JP2007534177A - 高容量のナノ構造ゲルマニウム含有材料およびそれらのリチウム合金 - Google Patents

高容量のナノ構造ゲルマニウム含有材料およびそれらのリチウム合金 Download PDF

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Abstract

式SiGe(z−1)(0<z≦1);式SiGe(z−1)(0<z<1);および/またはゲルマニウムのナノ構造材料と合金化したアルカリ金属、例えばリチウムを含む電極は、グラファイトからなる類似の電極に比べて、改善された容量、サイクル寿命、および/またはサイクルレートの組合せを示す。これらの電極は2次電気化学セル、例えばバッテリーおよび電気化学スーパーキャパシタのための負極として有用である。
【選択図】 図1

Description

連邦政府による資金提供を受けた研究または開発に関する陳述
[0001]本開示のいくつかの態様は、Basic Energy Sciences Grant No.DE−FG03−00ER15035により、米国政府のエネルギー省の援助により行なわれた。米国政府は本発明に一定の権利を有し得る。
発明の分野
[0002]本出願は一般に2次電気化学セルの製造に関し、より詳しくは、ナノ構造ゲルマニウム含有材料およびそれらのアルカリ金属合金(これらの全てが2次電気化学セルの電極として有用である)の製造に関する。
関連技術の説明
[0003]バッテリーは、固定電源によって容易に電力を供給されない電気デバイス(例えば、携帯電子機器および宇宙船)に電力を供給するために使用される。特定の用途(例えば電気自動車)は、利用できる再充電可能バッテリー(本明細書では、2次電気化学セルとも呼ばれる)のエネルギー容量によって制約される。
[0004]最大のエネルギー容量を有する2次電気化学セルの中に、リチウム負極を使用するリチウムバッテリーがある。市販のリチウムイオンバッテリーは通常、リチウムが層間に侵入するグラファイト系負極を用いている。グラファイト負極の理論上最大の化学量論組成はLiCであり、これは約372mAh/gの比容量に換算される。ある場合には、グラファイト負極における溶剤の同時インターカレーションにより貯蔵容量が理論値よりも小さくなる。
[0005]負極におけるリチウムの密度を増すことによって、例えば金属リチウム負極を用いることによって、リチウムイオンバッテリーのエネルギー密度を増大させ得る。しかし、金属リチウムは安全性の問題を生じるために、2次バッテリーにおける金属リチウム負極は小さいセルに制限される。さらに、金属リチウム負極を有するセルは限られた寿命をもつ傾向がある。放電されたまたは「死んだ」セルの充電は負極上にリチウムを電気メッキし、このリチウムは、金属リチウム負極を有するセルにおいて樹枝状晶として成長する傾向がある。多くの場合、リチウム樹枝状晶はセルの負極と正極との間にブリッジを形成して、バッテリーに内部短絡を作り出すので、バッテリーは使用できなくなる。
[0006]上記のように、リチウムイオンバッテリーは通常、リチウム−グラファイトの負極を使用している。グラファイトは、リチウム原子が可逆的に出入りできるフレームワーク材料としての役目を果たし、セルが充電される際に電極の外形または形状を確保し、結果的に樹枝状晶の成長を防ぐ。しかし、フレームワーク材料は電極の比容量または単位重量当たりの容量を低下させる。こうして、理想的なフレームワーク材料は低密度および高リチウム容量の両方を有する。
[0007]魅力的なフレームワーク材料はシリコンである。リチウム−シリコンの合金は、対リチウム低作動電圧(約300mV)と、大きな理論エネルギー密度(Li4.4Siで4200mAh/gに達する)を有する。しかし、完全にリチウム化している(lithiating)シリコンは300%の容積増加を伴い、その結果、数回の充電/放電サイクル以内に材料を粉々にする機械的応力を生じる。さらに、遅いリチウム輸送速度により、これらの負極は、溶融電解質を用いる中・高温セルに限定される。
[0008]ナノ構造シリコンおよびリチウム−シリコンの合金は、バルク−シリコン電極に比べて改善された室温サイクル寿命を示す。このような材料の例は、2003年9月10日に出願された同時係属の米国特許出願第10/660382号;S.Bourderau,T.Brousse,and D.M.Schleich,J.Power Sources,81:233−236,1999;H.Li,X.Huang,L.Chen,Z.Wu,and Y.Liang,Electrochem.Solid State Lett.,2:547−549,1999;G.W.Zhou,H.Li,H.P.Sun,D.P.Yu,Y.Q.Wang,X.J.Huang,L.Q.Chen,and Z.Zhang,Appl.Phys.Lett.,75:2447−2449,1999;J.Graetz,C.C.Ahn,R.Yazami,and B.Fultz,Electrochem.Solid State Lett.,6:A194−A197,2003;および、S.Ohara,J.Suzuki,K.Sekine,and T.Takamura,J,Power Sources,119−121:591−596,2003、に開示されており、これらの開示は参照を通じて組み込まれる。
[0009]しかし、酸素に曝されると、シリコンはその表面に自然酸化物(二酸化ケイ素、SiO)を生成し、これがシリコン電極の全体としての容量を低下させる。このタイプの電極では最初の充電サイクルにおいて、リチウムがシリコン酸化物を還元し、LiOおよび単体シリコンを生成するので、第1サイクルで大きな不可逆容量を生じ、また材料の単位重量当たりの容量を低下させる。ナノ構造材料における表面と容積の大きな比は、自然酸化物が材料中のケイ素原子の相当部分を占めることを意味する。
発明の概要
[0010]式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ構造材料と合金化したアルカリ金属(例えばリチウム)を含む電極は、グラファイトからなる類似の電極に比べて、改善された容量、サイクル寿命、および/またはサイクルレート(cycling rate)の組合せを示す。これらの電極は2次電気化学セル、例えばバッテリーおよび電気化学スーパーキャパシタ用の負極として有用である。
[0011]いくつかの実施形態は、式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ構造材料および/またはそのアルカリ金属合金を提供する。他の実施形態は、式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ構造材料、および/またはそのアルカリ金属合金の合成方法を提供する。
[0012]他の実施形態は、式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ構造材料および/またはそのアルカリ金属合金を含む電極を提供する。他の実施形態は、式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ構造材料および/またはそのアルカリ金属合金を含む電極の製造方法を提供する。
[0013]他の実施形態は、負極、正極、および電解質を含み、前記負極が式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ構造材料および/またはそのアルカリ金属合金を含む、2次電気化学セルを提供する。他の実施形態は、負極、正極、および電解質を含み、前記負極が式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ構造材料および/またはそのアルカリ金属合金を含む、2次電気化学セルの製造方法を提供する。
[0014]いくつかの実施形態において、前記合金は、アルカリ金属(例えばリチウム)を、式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ構造フレームワーク材料と電気化学的に合金化することにより生成される。いくつかの実施形態において、アルカリ金属はリチウムである。いくつかの実施形態において、ナノ構造フレームワーク材料から作製された電極は、充電および放電に際してそれぞれ、可逆的にリチウムと合金化し、リチウムを放出する。これらの電極のいくつかの実施形態は、充電容量、サイクル寿命、またはサイクルレートのいずれか1つ、あるいはいくつかの組合せにおける改善を示す。開示されている電極のいくつかの実施形態は、2次電気化学セルの負極として有用である。
