JP2007533077A - 燃料電池を動作させる方法及びそのための装置 - Google Patents

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Abstract

約150℃未満の動作温度にて燃料電池を動作させる方法であって、その燃料電池はアノード及びカソードとその間に挟まれた電解質とを有しており、カソードは気体注入口及び気体排出口を備えたカソード室と接触する少なくとも1つの表面を有し、アノードは気体注入口及び気体排出口を備えたアノード室と接触し、電解質は過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒を約500ppm未満含んでいる。その方法は、アノード室に燃料を適用し、カソード室に酸化剤を適用し、及びカソード室の気体排出口にてその動作温度における水蒸気圧が準飽和であるように、アノード室及びカソード室に供給する水の量を制御する工程を含んでいる。また、燃料電池中の平均相対湿度を100%未満に維持するために気体注入口の相対湿度を制御可能にするような、燃料電池の気体排出口の排出口相対湿度を測定するセンサー、及び燃料電池の気体注入口での相対湿度を制御する手段を含む装置も開示する。

Description

本発明は、燃料電池の耐久性及び寿命を改良することを目的とした、燃料電池を動作させる方法に関し、及びそのように動作させるための装置に関する。
燃料電池は、燃料、例えば水素、及び酸化種、例えば酸素又は空気を含む流体の流れを、電気、熱及び反応生成物へと変換する装置である。そのような装置には、燃料が供給されるアノード、酸化種が供給されるカソード、及びこれら2つを分離する電解質が含まれる。通常、燃料及び/又は酸化剤は、液体又は気体状の物質である。電解質は燃料と酸化剤を分離する電子絶縁体である。電解質は、燃料の反応によってイオンが生成するアノードと生成物を生成させるのに使われるカソードの間を、イオンが移動するためのイオン性経路を提供する。イオン生成の最中に生成した電子は、外部回路で使用されて電気を生み出す。ここで使用する燃料電池には、1つのアノード、1つのカソード及びその間に挟まれた電解質のみを含む単セル、又はスタックに組み立てられた多セルが含まれてもよい。後者の場合、複数の分離したアノード及びカソード領域があり、それぞれのアノード及びカソード領域は電解質で分離されている。そのようなスタックにおける個々のアノード及びカソード領域にはそれぞれ燃料と酸化剤が供給され、直列又は並列で外部接続する任意の組み合わせにてそれらの領域を接続して、電力を提供してもよい。単セル又は燃料電池スタックにおける追加の構成要素には、必要に応じて、多孔質の気体拡散媒体、及び/又は反応物質を分配する経路を備えた板である、いわゆるバイポーラープレートを含むがこれらに限定されない、アノードとカソードを横断して反応物質を分配する手段が含まれてもよい。さらに、必要に応じて、例えば冷却流体がその中を流れることのできる分離した流路による、熱をセルから除去する手段があってもよい。
高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)は、電解質が高分子電解質である種類の燃料電池である。他の種類の燃料電池には、固体酸化物燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩燃料電池(MCFC)、リン酸燃料電池(PAFC)などが含まれる。流体の反応物質を用いて動作する電気化学装置と同様に、高性能と長動作時間の両方を実現するための独特の問題が存在する。高性能を実現するためには、装置内部の成分の電気抵抗及びイオン抵抗を減少させる必要がある。高分子電解質膜における最近の進歩は、PEMFCの電力密度を顕著に改善することを可能にした。白金担持量を減らし、膜寿命を延ばし、さらに異なる動作条件でも高性能を実現することを含む様々な他の側面についても、確実に進歩してきている。しかしながら、多くの技術的課題は依然として前に横たわっている。そのうちの1つは、膜電極アセンブリ(MEA)を、様々な潜在的な用途について要求される寿命に合致させることである。その寿命は、携帯用途の数百時間から、自動車用途の5000時間以上、さらに据え置きの用途の40000時間以上といった範囲にわたる。全ての場合において、膜は破損してはならず、電極に重度の劣化があってはならない。
本技術分野で周知のように、高分子電解質膜の厚さを減らすと膜のイオン抵抗が減少する可能性があり、そのため燃料電池の電力密度が増大する。本願における電力密度とは、外部回路における電圧と電流の積を、カソードの実効領域の幾何学的面積で除したものと定義する。実効領域とはカソード電極中に触媒が存在する領域である。
しかしながら、膜の物理的な厚さを減らすと、装置の他の構成要素からのダメージに対する感受性が増大する可能性があり、セル寿命がより短くなることにつながる。この問題を軽減する様々な改良が開発されている。例えば、Baharらの米国再発行特許第37307号(参照することによりその全体を本明細書の一部とする)では、完全に含浸させた微孔質膜を用いて強化した高分子電解質膜が、優れた機械的特性を有することが示されている。この方法はセル性能を改良し寿命を延ばした点で成功したものの、寿命をより長くすることがなおも望まれていると思われる。
燃料電池又はスタックを普通に動作させている間、動作時間が増えるにつれて電力密度は通常減少する。電圧減衰、燃料電池の耐久性、又は燃料電池の安定性として様々な専門家が説明するこの減少は、使用中にセルが劣化するにつれて、得られる有効な仕事が少なくなるため望ましくない。最終的には、もはや全く有用でないほどの少ない電力しか、セル又はスタックが生み出さなくなる。この出願においては、耐久性とは、一組の所定の動作条件下で動作させたときに、特定の材料の組み合わせを有する燃料電池が、その出力を許容可能な水準に維持する能力と定義する。ここでは、燃料電池の寿命試験の最中に、電圧減衰率を測定することによって定量化する。一般に寿命試験は、一定の時間、一組の所定の動作条件下で行われる。この試験は、既知の温度、相対湿度、流量及び注入気体の圧力にて行われ、電流又は電圧のいずれかを固定して行われる。電圧を一定にした寿命試験でもセル出力の減衰が引き起こされることは本技術分野で周知であるが、この出願における寿命試験は一定の電流条件下で行う。ここでは、減衰率は、寿命試験を一時的に止めて、すなわちセルを外部負荷から外すことによって計算する。セルが開放回路状態になった後、寿命試験と同じ動作条件(例えばセル温度及び相対湿度)下で分極曲線を得る。この手順は寿命試験の間に何回行ってもよい。所定の電流値、例えば800mAでの電圧と時間をその時点の分極曲線から測定する。その後、目的とする所定時間での減衰率を、その目的の時間までの全ての試験した時間で記録した電圧の、時間に対するプロットを線形フィッティングしたときの傾きから計算する。
燃料電池の動作における他の重要な変数は、セルを動作させる温度である。これはシステムの種類によって様々だが、PEMFCについては、動作温度は約150℃未満である。より典型的にはPEMFCは40〜80℃の間で動作するが、それは、その温度範囲で出力が許容できるほど高く、時間に伴う電圧減衰が許容できるほど少ないからである。より高温では、減衰率が増加する傾向があり、そのためセルの耐久性が低下する。しかしながら、より高温、例えば約90〜150℃で動作するならば非常に望ましいだろう。そのように動作させることで、潜在的な毒性物質、例えば一酸化炭素の効果は減少すると思われる。さらに、周囲圧力にて100℃を超えると、浸水や他の有害な効果をもたらしうる液体の水が存在しなくなる。しかし、現在の材料及び動作条件を用いると、これら高温での寿命は許容できないほど短い。
