JP2007537117A - コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するための、「モラスパース(Molassperse)」界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法 - Google Patents
コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するための、「モラスパース(Molassperse)」界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
糖蜜が、流動化(減水)特性、及び、分散特性を備えた界面活性剤に変換されるように、糖蜜を処理する糖蜜処理方法。この処理においては、糖蜜が、連続的に、室温より高い温度で、酸環境、及び、アルカリ環境のもとで処理される。これは、糖蜜の成分が酸加水分解、及び、アルカリ加水分解にさらされることを意味する。酸処理によって、単糖類(還元糖)、アルドン酸、及び、アミノカルボニックアシッドが生産される。アルカリ処理によって、サッカリン酸、サッカリン酸塩、アルドン酸塩、アミノカルボニックアシッド、アミノカルボニックアシッド塩、ワックスエーテルの可溶性せっけんが生産される。この改良された糖蜜は、コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤として効果的に使用することが可能である。
Description
1. 背景
1.1. コンクリート混和剤
糖蜜(molasses)(糖蜜の典型的な分析については付録1を参照)は、従来、コンクリート混和剤における遅延剤として使用されてきた[1、4]。糖蜜は、凝結を促進し、その結果として、コンクリート混合材における含水量を僅かに軽減することができる。
1.1. コンクリート混和剤
糖蜜(molasses)(糖蜜の典型的な分析については付録1を参照)は、従来、コンクリート混和剤における遅延剤として使用されてきた[1、4]。糖蜜は、凝結を促進し、その結果として、コンクリート混合材における含水量を僅かに軽減することができる。
本発明は、タイトル(名称)が「硬化遅延型早強減水剤を準備する方法とその方法により準備される製品」である中国特許[2]に近い発明である。
この発明によると、硬化遅延型早強減水剤は次のように準備される。糖蜜を1.22−1.25ボーメ度に希釈し、70−80℃に加熱した後、そこに、希釈した糖蜜の1−2重量%に相当する石灰を加えることで、糖を部分的に酸化カルシウムと反応させ、減水に関して最適な効果を発揮できる溶解性カルシウム糖を形成させる。反応の結果生成される製品(生成物)には、糖の成分が部分的に残留する。その結果、前記製品(生成物)は、減水剤としての機能だけでなく、凝結遅延剤としての機能をも兼ね備える。また、前記製品(生成物)に、所定量の無水硫酸ナトリウムを加えることで早強性を増すことができる。
この発明によると、硬化遅延型早強減水剤は次のように準備される。糖蜜を1.22−1.25ボーメ度に希釈し、70−80℃に加熱した後、そこに、希釈した糖蜜の1−2重量%に相当する石灰を加えることで、糖を部分的に酸化カルシウムと反応させ、減水に関して最適な効果を発揮できる溶解性カルシウム糖を形成させる。反応の結果生成される製品(生成物)には、糖の成分が部分的に残留する。その結果、前記製品(生成物)は、減水剤としての機能だけでなく、凝結遅延剤としての機能をも兼ね備える。また、前記製品(生成物)に、所定量の無水硫酸ナトリウムを加えることで早強性を増すことができる。
糖(sugar)(糖蜜(molasses sugar))は、コンクリート混和材に添加されると、即座に、酸化カルシウム(セメントの水和反応の過程で製造される)と反応し、「溶解性カルシウム糖」を形成することで知られている。
この中国特許における方法は、従来の糖蜜の使用方法(コンクリート混合材に直接糖蜜を加える)との関係で、比較的少量の糖蜜が「カルシウム糖」に変換されるという点で異なる。
この中国特許における方法での不利点は次のとおりである。
・糖蜜の改良の見解から:実質的には、コンクリート混合材の成分は変化しない。少量の「カルシウム糖」の形成プロセスが僅かに活発化されるだけである。
・糖蜜の改良の見解から:実質的には、コンクリート混合材の成分は変化しない。少量の「カルシウム糖」の形成プロセスが僅かに活発化されるだけである。
