JP2007532110A - Fcレセプターの多型の同定のための核酸ベースのアッセイ - Google Patents

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Abstract

FcγRIII多型に対して特異的なオリゴヌクレオチドが開示される。本明細書中に記載されるオリゴヌクレオチドを、増幅プライマーおよび/または配列決定プライマーとして使用した核酸ベースの遺伝子型決定アッセイもまた、開示される。1つの局面において、本発明は、長さが10ヌクレオチドと60ヌクレオチドの間のヌクレオチド配列を含む単離されたオリゴヌクレオチドを提供し、そのヌクレオチド配列は:(a)配列番号1〜19からなる群から選択される配列;(b)(a)のヌクレオチド配列に対して80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;または(c)(a)および(b)の相補鎖を含む。

Description

本発明は、一般的に、遺伝子型同定に関する。特に、本発明は個体のFcγRIII遺伝子型を正確かつ効率的に決定するための、核酸ベースのアッセイに関連する。
(背景)
IgGレセプター(FcγR)は、好中球、マクロファージ、ナチュラルキラー(NK)細胞および他の細胞型の表面に発現する、膜結合糖タンパク質である。例えば、FcγRIIIA(CD16)は、食作用、エンドサイトーシス、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、炎症性メディエーターの放出、および抗原提示の増強のような、様々な過程に関与することが示された(非特許文献1)。NK細胞の表面に発現する低親和性FcγRIIIAレセプターに対するIgGの結合は、ADCCに寄与する根本的なメカニズムであると考えられる。例えば、非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4:非特許文献5を参照のこと。
2つのFcγRIII遺伝子である、FcγRIIIa(遺伝子A)およびFcγRIIIb(遺伝子B)が同定されている(非特許文献6)。FcγRIIIレセプターは、第1染色体の長腕にマッピングされた(非特許文献1)。さらに、アミノ酸位置158においてバリン(V)からフェニルアラニン(F)への置換を予測する、FcγRIIIaの2対立遺伝子の機能的多型(ヌクレオチド559におけるG→T)を含む、FcγRIIIAにおける様々な機能的多型が同定された(非特許文献7)。FcγRIIIA 158V対立遺伝子は、158F対立遺伝子よりも、ヒトIgG1により良く結合することが示され、そして158V対立遺伝子の増加した結合は、エフェクター細胞の増強された活性化およびより良いADCCを引き起こす。非特許文献8;非特許文献9。治療結果も、158V/F多型によって影響されることが示された−−FcγRIIIa 158F/Fホモ接合体は、リツキシマブのような治療的抗体に対して減少した反応を示す。非特許文献10;非特許文献11。
FcγRIIIA 158V/F多型の機能的および臨床的関与を考慮して、いくつかのグループが、特定の個体を遺伝子型同定するためのPCRに基づいた方法を提案した。例えば、非特許文献7;非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;および特許文献1および特許文献2を参照のこと。しかし、現在利用可能なアッセイは、多型の決定に関して少なくとも10%のエラー発生率を有し、そしてそれに加えて、FcγRIIIA(遺伝子A)およびFcγRIIIB(遺伝子B)の間を効率的にまたは正確に区別しない。
米国特許第5,830,652号明細書 米国特許第5,985,561号明細書 Van de Winkelら、Immunol Today(1993)14(5):p.215−21 Clynesら、Nature Med.(2000)6:p.443−446 Cooperら、Trends Immunol.(2001)22:p.633−640 Leibson、Immunity(1997)6:p.655−661 Roittら、Immunology(第6版;Mosby、Edinburgh、UK)、2001年 RavetchおよびPerussia、J.Exp.Med.(1989)170:p.481 Koeneら、Blood(1997)90:p.1109−1114 Shieldsら、J.Biol.Chem.(2001)176:p.6591−6604 Vanceら、J.Immunol.(1993)151:p.6429−6439 Cartronら、Blood(2002)99:p.754−758 WengおよびLevy、J.Clin.Oncol.(2003)21:p.1−8 Leppertsら、J.Immuno Methods(2000)242:p.127−132 Jiangら、J.Immunol.Methods(1996)199:p.55−59 Morganら、Rheumatology(2003)42:p.528−533 Dall’Ozzoら、J.Immunol.Methods(2003)277:p.185−192
従って、被験体のFcγRIII遺伝子型を正確かつ効率的に決定するために使用し得る組成物および方法を開発する必要性が依然として存在する。
(要旨)
本発明は、あらゆるサンプルからFcγRIII遺伝子型を決定するための、高感度の、信頼性のある核酸に基づく試験の開発に基づく。
1つの局面において、本発明は、長さが10ヌクレオチドと60ヌクレオチドの間のヌクレオチド配列を含む単離されたオリゴヌクレオチドを包含し、そのヌクレオチド配列は:(a)配列番号1〜19からなる群から選択される配列;(b)(a)のヌクレオチド配列に対して80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;または(c)(a)および(b)の相補鎖を含む。本明細書中で記載された単離ヌクレオチドのいずれも、検出可能な標識、例えば蛍光標識(例えば6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、テトラメチルローダミン(TAMRA)、および/または2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−4,7−ジクロロフルオレセイン(TET))をさらに含み得る。
別の局面において、被験体のFcγRIII遺伝子型を決定する方法が本明細書中で記載され、その方法は、以下の工程を包含する:(a)被験体から得た生物学的サンプルから核酸を単離する工程;(b)センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして、少なくとも1つの本明細書中で記載されたオリゴヌクレオチド(例えば配列番号1〜19)を含む、少なくとも第1および第2の組み合わせを使用して単離した核酸を増幅する工程;および(c)オリゴヌクレオチドの各組み合わせで増幅された核酸の存在または非存在を検出する工程、ここで増幅された核酸の存在または非存在は、被験体のFcγRIII遺伝子型を示す。ある実施態様において、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドは、FcγRIII多型に特異的である。あるいは、他の実施態様において、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのFcγRIII多型に一般的である。本明細書中で記載された方法のいずれにおいても、例えばさらにもう1つのオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせで工程(b)および(c)を繰り返すことによって、サンプルから核酸を増幅するために、オリゴヌクレオチドのさらなる組み合わせを使用し得る。いくつかの実施態様において、第1および第2のオリゴヌクレオチドの組み合わせは、それぞれ1つのプライマーを共通に含む。
本明細書中で記載された方法のいずれにおいても、FcγRIIIaの158V/F部位における遺伝子型を決定し得る。従って、ある実施態様において、オリゴヌクレオチドプライマーの第1の組み合わせは、配列番号5および配列番号2を含み、そしてオリゴヌクレオチドプライマーの第2の組み合わせは、配列番号5および配列番号1を含む。これらのプライマーの組み合わせを採用する方法において、オリゴヌクレオチドプライマーの第1の組み合わせを用いた増幅産物の存在およびオリゴヌクレオチドプライマーの第2の組み合わせを用いた増幅産物の非存在は、158VV遺伝子型を示す;オリゴヌクレオチドプライマーの第1の組み合わせを用いた増幅産物の非存在およびオリゴヌクレオチドプライマーの第2の組み合わせを用いた増幅産物の存在は158FF遺伝子型を示す;そしてオリゴヌクレオチドプライマーの第1の組み合わせを用いた増幅産物の存在およびオリゴヌクレオチドプライマーの第2の組み合わせを用いた増幅産物の存在は、158FV遺伝子型を示す。
さらに、本明細書中で記載された方法のいずれにおいても、さらなるヌクレオチド位置における被験体のFcγRIII遺伝子型もまた決定され得、例えばそのさらなるヌクレオチド位置は、位置121、153、179、207、313およびその組み合わせからなる群から選択される。
本明細書中で記載された方法のいずれも、増幅した核酸産物を配列決定する工程をさらに包含し得る。ある実施態様において、使用される配列決定プライマーは、1つまたはそれ以上の本明細書中で記載されたオリゴヌクレオチドを含む。
別の局面において、被験体のFcγRIII遺伝子型を決定する方法が提供され、その方法は以下の工程を含む:(a)被験体から得た生物学的サンプルから核酸を単離する工程;(b)単離した核酸を増幅する工程;(c)少なくとも1つの本明細書中で記載されたようなオリゴヌクレオチド(例えば配列番号1−19)を含む少なくとも1つの適切なオリゴヌクレオチドの組み合わせを配列決定プライマーとして用いて、増幅した核酸産物を配列決定する工程;および(d)1つまたはそれ以上のFcγRIII多型においてヌクレオチド残基を決定し、それによって被験体のFcγRIII遺伝子型を決定する工程。ある実施態様において、少なくとも1つの本明細書中で記載されたようなオリゴヌクレオチドを含む少なくとも第1および第2のオリゴヌクレオチドの組み合わせをセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして用いて増幅(工程(b))を行う。本明細書中で記載された配列決定方法のいずれにおいても、例えば位置207におけるヌクレオチドを決定することによって、FcγRIIIaの158V/F部位における遺伝子型を決定し得る(例えば、位置207におけるGヌクレオチドのみが、158VV遺伝子型を示す;位置207におけるTヌクレオチドのみが、158FF遺伝子型を示す;および位置207におけるGおよびTヌクレオチドが、158FV遺伝子型を示す)。
本発明の別の局面において、FcγRIIIaをFcγRIIIbから区別する方法が提供され、その方法は、以下の工程を包含する:(a)被験体から得た生物学的サンプルから核酸を単離する工程;(b)少なくとも1つの本明細書中で記載されたようなオリゴヌクレオチド(例えば配列番号1〜19)を含む少なくとも第1および第2のオリゴヌクレオチドの組み合わせをセンスおよびアンチセンスプライマーとして用いて単離した核酸を増幅する工程、ここで各組み合わせにおいて少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーは、FcγRIIIaまたはFcγRIIIbに特異的である;および(c)オリゴヌクレオチドの各組み合わせによって増幅された核酸の存在または非存在を検出する工程、ここで増幅された核酸の存在または非存在が、FcγRIIIaをFcγRIIIbから区別する。
さらに別の局面において、本発明は、FcγRIIIaをFcγRIIIbから区別する方法を提供し、その方法は以下の工程を包含する:(a)被験体から得た生物学的サンプルから核酸を単離する工程;(b)単離した核酸を増幅する工程;(c)請求項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも1つの適切なオリゴヌクレオチドの組み合わせを配列決定プライマーとして使用して、増幅した核酸を配列決定する工程;および(d)位置121、153、179、および313におけるヌクレオチドを決定し、それによってFcγRIIIaをFcγRIIIbから区別する工程。ある実施態様において、工程(b)は、少なくとも1つの本明細書中で記載されたオリゴヌクレオチドを含む少なくとも第1および第2のオリゴヌクレオチドの組み合わせをセンスおよびアンチセンスプライマーとして使用して、単離された核酸を増幅する工程を包含する。
