JP2007524713A - 熱伝導性材料の熱成形性でかつ架橋性の前駆物質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、a)(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)ポリマーまたはポリマーの混合物のメルトフローインデックスがそれぞれ10〜100g/10分である、1つ以上の架橋性ポリマーと、b)前駆物質の全重量の少なくとも60重量%の量の1つ以上の熱伝導性充填剤と、を含む、熱伝導性材料の熱成形性でかつ架橋性の前駆物質に関する。

Description

本発明は、熱伝導性材料の熱成形性でかつ架橋性の前駆物質に関し、前記前駆物質を架橋することによって得られる熱伝導性材料に関する。本発明はさらに、熱伝導性材料を含む裏材と1つ以上の接着剤層とを含む熱伝導性接着テープに関する。
熱伝導性材料が公知であり、例えば、プリント回路板(PCB)とヒートシンクの間の熱橋を提供するために用いられる。プリント回路板は使用条件下で熱を発生させるが、この熱はPCBの連続的使用を可能にするために拡散されなければならない。一般に金属ブロックの形のヒートシンクをPCBに取り付け、過剰な熱をPCBから逸らし、大気中に放射させる。公知の熱伝導性材料は、PCBとヒートシンクとの間に機械的にクランプされなければならない、例えばゲル塊、パッドあるいはグリースをベースとする。
さらに最近では、接着材料を含む熱伝導性接着テープが導入されている。これらの熱伝導性テープは、接続される2つの基板と接着結合を形成し、機械的クランプが必要とされないという利点を有する。熱活性化可能な接着剤を使用することができるが、感圧接着剤(PSA)は、接着剤を熱で活性化することを必要とせずに室温で接着材料を挟む基材を含む接合体を単に一緒に加圧することによって接着結合を形成するという別の利点を有する。感圧接着剤の特性を有する熱伝導性接着テープを提供するために2つの方法が用いられている。
熱伝導性接着テープを提供するための1つの方法は、熱伝導性接着材料を使用する。この方法は、かかる接着材料の単一層だけが接着テープを提供するために必要とされるという利点を有する。しかしながら、1つの不便な点は、熱伝導性充填剤が接着材料に直接に添加されねばならないということであり、これは、接着結合の質を低下させる傾向がある場合がある。支持用および強化用裏材を含まない接着テープはまた、典型的に、比較的大きな厚さを有する必要があり、より厚い接着テープは本質的に、エネルギーが伝えられなければならない大きな距離のために比較的大きな耐熱性を提供する。比較的厚い軟質接着テープはまた、打ち抜きなどの一般的な変換技術によって別々の小片に切り分けることが難しい。
熱伝導性接着テープを提供するための第2の方法は、両面にPSAの分離した層を支持するポリマーフィルム裏材を使用する。米国特許第6,165,612号明細書(バーグキスト(Bergquist))には、熱を発生するソリッドステート電子デバイスの基礎表面とヒートシンクのマウント用表面との間に配置される熱伝導性、電気絶縁マウンティングパッドが開示されており、前記マウンティングパッドが、ポリフェニルスルホンの10〜50重量%の範囲の量の熱伝導性粒状充填剤の含浸されたポリフェニルスルホン母材からなるフィルムを含む。マウンティングパッドは、場合により、両面に接着剤の層を含む。
米国特許第5,213,868号明細書(コメリックス(Chomerics))には、両方の表面に熱伝導性感圧接着剤を支持する熱伝導性支持材料が開示されており、そこにおいて少なくとも1つの露出接着剤表面が、空気の閉じ込めを抑えるためのエンボス部分、溝またはチャネルを有する。
特開2000319454号公報には、シラン架橋エチレン系ポリマーの裏材を含む難燃性接着テープが開示されている。熱伝導率は、この文献においては論じられていない。
ポリマーフィルム裏材を有する公知の市販の接着テープには、ポリイミドフィルム裏材を含むサーマタッチ(THERMATTACHTM)T404(米国、マサチューセッツ州、ウーバン(Woburn,MA/USA)のコメリックスから入手可能)、およびポリエチレンナフタレート(PEN)系ポリマーフィルム裏材を含むボンドプライ(BONDPLY)TM660(米国、マサチューセッツ州、エディナ(Edina,MN/USA)のバーグキスト・カンパニー(The Bergquist Company)から入手可能)などがある。
