JP2007534368A5 - 無機−無機複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、無機−無機複合材料、その製造方法並びにその使用に関する。
歯科分野における酸化物セラミックの使用は、久しい以前から公知である。例えば、国際公開(WO)第95/35070号パンフレットからは、セラミックに含浸させる方法が公知である。しかしながらそのような酸化物セラミックの製造は相対的に費用がかかり;この解決手段の場合に行われる含浸の工程だけで、例えば4時間が必要とされる。
さらに、欧州特許出願公開(EP-A1)第834 366号明細書からは、ブランクの空所中へ溶融されたマトリックス材料を含浸させることにより製造されるセラミック加工品が公知である。この含浸物質のために異なる2つの大きさの程度を有する特別な粒度が用意されている。この解決手段の場合に、水溶性の塩が用意され、かつ含浸及び強化後に除去されなければならない被覆材料が使用される。この解決手段の場合に不利であるのは、成形の際の高いプロセス温度及び装置技術的に複雑化された製造である。
国際公開(WO)第88/02742号パンフレットの刊行物からは、表面硬化されたセラミック部材の製造が公知である。多孔質Al23−ブランクに酸化ジルコニウム含浸剤が含浸されるので、完成したセラミック加工品は酸化ジルコニウム1〜15%の体積割合を有し、これによってこうして形成された酸化アルミニウムセラミックが強化される。この方法は複数の含浸工程を必要とし、かつ酸化アルミニウムのようなセラミックが表面上で強化されるべきである場合に適しているのに対し、高い臨界応力拡大係数を有する酸化ジルコニウム−セラミックは酸化ジルコニウムの添加によりさらに強化されることができないことが理解される。そのような酸化アルミニウム−セラミックは表面的にのみ強化を示し、かつこの解決手段を実現するためには、この処理工程はしばしば次々と適用されなければならなかった。
さらに、独国特許出願公開(DE-A1)第198 52 740号明細書からは、酸化アルミニウム−セラミックからなるキャップ又は他の義歯部材の構成が公知である。予備焼結された成形片に熱い状態で、焼結炉中へ導入することにより溶融するガラスが含浸される。この含浸はこの解決手段の場合に約4時間の期間及び高いプロセス温度を必要とする。そのうえこのプロセスは十分に制御されることができず、かつ義歯部材の機械的性質はかなり悪い。
そのうえ、独国特許出願公開(DE-A1)第100 61 630号明細書からは酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムからなる歯科用セラミックからなる全部セラミック義歯の製造が公知であり、その際に0〜40%の体積範囲内でのガラスの含浸が行われる。この解決手段は、義歯としての使用の際に前装セラミック(Verblendkeramik)を付加的に実現することを必要とする。不利であるのは、ガラス相により強化されたセラミックの僅かな強さ並びに僅かな半透明性である。
さらに、欧州特許出願公開(EP-A1)第1 025 829号明細書からは、ガラスが含浸されたセラミック材料からのキャップの製造が公知である。所望の半透明性を用意するために、2つの付加的な層が設けられており、これらの層はキャップ上へ施与される。歯科用修復部材を用意する場合に、すなわち美的理由から高められた半透明性を有する天然エナメル質を模造することが本質的であるのに対し、象牙質はより少ない半透明性を有する。このためには、前記の解決手段による層7及び6が利用される。そのような方法の場合に、含浸された固体を粉末に粉砕することによる面倒なさらなる加工、しかしまたガラス相により強化されたセラミックの僅かな強さは不利である。
独国特許出願公開(DE-A1)第101 07 451号明細書からは、酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムセラミックから予備焼結後に大きなCAD/CAM−系を用いてフライス削りされることによる酸化物セラミック成形品の製造方法が公知である。引き続いて、このフライス削りされたブランクは1200〜1650℃で無圧で焼結される。こうして製造された酸化物セラミック相は、ホットアイソスタティックプレスされたセラミックよりも低い半透明性を有し、これらの機械的性質はホットアイソスタティックプレスされたセラミックの場合よりも劣悪であり、かつこれらのセラミックは極めて劣悪にエッチング可能である。
国際公開(WO)第03/057065号パンフレットには、例えば、酸化アルミニウムから製造される酸化物セラミック成形が記載されており、その成形の場合に平均粒度が1μm以下であり、かつ475〜650nmの波長範囲に関して積分されたT*nmの半透明度が70%である。この特許の場合に、これらの性質を達成するためにホットアイソスタティックプレスのプロセス工程が適用され、その際にまず最初に粉末状原料から、熱的プロセスにおいて焼結される所望の形の物体が得られるので、この物体はわずかにのみ閉じた多孔性が得られる。最終的な性質、例えば半透明性、最終密度及び最終強さを達成するためには、焼結された成形体は、完全な緻密化を達成するためにホットアイソスタティックに後緻密化される。このプロセス工程は極めて費用がかかる:100〜219MPa及び1200℃〜1300℃の温度でこの物体は緻密化される。