[0015]さらに別の実施形態は、ナノ構造ゲルマニウム材料と合金化したアルカリ金属(例えばリチウム)を含む電極を提供し、これらの電極はグラファイトからなる類似の電極に比べて、改善された容量、サイクル寿命、および/またはサイクルレートの組合せを示す。これらの電極は2次電気化学セル(例えば、バッテリーおよび電気化学スーパーキャパシタ)用の負極として有用である。
[0016]いくつかの実施形態は、ナノ構造ゲルマニウム材料および/またはそのアルカリ金属合金を提供する。他の実施形態は、ナノ構造ゲルマニウム材料および/またはそのアルカリ金属合金の合成方法を提供する。
[0017]他の実施形態は、ナノ構造ゲルマニウム材料および/またはそのアルカリ金属合金を含む電極を提供する。他の実施形態は、ナノ構造ゲルマニウム材料および/またはそのアルカリ金属合金を含む電極の製造方法を提供する。
[0018]他の実施形態は、負極、正極、および電解質を含み、前記負極がナノ構造ゲルマニウム材料および/またはそのアルカリ金属合金を含む、2次電気化学セルを提供する。他の実施形態は、負極、正極、および電解質を含み、前記負極がナノ構造ゲルマニウム材料、および/またはそのアルカリ金属合金を含む、2次電気化学セルの製造方法を提供する。
[0019]いくつかの実施形態において、前記合金はアルカリ金属(例えばリチウム)を、ナノ構造ゲルマニウムフレームワーク材料と電気化学的に合金化することにより生成される。いくつかの実施形態において、アルカリ金属はリチウムである。いくつかの実施形態において、前記ナノ構造フレームワーク材料により作製された電極は、充電および放電に際してそれぞれ、可逆的にリチウムと合金化し、リチウムを放出する。これらの電極のいくつかの実施形態は、充電容量、サイクル寿命、またはサイクルレートのいずれか1つ、あるいはいくつかの組合せにおける改善を示す。開示されている電極のいくつかの実施形態は、2次電気化学セルの負極として有用である。
[0020]さらに別の実施形態は、式Si(1−z)Ge(0<z<1)のナノ構造材料と合金化されたアルカリ金属(例えばリチウム)を含む電極を提供し、これらの電極はグラファイトからなる類似の電極に比べて、改善された容量、サイクル寿命、および/またはサイクルレートの組合せを示す。これらの電極は、2次電気化学セル(例えばバッテリーおよび電気化学スーパーキャパシタ)用の負極として有用である。
[0021]いくつかの実施形態は、式Si(1−z)Ge(0<z<1)のナノ構造材料および/またはそのアルカリ金属合金を提供する。他の実施形態は、式Si(1−z)Ge(0<z<1)のナノ構造材料および/またはそのアルカリ金属合金の合成方法を提供する。
[0022]他の実施形態は、式Si(1−z)Ge(0<z<1)のナノ構造材料および/またはそのアルカリ金属合金を含む電極を提供する。他の実施形態は、式Si(1−z)Ge(0<z<1)のナノ構造材料および/またはそのアルカリ金属合金を含む電極の製造方法を提供する。
[0023]他の実施形態は、負極、正極、および電解質を含み、前記負極が式Si(1−z)Ge(0<z<1)のナノ構造材料、および/またはそのアルカリ金属合金を含む、2次電気化学セルを提供する。他の実施形態は、負極、正極、および電解質を含み、前記負極が式Si(1−z)Ge(0<z<1)のナノ構造材料、および/またはそのアルカリ金属合金を含む、2次電気化学セルの製造方法を提供する。
[0024]いくつかの実施形態において、前記合金は、アルカリ金属(例えばリチウム)を、式Si(1−z)Ge(0<z<1)のナノ構造フレームワーク材料と電気化学的に合金化することにより生成される。いくつかの実施形態において、アルカリ金属はリチウムである。いくつかの実施形態において、前記ナノ構造フレームワーク材料により作製された電極は、充電および放電に際してそれぞれ、可逆的にリチウムと合金化し、リチウムを放出する。これらの電極のいくつかの実施形態は、充電容量、サイクル寿命、またはサイクルレートのいずれか1つ、あるいはいくつかの組合せにおける改善を示す。開示されている電極のいくつかの実施形態は、2次電気化学セルの負極として有用である。
好ましい実施形態の詳細な説明
[0037]本明細書では、「電極」という用語は、その通常の意味において使用されている。「電極」という用語は、ある材料に関連させて使用されている場合、明示的にまたは前後関係からそうではないと明記されなければ、その材料を含む電極、さらには充電および/または放電サイクルの間およびその後の電極を含む。例えば、「ゲルマニウム電極」という用語には、ゲルマニウム電極、ならびに電気化学的にリチウムと合金化することにより生成するリチウム−ゲルマニウムの電極が含まれる。「バッテリー」という用語は通常の意味において、さらには電気化学セルならびに電気化学バッテリーの両方を表すために使用されている。「2次電気化学セル」という用語は、その通常の意味において、また、「バッテリー」および「電気化学スーパーキャパシタ」を意味するためにも使用されている。2次電気化学セルは通常、負極、正極、および電解質を含む。電気化学スーパーキャパシタは、電極および電解質を含む電気貯蔵デバイスであり、通常、大きな充電・放電率が可能である。電荷は通常、電極/電解質の界面の「2重層」に蓄えられる。電気化学スーパーキャパシタの電極には、通常、高活性表面材料、例えばカーボンおよび金属酸化物が用いられる。本開示はまた、バッテリーおよび/またはスーパーキャパシタとしての、直列および/または並列の2次電気化学セルの組合せも含む。
[0038]バッテリーは、負電極(負極)、正電極(正極)および電解質を含む。放電では、電極での電気化学反応に応答して外部回路を通って、電子は負極から正極へ流れる。バッテリーが充電される時、外から加えられる電圧が各電極で逆の電気化学反応を引き起こす。
[0039]スーパーキャパシタは、イオンが電極表面に、またはその近くに蓄えられる電気エネルギー貯蔵セルである。蓄えられたそれぞれのイオンに結び付くのは、電極表面で全電荷を中性化する蓄えられた電荷(電子またはホール)である。したがって、スーパーキャパシタはまた電気化学2重層キャパシタとも呼ばれる。放電では、表面に蓄えられたイオンは電解質の中へ移動し、結び付いていた電荷が外部回路に放出されるので、電流が得られる。バッテリーに比べると、スーパーキャパシタは通常、単位重量当たりに蓄えられるエネルギーはより少ないが、通常、ずっと短い時間スケールで充電および放電する。
[0040]本明細書では、「フレームワーク材料」という用語は、一般に、電気化学的活性化学種が可逆的に出入りする材料、特に、本明細書において開示されているゲルマニウム含有材料、ならびにそれらの混合物を表し、これらの材料はまた、充電および/または放電の間に生成する不純物、例えばアルカリ金属酸化物(例えば酸化リチウム)および/またはアルカリ金属(例えばリチウム)を含み得る。開示されているフレームワーク材料の他の性質は下でより詳細に検討される。
[0041]本明細書において開示されているのは、2次電気化学セルの電極として有用であるナノ構造ゲルマニウム含有材料およびそのアルカリ金属合金である。開示されている電極のいくつかの実施形態を備える2次電気化学セルは、グラファイト電極により作製された類似のセルと比べて、改善された性質(例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、および/または充放電性能)を示す。開示されている電極のいくつかの実施形態は、集積デバイス(例えば、マイクロプロセッサ、メモリデバイス、認証タグなど)に電気化学セルまたはバッテリーを作製するのに有用である。開示されている電極のいくつかの実施形態は電気化学スーパーキャパシタの製造に有用である。
