JP2007531697A - 疎水性薬剤のデリバリーのための組成物と方法 - Google Patents

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Abstract

ナノメートルサイズの多糖構造を使用する治療薬剤のデリバリー及び標的化のための組成物及び方法が本明細書中に開示される。本明細書中に記載される方法及び組成物は、転移性癌に対する抗腫瘍薬剤などの医薬についての効力を改善する。本明細書中に記載される方法は、全ての化学療法剤に適用でき、そして、可溶性の低い(疎水性の)薬剤に特に有用であり、当該薬剤は、本組成物と剤形されると、体液によるデリバリーを可能にする。本明細書中に記載される方法及び組成物は、エンドサイトーシスを媒介し、又は薬剤の最終的な作用部位へのデリバリーを亢進する腫瘍に特異的な炭化水素受容体を標的することによって、医薬の効力を改善する。

Description

本発明は、ドラッグ・デリバリーのための方法と組成物に関する。本発明は特に、医薬のデリバリー、中でも体液に対する溶解度定数が小さい医薬のデリバリーに利用する方法と組成物に関する。
関連出願
本出願は、2003年7月11日に出願されたアメリカ合衆国仮出願第60/486,338号に優先権を主張しその利得を主張する。
効果の増大及び/又は毒性の低減を目指し、化学療法薬剤は、いわゆる薬剤ターゲティング技術を利用して腫瘍細胞を標的としてきた。有効な薬剤ターゲティングは、薬剤の投与方法を改善することがしばしばある。ドラッグ・デリバリー技術を利用した製品は、一般に新規であると見なされている。薬剤ターゲティング技術を利用して血中での薬の濃度が制御されると、安全性と効果が向上する。効果的なドラッグ・デリバリーの最終的な基準は、もちろん、ターゲティングを制御して最適化すること、すなわち薬を腫瘍部位により多く局在させる一方で、標的を外れた薬を健康な臓器/組織から迅速に排泄することである。
従来のドラッグ・デリバリー系(例えば制御放出、持続放出、経皮系)は物理的な浸食プロセスに基づいていて、活性な薬を時間をかけて全身循環に供給することで患者のコンプライアンスを向上させる。従来からあるこれらの系は、部位ターゲティング、局所的放出、薬の排泄といった生物学的に重要な課題に対処していない。
望ましいドラッグ・デリバリーの実現に影響を与える2つの重要な因子がある。それは、(i)薬の物理的性質と、(ii)疾患領域の生物学的性質である。前者は、予定する薬物標的部位及び毒性が及ぶことが望ましくない領域と薬剤との相互作用に影響を与える。後者は、予定する標的部位と薬が選択的に相互作用してその薬が望む薬理学的な活性を発揮する能力に影響を与える。
どちらの因子も、医薬の効果を大きくして毒性を小さくする上で重要である。医薬化合物の改良されたデリバリーのための機会に応えて、ドラッグデリバリー産業が起こったが、体液(例えば血液)に適合した薬の製造に主に力が注がれた。界面活性剤やリポソーム、ポリエチレングリコール化、並びにその他の製剤は、薬剤効果を増加し、そして毒性を低減する当該試みにおいて使用されてきた。
これまでに疎水性薬剤の製剤(例えばパクリタキセルの製剤)を提供する多くの試みがなされてきた。そのうちで最も成功した試みは、薬剤をリポソームの中に組み込むというものである。しかしこの製剤には、リポソーム小胞内の薬の濃度を所定の値にすることが難しいという問題がある。さらに、この製剤は、安定である期間が短い。
現在、安定で、製造が容易で、生体との適合性があり、効果的な疎水性薬剤の製剤であって、副作用が最少である製剤が、明らかに必要とされている。ポリマー性の薬剤担体アプローチを使用する理論的根拠は、透過性と保持効果の増大(EPR)を利用することであり、それにより、巨大分子が腫瘍部位に蓄積して保持される。ポリマーを用いたデリバリーの第2の利点は、より長時間にわたって循環系に保持され、しかも薬の部分がポリマーに結合したままでなく腫瘍部位に保持されて腎臓排泄系又は肝臓排泄系に過度の負担がかからないため、優れた薬物動態(活性が増大するとともに、深刻な全身毒性が変化又は低下する)を実現できることにある。第3の利点は、腫瘍細胞の受容体を直接標的し、それにより腫瘍部位での増大された薬剤濃度を達成することである。
本発明は、1つ以上の多糖構造体を用いて医薬を標的にデリバリーする方法と組成物に関する。本発明の組成物と方法は、特に、溶解度が小さい(疎水性の)薬剤に対するものであり、当該薬剤は、多糖をベースとした本発明の1つ以上の組成物とともに製剤化されると、体液でデリバリーされる疎水性薬剤になる。本発明は、腫瘍に付随する炭水化物受容体を標識することにより、治療効果を向上させる。さらに、生物学的に重要な他の分子(例えばタンパク質/ペプチド、核酸など)が本発明の範囲に入ると考えられる。
本発明の一実施態様には、多糖骨格から構成されるポリマーが開示されている。本発明のポリマーは、1以上の小分子(例えば1種類以上の医薬、核酸など)を捕獲できる囲いを形成することができる。この実施態様の特別な1の態様において、アルキル化炭化水素が多糖骨格に結合している。1の態様では、多糖骨格に結合したアルキル化炭化水素部分は、ポリマーの囲いの中に配置される。ポリマーの囲いの中にあるアルキル化炭化水素部分の内部に疎水性小分子を封入できるため、疎水性分子を水性環境にデリバリーすることが容易になる。本発明の多糖物質は、天然物(自然界に生じたもの)であるか、又は合成的に製造されうる。これらの多糖は、中性でも(例えば中性のガラクトマンナン)、帯電していてもよい(例えばカチオン性ポリ-グルコサミン又はアニオン性ラムノガラクタン)。
別の実施態様では、本発明のナノ複合体は、標的特異的な炭水化物を含んでいる。標的特異的な炭水化物(例えばガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース)が含まれていると、細胞、特に腫瘍細胞の表面上の特定のレクチン型受容体を標的とする認識能力がポリマー表面に付与される。
この明細書では、以下の用語は、特に断わらない限り、以下に示す意味を持つ。
治療薬剤の“効果”は、最少有効用量と治療効果出現の間の関係を意味する。ある薬剤の効果が大きいのは、より少ない用量で、又はより短い投薬期間で治療の最終目的が実現できる場合である。同様に、ある薬剤の効果は、より少ない用量で、又はより短い投薬期間でより大きな治療効果が実現できる場合に大きい。毒性が低下すると、治療薬をより長い投薬期間にわたって投与すること、あるいはいつまでも投与することさえできるため、患者のコンプライアンスが大きくなり、生活の質が向上する。さらに、薬の毒性が低下すると、医師は、治療の最終目的をより早く実現するため、又は治療の最終目的をより高いものにするため、投与量を多くすることができる。