最後に、B.W. Hofer, "Heissisostatisches Pressen"(Heissisostatisches Pressen:Technische Keramische Werkstoffe, Fachverlag Deutscher Wirtschaftsdienst, 編集者Kriegesmann J./3.6.3.0章, pp. 1-15, 1993年1月)の刊行物からは、ホットアイソスタティックプレスにより構造中に荒れ(Fehlstellen)をほぼもう有さず、かつほぼ理論的に可能な値を達成する密度に達する材料が製造されることは公知である。しかしながらこれらの性質を達成するために、1000℃を上回る焼結温度で30〜200MPaの圧力が必要である。さらに、このプロセスは不活性ガス雰囲気中で行われなければならない。それに応じて、処理技術及びそれから生じる装置技術的実現は費用がかかる。それゆえ、費用のかかるプロセス、複雑化された処理技術及びそれと結び付いている高い投資費用及びエネルギー費用は不利であるので、例えばより小さな企業、例えば歯科技工室がこのプロセスをそれ自体で実施することは不可能である。
それに対して、歯科分野に適しており、かつ改善された美的効果と同時に費用の最適化された製造を可能にし、使用特性を劣悪化することなく、特に保持パターンを生じさせる可能性を提供し、かつ自然歯上への固定を保証する、無機−無機複合材料の製造方法を成し遂げるという課題が本発明の基礎となっている。
この課題は、無機−無機複合材料の製造方法により解決され、この方法の場合に
・酸化物セラミックを含有している粉末を成形加工及び予備焼結した後に、開気孔で結晶質の酸化物セラミック成形品を製造し、
・この上に含浸剤を好ましくは真空下に及び室温で施与し、かつ
・空気雰囲気及び周囲圧力でこの酸化物セラミック成形品を無機−無機複合材料へ緻密焼結する。
製造の際に、この場合に開気孔で結晶質の酸化物セラミック成形品から出発し、その細孔は室温で真空下に開気孔の酸化物セラミックの厚さの好ましくは2〜90%の範囲内で、溶剤を有するか又は有しない、着色添加剤を有するか又は有しない含浸剤で充填される。全ての被覆された酸化物セラミックは、好ましくは高い温度で緻密焼結プロセスにかけられる。これにより内部に半透明領域もしくはコアを有する多層複合材料が生じる。
外側領域内で複合材料は白色であるか、無色であるか又は有色である。本発明によれば、それに応じて半透明−有色製品が製造されることができる。
さらに本発明の対象は、酸化物セラミックの成分及び含浸剤の成分を含有し、かつその主な使用が歯科分野である無機−無機複合材料である。
高い温度での結晶質で開気孔の酸化物セラミック成形品の製造の際に、結合剤もしくは有機ポリマーは残留物なしに除去され、それにより結晶質で開気孔の酸化物セラミックは理論密度の10〜90%の密度を有する。
この予備焼結により得られた開気孔で結晶質の酸化物セラミック成形品は、元素ジルコニウム又はアルミニウム又はこれらの元素の混合物の酸化物又は酸化物混合物を本質的には含有する。これらの金属酸化物又は金属酸化物混合物は、別の金属酸化物との混合物で存在していてよい。このためには、特にIIIa、IIIb及びIVb族の元素が考慮の対象になり、その際にaは周期表の主族元素を表し、bは周期表の副族元素を表す。
本発明によれば、別の金属酸化物として特に金属Hf、Y、Al、Ce、Sc、Er及び/又はTiの酸化物が考慮の対象になる。
本発明の一変法において、結晶質で開気孔の酸化物セラミック成形品は本質的には、好ましくは0.1〜10mol%の範囲内の酸化イットリウムの添加剤を有する酸化ジルコニウムを含有する。
本発明による解決手段を達成するためには、部分的に焼結された開気孔の酸化物セラミック成形品を真空排気することが好都合である。その際に本発明によれば100mbar未満、好ましくは50mbar未満、例えば約20mbarが好ましい。この減圧は例えば1min〜4h適用され、それゆえに部分的に焼結された開気孔の酸化物セラミックの内部での真空の形成の意味での圧力補償が行われる。真空排気の際に、多孔質の部分的に焼結された酸化物セラミックからガスが除去される。この時間の間に、本発明によるゾルは施与すべき別の材料の用意のために混ぜ合わされる。それ自体として公知の方法でこの別の材料の施与は真空排気に引き続いて減圧−雰囲気中で行われる。記載されたようにして製造された結晶質で開気孔の酸化物セラミック成形品上へ、含浸剤が好ましくは真空下に及び室温で施与される。
引き続いて緻密焼結するために、含浸剤層の厚さはその都度酸化物セラミック成形品の最大直径に対して好ましくは2〜30%、より好ましくは5〜20%及び特に好ましくは約10〜15%である。着色のためには、緻密焼結のためよりも含浸層の本質的により大きな厚さが必要でありうる:
成形の厚さの5〜90%、好ましくは10〜90%、特に好ましくは30〜85%。
含浸剤は溶剤の存在で施与されることができる。溶剤として極性溶剤並びに無極性溶剤が考慮の対象になる。例は水又はアルコールである。