燃料電池の寿命を改善するための試みで多くの改良が燃料電池になされているが、そのほとんどは改良した材料を用いることに注目している。燃料電池の寿命又は耐久性を最大にするように作用するであろう、特定の動作方法又は装置に注目したものはほとんどない。
本発明は、約150℃未満の動作温度にて燃料電池を動作させる方法であり、その燃料電池は、アノード及びカソードとその間に挟まれた電解質とを有しており、そのカソードは、気体注入口及び気体排出口を備えたカソード室と接触する少なくとも1つの表面を有しており、そのアノードはアノード室と接触し、及びその電解質は、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒を約500ppm未満含んでいる。この方法は、アノード室に燃料を適用し、カソード室に酸化剤を適用し、及びカソード室の気体排出口にて、動作温度における水蒸気圧が準飽和であるように、アノード室及びカソード室に供給する水の量を制御する工程を含む。この出願では、準飽和した水蒸気とは、水の蒸気圧が前記動作温度における水の平衡蒸気圧未満であることを意味する。また、ここでは、準飽和した水蒸気圧を100%未満の相対湿度として相互変換的に記述することができる。
本発明の他の実施態様は、約150℃未満の動作温度にて燃料電池を動作させる方法であり、その燃料電池は、アノード及びカソードとその間に挟まれた電解質とを有しており、そのアノードは、気体注入口及び気体排出口を備えたアノード室と接触する少なくとも1つの表面を有しており、そのカソードはカソード室と接触し、及びその電解質は、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒を約500ppm未満含んでいる。この方法は、アノード室に燃料を適用し、カソード室に酸化剤を適用し、及びアノード室の気体排出口にて、動作温度における水蒸気圧が準飽和であるように、アノード室及びカソード室に供給する水の量を制御する工程を含む。
別の実施態様では、本方法は、アノード室に燃料を適用し、カソード室に酸化剤を適用し、電解質には過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒が約500ppm未満含まれており、及び動作温度において燃料電池内の平均水蒸気圧が準飽和であるように、アノード室及びカソード室に供給する水の量を制御する工程を含む。燃料電池内の平均水蒸気圧は後で数学的に定義する。
本発明の他の実施態様は、燃料電池が、アノード、カソード及びその間に挟まれた電解質を有する高分子電解質膜燃料電池であって、その電解質が高分子を含んでいる、前述した任意の方法である。これら方法の別の実施態様は、アノード室及びカソード室に供給する水の量が、アノード注入口、及び必要に応じてカソード注入口での水蒸気が準飽和であるような方法を含む。
本発明のさらに別の実施態様は、高分子電解質燃料電池の高分子が高分子骨格に結合したイオン性かつ酸性の官能基を含有する高分子を含んでおり、そのイオン性かつ酸性の官能基はスルホン、スルホンイミド及びホスホン酸からなる群から選択され、その高分子はさらに必要に応じてフッ素高分子を含む、前述した任意の方法を含む。高分子は、パーフルオロスルホン酸ポリマー、ポリスチレンスルホン酸ポリマー、スルホン化ポリ(アリールエーテルケトン)、及びフタラジノンとフェノール基を含むポリマー、並びに少なくとも1種のスルホン化芳香族化合物を含む群から選択してもよい。また、高分子は、高分子状フィブリル及び必要に応じてノード(node)からなる多孔質微細構造を有する延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、及びその膜全体に含浸させたイオン交換材料を含んでもよく、そのイオン交換材料は膜にほぼ浸透して、膜の内部体積をほぼ閉塞している。
本発明の別の実施態様では、本方法に使用する燃料は水素を含み、酸化剤は酸素を含む。
本発明のさらに追加の実施態様は、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒が膜中に存在し、その濃度が約150ppm未満又は約20ppm未満である、前述の任意の方法を含む。
本発明は、130℃、110℃、95℃及び80℃を含むがこれらに限定されない、40℃〜150℃の間で動作させる前述の方法を含む。
本発明の別の実施態様は、アノード排出口又はカソード排出口における燃料電池の準飽和状態を維持するために気体注入口の相対湿度を制御可能であるような、燃料電池の気体排出口の排出口相対湿度を測定するセンサー、及び燃料電池の気体注入口での相対湿度を制御する手段を含む装置を含んでいる。
別の実施態様は、燃料電池内の平均相対湿度を100%未満に維持するために気体注入口の相対湿度を制御可能であるような、燃料電池の気体排出口の排出口相対湿度を測定するセンサー、及び燃料電池の気体注入口での相対湿度を制御する手段を含む装置である。
燃料電池における長寿命の膜を開発するためには、その破損の機構を理解する必要がある。いかなる特定の理論に捕らわれる訳ではないが、膜の破損には2つの主な形態、化学的及び機械的なものがあることが本技術分野で知られている。様々な方法により、例えばBaharらが再公表特許第37707号に記載する複合膜の形成により、後者は対処されようとしている。前者に対処する方法、例えば出願人がE. I. DuPont de Nemours, Inc.である英国特許第1210794号もまた提案されており、そこではイオノマーを安定化させる化学処理が記載されている。この第1210794号では、燃料電池の動作中に生成するラジカルが、高分子膜を攻撃してそれを劣化させることが提案されている(3頁、38〜51行)。さらに、過酸化水素溶液中での系外(ex-situ)試験の最中に見られるように、触媒、例えば鉄カチオンを用いて、ラジカル生成を促進することによって、そのような攻撃が加速されうることが示された(第1210794号、4頁、63〜86行)。後者の研究は、同様に作用しうる数多くの遷移金属錯体があることを示している。一般に、2つの酸化還元状態を有する遷移金属及び/又は遷移金属酸化物は、この反応に効果的な触媒であることが見出されている。過酸化水素からのラジカル生成を促進可能なそのような触媒には、Ti、VO、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Ag、Eu及びCeのカチオンを含む、金属及び金属酸化物イオンが含まれてもよいが、これらに限定されない。(例えば、Giorgio Strukul (Ed.), Catalytic Oxidations with Hydrogen Peroxide as Oxidant, Kluwer Academic Press, Dordrecht, Netherlands, 1992の、Giorgio Strukulによる第6章「Nucleophilic and Electrophilic Catalysis with Transition Metal Complexes」の表9、123頁を参照。)従って、必要十分条件ではないが、燃料電池内の膜の化学的劣化を生じさせるのに必要なことは、過酸化水素からのラジカル生成を可能にする触媒の濃度を減少させる、あるいはなくすことである。しかしそのような触媒を低濃度にしても、劣化は依然として許容できない高いレートに到達しうる。発明者らは、以下により完全に記載する特定の組み合わせの動作条件下で動作させることによって、比較的高温であっても膜劣化が驚くほど顕著に減少し、同時に膜寿命が増加することを発見した。