熱伝導性接着テープを提供するためのこの第2の方法はまた、技術的に実行可能であり、商業的に好ましいことがわかったが、許容範囲の熱的および電気的性質を提供し、かつかかるテープに使用するために適しているポリマーフィルム裏材は、製造が難しい場合があり、しばしばコストが高くつく。
熱的、電気的および接着剤性質の改良された組合せを有し、簡単で費用効果が高い製造方法によって得られる新しい熱伝導性接着テープを提供することが本発明の目的である。本発明の別の目的は、有利な熱安定性、高い破壊電圧および有利な熱伝導率を有する新しい熱伝導性材料を提供することである。裏材または熱伝導性テープとして使用するために適した新しい熱伝導性材料を提供することが本発明の別の目的である。本発明の他の目的を以下の詳細な明細書から容易に理解することができる。
本発明は、a)(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)ポリマーのメルトフローインデックスがそれぞれ10〜100g/10分である1つ以上の架橋性ポリマーと、b)前駆物質の全重量の少なくとも60重量%の量の1つ以上の熱伝導性充填剤と、を含む熱伝導性材料の熱成形性でかつ架橋性の前駆物質について記載する。
本発明はまた、a)1つ以上の架橋性ポリマーであって、(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)前記ポリマーまたはポリマーの混合物のメルトフローインデックスがそれぞれ10〜100g/10分である、1つ以上の架橋性ポリマーを提供する工程と、b)前記ポリマーまたはポリマーの混合物を前駆物質の全重量を基準にして少なくとも60重量%の量の1つ以上の熱伝導性充填剤と配合する工程と、を含む前駆物質の製造方法に関する。
本発明はまた、a)(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)ポリマーまたはポリマーの混合物がそれぞれ10〜100g/10分のメルトフローインデックスを有し、ポリマーの少なくとも1つが少なくとも30重量%のエチレン単位含有量を有する、1つ以上のポリマーを提供する工程と、b)前記ポリマーを式RR’SiY2(I)(Rが一価のオレフィン性不飽和基であり、R’が脂肪族不飽和を含有しない一価の基であり、Yが加水分解性有機基である)のビニルシラン、およびフリーラジカル開始剤と加熱混合装置内で反応させて湿分硬化性ポリマーを製造する工程と、c)前記湿分硬化性ポリマーを前駆物質の全重量の少なくとも60重量%の量の1つ以上の熱伝導性充填剤と加熱混合装置内で配合する工程と、を含む、前駆物質の提供方法について記載する。本発明はまた、a)本発明の前駆物質を提供する工程と、b)前記前駆物質を所望の形状に熱成形する工程と、c)前記前駆物質を架橋する工程と、を含む、造形された熱伝導性材料の製造方法に関する。
本発明はまた、本発明の方法によって得られる熱伝導性材料について記載する。
本発明はまた、フィルム裏材の主面の少なくとも一方に接着剤層を支持する少なくともフィルム裏材を含む接着テープについて記載し、前記フィルム裏材は、前駆物質をフィルムの形状に押出して前記フィルムを架橋することによって得られる。
本発明はまた、2つの基材の間の熱伝導性を提供するための本発明の接着テープの使用に関する。
さらに、本発明は、2つの基材間の結合関係で接着テープを含む接合体について記載する。
本発明は、a)(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)ポリマーまたはポリマーの混合物のメルトフローインデックスがそれぞれ10〜100g/10分である、1つ以上の架橋性ポリマーと、b)前駆物質の全重量の少なくとも60重量%の量の1つ以上の熱伝導性充填剤と、を含む、熱伝導性材料の熱成形性でかつ架橋性の前駆物質を提供する。熱伝導率を以下に記載された方法を用いて測定することができる。少なくとも0.30W/m℃、好ましくは少なくとも0.35W/m℃、より好ましくは0.40W/m℃の熱伝導率を有する材料は、本明細書中で熱伝導性と呼ばれる。本明細書中で用語「熱成形性」は、熱の影響下で形状が変化され得ることを意味する。
