JP2007533733A - 食物摂取管理の方法 - Google Patents
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Abstract
ヒト対象において食物摂取を調節する方法;カロリー制限に対するヒト対象の順守を改善する方法;及び脂肪を摂取したいというヒト対象の欲望を低下させる方法が開示される。前記方法は、効果的な治療療法を可能にする薬理学的半減期を有するH1受容体アゴニストを利用する。前記方法は、過食、過体重、肥満、むちゃ食い障害、夜間摂食症候群、異常なまでの摂食、強迫性摂食および過食症の如き状態、並びに異常脂質血症の如き代謝障害に関連する状態を処置するために効果的に使用されることができる。
Description
本発明は、ヒト対象において食物摂取を調節するための新規な方法に関連し、より具体的には、体重管理が有益である状態を防止または処置する方法に関連する。
肥満は、社会的、文化的、遺伝的、生理学的および心理学的な要素を伴う慢性的かつ複雑な多因子性の疾患であり、実質的に増大した罹患率および死亡率に関連している。栄養過多が合衆国における年間約400000人の死亡の原因として考えられており(Mokdad、2004)、また、栄養過多は一時的な流行であると見なされることがある。体重と、身長の二乗との比率として定義されるボディマス指数(正常的には18.5〜24.9の範囲である)に基づいて、成人人口の約1/3が過体重(25〜29.9の指数)であり、1/4を超える成人が肥満である(30を超える指数)(National Center for Health Statistics、2000)。経済的発達および近代化によってもたらされる環境および行動の変化が世界的な肥満の増大に関係づけられている。肥満への傾向を助長させる環境的要因には、高カロリーの低コスト食品と一緒になった身体活動の不足が含まれる。過体重および肥満の広がりが、開発途上国および先進国の両方で、子供および大人において、また、男性および女性において驚くべき割合で世界中で増大しつつある。過体重および肥満の人々の数が1960年以降増大し続けており、これは、衰えない傾向である。疾病対策予防センター(CDC)によるNational Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)で報告されるように、今日、成人アメリカ人の64.5%、すなわち、約1億2700万人が過体重または肥満として分類され、また、ほぼ1/3(30.5%)、すなわち、約6000万人が肥満である。
肥満は、約30の重大な医学的状態に起因する病気の危険性を著しく増大させ、また、すべての原因による死亡の増大と関連づけられている。これらには、高血圧、糖尿病、変形性関節炎、心臓疾患、卒中、胆嚢疾患、ならびに、乳ガン、前立腺ガンおよび結腸ガンが含まれる(National Task Force on the Prevention and Treatment of Obesity、2000)。さらに、毎年、肥満は合衆国において少なくとも300000人のさらなる死亡を引き起こしており、これは、必要のない死亡の主要な原因の2番目である。肥満に関するアメリカ成人の保険医療コストは約1000億ドルに達する。
体重を管理するためのいくつかの異なる処置選択肢があり、これらには、食事治療、身体活動、行動治療、薬物治療および手術が含まれる。過体重および肥満の人々の大部分については、彼らは自分の生活様式を変えることができないと感じており、薬物治療が最も好都合かつ適用可能な選択肢である。数億人の人々が、肥満を処置するための薬物治療を捜し求めているが、現在の様々な薬物治療は、その望ましくない副作用および限定された効力のためにこの要求を満たしていない。
肥満を処置するための薬物が、現在、ボディマス指数が30以上である成人、または、ボディマス指数が27以上で、肥満に関連した医学的問題を有する成人における使用について承認されている(Physicians’ Desk Reference、2001)。ボディマス指数が30以上である女性の約10パーセントおよび男性の3パーセントが、報告によれば、体重減少薬物を使用している(Serdula、1999)。
合衆国において体重減少について現在承認されている薬物は2つのカテゴリーに分類される:食欲を減少させることによって、または、満腹感を増大させることによって食物摂取を低下させる薬物(食欲抑制剤)、および、栄養吸収を低下させる薬物。可能性のある第3のカテゴリー、すなわち、エネルギー消費を増大させる薬物(例えば、エフェドリンなど)は、現時点では、合衆国では肥満を処置するために承認されてない。
栄養吸収を低下させる、肥満のための唯一のFDA承認された薬物はオルリスタット(Xenical)であり、これは、腸の内腔における胃腸リパーゼに結合し、吸収可能な遊離脂肪酸およびモノアシルグリセロールへの食事性脂肪の加水分解を妨げることによって作用する。
ほとんどの食欲抑制剤は、中枢神経系における食欲減退性の神経伝達物質(とりわけ、ノルエピネフリン、セロトニン、ドーパミン、または、これらの神経伝達物質の特定の組合せ)の利用能を増大させることによって主に機能する。合衆国において利用可能なノルアドレナリン作動性薬物には、フェンテルミン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジンおよびベンゾフェタミンが含まれる。これらの薬物のいくつかは、乱用の潜在的可能性を有すると麻薬取締局(DEA)によって見なされている。アンフェタミン系は、乱用に対する特に大きい潜在的可能性を有すると見なされており、この理由のために体重減少のためにはもはや勧められていない。食品医薬品局(FDA)は、肥満を処置するための「数週間」のみの使用(一般には、12週間以下であると推定される)についてそのような薬物を承認している。
ノルアドレナリン作動性薬物の副作用には、不眠症、口の乾燥、便秘、多幸感、動悸および高血圧が含まれる(Physicians’ Desk Reference、2001)。
セロトニン作動性薬剤は、セロトニンの放出を増大させること、または、その再取り込みを阻害すること、または、その両方によって作用する。フェンフルラミン(Pondimin)およびデキサフェンフルラミン(Redux)(これらはともに、セロトニン放出を刺激し、かつ、その再取り込みを阻害する薬物である)は、弁膜性心臓疾患および肺高血圧との関連のために1997年に合衆国における市場から引き揚げられた。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤が短期間の研究では体重減少を誘導しており、フルオキセチン(Prozac)が、体重減少についてのその効力を明らかにするためのかなりの評価を受けている(Goldstein、1993)。しかしながら、初期の体重減少の後、一様の再増加が処置の後期段階で観測された(National Task Force on the Prevention and Treatment of Obesity)。セルトラリン(Zoloft)は、非常に低いカロリーの食事の後での体重管理のための補助物として評価されたが、長期間の効力が同様にないことを示した(Wadden、1995)。シブトラミン(Meridia、Reductil)は、ドーパミン再取り込みもまた弱く阻害するノルエピネフリン再取り込みおよびセロトニン再取り込みの両方の阻害剤であり、減量食との併用での体重減少および体重管理についてFDAによって承認されている。シブトラミンの副作用には、増大した血圧および脈拍数が含まれる(McMahon、2000)。
リモナバント(Sanofi)は、食物を欲しがることを止めさせることが主張されており、CB1受容体の活性を阻害する新しいクラスの薬物である。CB1受容体はエンドカンナビノイド系の一部を形成している。CB1受容体は、脳、脂肪細胞および身体の他の部分に見出されており、食物摂取を調節すること、および、タバコ依存性に関連している(Pi−Sunyer他、2004)。エンドカンナビノイド系は、快楽、弛緩および痛み耐性を調節することを助ける。この系を阻害することの長期間の影響についてはあまり知られていない。さらに、神経学者は、エンドカンナビノイド系は、いくつかの環境(例えば、卒中および頭部傷害など)のもとでは脳を保護することを助けており、その結果、これらの環境での脳損傷が、エンドカンナビノイド系を遮断する薬物を服用する患者では悪化するかもしれないことになることを指摘する。
薬物のリモナバントは、現在、第III相臨床試験を受けている。それに関連する現在報告されている副作用には、不安、悪心および下痢が含まれる。
従って、現在承認されている薬物のいくつかは中程度の効果を示し、体重を減少することにおいて一部の患者を助けることができるが、深刻かつ一般的な障害、すなわち、体重過多を緩和するための有効な処置療法および薬物が引き続き求められている。
ヒスタミンは、一世紀近くにわたって研究されている強力な生物活性物質であり、アミン作動性の神経伝達物質である。4つのヒスタミン受容体が同定されている:H1、H2、H3およびH4、これらは、強力な受容体アンタゴニストの発見および治療的使用をもたらしている。H1受容体の活性化は平滑筋および中枢神経ニューロンに対する作用に関連し、H2受容体の活性化は胃における酸分泌を刺激し、一方、H3受容体の活性化はシナプス前の自己調節作用をもたらす。
ヒスタミンは、中でも、覚醒状態の調節(Lin他、1990)、歩行活動の調節(Clapham、1994)、心臓血管制御の調節(Imamura、1996)、水分摂取の調節(Lecklin、1998)、食物摂取の調節(Leurs、1998)および記憶形成の調節(Blandina、1996)に関係している。一部の研究では、ヒスタミンが、食物摂取の調節に関係する視床下部ヒスタミン作動性ニューロンに対して作用することによって食欲を抑制し得ることが示されている(Sakata、1997;Bjenning、2000;Sakata、1995)。従って、脳室内に注入されたヒスタミンが食欲抑制剤として作用すること、および、ヒスタミンの欠乏が摂食を刺激することが報告された(Tsuomisto、1994)。CNSにおけるヒスタミン作動性活動状態の変化は肥満の遺伝的モデルと関連づけられている(Machidori、1992)。加えて、レプチンの脳室内注入が視床下部ニューロンのヒスタミンの回転率の変化と相関づけられている(Yoshimatsu、1999)。ヒスタミンは血液脳関門を越えることができないので、これらの効果は、ヒスタミンの全身投与に関しては認められないと予想される。
ヒトおよび齧歯類の両方において、H1アンタゴニストによる処置は過食をもたらし(Fukagawa、1989)、H3アンタゴニストの投与は食欲減退をもたらした(Attoub、2001)。しかしながら、体重恒常性のための食欲不振誘発活性に対するH3受容体の長期間の影響は、目標となる活性でないこと(Leurs、1995)およびH3阻害剤の毒性プロフィル(Onderwater、1998)のために報告されていない。
ベタヒスチンは、前庭障害(主に、めまいおよびメニエール病)の対症的処置において広範囲に使用されている経口活性なヒスタミン様薬物である。ベタヒスチンは、ヒスタミンのイミダゾール環がピリジン環によって置換されているヒスタミンの構造的アナログである。ベタヒスチンはH1受容体アゴニストであり、ヒスタミンのH1アゴニスム活性の約0.07倍のH1アゴニスム活性を示すこと、ならびに、血圧降下応答、気管支収縮、および増大した血管透過性を非経口投与後に引き起こすことが見出されている。受容体結合研究ではまた、ベタヒスチンが強力なH3受容体アンタゴニストであることが示されている。ベタヒスチンは血液脳関門を越えることができ、後部視床下部の結節乳頭核におけるヒスタミン合成を高めることによって中枢に作用する。ベタヒスチンに関連する有害な副作用は典型的には軽微であり、それらには、様々なタイプの皮膚発疹、じんま疹および痒みが含まれる。胃の不調、悪心および頭痛もまた一部の患者によって報告されている。
高用量のベタヒスチンは、腹腔内に送達されたとき、ピグミーヤギにおいて水分摂取を増大させ、かつ、食物摂取を低下させたことが見出されている(Rossi他、1999)。H1受容体アゴニストとしてのその知られている作用に加えて、ベタヒスチンが、末梢のヒスタミンH2受容体の弱い部分的アゴニストとして作用することが示されている(Arrang他、1985)ので、このことは、H1受容体およびH3受容体の両方の刺激に起因するとして示唆された。この考えは、ベタヒスチンの食欲抑制効果がピグミーヤギにおいてH2受容体アンタゴニストのシメチジンによって阻止されたことを示す最近の発見によってさらに裏付けられる。ヒスタミンおよびベタヒスチンの食欲抑制効果におけるこれらの類似性は、ピグミーヤギでのベタヒスチンの食欲抑制効果におけるH2受容体の関与を示唆している。しかしながら、H2受容体はヒトにおける体重減少には関連していない(Rasmussen、1993)。
Szelag他(2001)は、ベタヒスチンが、腹腔内投与されたとき、ラットにおいて食物摂取を低下させ、これに対して、ベタヒスチンが胃内に与えられたときには、この作用が認められなかったことを見出した(Szelag、2002)。食物摂取に対するベタヒスチン投与の作用が、H3受容体阻害の結果としてヒスタミンの合成および放出を増大させることを伴うことが示唆された。しかしながら、H2受容体の活性化は、塩酸分泌を刺激することが知られている(例えば、Clayman(1977)を参照のこと)ので、食物摂取に対するベタヒスチンの影響が胃内投与後にないことは、ベタヒスチンが、H2受容体の活性化によって塩酸分泌を増大させ、それにより、ベタヒスチンの中枢的な食欲不振活性をなくしているためであるかもしれないことがさらに示唆された。ヒトにおけるH1受容体に対する影響は、種間の概日リズムにおける変化のためにラットにおける影響とは著しく異なり得ることもまた示唆された。従って、ベタヒスチンの食欲不振応答は生物種および投与経路に依存しているようである。それにもかかわらず、Szelag他は、ヒトにおける食物摂取に対する、経口投与または任意の他の投与経路によって投与されたベタヒスチンの影響を教示していない。
Lecklin他(2002)は、メトプリン(ヒスタミン−N−メチルトランスフェラーゼ阻害剤)の腹腔内投与によるヒスタミン異化の阻害がラットにおける抑制された1日エネルギー摂取および脂肪摂取をもたらしたことを見出した。
薬物動態学的研究では、ベタヒスチンが、主に肝臓において、2−(2−アミノエチル)ピリジン(AEP)および2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン(HEP)に転換されることが示され(Sternoson、1974)、これに対して、ベタヒスチンおよびこれらの代謝産物はともにヒスタミン受容体に結合することが示された。