さらに別の局面において、本発明は、FcγRIIIa遺伝子型同定のためのキットを包含し、このキットは、以下を含む:少なくとも1つの本明細書中で記載されたようなオリゴヌクレオチドを含む、1つまたはそれ以上のプライマーオリゴヌクレオチド対;およびFcγRIIIaに関して生物学的サンプルを遺伝子型同定するための、説明書。ある実施態様において、そのキットはさらに、配列決定プライマー、例えば1つまたはそれ以上の本明細書中で記載されたようなオリゴヌクレオチドを含む。
ある実施態様において、その方法は、複数の本明細書中で記載されたようなオリゴヌクレオチドプライマー対を使用してハプロタイプを決定する工程を包含する。
本明細書中で記載された方法のいずれにおいても、増幅はPCR、RT−PCR、転写媒介性増幅(transcription−mediated amplification)(TMA)もしくはTaqManTM、またはその組み合わせを含み得る。
さらなる実施態様において、本発明は、FcγRIIIa遺伝子型同定のためのキットに関し、そのキットは以下を含む:1つまたはそれ以上の本明細書中で記載されたようなプライマーオリゴヌクレオチドのペア;およびFcγRIIIaに関して生物学的サンプルを遺伝子型同定するための、説明書。配列決定プライマーおよび配列決定に関する説明書もまた、本明細書中で記載されたようなキットに含まれてもよいし、あるいは、配列決定試薬および説明書は別のキットに含まれてもよい。さらなる実施態様において、そのキットはさらに、ポリメラーゼおよび緩衝液を含み得る。ある実施態様において、そのキットはさらに、1つまたはそれ以上の本明細書中で記載されたような配列決定オリゴヌクレオチドのペアを含む。
本発明のこれらの局面および他の局面が、以下の詳細な説明および添付の図を参照すると明らかになる。それに加えて、様々な参考文献が本明細書中で述べられ、それはある手順または組成物をさらに詳細に記載し、そして従ってその全体が参考として援用される。
(詳細な説明)
本発明の実施は、他に示されない限り、当該分野の技術の範囲内で、化学、生化学、組み換えDNA技術およびウイルス学の慣習的な方法を採用する。そのような技術は、文献において十分に説明される。例えば、A.L.Lehninger、Biochemistry(Worth Publishers,Inc.、最新の追加);Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版、1989);Methods In Enzymology(S.ColowickおよびN.Kaplan編、Academic Press,Inc.);Oligonucleotide Synthesis(N.Gait編、1984);A Practical Guide to Molecular Cloning(1984)を参照のこと。
本明細書中で引用された全ての出版物、特許、および特許申請書は、前出または後掲に関わらず、これによってその全体として参考文献に組み込まれる。
この明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、内容が明らかに他に規定しなければ、複数の指示対象を含むことに注意しなければならない。従って、例えば「オリゴヌクレオチド」への言及は、2つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの混合物等を含む。
以下のアミノ酸の省略を本文中で使用する:
アラニン:Ala(A) アルギニン:Arg(R)
アスパラギン:Asn(N) アスパラギン酸:Asp(D)
システイン:Cys(C) グルタミン:Gln(Q)
グルタミン酸:Glu(E) グリシン:Gly(G)
ヒスチジン:His(H) イソロイシン:Ile(I)
ロイシン:Leu(L) リシン:Lys(K)
メチオニン:Met(M) フェニルアラニン:Phe(F)
プロリン:Pro(P) セリン:Ser(S)
スレオニン:Thr(T) トリプトファン:Trp(W)
チロシン:Tyr(Y) バリン:Val(V)
(I.定義)
本発明の記載において、以下の用語を採用し、そして下記で示すように定義されることが意図される。
「遺伝子型同定」、「ハプロタイプ同定」および「DNAタイピング」という用語は、個体の選択された染色体または染色体の一部の対立遺伝子の決定を指し、交換可能に使用される。
ポリペプチドに言及する場合、「単離された」によって、示された分子が、その分子が天然で発見される有機体全体から分離され、かつ別個であること、または同じ型の他の生物学的高分子が実質的に存在しない中に存在することを意味する。ポリヌクレオチドに関して「単離された」という用語は、天然でそのヌクレオチドと通常は関連している配列を全体として、または一部欠いている核酸分子;または天然に存在しているようであるが、それと関連して異種由来の配列を有する配列;または染色体から解離した分子である。
「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」という用語は、本明細書中で、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかの、あらゆる長さのヌクレオチドのポリマー形式を包含するように使用される。この用語は、分子の一次構造のみを指す。従って、その用語は、3本鎖DNA、2本鎖DNAおよび1本鎖DNA、および3本鎖RNA、2本鎖RNAおよび1本鎖RNAを含む。この用語はまた、メチル化および/またはキャッピング(capping)によるような修飾、およびポリヌクレオチドの未修飾形式も含む。より具体的には、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」という用語は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、プリンまたはピリミジン塩基のN−またはC−グリコシドである、あらゆる他の型のポリヌクレオチド、および非ヌクレオチドバックボーンを含む他のポリマー、例えばポリアミド(例えば、ペプチド核酸(PNA))およびポリモルホリノ(polymorpholino)(Anti−Virals,Inc.、Corvallis、Oregonから、Neugeneとして市販で入手可能)ポリマー、およびそのポリマーがDNAおよびRNAで見られるような塩基対形成および塩基のスタッキングを可能にする配置で核塩基を含むという条件で他の合成配列特異的核酸ポリマーを含む。「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」という用語の間には、意図された長さの区別は存在せず、そしてこれらの用語は交換可能に使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみを指す。従って、これらの用語は、例えば3’−デオキシ−2’,5’−DNA、オリゴデオキシリボヌクレオチドN3’P5’ホスホラミデート、2’−O−アルキル−置換RNA、2本および1本鎖DNA、および2本および1本鎖RNA、DNA:RNAハイブリッド、およびPNAおよびDNAまたはRNA間のハイブリッドを含み、そしてまた公知の型の修飾、例えば当該分野で公知の標識、メチル化、「キャップ」、1つまたはそれ以上の天然に存在するヌクレオチドのアナログによる置換、例えば無電荷の結合(例えばメチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホラミデート、カルバメート等)を有するもの、陰性荷電の結合(例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等)を有するもの、および陽性荷電の結合(例えばアミノアルキルホスホラミデート、アミノアルキルホスホトリエステル)を有するもののようなヌクレオチド間の修飾、例えばタンパク質(ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リシン等を含む)のようなペンダント部分を含むもの、挿入剤(例えばアクリジン、ソラレン等)を有するもの、キレート化剤(例えば金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属等)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾された結合を有するもの(例えばアルファアノマー核酸等)、およびポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの未修飾形式を含む。特に、DNAはデオキシリボ核酸である。
指定された配列「由来の」またはそれに「特異的な」ポリヌクレオチドは、指定されたヌクレオチド配列の領域に対応する、すなわち同一または相補的な、おおよそ少なくとも約6ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10−12ヌクレオチド、そしてさらにより好ましくは少なくとも約15−20ヌクレオチドの連続的な配列を含むポリヌクレオチド配列を指す。由来するポリヌクレオチドは、必ずしも関心のあるヌクレオチド配列から物理的に由来せず、化学的合成、複製、逆転写または転写を含むがこれに限らないあらゆる方法で産生され得、それはそのポリヌクレオチドが由来する領域の塩基の配列によって提供される情報に基づく。そのようであるので、それはもとのポリヌクレオチドのセンスまたはアンチセンスいずれかの方向を示し得る。
「相同性」は、2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド部分間の類似性パーセントを指す。2つのポリヌクレオチド、または2つのポリペプチド配列は、規定された長さの分子において、その配列が少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約80〜85%、好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95〜98%の配列類似性を示す場合、お互いに「実質的に相同性である」。本明細書中で使用される場合、実質的に相同性はまた、特定のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列に完全な同一性を示す配列も指す。
一般的に、「同一性」は、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の、それぞれ正確なヌクレオチド対ヌクレオチド、またはアミノ酸対アミノ酸の対応を指す。同一性パーセントを、配列を整列させ、2つの整列させた配列間の正確なマッチ数を計数し、短い配列の長さで除算し、そしてその結果に100を積算することによって、2つの分子間の配列情報を直接比較することによって決定し得る。
相同性および同一性の分析を助けるために、ペプチド分析に関して、Atlas of Protein Sequence and Structure M.O.Dayhoff編、5 Suppl.3:353−358、National Biomedical Research Foundation、Washington DCにおけるALIGN、Dayhoff,M.O.のような、容易に入手可能なコンピュータープログラムを使用し得、それはSmithおよびWaterman Advances in Appl.Math.2:482−489、1981の局所相同性アルゴリズムを適応させる。ヌクレオチド配列相同性を決定するプログラムは、Wisconsin Sequence Analysis Package、Version8(Genetics Computer Group、Madison、WIから入手可能)において入手可能であり、例えばBESTFIT、FASTAおよびGAPプログラムであり、それもSmithおよびWatermanのアルゴリズムに依存する。これらのプログラムは、製造会社によって推奨され、上記で言及したWisconsin Sequence Analysis Packageにおいて記載されたデフォルトパラメーターを用いて容易に利用される。例えば、特定のヌクレオチド配列の参照配列に対する相同性パーセントを、デフォルトのスコア付け表(default scoring table)および6つのヌクレオチド位置のギャップペナルティを用いたSmithおよびWatermanの相同性アルゴリズムを用いて決定し得る。