[0042]いくつかの実施形態において、ゲルマニウム含有材料はゲルマニウムである。他の実施形態において、ゲルマニウム含有材料は、シルコン−ゲルマニウムである。ナノ構造ゲルマニウム含有材料のいくつかの実施形態は、類似の化学組成の材料からなるバルク電極と比べて、リチウム電気化学セルにおける改善された充電/放電サイクル寿命を示す。充電で、ナノ構造材料は電解質からのリチウムと電気化学的に合金化する。本明細書では、この過程はまた「リチウム化」とも呼ばれる。いくつかの実施形態において、合金はリチウム−ゲルマニウム(Li−Ge)である。他の実施形態において、合金はリチウム−シリコン−ゲルマニウム(Li−Si−Ge)である。放電では、リチウム合金はリチウムを電解質に放出する。特定の実施形態において、リチウム化および/または逆反応は雰囲気温度で起こる。ナノ構造ゲルマニウム含有材料のいくつかの実施形態は、他のアルカリ金属、例えば、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムの電気化学セルにおいて有用である。こうして、本明細書においてやはり開示されているのは、電気化学的に合成された、開示されているナノ構造材料とアルカリ金属との合金であり、特に、リチウム−ゲルマニウムおよびリチウム−シリコン−ゲルマニウムの合金である。
ゲルマニウム
[0043]アルカリ金属2次電気化学セル用のフレームワーク材料としてのナノ構造ゲルマニウムの使用は、比較的探求されないままである。Li−Ge系の理論容量は1.6Ah/g(Li4.4Ge)であり、この値はLi−Siの単位重量当たりの理論容量の約40%である。シリコンと対照的に、ゲルマニウムは容易に評価できる程には自然酸化物を生成しない。結果的に、最初の充電サイクルは、自然酸化物の還元により生じる大きな不可逆容量を示さない。いくつかのナノ構造電極用途では、理論容量がより小さいにも拘らず、自然酸化物の無いことがゲルマニウムをシリコンより優れたものにする。単体ゲルマニウムは現在、シリコンに比べて高価である。しかし、ゲルマニウムは豊富な元素であり、現在の価格は、希少性あるいは単離および/または精製の難しさよりもむしろ需要が無いことを反映しているようである。
[0044]シリコンを凌ぐゲルマニウムのさらなる利点は、ゲルマニウム中のリチウムのより大きな拡散係数であり、これは、C.S.Fuller and J.C.Severiens,Phys.Rev.96:21−24,1954(この開示は参照を通じて組み込まれる)に開示されているように、360℃で約15倍大きい(Geでは2.14×10−7cm/sec、Siでは1.47×10−8cm/sec)。式1で与えられる拡散係数に対する経験式:
D=D−Q/RT 式1
(Tは温度であり、Qは活性化エネルギーであり、Dは前因子定数である)にこれらの値を適用すると、室温では、ゲルマニウム中のリチウムの拡散速度は、シリコン中のリチウムのそれの400倍を超えると予想されることが示唆される。
[0045]いくつかの実施形態において、ナノ構造ゲルマニウムは実質的に純粋な、例えば、約90%を超える、約95%を超える、約98%を超える、約99%を超える、約99.9%を超える、約99.99%を超える、約99.999%を超える、または約99.9999%を超える純度のゲルマニウムである。別の実施形態において、ゲルマニウムはドープされている。ドーパントは、2次電気化学セルの条件に適合する、知られている任意のドーパントである。限定ではないが、適切なドーパントの例には、ホウ素、ヒ素、アンチモン、およびリンが含まれる。いくつかの実施形態において、ゲルマニウムは不純物を含む。
シリコン−ゲルマニウム
[0046]シリコンとゲルマニウムは、式Si(1−z)Ge(0≦z≦1)の連続的に変わる化学量論組成の合金または固溶体を生成する。シリコン−ゲルマニウム−リチウムの合金は、Li4.4(Si(1−z)Ge)のリチウム最大理論化学量論組成を有し、この組成は材料に、純粋なシリコンと純粋なゲルマニウムのそれとの間にある最大の単位重量当たりの容量をもたせると考えられる。さらに、いくつかの実施形態において、zが約0.5を超えるシリコン−ゲルマニウムの合金は、周辺大気および温度の下で、純粋なシリコンに比べて自然酸化物が少なくなる。結果的に、zが約0.5を超えるシリコン−ゲルマニウムの合金の特定の実施形態では、純粋なゲルマニウムより大きな単位重量当たりの容量が得られるが、認められる程の自然酸化物は生成しない。
[0047]いくつかの実施形態において、ナノ構造のシリコン−ゲルマニウムは実質的に純粋な、例えば、約90%を超える、約95%を超える、約98%を超える、約99%を超える、約99.9%を超える、約99.99%を超える、約99.999%を超える、または約99.9999%を超える純度のシリコン−ゲルマニウムである。他の実施形態において、シリコン−ゲルマニウムはドープされている。ドーパントは、2次電気化学セルの条件に適合する、任意のドーパントである。限定ではないが、適切なドーパントの例には、ホウ素、ヒ素、アンチモン、およびリンが含まれる。いくつかの実施形態において、シリコン−ゲルマニウムは不純物、例えば二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態において、シリコン−ゲルマニウムは実質的に均一である。いくつかの実施形態において、シリコン−ゲルマニウムは均一でなく、例えば、いくつかの実施形態において、シリコン−ゲルマニウムの化学量論組成は1つの構造体内で、および/または異なる構造体の間で、一様でない。
[0048]いくつかの実施形態において、ナノ構造のゲルマニウムまたはシリコン−ゲルマニウムは結晶性である。他の実施形態において、ナノ構造のゲルマニウムまたはシリコン−ゲルマニウムはアモルファスである。さらに別の実施形態において、ナノ構造のゲルマニウムまたはシリコン−ゲルマニウムは結晶およびアモルファスの両方のドメインを有する。
[0049]本明細書では、「フレームワーク材料」という用語は、開示されているゲルマニウムおよびシリコン−ゲルマニウムの材料の両方を含む。いくつかの実施形態において、フレームワーク材料は粒子状であり、本明細書では「ナノ粒子」とも呼ばれる。特定の実施形態において、粒子の直径は、約300nm、290nm、280nm、270nm、260nm、250nm、240nm、230nm、220nm、210nm、200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、40nm、30nm、20nm、10nm、5nm、2nm、または1nmを超えない。いくつかの好ましい実施形態において、前記粒子は約50nmを超えない、約20nmを超えない、または約10nmを超えない。これらのナノ粒子は、独立した粒子、粒子のクラスター、またはこれらの組合せとして存在する。ナノ粒子は、当技術分野において知られている任意の手段によって、例えば、グラインディングまたはミリングによって、溶液からの合成によって、物理気相成長によって、あるいは化学気相成長によって合成される。いくつかの実施形態において、粒子は、「不活性気体による凝縮および衝撃圧密(ballistic consolidation)」によって合成され、これは、本明細書においては、「衝撃圧密」とも呼ばれ、下でより詳細に説明される。いくつかの実施形態において、ナノ粒子はアモルファスである。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は結晶性である。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は部分的に結晶性である。ナノ粒子が結晶性または部分的に結晶性である実施形態では、これらの粒子は「ナノ結晶」とも呼ばれる。ナノ結晶は単一の結晶および/または多結晶である。いくつかの実施形態において、ナノ粒子はアモルファスナノ粒子および/またはナノ結晶の混合物を含む。
