またはさらに24時間後にのみ完全に崩壊するか、または完全に溶解する。
遅延された活性物質放出を達成するために、フィルム型医薬は、好ましくは、数時間後にのみ完全に崩壊するか、または完全に溶解する、遅溶性または遅崩壊性フィルムとして製剤することができる。好ましくは、これらは、4時間後にのみ、特に好ましくは6時間後にのみ、また一層好ましくは8時間後にのみ、またはさらに24時間後にのみ完全に崩壊するか、または完全に溶解する。
好ましい態様において、本発明のフィルム型医薬は、粘膜付着性である。特に好ましいのは、1つの粘膜付着性表面を有するのみの態様である。これにより、医薬製剤が、適用期間の間に口腔粘膜に付着することが可能になり、活性物質(1種または2種以上)が、適用部位において口腔粘膜を介して直接吸収され得る。
特に好ましい態様において、粘膜付着性医薬は、粘膜付着性表面と反対の面に、活性物質に対して不透過性の層を有し、したがって口腔粘膜への適用により、指向性の活性物質放出を達成することが可能である。
エストリオールおよび/またはエストリオールの少なくとも1種の薬理学的に許容し得るエステルを含む、経口投与のためのフィルム型医薬は、さらに、医薬の適用により同様に経粘膜的に投与される、ゲスターゲンの群からの少なくとも1種の他の活性剤を含むことができ、これにより、エストリオールと少なくとも1種のゲスターゲンとの組み合わせを用いたホルモン補充療法において、単一の医薬製剤を投与することしか必要としない。
本発明のフィルム型医薬は、原則的に当業者に知られている方法により、例えば不活性支持体を、ポリマー(1種または2種以上)、活性剤(1種または2種以上)および随意に不活性成分(1種または2種以上)および溶媒(1種または2種以上)を含む液体物質で、例えばナイフコーティング、噴霧または押出法でコーティングすることにより、製造することができる。このようにして得られた薄膜層を乾燥する。多層フィルムの場合において、1または2以上のコーティングを、同一の方法で、存在するフィルム層に塗布するか、または別個に製造し、その後これに積層することができる。
エストリオールおよび/またはエストリオールの少なくとも1種の薬学的に許容し得るエステルを、単独で、または少なくとも1種のゲスターゲンと組み合わせて含む、経口適用のための本発明のフィルム型医薬は、更年期愁訴を処置するために、および/またはホルモン補充療法の中で用いることができる。
有利には、本発明の医薬を用いる場合には、ホルモン補充療法または更年期愁訴の処置は、2mg/24時間より低いエストリオール用量を用いて、好ましくは約200μg/24時間の活性物質用量を用いて行うことができる。
特に、本発明の医薬により可能になる、4時間、好ましくは6時間または特に好ましくは8時間にわたる、毎日1回の、エストリオールおよびその薬理学的に許容し得るエステルのパルス状投与により、一層小さい用量の投与のほか、経皮的投与と比較して改善された組織特異性も実現可能になる。
Claims (18)
- 経口投与、特に口腔投与のためのフィルム型医薬であって、これが、活性物質として、エストリオールおよび/またはエストリオールの少なくとも1種の薬理学的に許容し得るエステルを、単独で、または少なくとも1種のゲスターゲンと組み合わせて含むことを特徴とする、前記医薬。
- ポリマー含有層からなるか、または1種または2種以上の活性物質を含み、活性物質貯蔵体として作用する少なくとも1つのポリマー含有層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
- 二層または多層構造を有し、少なくとも1つの層が活性物質を含むことを特徴とする、請求項2に記載の医薬。
- ポリマー含有層またはポリマー含有層の少なくとも1つにより、遅延された活性物質放出が可能になることを特徴とする、請求項2または3に記載の医薬。
- 活性物質を、時間的に遅延された方式で、好ましくは4時間にわたり、特に好ましくは6時間にわたり、一層好ましくは8時間にわたり放出することを特徴とする、請求項4に記載の医薬。
- 活性物質を、24時間またはこれ以上にわたり放出することを特徴とする、請求項4に記載の医薬。
- 水性媒体中でゼラチン化可能であるか、または膨潤できることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬。
- 水性媒体中で遅溶性であるか、または遅崩壊性であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬。
- 4時間後にのみ、好ましくは6時間後にのみ、特に好ましくは8時間後にのみ、またはさらに24時間後にのみ完全に崩壊するか、または完全に溶解することを特徴とする、請求項8に記載の医薬。
- 24時間あたり2mgより低い、好ましくは24時間あたり約200μgの活性物質用量を放出することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の医薬。
- 粘膜付着性であるか、または少なくとも1つの粘膜付着性表面を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の医薬。
- 粘膜付着性表面に背向する層が、活性物質に対して不透過性であることを特徴とする、請求項11に記載の医薬。
- ポリマー含有層中のポリマー比率が、10〜90重量%、好ましくは20〜70重量%、また特に好ましくは30〜60重量%であることを特徴とする、請求項2〜12のいずれかに記載の医薬。
- 0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、また特に好ましくは5〜20重量%の活性物質含量を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の医薬。
- 医薬の厚さが、0.01mm〜5mm、好ましくは0.03〜3mm、特に好ましくは0.05〜2mm、またさらに一層好ましくは0.1〜1mmであることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の医薬。
- エストリオールおよび/または少なくとも1種のその薬学的に許容し得るエステルの、経口的に投与される、更年期愁訴の処置を目的とするフィルム型医薬の製造のための使用。
- フィルム型医薬が、請求項1〜15のいずれかに記載の医薬であることを特徴とする、請求項16に記載の使用。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の医薬の、更年期愁訴の処置のための使用。
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