燃料電池産業における従来の知識では、非準飽和状態で燃料電池を動作させることは、燃料電池内の膜寿命を改善するのに有利だとされている。(例えば、Knights, Shanna D.; Colbow, Kebin M.; St Pierre, Jean; Wilkinson, David P.; Journal of Power Source, 127 (1-2), 127-134 (2004)の図5及び関連する文章、又は、Handbook of Fuel Cells - Fundamentals, Technology, Applications, Vielstich, W.; Lamm, A.; Gerischer, H. (Ed.), John Wiley & Sons, 2003のLaConti A. B.; Hamdan, M.; McDonald, R. C., chapter 49, volume 3, pp. 647-662の650頁を参照。)本発明者らは、以下により完全に記載する方法において準飽和条件を用いることにより、比較的高温であっても膜寿命を非常に長くすることが可能であることを発見した。一般に、膜は燃料電池内で最初に破損する構成要素の一つであるため、膜を長寿命にすることは長寿命の燃料電池を設計する上で重要である。膜の破損は、試験温度において相当量の気体が膜を通ってクロスオーバーすることを可能にする、穴又は他の欠陥の存在である可能性がある。より詳細には、ここで使用する膜の破損とは次のように定義する。すなわち、カソードを窒素中で周囲圧力に保持してセルを試験する動作温度にしたときに、アノード排出口に2psig(13.8kPaG)の圧力の水素を与えるとカソード排出口の水素流量が2.5cm3/分以上となる場合、膜は破損している。電気化学的な意味では、2.5cm3/分の流量は、ここで使用するセルのハードウェアを用いた気体のクロスオーバーが約15mA/cm2であることと等価である。そのような試験は、「膜の完全性試験」にて以下より完全に記載されるように、普通はin-situで行われる。
本発明は、燃料電池の動作方法、及びそのような方法によって動作させるために、燃料電池を制御するよう特別に設計された装置の両方である。出願人らは、ここに概要を示す本発明の方法を用いて燃料電池を動作させることにより、セル内の膜寿命が増加し、動作中の燃料電池の電圧減衰が減少し、及び膜の化学的劣化が減少することを発見した。本発明の方法は、約150℃未満の動作温度にて燃料電池を動作させる方法であり、その燃料電池は、アノード及びカソードと間に挟まれた電解質とを有しており、そのカソードは、気体注入口及び気体排出口を備えたカソード室と接触する少なくとも1つの表面を有しており、そのアノードはアノード室と接触し、及びその電解質は過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒を約500ppm未満含んでいる。この方法の1つの実施態様は、アノード室に燃料を適用し、カソード室に酸化剤を適用し、及びカソード室の気体排出口にて、動作温度における水蒸気圧が準飽和であるように、アノード室及びカソード室に供給する水の量を制御する工程を含む。このように、本発明者らは、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒の濃度が約500ppm未満である燃料電池を動作させる場合、カソードの気体排出口において準飽和した排出口条件で動作させると、膜の劣化をより少なく、膜寿命をより長く、及び減衰率をより低くできることを発見した。
本方法の燃料電池はいかなる種類であってもよく、例えば溶融炭酸塩、リン酸、固体酸化物、又はより好ましくは高分子電解質膜(PEM)燃料電池であってよい。図1に示すように、そのようなPEM燃料電池20は、アノード24、カソード26及びその間に挟まれた高分子電解質25を含む。また、PEM燃料電池は、必要に応じて、アノードとカソード側にそれぞれ気体拡散層10’及び10を含んでもよい。これらのGDMはより効率的に燃料及び酸化剤を分散するように機能する。図1において、燃料はアノード室13’を通って流れ、アノード気体注入口14’を通って入り、及びアノード気体排出口15’を通って外に出る。対応して、酸化剤はカソード室13を通って流れ、カソード気体注入口14を通って入り、及びカソード気体排出口15を通って外に出る。カソード室及びアノード室は、これら室内の気体をより効率的に分配するための、溝を含む板(図1に不図示)又は他の手段を必要に応じて含んでいてもよい。気体拡散層10及び10’は、必要に応じて、マクロ多孔質の拡散層12及び12’に加え、ミクロ多孔質拡散層11及び11’を含んでもよい。本技術分野で既知のミクロ多孔質層には、炭素及び必要に応じてPTFE、これらに加えて、炭素及びePTFEを含む独立したミクロ多孔質層、例えばW. L. Gore & Associatesから入手できるCARBEL(登録商標)MP気体拡散媒体を含んでなるコーティングが含まれる。この出願においては、カソードの任意の部分が、酸化剤として使用する流体への接近手段を有するならば、カソードはカソード室と接触する少なくとも1つの表面を有しているとみなされる。対応して、アノードの任意の部分が、燃料として使用する流体への接近手段を有するならば、アノードはアノード室と接触する少なくとも1つの表面を有しているとみなされる。燃料及び酸化剤として使用する流体は、気体又は液体のいずれかを含んでもよい。気体状の燃料及び酸化剤が好ましく、特に好ましい燃料は水素を含み、特に好ましい酸化剤は酸素を含む。
アノード及びカソード電極はそれぞれ、燃料(例えば水素)の酸化及び酸化剤(例えば酸素又は空気)の還元を促進する適当な触媒を含む。例えば、PEM燃料電池については、アノード及びカソード触媒には、純粋な貴金属、例えばPt、Pd又はAuに加えて、これら貴金属と、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、In、Sn、Sb、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Tl、Pb及びBiの群から選択される1種以上の遷移金属とを含む、2相、3相又はそれ以上複雑な合金が含まれてもよいが、これらに限定されない。純粋な水素を燃料として使用する場合は、純粋なPtがアノードに特に好ましい。改質ガスを燃料として使用する場合は、Pt−Ru合金が好ましい触媒である。純粋なPtはPEMFCのカソードに好ましい触媒である。また、非貴金属合金の触媒も、特にPEMFC以外において、及び動作温度が増加する場合に使用される。また、アノードとカソードは、必要に応じて、燃料電池の動作を向上させる追加の構成要素を含んでもよい。これらの構成要素には、電子伝導体、例えば炭素、及びイオン伝導体、例えばパーフルオロスルホン酸系高分子又は他の適当なイオン交換樹脂が含まれるが、これらに限定されない。さらに、電極は同様に通常多孔質であり、構造中に存在する触媒に気体が接近することを可能にする。