・「カルシウム糖」は、20℃以下になると沈殿[3]を始め、コンクリートの硬化を不均一にさせる。
・硫酸ナトリウムは、従来、強力な糖蜜遅延効果を和らげるために用いられる。
・硫酸ナトリウムは、従来、強力な糖蜜遅延効果を和らげるために用いられる。
本発明に最も近い方法は、従来のソビエト連邦における方法[4]であり、この方法は、タイトル(名称)が「糖蜜発酵副産物含有コンクリート混和剤」である韓国の特許[5]によってその内容が補われている。
「糖蜜発酵副産物」とは、実質的には、糖蜜の発酵、及び、「母液(mother liquor)」からの発酵物(主にアルコールと酵母)の抽出を行なった後の廃液(糖蜜廃液)である。
この糖蜜廃液は、原料である糖蜜(原料糖)に比べると、糖発酵プロセスによってできた比較的少量の副産物を含み、これらの副産物の殆どは、異なる有機酸を形成している。これらの有機酸は、糖蜜廃液における界面活性特性を原料糖に比べて僅かに増加させる。
「糖蜜発酵副産物(糖蜜廃液)」における主要な不利点(問題点)は、リグニンスルホン酸(lignosulphonates)のような従来の減水剤に比べ、界面活性特性が依然として低いことである。また、「糖蜜発酵副産物」にはかなり多くの不特定物質が含まれる。よって、これらの副産物がコンクリート混和剤として使用されることは滅多にない。
1.2. セメントクリンカ研削混和剤
従来より、糖蜜は分散性が低い(界面活性特性が低い)という点から研削混和剤(grinding additive)として使用されていない。しかし、タイトル(名称)が「滑石(タルク)と糖蜜とをセメント研削剤として使用する方法」である中国特許[6]では、糖蜜と滑石とを略1:10の割合で混合したものを研削混和剤として使用することが提案されている。この中国特許では、糖蜜が周知の固着剤(接着剤)として使用されているようである。研削プロセスにおいて、滑石はセメントクリンカに比べかなり柔らかい材質であることから、クリンカに比べて著しく薄く研削される。(固着剤としての)糖蜜との混合物に含まれる滑石の微粒子は、仮定上、セメント粒子を包み、セメント粒子が凝集することを防ぐ。
1.2. セメントクリンカ研削混和剤
従来より、糖蜜は分散性が低い(界面活性特性が低い)という点から研削混和剤(grinding additive)として使用されていない。しかし、タイトル(名称)が「滑石(タルク)と糖蜜とをセメント研削剤として使用する方法」である中国特許[6]では、糖蜜と滑石とを略1:10の割合で混合したものを研削混和剤として使用することが提案されている。この中国特許では、糖蜜が周知の固着剤(接着剤)として使用されているようである。研削プロセスにおいて、滑石はセメントクリンカに比べかなり柔らかい材質であることから、クリンカに比べて著しく薄く研削される。(固着剤としての)糖蜜との混合物に含まれる滑石の微粒子は、仮定上、セメント粒子を包み、セメント粒子が凝集することを防ぐ。
この方法は、効果が低いことからあまり広くは使用されていない。
この方法の主要な不利点は、糖蜜が分散性界面活性剤(分散剤としての界面活性剤)として使用されていないことである。
2. 提案に係る糖蜜処理方法
糖蜜成分の深部にまで改良を施し、糖蜜成分を流動化(減水)特性および分散特性を備えた効果的な界面活性剤に変換させる。
3. 当該処理方法(発明)の詳細
3.1. 当該処理方法の要点
糖蜜を、連続的に、室温より高い温度で、酸性環境、及び、アルカリ性環境のもとで処理(酸処理、及び、アルカリ処理)する。これにより、糖蜜成分が酸加水分解、及び、アルカリ加水分解される。
3.2. 当該処理方法における管理形態とパラメータ
3.2.1. pH値0.8にまで糖蜜を酸性化させるために、無機酸と、有機酸を使用することができる。
3.2.2. pH値14.0にまで糖蜜をアルカリ化させるために、無機アルカリと、有機アルカリを使用することができる。
3.2.3. 酸処理、及び、アルカリ処理時の温度は、50−200℃であってもよい。その際の周囲圧力は、正圧であってもよいし、負圧であってもよい。
3.2.4. 酸加水分解(酸化)、及び、アルカリ加水分解(酸化)における触媒を、当該処理(当該処理方法)においては使用することができる。
3.2.5. 糖蜜の固形成分含有量は5.0−90.0%であってもよい。
3.2.6. 処理時間