[0050]いくつかの実施形態において、ナノ結晶性フレームワーク材料のクラスターが、図1に示されている堆積チャンバ100において、不活性気体による凝縮および衝撃圧密によって生成する。この装置は、処理条件に適合した、当技術分野において知られている材料(例えば、ステンレス鋼、石英、フルオロカーボンエラストマーなど)により構築されている。例示されている装置は、気体入口110と、細長い堆積チャンバ100の反対の末端に配置された気体出口120を備える。一緒になって、入口110および出口120は軸A−Aに沿って圧力差を作り出す。入口110は、気体源から流体が流れるように接続されている。出口120は、流体が流れるように真空源に接続されている。好ましくは、真空源は、例えば堆積チャンバ100を約100mtorrに排気できる高真空源である。一実施形態において、圧力差は、例えば、当技術分野において知られている手段を用いて気体源および/または真空源を制御することにより、制御可能である。好ましい実施形態において、真空源の容量は、所望の如何なる気体の流れにでも対応するのに十分であり、圧力差は気体の圧力を調節することによって制御される。
[0051]前記装置は、入口110の下流に加熱バスケット130をさらに備え、これは堆積される材料装填物を受け入れるように設計されている。軸A−Aに沿って、加熱バスケット130と出口120との間に、ノズル140、シャッター150、および基板160が配置されている。
[0052]加熱バスケット130は、当技術分野において知られている任意のタイプのもの、例えば、抵抗加熱タングステンワイヤーバスケットである。ノズル140は、圧力勾配により強いられて進む気体を加速するように設計されていて、結果的に、同伴されている粒子を音速近くまで加速する。シャッター150には、開いた位置と閉じた位置がある。開いた位置で、気体の流れと同伴粒子が基板160に突き当たる。シャッターは当技術分野において知られている任意のタイプ、例えばゲートバルブである。シャッター150は通常、開示されているナノ結晶の合成および堆積過程全体を通して開いた位置にある。基板160は、その上にナノ結晶性ゲルマニウムの堆積が望まれている任意の基板であり、下でより詳細に検討される。
[0053]装置100を用いてフレームワーク材料のナノ結晶を合成するための方法200が図2に示されている。ステップ210において、加熱バスケット130に入れられたフレームワーク材料前駆体装填物が加熱され、堆積チャンバ100内の気体中に蒸発する。いくつかの実施形態において、前駆体はゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、シリコンおよびゲルマニウム、またはこれらの組合せである。気体の流れは、排気された堆積チャンバ100の中に入口110を通して気体を導入することによって生成する。堆積チャンバ100は通常、取り付けられた真空源を用いて、出口120を通して排気される。気体の流量および圧力は、気体の流れに、入口110と出口120との間に予め決められた圧力差をつけるように調節される。フレームワーク材料の原子は気体の流れの中で急速に冷却される。冷却された原子間の衝突で、ナノ結晶核が形成される。ナノ結晶核は気体の流れの中でブラウン運動により運動し、緩い凝集体を生成する。ステップ220において、気体の流れがノズル140において加速されることにより、同伴されているナノ結晶を音速近くまで加速する。ステップ230において、ナノ結晶が基板160上に堆積する。粒子が基板に高速で衝突する際に、それらは衝撃圧密ナノ粒子の薄膜を生成する。
[0054]一実施形態において、気体は水素(H)を含む「フォーミングガス」である。フォーミングガスは、不活性気体(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、またはネオン)をさらに含み得る。特定の実施形態において、フォーミングガスは、気体の全てのパーセンテージを容積によるものとして、約20%までの水素、約5%から約15%までの水素、あるいは約10%の水素を含む。一実施形態において、フォーミングガスの残りの部分は不活性気体、好ましくは窒素および/またはアルゴンである。フォーミングガス中の水素はナノ結晶上の自然酸化物の生成を少なくすると考えられる。
[0055]一般に、ナノ粒子の大きさは高圧部分の圧力を増すにつれて増大する。特定の実施形態において、この圧力は約1/2torrから約5torr、約1torrから約4torr、または約2torrから約3torrであり、好ましい実施形態において圧力差は約2torrである。
[0056]いくつかの実施形態において、加熱バスケット130内の前駆体材料は単体ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、単体シリコンおよび単体ゲルマニウムの混合物、またはこれらの組合せである。ナノ粒子がドープされているいくつかの実施形態において、加熱バスケットにはドープされた前駆体材料、前駆体材料およびドーパントの混合物、またはこれらの組合せが装填される。加熱バスケット130の温度は、前駆体材料の蒸発速度が許容されるものであるように調節される。特定の実施形態において、この温度は、約1200℃を超える、約1300℃を超える、約1400℃を超える、1500℃、約1600℃を超える、約1700℃を超える、約1800℃を超える、約1900℃を超える、または約2000℃を超える。例示されている装置では、約1500℃の温度により、単体ゲルマニウムの蒸発速度が約10−5g/cm/sになる。
[0057]別の実施形態において、ナノ構造フレームワーク材料は膜であり、本明細書では「ナノ膜」とも呼ばれる。特定の実施形態において、膜の厚さは約500nm、490nm、480nm、470nm、460nm、450nm、440nm、430nm、420nm、410nm、400nm、390nm、380nm、370nm、360nm、350nm、340nm、330nm、320nm、310nm、300nm、290nm、280nm、270nm、260nm、250nm、240nm、230nm、220nm、210nm、200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110mn、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、40nm、30nm、20nm、10nm、5nm、2nm、または1nmを超えない。特定の実施形態において、ナノ膜は約250nmを超えない、約200nmを超えない、約150nmを超えない、約100nmを超えない、または約50nmを超えない。ナノ膜は、当技術分野において知られている任意の手段によって、例えば、物理気相成長によって、化学気相成長によって、原子層堆積によって、または分子線エピタキシーによって合成され得る。当業者は集積デバイスでのナノ膜の生成を熟知している。いくつかの実施形態において、ナノ膜はアモルファスである。他の実施形態において、ナノ膜は結晶性である。いくつかの実施形態において、ナノ膜は多結晶である。他の実施形態において、ナノ膜は結晶性およびアモルファスの両方のドメインを含む。
[0058]開示されているナノ構造電極の実施形態は可逆的で大きな電気化学容量を示す。大容量はLi−GeおよびLi−Si−Ge系の相図から予想される。いくつかの実施形態において、サイクル寿命および/または拡散速度は、バルクフレームワーク材料において認められるものより優れており、材料のナノ構造性により生ずると考えられる。開示されているナノ構造電極のいくつかの実施形態は、Li(Si(1−z)Ge)の理論化学量論組成を示し、ここでxは少なくとも約4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、および/または1である。いくつかの実施形態において、xは少なくとも約4.5、4.4、3.8、3.75、3.5、2.25、1.83、および/または1である。これらの化学量論組成は、z=1(すなわち純粋なゲルマニウム)では、約1666、1629、1407、1388、1298、833、678、および370mAh/gの容量に対応する。サイクル寿命は、少なくとも約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100サイクル、またはこれ以上のサイクルに渡って安定である。開示されているナノ構造電極の実施形態は、有用な容量を保ったままで、少なくとも約10C、20C、50C、100C、200C、300C、400C、500C、1000C、2000C、3000C、または5000Cの充放電性能を示す。例えば、1000Cで、ナノ構造電極のいくつかの実施形態は、1Cでの安定容量の少なくとも約70%または約60%の単位重量当たりの容量を示す。これらの大きな充放電性能の故に、開示されているナノ構造ゲルマニウムおよび/またはシリコン−ゲルマニウムのフレームワーク材料は、電気化学スーパーキャパシタのような用途に使用され得る。