PEM燃料電池の電解質25は、本技術分野で既知の任意のイオン交換膜であってよい。これらのイオン交換膜には、フェノールスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、フッ化スチレンスルホン酸、パーフルオロ化スルホン酸、スルホン化ポリ(アリールエーテルケトン)、フタラジノンとフェノール基とを含む高分子、及び少なくとも1種のスルホン化芳香族化合物、芳香族エーテル、イミド、芳香族イミド、炭化水素、又はイオン性かつ酸性の官能基が高分子骨格に結合しているパーフルオロ化高分子を含む膜が含まれるが、これらに限定されない。そのようなイオン性かつ酸性の官能基には、スルホン、スルホンイミド又はホスホン酸基が含まれてもよいが、これらに限定されない。加えて、電解質25は、必要に応じて、複合膜を形成するための強化材料をさらに含んでもよい。好ましくは強化材料は高分子材料である。その高分子は、好ましくは高分子フィブリルと必要に応じてノードからなる多孔質微細構造を有する微孔質膜である。そのような高分子は、好ましくは延伸ポリテトラフルオロエチレンであるが、その代わりに、ポリエチレン及びポリプロピレンを含むが、これらに限定されないポリオレフィンを含んでもよい。イオン交換材料は膜全体に含浸させてあり、Baharらの再公表特許第37307号に大体記載されているように、そのイオン交換材料は微孔質膜にほぼ浸透して膜の内部体積をほぼ閉塞しており、そのことによって複合膜を形成する。
また、膜の劣化を減少させて膜寿命を増加する追加の方法も発見されている。本発明の他の実施態様は、約150℃未満の動作温度にて燃料電池を動作させる方法であって、その燃料電池は、アノード及びカソードと間に挟まれた電解質とを有しており、そのアノードは、気体注入口及び気体排出口を備えたアノード室と接触する少なくとも1つの表面を有しており、そのカソードはカソード室と接触し、及びその電解質は、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒を約500ppm未満含んでいる。この方法は、アノード室に燃料を適用し、カソード室に酸化剤を適用し、及びアノード室の気体排出口にて、動作温度における水蒸気圧が準飽和であるように、アノード室及びカソード室に供給する水の量を制御する工程を含む。別の実施態様では、この方法は、アノード室に燃料を適用し、カソード室に酸化剤を適用し、及び動作温度において燃料電池内の平均水蒸気圧が準飽和であるように、アノード室及びカソード室に供給する水の量を制御する工程を含む。ここで使用するセル内の平均水蒸気圧とは、燃料電池の動作中の水についての物質収支から計算される水の蒸気圧である。詳しくは、燃料電池内の総圧力と気体流中の水のモル分率を掛けることから計算できる。気体流中の水のモル分率は、セルに供給される水とセルによって生成する水の合計を、その合計にセルの排出口での気体のモル数を足したもので割ったものである。セルの排出口での気体のモル数は、気体の化学量論とセルの動作電流から計算できる。ここでは、平均水蒸気圧は平均理論相対湿度、又はその代わりに燃料電池内の平均相対湿度と相互変換的に記述され、両方とも
Figure 2007533077
と表示される。平均水蒸気圧は、燃料電池内の平均相対湿度が100%未満である場合に準飽和となる。
Figure 2007533077
の数式は後で示す。
本発明のさらに別の実施態様は、高分子電解質燃料電池の高分子が、パーフルオロスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸ポリマーを含むがこれらに限定されないスルホン酸含有高分子を含んでいる、前述した任意の方法である。その高分子は、必要に応じて、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含むがこれに限定されないフルオロポリマーをさらに含んでもよい。また、高分子は、高分子状フィブリルと必要に応じてノードからなる多孔質微細構造を有する延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、及びその膜全体に含浸させたイオン交換材料を含んでもよく、そのイオン交換材料は膜にほぼ浸透して、膜の内部体積をほぼ閉塞している。
燃料電池の動作温度は、セルの種類、使用する構成要素、及び燃料の種類により様々である。例えば、PEM燃料電池は通常150℃未満の温度で動作する。好ましくは、そのPEM燃料電池の動作温度は40℃から150℃の間であり、約80℃、約95℃、約110℃又は約130℃の温度での動作を含むが、これらに限定されない。
本発明のさらに別の実施態様は、アノードもしくはカソードの排出口のいずれか、又は燃料電池内の平均相対湿度が準飽和であるように、燃料電池を制御する装置である。図3に模式的に示すそのような装置は、センサー32’及び32を用いてアノード15’及びカソード15の排出口気体流中の相対湿度を測定することによって、燃料電池20の動作状態を制御する。これらセンサーからの電気的出力は、入力相対湿度を制御するのに使用可能な信号を計算する能力のある、コンピュータ又は他の電子的手段に入力される。この信号の大きさは、閉ループシステムで動的に調節され、カソード、アノード、又は燃料電池内の平均相対湿度のいずれかの出力相対湿度が準飽和であるように、気体注入口の相対湿度を制御する手段に与えられる。燃料電池の気体注入口における相対湿度を制御するそのような手段には、以下のものが含まれてもよいが、これらに限定されない。その手段とは、セルに与える総気体圧力を制御する手段、注入口気体の気体化学量論量及び/又は流量を制御する手段、セル及び/又は注入口気体の温度を制御する手段、並びに注入口気体の相対湿度を制御する手段である。これら各手段を実現するような方法は本技術分野で周知である。一例として注入口気体の相対湿度を制御する場合については、ビンが水で満たされ、そこを通って注入口気体は散布される。この場合、そのビンを包む加熱テープ(図3に不図示)を用いるか、あるいはビンの中の水温を制御する他の手段によれば、入力相対湿度を制御できる。示すように、アノードの注入口気体、カソードの注入口気体、又は両方の注入口気体のいずれかの相対湿度を制御するために、アノード及びカソードについて別々のビン33’及び33が好ましくは用いられるが、単独のビンを用いることもできる。また必要に応じて、アノード14’及びカソード14からの注入口気体流の相対湿度を、入力相対湿度を制御する手段の一部としてのセンサー31’及び31を用いて測定してもよい。
膜電極アセンブリ(MEA)についての説明:タイプA、タイプB及びタイプCと記された3種類のMEAを試験に使用した。タイプAのMEAは、W. L. Gore & Associatesから入手可能な、アノード及びカソード面の両方にPt0.4mg/cm2を担持させた、PRIMEA(登録商標)シリーズ5510膜電極アセンブリであった。このMEAは、ePTFE強化パーフルオロスルホン酸イオノマーのGORE−SELECT複合膜を含んでいる。タイプBのMEAは、MEAへと組み立てる前に、膜をFeで約550ppmの水準でドープする追加処理をした以外はタイプAと同じである。鉄は、膜劣化を加速しうる、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒の代表として選択した。詳細には、硫酸鉄七水和物の結晶0.034gを脱イオン水1350g中に完全に溶解させた、鉄の5ppm溶液を調製することにより、鉄をタイプAのMEAの調製に使用した膜に添加した。膜を約1.3g量り取り、250mLのプラスチック広口ビンに入れた。ドープ溶液150mLをビンに加えて、サンプルを覆った。通気口のあるふたでビンを閉め、60℃の設定で予め加熱した浴に置いた。17.5時間後ビンを取り除いた。溶液を注意深く傾けて注ぎ出し、廃棄した。ビンに残っている膜サンプルに、脱イオン水100mLを追加した。ビンを短時間振って膜サンプルを洗浄した。膜サンプルを取り除き、清浄面に置いた。ドープした膜サンプルを周囲条件で一晩放置して乾燥した。上述の同じ溶液バッチから調製した3つの異なる膜サンプルを混ぜたものから、Galbraith Laboratories, Knoxville, TNにて、化学分析で鉄のドープ量を測定したところ550ppmだった。タイプAのMEAに使用した膜の7つの異なるロットについて同様の分析を行ったところ、平均鉄含量は12ppmであることが分かった。