・酸処理:10分−24時間
・アルカリ処理:10分−24時間
3.2.7. 酸処理、及び、アルカリ処理の両方が終了した後、糖蜜のpHを必要とされる値になるよう調整してもよい。
4. 糖蜜の特性に対する当該処理方法の効果
4.1. 酸処理による効果:
・多糖類から単糖類(還元糖)への変換
・単糖類を部分的にアルドン酸(aldonic acids)に変換
・タンパク質(プロテイン)を、カルボキシル基、及び、アミノ基を比較的多く含むアミノカルボニックアシッド(aminocarbonic acids)に分解
4.2. アルカリ処理による効果:
・単糖類(還元糖)からサッカリン酸(saccharinic acids)、及び、サッカリン酸塩に変換
・アルドン酸(aldonic acids)からアルドン酸塩に変換
・残余タンパク質(プロテイン)のアミノカルボニックアシッド(aminocarbonic acids)への分解
・アミノカルボニックアシッド(aminocarbonic acids)のアミノカルボニックアシッド塩への変換
・ワックスエーテル(wax ethers)から可溶性せっけん(soluble soaps)への変換(鹸化)
5. 処理済の糖蜜における新しい構成要素の特性
5.1. サッカリン酸塩、及び、アルドン酸塩は、分散特性の高い、かなり強力な陰イオン性の界面活性剤である。
この方法の主要な不利点は、糖蜜が分散性界面活性剤(分散剤としての界面活性剤)として使用されていないことである。
2. 提案に係る糖蜜処理方法
糖蜜成分の深部にまで改良を施し、糖蜜成分を流動化(減水)特性および分散特性を備えた効果的な界面活性剤に変換させる。
3. 当該処理方法(発明)の詳細
3.1. 当該処理方法の要点
糖蜜を、連続的に、室温より高い温度で、酸性環境、及び、アルカリ性環境のもとで処理(酸処理、及び、アルカリ処理)する。これにより、糖蜜成分が酸加水分解、及び、アルカリ加水分解される。
3.2. 当該処理方法における管理形態とパラメータ
3.2.1. pH値0.8にまで糖蜜を酸性化させるために、無機酸と、有機酸を使用することができる。
3.2.2. pH値14.0にまで糖蜜をアルカリ化させるために、無機アルカリと、有機アルカリを使用することができる。
3.2.3. 酸処理、及び、アルカリ処理時の温度は、50−200℃であってもよい。その際の周囲圧力は、正圧であってもよいし、負圧であってもよい。
3.2.4. 酸加水分解(酸化)、及び、アルカリ加水分解(酸化)における触媒を、当該処理(当該処理方法)においては使用することができる。
3.2.5. 糖蜜の固形成分含有量は5.0−90.0%であってもよい。
3.2.6. 処理時間
・酸処理:10分−24時間
・アルカリ処理:10分−24時間
3.2.7. 酸処理、及び、アルカリ処理の両方が終了した後、糖蜜のpHを必要とされる値になるよう調整してもよい。
4. 糖蜜の特性に対する当該処理方法の効果
4.1. 酸処理による効果:
・多糖類から単糖類(還元糖)への変換
・単糖類を部分的にアルドン酸(aldonic acids)に変換
・タンパク質(プロテイン)を、カルボキシル基、及び、アミノ基を比較的多く含むアミノカルボニックアシッド(aminocarbonic acids)に分解
4.2. アルカリ処理による効果:
・単糖類(還元糖)からサッカリン酸(saccharinic acids)、及び、サッカリン酸塩に変換
・アルドン酸(aldonic acids)からアルドン酸塩に変換
・残余タンパク質(プロテイン)のアミノカルボニックアシッド(aminocarbonic acids)への分解
・アミノカルボニックアシッド(aminocarbonic acids)のアミノカルボニックアシッド塩への変換
・ワックスエーテル(wax ethers)から可溶性せっけん(soluble soaps)への変換(鹸化)
5. 処理済の糖蜜における新しい構成要素の特性
5.1. サッカリン酸塩、及び、アルドン酸塩は、分散特性の高い、かなり強力な陰イオン性の界面活性剤である。
アミノカルボニックアシッド塩、及び、ワックスソープは、効果的な潤滑剤であり洗浄剤である[7]。
5.2.製造された界面活性剤の混合物の含有物
・大半を占めるサッカリン酸塩、及び、アルドニック酸塩
・少量のアミノカルボニックアシッド塩、及び、ワックスソープ