引用された参考文献は食欲調節の複雑性を裏付けており、これには、他の要因の中でも、種特異性および投与経路が含まれる。多数の違いが、異なる生物種(ヒトおよびピグミーヤギなど)の間においてヒスタミン受容体のアゴニスト薬理学およびアンタゴニスト薬理学に存在することがさらに見出されている(Seifert他、2003)。先行技術は、ヒトにおいて食物摂取を調節するためのH1アゴニストの使用を教示または示唆していない。先行技術はさらに、それによる効率的な処置を可能にする薬理学的半減期を有するそのようなH1アゴニストの使用を教示または示唆していない。先行技術はさらに、ヒトにおいて食物摂取を調節するための経口投与されたH1アゴニストの使用を教示または示唆していない。
従って、上記の欠点を有しない、ヒトにおいて食物摂取を調節するためのヒスタミン関連薬剤が必要であることが広く認められており、また、そのようなヒスタミン関連薬剤を有することは非常に好都合である。
本発明は、ヒトにおいて非常に効率的であり、かつ、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有し、かつ、現在知られている方法の制限を有しないH1受容体アゴニストを利用するそのような方法を提供することによって、食物摂取を調節するための現在知られている方法の欠点を対処することに成功している。
本発明の1つの態様によれば、ヒト対象において食物摂取を調節することが有益である状態を処置する方法が提供され、この場合、この方法は、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む。
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、そのような状態は、過食、過体重、肥満、および、それらによって引き起こされるかまたは悪化する障害からなる群から選択される。本発明のこの態様による状態によって引き起こされるかまたは悪化する障害は、筋骨格障害、心臓血管障害、皮膚科学的障害、睡眠障害、代謝状態、糖尿病および糖尿病関連状態からなる群から選択される場合がある。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、状態は、高脂肪摂取に関連する。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、状態は心理学的要因に関連する。本発明のこの態様による状態は、場合により、むちゃ食い障害、夜間摂食症候群、異常なまでの摂食、強迫性摂食または過食症を含む。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、状態は薬物処置に関連する。そのような薬物は、場合により、ステロイドホルモンまたは精神活性薬物からなる場合がある。
本発明の別の態様によれば、カロリー制限に対するヒト対象の順守を改善する方法が提供され、この場合、この方法は、少なくとも3時間の半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む。
本発明のさらに別の態様によれば、脂肪を摂取したいというヒト対象の欲望を低下させる方法が提供され、この場合、この方法は、少なくとも3時間の半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む。
本発明のさらにもう1つの態様によれば、ヒト対象における代謝障害に関連する状態を処置する方法が提供され、この場合、この方法は、少なくとも3時間の半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む。代謝障害は、例えば、高コレステロール血症または脂肪血症などの異常脂質血症である場合がある。
本明細書中で使用される用語「代謝障害」は、体内における1つまたは複数の代謝産物のレベルにおける不均衡を示す。一般的な代謝障害は、典型的には、コレステロール(LDLおよびHDLを含む)およびトリグリセリドなどの代謝産物のレベルにおける不均衡に関連する。
本発明のさらに別の態様によれば、ヒト対象において総コレステロールレベルを低下させる方法が提供され、この場合、この方法は、少なくとも3時間の半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む。
本発明のさらに別の態様によれば、ヒト対象において低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールのレベルを低下させ、かつ、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールのレベルを増大させる方法が提供され、この場合、この方法は、少なくとも3時間の半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む。
本発明のさらに別の態様によれば、ヒト対象においてトリグリセリドのレベルを低下させる方法が提供され、この場合、この方法は、少なくとも3時間の半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む。
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、薬理学的半減期は約3時間から約12時間に及び、好ましくは約3時間から約8時間に及び、より好ましくは約3時間から約5時間に及ぶ。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、H1アゴニストはさらにH3アンタゴニストである。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、H1アゴニストは血液脳関門透過性によって特徴づけられる。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、H1アゴニストは、ベタヒスチン、ベタヒスチン代謝産物、ベタヒスチンの医薬的に許容され得る塩、ベタヒスチンプロドラッグ、ベタヒスチン誘導体、および、それらの任意の組合せからなる群から選択される。好ましくは、ベタヒスチン代謝産物は2−(2−アミノエチル)ピリジンまたは2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジンである。同様に好ましくは、ベタヒスチンの塩は、ベタヒスチン二塩酸塩、ベタヒスチンメシラートまたはベタヒスチントリメブチンマレアートである。同様に好ましくは、ベタヒスチン誘導体は、下記の一般式Iにより表される化合物の群から選択される:
(式中、R1〜R12のそれぞれが独立して、水素、アルキル、シクロアルキルおよびアリールからなる群から選択される)。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、投与は、経口経路、経皮経路、静脈内経路、皮下経路、筋肉内経路、鼻腔内経路、心耳内経路、舌下経路、直腸経路、経粘膜経路、腸経路、口内経路、髄内経路、クモ膜下経路、直接的な脳室(心室)内経路、腹腔内経路および眼内経路からなる群から選択される経路によって行われる。好ましくは、投与は、経口経路、経皮経路、口内経路、経粘膜経路、直腸経路または舌下経路によって行われる。より好ましくは、投与は、経口経路、口内経路または経皮経路によって行われる。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、治療効果的な量は約2mg/日〜約96mg/日の範囲であり、好ましくは約10mg/日〜約50mg/日の範囲である。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、投与は、1日あたり約1回〜約4回行われ、好ましくは1日あたり2回行われる。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、投与は、対象の空腹の発生に従って行われる。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、投与は、対象の食物摂取を制限することなく、対象の、約1パーセントから約5パーセントに及ぶ体重減少が達成されるように行われる。好ましくは、そのような投与は、H1受容体のダウンレギュレーションが達成されないように行われる。
本明細書中で使用される用語「ダウンレギュレーション」は、受容体に関しては、受容体の応答性の低下、または、受容体の数もしくは密度の低下を示す。受容体の応答性を低下させることにはまた、受容体の完全な機能停止が含まれる。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、H1アゴニストは、医薬的に許容され得るキャリアをさらに含む医薬組成物の一部を形成する。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される方法のそれぞれはさらに、治療効果的な量のさらなる活性な薬剤(例えば、体重規制剤など)を対象に投与することを含む。体重規制剤は、例えば、食欲抑制剤である場合がある。好適な食欲抑制剤の代表的な例には、限定されないが、ノルアドレナリン作動性薬剤、セロトニン作動性薬剤、ドーパミン作動性薬剤、エンドカンナビノイド受容体遮断剤、または、それらの組合せが含まれる。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、さらなる活性な薬剤は、筋骨格障害、心臓血管障害、皮膚科学的障害、睡眠障害、代謝状態、糖尿病または糖尿病関連状態を処置するための薬剤である場合がある。そのような活性な薬剤の代表的な例には、限定されないが、非ステロイド系抗炎症薬、筋弛緩剤、抗痛風剤、免疫抑制剤、骨石灰化に影響を及ぼす薬物、α−アドレナリン作動性遮断薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、抗不整脈薬、抗凝固剤、抗血小板剤、血栓溶解剤、β−アドレナリン作動性遮断薬、カルシウムチャネル遮断剤、中枢作用性薬物、ジギタリス薬物、ニトラート系薬剤、末梢アドレナリン作動性アンタゴニスト、血管拡張剤、ざ瘡薬物、かゆみ止め剤、コルチコステロイド剤、抗疥癬剤、抗湿疹剤、催眠剤、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、スルホニルウレア系薬剤、メグリチニド系薬剤、ビグアニド系薬剤、チアゾリジンジオン系薬剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、PPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)−γアンタゴニスト、インスリン、フィブラート系薬剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、胆汁酸封鎖剤、コレステロール吸収阻害剤、ニコチン酸、その誘導体、アナログおよび代謝産物、ならびに、それらの任意の混合物が含まれる。
記載された好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される方法は、体重減少を誘導するために使用される。あるいは、これらの方法は、体重減少食の後またはその期間中において、体重減少を維持するために、または、体重増加を防止するために使用される。さらにあるいは、これらの方法は、体重増加に関連する状態を有する対象において体重増加を防止するために使用される。
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
本明細書中で使用される用語「方法」は、所与の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を示し、これには、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者に知られているそのような様式、手段、技術および手順、または、知られている様式、手段、技術および手順から、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者によって容易に開発されるそのような様式、手段、技術および手順が含まれるが、それらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「処置する」は、状態の進行を終わらせること、実質的に阻害すること、遅らせること、または逆転させること、あるいは、状態の臨床的症状または審美的症状を実質的に改善すること、あるいは、状態の臨床的症状または審美的症状の出現を実質的に防止することを示す。
本明細書中で使用される用語「調節する」は、食物摂取に関しては、食物摂取を所望のレベルに規制または調整することを示す。
用語「含む」は、最終結果に影響しない他の工程および成分が加えられ得ることを意味する。この用語は、用語「からなる」および用語「から本質的になる」を包含する。
表現「から本質的になる」は、さらなる成分および/または工程が、主張される組成物または方法の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物または方法がさらなる成分および/または工程を含み得ることを意味する。
用語「治療効果的な量」または用語「医薬的に効果的な量」は、有効成分が適応される治療的効果をもたらす有効成分のそのような用量、または、そのような有効成分を含む組成物のそのような用量を示す。
本明細書中で使用される用語「アゴニスト」は、細胞表面の受容体に結合することができ、かつ、それにより生理学的な活性または経路を開始させることができる物質を表す。表現「H1受容体アゴニスト」および表現「H1アゴニスト」は本明細書中では交換可能に使用される。
本明細書中で使用される用語「アンタゴニスト」は、別の物質の生理学的活性を低下させるために体内で作用する物質を表す。
本明細書中で使用される表現「薬理学的半減期」は、生体内に置かれた薬物または他の物質の量の半分が正常な生物学的プロセスによって代謝されるか、または血漿から除かれるために要求される時間を表す。この表現はまた、本明細書中では交換可能に、「半減期」として示される。
本明細書中で使用される「医薬組成物」は、本明細書中に記載される有効成分の1つまたは複数(化合物またはその生理学的に許容され得る塩のいずれか)と、他の化学的成分(例えば、従来の薬物、生理学的に好適なキャリアおよび賦形剤など)との調製物を示す。