含浸剤は、非金属−無機−相、無定形ガラス相、金属の加水分解可能な化合物又は金属のアルコラートの前駆物質のいずれかであってよい。
非金属−無機相からなり、内側領域を少なくとも部分的に覆っている含浸剤は、コアもしくは内側領域内の純粋な結晶質の酸化物セラミックよりも酸に対して化学的に本質的にあまり耐性ではない。この層は容易にエッチングされうる。しかしながら耐薬品性は覆っている層が微結晶質の酸化ジルコニウムのみを有する場合に、コアもしくは内側領域中よりも本質的に少ないわけではない。
内側領域を少なくとも部分的に覆っている含浸剤のより少ない耐薬品性により、そこで保持パターンはエッチングにより達成されることができる。このパターンの深さは、エッチング剤、その濃度及びエッチング過程における時間作用により決定されうる。この深さは本発明によれば多くとも覆っている層の厚さに相当する、それというのもコアもしくは内側領域が化学的な攻撃に対して本質的により耐久性があるからである。
本発明によれば、含浸剤がゾル形で存在し、かつさらに反応してゲルへ変換される場合が特に好都合である。これらは好ましくはガラス状材料又はセラミック材料の前駆物質−製品である。このゾルは減圧室、例えばデシケーター中へ導入される。その際に含浸剤は成形体を完全に覆わなければならない。現存の真空により促進されて、酸化物セラミック−成形体中への含浸剤の浸透は約1〜数分間の本発明によるかなり短い時間に亘り行われる。減圧により、混ぜ合わされたゾルは減圧室中へ吸引され、かつ浸透は本発明によるかなり短い時間、例えば好ましくは1分間に亘り行われる。これにより所望の層厚を有する含浸剤層が生じ、この層は含浸期間、ゾルの粘度、部分的に焼結されたセラミック成形品の多孔度、しかしまた減圧の大きさを介して調節されることができる。
現代歯科学の要求される審美性を達成できるように、成形は多様な色を有していなければならない。故に含浸剤自体に着色する成分が添加されていてよいか又はしかし着色は別個の処理工程において行われてよい。
意外にも、含浸剤の層の形成は単純な方法でかなり均一な厚さで実現されることができる。短い含浸時間により、含浸剤は成形品の表面を覆う時間のみを有する。減圧室を通気する際に、含浸剤は成形体中の真空により事実上この中へ吸引される。好ましくはゲル形の含浸剤の粘度が侵入深さに決定的な影響を及ぼすことが理解される。低い粘度は、開気孔の酸化物セラミック成形品の細孔の毛管作用に基づいて含浸剤層の大きな層厚を生じさせるのに対し、高い粘度は侵入深さを減少させる。
本発明によれば、例えば1480℃での焼結により99.9%の複合材料の理論密度がもたらされ、その際にこの焼結の間に周囲空気中で作業されることができることは好都合である。
開気孔の酸化物セラミック成形品は、所望の形で予備プレスされて製造されることができる。予備焼結後又は緻密焼結後に、フライス削り又は他の種類の切削加工を行うことが可能である。第一の場合に利点は、開気孔の酸化物セラミック成形品からの成形が相対的に容易に可能であることである、それというのも最終硬度にまだ達していないからである。それに対して、第二の場合に無機−無機複合材料の加工のためには超硬工具、例えばダイヤモンド切削盤が使用されなければならないが、しかしながらその際にジオメトリーはさらなる収縮プロセスにより影響を受けない。
本発明による方法は、1500℃の焼結温度を上回らないことを前提として、主に正方晶の相割合及び極めて僅かに過ぎない立方晶の相割合を有する酸化ジルコニウムからの無機−無機複合材料の製造を可能にする。本発明によれば、意外に単純な方法でホットアイソスタティックプレス過程に匹敵しうる半透明性が生じうる。付加的に、ホットアイソスタティックプレスセラミックに比較して、接着が含浸剤層上でのエッチングにより簡単に可能であるという利点がもたらされる。
本発明は特に好都合には酸化ジルコニウムセラミック又は高い酸化ジルコニウム割合を有する混合セラミックと組み合わせて使用されることができ、その際に−例えばイットリウムでの−適しているドープ及び混合も好都合でありうる。これらの高強度セラミックの場合にコアもしくは内側領域中の曲げ強さは高く、これに反して破壊靭性は、開気孔で結晶質の酸化物セラミック及びこの開気孔で結晶質の酸化物セラミックに浸透するかもしくはこの酸化物セラミックの細孔中へ侵入する含浸剤からなる含浸剤層中で特に高い。
こうして製造された本発明による複合材料はそれゆえ、純粋な結晶質の酸化物セラミックコア中で、ホットアイソスタティックプレスされた材料と同じ値すら有する光学的及び機械的性質を有する。純粋な結晶質の酸化物セラミックの性質は明らかに構造の緻密さに基づいて実現される。