[0059]特定の用途に対する条件に適合する如何なる材料でも、開示されているナノ構造フレームワーク材料にとって適切な基板である。2次電気化学セルに有用な例示的電極が、図3の「3A」〜「3D」に示されている。例示されている実施形態において、電極300は、ナノ構造フレームワーク材料負極320のための基板310、および任意選択のバインダーまたは接着剤330を備える。図3の「3A」に例示されている実施形態において、ナノ構造フレームワーク材料320は基板310に固着しているので、フレームワーク材料320に対する物理的支持になっている。図3の「3B」に例示されている別の実施形態では、バインダーおよび/または接着剤330が、ナノ構造材料320と基板310との間に配置されている。適切なバインダーおよび/または接着剤は下でより詳細に検討される。基板310は任意の適切な形状を有する。いくつかの実施形態において、基板310は平坦であり、例えば箔または膜である。いくつかの実施形態において、基板310は大きな表面積を有する、例えば、織布または不織布である。他の実施形態において、基板310は別の形状、例えば、波形、スリットなどを有する。いくつかの実施形態において、基板310は、例えば、図3の「3C」および「3D」にそれぞれ例示されているように、より小型の電極300が得られるように、折り畳まれている、または円筒形に丸くなっている。いくつかの実施形態において、基板310はモノリシックでなく、例えば、粒子、ビーズ、棒、繊維、ウェハ、プレートなど(これらはマクロスケールまたはナノスケールである)を含む。いくつかの実施形態において、基板310には屈曲性がある。他の実施形態において、基板310は剛直である。
[0060]いくつかの実施形態において、基板310は集電体としての役目も果たす。いくつかの実施形態において、基板310は電気導体を含む。一実施形態において、基板/集電体310は、金属、例えば、チタン、鉄、ステンレス鋼、ニッケル、白金、銅、および金からなる。他の実施形態において、基板/集電体310は、導電性の非金属、例えば、グラファイト、導電性カーボンナノチューブ、ドープされたダイヤモンド、またはドープされた半導体からなる。さらに別の実施形態において、基板310は、電気伝導性および電気非伝導性の両方の部分を含む集電体である。例えば、電気伝導体材料が非導電性材料上に生成または堆積されていてもよい。他の実施形態において、基板310は集電体としての役目を果たさない。例えば、いくつかの実施形態では、基板310上にナノ構造ゲルマニウム電極を堆積させた後に、集電体がナノ構造ゲルマニウム電極につけられる。
[0061]ナノ構造フレームワーク材料(例えばゲルマニウムナノ結晶凝集体)の特定の実施形態における容量低下は、凝集体と集電体との間の剥離(decohesion)および/または導電性の悪さにより生じると考えられる。この結果として、開示されているナノ構造ゲルマニウム電極のいくつかの実施形態は、ナノ構造ゲルマニウムと、ナノ構造ゲルマニウムおよび/または集電体の間の密着性を保つバインダーおよび/または導電性希釈材(本明細書では、「バインダー/希釈材」とも呼ばれる)との複合材を含む。適切なバインダーは当技術分野においてよく知られており、これらには、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、およびポリアクリル酸エステルが含まれる。適切な導電性希釈材には、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、ドープされたダイヤモンド、ドープされた半導体、金属粒子、または金属膜が含まれる。一実施形態において、バインダー/希釈材は、リチウムと合金化しない材料、例えば、銅または銀であり、別の実施形態において、バインダー/希釈材はリチウムと合金化するか、または他の仕方でリチウムと結び付き、例えばグラファイトである。
[0062]いくつかの実施形態は複合材電極を用い、これは、バインダー/希釈材と混合されたナノ構造フレームワーク材料(例えば、ゲルマニウムナノ結晶および/またはシリコン−ゲルマニウムナノ結晶)を含む。他の実施形態において、複合材電極は、バインダー/希釈材内に埋め込まれたナノ構造フレームワーク材料の層、ストライプ、島、または何らかの他のパターンを含む。一実施形態において、複合材電極は、ナノ構造ゲルマニウムとバインダー/希釈材との交互層を含み、例えば、予め決められた層数の、銅ナノ膜と交互に配置されたゲルマニウムナノ膜を備える複合材電極である。
[0063]別の実施形態において、電極はバインダーおよび/または導電性希釈材(例えば、カーボンブラックまたはグラファイト)を含まない。いくつかの場合には、バインダーまたは導電性希釈材の添加は電極の比容量を低下させる。
[0064]いくつかの実施形態において、ナノ構造電極は酸化物をさらに含む。いくつかの実施形態において、この酸化物は、電極の表面を部分的にまたは完全に被覆する外層である。いくつかの実施形態において、酸化物は二酸化ケイ素(SiO)である。純粋なシリコンは通常、その表面に25Åの自然酸化物層を生成する。本明細書では、アモルファスSiOはa−SiOとも呼ばれる。下でより詳細に検討されるように、いくつかの実施形態において、前記酸化物はアルカリ金属酸化物(MO)であり、これはリチウムイオン2次セルではLiOである。
[0065]以下の実施例においては、ナノ構造フレームワーク材料を、バインダーまたは導電性希釈材なしに、金属集電体上に堆積させた。開示されている電極について認められた性質に関する機構的解明および/または考察は本開示のいくつかの部分において与えられている。これらの解明および/または考察は本開示の範囲を限定しようとするものではない。
[0066]単体ゲルマニウムを38μm未満の粒径の粉末に砕くことによって、比較用のバルクゲルマニウム電極を調製した。10wt%のポリフッ化ビニリデンバインダーおよび8wt%のアセチレンブラック導電性希釈材をこの粉末に加えて、サイクル特性を向上させた。約90MPaの圧力を用い、電極粉末を圧縮してペレットにした。
[0067]金属リチウムを対電極として用いて、2016コインセルにおいて前記電極をサイクル試験した。電解質として、LiPFを含む、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等容積混合物(EC DMC)を用いた。セパレータとして0.50mmの厚さのガラス繊維ストリップを用いた。バルクゲルマニウムのセルではポリエチレンのセパレータを用いた。電気化学的試験を、Arbin InstrumentsのBT2000バッテリーサイクル試験機を用いて実施した。透過電子顕微鏡観察(TEM)を、Philips EM 420を用い、100kVで操作して実施した。TEM試料を、穴の空いたカーボングリッド上への物理気相成長によって調製した。X線回折(XRD)をInel CPS−120回折計により、CoのKα放射線(λ=1.790Å)を用いて実施した。堆積させただけの試料をガラス基板上に調製し、空気中で回折データを得た。電気化学セルを0Vの電位まで放電させることによってリチウム化電極を調製した。電極をアルゴングローブボックス内のセルから抜き出し、試験体をガラス上に載せ、ポリイミド(Kapton(登録商標)、Dupont)で覆って空気汚染を防いだ。試料ホールダー(例えば、ガラスおよびKapton(登録商標))により生じるアモルファスバックグラウンドを測定し、各回折パターンから差し引いた。
[0068]X線回折(XRD)データの解析のいくらかを、B.Fultz and J.Howeによる「Transmission Electron Microscopy and Diffractometry of Materials(材料の透過電子顕微鏡法と回折法)」(Springer−Verlag:New York;2000)(この開示は参照により組み込まれる)に記載されているようにして実施した。
実施例1
不活性気体による凝縮および衝撃圧密によるゲルマニウムナノ粒子の合成