本発明の関係において相同性パーセントを確立する他の方法は、University of Edinburghに著作権があり、John F.CollinsおよびShane S.Sturrokによって開発され、そしてIntelliGenetics,Inc.(Mountain View、CA)によって配布された、MPSRCHプログラムパッケージを使用することである。この総合ソフトウェアのパッケージから、Smith−Watermanアルゴリズムを採用し得、ここでデフォルトパラメーターをスコア付け表に対して使用する(例えば、12のギャップペナルティ、1のギャップ延長ペナルティ、および6個のギャップ)。産生されたデータから、「マッチ」の値が、「配列相同性」を反映する。配列間の同一性または類似性パーセントを計算する、他の適切なプログラムが、当該分野で一般的に公知であり、例えば他の整列プログラムは、デフォルトパラメーターを用いて使用されるBLASTである。例えば、BLASTNおよびBLASTPを、以下のデフォルトパラメーターを用いて使用し得る:genetic coode=標準;filter:なし:strand=両方;cutoff=60;expect=10;Matrix=BLOSUM62;Descriptions=50配列;sort by=HIGH SCORE;Databases=重複なし、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS translations+Swiss protein+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレスにおいて見出し得る:http://www.ncbi.nlm.gov/cgi−bin/BLAST。
あるいは、相同的な領域間で安定な2本鎖を形成する条件化で、ポリヌクレオチドをハイブリダイズさせ、続いて1本鎖特異的ヌクレアーゼで消化し、そして消化された断片をサイズ決定することによって、相同性を決定し得る。実質的に相同なDNA配列を、例えば、特定の系に関して規定したようなストリンジェントな条件下における、サザンハイブリダイゼーション実験において同定し得る。適切なハイブリダイゼーション条件を規定することは、当該分野の技術の範囲内である。例えば、Sambrookら、前出;DNA Cloning、前出;Nucleic Acid Hybridization、前出を参照のこと。
核酸分子を説明するために本明細書中で使用される「組み換え」は、その起源または操作によって、天然においてそれが関連しているポリヌクレオチドの全てまたは一部と関連していない、ゲノム、cDNA、ウイルス、半合成、または合成起源のポリヌクレオチドを意味する。タンパク質またはポリペプチドに関して使用される「組み換え」という用語は、組み換えポリヌクレオチドの発現によって産生されたポリペプチドを意味する。一般的に、下記でさらに記載するように、目的の遺伝子をクローニングし、そして次いで形質転換した有機体において発現させる。宿主有機体は、発現条件下で外来性遺伝子を発現してタンパク質を産生する。
「DNA依存性DNAポリメラーゼ」は、DNA鋳型から相補的なDNAコピーを合成する酵素である。例は、E.coli由来のDNAポリメラーゼIおよびバクテリオファージT7 DNAポリメラーゼである。全ての公知のDNA依存性DNAポリメラーゼは、合成を開始するために相補的なプライマーが必要である。適切な条件下で、DNA依存性DNAポリメラーゼは、RNA鋳型から相補的なDNAコピーを合成し得る。
「DNA依存性RNAポリメラーゼ」または「転写酵素」は、(通常2本鎖の)プロモーター配列を有する2本鎖または一部2本鎖のDNA分子から、複数のRNAコピーを合成する酵素である。RNA分子(「転写物」)は、プロモーターのすぐ下流にある特定の位置から始まって5’から3’の方向へ合成される。転写酵素の例は、E.coli由来のDNA依存性RNAポリメラーゼおよびバクテリオファージT7、T3およびSP6である。
「RNA依存性DNAポリメラーゼ」または「逆転写酵素」は、RNA鋳型から相補的なDNAコピーを合成する酵素である。全ての公知の逆転写酵素はまた、DNA鋳型から相補的なDNAコピーを産生する能力も有する;従って、それらはRNAおよびDNA依存性DNAポリメラーゼの両方である。RNAおよびDNA鋳型の両方で合成を開始するためにプライマーが必要である。
「RNAseH」は、RNA:DNA2本鎖のRNA部分を分解する酵素である。これらの酵素は、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであり得る。ほとんどの逆転写酵素は通常、そのポリメラーゼ活性に加えて、RNAseH活性を含む。しかし、RNAseHの他の供給源が、関連するポリメラーゼ活性なしに利用可能である。その分解は、RNA:DNA複合体からのRNAの分離を引き起こし得る。あるいは、RNAseHは、RNAの部分が次第になくなるか、または酵素がRNAの一部を巻き戻すのを可能にするように、単に様々な位置でRNAを切断し得る。
本明細書中で使用される場合、「標的核酸領域」または「標的核酸」という用語は、増幅される「標的配列」を有する核酸分子を示す。標的核酸は、1本鎖または2本鎖のいずれかであり得、そして標的配列の他に、増幅されないかもしれない他の配列を含み得る。「標的配列」という用語は、増幅される標的核酸の特定のヌクレオチド配列を指す。標的配列は、望ましい条件下でプローブが安定なハイブリッドを形成する、標的分子に含まれるプローブがハイブリダイズする領域を含み得る。「標的配列」はまた、標的配列を鋳型として使用してオリゴヌクレオチドプライマーが複合体を形成し、そして伸長する複合体形成配列を含む。標的核酸がもともと1本鎖である場合、「標的配列」という用語は、標的核酸に存在するような「標的配列」に相補的な配列も指す。もし「標的核酸」がもともと2本鎖であるなら、「標的配列」という用語は、プラス(+)およびマイナス(−)鎖の両方を指す。
本明細書中で使用される「プライマー」または「オリゴヌクレオチドプライマー」という用語は、プライマー伸長産物の合成が誘導される条件下、すなわちヌクレオチドおよびDNAまたはRNAポリメラーゼのようなポリマー化誘導剤の存在下および適切な温度、pH、金属濃度、および塩濃度に置かれた場合に、相補的な核酸鎖の合成を開始するために作用するオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは、増幅における最大の効率のために、好ましくは1本鎖であるが、2本鎖であってもよい。もし2本鎖なら、伸長産物を調製するために使用する前に、プライマーを最初に処理してその鎖を分離し得る。この変性工程は、代表的には熱によって行われるが、あるいはアルカリ、続く中和を用いて行われ得る。従って、「プライマー」は、鋳型に相補的であり、そして鋳型と水素結合またはハイブリダイゼーションによって複合体を形成して、ポリメラーゼによる合成の開始のためにプライマー/鋳型複合体を提供し、それがDNAまたはRNA合成の過程で鋳型に相補的な、3’末端に共有結合した塩基の追加によって伸長される。
本明細書中で使用される場合、「プローブ」または「オリゴヌクレオチドプローブ」という用語は、標的核酸分析物に存在する核酸配列に相補的な核酸配列を含む、上記で定義されたようなポリヌクレオチドから成る構造を指す。プローブのポリヌクレオチド領域は、DNA、および/またはRNA、および/または合成ヌクレオチドアナログから構成され得る。「オリゴヌクレオチドプローブ」を、TaqManTM技術のような5’ヌクレアーゼアッセイにおいて使用する場合、プローブは少なくとも1つの蛍光剤および少なくとも1つの消光剤を含み、それはあらゆる増幅された標的オリゴヌクレオチド配列を検出するために、反応で使用されたポリメラーゼの5’エンドヌクレアーゼ活性によって消化される。この関係において、オリゴヌクレオチドプローブは、その5’末端に隣接する十分な数のホスホジエステル結合を有し、採用された5’から3’へのヌクレアーゼ活性が、結合したプローブを効率的に分解して、蛍光剤および消光剤を分離し得る。オリゴヌクレオチドプローブをTMA技術において使用する場合、それは下記で記載されるように適切に標識される。
安定なハイブリッドを提供するために、ハイブリダイズする配列は、完全な相補性を有する必要はないことが認識される。多くの状況において、4つまたはそれ以上のヌクレオチドのループを無視して、約10%より少ない塩基がミスマッチである場合、安定なハイブリッドが形成される。よって、本明細書中で使用される場合、「相補的」という用語は、アッセイ条件下でその「相補鎖」と安定な2本鎖を形成するオリゴヌクレオチドを指し、一般的にここで約90%またはそれ以上の相同性が存在する。
「ハイブリダイズ」および「ハイブリダイゼーション」という用語は、ワトソン−クリック塩基対形成によって複合体を形成するのに十分相補的なヌクレオチド配列間の複合体の形成を指す。プライマーが標的(鋳型)に「ハイブリダイズ」する場合、そのような複合体(またはハイブリッド)は、例えばDNA合成を開始するためにDNAポリメラーゼによって必要とされるプライミング機能を果たすのに十分安定である。
本明細書中で使用される場合、「結合対」という用語は、核酸2本鎖を形成し得る相補的なポリヌクレオチド対のような、お互いに特異的に結合する第1の分子と第2の分子とを指す。サンプルにおける結合対の第1のメンバーの、結合対の第2のメンバーに対する「特異的結合」は、サンプル中の他の成分に対するより高い親和性および特異性で、第1のメンバーが第2のメンバーに結合する、または逆もまた同じであることによって証明される。結合対のメンバー間の結合は、代表的には非共有結合である。文脈が明らかにそうでないと示さない限り、「親和性分子」および「標的分析物」という用語は、本明細書中において、それぞれ結合対の第1のメンバーと第2のメンバーとを指して使用される。
「特異的結合分子」および「親和性分子」という用語は、本明細書中において交換可能に使用され、そしてサンプル中に存在する検出可能な物質に、化学的または物理的な手段で選択的に結合する分子を指す。「選択的に結合する」によって、その分子が関心のある標的に優先的に結合すること、または他の分子よりも高い親和性で標的に結合することを意味する。例えば、DNA分子は実質的に相補的な配列に結合し、そして無関係の配列には結合しない。
2本鎖DNAの「融解温度」または「T」は、DNAのらせん構造の半分が、熱によるか、または例えば酸またはアルカリ処理等による他の塩基対間の水素結合の解離によって失われる温度として規定される。DNA分子のTは、その長さおよび塩基の組成に依存する。GC塩基対が豊富なDNA分子は、AT塩基対を豊富に有するものより高いTを有する。DNAの分離した相補鎖は、温度がTより下に低下した時に、自然に再会合またはアニーリングして2本鎖DNAを形成する。最も高い核酸ハイブリダイゼーション率は、Tの約25℃下で起こる。Tを、以下の関係を用いて推定し得る:T=69.3+0.41(GC)%(Marmurら(1962)J.Mol.Biol.5:109−118)。
本明細書中で使用される場合、「標識」および「検出可能な標識」という用語は、放射性同位元素、蛍光剤、化学発光剤、発色団、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素阻害剤、色素、金属イオン、金属ゾル、半導体、ナノ結晶、リガンド(例えばビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、またはハプテン)等を包含するが、これらに限らない、検出可能な分子を指す。「蛍光剤」という用語は、検出可能な範囲で蛍光を示し得る物質またはその一部を指す。
本明細書中で使用される場合、「固体支持体」は、磁気ビーズ、ラテックスビーズ、マイクロタイタープレートウェル、ガラスプレート、ナイロン、アガロース、アクリルアミド等のような、固体表面を指す。
本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」は、血液、血漿、血清、糞便、尿、骨髄、胆汁、骨髄液、リンパ液、皮膚のサンプル、皮膚、呼吸、腸管および尿生殖器経路の分泌物、涙、唾液、乳、血液細胞、臓器、生検(しかしこれらに限定されない)のような、被験体から単離された組織または液のサンプル、および細胞増殖からできた培養上清および培養液中の組織、例えば組み換え細胞および細胞成分を含む(これらに限定されない)インビトロ細胞培養成分のサンプルを指す。上記で詳細に述べたサンプルは、必ずしも供給源から直接得た形式である必要はない。例えば、サンプルを使用の前に、例えば分析の前に過熱、遠心等によるように、処理し得る。
「脊椎動物被験体」によって、ウマおよびヒトのような哺乳類、および鳥類の種を含む、脊索動物亜門(これらに限定されない)のあらゆるメンバーを意味する。この用語は、特定の年齢を示さない。従って、成人および新生児の動物、および胎児が含まれるよう意図される。
(II.一般的な概観)
被験体のFcγRIII遺伝子型を決定するために、様々な組成物および方法が本明細書中で提供される。特に、FcγRIIIa(遺伝子A)の158V/F部位で被験体の遺伝子型を決定するために使用し得る、新規オリゴヌクレオチド(例えばプライマー)が記載される。本明細書中で記載されるアッセイの正確性は、部分的には、本明細書中で記載された組成物および方法が、遺伝子Aと遺伝子Bとの間を明確に区別し得るという事実に由来する。遺伝子Aおよび遺伝子Bはどちらも第1染色体にマッピングされるが、本開示は、遺伝子Bは158V/F多型を含まず、むしろ常にVVホモ接合体であることを決定的に示す。