本明細書中で使用される用語「医薬的に許容され得る」は、動物における使用、および、より具体的には、ヒトにおける使用について、連邦政府または州政府の規制当局によって承認されているか、あるいは、米国薬局方または他の一般に認められる薬局方に収載されていることを意味する。従って、表現「生理学的に好適なキャリア」および表現「医薬的に許容され得るキャリア」は交換可能に使用され、かつ、生物に対する著しい刺激を生じさせず、また、投与されたコンジュゲートの生物学的な活性および性質を無効にしない承認されたキャリアまたは希釈剤を示す。
本明細書中で使用される用語「キャリア」は、治療剤が一緒に投与される希釈剤、佐剤、賦形剤またはビヒクルを示す。
本明細書中において、用語「賦形剤」は、有効成分の加工および投与をさらに容易にするために医薬組成物に加えられる不活性な物質を示す。
本明細書中で使用される場合、単数形態(“a”、“an”および“the”)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
本開示を通して、本発明の様々な態様が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲にある/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。
図面の説明
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1はラットにおける総カロリー摂取(図1a)および脂肪摂取(図1b)に対するメトプリン処置の影響を明らかにする、先行技術研究で得られた結果を示す。
図2はラットにおける炭水化物摂取(図2a)およびタンパク質摂取(図2b)と比較したときの総カロリー摂取に対するメトプリン処置の影響を明らかにする、先行技術研究で得られた結果を示す。
図3は男性(上段プロット)および女性(下段プロット)における心臓血管疾患(点線)、ガン(破線)および他の原因による死亡の相対的危険性に対する過体重(これはボディマス指数として表される)の影響を明らかにするプロットを示す。
図4は14日間および28日間の処置の後におけるヒトの総カロリー摂取に対するベタヒスチン(青色棒)および偽薬(黄色棒)の経口投与の影響を示す棒グラフである。
図5は14日間および28日間の処置の後におけるヒトの脂肪摂取、炭水化物摂取およびタンパク質摂取に対するベタヒスチン(青色棒)および偽薬(黄色棒)の経口投与の影響を示す棒グラフである。
図6は14日間および28日間の処置の後におけるヒトでの体重変化に対するベタヒスチン(青色棒)および偽薬(黄色棒)の経口投与の影響を示す棒グラフである。
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1はラットにおける総カロリー摂取(図1a)および脂肪摂取(図1b)に対するメトプリン処置の影響を明らかにする、先行技術研究で得られた結果を示す。
図2はラットにおける炭水化物摂取(図2a)およびタンパク質摂取(図2b)と比較したときの総カロリー摂取に対するメトプリン処置の影響を明らかにする、先行技術研究で得られた結果を示す。
図3は男性(上段プロット)および女性(下段プロット)における心臓血管疾患(点線)、ガン(破線)および他の原因による死亡の相対的危険性に対する過体重(これはボディマス指数として表される)の影響を明らかにするプロットを示す。
図4は14日間および28日間の処置の後におけるヒトの総カロリー摂取に対するベタヒスチン(青色棒)および偽薬(黄色棒)の経口投与の影響を示す棒グラフである。
図5は14日間および28日間の処置の後におけるヒトの脂肪摂取、炭水化物摂取およびタンパク質摂取に対するベタヒスチン(青色棒)および偽薬(黄色棒)の経口投与の影響を示す棒グラフである。
図6は14日間および28日間の処置の後におけるヒトでの体重変化に対するベタヒスチン(青色棒)および偽薬(黄色棒)の経口投与の影響を示す棒グラフである。
本発明は、ヒト対象において食物摂取を調節するための新規な方法、カロリー制限に対するヒト対象の順守を改善するための新規な方法、および、脂肪を摂取したいというヒト対象の欲望を低下させるための新規な方法(これらのすべてで、その効率的な処置様式を可能にする薬理学的半減期を有するH1受容体アゴニストが利用される)に関する。
本発明による組成物および方法の原理および操作は、図面および添付された説明を参照してより良く理解することができる。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部または実施例によって例示される細部に限定されないことを理解しなければならない。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施することができ、または様々な方法で実施される。また、本明細書中で用いられる表現および用語は説明のためであり、従って限定として見なされるべきではないことを理解しなければならない。
本明細書中上記で記載されるように、現在使用されている食欲抑制剤の多くは、乱用の潜在的可能性を有することが知られている。さらに、これらの食欲抑制剤には、不眠症、口の渇き、便秘、多幸感、動悸および高血圧から、弁膜性心臓疾患および肺高血圧にまで及ぶ様々な副作用が伴う。加えて、これらの薬剤の多くは、長期間の効力がないことを示すことが見出されており、一様の体重増加が初期の体重減少の後で生じている。
本明細書中上記でさらに記載されるように、様々な研究により、ヒスタミンと、食物摂取の調節との間の関係性が示されている。従って、例えば、図1に示されるように、ヒスタミンN−メチルトランスフェラーゼ阻害剤のメトプリン(これは細胞傷害性の抗ガン剤として典型的に利用されている)によるヒスタミン異化の阻害は、ラットによる総食物摂取および脂肪摂取を抑制することが示されている(Lecklin他、2002)。処置は、図2に示されるように、炭水化物またはタンパク質の摂取に対する顕著な作用を有していなかった。このことは、脳のヒスタミン含有量の増大が、他の食物タイプとは対照的には、「脂肪食欲」、すなわち、脂肪を特異的に摂取しようとする欲望を特異的に低下させ得ることを示している。
しかしながら、外因性ヒスタミンは血液脳関門を十分に通り抜けられないので、ヒスタミンの全身投与は、その中枢的に媒介される抗肥満作用において極めて不十分である。従って、ヒスタミンは、これまでは脳室内注入による食欲抑制剤として投与されている。同様に、ヒスタミンの全身投与は、脂肪を摂取したいというヒト対象の欲望に対してほとんど影響を有しないことが予想される。
さらに、ヒスタミンはほんの数分の薬理学的半減期を有するだけである。従って、この薬物の作用の持続期間は非常に短く、そのため、治療効果的であるように血液中における高い十分な濃度を築き、かつ、その濃度を維持するためには頻繁に投与する必要がある。従って、より長い半減期を有する薬物はより少ない頻度での投与を必要とし、このことは服薬方法に関する患者の増大した順守の改善をもたらし得る。このことはまた、患者の血流における薬物のレベルの最大値および谷値が低下し、これにより、血液中のより平坦な薬物レベルが一定の期間にわたってもたらされ得るので、より少ない副作用を生じさせ得る。
いくつかの研究では、食物摂取を調節することにおけるヒスタミン以外のH1受容体アゴニストについての役割が示唆されているが、これらの研究はどれも、ヒトにおける食物摂取に対するそのようなアゴニストの直接的な作用を明らかにしていない。
本発明者らは、今回、驚くべきことに、ヒスタミンと比較して比較的長い半減期によって特徴づけられるある種のH1アゴニストが、ヒトにおいて食物摂取を調節するために効率的に利用できることを見出している。より具体的には、ベタヒスチン(メニエール病および関連する状態を処置するための現在知られている承認薬であり、かつ、約3.5時間の半減期を有する薬物である)が、肥満の女性対象において、脂肪摂取と同様に、食物摂取およびカロリー摂取に効率的に影響し、かつ、体重を減少させることが見出された。下記の実施例の節において例示されるように、無作為化偽薬対照の二重盲検研究において、ベタヒスチン塩酸塩は食欲を低下させ、食物摂取を低下させ、かつ、脂肪摂取に特に影響することが見出された。
従って、それによる妥当かつ効率的な処置を可能にする薬理学的半減期(例えば、少なくとも3時間の薬理学的半減期)を有するH1受容体アゴニストの投与は、ヒト対象において食物摂取およびカロリー摂取を調節するために、従って、過体重に関連する医学的状態および心理学的状態を処置するために有益に使用され得ることが本明細書中において明らかにされる。何らかの特定の理論に拘束されることなく、ベタヒスチン、ならびに、他のH1受容体アゴニストは、現在使用されている肥満防止薬物とは異なる作用様式によって食物摂取を低下させることが推定される。
従って、本発明の1つの態様によれば、ヒト対象において食物摂取を調節することが有益である状態を処置する方法が提供され、この場合、この方法は、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む。
本明細書中で使用される用語「処置」はまた、病理学的状態および/またはその1つもしくは複数の症状の改善または緩和、あるいは、そのような状態を治癒させること、あるいは、そのような状態の発生を防止することを包含することに留意しなければならない。
本発明のこの態様および他の態様で利用されるH1アゴニストの薬理学的半減期は、好ましくは、約3時間〜約12時間の範囲であり、より好ましくは、約3時間〜約8時間の範囲であり、さらにより好ましくは、約3時間〜約5時間の範囲である。そのような薬理学的半減期は、本明細書中上記で議論されたように、そのような薬物が、例えば、ヒスタミンよりも長期間にわたって血液中に留まり、これにより、より安定した血中レベルを達成し、従って、より少ない副作用を達成するので、非常に好都合である。従って、本発明のH1アゴニストは、例えば、ほんの約2分の半減期を有するヒスタミンよりもはるかに少ない頻度で投与される必要がある。この分野では知られているように、薬物の97%が5倍の半減期の後では排出されているので、投与は、クリアランス速度および投与された初期濃度をはじめとする様々なパラメーターに依存して、5倍未満の半減期の間隔で、通常的にはそれよりも小さい間隔で繰り返さなければならない。
臨床的実施において、投薬間隔の選択は、通常、服用間の有効性の変動を最小限に抑えることの望ましさと、良好な服薬順守をもたらさない多すぎる頻度での服用から生じる患者の不便さとの妥協である。1日あたり1回または2回の投与からなる投薬法が最適であると考えられる。
上記で言及された範囲に含まれる半減期を有する薬物を使用することにより、効果が最も要求される1日の時間(例えば、既知の食事時間など)で、また、対象が著しいレベルの空腹感を最も一般的に経験する1日の期間などで薬物の最大の有効性を確実にするように、また、効果が全く必要でない1日の時間では、例えば、対象が就寝中であることが予想される期間中などではほとんど効果的でないように、投与回数を選択することが可能になる。
非常に長い半減期を有する薬物は、1日に1回または2回の投与が明らかに可能でないという不都合を有する。毎日の投与よりも少ない投与には、対象が、自分の日課の一部でない、服薬しなければならないことを忘れる傾向があるので、患者の不良な服薬順守が伴う。例えば、ヒスタミンN−メチルトランスフェラーゼ阻害剤のメトプリンは、上記で議論されたように、腹腔内注射および中枢内注入の両方によってラットにおいて食物摂取を低下させることが示されているが、216時間の半減期を有する。さらに、毒性の問題を、そのような長い半減期を有する薬物に関しては考慮しなければならない。
加えて、H1アゴニストの長期間の存在はH1受容体のダウンレギュレーションをもたらし得ることが知られている。
継続的な活性化の後での特定の受容体のダウンレギュレーションは、受容体のその後の応答性を制限する受容体における適応的変化のために、あるいは、受容体の数または密度の低下のために、アゴニスト投与に対する低下した応答をもたらし得る。これらの受容体特異的な変化には、その同族Gタンパク質の活性化からの受容体の素早い脱共役(これは機能的脱感作を媒介する);原形質膜および細胞内部における比較的到達することができない区画への受容体の素早い再分布(これは、隔離、エンドサイトーシスまたは内在化と様々に呼ばれる)が含まれ、長期間のアゴニスト暴露により、ダウンレギュレーションと呼ばれる。かなり進歩が、近年では、これらの変化に関与する受容体改変を特定することにおいてなされている(Krupnick他、1998)。だが、これらの変化をもたらすことに関与する分子的改変およびタンパク質−タンパク質相互作用の詳細の多くはまだ明らかにされないままである。ある受容体タイプのダウンレギュレーションは、その受容体についてのアゴニストに対する脱感作または寛容性をもたらし得る。従って、12時間未満(好ましくは8時間未満、より好ましくは5時間未満)の半減期を有するH1受容体アゴニストの使用はアゴニストに対する受容体の継続的な暴露を妨げ、それにより、受容体のダウンレギュレーションが回避されることが考えられる。
本発明のH1アゴニストはまた、好ましくは、H3アンタゴニストでもある。H3アンタゴニストは、食物摂取の調節に対する作用を有することが示されている。H3受容体活性の阻害はヒスタミンの放出および合成を増大させることが示唆されている。ヒスタミンは、続いて、H1受容体を介してヒスタミン作動性ニューロンの活性を増大させ、このようにして食物摂取を阻害する。H3受容体は、ヒスタミン作動性ニューロンにだけ存在するのではなく、ヘテロ受容体として非ヒスタミン作動性ニューロンにも存在し、5−HTおよびノルアドレナリンの放出を調節する。従って、食物摂取に対するH3リガンドの影響が他の内因性物質を介して発現する場合がある(Morimoto他、2001)。
同様に好ましくは、H1アゴニストは、血液脳関門透過性によって特徴づけられ、従って、脳血液関門を超え、脳組織内に進入することができ、それにより、中枢系のH1受容体およびH3受容体に対して作用することができる。このことは、アゴニストが全身経路によって投与されることを可能にし、これは、例えば、血液脳関門透過性が非常に悪く、従って、脳室内注入による食欲抑制剤として以前から投与されているヒスタミンとは対照的である。
本発明のH1アゴニストは任意の医薬的に許容され得る塩(例えば、二塩酸塩、メシラートまたはトリメブチンマレアートなど)として投与することができる。あるいは、この薬物は、任意の代謝産物、プロドラッグまたは誘導体、あるいは、その組合せとして投与することができる。
表現「医薬的に許容され得る塩」は、母体化合物の荷電化学種およびその対イオンを示し、この場合、対イオンは、典型的には、母体化合物の溶解性特性を改変するために、および/または、母体化合物による生物に対する何らかの著しい刺激を低下させるために、その一方で、投与された化合物の生物学的な活性および性質を無効にしないために使用される。