本発明による解決手段は意外に単純な方法で、ホットアイソスタティックプレスを用いるこれまで公知の技術水準により達成可能な強度特性を達成することを可能にし、その際に時間を浪費するホットアイソスタティックプレス法が回避されることができる。この強さは、本発明により得られる無機−無機複合材料の場合に二軸強度が800MPa以上である。純粋な結晶質の酸化物セラミックの破壊機械的性質は、圧子法及びEvans & Charlesによる計算を用いて例えば6.95MPa*m1/2の臨界応力拡大係数KICがもたらされ、かつ相応するホットアイソスタティックプレスされたセラミックの場合よりも比較すれば高くすらあった。その際に意外であるのは、ホットアイソスタティックプレスされた材料の性質が主に正方晶の酸化ジルコニウムの場合ですら結晶質の酸化物セラミックよりも後に置かれていたことである。意外にも、真空中でのこの含浸剤層及び引き続いて熱処理を用いて、酸化物セラミックの内側領域の強さ増大は達成されることができる。特に、6.5MPa m1/2よりも大きい明らかに改善された破壊靭性が達成されることができる限り、含浸剤で開気孔の酸化物セラミックを被覆するか又は少なくとも部分的に覆うことはこの含浸剤を安定化させる。
一実施態様の場合に、仕上焼結(Fertigsintern)に引き続いて、好ましくはCAD/CAM−技術により行われる材料除去加工が行われる。その際に覆っている層は完全に又は部分的に除去され、かつ半透明なコアは表面上へ出る。これにより、形成すべき複合材料の最終的な成形が行われることができる。表面上に部分的に依然として覆っている層が維持されたままである場合には、この層はこれに引き続いてエッチングされる。
保持パターンは、外側層が保持される範囲内で得られることができる。同時に、層の除去された部位で緻密で半透明な構造が表面上に生じる。それにより意外に単純に、ホットアイソスタティックプレスされた匹敵しうる材料の美的効果に相応する美的効果が生じる。この構造の高い緻密さにより、ホットアイソスタティックプレスされたセラミックに相応するより高い光透過性(半透明性)が達成される。
こうして製造された複合材料は、特に歯科分野において使用されることができる。これには特に歯科修復、インプラント、インプラント要素又は真正象牙質(orthodeontisches)製品としての使用が含まれる。この歯科修復の場合に、特に歯科用のフレームワーク、クラウン、部分クラウン、ブリッジ、キャップ、シェル(Schalen)、ベニアリング(Verblendungen)、アバットメント又はポスト構造物(Stiftaufbauten)が考慮の対象になる。
この際にこの複合材料はモノリシックのブロックとして又はシリンダーとして存在していてよい。これらは例えば保持具上に接着固定されていてよい。モノリシックのブロック及びシリンダーは、これらが機械加工可能、すなわち切削加工可能であるように構成されている。
本発明による解決手段は、付加的な前装セラミックの廃止を可能にし、それと共にこれと結び付いている問題、例えばより長い処理期間、接着の問題及び前装セラミックの必要な層厚も除かれる。それに対して、本発明による解決手段は、繊細である(feingliedrigen)が、しかしそれにもかかわらず美的に極めて魅力のある歯科用製品の実現にも特に適している。特に含浸剤層がケイ酸塩相を有する場合に、これは例えばHFで除去エッチングされ、かつ他の材料との接着結合が実現されることができる。
しかしながら歯科用修復部材を構成するためには、さらにより良好な美的効果を生じさせるために一層のベニアリングも施与されることができる。保持パターンが生じた範囲内で、任意の接着材料及び合着材料の使用が可能である。接着系の使用が好ましい。本発明によれば、接着固定は意外にも単純に可能であり、このことは匹敵しうるホットアイソスタティックプレスされた材料の場合に不可能である。接着助剤の場合に化学的に光硬化する又はデュアル硬化する薬剤が好ましい。合着材料は例えばリン酸亜鉛類である。本発明による複合材料はそれゆえ単純な方法で、ホットアイソスタティックプレスされた匹敵しうる材料と同じ美的効果でより良好な接着固定可能性を提供する。そのうえ、焼結過程は本質的により単純であり、かつそれによりホットアイソスタティックプレス過程とは異なり、かなりより費用がかからない。
また、本発明による方法の利点を、別方面で使用されるセラミック成形の場合、例えば人工関節の部材を用意する場合、その際に表面の含浸剤層が同時に良好な硬さで僅かな摩耗に関連して好都合な性質を有しかつガラス硬質な表面を提供する、しかしまた外科用インプラント又はこれらの部材の場合にも、利用することが原則的に可能である。歯内の部材、例えば歯根ポストも、本発明による方法を用いて製造されることができ、その際に他の成形上への良好な接着も利用されることができる。
本発明による無機−無機複合材料の製造の期間は、デシケーション(Exsikkation)、すなわち減圧の発生に必要である期間に強く依存する。確かに、本発明の好都合な実施例の場合に含浸剤の用意は、顕著でない撹拌時間及び静置時間を必要とする。しかしながら時間調整の場合に、含浸剤の混合は既にまず最初に開始されることができる、すなわち例えばブランクがプレスされる間に又は遅くとも予備焼結する間にできるので、この時間は完成した酸化物セラミック成形品の用意のためのサイクル時間へ混じり込まない。
純粋な含浸時間は、例えば1又は2分間であってよく、かついずれにせよ通例10分間未満持続するのに対し、最大温度での仕上焼結は例えば30分間で実現されることができる。仕上焼結のための全焼結プロセスは5〜9時間で行われる。