“薬理学的に許容可能な基剤”という表現は、溶媒、分散媒体(例えばヒト・アルブミン、架橋したゼラチン・ポリペプチド)、コーティング、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤(例えば塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム)、吸収遅延剤などのうちで、予定する対象にとって生理学的に適合したすべてのものを意味する。薬理学的に活性な物質のためにこのような媒体や薬剤を使用することは、従来技術において周知である。基剤は、経口投与や、(例えば注射や輸液による)静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、非経口投与、脊髄投与、硬膜外投与に適していることが好ましい。活性化合物は、投与経路に応じ、ある材料でコーティングし、その活性化合物が、酸の作用から保護されるようにするとともに、薬理学的に活性なその化合物を不活性にする可能性のある他の生理学的条件から保護されるようにすることができる。
“非経口投与”には、ボーラスの注射又は注入や、静脈内、筋肉内、動脈内、硬膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、気管内、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外、胸骨内への注射又は輸液による投与などが含まれる。
この明細書では、“毒性”という用語は、ある薬剤を対象に投与したときに起こる有害なあらゆる効果を意味する。
“非特異的な死”という用語は、腫瘍に侵された動物の死亡日が、治療しない対照動物又は治療した動物のどちらとも有意に異なっていない場合の、その動物の死を意味する。
“腫瘍の退縮”は、(非特異的な死を除き)“一部”(治療開始の時点における治療しない対照動物での腫瘍の平均サイズの50%未満)又は“完全”(腫瘍が触知できなくなる)として評価する。
“退縮継続期間”という用語は、一部退縮又は完全退縮に分類された腫瘍が、対照となる治療しない動物での腫瘍の平均サイズの50%未満であり続ける期間を意味する。
“評価サイズ”という用語は、治療開始時の腫瘍の初期サイズを起点として2倍又は4倍になった腫瘍の塊を意味する。
“腫瘍の塊が2倍になるのに必要な時間”は、評価サイズに到達するまでの時間である。この時間は、腫瘍の中央値の増大[(T-C)/C]×100( %)の全体的な遅れを計算するのに用いる。ただしT-C(日)は、治療(T)群の腫瘍が移植後に評価サイズに到達するまでの時間の中央値を、対照(C)群での中央値と比べたときの差である。T-Cの値は、非特異的な死と、腫瘍が評価サイズに到達せずに死んだ他のあらゆる動物とを除いて測定する。
本発明は、1つ以上の多糖構造体を用いて医薬を標的にデリバリーする方法と組成物に関する。特別な一実施態様では、医薬は抗癌剤である。本発明の組成物と方法は、特に、溶解度が小さい(疎水性の)薬剤に対するものであり、当該薬剤を多糖をベースとした本発明の1以上の組成物とともに製剤化すると、疎水性の薬剤を体液中にデリバリーできるものとなる。本発明は、治療薬が腫瘍に伴う炭水化物受容体を標的とすることにより、治療効率も向上する。特別な1の態様では、薬剤の効率は、天然のアルキル化多糖又は化学的に修飾された多糖を薬剤に物理的に結合させることによって向上される。本発明によるターゲティングの態様は、例えばガラクトース(例えばガラクトマンナン)、ラムノース(例えばラムノガラクタン)、マンノース(例えばマンナン)から構成される部分又は付加部を含むアルキル化多糖を用いて達成される。
細胞表面の要素(例えばレクチンと呼ばれる炭水化物結合タンパク質)を通じたさまざまなタイプの細胞相互作用が、過去20年間にわたって研究されてきた。そうした研究により、癌細胞の表面にあるレクチンと相互作用すると主張されている多数の化合物(例えば、単糖、幾分か修飾された多糖(ペクチンなど))が同定された。ある種の腫瘍細胞コロニーの発達は、その腫瘍細胞を試験管内で抗ガレクチン・モノクローナル抗体又はガラクトース・オリゴマーで処理した後にマウスに静脈内注射すると妨げられることが、以前に報告されている(L. Meromsky、R. Lotan、A. Raz、Cancer Res.、第46巻、5270ページ、1991年;D. Platt、A. Raz、J. Natl. Cancer Inst.、第84巻、438〜442ページ、1992年)。しかし臨床では、現在のところそのような物質は利用できない。しかも、公知の化学療法剤(例えば5-フルオロウラシル、ドキソルビシン、パクリタキセル、シスプラチン(Cis-plainum)、シクロホスファミドや、癌の化学療法で広く用いられている他の薬剤)の効果を大きくできる物質が不足している。従来技術では、せいぜい、上記のレクチン誘導化合物又はレクチン関連化合物、及び/又は多糖をベースとした他の化合物が、独立した薬剤として使用され、及び/又は記載されているだけである。主としてこのような点が、この明細書に開示した多糖との違いであり、当該多糖は、当該多糖との混合体として投与される一の癌化学療法剤の効力を増大させる。
レクチンは、植物や動物の組織、腫瘍細胞系、細胞-細胞接着において多くの生物学的認識を媒介することと、細胞外マトリックスの組織化において基本的な役割を果たしていることが一般に認められている。現在、レクチンは、特定の炭水化物配列が結合する1つ以上の結合部位を持つタンパク質(酵素でも抗体でもない)と定義されており、さらに天然の炭水化物以外の分子と相互作用できる別のドメインを提示することもある(Barondes, S.H.、TIBS、第13巻、480〜482ページ、1988年;その全体が、本明細書中に援用される)。レクチンはさまざまな構造をしており、かなりの特異性で炭水化物と結合できることを特徴とする(Drickamer, K.、Curr. Opin. Struct. Biol.、第5巻、612〜616ページ、1995年;その全体が、本明細書中に援用されている)。動物のレクチンは、細胞表面、細胞質、核と結合することが見いだされている(Barondes、1988年、上記文献;JiaとWang、J. Biol. Chem.、第263巻、6009〜6011ページ、1988年;その全体が、本明細書中に援用されている)。レクチンは、細胞表面において、選択的な細胞間接着及び細胞の移動と、循環している糖タンパク質の認識と、細胞-細胞相互作用及び細胞-マトリックス相互作用の調節とに関与することができる受容体として機能する(Regan他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第83巻、2248〜2252ページ、1986年;Rosen, S.D.、Curr. Opinion Cell Biol.、第1巻、913〜919ページ、1989年;Lehmann他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、6455〜6459ページ、1990年;Laing他、J. Biol. Chem.、第264巻、1907〜1910ページ、1989年;その全体が、本明細書中に援用される)。