前駆物質が1つ以上のポリマーを含み、(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)前記ポリマーまたはポリマーの混合物がそれぞれ10〜100g/10分、好ましくは15〜95g/10分、特に好ましくは15〜90g/10分のメルトフローインデックスを有し、架橋され得る。これらの必要条件を満たすポリマーは好ましくは、ポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリ酢酸ビニルおよびポリスチレンを含む群から選択される。しかしながら、ポリオレフィンおよびポリウレタンの群が、これらの材料が接着テープの適用によって必要とされる熱安定性および可撓性をもたらす傾向があるので、好ましい。
前駆物質は好ましくは、1〜5、より好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2つのポリマーを含み、前記ポリマーまたはポリマーの混合物はそれぞれ、10〜100g/10分、好ましくは15〜95g/10分、より好ましくは20〜90g/10分のメルトフローインデックスを有する。前記ポリマーが10〜100g/10分のメルトフローインデックスを有するポリマーとこの範囲外のメルトフローインデックスを有するポリマーとを含む場合、かかるポリマーの量は好ましくは、混合物のメルトフローインデックスが10〜100g/10分であるように選択される。
前駆物質のポリマーはまた、場合により、他の非架橋性ポリマーを前駆物質の全重量を基準にして30重量%まで、より好ましくは15重量%までの量で含んでもよい。
ポリオレフィンポリマーには、エチレン、プロピレンおよびブテンのホモポリマーおよびコポリマーがあり、又、オレフィンと、(メタ)アクリレート、1−ヘキセンおよび1−オクテンなどのアルファ−オレフィン、酢酸ビニル、およびスチレンなどのビニル芳香族化合物などの他のビニル基含有モノマーとのコポリマーがある。
本発明に有用なポリウレタンポリマーには、それぞれ、ジオソシネート(diosocynates)およびジオールから公知の方法によって調製された、飽和および不飽和ポリウレタンポリマーの両方がある。
前駆物質は1つ以上のポリマーを含み、前記ポリマーまたはポリマーの混合物がそれぞれ、ASTM D−1238によって190℃で測定した際に10〜100g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する。10g/10分より小さいメルトフローインデックスを有するポリマーまたはポリマーの混合物はそれぞれ、それらの高分子量のために押出すことが難しい傾向がある。10g/10分より小さいメルトフローインデックスを有するポリマーは、比較的高い溶融粘度を有し、前駆物質の粘度は、多量の充填剤が添加される時に増加する傾向がある。従って10g/10分より小さいメルトフローインデックス(MFI)を有するポリマーは、本発明に使用するために適していない。
100g/10分より大きいメルトフローインデックス(MFI)を有するポリマーもまた、比較的低分子量を有するので、本発明に使用するために適していない。これらのポリマーは、例えばフィルムに熱成形した後にそれらの有効分子量を大幅に増加させ、熱伝導性接着テープ最終製品に必要とされる熱安定性および高温性能を提供する必要がある。押出後に分子量を有効に増加させてポリマーの熱安定性を改良する経路を与えるために、前駆物質に架橋能力を導入することができる。しかしながら、かなりの分子量を既に有するポリマーの分子量を増加させるために、より便利にしばしば、架橋を用いる。従って100g/10分より大きいメルトフローインデックスを有するポリマーもまた、本発明の前駆物質に使用するために適していない。