用語「プロドラッグ」は、生体内で活性な化合物(活性な母体薬物)に変換される薬剤を示す。プロドラッグは、典型的には、母体薬物の投与を容易にするために有用である。例えば、母体薬物が経口投与による生物利用性を有しないとしても、プロドラッグが経口投与による生物利用性を有する場合がある。プロドラッグはまた、医薬組成物において、母体薬物と比較して改善された溶解性を有する場合がある。
本明細書中で使用される用語「代謝産物」は、化合物が投与されたとき、生体内で生じる代謝プロセスの結果として形成される化合物の実際の活性な成分を表す。
用語「誘導体」は、化合物またはその一部を、少なくとも1つの点でその最初の機能性を保持するように化学的に改変、修飾または変化することの結果を表す。
本発明の好ましい実施形態によれば、H1アゴニストはベタヒスチンである。ベタヒスチンはヒスタミンの構造的アナログであり、H1受容体およびH3受容体の両方についてヒスタミンの結合親和性プロフィルに量的に近い結合親和性プロフィルを有することが示されている(Fossati他、2001)。さらに、薬物動態学的データは、ヒトにおけるベタヒスチンの治療的投薬量が、H1受容体およびH3受容体に対するその親和性と同じ範囲に含まれる血漿中濃度を与えることを示しているので、ベタヒスチンは薬理学的に関連している。H1受容体についてのベタヒスチンの薬理学的関連性が動物およびヒトにおいてインビボでさらに確認されており、これは聴覚系および内部前庭系での微小循環における増大した血流に起因し得ると考えられる(Meyer他、1974)。ベタヒスチンは、めまいおよび他の障害を処置するために既に広く使用されているので、ヒト医療における使用について試験され、承認されている。
ベタヒスチンは経口経路を介して容易に吸収され、少なくとも2つの代謝産物(すなわち、2−(2−アミノエチル)ピリジンおよび2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン)に変換される。ベタヒスチンは3.5時間の排出半減期を有しており、服用量のほとんどが代謝産物として尿を介して排出される。従って、ベタヒスチンは、本明細書中上記で議論されたように、都合のよい投薬法に従って投与することができる。
ベタヒスチンに関連する副作用は軽微であり、主に、様々なタイプの皮膚発疹、じんま疹、痒み、胃の不調、悪心、頭痛、および、消化性潰瘍の病歴を有する患者における症状の悪化からなる。
ベタヒスチンは、それ自体で、または、その代謝産物、医薬的に許容され得る塩、プロドラッグもしくは誘導体として、そのいずれかで本発明のこの態様および他の態様において利用することができる。
本発明の関連で効率的に使用され得るベタヒスチン代謝産物には、例えば、2−(2−アミノエチル)ピリジンおよび2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジンが含まれる。この分野でさらに記載されるように(例えば、Fossati他(2001)を参照のこと)、これらの代謝産物もまた、H1受容体アゴニスト活性によって特徴づけられ、従って、本発明の様々な態様において同様に利用することができる。
本発明の関連で効率的に使用され得るベタヒスチンの医薬的に許容され得る塩の代表的な例には、限定されないが、ベタヒスチン塩酸塩、ベタヒスチン二塩酸塩、ベタヒスチンメシラート、ベタヒスチントリメブチンマレアートが含まれる。
式Iにおいて、R1〜R12のそれぞれが、好ましくは、水素、アルキル、シクロアルキルおよびアリールならびにその任意の組合せからなる群から独立して選択される。
場合により、R1〜R12のそれぞれはまた、化合物の血液脳関門透過性、半減期、および、H1受容体に対する結合などの特徴が悪影響を受けない限り、他の置換基から選択することができる。従って、R1〜R12のそれぞれはさらに、例えば、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、ハリド、アミノ、ニトロ、シアノ、カルボニル、C−カルボキシ、O−カルボキシ、C−カルバミル、N−カルバミル、スルホニル、スルフィニル、スルホンアミド、ウレア、チオウレア、グアニジン、グアニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、N−スルホンアミドおよびS−スルホンアミドから独立して選択することができ、あるいは、R1〜R4の少なくとも2つおよび/またはR5〜R12の少なくとも2つは、少なくとも1つの4員、5員または6員の芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂環状環またはヘテロ脂環状環を形成する。
示された位置に配置される置換基(R1〜R12)のそれぞれの実現可能性は、置換基の原子価および化学的適合性、置換された位置、ならびに他の置換基に依存することが当業者によって理解される。従って、本発明は、任意の位置についての実現可能な置換基のすべてを包含することが意図される。
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、直鎖基および分枝鎖基を含む飽和した脂肪族炭化水素を示す。好ましくは、アルキル基は1個〜20個の炭素原子を有する。数値範囲、例えば「1個〜20個」が本明細書で述べられる場合は常に、それは基(この場合はアルキル基)が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などの20個までの炭素原子を含むということを意味する。さらに好ましくは、アルキル基は、1個〜10個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルキルである。最も好ましくは、他に示さない限り、アルキル基は、1個〜4個の炭素原子を有するアルキルである。アルキル基は、置換または非置換であり得る。
「シクロアルキル」基は、環の1つまたは複数が完全共役のπ電子系を有しない、すべて炭素からなる単環基または縮合環(すなわち、隣接炭素原子対を共有する環)基を示す。シクロアルキル基の非限定な例には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、シクロヘプタトリエンおよびアダマンタンがある。シクロアルキル基は、置換または非置換であり得る。
「アルケニル」基は、少なくとも2つの炭素原子と少なくとも1つの炭素−炭素二重結合からなるアルキル基を示す。
「アルキニル」基は、少なくとも2つの炭素原子と少なくとも1つの炭素−炭素三重結合からなるアルキル基を示す。
「アリール」基は、完全共役のπ電子系を有する、すべて炭素からなる単環基または縮合多環(すなわち、隣接炭素原子対を共有する環)基を示す。アリール基の非限定的な例には、フェニル、ナフタレニルおよびアントラセニルがある。アリール基は、置換または非置換であり得る。
「ヘテロアリール」基は、例えば、窒素、酸素およびイオウなどの1個または複数個の原子を環(1つまたは複数)に有し、さらには完全共役のπ電子系を有する単環基または縮合環(すなわち、隣接炭素原子対を共有する環)基を示す。ヘテロアリール基の非限定的な例には、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリンおよびプリンが含まれる。
「複素脂環」基は、例えば、窒素、酸素およびイオウなどの1個または複数個の原子を環(1つまたは複数)に有する単環基または縮合環基を示す。環はまた、1つまたは複数の二重結合を有することができる。しかしながら、環は完全共役のπ電子系を有しない。複素脂環基は、置換または非置換であり得る。代表的な例はピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モルホリノ及びその類似物である。
「ヒドロキシ」基は−OH基を示す。
「アルコキシ」基は、本明細書中で定義されるように、−O−アルキル基および−O−シクロアルキル基の両方を示す。
「アリールオキシ」基は、本明細書中で定義されるように、−O−アリール基および−O−ヘテロアリール基の両方を示す。
「チオヒドロキシ」基は−SH基を示す。
「チオアルコキシ」基は、本明細書中で定義されるように、−S−アルキル基および−S−シクロアルキル基の両方を示す。
「チオアリールオキシ」基は、本明細書中で定義されるように、−S−アリール基および−S−ヘテロアリール基の両方を示す。
「カルボニル」基は、本明細書中で定義されるように、−C(=O)−R′基(式中、R′は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、(環の炭素を通して結合された)ヘテロアリール、または(環の炭素を通して結合された)ヘテロ脂環状である)を示す。
「チオカルボニル」基は−C(=S)−R′基(式中、R′は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「C−カルボキシ」基は−C(=O)−O−R′基(式中、R′は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「O−カルボキシ」基はR′C(=O)−O−基(式中、R′は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「ハリド」基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示す。
「スルフィニル」基は−S(=O)−R′基(式中、R′は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「スルホニル」基は−S(=O)2−R′基(式中、R′は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「S−スルホンアミド」基は−S(=O)2−NR′R″基(式中、R′は本明細書中で定義される通りであり、R″はR′について定義されるのと同様である)を示す。
「N−スルホンアミド」基はR′S(=O)2−NR″基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「O−カルバミル」基は−OC(=O)−NR′R″−基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「N−カルバミル」基はR″OC(=O)−NR′−基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「O−チオカルバミル」基は−OC(=S)−NR′R″基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「N−チオカルバミル」基はR″OC(=S)NR′−基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「アミノ」基は−NR′R″基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「C−アミド」基は−C(=O)−NR′R″基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「N−アミド」基はR′C(=O)−NR″−基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「尿素」基は−NR′C(=O)−NR″R′′′基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りであり、R′′′はR′またはR″のいずれかについて定義されるのと同様である)を示す。
「グアニジノ」基は−R′NC(=N)−NR″R′′′基(式中、R′,R″およびR′′′は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「グアニル」基はR′R″NC(=N)−基(式中、R′およびR″は本明細書中で定義される通りである)を示す。
「ニトロ」基は−NO2基を示す。
「シアノ」基は−C≡N基を示す。
用語「ホスホニル」は−O−P(=O)(OR′)(OR″)基を示し、式中、R′およびR″は上述の通り定義される。
用語「ホスフィニル」は−PR′R″基(式中、R′およびR″は上述の通り定義される)を示す。
用語「チオ尿素」は、−NR′−C(=S)−NR″R′′′基(式中、R′およびR″は上述の通り定義されR′′′は本明細書中でR′およびR″について定義されるのと同様に定義される)を示す。
本明細書中に記載される方法のいずれかにおいて、H1アゴニストは、経口経路、経皮経路、静脈内経路、皮下経路、筋肉内経路、鼻腔内経路、心耳内経路、舌下経路、直腸経路、経粘膜経路、腸経路、口内経路、髄内経路、クモ膜下経路、直接的な脳室(心室)内経路、腹腔内経路または眼内経路から選択される任意の経路によって投与することができる。好ましくは、投与経路は、経口経路、経皮経路、口内経路、経粘膜経路、直腸経路または舌下経路から選択される。より好ましくは、H1アゴニストは、経口経路、口内経路または経皮経路を使用して投与される。
H1アゴニストは、場合により、また、好ましくは、1日あたり約2mg〜約96mgの総用量として投与される。より好ましくは、総用量は1日あたり約5mg〜約50mgであり、より好ましくは約10mg〜約50mgであり、さらにより好ましくは約16mg〜約48mgであり、最も好ましくは総用量は約24mg〜48mgである。
H1アゴニストは、好ましくは、1日あたり1回または数回、例えば、1日あたり約1回〜約4回で、より好ましくは、1日あたり2回で投与される。あるいは、H1アゴニストは、対象の空腹の発生に従って投与することができる。
下記の実施例の節において明らかにされるように、臨床的研究では、16mg用量のベタヒスチンを、被験者の食物摂取を制限することなく、1日に2回、1ヶ月間にわたって投与することにより、特にコントロール群と比較して、著しい体重減少がもたらされたことが示されている。
従って、本発明の1つの実施形態によれば、処置法は、対象の食物摂取を制限することなく、反復投与したとき、対象の、約1パーセントから約5パーセントに及ぶ体重減少が達成されるように行われる。
本明細書中上記で詳しく議論されているように、H1アゴニストの恒常的な存在はH1受容体の実質的なダウンレギュレーションをもたらし得るので、本発明に従ったより好ましい処置法は、体重のそのような低下が、H1受容体のダウンレギュレーションを生じさせることなく達成されるように行われる。そのような処置法は、選択されたH1アゴニストの半減期に合わせて服用間隔および投与間隔を調節することによって設計することができる。