タイプCのMEAには、Aldrich Chemicals(製品番号448885)から、1−プロパノール及びジクロロエタンの5質量%溶液として入手した、スルホン化ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−ランダム−ブチレン)−ブロック−ポリスチレンイオノマーを有する多孔質延伸PTFE強化材料から形成される複合膜を用いた。この複合膜は、一般的にはBaharらの再公表特許第37707号の教示に従い調製され、より詳しくは以下の通りである。
1.Goreの米国特許第3953566号の記載を利用して調製した、面積当たりの質量が7.0g/m2、厚さが20ミクロン、及び空隙率が少なくとも85%のePTFE膜を、直径8インチの刺繍用フープに動かないように固定した。
2.フォームブラシを用いて膜の各面にイオノマー溶液の被覆を適用した。
3.ヘアードライヤーを用いて得られた複合体を乾燥した。
4.吸収したサンプルの最終厚さが、マイクロメーターを用いて測定したときに16〜20ミクロンになるまで、工程2〜3を繰り返して複数の被覆を適用した。
5.その後、複合膜を10分間、80℃、溶剤オーブン中で熱処理した。
6.乾燥しアニールしたサンプルを、周囲条件で、使用前におよそ1週間保管した。
膜は2つのPRIMEA(登録商標)5510電極(Japan Gore-Tex, Inc.より入手可能)の間に配置した。このサンドイッチしたものを、加熱した圧板を備えた油圧プレス(PHI Inc., Model B-257H-3-MI-X20)の圧板の間に置いた。上部圧板を180℃に加熱した。0.25インチ厚のGR(登録商標)シート(W. L. Gore & Associates, Elkton, MDから入手可能)の小片を、各圧板と電極の間に置いた。システムに圧力を15トン、3分間与えて電極を膜に接着した。これらMEAを以下記載するように燃料電池へと組み立てて、様々な異なる動作条件下で試験した。
セルのハードウェア及び組み立て:全ての例について、標準の実効領域25cm2のハードウェアを膜電極アセンブリ(MEA)の性能評価に使用した。このハードウェアをこれ以降、本出願の後の部分で「標準ハードウェア」と呼ぶ。標準ハードウェアは、アノード側とカソード側の両方に、3チャンネルの蛇行した流れ場を備えたグラファイトブロックからなる。経路長は5cmで、溝の寸法は幅0.70mm×深さ0.84mmである。使用した気体拡散媒体(GDM)は、Toray TGP−H 060マクロ層の上に配置された、W. L. Gore & Associatesから入手したCarbel(登録商標)MP30Zの微孔質層であり、5%PTFE疎水性層を有して耐湿性である。セルは、5.0cm×5.0cmの四角い開口を有する10ミル(254μm)のシリコーンガスケット、及び以下サブガスケットと呼ぶ1.0ミル(25.4μm)のポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(Tekra Corp., Charlotte, NCより入手可能)を用いて組み立てた。サブガスケットの開口は、アノード及びカソードの両面において4.8cm×4.8cmであり、そのためMEAの実効領域は23.04cm2であった。異なる2種類のセルを組み立てた。一方は、セルを圧縮してシールするのに単に通常のボルトのみを用いたものであり、他方は、動作中セルに対して一定の荷重をより良好に維持するために、締め付けたボルトの上にスプリングワッシャを用いた。前者をボルト荷重、後者をスプリング荷重と呼ぶ。セルの組み立て手順は以下の通りである。
1.25cm2の、3つの蛇行した流路が設計された流れ場(Fuel Cell Technologies, Inc., Albuquerque, NMより販売)を作業台に置く。
2.ボルト荷重セルについては、25cm2のGDMがその内側に収まるような大きさにした、7ミル(178μm)厚の窓型のCHR(Furon)cohrelasticシリコーン被覆布帛ガスケット(Tate Engineering Systems, Inc., Baltimore, MDより販売)をその流れ場の上に置く。スプリング荷重セルについては、3.5ミル(89μm)メチルビニルシリコーンラバーガスケット(デュロメーター硬度40ショアA)のビード(Freudenberg-NOK General Partnership, Plymouth, MI)を備えた、11ミル(279μm)の薄膜ポリエステル(mylar)キャリアガスケットを代わりに使用した。
3.MP−30Z層が上を向くようにして、GDMの一片をガスケットの内側に置いた。
4.全ての辺においてGDMに若干重なるような大きさにした、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(Tekra Corp., Charlotte, NCより入手)の窓型のサブガスケットをGDMの上に置いた。
5.アノード/膜/カソードのシステムを、アノード側を下にしてサブガスケットの上に置いた。
6.工程(2)から(5)を反対の順序で繰り返して、カソードの区画を形成した。カソード側に使用したガスケットは、ボルト荷重セルについてはアノード側に使用したものと同じであるが、スプリング荷重セルについては5ミル(127μm)CHR(Furon)cohrelasticシリコーン被覆布帛ガスケットを使用した。
7.ボルト荷重の場合は、セルを万力に挟んで8本の固定ボルトを45インチポンド(5.1N・m)まで締め付けた。後者の場合は、セルを万力に挟む前に、全てのボルトの所定の場所に、スプリングワッシャであるベルビル円盤スプリング(MSC Industrial Supply Co.から購入、カタログNo.8777849)を配置した。次に、実効領域に100〜120psi(689〜827kPa)の圧縮圧力を与えるように事前に定めた一定の距離まで、ボルトを締め付けた。圧縮圧力は、Pressurex(登録商標)Super Low 圧力フィルム紙(Sensor Products, Inc.より入手)を用いて測定した。
燃料電池テストステーションの説明:組み立てたセルは、Globe-Techのガスサブユニット3−1−5−INJ−PT−EWM、及びScribnerの負荷ユニット890Bを備えた燃料電池テストステーションで試験した。加湿装置の効率を改善するために、このステーション内の加湿用ボトルをElectrochem Corporationから購入したボトルに置き換えた。試験中の湿度は、ボトルの温度を維持することによって、及びライン中での凝縮を防ぐためにステーションとセルの間の全ての注入ラインをボトル温度より4℃高くなるよう加熱することによって、注意深く制御した。いくつかの場合では、アノード及び/又はカソードの、注入口及び/又は排出口の相対湿度を別々に測定した。さらに、排出口の平均相対湿度は、アノード及びカソードの注入口相対湿度及びセルの動作電流において生じる水の理論生成量を用いた物質収支から計算した。実験的及び理論的計算の両方についての手順は後でより完全に記載する。
