自動車等の用途に用いられる電気コネクタアセンブリには端子が多数使用されていることが多いため、雄コネクタと雌コネクタとをしっかりと連結できるようにするには大きい連結力が必要となる。端子およびハウジングが原因の大きい摩擦力を克服してコネクタ同士を適切に連結しなければならない。しかしながら、これらコネクタアセンブリの仕様には、連結の際にコネクタまたは端子が損傷を受けないようにするとともにオペレータが2つのコネクタを容易且つ確実に連結できるようにするために、連結力の最大値が設けらている。上記の相対する制約条件を満たして、コネクタアセンブリが適切に機能するようにしなければならない。
従来の電気コネクタには、オペレータが端子を多数備えるコネクタを連結させ易いように、レバーや、カムや、スライドなどの様々な機械装置などが用いられており、そのため、大きい摩擦抵抗が生じる。高い連結力を克服する手法としては、コネクタを連結させる機械的補助装置としてレバーを用いる手法がある。レバー式装置は、支点から距離を取ったところに連結力を加えることによって、モーメントが大きくなって摩擦力を克服することに依拠している。同様に、カム機構の使用は、非直線運動を直線運動に転換することによって距離のある地点間で同様に力を伝達することに依拠しており、このようにして、比較的短い非線形距離にわたって前記カムを移動させることによって2つのコネクタ間の直線距離を長くしてもよい。前記カムを移動させるとともにカムフォロワを嵌合させることによって、コネクタが一緒に連結位置に引き込まれる。
小さい力を加えて大きい連結力に転換させる前記の方法が従来から用いられているが、連結力が加えられる前にコネクタが正確に位置合わせされていない場合や、連結力が加えられる際にコネクタの位置がずれる場合に問題が生じる。このような問題が生じるのは、コネクタが最初に間違って位置合わせされたことや、加えた力が変動したり一定でなかったりしたためにコネクタの位置がずれたことが原因である可能性がある。これら課題を克服するためにこれまで様々な試みがされてきたが、上記の問題を両方同時に適切に対処するには及んでいない。すなわち、適切な大きさの均一な連結力を加えることができるとともに、いずれのコネクタの位置もずれることなく連結軸に沿って適切に連結できる最適なコネクタはない。
例えば、特許文献1には、コネクタアセンブリの片側に回動可能に取り付けられている作動レバーを備える電気コネクタが開示されているようである。前記作動レバーにはカム溝がある。また、前記作動レバーにはスライド部材が取り付けられているとともに、該スライド部材は前記作動レバーが回動するのに応じて直線的に移動する。前記スライド部材には、前記作動レバーのカム溝に嵌合するカムフォロワ突出部がある。前記スライド部材は第2のカム溝も有している。前記コネクタアセンブリの第2の側面には、前記スライド部材の第2のカム溝に嵌合する第2のカムフォロワ突出部がある。前記作動レバーが回動すると、前記スライド部材は、カムフォロワ突出部がカム溝と嵌合しているので、前記コネクタの両側に対して直線的に移動する。こうして、コネクタの両側はレバーの動作に応じて着脱される。しかしながら、前記特許文献1には、連結動作の間にコネクタアセンブリ全体を正確に位置合わせすると同時に、前記コネクタが適切に連結されていないときに前記カム機構の作動を制御する手段が開示されていない。
また、特許文献2には、回動可能に第1のコネクタに取り付けられた作動レバーを備えている電気コネクタアセンブリが開示されているようである。前記作動レバーには、カム溝が形成されている。第2のコネクタには、前記作動レバーのカム溝と嵌合するカムフォロワ突出部がある。前記コネクタは、作動レバーの回転に応じて着脱される。しかしながら、前記特許文献2には、カム機構を嵌合させる前にコネクタを正確に位置合わせするとともに、マルチピンコネクタおよびマルチパートコネクタに必要なより高い連結力を克服する手段が開示されていない。