投薬量は、用いられる投薬形態物および利用される投与経路に依存して変化し得る。的確な配合、投与経路および投薬量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選ぶことができる(例えば、Fingl他、1975、“The Pharmacological Basis of Therapeutics”(第1章、1頁)を参照のこと)。投薬量および投薬間隔は、調節効果を維持するために十分であるH1アゴニストの血漿中レベルを提供するように個々に調節することができる。
H1アゴニストが、8mgまたは16mgの錠剤として市販されているベタヒスチンであるとき、1日の投薬量範囲は24mg〜48mgであり、この量が分割用量で経口投与される。例えば、8mg錠剤が、1日に3回、1錠〜2錠として投与され、また、16mg錠剤が、1日に3回、0.5錠〜1錠として投与される。
本発明のH1アゴニストは、患者の利便性および服薬順守、ならびに、場合により、活性な薬剤の効率をさらに改善するために、活性な物質の低下した放出速度を有する徐放性調製物の形態で場合により投与することができる。放出速度が遅いほど、服用間隔内における血中濃度の変動が小さくなる。このことは、治療的濃度を長期間にわたって維持しながら、より大きい用量をより少ない頻度で与えることを可能にする。さらに、徐放性調製物は、一時的に高いピーク血中濃度に投与後直ちに到達するため、有効成分の潜在的な副作用を減少させることにおいて有益である。
徐放性調製物は、典型的には、徐放性の生分解性キャリアを含む。様々な徐放性の生分解性キャリアがこの分野では広く知られている。これらは、活性な化合物をその中に捕捉し、好適な環境(例えば、水性、酸性、塩基性などの環境)のもとでゆっくり分解/溶解し、それにより、体液中で分解/溶解し、その中の活性な化合物を放出し得る粒子を形成し得る物質である。そのような粒子は、好ましくは、ナノ粒子である(すなわち、ナノメートル範囲であり、例えば、直径が約1nm〜約500nmの範囲であり、好ましくは、直径が約50nm〜200nmの範囲であり、最も好ましくは、直径が約100nmである)。
薬物が放出される速度は、一般には、投薬形態物が崩壊または溶解する速度に依存する。崩壊は、一般には、GI液と接触している薬物の表面積を増大させ、それにより、薬物の溶解および吸収を促進させる。崩壊剤および他の賦形剤(例えば、希釈剤、滑剤、界面活性剤、結合剤、分散剤)が、多くの場合、これらの過程を容易にするために製造時に加えられる。界面活性剤は、薬物の湿潤性、溶解性および分散性を増大させることによって溶解速度を増大させる。固体形態物の崩壊は、錠剤化工程時に加えられた過度な圧力によって、または、錠剤を腸管の消化プロセスから保護するために施された特別なコーティングによって遅らせることができる。疎水性の滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)は、活性な薬物に結合し、その生物利用性を低下させることができる。
溶解速度により、吸収のための薬物の利用性が決定される。溶解が吸収よりも遅いとき、溶解が律速段階になる。全体的な吸収を、配合を操作することによって制御することができる。例えば、粒子サイズを低下させることは、薬物の表面積を増大させ、従って、遅い溶解によってその吸収が通常の場合には制限される薬物のGI吸収の速度および割合を増大させる。溶解速度は、薬物が、塩形態、結晶形態または水和物形態であるかどうかによって影響を受ける。
経口の徐放性形態物が、多くの場合、12時間を超えて治療的薬物濃度を維持するために設計される。吸収速度は、薬物粒子をワックスまたは他の水不溶性物質でコーティングすることによって、あるいは、薬物を、GI管の中を移行しているときに薬物がゆっくり放出されるマトリックスに埋め込むことによって、あるいは、薬物をイオン交換樹脂と複合体化することによって制御することができる。
従って、例えば、錠剤形態での徐放性配合物は、胃腸液と接触して膨潤してゲルを形成し、錠剤を包むバリアを生じさせる親水性ポリマーの使用に基づくことができる。このバリアにより、錠剤の内部と、周囲の媒体との間での物理的な交換が制限される。結果として、錠剤マトリックスに向かう水の侵入、および、薬物の拡散が遅くなり、これにより、薬物の制御された緩慢な放出を可能にする。
様々なタイプのポリマーを薬物の緩慢な放出のためのマトリックスとして使用することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンポリアミド、エチルセルロース、シリコーン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリラート)、他のアクリル系共重合体、およびポリ酢酸ビニル−ポリ塩化ビニル共重合体などを使用することができる。
従って、本発明のH1アゴニストを送達するための徐放性配合物は、約2時間から約24時間に及ぶ期間にわたる放出、好ましくは、約4時間から約24時間に及ぶ期間にわたる放出、従って、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間または少なくとも24時間の期間にわたる放出を提供する。あるいは、そのような徐放性配合物は、24時間を超え、48時間までの期間にわたるH1アゴニストの放出を提供する。
従って、本発明のこの態様による方法は、食物摂取を調節することが有益である任意の状態を処置するために効率的に使用することができる。このような状態には、例えば、過食、過体重、肥満、および、それらによって引き起こされるかまたは悪化する障害が含まれる。
これらの状態によって引き起こされるかまたは悪化する障害には、例えば、筋骨格障害(例えば、変形性関節症、脊椎関連痛など)、心臓血管障害(例えば、高血圧、動脈硬化など)、皮膚科学的障害(例えば、真菌感染症および他の感染症など)、睡眠障害(例えば、いびきおよび閉塞性睡眠時無呼吸など)、代謝状態(異常脂質血症、脂肪血症または高コレステロール血症など)、糖尿病および糖尿病関連の問題、ならびに、ガン(特に、乳ガン、前立腺ガンおよび結腸ガン)が含まれる。それらによって引き起こされるか、または悪化する様々な障害による死亡の相対的な危険性に対する過体重(これはボディマス指数によって表される)の影響が図3において明らかにされる。図3に示されるように、心臓血管疾患が、正常なボディマス指数範囲(すなわち、18.5〜24.9)に含まれる被験者と比較して、男性および女性の両方で、過体重の被験者では著しく増大する。さらなる急激な増大が、肥満として分類された被験者(すなわち、30を超えるボディマス指数を有する被験者)において観測される。同様に、ガンによる死亡の相対的危険性の増大が、過体重の被験者において、特に肥満の被験者において認められ、より大きな増大が女性の間に認められる。他の原因による死亡の相対的危険性が、肥満者では急激に増大することが認められる。
本発明のこの態様による方法によって処置可能であるさらなる状態には、例えば、心理学的要因に関連する状態、例えば、むちゃ食い障害、夜間摂食症候群、異常なまでの摂食、強迫性摂食および過食症が含まれる。
あるいは、状態は、体重増加がしばしば伴う薬物処置、例えば、ステロイドホルモンまたは精神活性薬剤(例えば、従来の抗うつ剤、ベンゾジアゼピン系薬剤、リチウムおよび抗精神病薬など)による処置などに関連する場合がある。
この分野で記載されるように、ヒスタミン作動系は、ステロイド誘導による体重増加および抗精神病剤誘導による体重増加に関連する体重増加に関係している(Poyurovsky他、2005)。従って、本発明のH1受容体アゴニストは、そのヒスタミン作動性活性のためにヒトにおいて食欲刺激および体重増加を引き起こすことが知られている薬物処置と一緒に同時投与することができる。この場合に利用されるH1アゴニストは、上記のステロイド系薬物または抗精神病薬物の食欲刺激性のヒスタミン作動性活性を妨害し、従って、そのような薬物処置によって引き起こされる体重増加を防止または低下させることが推定される。
本明細書中に記載されるH1受容体アゴニストはさらに、カロリー制限に対するヒト対象の順守を改善するために効率的に使用することができる。従って、本発明の別の態様によれば、カロリー制限に対するヒト対象の順守を改善する方法が提供され、この場合、この方法は、本明細書中に記載されるようなH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することによって行われる。この方法は、本発明のこの態様によれば、体重削減食または任意の他のカロリー制限を受けているヒト対象に関して有益に実施することができる。
ヒト対象において食物摂取を効率的に調節し、かつ、カロリー制限に対するその順守を改善することによって、本明細書中上記で記載された方法はさらに、体重減少を誘導するために、あるいは、体重削減食の後またはその期間中において体重減少を維持するか、または、体重増加を防止するために、あるいは、体重増加に関連する状態を有する対象において体重増加を防止するために使用することができる。体重減少を誘導または維持するために、本発明のH1受容体アゴニストは場合により、他の処置方法との併用で、例えば、食事治療、運動治療、行動治療、薬物治療または手術治療などとの併用で投与することができる。
本明細書中に記載されるH1受容体アゴニストはさらに、脂肪を摂取したいというヒト対象の欲望を低下させるために効率的に使用することができる。いくつかの神経伝達物質および神経調節物質が食事量および食物選択の両方を多量栄養素特異的な様式で規制することが示されている(Lecklin他、2002)。例えば、本明細書中上記で議論されたように、また、図1および図2でさらに明らかにされるように、メトプリンは、ラットにおいて脂肪の1日摂取を抑制し、その一方で、炭水化物またはタンパク質の摂取に対して影響がないことが示されている。このことは、脳のヒスタミン含有量の増大が、脂肪を摂取したいという欲望に特異的に影響し得ることを示している。
下記の実施例の節において明らかにされるように、ベタヒスチン処置は28日間の試験を通してヒト対象において脂肪摂取の著しい減少をもたらし、その一方で、炭水化物の摂取は著しく変化しなかったことが見出されている。従って、本発明のH1受容体アゴニストの投与によって引き起こされる脳内ヒスタミンの増大は、脂肪を摂取したいというヒト被験者の欲望を低下させることにおいて効果的であった。
従って、本発明のさらに別の態様によれば、脂肪を摂取したいというヒト対象の欲望を低下させる方法が提供され、この場合、この方法は、本明細書中に記載されるH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することによって行われる。
本発明のH1アゴニストがヒトにおいて脂肪摂取を低下させるという臨床的発見は、肥満被験者に関してだけでなく、脂肪摂取に関連する状態、および/または、低下した脂肪摂取が有益である状態に苦しんでいる患者に関してもまた、このうえなく重要である。
従って、本発明のさらなる態様によれば、低下した脂肪摂取が有益である状態を処置する方法が提供され、この場合、この方法は、本明細書中に記載されるようにH1アゴニストの治療効果的な量をその必要性のある対象に投与することによって行われる。
対象の脂肪摂取を低下させることはさらに、代謝障害に関連する状態を処置するために利用することができる。
従って、本発明のさらに別の態様によれば、ヒト対象において代謝障害に関連する状態を処置する方法が提供され、この場合、この方法は、本明細書中に記載されるH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することによって行われる。
そのような状態は、典型的には、代謝異常に関連し、より具体的には、代謝産物(例えば、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールおよびトリグリセリドなど)の有害な不均衡に関連し、そのような状態には、例えば、高コレステロール血症または脂肪血症などの異常脂質血症が含まれる。
異常脂質血症はリポタンパク質代謝の障害であり、これには、リポタンパク質の過剰産生または欠乏が含まれる。このような障害は、総コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールおよびトリグリセリドの血清中濃度の上昇によって、また、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール濃度の低下によって現れる場合があり、従って、このような障害には、例えば、脂肪血症および高コレステロール血症が含まれる。
脂肪血症は、過度な脂肪または脂質が対象の血液に見出される状態である。
高コレステロール血症は、高レベルのコレステロールが対象の血液に見出される状態である。
直接的なつながりが、冠状動脈疾患と、異常脂質血症との間で示されている。異常脂質血症は、起源が遺伝的である場合があり、あるいは、食事的要因(例えば、過度な飽和脂肪、「trans」脂肪酸、コレステロール、過度なカロリーまたはアルコールなど)または薬物使用(ステロイドホルモン、利尿剤、β−遮断剤、シクロスポリンおよびアミオダロン、またはオランザピンが含まれる)に起因する場合がある。異常脂質血症はまた、甲状腺機能低下症、糖尿病、肝胆汁性閉塞、腎炎症候群および慢性腎不全に、または、全身性疾患、例えば、ポルフィリン症、全身性エリテマトーデスおよびリンパ腫などに関連する場合がある。異常脂質血症の薬理学的処置のための最も一般的に使用されている選択肢には、フィブラート系薬剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、スタチン類など)、胆汁酸封鎖剤、コレステロール吸収阻害剤、ニコチン酸およびその誘導体が含まれる。
高いコレステロールレベルは、異常脂質血症の他の症状発現と同様に、動脈内におけるプラーク沈着物の形成および蓄積を引き起こし、これにより、動脈内でのプラーク破裂および遮断をもたらすことがあり、これらは、心臓発作、卒中、循環障害および死に対する危険性を増大させる。従って、異常脂質血症によって現れる代謝障害に罹患している患者は、典型的には、コレステロール代謝に影響を及ぼす薬物が処方される前に、第1の措置として低脂肪食を取るように指示される。しかしながら、このような指示に関する患者の順守は一般に高くなく、現在では、患者がそのような食事を守ることを助けるための入手可能な薬物は存在しない。従って、本発明のH1アゴニストは、脂肪を摂取したいという患者の欲望を低下させることにおいて、そのような患者が低脂肪食を維持することを助ける。