前駆物質に使用するために選択されたポリマーはそれぞれ、架橋可能でなければならない。ポリマーの架橋は、紫外線(UV)またはガンマ(γ)放射線、粒子ビーム放射線(電子ビーム放射線)による放射線架橋、熱架橋および湿分硬化による架橋などの様々な方法によって行なわれてもよい。紫外線放射線および電子ビーム放射線による架橋は、しばしば、熱成形および架橋された材料の厚さにわたって傾斜硬化(gradient curing)の効果をもたらすという不便な点を有する。熱架橋もまた用いられてもよいが、押出のために必要とされる比較的高い温度はしばしば、熱架橋のために必要とされる温度に近いので、例えば、押出によって熱成形する間に熱硬化がそれまでに起こる場合があるという不便な点を有する。従って、湿分硬化またはγ−放射線による前駆物質の架橋が好ましい。
γ放射線のための適した放射線源は、それぞれ1.17および1.33MeVの2つのγ遷移を有する60Coである。商業的に運転される60Co照射源設備の照射時間を例えば、ドイツ、ヴィール(Wiehl,Germany)のBGSベータ・ガンマ・サービスGmbH社(BGSBeta−Gamma−Service GmbH&Co.Kg)において利用できる。この60Co照射源設備の構成および配置は、例えば、BGSベータ・ガンマ・サービスから入手可能なBGSパンフレット(“Strahlenvernetzung von Kunststoffen”)に図解されている。
本発明に有用であるγ照射は好ましくは、50keV〜25MeV、より好ましくは500keV〜10MeVのエネルギーを有する。特に好ましいγ照射源は60Coである。
γ照射による照射時間は、得られた照射線量が好ましくは少なくとも50、より好ましくは少なくとも80、特に好ましくは少なくとも100kGyであるように選択されることを本願発明者は見出した。
湿分硬化によって架橋することができるポリマーには、例えば、ポリウレタンおよび、反応性シラン基を有するポリマーなどがある。
ポリウレタンはイソシアネート基と周囲湿分との反応によって湿分硬化するが、反応性シラン基を有するポリマーは、シラノール縮合反応または白金系触媒の存在下でのヒドロシレーションによって湿分硬化する。反応性シラン基を、グラフト反応によって適したポリマーに導入することができる。
シラングラフトのために適している本発明の熱成形性でかつ架橋性の前駆物質に使用するためのポリマーには、ポリオレフィンポリマーなどがある。シラングラフトのために選択されたポリオレフィンポリマーは好ましくは、ポリエチレン単位を少なくとも30%、より好ましくは少なくとも35%、特に好ましくは少なくとも40重量%、含む。ポリエチレン単位少なくとも30重量%が存在することにより、ポリマー主鎖上にグラフト部位の有効な数をもたらし、そして次に、例えばフィルムなどの特定の形状に前駆物質を熱成形した後に架橋の有効量をもたらす。
シラングラフトのために適したポリエチレンポリマーには、多様な密度のポリエチレンホモポリマー、ならびにポリエチレンと(メタ)アクリレートモノマー、酢酸ビニルの他、プロピレン、ブテン、ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンなどのアルファ−オレフィンとのコポリマーなどがある。
シラングラフトのために適した特に好ましいポリオレフィンの第1の群は、0.90g/cm3より小さい密度を有する超低密度ポリエチレン(非常に低密度のポリエチレンとしても公知である)を含む。かかる材料は、例えば、以下のように市販されている。
エンゲージ(ENGAGETM)8400(ASTM D−792によって0.870g/cm3の密度、ASTM D−1238によって30g/10分のメルトフローインデックス(MFI)、および10℃/分の率においてDSCによって測定した際に60℃の融解ピークを有するエチレン−コ−オクテン)。
エンゲージTM8411(ASTM D−792によって0.880g/cm3の密度、ASTM D−1238によって18g/10分のメルトフローインデックス(MFI)、および10℃/分の率においてDSCによって測定した際に72℃の融解ピークを有するエチレン−コ−オクテン)。
エンゲージTM8401(ASTM D−792によって0.885g/cm3の密度、ASTM D−1238によって30g/10分のメルトフローインデックス(MFI)、および10℃/分の率においてDSCによって測定した際に78℃の融解ピークを有するエチレン−コ−オクテン)。