動物のレクチンは、タンパク質配列の相同性に基づいて5の異なるファミリーに分類されている(Drickamer、1995年、上記文献)。そのうちの1つは、ガラクトシド結合レクチン、すなわちガレクチンである(Raz, A.とLotan, R.、Cancer Metastasis Rev.、第6巻、433ページ、1987年;Gabius, H.J.、Biochem. Biophys. Acta、第1071巻、1ページ、1991年;その全体が、本明細書中に援用される)。他のファミリーとしては、C-タイプ、すなわちCa2+依存性レクチンと、P-タイプのヒト6-リン酸受容体と、I-タイプのレクチン(免疫グロブリン様糖結合レクチン)と、L-タイプのレクチン(配列がマメ科植物のレクチンと関係している)がある。
ガレクチンは、互いに関連したアミノ酸配列を持つβ-ガラクトシド結合レクチン・ファミリーのメンバーである(Barondes他、Cell、第76巻、597〜598ページ、1994年;Barondes他、J. Biol. Chem.、第269巻、20807〜20810ページ、1994年;その全体が、本明細書中に援用される)。現在のところ、9つのタイプのガレクチンが文献に記載されている。ガレクチン-1は、平滑筋と骨格筋に豊富に存在しており、他の多くの細胞型にも存在している(Couraud他、J. Biol. Chem.、第264巻、1310〜1316ページ、1989年)。ガレクチン-2は、肝細胞癌で発現される(Gitt他、J. Biol. Chem.、第267巻、10601〜10606ページ、1992年)。ガレクチン-3は、活性化したマクロファージと上皮細胞に豊富に存在しており(Cherayil他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、7324〜7326ページ、1990年)、腫瘍形成的に形質転換した細胞や転移細胞で多く発現している(アメリカ合衆国特許第5,895,784号)。ガレクチン-4は、腸上皮と胃で発現される。ガレクチン-4、ガレクチン-5、ガレクチン-6は、Oda他、J. Biol. Chem.、第268巻、5929〜5939ページ、1993年と、Barondes他、Cell、第76巻、597〜598ページ、1994年に記載されている。ガレクチン-7は、主に重層扁平上皮で見いだされる(Madsen他、J. Biol. Chem.、第270巻、5823〜5829ページ、1995年)。ガレクチン-8、ガレクチン-9、ガレクチン-10は、アメリカ合衆国特許第6,027,916号に記載されている。ラットのガレクチン-8は、肺で最も多く発現し、肝臓、心臓、骨格筋、及び脾臓でかなり発現する(アメリカ合衆国特許第5,869,289号)。これらのレクチンは互いに幾分似ている一方で、治療又は診断で互換性はない。
ガレクチン-1は、どの細胞型に存在しているかに応じ、細胞接着を促進したり阻害したりすることがわかっている。ガレクチン-1は、細胞-マトリックス相互作用を骨格筋の中では阻害し(Cooper他、J. Cell Biol.、第115巻、1437〜1448ページ、1991年;その全体が、本明細書中に援用される)、細胞表面と基質である複合糖をおそらく架橋することによって細胞-マトリックス接着を促進し(Zhou他、Arch. Biochem. Biophys.、第300巻、6〜17ページ、1993年;Skrincosky他、Cancer Res.、第53巻、2667〜2675ページ、1993年;その全体が、本明細書中に援用される)、細胞増殖の調節に関与し(Wells他、Cell、第64巻、91〜97ページ、1991年;その全体が、本明細書中に援用される)、免疫機能にも幾分か関与する(Offner他、J. Neuroimmunol.、第28巻、177〜184ページ、1990年;Perillo他、Nature、第378巻、736〜739ページ、1995年;その全体が、本明細書中に援用される)。ガレクチン-3は、細胞増殖を促進する(Yang他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第93巻、6737〜6742ページ、1996年;その全体が、本明細書中に援用される)。ある種の腫瘍ではガレクチン-3の発現が増大することがわかっている(Raz, A.とLotan, R.、Cancer Metastasis Rev.、第6巻、433ページ、1987年;その全体が、本明細書中に援用される)。ガレクチン-3は、ガレクチン-1と同様、悪性形質転換と関係している(Tinari他、Int. J. Cancer、第91巻、167〜172ページ、2001年;その全体が、本明細書中に援用される)。ガレクチン-3は、循環系における腫瘍細胞の塞栓形成を促進して転移を促進することが示唆された(Raz他、Int. J. Cancer、第46巻、871〜877ページ、1990年;アメリカ合衆国特許第5,895,784号;その全体が、本明細書中に援用される)。ガレクチン-4の機能は謎のままである(アメリカ合衆国特許第5,908,761号;その全体が、本明細書中に援用される)。ガレクチン-7は細胞と細胞が接触する領域に見いだされるため、細胞-マトリックス相互作用と細胞-細胞相互作用においてある役割を果たしていると考えられている(アメリカ合衆国特許第5,869,289号;その全体が、本明細書中に援用される)。ガレクチン-8は、細胞増殖の調節、中でも細胞増殖の抑制に関与する(アメリカ合衆国特許第5,908,761号;その全体が、本明細書中に援用される)。