1つまたはそれ以上の本明細書中で記載されたオリゴヌクレオチドの使用を含む、FcγRIII遺伝子型同定の方法も記載される。単一のPCR反応(例えば1セットのプライマー)によって;複数のPCR反応(例えば異なる組み合わせのプライマー)を評価することによって;および/または単一または複数のPCR反応に続く配列決定または他の核酸ベースのアッセイ技術によって、158F/V部位におけるFcγRIIIa遺伝子型を決定し得る。
本明細書中で記載された組成物および方法を用いて、例えば治療プロトコールをより良く決定するために、特定の個体を容易に遺伝子型同定し得る。従って、あらゆる被験体の遺伝薬理学的分析を容易に行い得る。
本発明を詳細に記載する前に、特定の処方または過程のパラメーターはもちろん変化し得るので、本発明はそのようなものに制限されないことが理解される。本明細書中で使用される用語は、本発明の特定の実施態様を説明する目的のためのみであり、そして制限することを意図しないことも理解される。
本明細書中で記載されたものと類似のまたは同等の多くの組成物および方法を、本発明の実施において使用し得るが、好ましい物質および方法が本明細書中で記載される。
(III.オリゴヌクレオチド)
個体のFcγRIIIハプロタイプを決定するのに有用な新規ヌクレオチド配列が、本明細書中で記載される。さらに、本明細書中で記載されたプライマー配列を使用して、FcγRIIIA(遺伝子A)とFcγRIIIB(遺伝子B)との間を正確に区別した。
簡便さのために、遺伝子Aおよび遺伝子B両方のコーディング配列(cDNA)を認識するプライマーのナンバリングおよび整列を、RavetchおよびPerussia(1989)J.Exp.Med.170:481およびNCBI Accession No.NM_000569と相対的に行う。同様に、ゲノムDNAを認識するプライマーのナンバリングおよび整列を、エキソン4の最初の塩基と相対的に行う。
本明細書中で記載された配列は、一般的にプライマー、例えばPCRプライマーおよび/または配列決定プライマーとして有用である。表1で示したように、プライマーは遺伝子Aまたは遺伝子Bに非特異的であっても特異的であってもよく、そしてさらに、1つまたはそれ以上の多型、好ましくは158F/V一塩基多型にも特異的である(図1)。ある実施態様において、そのオリゴヌクレオチドは、例えば図2で示されたような、1つまたはそれ以上のさらなる多型を含む配列も増幅する。そのような配列の制限しない例を、表1に示す。
Figure 2007532110
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従って、本明細書中で記載されたオリゴヌクレオチドは、好ましくは1つまたはそれ以上の多型を規定するヌクレオチド(例えば158F/V多型)および/または遺伝子Aを遺伝子Bから区別するヌクレオチドを含む。好ましくは、使用されたプライマーは、少なくとも158F/V多型を含む配列を増幅する。ある実施態様において、使用されたプライマーは、複数の多型を含む配列を増幅する。例えば、図3で示すように、プライマーは、エキソン4の最初の塩基に対して番号をつけた、位置121(G/A)、153(T/C)、179(C/T)、207(G/T)、および313(C/A)における多型を含むが必ずしもこれに限らない配列を増幅する。最初の4つの位置は、NM_000569に対して番号をつけた、位置473(G/A)、505(T/C)、531(C/T)および559(G/T)に対応する。
さらに、下記の実施例で詳細に記載されるように、本開示はまた、エキソン4の最初の塩基に対して番号をつけた、位置313における単一ヌクレオチド(A/C)の違いが、遺伝子Aまたは遺伝子Bに高度に特異的であるという発見に注目する。特に、遺伝子Aにおいて、A残基が常にこの位置で見出され、一方遺伝子Bにおいては、常にC残基がこの位置で見出される。従って、ある実施態様において、プライマーはこの残基を含み、そして従って、遺伝子Aまたは遺伝子Bに特異的である。
ある実施態様において、区別する塩基(例えば多型および/または遺伝子AまたはB特異的塩基)は、オリゴヌクレオチド(プライマー)配列の末端塩基である。例えば、図2で示すように、3’プライマー158−3’A(配列番号1)の3’ヌクレオチドは、158Fハプロタイプ(例えば位置559のT)に特異的であり、一方3’プライマー158−3’C(配列番号2)の3’ヌクレオチドは、158Vハプロタイプ(例えば位置559のG)に特異的である。同様に、3’プライマー5’T(配列番号3番)の5’ヌクレオチドは、遺伝子B(位置531のT)に特異的であり、一方5’プライマー5’C(配列番号5)の3’ヌクレオチドは、遺伝子A(位置531のC)に特異的である。5’プライマー5’A(配列番号4番)は、位置530で終わるので、遺伝子Aおよび遺伝子Bの両方に一般的である。
本明細書中で開示されたようなプライマーはまた、1つまたはそれ以上の、天然の遺伝子Aまたは遺伝子B配列とのミスマッチを含み得る。ある場合において、ミスマッチ塩基対の導入は、遺伝子に対する増強された特異性を提供する。ミスマッチは、好ましくはプライマー内部である。特に有用なオリゴヌクレオチドは、それぞれ示されるような様々なオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列、またはそのオリゴヌクレオチドに対して少なくとも約80〜90%またはそれ以上の配列同一性(そのオリゴヌクレオチドに対する81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性のような、これらの範囲内のあらゆる同一性パーセントを含む、)を示す配列を含む。上記で説明したように、そのオリゴヌクレオチドが由来する領域は、一般的に1つまたはそれ以上の多型を含む。それに加えて、標的核酸への結合の親和性を改善するために、オリゴヌクレオチドを、当該分野で周知の方法を用いて誘導体化し得る。
オリゴヌクレオチドプライマーの特定の長さは重要でなく、そして当業者によって容易に設計され得る。オリゴヌクレオチドは、特定の保存された領域の約5〜約500ヌクレオチド、好ましくは約10〜約100ヌクレオチド、またはより好ましくは約10〜約60ヌクレオチド、または目的の保存された領域からの18、19、20、21、22、23、24、25、26...35...40等のような、これらの範囲内のあらゆる整数のヌクレオチドを含む配列を含み得る。好ましくは、プライマー配列は長さが少なくとも10ヌクレオチド、より好ましくは長さが約15ヌクレオチドと30ヌクレオチドとの間(長さが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチドのヌクレオチドを含む)、およびさらにより好ましくは長さが約15ヌクレオチドと25ヌクレオチドとの間である。
本明細書中で記載されたようなオリゴヌクレオチド(例えばプライマーおよびプローブ)は、標準的な技術、例えばその全体が本明細書中に参考として援用される米国特許第4,458,066号および同第4,415,732号;Beaucageら(1992)Tetrahedron 48:2223−2311;およびApplied Biosystems User Bulletin No.13(1987年4月1日)において開示されたような、ホスホラミダイト化学による固相合成によって容易に合成される。他の化学的合成方法は、例えば、Narangら、Meth.Enzymol.(1979)68:90によって記載されたホスホトリエステル法、およびBrownら、Meth.Enzymol.(1979)68:109によって開示されたホスホジエステル法を含む。ポリAまたはポリC、または他の非相補的なヌクレオチド延長部分を、これらの同じ方法を用いてプローブに組み込み得る。酸化ヘキサエチレン延長部分を、当該分野で公知の方法によってプローブに結合し得る。Cloadら(1991)J.Am.Chem.Soc.113:6324−6326;Levensonらに対する米国特許第4,914,210号;Durandら(1990)Nucleic Acids Res.18:6353−6359;およびHornら(1986)Tet.Lett.27:4705−4708。
さらに、オリゴヌクレオチドを、検出のために標識に結合し得る。オリゴヌクレオチドを、標識の追加を可能にする反応性官能基で誘導体化するためにいくつかの公知の方法が存在する。例えば、放射活性、蛍光、化学発光、酵素、または電子密度標識を、アビジンによって結合し得るように、プローブをビオチン化するためにいくつかのアプローチが利用可能である。例えば、フェリチン−アビジン−ビオチン標識の使用を開示するBrokenら、Nucl.Acids Res.(1978)5:363−384;およびアミノアルキルホスホラミドリンカーアームによるオリゴヌクレオチドの5’末端のビオチン化を開示するCholletら、Nucl.Acids Res.(1985)13:1529−1541を参照のこと。アミノ誘導体化オリゴヌクレオチドを合成するためにも、いくつかの方法が利用可能であり、それらはイソチオシアネート、N−ヒドロキシスクシミニド等のような、アミノ反応基によって誘導体化された蛍光または他の型の化合物によって容易に標識される、例えばConnolly(1987)Nucl.Acids Res.15:3131−3139、Gibsonら(1987)Nucl.Acids Res.15:6455−6467およびMiyoshiらに対する米国特許第4,605,735号を参照のこと。チオール特異的標識と反応させ得る、メルカプト基誘導体化オリゴヌクレオチドを合成する方法も利用可能であり、例えばFungらに対する米国特許第4,757,141号;Connollyら(1985)Nucl.Acdis Res.13:4485−4502およびSpoatら(1987)Nucl.Acids Res.15:4837−4848を参照のこと。DNA断片を標識するための方法論の包括的な概説が、Matthewsら、Anal.Biochem.(1988)169:1−25において提供される。
例えば、蛍光分子を、プローブのライゲーションしない末端に結合させることによって、オリゴヌクレオチドを蛍光標識し得る。適切な蛍光標識を選択するための指針を、Smithら、Meth.Enzymol.(1987)155:260−301;Kargerら、Nucl.Acids Res.(1991)19:4955−4962;Haugland(1989)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(Molecular Probes,Inc.、Eugene、OR)において見出し得る。好ましい蛍光標識としては、フルオレセインおよび米国特許第4,318,846号およびLeeら、Cytometry(1989)10:151−164において開示されたようなその誘導体、および6−FAM、JOE、TAMRA、ROX、HEX−1、HEX−2、ZOE、TET−1またはNAN−2等が挙げられる。
さらに、下記で記載する技術を用いて、オリゴヌクレオチドをアクリジニウムエステル(AE)で標識し得る。現在の技術は、AE標識を、プローブ中のあらゆる位置に置くことを可能にする。例えば、Nonisotopic Probing、Blotting and Sequencing、Kricka L.J.(編)Academic Press、San Diego、CA中のNelsonら(1995)「Detection of Acridinium Esters by Chemiluminescence」;The Polymerase Chain Reaction、Mullisら(編)Birkhauser、Boston、MA中のNelsonら(1994)「Application of the Hybridization Protection Assay(HPA) to PCR」;Weeksら、Clin.Chem.(1983)29:1474−1479;Berryら、Clin.Chem.(1988)34:2087−2090を参照のこと。標識をプローブ中のあらゆる位置に置くことを可能にする、非ヌクレオチドに基づくリンカーアーム化学を用いて、AE分子をプローブに直接結合し得る。例えば、米国特許第5,585,481および5,185,439号を参照のこと。
(IV.核酸ベースのアッセイ)
次いで、FcγRIIIハプロタイプ、例えば158V/F多型におけるFcγRIIIaハプロタイプを決定するために、1つまたはそれ以上の本明細書中で記載されたオリゴヌクレオチドを、1つまたはそれ以上の核酸ベースのアッセイにおいて使用する。
遺伝子型同定を、あらゆる適切なサンプルに対して行い得る。例えば、グアニジンチオシアネート−フェノール−クロロホルム抽出(Chomocyznskiら(1987)Anal.Biochem.162:156)のような標準的な技術を用いて、FcγRIIIを発現する細胞から核酸を容易に単離し得る。RNAおよび/またはゲノムDNAを単離し得る。次いで単離した核酸(RNAまたはDNA)を、好ましくは増幅に供する。