従って、本発明のさらに別の態様によれば、ヒト対象において総コレステロールレベルを低下させる方法が提供され、この場合、この方法は、本明細書中に記載されるH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することによって行われる。
総コレステロールはHDLコレステロールおよびLDLコレステロールからなる。高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールは、一般には「善玉」コレステロールと呼ばれており、コレステロールを動脈から運び去り、コレステロールが身体から排出される肝臓に戻す傾向がある。HDLコレステロールは過剰なコレステロールを動脈内のプラークから除去し、従って、蓄積を遅くすることもまた考えられている。従って、HDLコレステロールの増大は有益であると見なされる。対照的に、LDLコレステロールは、プラーク形成およびプラーク沈着物に関わっているので、「悪玉」コレステロールであると見なされている。LDLコレステロールを低下させることは、動脈壁における新しいコレステロールプラークの形成を低下または停止させること;動脈壁における存在するコレステロールプラークを減少させること;狭くなった動脈を広げること;凝血塊形成を開始させるコレステロールプラークの破裂を防止すること;心臓発作の危険性を低下させること;および、卒中の危険性を低下させることに関わっていると考えられている。
従って、本発明のさらに別の態様によれば、ヒト対象において低密度リポタンパク質コレステロールのレベルを低下させ、かつ、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルを増大させる方法が提供され、この場合、この方法は、本明細書中に記載されるH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することによって行われる。
トリグリセリドは、正常な量で存在するときには良好な健康状態のために不可欠である一般的なタイプの脂肪(脂質)である。トリグリセリドは身体の脂肪組織の約95パーセントを占める。トリグリセリドは食物に存在し、また、身体によって生産される。異常に高いトリグリセリドレベルは数多くの疾患および状態(例えば、肝硬変、甲状腺機能の低下、良好に制御されていない糖尿病、および膵炎など)に関連する。高いトリグリセリドレベルはまた、心臓疾患に対する知られている危険因子(例えば、低いレベルのHDLコレステロール、高いレベルのLDLコレステロール、および肥満など)に関連する。トリグリセリドはまた、アテローム性動脈硬化の一因であると考えられる場合がある。
従って、本発明のさらに別の態様によれば、ヒト対象においてトリグリセリドのレベルを低下させる方法が提供され、この場合、この方法は、本明細書中に記載されるH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することによって行われる。
本明細書中に記載される方法のいずれかにおいて、H1アゴニストは、場合により、処置されている状態に影響を及ぼし得るさらなる活性な薬剤の治療効果的な量と一緒に投与することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、さらなる有効成分は、例えば、体重規制剤であることができる。現在知られ、また、承認されている体重規制剤または関連した物質はどれもこの実施形態に従って使用することができる。従って、そのような有効成分の代表的な例には、例えば、リパーゼ阻害剤が含まれる。本発明のH1アゴニストとの同時投与のために好適であるリパーゼ阻害剤の非限定的な一例がオービタルであり、これは、腸管の内腔において胃腸リパーゼに結合し、吸収可能な遊離脂肪酸およびモノアシルグリセロールへの食事性脂肪の加水分解を妨げることによって作用する。オービタルは、現在、栄養吸収を低下させる、肥満についての唯一のFDA承認薬である。
そのような有効成分のさらなる例には、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)が含まれる。本発明のH1アゴニストとの同時投与に好適なSSRIの非限定的な一例がシブルタミンであり、これは、ドーパミン再取り込みもまた弱く阻害する、ノルエピネフリン再取り込みおよびセロトニン再取り込みの両方の阻害剤であり、減量食との併用での体重減少および体重維持についてFDAによって承認されている。
そのような有効成分のさらなる例には、限られた期間にその投与が制限され得るが、アンフェタミン系薬剤が含まれる。本発明のH1アゴニストとの同時投与に好適なアンフェタミン系薬剤の非限定的な一例がフェンテルミンである。
そのような有効成分のさらなる例には、カンナビノイド受容体アンタゴニストが含まれる。本発明のH1アゴニストとの同時投与に好適なカンナビノイド受容体アンタゴニストの非限定的な一例がリモナバントであり、これは、第III相試験を現在受けている最近になって開発された薬物であり、大食を止めさせることが主張されている。
あるいは、さらなる活性な薬剤は、筋骨格障害、心臓血管障害、皮膚科学的障害、睡眠障害、代謝状態、異常脂質血症(高コレステロール血症および脂肪血症を含む)、糖尿病または糖尿病関連状態を処置するための薬剤である場合がある。
筋骨格障害を処置するための薬剤の代表的な例には、限定されないが、抗炎症剤(非ステロイド系抗炎症薬を含む)、筋弛緩剤、抗痛風剤(例えば、アロプリノール、コルヒチンおよび尿酸排泄促進薬など)、免疫抑制剤(例えば、グルココルチコイド、金および細胞毒性剤など)、および、骨石灰化に影響を及ぼす薬物(例えば、ジホスホナート系薬剤、カルシトニン、エストロゲンアナログ)が含まれる。
非ステロイド系抗炎症薬の代表的な例には、限定されないが、ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカムおよびCP−14,304;サリチラート系薬剤、例えば、アスピリン、ジサルシド、ベノリラート、トリリサート、サファプリン、ソルプリン、ジフルニサールおよびフェンドサールなど;酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセマタシン、フェンチアザク、ゾメピラク、クリンダナク、オキセピナク、フェルビナクおよびケトロラクなど;フェナマート系薬剤、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸など;プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロプフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェンおよびチアプロフェニクなど;ピラゾール系薬剤、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾンおよびトリメタゾンなどが含まれる。
ステロイド系抗炎症薬の代表的な例には、限定されないが、コルチコステロイド系薬剤が含まれ、例えば、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシトリアムシノロン、α−メチルデキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、酢酸デスオキシコルチコステロン、デキサメタゾン、ジクロリゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、フルドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルラドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルオロゾン、フルラドレノロン、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルロゾン、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾンおよびそのエステルの残り、クロロプレドニゾン、酢酸クロルプレドニゾン、クロコルテロン、クレシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドナート、フルクロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、シクロペンチルプロピオン酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルタマート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ならびに、その混合物が含まれる。
心臓血管障害を処置するための薬剤の代表的な例には、限定されないが、α−アドレナリン作動性遮断薬(例えば、ドキサゾシン、プラゾシンまたはテラゾシンなど);アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、エナラプリルまたはリシノプリルなど);抗不整脈薬(例えば、アミオダロンなど);抗凝固剤、抗血小板剤または血栓溶解剤(例えば、アスピリンなど);β−アドレナリン作動性遮断薬(例えば、アセブトロール、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、ピンドロールまたはプロパノロールなど);カルシウムチャネル遮断剤(例えば、ジルチアゼム、ニカルジピン、ベラパミルまたはニモピジピンなど);中枢作用薬(例えば、クロニジン、グアンファシンまたはメチルドーパなど);ジギタリス薬物(例えば、ジゴキシンなど);利尿剤(例えば、クロルタリドンなど);ニトラート系薬剤(例えば、ニトログリセリンなど);末梢アドレナリン作動性アンタゴニスト(例えば、レセルピンなど);および血管拡張剤(例えば、ヒドララジンなど)が含まれる。
睡眠障害を処置するための薬剤の代表的な例には、限定されないが、催眠性薬物、例えば、ベンゾジアゼピン系薬剤(フルラゼパム、エスタゾラム、テマゼパムおよびトリアゾラムを含む);ザレプロンおよびゾルピデム;エスゾピクロン;抗うつ剤、例えば、トラゾドンなど;抗ヒスタミン剤(例えば、ジフェンヒドラミン製剤など)が含まれる。
糖尿病を処置するための薬剤の代表的な例には、限定されないが、スルホニルウレア系薬剤(例えば、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリドおよびグリメピリドなど)、メグリチニド系薬剤(例えば、レパグリニドまたはナテグリニドなど)、ビグアニド系薬剤(例えば、メトホルミンなど)、チアゾリジンジオン系薬剤(例えば、ロシグリタゾン、トログリタゾンまたはピオグリタゾンなど)、ならびに、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボースまたはメグリトールなど)およびインスリンが含まれる。
異常脂質血症を処置するための薬剤の代表的な例には、限定されないが、フィブラート系薬剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、胆汁酸封鎖剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール生合成阻害剤、ニコチン酸およびその誘導体が含まれる。
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(スタチン類)は、コレステロール産生速度を調節する酵素を阻害し、また、血液中に存在するLDLコレステロールの肝臓によるクリアランスを増大することによってLDLコレステロールのレベルを効果的に低下させるよく知られている薬物である。一般に処方されるスタチン類の代表的な例には、アトルバスチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチンおよびシムバスタチンが含まれる。
ペルオキシソーム増殖性活性化受容体(PPAR)アゴニストは、フィブラート系薬剤としてもまた知られており、脂質およびグルコースの代謝において重要な役割を果たす核受容体スーパーファミリーの脂肪酸活性化メンバーであり、肥満に関連した代謝性疾患(例えば、高脂血症など)、インスリン抵抗性および冠状動脈疾患に関係している。フィブラート系薬剤は、上昇した血漿トリグリセリドおよび血漿コレステロールを低下させることにおいて一般に効果的であり、PPARアゴニストとして作用する。フィブラート系薬剤の最も顕著な効果には、血漿中の富トリグリセリドリポタンパク質(TRL)における低下が含まれる。LDLコレステロール(LDL−C)のレベルは、一般には、基礎的な血漿中濃度が上昇している個体では低下し、HDLコレステロール(HDL−C)レベルは、通常、基礎的な血漿中濃度が低いときには増大する。一般に処方されるフィブラート系薬剤の非限定的な例には、ベザフィブラート、ゲムフィブロジルおよびフェノフィブラートが含まれる。
コレステロール吸収阻害剤の代表的な例には、エゼチミベが含まれる。エゼチミベは、トリグリセリドまたは脂溶性ビタミンの吸収に影響を及ぼすことなく、腸上皮の刷子縁における食事性コレステロールおよび胆汁性コレステロールの吸収を強力かつ選択的に阻害する新しいクラスのコレステロール吸収阻害剤の最初のものである。従って、エゼチミベは肝臓への全体的なコレステロール送達を減少させ、二次的には、LDL受容体の増大した発現を誘導し、血漿からのLDL−Cの増大した除去をもたらす。
コレステロール吸収はまた、マクロファージ内および動脈壁内におけるコレステリルエステルの蓄積を低下させ、従って、泡沫細胞の形成を低下させ、かつ、コレステロール吸収に影響を及ぼすことにより、コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害剤(これはアテローム発生において大きな役割を果たしている)によって影響され得る。最も有望な現在知られているCETP阻害剤はアビシミベである。
コレステロール生合成阻害剤の代表的な例には、スクアレン阻害剤(例えば、モノオキシゲナーゼおよびシンターゼなど)が含まれる。スクアレンは、β−カロテンに構造的に類似するイソプレノイド化合物であり、コレステロールの合成における中間代謝産物である。ヒトでは、食事性スクアレンの約60パーセントが吸収される。吸収されたスクアレンは、一般には超低密度リポタンパク質との会合状態で血清中において輸送され、ヒト組織に万遍なく分配され、最も大きな濃度が皮膚であり、皮膚では、スクアレンは皮膚表面脂質の主要な構成成分の1つである。スクアレン阻害剤(例えば、モノオキシゲナーゼおよびシンターゼ)はコレステロール生合成阻害剤として役立つ。