本発明は、修飾した多糖をベースとしたナノ懸濁液に関する。この懸濁液は可溶性ポリマーであり、単層又は多層の複合体とで層構造又は小胞構造を作り出す。この懸濁液の性質は、層成分の選択と、利用する製造プロトコルとに依存する。例えば懸濁液は、直径を10nmと小さなものにすることや、2μmと大きなものにすることが可能である。これらの懸濁液は、薬剤、小分子、核酸などを封入するための1のコンパートメント又は複数のコンパートメントを有する開放状態の単層折りたたみ構造でありうる。あるいは懸濁液は、1以上の薬剤分子、小分子、核酸などを封入できる幾つかの層を有する閉じた状態の複層構造でありうる。さらに、どのような炭水化物ポリマー成分を選択するかにより、組成物の流動性と安定性が決まる。例えばイオン性部分及び/又は疎水性部分が、構造全体の柔軟性/硬さと、多糖構造の内部にある薬剤の相互作用及び透過性とに影響を与えることができる。標的特異的な炭水化物(例えばガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース)が含まれていることで、腫瘍細胞上の特定のレクチン型受容体を標的とするナノ懸濁液の表面認識能力が与えられる。本発明の多糖-薬剤複合体は、血流中の循環時間を長くすることにより、特定の薬の薬物動態に影響を与える。本発明の多糖-薬複合体が腫瘍細胞の膜への結合が達成されると、封入されている薬剤がその腫瘍部位において放出されるか、あるいは癌細胞による活発なエンドサイトーシスが生じ、それにより特定の薬剤を癌細胞の細胞質へ導入することを容易にする。
本発明の利益を受ける可能性のある癌のタイプとしては、非限定的に慢性白血病、乳癌、肉腫、卵巣癌、直腸癌、咽喉癌、メラノーマ、大腸癌、膀胱癌、肺癌、乳房腺癌、胃腸癌、胃癌、前立腺癌、膵臓癌、カポジ肉腫などである。ここには挙げなかったが当業者によく知られている他の癌も、本発明の範囲に含まれると考えられる。
図1は、本発明の一実施態様を示している。図1aは、薬剤(D)3を内部に含む閉じた状態の構造を示している。この複合体の直径は、約10nm〜約2μmの範囲でありうる。当該構造の断面図は、図1aに記載されている。図1bは、断面図の構成要素を図示している。図1bには、その切断図の諸要素が示してある。骨格9は、互いに結合した多糖で構成される。本発明の多糖基質は、天然物(自然界に生じたもの)であるか、又は合成により製造されうる。これらの多糖は、中性であるか又は荷電されうる例えば中性のガラクトマンナン、カチオン性ポリ-グルコサミン、又はアニオン性ラムノガルクタン)。一般に、使用される多糖基質のサイズは、約5〜約1000繰り返し単位の範囲である。表面付加炭水化物リガンドは、以下に示す1つ又はいくつかの炭水化物:ガラクトース、ラムノース、マンノース、フコース、シアル酸、これらのアミノ化形態、これらのアセチル化形態、これらの硫酸塩で構成することができよう。
骨格として使用できる多糖としては、非限定的にマンナン、デキストラン、ポリガラクツロネート、ポリグルコサミン、これらの以外の水溶性多糖などを含む。
図1bには、認識部分7も示してある。認識部分7は、基本的に炭水化物である。標的特異的な炭水化物(例えばガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース)が含まれていると、腫瘍細胞上にある特定のレクチン型受容体を標的とする表面認識能力をポリマーに付与する。さらに、ある種の天然のポリマー(例えば修飾したペクチン及びある種のガラクタン)の場合のように、ポリマー上には炭水化物残基の異種の集合が存在している可能性がある。図1bに示してある別の構成要素は、疎水性(アルキル)基11である。このアルキル基11が、ポリマーの内部に存在する薬剤を隔離する。
本発明のアルキル化多糖は、天然物由来であるか、又は天然の炭水化物ポリマーを用いて合成化学により作成されうる。このようなアルキル化多糖の供給源となる微生物は当業者には周知である。例えばアメリカ合衆国特許第5,997,881号(その全体が、本明細書中に援用される)を参照のこと。いくつかの微生物源は、油をきれいにする操作で使用されている。GutnickとBach、「生物による重金属の吸収のためのエンジニアリング微生物バイオポリマー」;Applied Microbiology and Biotechnology、第54巻(4)、451〜460ページ、2000年を参照のこと;Gutnickらのアメリカ合衆国特許第4,395,354号、1983年(これら文献の全体が、本明細書中に援用される)も参照のこと。油をきれいにすることに関係するこの微生物は、“エマルザン”と呼ばれており、その多糖の一部がO-アシル化されている。アルキル化された同様の炭水化物も酵母発酵物から分離され、ソホロリピッドとして知られている。
このような多糖の一例は、2-アミノ-2,6-ジデオキシアルドヘキソース糖、グルコサミン、及びアミノ化していない1種類以上の糖から実質的になる多糖鎖であり、アミノ化した糖のアミノ基は、実質的にすべてがアセチル化した形態になっている。この多糖鎖は、エステル結合で、約10〜約18個炭素原子を有する飽和鎖及び/又は不飽和鎖からなるアルキル部分に結合している。そのアルキル部分の50〜95%には、ドデカン酸と3-ヒドロキシ-ドデカン酸が含まれている。特別な1の態様によると、ドデカン酸の存在量は、3-ヒドロキシ-ドデカン酸よりも多い。
場合によっては、アルキル化多糖は、疎水性部分を維持した状態でアニオン基(例えばリン酸基、硫酸基、硝酸基、カルボキシル基、及び/又は硫酸基)を含むことができる。ナノ懸濁液は、本発明による1種類以上のポリマー又はコポリマーで構成することができる。
一実施態様では、合成多糖がナノ懸濁液の一部を構成しており、約8〜約40個の炭素原子からなる直鎖又は分岐鎖のアルキル基を用いてエステル化される。アルキル基は、脂肪族アルキル基や不飽和アルキル基でもよく、場合によっては1つ以上の芳香族基を含むことができる。一実施態様では、本発明のアルキル化多糖の表面を炭水化物リガンド(例えばガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース)を用いてさらに誘導体化し、癌細胞上にあるレクチンによって認識される部位をさらに増やすことができる。図2を参照のこと。本発明の多糖は、アルキル、アリール、又は他の化学部分を用いて誘導体化することができる。特別な1つの態様によれば、誘導化する部分を、使用する医薬と可逆的な相互作用をするように選択する。この可逆的相互作用には、疎水性相互作用、水素結合、イオン相互作用のほか、分子間の他の相互作用が含まれる。疎水性部分としては、非限定的に、アルキルとアリール、例えば、デシル、オクチル、オクチデシル(octydecyl)、ベンジル、フェニルなどで誘導されたポリマンノース、ポリガラクトース、ガラクトマンナン、ラムノガラクタン、又は炭水化物に基づいたオリゴマーを含む。