エンゲージTM8130(ASTM D−792によって0.864g/cm3の密度、ASTM D−1238によって13g/10分のメルトフローインデックス(MFI)、および10℃/分の率においてDSCによって測定した際に50℃の融解ピークを有するエチレン−コ−オクテン)。
エンゲージTMポリオレフィンは、スイス、ジュネーブのダウ・デュポン・エラストマー(Dow DuPont Elastomers,Geneva,Switzerland)から入手可能である。この群の特に好ましい材料は、エンゲージTM8400およびエンゲージTM8407である。
超低密度ポリエチレンポリマーは好ましくは、10℃/分の率でDSCによって測定した際にポリマーの融解ピークが100℃より低く、より好ましくは90℃より低く、特に好ましくは60℃〜80℃であるように選択される。
本発明の前駆物質に使用するために特に好ましい、シラングラフトのために適した好ましいポリエチレンの第2の群は、例えば、以下のように入手可能な、エチレンと(メタ)アクリレートモノマーとのコポリマーを含む。
ロトリル(LOTRYLTM)35BA40、0.930g/cm3の密度およびASTM D−1238(190℃)によって40g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する、65部のエチレン:35部のブチルアクリレートの比のエチレンとブチルアクリレートとのコポリマー(コ−E−BA))。
ロトリルTM17BA07、0.930g/cm3の密度およびASTM D−1238(190℃)によって6.5〜8g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する、83部のエチレン:17部のブチルアクリレートの比のエチレンとブチルアクリレートとのコポリマー(コ−E−BA))。
ロトリルTM28BA175、0.930g/cm3の密度およびASTM D−1238(190℃)によって150〜200g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する、72部のエチレン:28部のブチルアクリレートの比のエチレンとブチルアクリレートとのコポリマー(コ−E−BA))。
ロトリルTM28MA07、0.930g/cm3の密度およびASTM D−1238(190℃)によって6〜8g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する、72部のエチレン:28部のメチルアクリレートの比のエチレンとメチルアクリレートとのコポリマー(コ−E−MA))。
ロトリルTMコポリマーは、アトフィナ(ATOFINA)(ドイツ、デュッセルドルフ(Duesseldorf,Germany))から入手可能である。
シラングラフトのために適し、本発明の前駆物質に使用するために適した他の適したエチレン−コ−(メタ)アクリレートポリマーは、無水マレイン酸の重合単位も含むエチレン−コ−(メタ)アクリレートポリマーである。これらの材料は、エルフ・アトケム(Elf Atochem)(フランス、ピュトー(Puteaux、France))から以下のように市販されている。
ロタダー(LOTADERTM)6200、9%のコモノマー含有量、40g/10分のメルトフローインデックス、およびDSCによって102℃の融点を有するエチレンとアクリル酸エステルと無水マレイン酸とのターポリマー。
ロタダーTM8200、9%のコモノマー含有量、200g/10分のメルトフローインデックス、およびDSCによって100℃の融点を有するエチレンとアクリル酸エステルと無水マレイン酸とのターポリマー。
ロタダーTM5500、22%のコモノマー含有量、20g/10分のメルトフローインデックス、およびDSCによって80℃の融点を有するエチレンとアクリル酸エステルと無水マレイン酸とのターポリマー。
ロタダーTM7500、20%のコモノマー含有量、70g/10分のメルトフローインデックス、およびDSCによって76℃の融点を有するエチレンとアクリル酸エステルと無水マレイン酸とのターポリマー。