[0069]ゲルマニウムナノ結晶クラスターを、図1に示されている装置で不活性気体による凝縮および衝撃圧密によって調製した。気体の流れは90%のArおよび10%のHからなるフォーミングガスであり、入口110と出口120の間の圧力差は2×10−3torrであった。単体ゲルマニウム装填物をタングステンワイヤーバスケット130中で約1600℃に加熱した。蒸発原子はフォーミングガス中で素早く冷却され、気体内でナノスケールのクリスタリット核を生成する。同伴されるナノ粒子の気相衝撃堆積によって、基板160上にナノ結晶凝集体の「ウェブ」を生成する。
[0070]様々な基板を堆積に用いた。ナノ結晶ゲルマニウム粒子を炭素繊維基板(直径約10μm)上に堆積させた。これらの基板は電気化学セル用の大きな表面積の導電性基板を提供した。他の電極を、以下の様にして調製したニッケルまたは銅で被覆した平らな基板上に堆積させた。最初に、2016ステンレス鋼コインセルの表面を400番の紙やすりを用いて粗くした。次に、この表面上に薄いニッケルまたは銅皮膜(約100nm)を蒸着し、最後に、このニッケルまたは銅で被覆した平らな基板上にゲルマニウムナノ結晶を堆積させた。
実施例2
物理気相成長によるゲルマニウム薄膜の合成
[0071]ナノ構造ゲルマニウム膜を蒸発および物理気相成長により調製した。タングステンワイヤー加熱バスケット中で単体ゲルマニウム(99.999+%)装填物を、2×10−6torrの真空下に蒸発させた。ニッケル/銅の基板をタングステンバスケットの真下に置き、蒸発ゲルマニウム原子を基板上に薄膜として堆積させた。
実施例3
衝撃堆積ゲルマニウムナノ粒子の特性評価
[0072]実施例1に記載した、衝撃圧密により調製したゲルマニウム膜試料の明視野および暗視野TEM像をそれぞれ図4の「4A」および「4B」に示した。(111)回折リングを用いて暗視野像を生成させた。膜は、相互連結したナノ結晶ゲルマニウム粒子(約10nmの平均粒径を有する)のウェブからなるように見える。図4の「4A」の挿入図に示した電子線回折パターンの明瞭な明るいスポットは結晶性の構造を示している。
実施例4
ゲルマニウム薄膜の特性評価
[0073]実施例2に記載した通りに調製した蒸着ゲルマニウムは、図5の「5A」および「5B」にそれぞれ示した明視野および暗視野TEM像に見られるように連続薄膜を生成した。図5の「5A」の挿入図に示した電子線回折パターンの幅広いリングは、材料が完全にアモルファスであることを示唆している。膜の中央部では、この材料は切れ目なく均一であるように見えるが、穴の空いた炭素基板端部の材料は柱状構造をもつように見える。基板端部での材料の構造は人為的誤りであると考えられる。
実施例5
サイクル試験によるゲルマニウム電極の特性評価
[0074]図6の「6A」は、電気化学的リチウム化の前後の衝撃堆積ゲルマニウム試料によるXRDパターンを示す。堆積させただけの材料のピーク位置は、格子定数が5.66Åの立方晶ダイヤモンド構造と一致する。堆積させただけの材料の幅広いピークは、クリスタリットのサイズが小さいことを示しており、このサイズは近似シェラー式を用いて約12nmであると見積もられた。電気化学的リチウム化の後の衝撃堆積材料によるXRDパターンは、大きなd間隔でいくつかのブラッグピークを含み、この材料が少なくとも部分的に結晶性であることを示している。大きな格子面間隔はほとんどのLi−Ge相で予想される。
[0075]リチウム化前後の蒸着ゲルマニウムナノ膜試料のXRDパターンを図6の「6B」に示す。堆積させただけの材料の幅広いピークは、この材料が最初はアモルファスであることを立証しており、一方、リチウム化電極による鋭いピークは、少なくともいくつかの結晶性Li−Ge相を示唆している。
[0076]単体ゲルマニウムならびにいくつかのLi−Ge相のピーク位置を図6の「6C」に示す。Li−Ge系の結晶相は以下に記載されている:E.Menges,V.Hopf,H.Schaefer,and A.Weiss,Z.Naturforsch.B,24:1351,1969;U.Frank and W.Muller,Z.Naturforsch.B,30:313,1975;V.Hopf,H.Schafer,and A.Weiss,Z.Naturforsch.B,25:653,1970;V.Hopt Z.Naturforsch.B,27:1157,1972;Q.C.Johnson,G.S.Smith,and D.Wood,Acta.Crystallogr.,18:131,1965;および、E.I.Gladyshevskii,G.I.Oleksiv,and P.I.Kripyake,Sov Phys.Crystallogr.,9:269,1964(これらの開示は参照を通じて組み込まれる)。
[0077]図6の「6A」および「6B」のLi−Ge回折パターンにおけるピークは、いくつかの結晶相に対応しており、このことは、これらのフレームワーク材料がリチウム化された状態で不均一であることを示唆している。これらの相の中で最も明白なものには、LiGe、LiGe、およびLi15Geが含まれる。存在し得る他の相には、Li11Ge、LiGe、およびLi22Geが含まれる。2.2Åおよび4.5Åの幅広い下に横たわるピークは、リチウム化材料におけるアモルファス相を示唆している。
実施例6
ナノ構造ゲルマニウム電極の容量
[0078]衝撃堆積ナノ結晶ゲルマニウム試料の236μgの電極および蒸着ゲルマニウムナノ膜試料の42μgの電極による電圧線図を示すプロットをそれぞれ図7の「7A」および「7B」に示す。ナノ構造電極の大きな可逆容量に注意。蒸着ゲルマニウムナノ膜電極は、ゲルマニウム1原子当たり約4.5リチウム原子を受け入れ、これはLi22Ge結晶の理論的化学量論組成より僅かに大きい。膜の厚さは電極質量とバルク材料の密度に基づいて60nmであると見積もられる。250nm(180μg)までの厚い膜をより遅い充放電率でサイクル試験し、類似の結果を得た。衝撃堆積材料は、ゲルマニウム1原子当たり約3.8個までのリチウム原子を受け入れる。
[0079]衝撃堆積ナノ結晶ゲルマニウム電極および蒸着ゲルマニウムナノ膜電極についての微分容量、d|x|/dEをそれぞれ図8の「8A」および「8B」に示す。これらのグラフにおいて、xはLiGeにおけるリチウムの化学量論的な数であり、Eはセル電位である。ピークは材料へのリチウム挿入に対する等電位サイトを示している。これらのプロットにおいて示される2つのピークは、少なくとも2種の新たな相が、180mV/380mVおよび360mV/500mVでのリチウムの挿入/離脱の間に生成されることを示している。リチウムの挿入と離脱に対する電位の間の相違は、一定電流により生じる過電位、または非平衡状態の結果であると考えられる。近似的な実際の相転移エネルギーは充電および放電の値の平均であり、室温で約280mVと約430mVの電位を与える。
[0080]Li−Geの相図によれば、室温でいくつかの相転移がリチウム化の間に起こると予想される。相転移は電圧線図(図7の「7A」および「7B」)のプラトーにより確認される。ギブスの相律は、一定温度で、2つの相が同時に存在する場合に、化学ポテンシャル(またはセル電圧)における如何なる変動も禁止する。この結果として、2相領域において、リチウム濃度の変化の間、一方の相が他方を犠牲にして成長し、電位は一定である。図7の「7A」および「7B」に示す電圧線図は、ナノ構造電極の各々で、充電および放電サイクルに際してかなり滑らかな勾配を示す。しかし、勾配の微妙な変化は、新たな相の生成を示唆している。図8の「8A」および「8B」に示す微分容量プロットは、電位曲線の勾配の変化を目立たせる。微分容量のピークは、リチウムイオンがほぼ等電位であるサイトに侵入しつつある電位領域を示している。複数のピークの存在は、蒸着電極および衝撃堆積電極の何れにおいても、電気化学的リチウム化の間に、いくつかの異なるLi−Geの相が生成することを示唆している。この挙動はシリコンと対照をなし、例えば、P.Limthongkul,Y.L Jang,N.Dudney,and Y .M.Chiang,Acta Materialia,51:1103.1113,2003(この開示は参照を通じて組み込まれる)に記載されているように、シリコンは室温でリチウム化によりアモルファス相を生成する。