図1からは、本発明による酸化物セラミックが含浸されることができる方法が図解により明らかになる。ブランク10は予備焼結されており、かつビーカー12中に存在する。このビーカー12はデシケーター14中に存在し、そのふたの上に滴下漏斗16が取り付けられている。
さらに、デシケーターはそれ自体として公知の方法で、減圧ポンプと結合されている減圧−接続ホース18を有する。それ自体として公知の方法で、このデシケーターは減圧によりそのすり合わせシーリングエッジ20が閉じ、かつ通気後に開けることができる。滴下漏斗は圧力平衡を有さないが、しかしながら滴下速度の調節を感度良く可能にするストップコック22を備えている。
含浸は基本に従い含浸剤として準備されたゾル23が滴下漏斗16中へ導入されるように行われ、その後で、デシケーター14は例えば20mbarに減圧されている。
所望の圧力に達すると同時に、ストップコック22を所望の方法で開く。ビーカー12を、後でブランク10中へ入れる含浸剤で充填高さ24まで満たす。含浸剤は、ビーカー中での被覆面の構成に依存して本質的には全ての側で均一に成形中へ侵入することができる。
図1に円柱形のブランク10が示されている場合でも、実地において、ビーカー12の底に設置されており、かつ含浸剤で湿潤される所定の成形体が実現されることが理解される。1minの含浸時間後に、既に含浸層が0.3〜0.6mmの厚さで形成された。
図2からは、含浸時間に関してプロットされた含浸深さが明らかになる。本発明によれば、層厚が幅広い範囲内で必要条件に適合可能であることは好都合である。こうして、極めて繊細でありかつ薄く、かなり少ない含浸層厚も有する酸化物セラミック部材の場合に作業されることができ、それにもかかわらず内側領域の良好な強さを可能にする。
図3には、焼結炉26が略示的に示されている。この炉は多数の発熱体36を有し、ブランク10が含浸後に導入されているるつぼ30が収容されている。好ましくは、それ自体として公知の方法でこのるつぼに粉体層が設けられており、かつ複合材料へのブランク10の仕上焼結は1時間未満以内で行われる。ブランクの外部寸法は約5〜約20mmの直径及び約100mmまでの長さを有する円柱形を有していてよく、直方体形のブランクは約10mm×10mm×5mmから約150mm×150mm×25mmまでの好ましい寸法(長さ××高さ)を有する。これから製造された歯科用成形は材料除去法の適用により当然の結果としてより小さな寸法を有する。
これに引き続いて、次の表に従い、同時に脱脂(Entbinderung)を含めた予備強化を行い、その場合に予備焼結の連続した期間はランプ(Rampe)と呼ぶ:
Figure 2007534368
この粉末はプレス助剤として結合剤を含有しており、かつドライプレス及び引き続き脱脂により使用された結合剤を焼き切り、かつブランクは多孔質になる。これに引き続いて予備焼結を行う。予備焼結後にTD約50%を有する成形が生じる。
含浸剤としてテトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)をベースとするものを使用した。TEOSを硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO33)×9H2O)からなる触媒を有する水と撹拌して共にゾルに変換する。撹拌時間及び引き続き静置時間に依存して、このゾルはゆっくりと反応してゲルに変換され、かつガラス類似構造中に縮合する。硝酸セリウム六水和物も実際の触媒に添加した。
含浸後に含浸層中で、焼結後にケイ酸塩ガラス相に変換される固体ゲルが迅速に形成されるように;含浸物を用意することを試みた。この含浸層は本発明によれば主に正方晶の結晶質の酸化ジルコニウム相並びに本質的には縮合されたTEOSからなる無定形ガラス相からなり、それに対し本発明による酸化物セラミック部材のコアは本質的には、同様に主に正方晶の相中に前記のドーピングを伴った酸化ジルコニウムからなる。
準備した含浸剤をついで滴下漏斗中へ導入し、かつ、ブランクがゾルの導入後にいずれにせよ完全に覆われたが、しかし滴下漏斗中の多すぎる含浸剤が通気を遅延しなくなるまでストップコック22を開いた。
デシケーター中へ侵入しており、かつこれにより減圧下に置かれた含浸剤はまず最初に発泡し、その際に減圧は維持された。
図2から明らかであるように、含浸深さは、使用された含浸剤の粘度(ZIO15及びZIO16bの間の差異を参照)だけでなく、特に含浸剤の撹拌時間及び静置時間にも依存する。
含浸物の凝固が、含浸の後に又はその間に起こるように時間調整を選択することが意図されている。含浸剤が既に凝固されている場合には重要でなく、その際に液状含浸剤の場合にもさらに層のシーリングが与えられており、その後に液状含浸剤もブランク10の細孔を閉塞させる。
セラミックブランク上の含浸剤残分をついで即座に布で取り除き、かつ空気乾燥を行い、その際に本発明により実施される試験の場合に空気乾燥を1〜2時間に亘り行う。
結果において、試験的に焼結されたブランクは含浸時間に依存して異なる厚さであった含浸剤層厚を有していた。
酸化物セラミック成形品の良好な半透明性がもたらされ、かつブランクの内部に0.4〜0.5μmの平均クリスタリットサイズを有する正方晶の相が存在していた。