特許文献3は、一対の電気コネクタを着脱するためのカム機構を用いていると思われる電気コネクタの他の例である。前記175号特許には、ハウジングのうち1つに取り付けられるとともに連結軸に対して横方向の経路に沿って可動であるロックスライド部材が開示されている。前記ロックスライド部材は1つのカムトラックを備えているが、もう一方のハウジングにはカムフォロワ突出部を有している。前記ロックスライド部材を移動させると、前記カムフォロワ突出部は前記カムトラック内に突出し、こうしてコネクタは連結される。前記特許文献3にはカム機構が用いられているが、連結プロセスの間にコネクタを正確に位置合わせする手段を開示していないだけでなく、マルチピンコネクタおよびマルチパートコネクタの用途に必要なより高い連結力を克服する機構も開示されていない。175号特許のスライド機構によって、極めて小さい機械的な利点が生じるが、連結力が十分に加えられない可能性がある。
従来の電気コネクタアセンブリには、雄マルチピンコネクタ構造体と雌マルチピンコネクタ構造体とを連結するのに必要な大きい連結力を適切に生じさせつつ、コネクタの連結時に斜めにならないようにコネクタを正確に位置合わせするものはない。
連結プロセスの間はほぼ一定の適切な大きさの連結力を生じさせると同時に、連結プロセスの前または間にコネクタの位置がずれないガイド機構を提供する新しいタイプの電気コネクタアセンブリが必要とされている。
米国特許第6,217,354号明細書
米国特許第5,938,458号明細書
米国特許第5,681,175号明細書
本発明は、発明の思想および範囲内で、ある好適な実施形態に基づいて詳細に説明されているが、これら実施形態に限定されない。請求項によって定義された限定や特定の用途の要件の範囲内で、様々な特徴、変更、改良を包含したり除外したりできることは、当業者にとって明白であろう。
本発明によって、マルチピンコネクタを適切に且つ均一に位置合わせするとともに、連結力が小さくなった状態でコネクタ構造体同士を連結することによって、現在の電気コネクタアセンブリの機能性が拡がっている。本発明の電気コネクタアセンブリは一旦連結されるとレバーハウジングを用いて固定され、連結が緩んだり時間の経過とともに連結が解除されたりしないようにされる。このコネクタアセンブリには、単純なカムスライドを設けているコネクタアセンブリのような従来のアセンブリに比べて利点が多い。なぜなら、本発明によって提供された2つの作用を持つ機械的補助によって、必要な連結力が大幅に小さくなるとともに、スライドガイドレールとカム溝の新しい形状とによって位置合わせの際の一貫性および信頼性が高まるからである。
図1Aには、コネクタアセンブリ100を完全に連結が解除された状態で示している。以下の図面では、前記コネクタアセンブリ100のハウジングHには本発明に係る2つの作用を持つ機械的補助機構が含まれているとともに、雄コネクタ構造体と雌コネクタ構造体とが、本発明のコネクタアセンブリ100の構造全体を変更することなく、ハウジングHとコネクタCとの間で入れ替わってもよいことを理解されたい。簡潔にするために、便宜上、図1Aに示すハウジングH構造体とコネクタC構造体とについて説明する。ハウジングHおよびコネクタCの個々の構成要素は、図1Bないし1Eに詳細に示す。
図1Aには、ハウジングHとコネクタCとが示されている。コネクタCには、方向を示す線z−z’に示すように、コネクタCの前方から後方に向かって電気接点195が形成されている。該電気接点195は、方向を示す線h−h’によって示すようにコネクタCの高さ方向に沿って数行にわたって且つ方向を示す線w−w’によって示すようにコネクタCの幅方向に沿って数列にわたって平行に形成されている。各電気接点195には、電線W(図示せず)が接続されている。ハウジングHには、コネクタCにおいて利用した電気接点195の種類に対応するように、相反する形態のチャンバ190が形成されている。前記電気接点195は、刃端子、ピン端子、ブロック端子、エッジ端子などを含むがそれらに限定されないいかなる方法で作成されていてもよい。ただし、ハウジングH側のチャンバ190と、コネクタC側の電気接点195とは、物理的な連結部の片割れ同士であり、これら片割れ同士を連結すると電気回路が完成する。コネクタCにはまた、第1のカムフォロワ突出部165および第2のカムフォロワ突出部166も含まれている。同様に、コネクタCの下面(図示せず)には、2つの対応するカムフォロワ突出部がh−h’軸に沿って突出しているため、コネクタCには、全部で2対のカムフォロワ突出部があることになる。