5.3.製造された界面活性剤の混合物は、コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、クリンカ研削混和剤として、処理済の糖蜜に対して高い効果をあげる。
6.処理済の糖蜜の応用分析
6.1. 改良された糖蜜は、セメントモルタルにおける流動化剤として、一般的に広く知られているヨーロッパ針葉樹のリグニンスルホン酸ナトリウム、及び、リグニンスルホン酸カルシウムと比較して試験される。
5.2.製造された界面活性剤の混合物の含有物
・大半を占めるサッカリン酸塩、及び、アルドニック酸塩
・少量のアミノカルボニックアシッド塩、及び、ワックスソープ
5.3.製造された界面活性剤の混合物は、コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、クリンカ研削混和剤として、処理済の糖蜜に対して高い効果をあげる。
6.処理済の糖蜜の応用分析
6.1. 改良された糖蜜は、セメントモルタルにおける流動化剤として、一般的に広く知られているヨーロッパ針葉樹のリグニンスルホン酸ナトリウム、及び、リグニンスルホン酸カルシウムと比較して試験される。
試験結果は付録2に示されている。
6.2. 改良された糖蜜は、クリンカ研削混和剤としても試験される。
試験結果は付録3に示されている。
7.結論
改良された糖蜜が、コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤として効果的に使用されうることを、これらの試験の結果は示している。
[付録1]
・圧搾した糖蜜−標準分析
乾燥による固体(%):70−80
全糖(Total Sugar)(%):40−65
スクロース(Sucrose)(%):30−40(ジャクソン・アンド・ギリス法)
減糖(Reducing Sugars)(%):10−20(レーン・アンド・イーノン法)
非発酵性糖(Unfermentable Sugars)(%):2−5
粗タンパク質(%):2−5(キジェルダル・エヌ)
灰(%):10−15(ダブル硫酸化(double sulphation))
・主要成分
カリウム:3.5−5.5%
カルシウム:0.5−1.2%
ナトリウム:0.05−0.10%
・微量成分
鉄 ppm:最大値250
銅 ppm:最大値10
亜鉛 ppm:最大値15
鉛 ppm:最大値1.0
ヒ素 ppm:1.0未満
カドミウム ppm :0.02未満
[付録2]
コンクリートへの適用性に関する改良した糖蜜「モラスパース(Molassperse)」の調査
<改良>
エイアイエー研究所において、原料糖蜜(raw molasses)に関する3種類の改良が行われた。これらの改良品は、それぞれ、モラスパースP−1、モラスパースP−2、モラスパースP−3と名づけられた。
<セメントモルタルに関する試験>
一般的に広く知られているヨーロッパ針葉樹のリグニンスルホン酸ナトリウム、及び、リグニンスルホン酸カルシウムを、比較参照品として使用した。
6.2. 改良された糖蜜は、クリンカ研削混和剤としても試験される。
試験結果は付録3に示されている。
7.結論
改良された糖蜜が、コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤として効果的に使用されうることを、これらの試験の結果は示している。
[付録1]
・圧搾した糖蜜−標準分析
乾燥による固体(%):70−80
全糖(Total Sugar)(%):40−65
スクロース(Sucrose)(%):30−40(ジャクソン・アンド・ギリス法)
減糖(Reducing Sugars)(%):10−20(レーン・アンド・イーノン法)
非発酵性糖(Unfermentable Sugars)(%):2−5
粗タンパク質(%):2−5(キジェルダル・エヌ)
灰(%):10−15(ダブル硫酸化(double sulphation))
・主要成分
カリウム:3.5−5.5%
カルシウム:0.5−1.2%
ナトリウム:0.05−0.10%
・微量成分
鉄 ppm:最大値250
銅 ppm:最大値10
亜鉛 ppm:最大値15
鉛 ppm:最大値1.0
ヒ素 ppm:1.0未満
カドミウム ppm :0.02未満
[付録2]
コンクリートへの適用性に関する改良した糖蜜「モラスパース(Molassperse)」の調査
<改良>