最も少ない達成された含浸深さは、前記のTEOSからなる含浸物ベースの場合に約180μmであった。
実施例2
改変された実施例において、TEOSの代わりにジルコニウム(IV)−プロピラートを使用した。大気圧下にブランクの細孔中で水を用いて沈殿させて酸化ジルコニウム粒子へ変換した。これによっても細孔は閉じられることができ、その際に結晶質粒子が実際のベース材料に相当する細孔中に析出する。こうして達成された含浸剤層の最小層厚は約50μmであった。
実施例3
全体として本発明による方法により高い破壊靭性を有する無機−無機複合材料がもたらされ、その際に半透明性−特性は、ホットアイソスタティックプレスの使用下に製造されたジルコニウムセラミック(TZP)のそれらに相当していた。
Figure 2007534368
実施例4
さらに、幾つかの試料を本発明による方法に引き続いてHFでエッチングし、かつエッチングの期間に相応したエッチングパターンがもたらされた。外側層を完全にエッチング除去し、かつ内側の酸化物セラミックコアのみを残すことによるエッチング試験も実施した。ろう又はポリマー層で含浸剤層を覆うことにより、意図的に部位がエッチングされないままであることも可能である。
実施例5
前記の方法に相応して、Tosoh社のグラニュール(TZ 3YB)のプレスにより12mmの直径及び25mmの高さを有する円柱形の成形体を製造し、引き続いて1100℃で本発明により予備焼結した。成形加工のために引き続いてSirona社のフライス削り機Cerec(登録商標) Inlabで過剰寸法でクラウンを製造した。この過剰寸法はその際に、焼結の際の収縮及び覆っている層の部分的な除去エッチング後にモデルフレームワーク上で最適な適合精度を生じるように調節されなければならなかった。本発明によれば、こうして得られた部分的に焼結されかつフライス削りされた酸化物セラミック成形品に、覆っている層が真空中で設けられ、その際に施与された材料は多孔質の部分的に焼結された成形品の表面中へ幾分侵入している。引き続き空気雰囲気及び周囲空気圧中での焼結過程の場合に、ついで仕上げ焼結されたクラウンを製造し、これは覆っている層の部分的な除去エッチング後に一方では保持パターンを有し、かつ他方ではモデルフレームワーク上で良好な適合精度を示した。
実施例6:
別の試験において、FeCl3 2.03質量%、MnCl2×4H2O 1.08質量%、PEG20000 7.0質量%及び溶剤である水からなる溶液を、本発明に従い2min含浸させ、引き続いて乾燥させた。
緻密焼結後に次のようにLAB−値による材料の黄色−茶色の色合いがもたらされた:
*=81.6
*=0.39
*=17.48
C=17.46。
図4及び5は、本発明による方法の多様な実施態様における処理工程の順序の図解をそれぞれ示す。異なるのは、技術IIと呼ばれる方法の場合の含浸の前の切削加工であり、それに対し技術Iによる方法(図4)の場合に切削加工は仕上げ焼結後に行われる。図4による方法は、最終的に仕上げ焼結された歯科用義歯部材の高い強さに関連してより高い工具費用を必要とするが、しかしながら幾分より大きな精度を提供する。
【0100】
全体として、本発明による試験により少なくとも6.5Mpa×m1/2の高い破壊靭性の酸化物セラミックがもたらされ、その際に半透明性は、ホットアイソスタティックプレスの使用下に製造された酸化物セラミックの半透明性に相当していた。
本願発明の好ましい態様は以下の通りである。
(1)歯科分野において使用するための無機−無機複合材料の製造方法において、
・酸化物セラミックを含有している粉末を成形加工及び予備焼結した後に、開気孔で結晶質の酸化物セラミック成形品を製造し、
・この成形品上に、非金属−無機相の前駆物質からか、又は無定形ガラス相及び溶剤からか、又は金属の加水分解可能な化合物からなるか、又は金属のアルコラート、又はケイ酸塩ガラスの前駆物質、特に加水分解可能なシランを含有する含浸剤を室温で施与し、
・酸化物セラミック体中への前記含浸剤の含浸を10分未満の含浸時間の間に実施し、かつ
・空気雰囲気及び周囲圧力で前記酸化物セラミックを無機−無機複合材料へ1000℃〜1600℃の温度で少なくとも99.5%の理論密度に緻密焼結する
ことを特徴とする、歯科分野において使用するための無機−無機複合材料の製造方法。
(2)成形加工のために酸化物セラミックを含有している粉末を有機結合剤と混合し、かつプレスする、(1)記載の方法。
(3)有機結合剤がエチレン系ろう剤、特にエチレン系ろう、ポリビニル樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール及び/又はセルロースである、(1)から(2)までのいずれかに記載の方法。
(4)予備焼結を600〜1,300℃の温度で行う、(1)から(3)までのいずれかに記載の方法。
(5)含浸剤を真空下に施与する、(1)から(4)までのいずれかに記載の方法。
(6)40mbar未満で浸透させる、(1)から(5)までのいずれかに記載の方法。
(7)10〜30mbarで浸透させる、(4)記載の方法。
(8)含浸剤を予備焼結された開気孔で結晶質の酸化物セラミックの厚さの2〜90%の層厚で施与する、(1)から(7)までのいずれかに記載の方法。