ハウジングHは、絶縁材料からなっており、コネクタアセンブリ100の片側を構成するとともにベースハウジング130を備えている。図1Dにより分かり易く示すベースハウジング130は、第1のスライド突出部150を収容するために形成された第1のスライドガイドレール133を有している。図1Cに示すように、第1のスライド突出部150は、レバーハウジング120の一部として形成されている。レバーハウジング120は、第1のカム溝152と、第2のカム溝154と、第2のスライド突出部160を収容する第2のスライドガイドレール122も含まれるように形成されている。第2のスライド突出部160は、カバーハウジング110の一部として形成されており、そのうち1つは図1Bに示すものであり、もう一方の突出部はカバーハウジング110の反対側から延出している。カバーハウジング110は、ベースハウジング130に回動可能に取り付けられているとともに、コネクタアセンブリ100におけるコネクタCとハウジングHとの電気接点を覆う保護カバーを構成している。レバーハウジング120の後壁126も同様に保護カバーを構成している。あるいは、コネクタCおよびハウジングHを柔軟性のある防水性材料によって裏打ちして、液体および蒸気が電気接点に到達しないようにしてもよい。
図1Bないし1Eの詳細を参照すると、コネクタアセンブリ100を構成している前記4つの構成要素が別々に示されている。上述のように、前記構成要素には、コネクタCと、カバーハウジング110と、レバーハウジング120と、ベースハウジング130とがあり、カバーハウジング110と、レバーハウジング120と、ベースハウジング130とを組み合わせてハウジングHが構成されている。上述されるように、カバーハウジング110は、ハウジングHとコネクタCとの間に形成された電気接続部を覆う保護カバーを構成しているとともに、レバーハウジング120の側壁124および後壁126も同様に保護カバーを構成している。図1Bに示すように、カバーハウジング110は、側壁112と後壁114とを有する3面のハウジングである。側壁112にはそれぞれ、レバーハウジング120の第2のスライドガイドレール122のうちの1つに収容される突出部160がある。
さらに図1Cに示すように、レバーハウジング120にも同様に2つの側壁124と後壁126とがある。該後壁126には、レバーハウジング120の回動中に、ユーザの指が該レバーハウジングから容易に外れないように、ユーザがレバーハウジング120と係合するようにできるリッジ128がある。レバーハウジング120の側壁124はほぼ平面であるが、スライド突出部150は各側壁124から延出している。側壁124の厚みは、ベースハウジング130によって容易に収容できる厚みである。レバーハウジング120の詳細な構成は重要ではないが、その機能性は以下に示す通りである。上記にも示すように、一方の側壁124には、その内側面に第1のカム溝152が形成されている一方、対向する側壁には、第2のカム溝154がある。前記カム溝152および154は、お互いの鏡像になっているともに、該溝には、導入部156と弓形部158とがある。前記弓形部の意義は、以下により詳細に説明する。
前記ベースハウジング130には、袖壁134にそれぞれ形成された第1のガイドレール133があり、該袖壁134は、ベースハウジング130の対応する側壁136と平行にかつ該側壁136からスペースを空けて延びている。第1のガイドレール133の構成には、長円部146と、円形部145とがあり、その意義については以下により詳細に説明する。前記ベースハウジング130にも端壁137および138があり、端壁138には、リード線(図示せず)を収容するためにハウジングHに開口を形成する際にカバーハウジング110と協動するための導入部139がある。