[0081]図7の「7A」および「7B」において認められる最初のサイクルでの大きな不可逆容量は、表面電解質中間相(surface−electrolyte interphase、SEI)の生成に帰せられるようである。リチウムと電解質との反応はゲルマニウム電極の最初のリチウム化を伴い、不動態層またはSEIを生成する。カーボン電極を用いる場合に、不動態層の生成は、それがリチウム化の間の溶剤の同時インターカレーションを防ぐので有益である。しかしながら、リチウム合金電極は溶剤の同時インターカレーションにより影響を受けず、不動態層は利点を生じない。けれども、ナノ構造電極の例示した実施形態において、SEI層は比容量またはサイクル寿命に有害であるようには見えない。第1サイクルでの容量低下は、類似のナノ構造Li−Si材料において認められたものの約70%である。第1サイクルでのより少ない不可逆容量は、ゲルマニウム上に自然酸化物が無いことの結果であり得る(自然酸化物が仮にリチウムにより還元されれば、自然酸化物は別の仕方でSEIに寄与するかもしれない)。
実施例7
ナノ構造ゲルマニウム電極のサイクル寿命
[0082]図9はバルク結晶ゲルマニウム(粒径≦38μm)および2つのタイプのナノ構造ゲルマニウム電極の試料についてのサイクル寿命のプロットを示す。ナノ構造電極を、ほぼC/4(すなわち、375mA/g)の充放電率で0と1.5Vの間でサイクル試験し、他方、バルク電極を、比容量を最大化するようにずっと遅い充放電率(約C/30)でサイクル試験した。穏やかなサイクル条件にも拘らず、バルクゲルマニウムは劣悪なサイクル寿命を示し、7回目のサイクルでほぼ完全に容量を失った。蒸着ゲルマニウムナノ膜は、第1サイクルで大きな不可逆容量を示し、1.7Ah/gの定常的な比容量を有し、60サイクルに渡って検出できる容量低下を全く示さない。類似の第1サイクル容量低下は、衝撃堆積ゲルマニウムで観察される。初期安定容量は蒸着ナノ膜のものに似ている(約1.4Ah/g)が、衝撃堆積電極は、1サイクル当たり約0.01Ah/gの一定の容量低下を示す。
[0083]図9に示すように、ナノ構造ゲルマニウム電極試料の高比容量は50サイクルに渡って安定であった。高容量はゲルマニウムへのリチウムの大きな溶解性のために予想される。しかし、ゲルマニウムの完全なリチウム化は、室温で、観察した時間スケールでは以前には観察されていなかった。完全なリチウム化(Li4.4Ge)に際してのゲルマニウムの容積変化は、R.Nesper,Prog.Solid State Chem.,20:1−45,1990(この開示は参照を通じて本明細書に組み込まれる)に記載されているように、約230%に達する。ゲルマニウムへのリチウムの遅い拡散は、材料内にこの容積変化により生ずる大きな応力を生み出すので、ホストのデクレピテーション(decrepitation)を引き起こすと予想され、このことが、図9に示すバルクゲルマニウム電極の比較的劣悪なサイクル寿命の原因になると考えられる。対照的に、アモルファスナノ膜試料では、62サイクルに渡って認められる容量低下はほとんど、あるいは全くない。同様に、ナノ結晶試料は50サイクルに渡ってゆっくりとした容量の低下を示すのみである。これらの結果は、ナノ構造ゲルマニウム材料が電気化学サイクル中にそれ程デクレピテーションを起こさないことを示唆している。出願人等の現在の考えでは、ナノ結晶系において認められる一定の容量低下は、集電体の表面からの粒子の剥落(spallation)により生じ、これはサイクル中230%に達する試料の容積変化の結果である。
[0084]サイクル試験の間のアモルファスナノ膜試料の安定性は驚くべきものである。この電極は薄く、膜に垂直な迅速なリチウムの輸送を示唆するが、電極は剛直な基板上に形成されている。リチウム化の間に起こる230%の容積膨張は、リチウム最前部が膜の内に外から伝播するにつれて、大きな歪みの勾配を生み出すと予想される。このような歪みは、基板から膜を脱離させるのに十分であると予想される。しかし、基板からの膜の完全な剥離はサイクル中には認められず、見かけ上、膜は電気的に損なわれないままである。電気的連続性にも拘らず、最初のサイクル中にクラックが発生し、これらのクラックの伝播により、膜は孤立した島に分割されるようである。これらの島は、集電体との接触を保ったままで、サイクル中の体積変化に対応できると考えられる。膜は壊されるが、材料はデクレピテーションを起こさない、または表面から剥落しないので(バルクゲルマニウムからなる電極では起こる)、セルは容量を失わないと考えられる。
[0085]衝撃堆積ゲルマニウム中のリチウムのサイクル安定性は、ナノスケール材料における微細構造の損傷についての通常の機構(例えば、J.Graets,C.C.Ahn,R.Yazami,and B.Fultz,Electrochem.Solid State Lett.,6:A194−A197,2003(この開示は参照を通じて組み込まれる)に記載されている)の存在しないことに帰せられると考えられる。クラックの生成および伝播は、粒径との関係で、転移、および、クラック成長に向かう恐れのある大きなサイズの欠陥が無いことにより妨げられている。粒子のデクレピテーションの減少はまた、ナノ構造材料では拡散による応力の緩和に必要とされる時間スケールが短いことに帰せられる。緩和時間は拡散距離の2乗に比例する。ホストへのリチウムの拡散により、格子定数aは約31/3aまで歪む。歪みはホストにとって本来有害でなく、むしろ、サイクル中に電極をばらばらにする原因であるのは、歪みの勾配である。拡散距離が短い場合、緩和時間は短く、材料は均一に歪む。
[0086]アモルファス薄膜におけるゲルマニウム1原子当たり4.5個のリチウム原子、およびナノ結晶膜におけるゲルマニウム1原子当たり3.8個のリチウム原子の可逆的サイクルは、類似のナノ結晶シリコン材料において求められた可逆容量より相当に大きい。同様の条件下で調製されサイクル試験したシリコン電極は、アモルファス薄膜ではシリコン1原子当たり2.1個のリチウム原子、ナノ結晶膜ではシリコン1原子当たり1.1個のリチウムの可逆容量を示した。ゲルマニウム系におけるリチウムのより大きな可逆的取り込みは、1つには、室温でのゲルマニウムへのリチウムのより大きな拡散係数(D)に帰せられる(DGe≒400DSi)。さらに、シリコン電極表面の25Åの自然酸化物は、全体としての比容量を低下させ、第1サイクルでの付加逆容量を増加させ、SEI(最終的にはセルのインピーダンスを増加させる)に寄与する。
実施例8
ナノ構造ゲルマニウム電極の動特性
[0087]ナノ構造電極の充放電性能もまた調べた。250nmの蒸着ゲルマニウム膜(180μg)を0.5Cの一定の放電率と、0.5Cから1000Cで変化する充電率でサイクル試験した。0.5Cでセルを0Vと1.5Vの間でサイクル試験し、電位の上限を、増加するサイクルレートに伴う過電圧に見合うように、逐次的な各サイクルで50〜100mVずつ増やした。衝撃堆積ナノ結晶膜(314μg)を同様の条件下にサイクル試験した。
[0088]図10は、様々な放電率でのこれらの試料に対する規格化した容量(Q/Q)のプロットである。垂直の誤差棒は、データ取得装置に付随する不確定性を表し、充電時間が短い場合だけ見て取れる。注目すべきことに、1Cと1000Cの間で、穏やかな容量低下だけが認められる。
[0089]大きな充放電率でのサイクル寿命の試験もまた、アモルファス薄膜電極で実施した。この実験では、250nmのゲルマニウム膜を、0.5Cの放電率と1000Cの充電率でサイクル試験した(ここで、nCの充放電率は1624/n(mA/g−Ge)に相当する)。セルを0Vと3.0Vとの間でサイクル試験した。図11は30サイクルに渡る充電および放電容量のプロットである。高速充電ステップと低速放電ステップとの間の認められる重なり合いは、4時間のリチウム化の期間に渡って挿入されたリチウムの実質的全てが脱リチウム化の4秒より少ない時間に取り出されることを示唆している。
[0090]様々な充電率で求められた容量(図10)は、1000Cまで、ゆるやかな指数関数的(対数スケールで直線になる)容量低下を示す。固体状態の拡散によって制限される電気化学セルに通常伴う突然の破局的な容量低下の兆候は全くない。1000Cでの電圧線図は0.5Cでのものに似ており、リチウムがホストと合金化され、電極表面上に単にめっきされているのではないことを示している。