標的核酸の増幅は、代表的には標的核酸またはその断片の複数のコピーを産生するために、核酸ポリメラーゼを使用する。例えば転写媒介性増殖、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、レプリカーゼによる増幅、およびリガーゼ連鎖反応(LCR)のような、適切な増幅技術は当該分野で周知である。
(A.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))
ある実施態様において、増幅過程は、あらゆる生物学的サンプルにおいてFcγRIIIハプロタイプを決定するために、RT−PCRのようなポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく技術を含む。PCRは、核酸分子または分子の混合物中に含まれる、望ましい標的核酸配列を増幅するための技術である。PCRにおいて、標的核酸の相補鎖にハイブリダイズさせるためにプライマーのペアが過剰に採用される。プライマーはそれぞれ、標的核酸を鋳型として使用して、ポリメラーゼによって伸長される。伸長産物は、もとの標的鎖から解離した後、それ自身標的配列となる。次いで新しいプライマーがハイブリダイズし、そしてポリメラーゼによって伸長され、そしてサイクルは反復されて標的配列分子の数が幾何学的に増加する。サンプル中の標的核酸配列を増幅するPCR法は、当該分野で周知であり、そして例えばInnisら(編)PCR Protocols(Academic Press、NY 1990);PCR: A Practical Approach、McPhersonら(編)IRL Press、Oxford中のTaylor(1991)Polymerase chain reaction: basic principles and automation;Saikiら(1986)Nature 324:163;および米国特許第4,683,195、4,683,202、および4,889,818号において記載され、これらは全て全体として本明細書中で参考文献に組み込まれる。
特に、PCRは、その3’末端がお互いに向き合う方向で、各プライマーが他方に向かって伸長する、増幅される標的ヌクレオチド配列をはさむ比較的短いオリゴヌクレオチドプライマーを使用する。ポリヌクレオチドサンプルを抽出および好ましくは熱によって変性し、そしてモル過剰で存在する第1および第2のプライマーとハイブリダイズさせる。4つのデオキシリボヌクレオチド3リン酸(dNTP−−dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP)の存在下で、プライマー伸長産物を産生し得るあらゆる酵素、例えばE.coli DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片、T4 DNAポリメラーゼ、様々な供給源(例えばPerkin Elmer)から入手可能なThermus aquaticus(Taq)、Thermus thermophilus(United States Biochemicals)、Bacillus stereothermophilus(Bio−Rad)、またはThermococcus litoralis(「Vent」ポリメラーゼ、New England Biolabs)から単離された熱安定性DNAポリメラーゼのような、プライマーおよび鋳型依存性のポリヌクレオチドポリマー化剤を用いて、ポリマー化は触媒される。これは、その5’末端に、もとの鎖の新規に合成された相補鎖に共有結合したそれぞれのプライマーを含む、2つの「長い産物」を生ずる。次いでその反応混合物を、例えば温度を下げる、変性剤を不活性化するか、またはより多くのポリメラーゼを加えることによって、ポリマー化条件に戻し、そして2回目のサイクルが開始される。2回目のサイクルは、2本のもとの鎖、最初のサイクルからの2本の長い産物、もとの鎖から複製された2本の新しい長い産物、および長い産物から複製された2本の「短い産物」を提供する。短い産物は、各末端にプライマーを有する、標的配列の配列を有する。さらなるサイクルそれぞれにおいて、さらに2本の長い産物が産生され、そして短い産物の数は、前のサイクルの最後に残った長いおよび短い産物の数と同じである。従って、標的配列を含む短い産物の数は、各サイクルで指数関数的に増加する。好ましくは、PCRは市販で入手可能なサーマルサイクラー、例えばPerkin Elmerで行う。
mRNAをcDNAへ逆転写し、そして次いで上記で記載したようにPCR(RT−PCR)を行うことによって、RNAを増幅し得る。あるいは、米国特許第5,322,770号において記載されたように、両方の工程において単一の酵素を使用し得る。mRNAをまた、cDNAへ逆転写し、続いてMarshallら(1994)PCR Meth.App.4:80−84によって記載されたように、非対称ギャップ(asymmetric gap)リガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)を行い得る。特定のPCR条件(例えば温度、サイクリング時間等)は、本発明の実施に重要ではなく、当業者によって容易に決定され得る。
ある実施態様において、賢明なプライマーのデザインおよび選択によって、単一のPCR反応によって遺伝子型同定の精度が達成される。例えば、位置559における多型および位置313(エキソン4の最初の塩基と相対的に番号をつけた)における遺伝子特異的多型を含む配列を増幅するプライマーを用いたPCR増幅から生じた配列が、代表的には158V/Fハプロタイプを決定するため、および遺伝子Aを遺伝子Bから区別するために十分な情報を提供する。
PCRベースの技術に関して、ある場合には複数の多型を含むプライマーを使用することが好ましくあり得る。複数の多型を含むことは、組み込まれた内部コントロールを提供する。選択されたプライマーは、遺伝子Aまたは遺伝子Bのみを増幅してもよいし、または両方の遺伝子由来の配列を増幅してもよい。使用し得るプライマーの単一対の組み合わせの代表的な例を図7(配列番号1−11番)に示し、そして例えば配列番号6、配列番号7または配列番号8の1つと、配列番号9、配列番号10または配列番号11の1つとの組み合わせ、または配列番号1または配列番号2の1つと、配列番号3、配列番号4または配列番号5の1つとの組み合わせを含む。
さらに、表1で開示された1つの適切なプライマー対を用いた、被験体から得たDNAサンプルの増幅は、それ自身で遺伝子型を決定するために十分であり得るが、本開示はまた、さらなるPCRおよび/または配列決定を含む、遺伝子型同定の精度を増強するさらなるアッセイを提供する。
例えば、ある実施態様において、複数のプライマーの組み合わせを使用してPCR増幅を行い、そして各組み合わせから得てできた増幅されたバンドのパターンを評価して被験体の遺伝子型を正確に決定する。特に好ましい実施態様において、各サンプルに対して複数の異なるPCRアッセイ、例えば5’(順方向)プライマーと様々に組み合わせた様々な3’(逆方向)プライマーを用いた複数の反応を行う。
例のために、配列番号3、配列番号4および配列番号5の5’プライマーと組み合わせた配列番号1および配列番号2の3’プライマー(例えば配列番号1および配列番号3;配列番号2および配列番号3;配列番号1および配列番号4;配列番号2および配列番号4;配列番号1および配列番号5;配列番号2および配列番号5)を用いて、6つのPCR増幅を行い得る。各増幅反応の結果を比較し得(例えばゲル電気泳動によって)、そして特定のパターンを使用して容易に被験体をハプロタイプ決定する。一方のプライマーが遺伝子A特異的、遺伝子B特異的、または遺伝子AおよびBに一般的であり、そして他方のプライマーが158V−または158F−特異的であるプライマー対を使用することによって、この重要な部位において効率的かつ正確な遺伝子型同定が可能になる。
図5は、それぞれ異なる組み合わせのプライマーを含む、複数のPCR増幅反応の分析から得られた結果を示す。増幅の後、得られた産物を標準的な4%のアガロースゲル(実施例も参照のこと)に流し、そしてできた産物(もしあるなら)を可視化した。図5のレーンは、PCR反応に使用した特定のプライマーの組み合わせに対応して標識する。パネルAおよびパネルDのパターンは、遺伝子Aにおいて158FF(ホモ接合体)である被験体を示す。パネルBは、遺伝子Aにおいて158VVホモ接合体である被験体を示し、一方パネルCは、遺伝子Aにおいて158FV(ヘテロ接合体)である被験体を示す。全てのパネルは内部コントロールを含み、ここで、遺伝子Bは位置559における多型を含まないので、5’プライマーT(遺伝子B特異的、配列番号3)および3’プライマーA(158F特異的、配列番号1)の組み合わせはPCR産物を産生しないはずである。
(B.配列決定)
さらに他の実施態様において、本明細書中で記載されたような遺伝子型同定は、さらにPCR増幅産物の配列決定する工程を包含する。本明細書中で開示されたプライマーのいずれも、配列決定プライマーとして使用し得る。配列決定プライマーとして特に好ましいのは、多型に結合し、そして結合した場合に多型158V/Fに対応する遺伝子の部分の配列決定を可能にするものである。代表的な配列決定プライマーを、図8に示す(配列番号12〜19)。
例えばマクサム・ギルバート法を用いた化学的配列決定によって、または例えばサンガー法を用いた酵素的配列決定によって、直接的な配列決定を達成し得る。後者の場合、特異的なオリゴヌクレオチドを標準的な方法を用いて合成し、そしてジデオキシヌクレオチド配列決定反応のプライマーとして使用する。例えばSambrook、前出および下記の実施例を参照のこと。
図6は、以前に記載されたプライマー(「Koene」)を用いたPCR単独と比較した、本明細書中で記載されたプライマーを用いたPCR後の配列決定(「PCR−SEQ」)の後の、遺伝子A 158V/F部位における遺伝子型同定の結果を示す。比較した80サンプルのうち、10個はKoeneら、前出、において以前に記載されたプライマーおよびPCR法を用いて、誤って遺伝子型同定された。具体的には、A609201、A609372、A610260、A612201、A701320、NCM460、A609203、A701017、Kyse410、およびkidneyは、以前に記載された方法を用いて、誤って遺伝子型同定された。それに加えて、本明細書中で記載されたアッセイと異なり、以前に記載された方法は、遺伝子Aおよび遺伝子Bの間を区別しない。
(C.TaqManTM
TaqManTMアッセイ(例えばHollandら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:7276−7280を参照のこと)として知られる蛍光発生的な5’ヌクレアーゼアッセイは、強力および用途の広い、PCRベースの核酸標的の検出システムである。従って、本明細書中で記載されたプライマーおよびプローブも、被験体のFcγRIII遺伝子型を決定するために、TaqManTM分析で使用し得る。分析を、蛍光シグナルの産生をモニタリングすることによって、サーマルサイクリングと組み合わせて行う。そのアッセイシステムは、ゲル電気泳動分析を不要にし、そして標的のコピー数の決定を可能にする定量的データを産生する能力を有する。例えば、以前に分析したサンプルの連続的な希釈を用いて標準曲線を産生し得る。パネルメンバーそれぞれのコピー数を用いて標準グラフを作成し得、それに対して未知のサンプルを比較し得る。
蛍光発生的な5’ヌクレアーゼアッセイを、蛍光リポーター色素および消光剤の両方で標識された内部オリゴヌクレオチドプローブを消化するために、例えば内因性5’ヌクレアーゼ活性を有するAmpliTaq GoldTM DNAポリメラーゼを用いて簡便に行う(Hollandら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:7276−7280;およびLeeら、Nucl.Acids Res.(1993)21:3761−3766を参照のこと)。蛍光プローブが消化され、色素および消光剤標識が分離し、そして標的核酸の増幅に比例する蛍光シグナルの増加を引き起こすので、増幅サイクルの間に起こる蛍光の変化を測定することによって、アッセイの結果を検出する。
増幅産物を、溶液中で、または固体支持体を用いて検出し得る。本方法において、TaqManTMプローブを、望ましいPCR産物内の標的配列にハイブリダイズするようデザインする。TaqManTMプローブの5’末端は、蛍光リポーター色素を含む。プローブの3’末端は、プローブの伸長を防止するため保護され、そして5’フルオロフォアの蛍光を消光する色素を含む。続く増幅の間に、もし反応中に5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼが存在するなら、5’蛍光標識は切断される。5’フルオロフォアの切断は、蛍光の増加を引き起こし、それを検出し得る。