好ましくは、ロトリルTM35BA40など、10〜100g/10分のメルトフローインデックスを有する単一ポリマーは、エチレン−コ−(メタ)アクリレートポリマーの群から選択される。
エチレン−コ−(メタ)アクリレートポリマーの群から選択されたポリマーの融点は好ましくは100℃より低く、より好ましくは80℃より低い。
本発明の熱伝導性材料の前駆物質に使用するための架橋性ポリマーは好ましくは、熱成形および架橋された材料に可撓性を与えるように選択される。可撓性は、粗面に対する接着テープのなじみ性を可能にし、それが不均一または不規則な結合スペースまたは隙間を充填することを可能にするために重要である。非架橋状態で−60℃〜−10℃の範囲のガラス転移温度Tgを有するポリマーはしばしば、かかる望ましい特性を示す。
前記ポリマーはまた、好ましくは、得られた熱伝導性接着テープを伸長または破断することなく取り扱い、変換し、基材に適用するために、ポリマーフィルム裏材に強度を与えるように選択される。
前記ポリマーはまた、熱的に安定であるように選択される。前駆物質に使用するために好ましいポリマーは、DIN IEC60811−4−1によって空気中で350℃において熱重量分析(TGA)により測定した際に熱的に安定な(損失重量無し)ポリマーである。
湿分架橋することができる反応性シラン基が、例えば、一方または両方の末端など、特定の位置でポリマーに導入されてもよい。反応性シラン基はまた、不飽和シランモノマーの共重合によってランダムにコポリマーの主鎖に直接に導入されてもよい。反応性シラン官能価はまた、フリーラジカル誘起グラフト技術によってポリマーに導入されてもよい。
反応性シラン官能価を本発明に好ましいポリマーに導入するためのかかるグラフト技術は、例えば、米国特許第3,646,155号明細書、米国特許第4,291,136号明細書、GB1357549号明細書、GB1406680号明細書、GB1450934号明細書およびDE4402943号明細書に記載されている。
グラフト反応において用いることができるシランは、一般式(I)RR’SiY2を有する。Rは、ケイ素−炭素結合を介してケイ素に結合した一価のオレフィン性不飽和基を表す。かかる基の例は、アリル、ビニル、ブテニルおよびシクロヘキセニルであるが、ビニルが好ましい。Yは加水分解性有機基、例えば、メトキシ、エトキシおよびブトキシ基などのアルコキシ基を表す。Yはまた、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシまたはプロピオンオキシなどのアシルオキシ基であってもよい。Yはまた、オキシモ基または置換アミノ基であってもよい。任意の所与のシラン分子中のY置換基が、同一または異なっていてもよい。R’は、例えば、メチル、エチル、プロピル、テトラデシル、オクタデシル、フェニル、ベンジルまたはトリルなど、脂肪族不飽和を含有しない一価の炭化水素基を表す。R’はまた、Y基であってもよい。好ましくはシランは式RSiY3を有し、Rがビニルであり、最も好ましいシランはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランおよびそれらの組合せである。記載されたシラン化合物は、本発明を限定するものではなく、例示することを意図する。
グラフト反応に使用された1つ以上のシラン化合物の量は、反応条件および使用されたポリマーのタイプに依存する。10〜100g/10分のメルトフローインデックスを有するポリマーを有利にグラフトおよび架橋するために、グラフト反応に使用された1つ以上のシラン化合物の量が、ポリマー100部当たり少なくとも2部、より好ましくはポリマー100部当たり少なくとも3部、最も好ましくはポリマー100部当たり3〜5部のシランであるように選択されるのが好ましいことを本願発明者は発見した。2部未満が使用される場合、不十分な数のシラン分子がポリマー主鎖に導入され、不十分な量の架橋が行なわれ、得られた熱伝導性材料の熱安定性が非常に低い。