実施例9
シリコン−ゲルマニウムの薄膜
[0091]ゲルマニウム−シリコンの薄膜をゲルマニウムについての実施例2に記載したようにして、単体シリコンおよびゲルマニウムを用いて堆積させた。シリコンおよびゲルマニウムの出発材料の化学量論組成は次の通りであった:Si0.25Ge0.75、Si0.5Ge0.5、およびSi0.75Ge0.25。シリコン−ゲルマニウム薄膜の外観は、実施例2により堆積させたゲルマニウム薄膜に似ていた。
[0092]シリコン−ゲルマニウム薄膜の容量は、純粋なシリコンおよびゲルマニウムに対する個別の容量のほぼ重量平均、すなわち、Si(1−z)Geでは、
Si(1−z)Gez=(1−z)QSi+zQGe 式2
であった。この容量の性質は、膜がシリコンとゲルマニウムの固溶体であることを示唆している。Si(1−z)Geで、
Figure 2007534177


に対する、容量vs.サイクルレートのプロットを図12に示す。これらの結果は、いくつかの実施形態において、電極の容量がシリコン含量を増すことにより増大することを示している。同様に、いくつかの実施形態において、電極のサイクルレートがゲルマニウム含量を増すことによって増大する。いくつかの実施形態において、電極でのサイクル寿命はゲルマニウム含量を増すことによって増大する。この結果として、いくつかの実施形態において、これらの電極特性のいくつかの組合せまたは全てが、シリコン−ゲルマニウムの化学量論組成を調節することによって最適化される。
[0093]上で例示し説明した実施形態は、特定の好ましい実施形態の例として記載されている。当業者により、本開示の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変化および修正が本明細書に記載された実施形態になされ得る。
ゲルマニウムナノ結晶を合成するために使用される気相衝撃圧密チャンバの概略図である。 ゲルマニウムおよび/またはシリコン−ゲルマニウムナノ結晶の合成方法の実施形態を例示する。 「3A」〜「3D」は、基板上のナノ構造フレームワーク材料の実施形態を例示する。 「4A」は衝撃堆積ゲルマニウムのTEM明視野像であり、ナノ結晶の凝集を示している。挿入図は電子線回折パターンを示す。「4B」は衝撃堆積ゲルマニウムのTEM暗視野像であり、ナノ結晶の凝集を示している。 「5A」は蒸着ゲルマニウムのアモルファス薄膜のTEM明視野像である。挿入図は電子線回折パターンを示す。「5B」は蒸着ゲルマニウムのアモルファス薄膜のTEM暗視野像である。 「6A」は、電気化学的リチウム化の前後の衝撃堆積ゲルマニウム試料のXRDパターンである。「6B」は、電気化学的リチウム化の前後の蒸着ゲルマニウム試料のXRDパターンである。「6C」は純粋なゲルマニウムおよびいくつかのLi−Ge相について計算によるピーク位置を示す。 「7A」は衝撃堆積ゲルマニウム試料による電圧線図を示す図である。「7B」は蒸着ゲルマニウム試料による電圧変化図である。矢印は第1サイクルの充電ステップを示している。 「8A」は衝撃堆積ゲルマニウム試料による微分容量のプロットである。「8B」は蒸着ゲルマニウム試料による微分容量のプロットである。 衝撃堆積ゲルマニウムナノ結晶試料、蒸着アモルファスゲルマニウムナノ膜試料、および比較試料のバルク結晶ゲルマニウムのサイクル寿命を示す。白いマーカーおよび黒いマーカーはそれぞれ充電および放電サイクルを示す。 衝撃堆積ゲルマニウム試料および蒸着薄膜試料の充放電性能のグラフである。電極は1Cの一定充放電率でリチウム化(放電)され、様々な充放電率で脱リチウム化(充電)された。明るいマーカーおよび暗いマーカーはそれぞれ充電および放電サイクルを示す。 1Cのリチウム化充放電率と1000Cの脱リチウム化充放電率での薄膜アモルファスゲルマニウム試料のサイクル寿命のグラフである。白いマーカーおよび黒いマーカーはそれぞれ充電および放電サイクルを示す。 z=0、0.25、0.5、0.75、および1でのSi(1−z)Geについての容量vs.サイクルレートを示すプロットである。

Claims (29)

  1. 式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ構造材料またはそのアルカリ金属合金を含む、2次電気化学セルのための電極。
  2. 前記アルカリ金属合金がリチウム合金である請求項1に記載の電極。
  3. 前記ナノ構造材料がナノ粒子を含む請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記ナノ粒子が約300nm以下の直径を有する請求項3に記載の電極。
  5. 前記ナノ粒子が約100nm以下の直径を有する請求項4に記載の電極。
  6. 前記ナノ粒子が約50nm以下の直径を有する請求項5に記載の電極。
  7. 前記ナノ構造材料がナノ膜である請求項1又は2に記載の電極。
  8. 前記ナノ膜が約500nm以下の厚さを有する請求項7に記載の電極。
  9. 前記ナノ膜が約200nm以下の厚さを有する請求項8に記載の電極。
  10. 前記ナノ膜が約100nm以下の厚さを有する請求項9に記載の電極。
  11. 前記ナノ構造材料の前記リチウム合金が式LiSi(1−z)Ge(xは少なくとも約1である)を有する請求項2に記載の電極。
  12. 前記ナノ構造材料の前記リチウム合金が式LiSi(1−z)Ge(xは少なくとも約2.5である)を有する請求項11に記載の電極。
  13. 前記ナノ構造材料が、少なくとも約10サイクルに渡って安定であるサイクル寿命を有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の電極。
  14. 前記ナノ構造材料が、少なくとも約20サイクルに渡って安定であるサイクル寿命を有する請求項13に記載の電極。
  15. 前記ナノ構造材料が少なくとも約1Cの充放電性能を示す請求項1〜14のいずれか一項に記載の電極。
  16. バインダーおよび/または接着剤をさらに含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の電極。
  17. 基板をさらに含む請求項1〜16のいずれか一項に記載の電極。
  18. 前記基板が集電体である請求項17に記載の電極。
  19. 負極、正極、および電解質を含み、前記負極が請求項1〜18のいずれか一項に記載の電極を備える、2次電気化学セル。
  20. 前記2次電気化学セルが電気化学スーパーキャパシタである請求項19に記載の2次電気化学セル。
  21. 前記2次電気化学セルが集積デバイス上に作製される請求項19に記載の2次電気化学セル。
  22. 式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ粒子の合成方法であって、単体ゲルマニウムを気体中に蒸発させることによってナノ粒子を生成するステップを含み、前記気体が水素を含む方法。
  23. 単体シリコンを気体中に蒸発させるステップをさらに含む請求項22に記載の方法。
  24. 前記ナノ粒子が前記気体に同伴されており、
    前記気体および同伴されているナノ粒子を加速するステップと、
    前記ナノ粒子を基板上に堆積させるステップと
    をさらに含む請求項22に記載の方法。
  25. 前記ナノ粒子が300nm以下の直径を有する請求項22に記載の方法。
  26. 単体ゲルマニウムを気体中に蒸発させることによりナノ粒子を生成するステップを含む方法によって合成され、前記気体が水素を含む、式Si(1−z)Ge(0<z≦1)のナノ粒子。
  27. 前記方法が単体シリコンを気体中に蒸発させるステップをさらに含む、請求項26に記載のナノ粒子。
  28. 前記ナノ粒子が前記気体に同伴されており、
    前記気体および同伴されているナノ粒子を加速するステップと、
    前記ナノ粒子を基板上に堆積させるステップと
    をさらに含む、請求項26に記載のナノ粒子。
  29. 前記ナノ粒子が300nm以下の直径を有する請求項26に記載のナノ粒子。
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