(9)含浸剤の層厚が緻密焼結された無機−無機複合材料の厚さの2〜30%である、(8)記載の方法。
(10)層厚が5〜20%である、(9)記載の方法。
(11)緻密焼結のための含浸剤を、予備焼結された酸化物セラミック成形品の厚さの5〜90%の層厚で施与する、(1)から(10)までのいずれかに記載の方法。
(12)10〜90%の層厚で施与する、(11)記載の方法。
(13)含浸剤を溶剤の存在で施与する、(1)から(12)までのいずれかに記載の方法。
(14)極性溶剤又は無極性溶剤を使用する、(13)記載の方法。
(15)溶剤として水又はアルコールを使用する、(13)又は(14)記載の方法。
(16)含浸の前に複合材料のさらに外側の成形を材料除去加工により行う、(1)から(15)までのいずれかに記載の方法。
(17)含浸後に又は特に周囲圧力下に行われる仕上げ焼結後に複合材料の外側の成形を材料除去加工及び/又はエッチングにより行う、(1)から(16)までのいずれかに記載の方法。
(18)複合材料の表面上に少なくとも部分的に接着助剤を施与し、及び/又は別の材料を固定する、(1)から(17)までのいずれかに記載の方法。
(19)複合材料の表面上に少なくとも部分的に、少なくとも一層の被覆を施与し、この被覆を特に施与後にさらに熱処理にかける、(1)から(18)までのいずれかに記載の方法。
(20)複合材料の部分的な焼結に引き続いて、10〜50%の過剰寸法で成形のための材料除去加工を行う、(1)から(19)までのいずれかに記載の方法。
(21)材料除去加工を15〜30%の過剰寸法で行う、(19)記載の方法。
(22)酸化物セラミックを含有している粉末を、モノリシックのブロック又はシリンダーの形の開気孔の酸化物セラミック成形品に加工する、(1)から(21)までのいずれかに記載の方法。
(23)モノリシックのブロック又はシリンダーを切削加工する、(22)記載の方法。
(24)切削加工後に含浸剤を真空下に施与する、(23)記載の方法。
(25)無機−無機複合材料において、
結晶質の酸化物セラミックからなる半透明な内側領域と、前記内側領域を少なくとも部分的に包囲している又は覆っている含浸剤の層とを有しており、前記含浸剤は非金属−無機相又は無定形ガラス相又は元素Al、Ti、Zr又はSiの群から選択される金属又は金属のアルコールの加水分解可能な化合物の前駆物質又は加水分解可能なシランを含有しており、並びに>99.5%の理論密度及び800MPa以上の二軸強度及び6.5MPa m 1/2 を上回る破壊靭性を有していることを特徴とする、無機−無機複合材料。
(26)開気孔で結晶質の酸化物セラミックが、酸化ジルコニウムと、酸化イットリウムの添加剤とを含有している、(25)記載の複合材料。
(27)酸化ジルコニウムが、2〜4mol%の添加剤、特に酸化イットリウム2〜10mol%又は酸化セリウム2.5〜15mol%又は酸化エルビウム2.5〜5mol%又は酸化スカンジウム2.5〜5mol%又は二酸化チタン0.1〜15mol%の範囲内で又は前記の量の2つ又は複数の前記酸化物の混合物を含有している、(25)から(26)までのいずれかに記載の複合材料。
(28)酸化ジルコニウムが酸化イットリウム2〜4mol%の添加剤を含有している、(26)記載の複合材料。
(29)開気孔で結晶質の酸化物セラミックが、酸化アルミニウム及び別の金属酸化物の混合物及び/又は酸化ジルコニウム、好ましくは正方晶の酸化ジルコニウムを含有している、(25)から(28)までのいずれかに記載の複合材料。
(30)非金属−無機相の前駆物質が、Ia、IIa、IIIa、IVa、IIIb、IVb、Vb、VIb、VIIb、VIIIb族の元素のイオノゲン化合物又は電子対を共有する化合物を含有しており、その際にaは元素の周期表の主族を表し、かつbは副族を表す、(25)の複合材料。
(31)含浸剤がSi及び/又はZrの共有結合を有している、(25)記載の複合材料。
(32)含浸剤が、イオノゲン化合物、好ましくはCe、Mn、V、Fe又は前記元素の混合物を含有している、(25)記載の複合材料。
(33)無定形ガラス相がケイ酸塩ガラス、好ましくは無アルカリのケイ酸塩ガラスである、(25)記載の複合材料。
(34)含浸剤が加水分解可能な化合物としてテトラエチルオルトケイ酸塩を含有している、(25)記載の複合材料。
(35)含浸剤がケイ素又はアルミニウムのアルコラートを含有している、(25)記載の複合材料。
(36)内側領域が半透明であり、かつ含浸剤層が白く濁っている、(25)から(35)までのいずれかに記載の複合材料。
(37)内側領域が、ホットアイソスタティックプレスされた焼結セラミックの半透明性に相当する半透明性を有している、(25)から(36)までのいずれかに記載の複合材料。
(38)歯科分野における、好ましくは歯科用修復、インプラント、インプラント要素又は矯正用製品としての、結晶質で開気孔の酸化物セラミック及びこれから製造された(25)から(36)までのいずれかに記載の無機−無機複合材料の使用。
(39)歯科用修復が歯科用フレームワーク、クラウン、部分クラウン、ブリッジ、キャップ、シェル、ベニアリング、アバットメント又はポスト構造物である、(38)記載の使用。
【図面の簡単な説明】