TaqManTMアッセイの詳細な説明、そこで使用する試薬および条件に関して、例えばHollandら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:7276−7280;米国特許第5,538,848、5,723,591、および5,876,930号を参照のこと、これらは全てその全体として本明細書中で参考文献に組み込まれる。
(D.転写媒介性増幅アッセイ(TMA))
本明細書中で記載された配列を、転写媒介性増幅(TMA)アッセイの基礎としても使用し得る。TMAは、生物学的サンプル中にわずかな量で存在する標的核酸配列を同定する方法を提供する。そのような配列は、直接的なアッセイ方法を用いて検出することが困難または不可能であり得る。特に、TMAは、等温、自己触媒の核酸標的増幅システムであり、それは標的配列の10億以上のRNAコピーを提供し得る。生物学的サンプル中の標的配列の存在または非存在を正確に検出するために、そのアッセイを定性的に行い得る。そのアッセイはまた、数オーダーの程度の濃度範囲で標的配列の量の定量的測定を提供し得る。TMAは、温度、イオン強度およびpHのような反応条件を反復して操作することなく、自己触媒的に複数のコピーの標的核酸配列を合成する方法を提供する。
一般的に、TMAは以下の工程を含む:(a)ハプロタイプ決定する、関心のある生物学的サンプルから、RNAを含む核酸を単離する;および(b)反応混合物に(i)単離した核酸、(ii)第1および第2のオリゴヌクレオチドプライマー、第1のプライマーは、もし存在するなら(例えば(+)鎖)それと複合体を作るために、RNA標的配列の3’末端部分に十分相補的な複合体化配列を有し、そして第2のプライマーはそれと複合体を作るために、その相補鎖(例えば(−)鎖)の標的配列の3’末端部分に十分相補的な複合体化配列を有する、ここで第1のオリゴヌクレオチドは、さらにプロモーターを含む配列を複合体化配列の5’に含む、(iii)逆転写酵素またはRNAおよびDNA依存性DNAポリメラーゼ、(iv)RNA−DNA複合体のRNA鎖を選択的に分解する酵素活性(RNA分解酵素Hのような)および(v)プロモーターを認識するRNAポリメラーゼを合わせる。
反応混合物の成分を、段階的にまたは一度に合わせ得る。反応混合物を、DNAプライミングおよび核酸合成条件(リボヌクレオチド3リン酸およびデオキシリボヌクレオチド3リン酸を含む)を含む、オリゴヌクレオチド/標的配列が形成される条件下で、複数のコピーの標的配列を提供するために十分な時間インキュベートする。構成成分酵素のような反応構成成分の安定性を維持するために適切な、および増幅反応の過程の間に反応条件の修飾または操作を必要としない条件下で、その反応は有利に起こる。よって、実質的に等温で、そして実質的に一定のイオン強度およびpHを含む条件下で、その反応は起こり得る。その反応は簡便に、最初のDNA伸長反応によって産生されたRNA−DNA複合体を分離するために変性工程を必要としない。
適切なDNAポリメラーゼは、鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素(例えばSeikagaku America,Inc.から入手可能)およびモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素(例えばBethesda Research Laboratoriesから入手可能)のような、逆転写酵素を含む。
プライマーに組み込むために適切なプロモーターまたはプロモーター配列は、RNAポリメラーゼによって特異的に認識される核酸配列(天然に存在する、合成的に産生される、または制限消化の産物のいずれか)であり、RNAポリメラーゼはその配列を認識および結合し、そして転写の過程を開始し、それによってRNA転写物が産生される。その配列は、任意でRNAポリメラーゼの実際の認識部位を越えて伸長するヌクレオチド塩基を含み得、それはさらなる安定性または分解過程に対する感受性、または転写効率の増加を与え得る。有用なプロモーターの例は、バクテリオファージT3、T7またはSP6由来のもののような、あるバクテリオファージポリメラーゼによって認識されるもの、またはE.coli由来のプロモーターを含む。これらのRNAポリメラーゼは、New England BiolabsおよびEpicentreのような市販の供給源から容易に入手可能である。
AMV逆転写酵素のような、本明細書中における方法で使用するために適切な逆転写酵素のいくつかは、RNA分解酵素H活性を有する。しかし、AMV逆転写酵素を使用する場合でも、E.coli RNA分解酵素Hのような外来性RNA分解酵素Hを加えることが好ましくあり得る。RNA分解酵素は、例えばBethesda Research Laboratoriesから容易に入手可能である。
これらの方法によって産生されたRNA転写物は、上記で記載したメカニズムによって、標的配列のさらなるコピーを産生するための鋳型として作用し得る。そのシステムは自己触媒的であり、そして増幅は、温度、pH、イオン強度等のような反応条件を反復して修正または変更する必要なく自己触媒的に起こる。
直接的配列決定、配列特異的オリゴマーとのハイブリダイゼーション、ゲル電気泳動および質量分析を含む、広く様々な方法を用いて、検出を行い得る。これらの方法は、異種または同種の形態、同位元素または非同位元素標識を使用し得る、および標識を全く使用しない。
TMAは、例えば米国特許第5,399,491号において詳細に記載されており、その開示はその全体として本明細書中で参考文献に組み込まれる。典型的なアッセイの1つの例において、遺伝子型同定される被験体から単離された核酸サンプルを、緩衝液、塩、マグネシウム、ヌクレオチド3リン酸、プライマー、ジチオトレイトール、およびスペルミジンを含む緩衝液濃縮物と混合する。反応を任意で約100℃で約2分間インキュベートしてあらゆる2次構造を変性させる。室温に冷却した後、逆転写酵素、RNAポリメラーゼ、およびRNA分解酵素Hを加え、そして混合物を37℃で2から4時間インキュベートする。次いで産物を変性し、プローブ溶液を加え、60℃で20分間インキュベートし、ハイブリダイズしていないプローブを選択的に加水分解するための溶液を加え、反応物を60℃で6分間インキュベートし、そしてルミノメーターで残った化学発光を測定することによって、反応物をアッセイし得る。
上記で述べたように、遺伝子型を確認するために、2つまたはそれ以上の上記で記載した試験を実施し得る。例えば、もし最初の試験が、検出のために核酸を増幅するために転写媒介性増幅(TMA)を使用したなら、例えば、本明細書中で記載されたような、PCR増幅、RT PCR等を用いることによって、第2の核酸検査(NAT)アッセイを行う。従って、あらゆる被験体由来のあらゆるサンプルを、特異的におよび選択的にハプロタイプ決定し得る。
容易に明らかであるように、本明細書中で記載されたアッセイのデザインは、多くの変化を受けやすく、そして多くの形式が当該分野において公知である。上記の説明は、指針としてのみ提供され、そして当業者は、当該分野で周知の技術を用いて、記載されたプロトコールを容易に修飾し得る。
(E.キット)
上記で記載されたようなアッセイを行うために、プライマー、PCR緩衝液、配列決定試薬等を含む、上記で記載されたアッセイの試薬を、適切な指示および他の必要な試薬と共に、キット中で提供し得る。そのキットは、通常別々の容器にプライマーの組み合わせおよびプローブ(固体マトリックスに既に結合しているか、またはそれらをマトリックスに結合させるための試薬と別々に)、コントロール処方(ポジティブおよび/またはネガティブ)、アッセイ形式がそれを必要とする場合は標識された試薬、および標識がシグナルを直接産生しないならばシグナル産生試薬(例えば酵素基質)を含む。アッセイを行うための説明書(例えば書かれた、テープ、VCR、CD−ROM等)が、通常キットに含まれる。キットはまた、使用される特定のアッセイに依存して、他の包装された試薬および材料(すなわち洗浄緩衝液等)も含み得る。上記で記載されたもののような、標準的なアッセイを、これらのキットを用いて実施し得る。
(F.適用)
上記で記載したように、本発明は、脊椎動物被験体のFcγRIIIハプロタイプ、特に両方のFcγRIIIaにおける158F/V部位におけるハプロタイプを正確に決定するための、新規組成物およびアッセイの発見に基づく。
FcγRIII遺伝子型を正確に決定する能力は、薬理遺伝学を含むがこれに限らない、多くの適用を有する。薬理遺伝学は、適切な治療プロトコールを決定するために、特定の個体の遺伝子型を決定することを指す。上記で記載したように、158F/F遺伝子型を有する被験体は、158V/Fおよび158V/V遺伝子型を有する被験体より、抗体治療(例えばリツキシマブ)に対する反応が良くない。さらに、リツキシマブのような抗体による治療に対する反応を、サイトカイン(例えばIL−2)による前処理によって増強し得ることが示された。2004年3月10日に提出された、「USE OF FC RECEPTOR POLYMORPHISMS AS DIAGNOSTICS FOR TREATMENT STRATEGIES FOR IMMUNE−RESPONSE DISORDERS」というタイトルの、共有される仮特許出願も参照のこと、これは本明細書中でその全体として参考文献に組み込まれる。
従って、本明細書中で記載された組成物および方法を用いて、免疫異常の治療の必要がある個体は、効率的および正確に遺伝子型同定され得、そして、それによって、FcγRIIIがきっかけとなるADCC経路を媒介する1つまたはそれ以上の免疫治療(例えばIL−2)による介入の適切な候補として指定される。IL−2タンパク質およびムテインは、当該分野で公知である。例えば米国特許第4,752,585号;米国特許第4,766,106号;米国特許第4,931,543号;米国特許第5,700,913号;2004年7月7日に提出され、そして「Combinatorial Interleukin−2 Muteins」というタイトルの米国連続番号第60/585,980号、および2004年3月5日に提出され、そして「Improved Interleukin−2 Muteins」というタイトルの米国連続番号第60/550,868号を参照のこと、これらは本明細書中でその全体として参考文献に組み込まれる。IL−2ムテインは市販で入手可能であり、そしてまた以下の文書においても記載される:国際公開第WO91/04282;WO99/60128;WO00/58456;WO00/04048号;欧州特許(EP)公開第EP136,489号;1983年10月13日に提出された欧州特許出願第83306221.9号(公開番号第EP109,748号の下に1984年5月30日公開、これはベルギー特許第893,016号、および共有された米国特許第4,518,584号と同一である);欧州特許公開第EP200,280号(1986年12月10日公開)、欧州特許公開第EP118,617号、これらの特許および出願は全て、本明細書中でその全体として参考文献に組み込まれる。
ある適用において、免疫異常、特に癌に悩まされる個体に対して、抗癌モノクローナル抗体と組み合わせて使用する補助治療(例えばIL−2免疫療法単独)の適合性を決定するために、遺伝子型同定を行う。本明細書中で記載されたような遺伝子型同定が治療プロトコールをデザインするのを助け得る癌の例は、下記で列挙したB細胞リンパ腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、前立腺癌、大腸癌、黒色腫、腎細胞癌、急性骨髄性白血病(AML)、および慢性リンパ性白血病(CLL)を含むがこれに限らない。
(実験)
下記は、本発明を実施するための特定の実施態様の例である。実施例は、説明目的のためにのみ提供され、そしていかなる方法においても本発明の範囲を制限することを意図しない。
使用される数字(例えば量、温度等)に関して精度を保証する努力がなされたが、もちろんいくらかの実験誤差および逸脱は許容されるべきである。
以下の実施例において、酵素は市販の供給源から購入し、そして製造会社の指示に従って使用した。
DNA断片の単離において、記載された場合を除いて、全てのDNA操作を標準的な手順に従って行った。Sambrookら、前出を参照のこと。制限酵素、TDNAリガーゼ、E.coli、DNAポリメラーゼI、クレノウ断片、および他の生物学的試薬を、市販の供給業者から購入し得、そして製造会社の指示に従って使用した。2本鎖DNA断片を、アガロースゲル上で分離した。
(実施例1:サンプルからのDNAの抽出)
全血サンプルを被験体から得た。サンプルを、製造会社の指示に従って、PreAnalytiX’s PAXgeneTM Blood DNA Tubes(Qiagen Inc.、カタログ番号第769989番)に回収した。PreAnalytiX’s PAXgeneTM Blood DNAキット(Qiagen Inc)を用いて、これも製造会社の指示に従って、全血からゲノムDNAを単離した。
(実施例2:PCRベースの遺伝子型同定)
(A.PCR増幅)