本発明を説明するため、治療薬としてパクリタキセルを使用する典型的な製剤を以下に説明する。パクリタキセル以外の薬剤、例えばダウノマイシン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、バッカチンIIIや、他のほとんどすべての医薬(又は小分子)などが使用されうる。当該技術は、疎水性薬剤にとって最も望ましいとはいえ、親水性薬剤も同様に使用されうる。安定な炭水化物マイクロ分散剤に含まれたパクリタキセルを静脈内投与するための組成物を、約100〜約300mlのエタノールに溶かした約10〜約30mgのパクリタキセルを用いて生理的食塩水の中に調製した。他の有機溶媒も、対象にとって毒性がないのであれば使用できる。次にその有機溶液に、10〜約300mg/mlのアルキルガラクトガラクツロン酸溶液の約10容積分を添加し、最終濃度を約10mg/mlにした後、激しく混合した。得られた懸濁液を、粒径の範囲が0.1μm未満〜約5μmのマイクロ懸濁液を作るために、600ワットの出力、20kHzのコンバーターで約120秒間にわたって超音波処理した。粒径がナノメートルの範囲を有するエマルジョン・タイプの懸濁液を提供するために、約18,000psiに設定したマイクロフルイダイザーを用いてこの懸濁液をさらに処理した。次にこの調製物を低温殺菌し、当業者によく知られている手段(例えば静脈内注射)で対象に投与した。
別の一実施態様では、本発明の炭水化物ナノ懸濁液を用いて疎水性ペプチド/タンパク質生物製剤をデリバリーすることができる。そのペプチド/タンパク質分子は、炭水化物ポリマーの内部に封鎖されて対象にデリバリーされる。表面の炭水化物により、標的となる細胞との特異的相互作用が容易になる。
本発明の同定されたどの化合物も、そのままで、或いは医薬組成物で、ヒトを含む対象に投与されうる。ここで医薬組成物には、当該化合物が、適切な担体又は賦形剤と、疾患、例えば本明細書中の概説により特徴付けられる疾患を含む種々の疾患を予防、治療、又は寛解するために治療有効な量で混合されている。治療に有効な用量とは、そのような疾患に伴う症状の予防又は寛解を実現するのに十分な化合物の量を意味する。本発明の化合物を製剤にする技術と本発明の化合物を投与する技術は、GoodmanとGilmanの『治療薬の薬理学的基礎』、パーガモン出版、最新版に見いだすことができる。
本発明の化合物は、特定の部位に直接注入することによってその部位を標的とすることができる。中枢神経系で用いるように設計した化合物は、血液脳関門を通過できるようにするか、局所注射による投与に適したようにする必要がある。
本発明での使用に適した医薬組成物としては、目的の達成に有効な量の活性成分が含まれた組成物が挙げられる。より詳細には、治療有効量とは、治療中の対象に存在している症状や裏にある病状の進行を止めたりその症状や病状を緩和したりするのに有効な量を意味する。当業者であれば、有効量の決定を容易に行なうことができる。
本発明の方法で用いるどの化合物でも、治療に有効な投与量は、最初は細胞培養アッセイから見積もることができる。例えば細胞培養物で決定したIC50(50%の細胞が望む効果を示す投与量)を含む範囲の循環濃度を実現するため、モデル動物で投与量を決定することができる。このような情報を利用し、ヒトで有効な投与量をより正確に決定することができる。
治療に有効な投与量は、対象の症状を和らげたり生存期間を延ばしたりする化合物の量を意味する。そのような化合物の毒性と治療効果は、細胞培養や実験動物における標準的な薬理学的手続きに従って例えばLD50(所定の集団の50%が死ぬ投与量)やED50(所定の集団の50%で治療効果のある投与量)を明らかにすることよって調べられる。毒性効果が現われる用量と治療効果が現われる用量の比は治療指数であり、LD50とED50の比として表現することができる。治療指数の大きな化合物が好ましい。細胞培養アッセイと動物実験で得られたデータを利用し、ヒトでの投与量の範囲を決定することができる。化合物の投与量は、循環濃度が毒性がほとんどないかまったくないED50を含む範囲内にあることが好ましい。投与量は、使用する投与形態と投与経路に応じてこの範囲内で変化する可能性がある。正しい製剤、投与経路、投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師が選択できる。投与量と投与間隔は、血漿中での活性部分のレベルが望む効果を維持するのに十分な値であるよう、個別に調節することができる。
局所投与又は選択的取り込みの場合には、薬の効果的な局所的濃度は、血漿中の濃度と関係していない可能性がある。
投与される組成物の量は、もちろん、治療される対象、対象の体重、病気の程度、投与方法、処方する医師の判断によって左右されることになろう。
本発明の医薬組成物は、公知の方法(例えば混合、溶解、顆粒化、微粒子化、乳化、カプセル化、捕獲、凍結乾燥)で製造することができる。
本発明に従って使用する医薬組成物は、賦形剤及び助剤を含む生理的に許容される1以上の担体を使用して、慣用様式で剤形されうる。ここで、当該担体は、活性化合物を医薬として使用することができる製剤に加工することを容易にするものである。適切な製剤が何であるかは、選択した投与経路に左右される。
注射用に、本発明の化合物は、好ましくは生理学的な適合性のある緩衝液(例えばハンクス液、リンゲル液、生理的食塩水)を用いた水溶液中に剤形されうる。経粘膜投与のためには、障壁を通過させるのに適した浸透剤を製剤で使用する。そのような浸透剤は、従来技術において一般に知られている。
経口投与のためには、本発明の活性化合物を従来技術でよく知られている医薬として許容される担体と組み合わせることにより、容易に製剤にすることができる。そのような担体により、本発明の化合物を、治療する対象が経口摂取する錠剤、ピル、ドラジェ、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などにすることができる。経口で使用する医薬製剤を得るには、固体賦形剤と混合し、得られた混合物を場合によっては粉砕し、望むのであれば適切な助剤を添加した後にその顆粒混合物を処理し、錠剤又はドラジェのコアにする。適切な賦形剤は、特に、糖類などの充填剤(例えばラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール)と;セルロース調製物(例えばコーンスターチ、コムギのデンプン、イネのデンプン、ジャガイモのデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP))である。望むのであれば、崩壊剤(例えば架橋したポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はその塩(例えばアルギン酸ナトリウム))を添加することができる。
別の一実施態様では、医薬の分野でよく知られている微量の添加剤(例えば等張性と化学的安定性を増大させる物質)を添加することができる。そのような添加剤は、予定している用量と濃度ではレシピエントにとって毒性がない(すなわちレシピエントに適している)。添加剤としては、緩衝剤(例えばリン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、許容可能なこれら以外の酸、又はこれらの塩);酸化防止剤(例えばアスコルビン酸);小分子量(約10残基未満)のポリペプチド(例えばポリアルギニン、トリペプチド);アミノ酸(例えばグリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン);単糖、二糖、他の炭水化物(例えばグルコース、マンノース、デキストリン);キレート剤(例えばEDTA);糖アルコール(例えばマンニトール、ソルビトール);対イオン(例えばナトリウム);非イオン性界面活性剤(例えばポリソルベート、ポロキサマー、又はPEG)などがある。