グラフト反応を促進するために適したフリーラジカル開始剤は、グラフトされるベースポリマーにフリーラジカル部位を生じさせることができ、反応温度において好ましくは約6分より少ない、より好ましくは1分より少ない半減期を有するフリーラジカル開始剤である。好ましいフリーラジカル開始剤には、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシレン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルパーアセテート;2,5−ジメチル−2,5(t−ブチル(buytl)ペルオキシ)ヘキシレン−3、t−ブチルパーベンゾエート、およびアゾ化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリルおよびジメチルアゾジ−イソブチレートなどの有機過酸化物および過酸エステルがある。特定のフリーラジカル開始剤の選択は、シラングラフト反応が行なわれる温度に依存する。ジクミルペルオキシドがフリーラジカル開始剤として最も好ましい。
フリーラジカル開始剤は好ましくは、ポリマー100部当たり0.10〜0.30部の量において、より好ましくはポリマー100部当たり0.15〜0.25部において、最も好ましくはポリマー100部当たり約0.175部において使用可能である。本願発明者は、10〜100g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有するポリマーまたはポリマーの混合物が、ポリマー100部当たり少なくとも0.1部の量のフリーラジカル開始剤を使用することによって、有利にグラフトおよび架橋され得ることを発見した。0.1部より少ない量が使用される場合、不十分なグラフトが生じ、不十分な架橋を有する熱伝導性材料をもたらす。シラングラフト反応は好ましくは、120℃〜220℃、より好ましくは140℃〜200℃、最も好ましくは160℃〜180℃の温度で行なわれる。
シラングラフトポリマーの湿分硬化は、シラノール縮合触媒の存在下で促進および加速されることが知られている。触媒は湿分硬化を加速するが、それらは本発明の前駆物質において使用されることを必要としない。公知のシラノール縮合触媒には、例えば、ジブチル錫ジラウレート、エチルへキサン酸第一錫、酢酸第一錫、オクタン酸第一錫、およびオクタン酸亜鉛などの金属カルボン酸塩などがある。チタンエステルおよびキレートなどの有機金属化合物もまた、ヘキシルアミンなどの有機塩基と同様に有効な触媒である。鉱酸および脂肪酸などの酸もまた、シラノール縮合触媒として公知である。触媒が使用されるとき、ジブチル錫ジラウレート、錫(II)エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジアセテートおよびジブチル錫ジオクトエートなどの有機錫化合物が好ましい。
本発明の熱成形性でかつ架橋性の前駆物質は、架橋性ポリマーのほかに、1つ以上の熱伝導性充填剤を含む。ポリマーフィルムの熱伝導率を有効に増強するいずれの有機、無機またはセラミック充填剤が本発明の前駆物質中で充填剤として使用されてもよい。
熱伝導性充填剤は、20℃において少なくとも5.0W/mKの熱伝導率λを有する充填剤として本明細書中で定義される。好ましい熱伝導性充填剤は、電気絶縁性および熱伝導性である充填剤である。
好ましい熱伝導性充填剤の群には、アルミナ、酸化アルミニウムAl23、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化アルミニウムおよび炭化ケイ素などがあるがそれらに限定されない。
最も好ましい熱伝導性充填剤は、三水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムである。特に好ましい熱伝導性充填剤は水酸化マグネシウムである。より好ましいのは、ビニルシランで前処理された水酸化マグネシウムである。かかるシラン処理水酸化マグネシウムは、例えば、アルスイス・マルティンスヴェルク・GmbH(Alusuisse Martinswerk GmbH)(ドイツ、ベルクハイム(Bergheim,Germany))からマグニフィン(MAGNIFIN)H5AおよびマグニフィンH5MVとして市販されている。