エイアイエー研究所において、原料糖蜜(raw molasses)に関する3種類の改良が行われた。これらの改良品は、それぞれ、モラスパースP−1、モラスパースP−2、モラスパースP−3と名づけられた。
<セメントモルタルに関する試験>
一般的に広く知られているヨーロッパ針葉樹のリグニンスルホン酸ナトリウム、及び、リグニンスルホン酸カルシウムを、比較参照品として使用した。
糖蜜の改良品、及び、リグニンスルホン酸(lignosulphonates)の消費量は、それぞれ、セメント質量の0.1、0.2、0.3%であった。
セメントモルタルを作るために、ブルー・サークル・サザン・セメント(Blue Circle Southern Cement)が使用された。
セメントモルタルを作るために、ブルー・サークル・サザン・セメント(Blue Circle Southern Cement)が使用された。
試験には、2種類の川砂(目の粗いものと細かいもの)が用いられた(比1:1)。
全てのセメントモルタルに関する水:セメント比(水/セメント)は、0.55と一定であった。
全てのセメントモルタルに関する水:セメント比(水/セメント)は、0.55と一定であった。
セメント:砂:水の比(セメント:砂:水)は1:3:0.55であった。
セメントモルタルの流動性はフロー表(Flow Table)によって決定された。
空気混入(Air entrainment)は、容積法によって決定された。
セメントモルタルの流動性はフロー表(Flow Table)によって決定された。
空気混入(Air entrainment)は、容積法によって決定された。
圧縮強度を決定するため、セメントモルタルISOプリズム40X40X160mmが作成された。
試験結果についてはテーブル1を参照のこと。
<考察>
リグニンスルホン酸ナトリウム、及び、リグニンスルホン酸カルシウム(比較参照)は、典型的な中間レベルの減水剤、及び、遅延剤である。
試験結果についてはテーブル1を参照のこと。
<考察>
リグニンスルホン酸ナトリウム、及び、リグニンスルホン酸カルシウム(比較参照)は、典型的な中間レベルの減水剤、及び、遅延剤である。
モラスパースP−1、モラスパースP−2、モラスパースP−3のそれぞれを有するセメントモルタルは、リグニンスルホン酸ナトリウム、及び、リグニンスルホン酸カルシウムに比べて、低レベルの消費量である0.1%の際において、流動性が高い。糖蜜の改良品、及び、リグニンスルホン酸におけるモルタルの流動性は、中間レベルの消費量である0.2%、及び、高レベルの消費量である0.3%の際においても同様である。
糖蜜の改良品を有するすべてのセメントモルタルの圧縮強度は、リグニンスルホン酸を有するモルタルに比べて僅かに高い。
これは、リグニンスルホン酸により空気混入が高いことによる、と説明できる。
<結果>
糖蜜の改良品は、一般的に広く知られているヨーロッパ針葉樹のリグニンスルホン酸ナトリウム、及び、リグニンスルホン酸カルシウムに匹敵する。
これは、リグニンスルホン酸により空気混入が高いことによる、と説明できる。
<結果>
糖蜜の改良品は、一般的に広く知られているヨーロッパ針葉樹のリグニンスルホン酸ナトリウム、及び、リグニンスルホン酸カルシウムに匹敵する。
糖蜜の改良品は、空気混入が低い状態において、中間レベルの減水剤と機能しうるものといえる。
セメントクリンカ研削材として適用するための糖蜜の改良品「モラスパース(Molassperse)」の調査
<改良>
エイアイエー研究所において、2種類の原料糖(原料である糖蜜)の改良が行われた。
これらの改良品は、モラスパースG―1とモラスパースG−2と名づけられた。
<研究室のセメント研削ミルによる試験>
研究所のセメント研削ミルを1時間につき2,700回転させるとともに、標準的な機器を使用した。
<研究室のセメント研削ミルによる試験>
研究所のセメント研削ミルを1時間につき2,700回転させるとともに、標準的な機器を使用した。
セメントクリンカは、石こうにより比95:5で砕かれた。
試験結果についてはテーブル1を参照のこと。
試験結果についてはテーブル1を参照のこと。
モラスパースG−1、及び、モラスパースG−2の双方を、セメントクリンカ研削混和剤として効果的に使用することが可能である。
[参考文献]
1.ビー.ジェイ.アディス、ディー.イー.ディビス
フルトンのコンクリート技術
ポートランドセメント協会
ミッドランド、南アフリカ、1986
2.ワン ルビン、ク チェンビン