ドラジェのコアには適切なコーティングを施す。その目的で、濃縮した糖溶液を用いることができる。その中には、場合によってはアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液、適切な有機溶媒又は溶媒混合物が含まれていてもよい。識別のため、又は活性化合物の量の異なる組合せを特徴づけるため、染料又は顔料を錠剤又はドラジェのコーティングに添加することができる。
経口で使用できる医薬組成物としては、ゼラチン製の押し嵌め式カプセルや、ゼラチンと可塑剤(例えばグリセリンやソルビトール)からなる密封された軟性カプセルなどがある。押し嵌め式カプセルは、活性成分を、充填剤(例えばラクトース)、結合剤(例えばデンプン)、潤滑剤(例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム)と混合した状態で含むこと、そして場合によってはさらに安定剤とも混合した状態で含むことができる。軟性カプセルでは、活性化合物を適切な液体(例えば不揮発性油、液体パラフィン、液体ポリエチレングリコール)に溶かすか懸濁させることができる。それに加え、安定剤を添加することができる。経口投与用のすべての製剤は、そのような投与に適した用量になっている必要がある。
口内投与のためには、組成物を従来法で錠剤又はロゼンジの形態にすることができる。
吸入による投与のためには、本発明で用いる化合物を、加圧パック又は噴霧器から適切な推進剤(例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、二酸化炭素、又はこれら以外の適切なガス)を用いて通常はエアロゾル・スプレーの形態でデリバリーする。加圧したエアロゾルの場合には、単位用量は、所定量をデリバリーするためのバルブを設けることによって決定できる。吸入器や散布器で用いられる例えばゼラチン製のカプセルとカートリッジは、本発明による化合物と適切な粉末ベース(例えばラクトースやデンプン)の粉末混合物を含むようにすることができる。
本発明の化合物は、注射(例えばボーラスの注射又は連続輸液)により非経口投与用に剤形されうる。注射用の製剤は、例えばアンプル又は多数回用量用容器に入れた単位用量として提供することができる。その製剤には、場合によっては添加剤が添加される。本発明の組成物は、水性溶媒中の懸濁液、溶液、乳濁液の形態にすることができ、製剤用の懸濁剤、安定剤、分散剤などを含むことができる。
非経口投与用の医薬製剤としては、水溶形態になった活性な化合物の水溶液が挙げられる。注射用水性懸濁液は、その懸濁液の粘性を大きくする物質(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、デキストラン)を含むことができる。その懸濁液には、場合によっては、適切な安定剤、すなわち化合物の溶解度を大きくして高濃度の溶液を調製できるようにする薬剤も含まれていてよい。
あるいは活性成分を粉末の形態にし、使用前に適切な溶媒(例えば滅菌パイロジェン-フリー水)を用いて構成するようにできる。
本発明の化合物は、直腸用組成物(例えば座薬又は停留浣腸)にすることもできる。その中には、従来からある座薬用基剤として、例えばカカオバターやそれ以外のグリセリドが含まれている。
本発明の化合物は、上記の製剤に加え、デポ製剤にすることもできる。長期にわたって作用するこのような製剤は、埋め込み(例えば皮下又は筋肉内への埋め込み)又は筋肉内注射によって投与することができる。
本発明の疎水性化合物のための医薬用担体は、ベンジルアルコールと、非極性界面活性剤と、水と混和する有機ポリマーと、水相とを含む共溶媒系である。当然ながら、溶解度と毒性を変化させることなく、共溶媒系の比率を大きく変えることができる。さらに、共溶媒成分そのものを変えることができる。
あるいは本発明の化合物は、持続放出系(例えば治療薬を含む固体疎水性ポリマーからなる半透過性マトリックス)を用いてデリバリーすることもできる。さまざまな持続放出材料が確立しており、当業者によく知られている。持続放出カプセルは、その化学的性質に応じ、数日〜100日以上にわたって本発明の化合物を放出することができる。治療薬の化学的性質と生物学的安定性に応じ、タンパク質を安定化させる追加の方法を利用することができる。
医薬組成物は、固体又はゲル相になった適切な基剤又は賦形剤も含むことができる。そのような基剤又は賦形剤の具体例は、非限定的に炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、ポリマー(例えばポリエチレングリコール)などを含む。
本発明による化合物の多くは、薬理学的な適合性のある対イオンとの塩として提供することができる。薬理学的な適合性のある塩は、多数の酸(例えば塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸など)とで形成することができる。塩のほうが、対応する遊離塩基の形態よりも、水性溶媒やそれ以外のプロトン性溶媒に多く溶ける傾向がある。
適切な投与経路としては、例えば、経口投与、直腸投与、経粘膜投与、経皮投与、腸投与;非経口でのデリバリー経路(筋肉内注射、皮下注射、脊髄内注射、硬膜下洞内注射、直接的な脳室内注射、静脈内注射、腹腔内注射、鼻腔内注入、眼内注射)などが可能である。
あるいは本発明の化合物は、全身ではなく局所に投与することもできる。例えばその化合物をしばしばデポ又は持続放出製剤にして、病変のある領域に直接注入する。
本発明の組成物は、望むのであれば、活性成分を含む1つ以上の単位用量が収容されたパック又はディスペンサー装置の形態にすることができる。パックは、例えば金属製又はプラスチック製のホイルを備えることができる(例えばブリスター包装)。パック又はディスペンサー装置には、投与のための指示書を添付することができる。適合性のある医薬用基剤を用いて製剤にされた本発明の化合物を含む組成物は、調製後、適切な容器の中に入れ、指定した症状を治療するためにラベルを付けることができる。ラベルに表示するのが適切な症状は、この明細書に記載した疾患である。
実施例A
COLO 205ヒト大腸癌に関する生体内での研究。皮下移植したCOLO 205ヒト大腸癌の治療を、細胞傷害性化学療法剤パクリタキセルと修飾したガラクトマンナンを組み合わせて実施したときの反応を、オスのNCr-nu無胸腺ヌード・マウスで評価した。図3を参照のこと。