本発明の一実施態様において酸化物セラミック部材上に含浸層を用意するための本発明による含浸の実現を示す透視図。 含浸時間に関してプロットされた、含浸層厚を示すグラフ。 含浸された酸化物セラミック部材用の焼結炉を示す略示図。 実施態様における本発明による第一の方法を示す略示図。 第二の実施態様における本発明による方法を示す略示図。

Claims (23)

  1. 歯科分野において使用するための無機−無機複合材料の製造方法において、
    ・酸化物セラミックを含有している粉末を成形加工及び予備焼結した後に、開気孔で結晶質の酸化物セラミック成形品を製造し、
    ・この成形上に、非金属−無機相の前駆物質からか、又は無定形ガラス相及び溶剤からか、又は金属の加水分解可能な化合物からなるか、又は金属のアルコラート、又はケイ酸塩ガラスの前駆物質を含有する含浸剤を室温で施与し、
    ・酸化物セラミック体中への前記含浸剤の浸透を10分未満の含浸時間の間に実施し、かつ
    ・空気雰囲気及び周囲圧力で前記酸化物セラミックを無機−無機複合材料へ1000℃〜1600℃の温度で少なくとも99.5%の理論密度に緻密焼結する
    ことを特徴とする、歯科分野において使用するための無機−無機複合材料の製造方法。
  2. 成形加工のために酸化物セラミックを含有している粉末を有機結合剤と混合し、かつプレスする、請求項1記載の方法。
  3. 有機結合剤がエチレン系ろう剤である、請求項1から2までのいずれか1項記載の方法。
  4. 予備焼結を600〜1,300℃の温度で行う、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 含浸剤を真空下に施与する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 40mbar未満で浸透させる、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 10〜30mbarで浸透させる、請求項4記載の方法。
  8. 含浸剤を予備焼結された開気孔で結晶質の酸化物セラミックの厚さの2〜90%の層厚で施与する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 含浸剤の層厚が緻密焼結された無機−無機複合材料の厚さの2〜30%である、請求項8記載の方法。
  10. 層厚が5〜20%である、請求項9記載の方法。
  11. 緻密焼結のための含浸剤を、予備焼結された酸化物セラミック成形品の厚さの5〜90%の層厚で施与する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 10〜90%の層厚で施与する、請求項11記載の方法。
  13. 含浸剤を溶剤の存在で施与する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 極性溶剤又は無極性溶剤を使用する、請求項13記載の方法。
  15. 溶剤として水又はアルコールを使用する、請求項13又は14記載の方法。
  16. 含浸の前に複合材料のさらに外側の成形を材料除去加工により行う、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 含浸後に又は仕上げ焼結後に複合材料の外側の成形を材料除去加工及び/又はエッチングにより行う、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. 複合材料の表面上に少なくとも部分的に接着助剤を施与し、及び/又は別の材料を固定する、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 複合材料の表面上に少なくとも部分的に、少なくとも一層の被覆を施与し、この被覆をさらに熱処理にかける、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法
  20. 酸化物セラミックを含有している粉末を、モノリシックのブロック又はシリンダーの形の開気孔の酸化物セラミック成形品に加工する、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
  21. モノリシックのブロック又はシリンダーを切削加工する、請求項20記載の方法。
  22. 切削加工後に含浸剤を真空下に施与する、請求項21記載の方法。
  23. 無機−無機複合材料において、
    結晶質の酸化物セラミックからなる半透明な内側領域と、前記内側領域を少なくとも部分的に包囲している又は覆っている含浸剤の層とを有しており、前記含浸剤は非金属−無機相又は無定形ガラス相又は元素Al、Ti、Zr又はSiの群から選択される金属又は金属のアルコールの加水分解可能な化合物の前駆物質又は加水分解可能なシランを含有しており、並びに>99.5%の理論密度及び800MPa以上の二軸強度及び6.5MPa m 1/2を上回る破壊靭性を有していることを特徴とする、無機−無機複合材料。
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