測定試験の説明:上に概要を示した手順を用い、テストステーションにセルを接続してセルを組み立てた後、以下に概要を示すように、始めにセルを試験温度及び圧力下に置いた。
アノードとカソードの両方における注入口気体の相対湿度を70%にし、燃料電池におけるセル温度を70℃にして、最初にセルをコンディショニングした。アノードに適用された気体は実験用グレードの水素であり、セルの電流により測定されるセル中の水素変換速度を維持するのに必要な量の、1.2倍の流量(すなわち1.2倍の化学量論量)で供給した。濾過、圧縮及び乾燥した空気を、化学量論量の2倍の流量でカソードに供給した。
セルを18時間コンディショニングした。このコンディショニング処理には、600mV/30分、300mV/30分及び950mV/0.5分という一組の電位間のサイクルに、セルを70℃で18時間置くことが含まれた。その後、印加電位を600mVから始め、50mVの増分で電位を段階的に400mVまで下げ、次いで50mVの増分で反対に900mVまで上げるよう制御して分極曲線を描き、各段階で定常状態電流を記録した。開放回路電圧は600mVと650mVの間の電位で記録した。
上の手順の後、セルを寿命試験条件に設定した。この時点を寿命試験の開始、すなわち全てのその後の減衰率測定について時間0とみなした。以下の測定技術を用いて重要な試験変数を監視した。
排出口及び平均のRH状態:膜がさらされる水和状態を理解するために、アノード及びカソードの排出口のRHを、それぞれの異なる温度及び注入口RH状態について少なくとも1回測定した。これは、既知の時間について、アノード及びカソード排出口の両方から生成した水を別々に濃縮して収集することによって行われた。収集した水の量を秤量し、その後RHを背圧、気体の化学量論及びセル温度に基づいて計算した。RHは次式をもちいて計算した。
Figure 2007533077
(ここで、RHiは電極室iの相対湿度(%)、iはアノード又はカソードのいずれか、PTotはセルに与えた総気体圧力、ni H2Oは電極iからの水を測定したモル数、ngasはセルで使われなかった過剰気体のモル数である。ここで、ngasは気体流量と動作電流で使用した化学量論から計算される。)
それとは別に、平均相対湿度は次式を用いた物質収支に基づき理論的に計算した。
Figure 2007533077
(ここで、
Figure 2007533077
は平均理論相対湿度(%)、
Figure 2007533077
は注入口のアノード及びカソード気体によりセルに供給される水の合計モル数、nprodは反応中にセルで生成した水のモル数、ngasはセルで使われなかった過剰気体のモル数、PTotはセルに与えた総気体圧力、pT 0はセルの動作温度での飽和水蒸気圧である。
Figure 2007533077
は試験中に使用した気体流量及びアノードとカソードの注入口相対湿度から計算され、nprodはファラデー定数及び動作電流から計算され、ngasは気体流量と動作電流で使用した化学量論から計算される。)
試験に使用した各温度において、理論計算の実験的検証を少なくとも1回行った。この比較を行うために、セル内の実験的相対湿度の平均を、上式における
Figure 2007533077
をアノードとカソードの排出口で実験的に測定した水の合計モル数である、nanode H2O+ncathode H2Oで置き換えた他は、
Figure 2007533077
と同様に計算した。全ての場合で、実験的RHの平均と
Figure 2007533077
は実験誤差内でよく一致した。
電圧減衰率:全ての試験を通して、各週1回(およそ168時間毎)、又はセル電圧が予想より早く低下している場合はより頻繁に、定常電流動作状態を中断して、前述のように電圧制御した分極曲線を得た。分極測定の最後に、電流密度が100及び800mA/cm2でのセル電圧値を分極曲線から測った。これらの値を長期間プロットして電圧減衰率を得た。減衰率は、2つの異なる電流密度のそれぞれについての、電圧対時間のプロットを線形フィッティングしたときの傾きとして記録した。
イオノマー化学分解速度:タイプA又はタイプBのMEAを用いた全ての試験について、生成水中に放出されたフッ化物イオン量を、イオノマーの化学分解速度を評価する手段として監視した。これは、パーフルオロスルホン酸膜を含む燃料電池材料の劣化を証明する周知の手法である。燃料電池反応の生成水を、PTFEで被覆されたステンレス容器を用い、試験全体を通して排気口で収集した。その後、収集した水を、ホットプレートで加熱したPTFEビーカーの中で、約20倍(例えば2000mLを100mLに)濃縮した。濃縮の前に、HFの蒸発を防ぐため1M KOH 1mLをビーカーに添加した。濃縮した水のフッ化物濃度は、F-用電極(ORION(登録商標)960900、Orion Research, Inc.)を用いて測定した。その後、F-の個数/(cm2・時間)を単位としてフッ化物の放出速度を計算した。
タイプCのMEAを用いた試験については、膜が炭化水素系である、すなわちフッ素を含まないため、フッ化物の放出速度は使用できなかった。そのため、この場合では生成水に放出された酸の量を監視した。パーフルオロスルホン酸膜についてのフッ化物の放出に類似して、生成水に放出されたプロトン数(すなわち酸性度)は、膜の分解量の指標となる。濃縮の前にKOHを添加しなかったことを除き、他の試験と同様に生成水を収集及び濃縮した。濃縮した水の酸濃度は、自動滴定装置(TitraLab(登録商標)90、Radiometer Copenhagen)を用いて塩基で滴定することにより測定した。空気中に存在するCO2の効果を補正するために、空気で置換した蒸留水のサンプルの酸含量を測定値から差し引いた。その後、プロトン放出速度(H+の個数/(cm2・時間))を計算した。プロトン及びフッ化物の両方について、放出速度の値が低いことは所与の試験条件下で化学分解がより少ないことを示している。
膜の完全性:試験中の膜の完全性は、in-situで物理的なピンホール試験を用いて評価した。この試験は、セルを実際の試験状態に出来るだけ近く保ちながら行った。この試験は、膜が破損していると思われる徴候があった場合でも行った。膜の完全性の試験を行うかどうかを決定するための2つの主な指標を、開放回路電圧(OCV)値及びその試験の減衰率の程度とした。OCV試験は、セルが適切に動作していないことを動作中の電圧減衰が示していると思われるまで週1回(およそ168時間毎)に行い、適切に動作していないことを示した場合は速やかに行った。OCV減衰測定の詳細は以下の通りである。
1.アノードとカソードの加湿ボトルの水面を調べて一杯であることを確かめた。そうでなければ注ぎ足した。
2.次に、セル温度、気体圧力及び注入口のRH状態を保ったまま、セルを負荷から外した。アノードのH2流量は50cc/分に設定し、カソードの流量は0に設定した。
3.OCVを30秒間にわたって毎秒記録した。
4.この測定中のOCVの減衰を調べた。この減衰が以前に観察されたものよりかなり大きい場合、膜の完全性を測るために物理的なピンホールチェックを開始した。
5.OCVが以前に測定したものと近い場合は、アノードとカソードの流量を試験用の元の値に再設定した。
6.元の条件を用いて試験を再開した。
前述するように、物理的なピンホール試験が必要な場合は以下のように行った。
1.セル温度及び注入口のRH状態を保ったまま、セルを負荷から外し、開放回路条件に設定した。次に、セルの気体圧力をアノード及びカソードの両側で周囲圧力まで減少させた。