オスのNCr-nu無胸腺ヌード・マウス(フレデリック癌研究開発センター、フレデリック、メリーランド州)を1週間かけて実験室に慣れさせた後、実験を行なった。マウスをマイクロアイソレータ・ケージに5匹ずつ入れ、昼/夜12時間ずつのサイクルにした。マウスには、濾過した水と、殺菌した囓歯類用の餌を与えて自由に摂取できるようにした。マウスを毎日観察し、臨床上の所見を記録した。マウスの体重は、実験開始後13日目(すなわち治療を開始した最初の日)に25〜34gであった。マウスは健康であり、以前に他の実験で使用したことはなかった。
COLO 205ヒト大腸癌のサンプル30〜40mgを、12ゲージの針を用いてマウスの右近傍に皮下(s.c.)移植し、増殖させた。腫瘍は、治療開始前に重さが75〜198mg(体積は75〜198mm3)になっていた。治療開始日(腫瘍を移植してから13日後)に調べるときに重量のばらつきができるだけ少ない腫瘍を選択できるようにするため、十分に多くの数のマウスに腫瘍を移植した。腫瘍のサイズが適切な範囲にあるマウスを選択し、さまざまな治療群に分けた。各治療群における腫瘍重量の中央値は、94〜117mgであった。
実験期間は2ヶ月であった。治療開始の初日から、1週間に2回、s.c.腫瘍とマウスの体重を測定した。体積は、ノギスでの測定値(mm)から、楕円体の公式L×W2/2(mm3)を用いて決定した。ただしLとWは、各測定値での大きいほうのサイズと小さいほうのサイズである。この公式は、密度が1である(1mm3=1mg)と仮定して腫瘍の重量を計算するのにも用いた。
パクリタキセル/修飾したガラクトマンナン(6mg/kg/60mg/kg)複合体をQ1D×5(SD)というスケジュールで静脈内(i.v.)投与した。治療しない対照の腫瘍は、どのマウスでもよく増殖して30日目で約600mgに達したのに対し、治療したマウスの腫瘍は、30日目で200mg未満、治療しない対照マウスに対して腫瘍サイズの200%の低減であった。
実施例B
試験管内でのHT-29ヒト大腸癌の研究:96ウエルのプレートを用いてアッセイを行なった。パクリタキセル(シグマ社、アメリカ合衆国)をまず最初にエタノールに10mg/mlの溶液となるように溶かした後、修飾したアルキルガラクトガラクタン(アシネトバクター・カルコアケティクスの発酵ブロス(ペトロファーム社、フィンランド国)をもとに調製した粗粉末から精製)の溶液を用いて乳化した(1:9の割合)。この懸濁液を生理食塩水に連続希釈し、96ウエルのプレートに入れた増殖培地に添加した。各バイアルにHT-29ヒト腫瘍細胞懸濁液を接種した(ウエル1つにつき細胞を約1000〜10000個)。37℃にて48〜72時間にわたってインキュベートし、結果を490nmでの光学密度として観察した。対照ウエル(薬なし)は約1.500光学密度単位であったのに対し、100%阻害された場合には0.500光学単位であった(陽性対照として、h-TNF(腫瘍壊死因子)を0.01μg/mlの割合で用いた)。1mlにつきパクリタキセルを10ng未満にしてLD50を計算した。50〜100ng/mlでは、細胞傷害効果が100%であった。
本発明を特別な実施態様を参照して説明してきたが、当業者であれば、添付の請求項に規定されている本発明の精神と範囲を逸脱することなく、形式や詳細に関してさまざまな変更を施しうることが理解できよう。
(a)ポリマーの図、(b)ナノ複合体の一部を切断した図である。 本発明のアルキル化多糖である(aとb)。 癌の治療における本発明の効果を示すグラフである。

Claims (48)

  1. ポリマー及び1以上の小分子を含む医薬組成物であって、当該ポリマーが多糖骨格を有し、1以上の疎水性炭化水素部分が当該多糖骨格に結合している、前記医薬組成物。
  2. 前記ポリマーが囲いを形成し、前記疎水性炭化水素部分が当該囲いの中に配置されている、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記小分子が疎水性部分を有する、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 前記疎水性炭化水素部分が、アルキル部分、アリール部分、及びそれらの組み合わせからなる群の中から選ばれる、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 前記疎水性炭化水素部分が、デシル基、オクチル基、オクチデシル基、ベンジル基、フェニル基、及びそれらの組み合わせからなる群の中から選ばれる、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 前記多糖が、天然物であるか、又は合成的に製造される、請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 前記多糖が、中性、アニオン性、カチオン性の炭水化物残基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される糖部分を含む、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 前記多糖がガラクトマンナンを含む、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 前記多糖がラムノガラクタンを含む、請求項7に記載の医薬組成物。
  10. 前記多糖が、ガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース、及びその組み合わせからなる群の中から選択される炭水化物残基を有する、請求項7に記載の医薬組成物。
  11. 前記小分子が、医薬、核酸、ペプチド、及びその組み合わせからなる群から選ばれる、請求項1に記載の医薬組成物。
  12. 前記医薬が、1以上の腫瘍崩壊剤を含む、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 前記腫瘍崩壊剤が、5−フルオロウラシル、ドキソルビシン、パクリタキセル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダウノマイシン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、バッカチンIII、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 約10nm〜約2μmの範囲の大きさを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  15. 標的特異的な炭水化物をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  16. 前記標的特異的な炭水化物が、ガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 前記標的特異的な炭水化物が、標的細胞の1以上のレクチン型受容体と相互作用する、請求項15に記載の医薬組成物。