PCRアッセイを、以下のように行った。簡単には、GeneAmp PCR System 9600 Perkin Elmer機(Perkin Elmer、Boston、MA)において、96穴プレート形式でPCRを行った。
マスター混合物を以下のように調製した。1.5mlのエッペンドルフチューブに、以下の試薬をマスター混合物として調製した:300μlの10×Stoffel Buffer(Applied Biosystems);600μlの25mM MgCl溶液;300μlのdNTPミックス(Applied Biosystems、カタログ番号第0032003.109番);および270μlのHO、およびアリコートで−20℃で保存した。全ての緩衝液を、製造会社の指示に従って保存した。
30μlのAmpliTaq DNA Polymerase Stoffel Fragment(Applied Biosystems、カタログ番号第N808−0038番)を、マスター混合物の解凍したアリコートに加えた。異なるプライマーの組み合わせを有するチューブを調製し(例えば6チューブ)、それぞれ9μlの順方向プライマー、9μlの逆方向プライマー、225μlのマスター混合物溶液および117μlのHOを含んでいた。
図9で示したように、各チューブの20μlを、96穴プレートの2カラムに加えた(例えば、6つのプライマーの組み合わせに関して、各プライマーの組み合わせに対してそれぞれ8ウェルの2カラムが存在した)。実施例1において記載されたように単離したゲノムDNAを、10ng/μlに希釈し、そして5μlを異なるプライマーの組み合わせを含むカラムに加えた(例えば、6つの異なるプライマーの組み合わせを使用する場合、カラム1−6、図10)。コントロールも含んでいた。
プレートを密封し、そしてPCRのためにGeneAmp PCRシステム9600機に置いた。PCR条件は:95℃で5分間インキュベーションの1サイクル;94℃で30秒間インキュベーション;64℃で30秒間インキュベーションおよび72℃で30秒間インキュベーションの35サイクル;および72℃で8分間インキュベーションの1サイクルであった。サンプルをアガロースゲルにかける前に、96穴プレートを4℃で冷却した。
(B.電気泳動)
セクションAのPCR産物に対して、標準的な技術を用いて、TAEゲル電気泳動を行った。50×濃縮ゲル緩衝液のストックは、(40mMのTris−酢酸塩、1mMのNaEDTA、pH8.0の最終濃度のために)242gのTris−Base;57.1mlの氷酢酸;100mlの0.5M NaEDTAを含んでいた。ゲル負荷緩衝液は、0.25%のブロモフェノールブルー;0.25%のキシレンシアノールFF;および15%のFicoll(タイプ400;Pharmacia)をHO中に含んでいた。Boehringer Mannheimの分子量マーカー(0.07−12.2kbp)(カタログ番号第1498037番)も使用した。
10μg/mlのエチジウムブロミドを含む、TEA緩衝液中標準的な4%アガロース水平ゲルを調製した。5μlの各PCR反応物を、1μlの標準6×負荷緩衝液と混合し、そして反応1から6までの順番で、ゲルの隣接するレーンに負荷した。図5を参照のこと。ゲルを一定の100ボルトで15〜20分間流し、標準的なUVトランスイルミネーターで紫外(UV)光の下で視覚化および撮影した。
典型的な結果を、図5に示す。これらの結果は、位置158において、FCGR3Aはバリン(V158)またはフェニルアラニン(F158)の多型であることを確認する。FCGR3Bは、この位置においてバリンのみをコードし、多型ではない。本明細書中で記載されたようなプライマーの使用は、この部位を同定するプライマー(例えば配列番号1−2番)および非特異的プライマー(配列番号4番)、および位置531において遺伝子AおよびBの間の1ヌクレオチドの違いを同定するプライマー(配列番号3および5番)を用いることによって、FCGR3A 158V/F部位の遺伝子型同定を可能にする。位置531は、アミノ酸の違いを引き起こさない。
上記で記載されたように、5’プライマーC(配列番号5)および3’プライマーC(配列番号2)を用いて得られたPCR産物は、V遺伝子型を示す。もしこの産物が個体のサンプルに関して観察され、そして5’プライマーC(配列番号5)および3’プライマーA(配列番号1)を用いて得られたPCR産物が見えなければ、その結果は、その被験体はVのホモ接合体であることを示す。図5、パネルBを参照のこと。同様に、5’プライマーC(配列番号5)および3’プライマーA(配列番号1)を用いて得られたPCR産物が見え、そして5’プライマーC(配列番号5)および3’プライマーC(配列番号2)を用いて得られた産物が見えなければ、その被験体は遺伝子AにおいてFのホモ接合体である。図5、パネルAおよびDを参照のこと。これらの反応の両方における産物は、FおよびVのヘテロ接合体である被験体を示す。図5、パネルCを参照のこと。遺伝子Bは多型ではなく、そして5’プライマーTおよび3’プライマーAの組み合わせは見える産物を生じないので、内部コントロールも存在する。
従って、本明細書中で記載された方法を用いて、158F/V多型におけるFcγRIIIa遺伝子型を正確に決定し得る。
(実施例5:PCR−配列決定)
遺伝子型同定のために、サンプルDNAを増幅し(PCR)、そしてその産物を本明細書中で開示されたようなオリゴヌクレオチドプライマーを用いて配列決定する実験も行った。
(A.PCR)
ゲノムDNAのPCRを、BD AdvantageTM2 PCRキット(製品番号第639206または639207番)を用いて、製造会社の指示に従って行った。各反応は、5μlの10×BD Advantage 2 PCR緩衝液;1μlの5μM/各プライマー混合物(全プライマー濃度 10μM);1μlの50×dNTPミックス(それぞれ10mM);1μlの50×BD Advantage 2 ポリメラーゼミックス;10−100ngの最終濃度までのサンプルDNA;および最終的な反応容積を50μlにする容積の水を含んでいた。サイクリング条件は、95℃で5分間;95℃で30秒間、62℃で30秒間、72℃で40秒間の30サイクル;および4℃でインキュベーションした。サイクリングの後、PCR反応産物を、QiagenのMinElute PCR精製キット(カタログ番号第28004または28006番)を用いて、そして最終的な溶出容積が50μlであった以外は、製造会社の推奨するプロトコールに従って精製した。
コントロールもアッセイに含めた。ポジティブコントロールは、公知のFcγRIII遺伝子型(例えば遺伝子Aの158VF多型におけるG、T、およびG/T)のゲノムDNAであり、一方ネガティブコントロールは、典型的にはゲノムDNA以外の全ての試薬を含んでいた(それはネガティブなPCRおよび配列決定結果を生じた)。
(B.配列決定)
上記で記載されたように得られたPCR産物に対する配列決定反応を、3100または3730xlプラットフォームのいずれかで、BigDyeターミネーターv3.0を用いて行った(Applied Biosystems)。各配列決定反応は、2μlのBigDye Terminator v3.0 Ready反応混合物(製品番号(part no.)4390246)、1μlの5×緩衝液(製品番号4336699)、1μlのPCR産物(約0.02μl/μg);2μlの2μMプライマー(配列番号12−19の様々な組み合わせ)および4μlの水を含んでいた。
各反応に対して合計30サイクルを行った:95℃で10秒間;50℃で5秒間;および60℃で3分間。サイクリングの後、反応物を4℃でインキュベートした。
45μlのAmershamの乾燥Sephadex G−75樹脂(カタログ番号第17−0051−01または17−0052−03番)を、マルチスクリーンColumn Loader(Millipore カタログ番号第MCLO9645番)と共に、乾燥フィルタープレート(Millipore カタログ番号第MAHV N45 10番)に加えることによって、反応物を精製した。続いて、300μlの水を各ウェルに加え、そしてプレートをカバーし、そして室温で少なくとも30分間インキュベートした。
フィルタープレートを96穴マイクロタイタープレート(Nunc カタログ番号第12565263番)と重ね、そしてA−4−62スイングバケットローターを有するEppendorf Model 5810Rで、1650RPMで3分間遠心した。フィルタープレートを清潔な96穴PCRプレート(Sorenson Bioscience Inc.、カタログ番号第12565263番または同等物)の上、および96穴ベース(Applied Biosystems、カタログ番号第N801−0531番)の上に置いた。全てのサンプルを指定のフィルターカラムの中心に移動させ、そしてA−4−62スイングバケットローターを有するEppendorf Model 5810Rで、1800RPMで5分間遠心した。最終的なサンプル容積を、オートクレーブした精製水で、約15μlであるように調整した。
次いでそのプレートを、製造会社の指示に従って組み立てた(3100 User’s Mannualまたは3730xl User’s Mannual)。プログラムされたパラメーターは、3100プラットフォームに関して、分離培地としてPOP6およびデフォルトモジュール「StdSeq50_POP6」、そして3739プラットフォームに関して、分離培地としてPOP7およびデフォルトモジュール「LongSeq50_POP7_1」であった。デフォルトモジュールにおけるランタイムは、6500秒(3100プラットフォーム)および5640秒(3730プラットフォーム)であった。約300塩基より少ない標的に関しては、もし同じランにより長い読み取り長さを有するほかのサンプルが含まれなければ、デフォルトモジュールのランタイムを4000秒(3100プラットフォーム)または3600秒(3730プラットフォーム)に短縮した。
(C.分析)
配列決定データをデスクトップコンピューターへ移し、そしてSequencerTMプロジェクトへインポートした。各個体のサンプル由来のFCGR3A特異的プライマー(表1および図8)の配列を、参照配列(図11)と整列させた。各個体のサンプル由来のFCGR3B特異的プライマー由来の配列およびPCR反応で使用したプライマー由来の配列を、参照配列と整列させた。参照配列を超える配列は、削除した。
続いて、遺伝子型同定を以下のように行った。もし位置121、153、179、および313(エキソン4の最初の塩基と相対的に番号をつけた)においてそれぞれA、C、Tおよび/またはCが見出されたら、その反応は遺伝子A特異的ではないと考え、そして反応を繰り返した。もしこれらの位置におけるシグナルが、遺伝子A参照配列シグナルのみとマッチしたら、そのサンプルはFCGR3Aと考えられ、そして位置207(エキソン4の最初の塩基と相対的に番号をつけた、cDNAの位置559)からのシグナルを分析した。位置207においてGシグナルのみが得られたら、サンプルが得られたその個体の遺伝子型は、158VVホモ接合体であった。位置207においてTシグナルのみが得られたら、サンプルが得られたその個体の遺伝子型は、158FFホモ接合体であった。もし位置207においてGおよびTシグナルが得られたら、そのサンプルは158FVヘテロ接合体の被験体から得られた。
同様に、FcγRIIIb遺伝子型を、以下のように確認した。もし位置121、153、179、および313(エキソン4の最初の塩基と相対的に番号をつけた)においてそれぞれG、T、C、Aシグナルが見出されたら、その反応は遺伝子B特異的ではないと考え、そして反応を繰り返した。もしこれらの位置におけるシグナルが、遺伝子B参照配列シグナルのみとマッチしたら、そのサンプルはFCGR3Bと考えられた。遺伝子Bと決定されたサンプルは、158VF多型を含んでおらず、そして対応するヌクレオチドにGシグナルが見られた。
136サンプルを記載されたように試験し、そして135は正確にFcγRIII遺伝子型同定された。1つの場合において、サンプルは遺伝子Bを含んでいなかった。遺伝子Aまたは遺伝子Bのいずれかが被験体のゲノムから非存在している場合、PCRプライマーを用いて配列決定することが望ましくあり得る。PCRプライマーによる配列決定は、位置121、153、179、および313におけるAおよびB遺伝子両方からのシグナルに基づいて、FCGR3AおよびFCGR3B遺伝子の比を推定することを可能にする。
遺伝子型同定分析の結果を、図6にまとめ、そしてKoeneら、前出において記載された方法とも比較する。本明細書中で記載されたPCR−配列決定法は、被験体の遺伝子型を80サンプル全てにおいて決定し、一方以前に記載された方法は、10%より多いエラー率(10サンプル)を有していた。
従って、PCR−配列決定アッセイは高感度であり、そしてFcγRIII遺伝子型を正確に決定し得る。
よって、新規配列およびこれらの配列を用いた遺伝子型同定アッセイが開示された。前述のことから、本発明の特定の実施態様が、説明の目的のために本明細書中で記載されたが、その意図および範囲から逸脱することなく、様々な修飾がなされ得ることが認識される。