各側壁136の内面には、コネクタCの突出部165,166,167を収容するためのほぼ平行なガイドレール140,141,142がある。突出部165および166を収容するためのガイドレール140および141はガイドレール142の横で延びており、これらガイドレール140および141によって、ベースハウジング130に対してコネクタCを適切に位置合わせできる。
コネクタCには、側壁169および170と、端壁171および172とがある。側壁169および170のそれぞれの略中央領域から突出部165,166,167が延出しているともに、コネクタCはベースハウジング130内に滑動可能に収容されるようなサイズになっている。前記突出部165および166が、ベースハウジング130の側壁136の厚みよりも短い距離だけ延出している一方、前記中央突出部167は、側壁136の厚みよりも長い距離分延出してベースハウジング130の側壁136と袖壁134との間に形成されたスペース内に延出している。こうすることによって、前記突出部167は、レバーハウジング120の第1のカム溝152と第2のカム溝154とによって収容できる。このような相互作用は以下により詳細に説明する。
上述のように、図2Aには、コネクタアセンブリ100を完全に連結が解除された状態で示している。すなわち、コネクタCは、ハウジングHに挿入されていない。図2Aには、連結プロセスを開始するために動作させた状態のハウジングHが示されている。簡単にするため、且つ、ハウジングHの動作を分かり易く説明するために、コネクタCは図2Aおよび2Bに示していないが、コネクタアセンブリ100の2つの構造体を連結する本発明を実施する方法よりも先にコネクタCはハウジングHに部分的に挿入されていることを理解されたい。この配置は図4A,4B,および4Cに示す。
本発明の最初の動作を図2Aおよび2Bにさらに示す。図2Aには、完全に開いた状態のハウジングHが示されている。この場合、ハウジングHがまず組み立てられ、カバーハウジング110が側壁124内であって端壁126の前に収容され、カバーハウジングの第2のスライド突出部160がレバーハウジング120の第2のスライドレール122に収容され、レバーハウジング120の側壁124がベースハウジングの袖壁134と側壁136との間に形成されたスペースに収容されている。さらに、レバーハウジングのスライド突出部150が、ベースハウジング130の袖壁134に形成された対応する第1のガイドレールに収容されている。カバーハウジング110およびベースハウジング130は蝶番式に互いに連結されている。これらハウジングを一体的に形成してもよい。あるいは、カバーハウジング110の後壁114をベースハウジング130の端壁137と連結してこれらの間に回転の中心が形成されてもよい。完全に開いた姿勢の場合、図2Aに示すように、カバーハウジング110およびレバーハウジング120によってハウジングHの大部分が構成され、ベースハウジング130の中のチャンバ190に近付き易くなっている。このようにハウジングが完全に開いた姿勢の際にチャンバ190に近付き易くなったため、コネクタCの電気接点195と連結する物理的な連結部を形成する対応する電気接点を備えたチャンバ190の群を含むハウジングHがより迅速に且つより効率的に組み立て易くなっている。カバーハウジング110とレバーハウジング120とを組み合わせて形成される新しい形状によって、連結が容易になるとともにパッケージ面積全体が小さくなる。
図2Bには、連結プロセスを開始するためにカバーハウジング110が完全に開いた状態のハウジングHが示されている。カバーハウジング110は、ベースハウジング130内で完全に開いた状態にされている。カバーハウジング110は、ベースハウジング130に回動可能に取り付けられているとともに、連結中には、方向を示す弧a−a’に沿ってカバーハウジング110の完全に開いた状態からベースハウジング130の方向に回転する。カバーハウジング110が回転すると、第2のスライド突出部160によって第2のスライドガイドレール122に圧力がかけられ、概してハウジングHの幅方向および前後方向に分力が向かうことになる。前記幅方向は、方向を示す線b−b’として図2Bに示す。前後方向は、方向を示す線c―c’として図2Bに示す。適切な方向に向かう対応する力を示す矢印も示されている。