硬化遅延型早強減水剤を準備する方法とその方法により準備される製品
中国黒龍江省低温建築学協会
特許:CN1067231A
3.シェーンロック、カールハインツ ダブリュ.アール.;オグデン,ユーティ
シエ,チア−ラン;オグデン,ユーティ
ラウンズ,ヒュー ジー;オグデン,ユーティ
糖蜜から糖へのリカバリーのための継続的プロセス
特許 US3997357
4.コンクリート混和剤
ソビエト連邦標準:24211−91
モスクワ,1991
5.キム セウン ジン,パーク ジィー ウォン;大韓民国
糖蜜発酵副産物含有コンクリート混和剤
特許:KR3037597A
6.バイ シャンミン,シャオ ジョンジン;中国
滑石(タルク)と糖蜜とをセメント研削剤として使用する方法
特許:CN1089245A
7.エイ.エム.シュワルツ,ジェイ.ダブリュ.ペリー
界面活性剤、その化学と技術
ニューヨーク−ロンドン,1949,545p
Claims (8)
- コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するため界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法であって、
(8.1.)糖蜜を、連続的に、室温より高い温度で、酸性環境、及び、アルカリ性環境のもとで処理する工程、
を有する、糖蜜処理方法。 - コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するため界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法であって、
(8.2.)pH値0.8にまで糖蜜を酸性化させるために、無機酸や、有機酸が使用されうる工程、
を有する、糖蜜処理方法。 - コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するため界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法であって、
(8.3.)pH値14.0にまで糖蜜をアルカリ化させるために、無機アルカリと、有機アルカリとが使用されうる工程、
を有する、糖蜜処理方法。 - コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するため界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法であって、
(8.4.)酸処理、及び、アルカリ処理時の温度が、50−200℃、当該処理時の周囲圧力が、正圧や、負圧でありえる、
糖蜜処理方法。 - コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するため界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法であって、
(8.5.)酸加水分解(酸化)、及び、アルカリ加水分解(酸化)における触媒が、当該処理に使用されうる、
糖蜜処理方法。 - コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するため界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法であって、
(8.6.)糖蜜の固形成分含有量が5.0−90.0%でありうる、
糖蜜処理方法。 - コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するため界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法であって、
(8.7.)処理時間が、酸処理については10分から24時間、アルカリ処理については10分から24時間である、
糖蜜処理方法。 - コンクリート流動化剤(減水剤)、及び、セメントクリンカ研削混和剤に使用するため界面活性剤を生産するための糖蜜処理方法であって、
(8.8.)酸処理、及び、アルカリ処理の両方が終了した後、無機酸、有機酸、無機アルカリ、有機アルカリを用いて、糖蜜のpHを必要とされる値になるよう調整する工程、
を有する、糖蜜処理方法。
Applications Claiming Priority (2)
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