ニコチン酸は、総コレステロールレベル、LDLコレステロールレベルおよびトリグリセリドレベルを低下させ、一方では、HDLコレステロールレベルを上昇させる既知の薬剤である。3つのタイプのニコチン酸薬物が存在する:即時放出、徐放性および長期放出。ニコチン酸またはナイアシン(水溶性ビタミンB)は、ビタミン要求を十分に超える用量で与えられたとき、すべてのリポタンパク質を改善する。
本発明のこの実施形態に従って利用され得るさらなる活性な薬剤には、例えば、鎮痛剤、増殖因子およびトキシンが含まれる。
鎮痛剤(痛み緩和剤)の非限定的な例には、アスピリンおよび他のサリチラート系薬剤(例えば、サリチル酸コリンまたはサリチル酸マグネシウムなど)、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ならびにアセトアミノフェンが含まれる。
増殖因子は、接着分子産生の調節、細胞増殖を変化させること、血管化を増大させること、コラーゲン合成を高めること、骨代謝を調節すること、および、特定の領域への細胞の遊走を変化させることをはじめとする数多くの機能を有するホルモンである。増殖因子の非限定的な例には、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)、トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)および骨形態形成タンパク質(BMP)などが含まれる。
トキシンの非限定的な例には、アジュバントとしてもまた役立つコレラトキシンが含まれる。
上記の方法および態様のそれぞれで利用されるとき、本発明のH1アゴニストは、場合により、また、好ましくは、医薬組成物の一部を形成する。医薬組成物は、H1アゴニストに加えて、医薬的に許容され得るキャリアを含み、また、場合により、結合剤、安定化剤、希釈剤、賦形剤、界面活性剤、香料および着色剤から選択される1つまたは複数の成分をさらに含むことができる。
医薬組成物の目的は、生物(本明細書中では、ヒト)への有効成分(本明細書中では、上記のH1アゴニスト)の投与を容易にすることである。本発明の医薬組成物は、この分野で広く知られているプロセスによって、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、包括化または凍結乾燥の従来のプロセスによって製造することができる。
そのような医薬用キャリアは無菌の液体が可能であり、例えば、水およびオイル(これには、石油起源、動物起源、植物起源または合成起源のオイル、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油およびゴマ油などが含まれる)が可能である。医薬組成物が静脈内投与されるとき、水が好ましい。生理的食塩水溶液およびデキストロース溶液およびグリセロール溶液もまた、特に注射用溶液については液体キャリアとして用いることができる。
好適な医薬用賦形剤には、限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖および各種のデンプン、セルロール誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアラート、タルク、塩化ナトリウム、グリセロール、プロピレングリコール、水およびエタノールなどが含まれる。組成物はまた、所望されるならば、少量の湿潤化剤または乳化剤、あるいはpH緩衝化剤を含有することができる。これらの組成物は、溶液、懸濁物、乳剤、錠剤、ピル、カプセル、粉末剤および持続放出配合物などの形態を取ることができる。
有効成分の配合および投与のためのさらなる技術を“Reminton’s Pharmaceutical Sciences”(Mack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版において見出すことができる(これは、本明細書中に詳しく示されているかのように参考として本明細書中に組み込まれる)。
本明細書中に記載される医薬組成物はまた、固相またはゲル相の好適なキャリアまたは賦形剤を含むことができる。そのようなキャリアまたは賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロール誘導体、ゼラチンおよびポリマー(例えば、ポリエチレングリコールなど)が含まれるが、これらに限定されない。
従って、本発明による使用のための医薬組成物は、医薬品として使用することができる調製物への有効成分の加工を容易にする、賦形剤および補助剤を含む1つまたは複数の医薬的に許容され得るキャリアを使用して従来の様式で配合することができる。適正な配合は、選ばれた投与経路に依存する。
経口送達される配合物は標準的なキャリアを含むことができ、例えば、医薬品規格のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含むことができる。好適な医薬用キャリアの様々な例が、E.W.Martinによる“Remington’s Pharmaceutical Sciences”に記載される。そのような組成物は、患者への適正な投与のための形態を与えるように、治療効果的な量の化合物を、好ましくは精製された形態で、好適な量のキャリアと一緒に含む。配合は投与様式について好適でなければならない。
経口投与のために、有効成分は、有効成分をこの分野で広く知られている医薬的に許容され得るキャリアと組み合わせることによって容易に配合することができる。そのようなキャリアは、本発明の有効成分が、患者による経口摂取のための錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー剤および懸濁物などとして配合されることを可能にする。経口使用される薬理学的調製物を、錠剤または糖衣錠コアを得るために、固体の賦形剤を使用し、得られた混合物を場合により粉砕し、そして、所望されるならば、好適な補助剤を加えた後で顆粒の混合物を加工して作製することができる。好適なキャリアは、具体的には、充填剤、例えば、糖(ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む);セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなど;および/または生理学的に許容され得るポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)などである。所望されるならば、崩壊剤を加えることができる(例えば、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、または、アルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウムなど)など)。
糖衣錠コアには、好適なコーティングが施される。この目的のために、高濃度の糖溶液を使用することができ、この場合、糖溶液は、場合により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有することができる。色素または顔料を、有効成分の量を特定するために、または有効成分の量の種々の組合せを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠コーティングに加えることができる。
経口使用され得る医薬組成物には、ゼラチンから作製されたプッシュ・フィット型カプセル、ならびに、ゼラチンおよび可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトールなど)から作製された軟らかいシールされたカプセルが含まれる。プッシュ・フィット型カプセルは、充填剤(例えば、ラクトースなど)、結合剤(例えば、デンプンなど)、滑剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)および場合により安定化剤との混合で有効成分を含有することができる。軟カプセルでは、有効成分を好適な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液状のポリエチレングリコールなど)に溶解または懸濁させることができる。加えて、安定化剤を加えることができる。経口投与される配合物はすべて、選ばれた投与経路について好適な投薬量でなければならない。
経皮投与のために、組成物を、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ローション、乳液、懸濁物、エアロゾル、スプレー物、フォーム、漿液、スワブ剤、綿撒糸、パッドまたはパッチの形態で配合することができる。経皮送達用の配合物は、典型的には、キャリアを含むことができ、例えば、水、液状のアルコール、液状のグリコール、液状のポリアルキレングリコール、液状のエステル、液状のアミド、液状のタンパク質加水分解物、液状のアルキル化タンパク質加水分解物、液状のラノリン、ラノリン誘導体、グリセリン、鉱油、シリコーン、ワセリン、ラノリン、脂肪酸、植物油、パラベン類、ワックス、および、局所用組成物において一般に用いられる同様な物質を含むことができる。当業者に知られている様々な添加剤を本発明の経皮用配合物において含むことができる。例えば、溶媒を、特定の有効成分物質を可溶化するために使用することができる。場合により使用される他の添加剤には、皮膚浸透増強剤、乳白剤、酸化防止剤、ゲル化剤、増粘剤および安定化剤などが含まれる。
口内投与のために、組成物は、従来の様式で配合された錠剤またはトローチの形態を取ることができる。
吸入による投与のために、本発明に従って使用される有効成分は、好適な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは二酸化炭素)の使用により加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー提示物の形態で都合よく送達される。加圧されたエアロゾルの場合、投薬量単位が、計量された量を送達するためのバルブを備えることによって決定され得る。吸入器または粉吹き器において使用される、例えば、ゼラチン製のカプセルおよびカートリッジで、有効成分および好適な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはデンプンなど)の粉末混合物を含有するカプセルおよびカートリッジを配合することができる。
本明細書中に記載される有効成分は、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために配合することができる。注射用配合物は、場合により保存剤が添加されている、例えば、アンプルまたは多回用量容器における単位投薬形態で提供され得る。組成物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクルにおける懸濁物または溶液剤またはエマルションにすることができ、また、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤などの配合剤を含有することができる。
非経口投与される医薬組成物には、水溶性形態での活性な調製物の水溶液が含まれる。さらに、有効成分の懸濁物を適切な油性の注射用懸濁物として調製することができる。好適な親油性の溶媒またはビヒクルには、脂肪油(例えば、ゴマ油など)、あるいは、合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルなど)、トリグリセリドまたはリポソームが含まれる。水性の注射用懸濁物は、懸濁物の粘度を増大させる物質、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランなどを含有することができる。場合により、懸濁物はまた、高濃度溶液の調製を可能にするために有効成分の溶解性を増大させる好適な安定化剤または薬剤を含有することができる。
組成物は、例えば、カカオ脂または他のグリセリドなどの従来の坐薬基剤を使用して、坐薬または停留浣腸剤などの直腸用組成物として配合することができる。
本明細書中に記載される医薬組成物はまた、固相またはゲル相の好適なキャリアまたは賦形剤を含むことができる。そのようなキャリアまたは賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチンおよびポリマー(例えば、ポリエチレングリコールなど)が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の組成物は、所望される場合には、有効成分を含有する1つまたは複数の単位投薬形態物を含有し得るパックまたはディスペンサーデバイス(例えば、FDA承認キットなど)で提供され得る。パックは、例えば、金属箔またはプラスチック箔を含むことができ、例えば、ブリスターパックなどである。パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための説明書が添付され得る。パックまたはディスペンサーにはまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府当局により定められた形式で容器に付けられた通知が伴うことがあり、この場合、そのような通知は、組成物の形態またはヒトもしくは動物への投与の当局による承認を反映する。そのような通知は、例えば、処方薬物についての米国食品医薬品局によって承認されたラベル書きであり得るか、または承認された製品添付文書であり得る。適合し得る医薬用キャリアに配合された、本発明のH1アゴニストと、場合により使用される他の有効成分とを含む組成物もまた、本明細書中において詳述されるように、適応される状態を処置するために、調製され、適切な容器に入れられ、かつ表示され得る。
本発明の追加の目的、利点及び新規な特徴は、下記実施例を考察すれば、当業技術者には明らかになるであろう。なおこれら実施例は本発明を限定するものではない。さらに、先に詳述されかつ本願の特許請求の範囲の項に特許請求されている本発明の各種実施態様と側面は各々、下記実施例の実験によって支持されている。
上記説明とともに、以下の実施例を参照して本発明を例示する。なおこれら実施例によって本発明は限定されない。
実施例1
下記の研究を、食物摂取に対するベタヒスチンの経口投与の影響を評価するために行った:
肥満ではあるが、それ以外は健康である20名を募集した。募集時の20名の特徴を表1に示す。研究のための除外基準は、18歳未満の年齢、進行中の疾患、薬物使用、ベタヒスチンの使用についての既知の過敏性または禁忌であった。
下記の研究を、食物摂取に対するベタヒスチンの経口投与の影響を評価するために行った:
肥満ではあるが、それ以外は健康である20名を募集した。募集時の20名の特徴を表1に示す。研究のための除外基準は、18歳未満の年齢、進行中の疾患、薬物使用、ベタヒスチンの使用についての既知の過敏性または禁忌であった。