第2のスライド突出部160によって第2のスライドガイドレール122に圧力がかけられるため、レバーハウジング120は線b−b’に沿った幅方向に直線的に移動する。カバーハウジング110が完全に閉じた位置まで回転すると、第2のスライド突出部160は、第1のスライド突出部150が第1のスライドガイドレール133の移動終点145を示す機械的な止めに到達するまで方向を示す線b−b’に沿って直線的に移動する。移動終点145におけるこのような機械的な止めは、ベースハウジング130におけるカバーハウジング110の角運動の全範囲の端に相当する位置であって方向を示す線b−b’に沿った位置にある。この時点では、カバーハウジング110は弧a−a’に沿った移動終点に相当する完全に閉じた位置にあるとともに、レバーハウジング120の第1のスライド突出部150は方向を示す線b−b’に沿った直線移動の終点にある。スライド突出部150が直線的移動の終点に到達すると、レバーハウジング120は、ベースハウジング130およびコネクタCの縁より延出することはない。このような連結済の完全に閉じた位置にある場合には、コネクタアセンブリ100のパッケージのサイズは全体として最小化される。こうして、コネクタアセンブリ100が利用されている環境においては、クリアランスが改良される。
図3を参照すると、一旦カバーハウジング110が完全に閉じた位置まで回転すると、第1のスライド突出部150は、第1のスライドガイドレール133内でされる直線移動の範囲全体を移動し終わっているとともに、レバーハウジング120も同様に方向を示す線b−b’に沿った直線移動の範囲全体を移動し終わっている。この位置での第1のスライド突出部150の拡大図を拡大図Vに示す。第1のスライド突出部150の形状は実質的には長方形の角が丸まった形状である。第1のスライドガイドレール133の移動終点145の形状はほぼ円形である。第1のスライド突出部150の対角線d−d’の長さは移動終点145の直径よりもわずかに小さい。第1のスライド突出部150の幅は、第1のスライドレール133の長円部146の幅よりもわずかに小さいため、レバーハウジング120が直線的に移動している間のベースハウジング130に対するレバーハウジング120の回動を制限している。
ハウジングHをさらに固定するためには、図2Bに示した弧a−a’に沿ってカバーハウジング110が回転する方向とほぼ同じ方向にレバーハウジング120を回転させる。レバーハウジング120が回転すると、第1のスライド突出部150の形状および移動終点145によって、第1のスライド突出部150は、方向を示す弧J−J’として示す移動終点145の範囲内で回転できる。第1のスライド突出部150を移動終点145の範囲内で回転させることによって、コネクタは固定される。なぜなら、第1のスライド突出部150の長さが開口の長さよりも長いので、第1のスライド突出部150が移動終点145から後退して抜けてしまうことはない。レバーハウジング120が弧J−J’にほぼ沿った回転弧の最後の位置まで到達するとともに閉じた状態のカバーハウジング110のような機械的な止めと接触する際にレバーハウジング120および第1のスライド突出部150の回転が停止する。
図4A,4B,4Cを参照すると、レバーハウジング120が回転するとともにレバーハウジング120によって第1のスライド突出部150を回転させると同時に、レバーハウジング120の第1のカム溝154はコネクタCの第1のカムフォロワ突出部167と嵌合するとともに、第2のカム溝152はカムフォロワ突出部(図示しないが、コネクタCの逆側にある)と嵌合する。図示された実施形態では、第1のカム溝154および第2のカム溝152は、ほぼ円弧形であるとともに、これら溝によってレバーハウジング120が回転させられるとz−z’の連結方向にほぼ一定の力が付与される。