2.カソードの気体注入口を気体供給部から取り外し、しっかりとふたをした。次に、カソードの排出口をフローメーター(Agilent(登録商標)Optiflow 420、Shimadzu Scientific Instruments, Inc.)に接続した。アノードの注入口はH2供給部に接続したままにし、アノードの排出口は排気口に接続したままにした。
3.アノードの気体流量を800cc/分に増やし、アノードの排出口圧力は周囲圧力より2psi(13.8kPa)高くした。
4.フローメーターを用いて、カソードの排出口を通る気体流量を測定した。
5.膜が破損しているか否かは、フローメーターでの測定流量の程度から決定した。破損の基準は、H2クロスオーバー速度が2.5cc/分(実効領域が23.04cm2のセルにおけるクロスオーバー電流密度15mA/cm2に等しい)より高いときに、漏えい率として規定した。
比較例C1〜C6:セルを組み立て、表1に示す条件を用いて前述のように試験した。試験C1〜C4及びC6は、排出口の平均相対湿度が非準飽和である条件で試験した。鉄含量の高いタイプBの膜は、比較例として非準飽和及び飽和条件の両方(それぞれC3〜C4及びC5)で試験した。本技術分野で周知であることから予想されるように、全ての試験した条件についてこれら材料の劣化は大きい。これらの試験結果は表2に示してあり、そこでは、これら比較例の寿命、フッ化物又はプロトン放出速度及び平均減衰率を例1〜10と比較できる。
例1〜10:セルを組み立て、排出口の平均相対湿度を準飽和として、表1に示す条件を用いて試験した。示すように、温度を80〜130℃の間で変化させ、圧力と一緒にアノード及びカソードの注入口RHを変化させて、排出口状態を確実に準飽和にした。いくつかの場合では、安定したセル性能を維持するため、アノード気体であるH2の化学量論比を表1のように調整した。表1に示すように、3つの異なるタイプのMEAと、ボルト荷重又はスプリング荷重セルのいずれかを用いて試験を行った。これらの試験結果を表2に示す。比較例と比べたときに本発明の条件では、所与の温度において、寿命はより長く、2つの異なる電流での平均減衰率はより低く、及びフッ化物放出速度はより低い(表2の例2〜5と例C1〜C2)。驚くべきことに、寿命の延長、低減衰率及びフッ化物又はプロトン放出速度の減少が、本発明の条件については全ての温度で観察された。同様の結果が炭化水素系膜のMEAについても得られた(タイプC、表2の例6と例C6)。特に驚くべきことは、タイプCの炭化水素膜材料は、パーフルオロスルホン酸系の膜よりも不安定であることが当業者に知られているが、本発明の条件では、同じ温度の非準飽和条件でのタイプAの膜材料よりも寿命が長かったことである(表2の例6と例C1〜C2)。
準飽和した排出口条件から得られる改良をさらに確認するために、例3の試験条件では、2300時間試験した後に準飽和条件から例C1の非準飽和条件へと切り替えた。非準飽和条件に変えた後、フッ化物放出速度は3.7E+14(F-イオン/cm2・時間)から7.3E+15(F-イオン/cm2・時間)へと一桁以上増加し、100及び800mA/cm2での減衰率は(それぞれ2及び5μV/時から)70及び600μV/時へとそれぞれ増加し、この条件でわずか840時間後にセルは破損してしまった。
Figure 2007533077
Figure 2007533077
単一の燃料電池の横断面についての模式図である。 高耐久性及び長寿命であるように、燃料電池を動作させることが可能な装置の模式図である。

Claims (44)

  1. 約150℃未満の動作温度にて燃料電池を動作させる方法であって、該燃料電池はアノード及びカソードとその間に挟まれた電解質とを有しており、該カソードは気体注入口及び気体排出口を備えたカソード室と接触する少なくとも1つの表面を有し、及び該アノードは気体注入口及び気体排出口を備えたアノード室と接触し、並びに該電解質は過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒を約500ppm未満含み、
    (i)該アノード室に燃料を適用し、
    (ii)該カソード室に酸化剤を適用し、及び
    (iii)該カソード室の該気体排出口にて該動作温度における水蒸気が準飽和であるように、該アノード室及び該カソード室に供給する水の量を制御する
    工程を含む方法。
  2. 前記燃料電池が、アノード、カソード及びその間に挟まれた電解質を有する高分子電解質膜燃料電池であって、該電解質が高分子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記高分子が、前記高分子の骨格に結合したイオン性かつ酸性の官能基を含有する高分子を含み、該イオン性かつ酸性の官能基が、スルホン、スルホンイミド及びホスホン酸からなる群から選択され、必要に応じて前記高分子がさらにフッ素高分子を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記高分子が、パーフルオロスルホン酸ポリマー、ポリスチレンスルホン酸ポリマー、スルホン化ポリ(アリールエーテルケトン)及びフタラジノンとフェノール基とを含むポリマー、並びに少なくとも1種のスルホン化芳香族化合物を含む群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記電解質が、
    (i)高分子状フィブリル及び必要に応じてノード(node)からなる多孔質微細構造を有する延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、及び
    (ii)該膜にほぼ浸透して該膜の内部体積をほぼ閉塞している、該膜全体に含浸させたイオン交換材料
    を含む複合膜を含んでなる、請求項2に記載の方法。
  6. 前記燃料が水素を含み、前記酸化剤が酸素を含む、請求項2に記載の方法。
  7. 前記アノード室及び前記カソード室に供給される水の量が、前記水蒸気が前記アノード注入口、及び必要に応じて前記カソード注入口にて準飽和であるような量である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記膜中の、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な前記触媒の濃度が約150ppm未満である、請求項2に記載の方法。
  9. 前記膜中の、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な前記触媒の濃度が約20ppm未満である、請求項2に記載の方法。
  10. 前記動作温度が約40℃〜約150℃の間である、請求項2に記載の方法。
  11. 前記動作温度が約130℃である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記動作温度が約110℃である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記動作温度が約95℃である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記動作温度が約80℃である、請求項10に記載の方法。