  18. 囲いを形成する多糖骨格及び1以上の小分子を含む医薬組成物であって、当該多糖骨格が1以上の疎水性炭化水素部分を有し、そして当該疎水性炭化水素部分が、多糖による囲いの内部ポケットの内に配置されている、前記医薬組成物。
  19. 前記多糖が、中性、アニオン性、カチオン性の炭水化物残基、及びその組み合わせからなる群から選ばれる糖部分を含む、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. 前記多糖がガラクトマンナンを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 前記多糖がラムノガラクタンを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
  22. 前記多糖が、ガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる炭水化物残基を含む、請求項19に記載の医薬組成物。
  23. 前記疎水性炭化水素部分が、アルキル部分、アリール部分、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項18に記載の医薬組成物。
  24. 前記疎水性炭化水素部分が、デシル基、オクチル基、オクチデシル基、ベンジル基、フェニル基、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 前記小分子が、医薬、核酸、ペプチド、及びその組み合わせからなる群から選ばれる、請求項18に記載の医薬組成物。
  26. 前記医薬が、1以上の腫瘍崩壊剤を含む、請求項25に記載の医薬組成物。
  27. 前記腫瘍崩壊剤が、5−フルオロウラシル、ドキソルビシン、パクリタキセル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダウノマイシン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、バッカチンIII、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項26に記載の医薬組成物。
  28. 約10nm〜約2μmの範囲の大きさを有する、請求項18に記載の医薬組成物。
  29. 標的特異的な炭水化物をさらに含む、請求項18に記載の医薬組成物。
  30. 前記標的特異的な炭水化物が、ガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース、及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項29に記載の医薬組成物。
  31. 前記標的特異的な炭水化物が、標的細胞の1以上のレクチン型受容体と相互作用する、請求項29に記載の医薬組成物。
  32. 小分子を、それを必要としている対象にデリバリーする方法であって、
    (a)ポリマー及び1以上の小分子を有する医薬組成物であって、当該ポリマーが多糖骨格を持ち、1以上の疎水性炭化水素部分が当該多糖骨格に結合している、上記医薬組成物を取得し;
    (b)小分子を必要としている対象に、(a)の有効量を投与する
    を含む、前記方法。
  33. 前記ポリマーが囲いを形成し、前記疎水性炭化水素部分がその囲いの中に配置されている、請求項32に記載の方法。
  34. 前記小分子が疎水性部分を有する、請求項33に記載の方法。
  35. 前記疎水性炭化水素部分が、アルキル部分、アリール部分、及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項32に記載の方法。
  36. 前記疎水性炭化水素部分が、デシル基、オクチル基、オクチデシル基、ベンジル基、フェニル基、及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項35に記載の方法。
  37. 前記多糖が、天然物であるか、又は合成的に製造される、請求項32に記載の方法。
  38. 前記多糖が、中性、アニオン性、カチオン性の炭水化物残基、及びその組み合わせからなる群から選ばれる糖部分を有する、請求項37に記載の方法。
  39. 前記多糖がガラクトマンナンを含む、請求項37に記載の方法。
  40. 前記多糖がラムノガラクタンを含む、請求項37に記載の方法。
  41. 前記多糖が、ガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース、及びその組み合わせからなる群から選ばれる炭水化物残基を有する、請求項37に記載の方法。
  42. 前記小分子が、医薬、核酸、ペプチド、及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項32に記載の方法。
  43. 前記医薬が、1種類以上の腫瘍崩壊剤を含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記腫瘍崩壊剤が、5−フルオロウラシル、ドキソルビシン、パクリタキセル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダウノマイシン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、バッカチンIII、及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項43に記載の方法。
  45. 約10nm〜約2μmの範囲の大きさを有する、請求項32に記載の方法。
  46. 標的特異的な炭水化物をさらに含む、請求項32に記載の方法。
  47. 前記標的特異的な炭水化物が、ガラクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース、及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項46に記載の方法。
  48. 前記標的特異的な炭水化物が、標的細胞の1種類以上のレクチン型受容体と相互作用する、請求項46に記載の方法。
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