レバーハウジング120を回転させると、第1のカム溝154は第1のカムフォロワ突出部167と嵌合するとともに、第2のカム溝152は第2のカムフォロワ突出部と嵌合する。この動作によって、第1のカムフォロワ突出部167および第2のカムフォロワ突出部はz−z’方向に動く。円形である前記カム溝のカム作用によって、z−z’方向にほぼ一定の力を及ぼしてコネクタCおよびハウジングHを連結状態にする。ガイドレール140,141および突出部165,166に応じた前述のほぼ一定の力によって、コネクタCおよびハウジングHが連結された状態で適切に位置合わせされ易くなる。また、カム溝の形状を非弧状にすると様々な力が生じ、コネクタCまたはハウジングHが歪むとともに、接続不良になったりコネクタアセンブリにダメージを与えたりすることになる可能性が非常に高くなる。レバーハウジング120が回転動作をすることによって、前記カムフォロワ突出部と嵌合するカム溝が軸を中心に回転するため、z−z’方向に沿ってコネクタCがハウジングHに対して直線移動してコネクタアセンブリが連結される。
図4A,4B,4Cにおいて、ハウジングHは、レバーハウジング120を回転させる際の3つの姿勢で示されている。図4Aにおいては、第1のスライド突出部150は、移動終点145に到達しているが、レバーハウジング120はまだ回転を開始していない。図4Bにおいては、レバーハウジング120が弧J−J’に沿って回転している過程にあるため、第1のスライド突出部150も回転している。また、第1のカム溝154は、第1のカムフォロワ突出部167を収容するとともに該突出部167と嵌合する。第2のカム溝152は、コネクタCの反対側の第2のカムフォロワ突出部を収容するとともに該突出部と嵌合する。この時点で、カム溝152および154の弧状部分はカムフォロワ突出部165および166と嵌合しているため、力が削減される。図4Cにおいては、レバーハウジング120が回転し切っているとともに、連結が完了している。図4Cに示すように、レバーハウジング120が回転し切っているときには、第1のスライド突出部150も回転し切っているとともに、レバーハウジング120は、このように構成されているため、最終的な安定した位置でコネクタアセンブリを保持するロック装置の働きをする。
オペレータがコネクタアセンブリの連結を解除しなければならない場合、前記プロセスを逆にしてレバーハウジング120を最初の位置に向かって反対方向に回転させる。このようにして、第1のスライド突出部150を回転させて第1のスライド突出部150をロック解除の位置に戻し、第1のスライド突出部150が第1のスライドガイドレール133の開口を通って該開口に入るようにすることができる。同時に、レバーハウジング120をさらに回転させると、このような回転によって、第1のカムフォロワ突出部167および第2のカムフォロワ突出部が第1のカム溝154および第2のカム溝152それぞれに沿って戻ることになる。このようにカム溝からカムフォロワが外されることによって、コネクタCをハウジングHから外すことができる。レバーハウジング120が回転して開始位置に戻るとき、カバーハウジング110も回転して最初の位置に戻ってもよい。
カバーハウジング110が回転して戻ると、第2のスライド突出部160によって、第2のスライドガイドレール122に圧力がかかり、概してハウジングの幅方向w−w’およびハウジングHの前後方向z−z’に分力が向かう。参考のために、幅方向w−w’と、前後方向z−z’と、高さ方向h−h’とを図4Aに示す。
第2のスライド突出部160によって第2のスライドガイドレール122に圧力がかけられることによって、レバーハウジング120がその最初の位置に向かって直線的に移動する。カバーハウジング110が完全に開いた位置に戻ると、第2のスライドガイドレール122は、機械的な止めの働きをする第2のスライド突出部160に接触することによって逆方向の移動終点に接触するまで逆方向に戻る。この時点では、カバーハウジング110は完全に開いた位置に再びあるとともに、第1のスライド突出部150およびレバーハウジング120は、直線移動の開始位置に戻っている。
本発明は多数の実施形態や実施例に関連して説明されているが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項の範囲内の様々な変形や同等の変更を包含するものである。