パネルAおよびBは、FcγRIIIaおよびFcγRIIIb遺伝子由来のヌクレオチド配列の配列比較を示す。図1Aは、FcγRIIIa(上列、HSFCGR31と標識され、そして遺伝子Bとも呼ばれる)およびFcγRIIIb(下列、HSFCGR32と標識され、そして遺伝子Aとも呼ばれる)由来の部分的なcDNA配列を整列させる。図1Aにおいてボックス中に以下のものも示される:遺伝子Aまたは遺伝子Bを示す位置(位置473、531および641)およびV→Fの置換を予測する位置559における一塩基多型(遺伝子Aでのみ起こる)。 図1Bは、遺伝子Aおよび遺伝子Bのエキソン4を整列させ、そしてエキソン4の最初の塩基と相対的に番号をつけた、位置313における非常に特異的なヌクレオチド変異を含む、2つの遺伝子間の様々なヌクレオチドの相違を示す。 図2は、配列番号1〜5と指定された例示的なオリゴヌクレオチド配列の位置およびそのHSFCGR31(遺伝子B)およびHSFCGR32(遺伝子A)との関係における整列を示す。 図3は、本明細書中で記載されたような増幅および配列決定プライマーの位置を示す。典型的な増幅(PCR)プライマーを、太い、暗色の矢印で示す。天然の配列で起こる多型を、黒色のバーで示す(位置は、エキソン4の最初の塩基に対して番号をつけた)。例示的な配列決定プライマーを、細い矢印で示す。313(A/C)と呼ばれる多型に、エキソン4の最初の塩基に対して番号をつける。 図4は、エキソン4の最初の塩基に対して番号をつけた、本明細書中で記載されたような様々なプライマーの位置を示す(配列番号6〜19)。 図5、パネルA〜Dは、様々なプライマーの組み合わせ(配列番号1〜5)由来のPCR増幅産物を示すゲルの複製である。各レーンは、異なるプライマーの組み合わせを示す。各パネルの左から右へ、レーン1は、配列番号4および配列番号1と呼ばれるプライマーを用いたPCRの結果を示す;レーン2は、配列番号4および配列番号2と呼ばれるプライマーを用いたPCRの結果を示す;レーン3は、配列番号3および配列番号1と呼ばれるプライマーを用いたPCRの結果を示す;レーン4は、配列番号3および配列番号2と呼ばれるプライマーを用いたPCRの結果を示す;レーン5は、配列番号5および配列番号1と呼ばれるプライマーを用いたPCRの結果を示す;およびレーン6は、配列番号5および配列番号2と呼ばれるプライマーを用いたPCRの結果を示す。レーン5における増幅産物の存在およびレーン6における増幅産物の非存在は(ドナー1360、パネルAおよびドナーU03−313、パネルD)、その被験体の遺伝子型が158FFであることを示す。レーン5における増幅産物の非存在およびレーン6における増幅産物の存在は(ドナー1714、パネルB)、その被験体の遺伝子型が158VVであることを示す。レーン5および6の両方における増幅産物の存在は(ドナー1210、パネルC)、その被験体の遺伝子型が158FVであることを示す。 図6は、本明細書中で記載されたような(例えばPCRに続く配列決定)、80サンプルの遺伝子型同定の結果を示す。各表の中央の列は、本明細書中で記載されたPCR−配列決定アッセイを用いて得られた遺伝子型結果を示す。各表の右列(「Koene」と標識される)は、当該分野において記載された方法で得られた遺伝子型同定結果を示す。 図7は、本明細書中で記載されたような、例示的なオリゴヌクレオチドの配列を示す。 図8は、本明細書中で記載されたような、他の例示的なオリゴヌクレオチドの配列を示す。 図9は、6つの異なるプライマーの組み合わせの、それぞれ8個のウェルの2列を含む、PCRのための96穴プレートの模式的表示である。 図10は、図9で示したプレートを用いた96穴プレート遺伝子型決定アッセイの追加の模式的表示である。3つのコントロールおよび13個の被験体サンプルを、6つの異なるプライマーの組み合わせに対してスクリーニングする。 図11は、PCR−配列決定アッセイで使用される参照配列を示す。

Claims (29)

  1. 10ヌクレオチド長と60ヌクレオチド長との間のヌクレオチド配列を含む単離されたオリゴヌクレオチドであって、該ヌクレオチド配列は、
    (a)配列番号1〜配列番号19からなる群より選択される、配列;
    (b)(a)のヌクレオチド配列に対して80%の配列同一性を有する、ヌクレオチド配列;または
    (c)(a)および(b)の相補体、
    を含む、単離されたオリゴヌクレオチド。
  2. 検出可能な標識をさらに含む、請求項1に記載の単離されたオリゴヌクレオチド。
  3. 前記検出可能な標識が、蛍光標識である、請求項2に記載の単離されたオリゴヌクレオチド。
  4. 前記蛍光標識が、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、テトラメチルローダミン(TAMRA)、および2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−4−7−ジクロロフルオレセイン(TET)からなる群より選択される、請求項3に記載の単離されたオリゴヌクレオチド。
  5. 被験体のFcγRIII遺伝子型を決定する方法であって、該方法は、以下:
    (a)該被験体から得られた生物学的サンプルから核酸を単離する工程;
    (b)請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドの少なくとも第1の組み合わせおよび第2の組み合わせを、センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして使用して、該単離された核酸を増幅する工程;ならびに
    (c)オリゴヌクレオチドの各組み合わせで増幅された核酸の存在または非存在を検出する工程であって、該増幅された核酸の存在または非存在は、該被験体の該FcγRIIIの遺伝子型を示す工程、
    を包含する、方法。
  6. 前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、FcγRIIIの多型に対して特異的である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、少なくとも1つのFcγRIIIの多型に一般的である、請求項5に記載の方法。
  8. オリゴヌクレオチドプライマーの1以上のさらなる組み合わせを用いて、工程(b)および(c)を繰り返す工程をさらに包含する、請求項5に記載の方法。
  9. 前記オリゴヌクレオチドの第1の組み合わせおよび第2の組み合わせが、共通の1つのプライマーをそれぞれ含む、請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. FcγRIIIaの158V/F部位の遺伝子型が決定される、請求項9に記載の方法。
  11. オリゴヌクレオチドプライマーの前記第1の組み合わせは、配列番号5と配列番号2とからなる、請求項10に記載の方法。
  12. オリゴヌクレオチドプライマーの前記第2の組み合わせは、配列番号5と配列番号1とからなる、請求項11に記載の方法。
  13. オリゴヌクレオチドプライマーの前記第1の組み合わせを使用した増幅産物が存在し、かつオリゴヌクレオチドプライマーの前記第2の組み合わせを使用した増幅産物が非存在であることが、158VV遺伝子型を示す、請求項12に記載の方法。
  14. オリゴヌクレオチドプライマーの前記第1の組み合わせを使用した増幅産物が非存在であり、かつオリゴヌクレオチドの前記第2の組み合わせを使用した増幅産物が存在することが、158FF遺伝子型を示す、請求項12に記載の方法。
  15. オリゴヌクレオチドプライマーの前記第1の組み合わせを使用した増幅産物が存在し、かつオリゴヌクレオチドの前記第2の組み合わせを使用した増幅産物が存在することが、158FV遺伝子型を示す、請求項12に記載の方法。
  16. さらなるヌクレオチド位置において被験体のFcRIII遺伝子型が決定される、請求項5〜10のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記さらなるヌクレオチド位置が、121位、153位、179位、207位、313位およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記核酸が、PCR増幅、RT−PCR、転写媒介性増幅(TMA)、TaqManTMおよびこれらの組み合わせによって増幅される、請求項5〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 被験体のFcγRIII遺伝子型を決定する方法であって、該方法は、以下:
    (a)該被験体から得られた生物学的サンプルから核酸を単離する工程;
    (b)該単離された核酸を増幅する工程;
    (c)該増幅された核酸産物を、請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの適した組み合わせを配列決定プライマーとして使用して、配列決定する工程;および
    (d)1つ以上のFcγRIII多型におけるヌクレオチド残基を決定し、それにより該被験体の該FcγRIII遺伝子型を決定する工程、
    を包含する、方法。
  20. 工程(b)が、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドの少なくとも第1の組み合わせおよび第2の組み合わせをセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして使用して、前記単離された核酸を増幅する工程を包含する、請求項19に記載の方法。
  21. FcγRIIIaの158V/F部位における遺伝子型が、207位におけるヌクレオチドを決定することによって決定される、請求項19または請求項20に記載の方法。
  22. 207位におけるGヌクレオチドのみが、158VV遺伝子型を示す、請求項21に記載の方法。
  23. 207位におけるTヌクレオチドのみが、158FF遺伝子型を示す、請求項21に記載の方法。
  24. 207位におけるGヌクレオチドおよびTヌクレオチドが、158FV遺伝子型を示す、請求項21に記載の方法。
  25. FcγRIIIbからFcγRIIIaを識別する方法であって、該方法は、以下:
    (a)被験体から得られた生物学的サンプルから核酸を単離する工程;
    (b)請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドの少なくとも第1の組み合わせおよび第2の組み合わせを、センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして使用して、該単離された核酸を増幅する工程であって、ここで各組み合わせにおける該オリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも1つは、FcγRIIIaまたはFcγRIIIbに対して特異的である、工程;ならびに
    (c)オリゴヌクレオチドの各組み合わせを用いて増幅された核酸の存在または非存在を検出する工程であって、ここで増幅された核酸の存在または非存在によって、FcγRIIIbからFcγRIIIaを識別する、工程、
    を包含する、方法。
  26. FcγRIIIbからFcγRIIIaを識別する方法であって、該方法は、以下:
    (a)被験体から得られた生物学的サンプルから核酸を単離する工程;
    (b)該単離された核酸を増幅する工程;
    (c)請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの適切な組み合わせを配列決定プライマーとして使用して、該増幅された核酸を配列決定する工程;および
    (d)121位、153位、179位および313位におけるヌクレオチドを決定し、それによってFcγRIIIbからFcγRIIIaを識別する、工程、
    を包含する、方法。
  27. 工程(b)が、請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドの少なくとも第1の組み合わせおよび第2の組み合わせを、センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして使用して、前記単離された核酸を増幅する工程を包含する、請求項26に記載の方法。
  28. FcγRIIIa遺伝子型決定のためのキットであって、該キットは、
    1対以上の請求項1〜4に記載のオリゴヌクレオチドのプライマー;および
    FcγRIIIaについて生物学的サンプルを遺伝子型決定するための説明書、
    を備える、キット。
  29. 配列決定プライマーをさらに備える、請求項28に記載のキット。
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