各被験者は、16mgのベタヒスチンを10:00および16:00に受けるように、または偽薬を受けるように無作為に割り当てられた。体重、カロリー摂取(24時間の再現)、および、その日の食欲(VAS、視覚的アナログ尺度)を、研究の0日目、14日目および28日目に得た。被験者は、制限することなく、食欲に従って食事するように指示された。
集められた20名の被験者のうち、8名が研究を完了せず、最終的な分析から除外された:
被験者No.3(偽薬)は副作用(すなわち、衰弱)のために3日目に脱落した。
被験者No.5(ベタヒスチン)は、食物を何ら摂取させない食物嫌悪を5日目に報告した。この女性被験者は、用量を半減することが指示され、結果の分析から除外された。
被験者No.9(偽薬)はプロトコル違反のために除外された。
被験者No.11(偽薬)は流感のために4週目に脱落した。
被験者No.13(偽薬)は追跡調査されなかった。
被験者No.15(ベタヒスチン)は流感のために4週目に脱落した。
被験者No.16(偽薬)は呼吸困難のために3週目に脱落した。
被験者No.17(ベタヒスチン)は追跡調査されなかった。
被験者No.3(偽薬)は副作用(すなわち、衰弱)のために3日目に脱落した。
被験者No.5(ベタヒスチン)は、食物を何ら摂取させない食物嫌悪を5日目に報告した。この女性被験者は、用量を半減することが指示され、結果の分析から除外された。
被験者No.9(偽薬)はプロトコル違反のために除外された。
被験者No.11(偽薬)は流感のために4週目に脱落した。
被験者No.13(偽薬)は追跡調査されなかった。
被験者No.15(ベタヒスチン)は流感のために4週目に脱落した。
被験者No.16(偽薬)は呼吸困難のために3週目に脱落した。
被験者No.17(ベタヒスチン)は追跡調査されなかった。
この研究における参加者の総カロリー摂取に対するベタヒスチン処置の影響、ならびに、脂肪、炭水化物およびタンパク質の特異的な摂取に対するベタヒスチン処置の影響もまた調べた。得られたデータを図4および図5に示す。
図4において認められ得るように、ベタヒスチンによる処置は、偽薬と比較して、総カロリー摂取を低下させることが見出された。カロリー摂取が、14日目の処置で、処置前のレベルの80パーセントに低下し、28日目では68パーセントに低下した。偽薬を受けている被験者に関しては、低下は見られなかった。
図5において認められ得るように、炭水化物摂取におけるほんの小さい減少がベタヒスチン処置により生じた(6%)が、脂肪およびタンパク質の摂取はそれぞれ49%および35%減少した。同時に、偽薬で処置された患者は、その炭水化物摂取、脂肪摂取およびタンパク質摂取を、それぞれ、24%、3%および37%増大させた。
従って、ベタヒスチンはヒト被験者のカロリー摂取および脂肪摂取著しく低下させることが明らかである。従って、ベタヒスチンの投与は、カロリー制限に対するヒト被験者の順守を改善させるために、また、脂肪を摂取したいというヒト被験者の欲望を低下させるために、その両方で効率的に利用することができる。
体重変化に対するベタヒスチン投与の影響もまた調べた。結果を図6に示す。処置群における7名の被験者のうちの4名が、偽薬群における5名のうちの1名だけと比較して、研究期間中に1kgを超える減量であった。
これらの臨床的データは、ベタヒスチンが体重管理のための効率的な薬物であることを明確に示している。
実施例2
さらなる研究において、健康な過体重の女性を、何らかの食事変化を用いることなく1ヶ月間にわたって、16mgのベタヒスチンで1日に2回、処置した。血液検査で観測されるようにこの女性のいくつかの代謝産物のレベルをベタヒスチン処置の前後で測定した。それらのレベルを下記の表2に示す。
さらなる研究において、健康な過体重の女性を、何らかの食事変化を用いることなく1ヶ月間にわたって、16mgのベタヒスチンで1日に2回、処置した。血液検査で観測されるようにこの女性のいくつかの代謝産物のレベルをベタヒスチン処置の前後で測定した。それらのレベルを下記の表2に示す。
表2において認められるように、結果は、研究された30日の期間中、被験者の総コレステロールレベルが低下し、LDLコレステロールのレベルにおける対応する低下、および、HDLコレステロールのレベルにおける増大が伴うことを示している。トリグリセリドのレベルが低下し、その一方で、フルクトースアミンのレベルが非常にわずかに増大していた。従って、被験者は、(フルクトースアミンレベルのわずかな増大によって示されるように)炭水化物摂取を低下させることなく、(LDLコレステロールの低下によって示されるように)脂肪摂取を制限したことが結論される。このことは、ベタヒスチンがヒト被験者において脂肪摂取を低下させることに対する特異的な効果を有することを示している。
明確にするため別個の実施態様で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施態様に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施態様で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更及び変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更及び変形すべてを包含するものである。
Claims (46)
- ヒト対象において食物摂取を調節することが有益である状態を処置する方法であって、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む方法。
- カロリー制限に対するヒト対象の順守を改善する方法であって、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む方法。
- 脂肪を摂取したいというヒト対象の欲望を低下させる方法であって、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む方法。
- 必要があるヒト対象における代謝障害に関連する状態を処置する方法であって、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む方法。
- 必要があるヒト対象において総コレステロールレベルを低下させる方法であって、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む方法。
- 必要があるヒト対象において低密度リポタンパク質コレステロールのレベルを低下させ、かつ、高密度リポタンパク質コレステロールのレベルを増大させる方法であって、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む方法。
- 必要があるヒト対象においてトリグリセリドのレベルを低下させる方法であって、少なくとも3時間の薬理学的半減期を有するH1アゴニストの治療効果的な量を対象に投与することを含む方法。
- 前記薬理学的半減期は約3時間から約5時間に及ぶ請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記H1アゴニストはさらにH3アンタゴニストである請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記H1アゴニストは血液脳関門透過性によって特徴づけられる請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記H1アゴニストは、ベタヒスチン、ベタヒスチン代謝産物、ベタヒスチンの医薬的に許容され得る塩、ベタヒスチンプロドラッグ、ベタヒスチン誘導体、および、それらの任意の組合せからなる群から選択される請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ベタヒスチン代謝産物は、2−(2−アミノエチル)ピリジンおよび2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジンからなる群から選択される請求項11に記載の方法。
- 前記ベタヒスチンの塩は、ベタヒスチン二塩酸塩、ベタヒスチンメシラートおよびベタヒスチントリメブチンマレアートからなる群から選択される請求項11に記載の方法。
- 前記投与は、経口経路、経皮経路、静脈内経路、皮下経路、筋肉内経路、鼻腔内経路、心耳内経路、舌下経路、直腸経路、経粘膜経路、腸経路、口内経路、髄内経路、クモ膜下経路、直接的な脳室(心室)内経路、腹腔内経路および眼内経路からなる群から選択される経路によって行われる請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与は、経口経路によって行われる請求項15に記載の方法。
- 前記投与は、経皮経路によって行われる請求項15に記載の方法。
- 前記投与は、経口経路、経皮経路、口内経路、経粘膜経路、直腸経路または舌下経路によって行われる請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記治療効果的な量は約2mg/単位投薬量〜約96mg/単位投薬量の範囲である請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記治療効果的な量は約10mg/日〜約50mg/日の範囲である請求項19に記載の方法。
- 前記投与は、1日あたり約1回〜約4回行われる請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与は、1日あたり2回行われる請求項21に記載の方法。
- 前記投与は、対象の空腹の発生に従って行われる請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与は、対象の食物摂取を制限することなく、対象の、約1パーセントから約5パーセントに及ぶ体重減少が達成されるように行われる請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与は、H1受容体のダウンレギュレーションが達成されないように行われる請求項24に記載の方法。
- 前記状態は、過食、過体重、肥満、および、それらによって引き起こされるかまたは悪化する障害からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記状態は心理学的要因に関連する請求項1に記載の方法。
- 前記状態は、むちゃ食い障害、夜間摂食症候群、異常なまでの摂食、強迫性摂食または過食症を含む請求項27に記載の方法。
- 前記状態は薬物処置に関連する請求項26に記載の方法。
- 前記薬物は、ステロイドホルモンおよび精神活性薬物からなる群から選択される請求項29に記載の方法。
- 前記状態によって引き起こされるかまたは悪化する障害は、筋骨格障害、心臓血管障害、皮膚科学的障害、睡眠障害、代謝状態、糖尿病および糖尿病関連状態からなる群から選択される請求項26に記載の方法。
- 前記状態は、高脂肪摂取に関連する請求項4に記載の方法。
- 前記状態は異常脂質血症である請求項4に記載の方法。
- 前記状態は高コレステロール血症である請求項33に記載の方法。
- 前記H1アゴニストは、医薬的に許容され得るキャリアをさらに含む医薬組成物の一部を形成する請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
- 前記医薬組成物は徐放性組成物である請求項35に記載の方法。
- 治療効果的な量のさらなる活性な薬剤を対象に投与することをさらに含む請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
- 前記さらなる活性な薬剤は、非ステロイド系抗炎症薬、筋弛緩剤、抗痛風剤、免疫抑制剤、骨石灰化に影響を及ぼす薬物、α−アドレナリン作動性遮断薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、抗不整脈薬、抗凝固剤、抗血小板剤、血栓溶解剤、β−アドレナリン作動性遮断薬、カルシウムチャネル遮断剤、中枢作用性薬物、ジギタリス薬物、ニトラート系薬剤、末梢アドレナリン作動性アンタゴニスト、血管拡張剤、ざ瘡薬物、かゆみ止め剤、コルチコステロイド剤、抗疥癬剤、抗湿疹剤、催眠剤、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、スルホニルウレア系薬剤、メグリチニド系薬剤、ビグアニド系薬剤、チアゾリジンジオン系薬剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、PPAR−γアンタゴニスト、インスリン、フィブラート系薬剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、胆汁酸封鎖剤、コレステロール吸収阻害剤、ニコチン酸、その誘導体、アナログおよび代謝産物、ならびに、それらの任意の混合物からなる群から選択される請求項37に記載の方法。
- 前記さらなる活性な薬剤は、体重規制剤である請求項37に記載の方法。
- 前記体重規制剤は、食欲抑制剤である請求項39に記載の方法。
- 前記食欲抑制剤は、ノルアドレナリン作動性薬剤、セロトニン作動性薬剤、ドーパミン作動性薬剤、エンドカンナビノイド受容体遮断剤、または、それらの組合せからなる群から選択される請求項40に記載の方法。
- 前記投与は、対象の空腹の発生に従って行われる請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。
- 体重減少を誘導するために使用される請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
- 体重減少食の後またはその期間中において、体重減少を維持するために、または、体重増加を防止するために使用される請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
- 体重増加に関連する状態を有する対象において体重増加を防止するために使用される請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
- フィブラート系薬剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、胆汁酸封鎖剤、コレステロール吸収阻害剤、ニコチン酸、その誘導体、アナログおよび代謝産物、ならびに、それらの任意の混合物からなる群から選択されるさらなる活性な薬剤の治療効果的な量を対象に投与することをさらに含む請求項34に記載の方法。
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