  15. 約150℃未満の動作温度にて燃料電池を動作させる方法であって、該燃料電池はアノード及びカソードとその間に挟まれた電解質とを有しており、該アノードは気体注入口及び気体排出口を備えたアノード室と接触する少なくとも1つの表面を有し、及び該カソードは気体注入口及び気体排出口を備えたカソード室と接触し、並びに該電解質は過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒を約500ppm未満含み、
    (i)該アノード室に燃料を適用し、
    (ii)該カソード室に酸化剤を適用し、及び
    (iii)該アノード室の該気体排出口にて該動作温度における水蒸気が準飽和であるように、該アノード室及び該カソード室に供給する水の量を制御する
    工程を含む方法。
  16. 前記燃料電池が、アノード、カソード及びその間に挟まれた電解質を有する高分子電解質膜燃料電池であって、該電解質が高分子を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記高分子が、前記高分子の骨格に結合したイオン性かつ酸性の官能基を含有する高分子を含み、該イオン性かつ酸性の官能基が、スルホン、スルホンイミド及びホスホン酸からなる群から選択され、必要に応じて前記高分子がさらにフッ素高分子を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記高分子が、パーフルオロスルホン酸ポリマー、ポリスチレンスルホン酸ポリマー、スルホン化ポリ(アリールエーテルケトン)及びフタラジノンとフェノール基とを含むポリマー、並びに少なくとも1種のスルホン化芳香族化合物を含む群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記電解質が、
    (i)高分子状フィブリル及び必要に応じてノードからなる多孔質微細構造を有する延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、及び
    (ii)該膜にほぼ浸透して該膜の内部体積をほぼ閉塞している、該膜全体に含浸させたイオン交換材料
    を含む複合膜を含んでなる、請求項16に記載の方法。
  20. 前記燃料が水素を含み、前記酸化剤が酸素を含む、請求項16に記載の方法。
  21. 前記アノード室及び前記カソード室に供給される水の量が、前記水蒸気が前記アノード注入口、及び必要に応じて前記カソード注入口にて準飽和であるような量である、請求項16に記載の方法。
  22. 前記膜中の、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な前記触媒の濃度が約150ppm未満である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記膜中の、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な前記触媒の濃度が約20ppm未満である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記動作温度が約40℃〜約150℃の間である、請求項16に記載の方法。
  25. 前記動作温度が約130℃である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記動作温度が約110℃である、請求項24に記載の方法。
  27. 前記動作温度が約95℃である、請求項24に記載の方法。
  28. 前記動作温度が約80℃である、請求項24に記載の方法。
  29. 約150℃未満の動作温度にて燃料電池を動作させる方法であって、該燃料電池はアノード及びカソードとその間に挟まれた電解質とを有しており、該アノードはアノード室と接触する少なくとも1つの表面を有し、及び該カソードはカソード室と接触し、並びに該電解質は過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な触媒を約500ppm未満含み、
    (i)該アノード室に燃料を適用し、
    (ii)該カソード室に酸化剤を適用し、及び
    (iii)該動作温度における該燃料電池内の平均水蒸気が準飽和であるように、該アノード室及び該カソード室に供給する水の量を制御する
    工程を含む方法。
  30. 前記燃料電池が、アノード、カソード及びその間に挟まれた電解質を有する高分子電解質膜燃料電池であって、該電解質が高分子を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記高分子が、前記高分子の骨格に結合したイオン性かつ酸性の官能基を含有する高分子を含み、該イオン性かつ酸性の官能基が、スルホン、スルホンイミド及びホスホン酸からなる群から選択され、必要に応じて前記高分子がさらにフッ素高分子を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記高分子が、パーフルオロスルホン酸ポリマー、ポリスチレンスルホン酸ポリマー、スルホン化ポリ(アリールエーテルケトン)及びフタラジノンとフェノール基とを含むポリマー、並びに少なくとも1種のスルホン化芳香族化合物を含む群から選択される、請求項30に記載の方法。
  33. 前記電解質が、
    (i)高分子状フィブリル及び必要に応じてノードからなる多孔質微細構造を有する延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、及び
    (ii)該膜にほぼ浸透して該膜の内部体積をほぼ閉塞している、該膜全体に含浸させたイオン交換材料
    を含む複合膜を含んでなる、請求項29に記載の方法。
  34. 前記燃料が水素を含み、前記酸化剤が酸素を含む、請求項30に記載の方法。
  35. 前記膜中の、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な前記触媒の濃度が約150ppm未満である、請求項30に記載の方法。
  36. 前記膜中の、過酸化水素からのラジカル生成を促進可能な前記触媒の濃度が約20ppm未満である、請求項30に記載の方法。
  37. 前記動作温度が約40℃〜約150℃の間である、請求項30に記載の方法。
  38. 前記動作温度が約130℃である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記動作温度が約110℃である、請求項37に記載の方法。
  40. 前記動作温度が約95℃である、請求項37に記載の方法。
  41. 前記動作温度が約80℃である、請求項37に記載の方法。
  42. アノード排出口における燃料電池の準飽和状態を維持するために気体注入口の相対湿度を制御可能であるような、該燃料電池の気体排出口の排出口相対湿度を測定するセンサー、及び該燃料電池の該気体注入口での相対湿度を制御する手段を含む、燃料電池を動作させるための装置。
  43. カソード排出口における燃料電池の準飽和状態を維持するために気体注入口の相対湿度を制御可能であるような、該燃料電池の気体排出口の排出口相対湿度を測定するセンサー、及び該燃料電池の該気体注入口での相対湿度を制御する手段を含む、燃料電池を動作させるための装置。
  44. 燃料電池内の平均相対湿度を100%未満に維持するために気体注入口の相対湿度を制御可能であるような、該燃料電池の気体排出口の排出口相対湿度を測定するセンサー、及び該燃料電池の該気体注入口での相対湿度を制御する手段を含む、燃料電池を動作させるための装置。
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