本発明の前駆物質に使用するために適した熱伝導性充填剤はまた、粒状の形状が好ましい。本明細書中で定義された「粒状充填剤」は、約75μmより小さい平均粒度を有する微細固体充填剤である。本発明の前駆物質に使用するための粒状充填剤の好ましい大きさは、20μmより小さい平均粒度を有する充填剤である。最も好ましいのは、2μm〜5μmの平均粒度である。
熱伝導性充填剤は、前駆物質の全重量の少なくとも60重量%の量で本発明の前駆物質中に存在する。60重量%より低いレベルで、熱成形および架橋された材料は不十分な熱伝導率を示す。熱成形性前駆物質は好ましくは、熱成形および架橋された熱伝導性材料の最大熱伝導率を助長する充填剤の最大許容量を充填される。前駆物質の粘度が、例えば、それを熱成形または押出すことができないようになるとき、または、前駆物質のポリマーがもはや充填剤を保有できないとき、充填剤の最大量が達成されている。充填剤は好ましくは、前駆物質の全重量を基準にして少なくとも62.5重量%、より好ましくは65重量%の量で本発明の前駆物質中に存在する。
本発明の前駆物質の熱伝導性充填剤は、例えば、シランまたはステアリン酸で処理することによって化学処理されてポリマーとの相互作用を促進し、前駆物質中の最大充填剤配合量を可能にすることができる。60重量%より少ない量の充填剤の使用は、不十分な熱伝導率をもたらす傾向がある。例えば、75重量%を超える量など、非常に多い量の充填剤を使用すると、前駆物質の溶融粘度を上げ、押出しを極端に難しくする傾向がある。又、非常に高配合量の充填剤は、好ましくない凝集強さを有する熱伝導性材料を製造する傾向がある。
本発明の前駆物質はまた、熱成形および架橋された材料の熱伝導率および他の物理的性質が過度に損なわれない程度に付加的な充填剤および添加剤を含んでもよい。溶剤または不活性希釈剤の低量を、配合および押出する間に使用して前駆物質の粘度を下げ、例えば、ポリマーと充填剤との混合を改良することができる。エポキシドまたは酸基を含む低分子量ポリマーなどの特定の反応性希釈剤もまた、使用してもよい。従来の湿潤剤、消泡剤、顔料、難燃剤および酸化防止剤もまた、想定された特定の適用の要求条件に従って前駆物質に添加してもよい。好ましくは、付加的な充填剤および添加剤の総量は、前駆物質の全重量を基準にして20重量%より少ない量である。より好ましくは、補助充填剤および添加剤の総量は、前駆物質の全重量を基準にして10重量%より少ない量である。
本発明の前駆物質のために特に好ましい添加剤は、低分子量の有機増量剤である。低分子量の有機増量剤は、約20,000より小さい重量平均分子量Mwを有するモノマーまたはポリマーの有機物として本明細書中で定義される。有機増量剤は、鉱油などのエキステンダー油およびフタル酸ジオクチル(DOP)などの可塑剤として一般に公知の材料の群から選択されてもよい。低分子量の有機増量剤は、前駆物質の全重量を基準にして少なくとも5重量%の量で存在する。好ましくは増量剤は、10重量%〜20重量%の量で存在する。
熱伝導性充填剤は、前駆物質がその最終形状に熱成形される前に架橋性ポリマーと混合される。概して、密閉式ミキサー(例えば、ブランバリー(BranburyTM)タイプのミキサー)などの加熱混合装置または押出機内で溶融されたポリマーに充填剤を添加することによって、架橋性ポリマーと充填剤との配合を非常に容易に行なうことができる。
本発明の熱成形性前駆物質は23℃において不粘着性であり、感圧接着剤(PSA)の性質を有するものとして特徴づけることができない。用語「不粘着性」は、架橋された前駆物質が接触時に粘着性でないことを定性的に意味する。用語「不粘着性」は、架橋された前駆物質が、AFERA(Association des Fabricants Europeens de Rubans Auto−Adhesivs)4001によって測定した際に0.5N/cmより小さいステンレス鋼からの90°の剥離接着力の値を有することを定量的に意味する。
本発明はまた、a)(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)ポリマーまたはポリマーの混合物がそれぞれ10〜100g/10分のメルトフローインデックスを有する1つ以上の架橋性ポリマーを提供する工程と、b)前記ポリマーをそれぞれ、前駆物質の全重量の少なくとも60重量%の量の熱伝導性充填剤と加熱混合装置内で配合する工程と、を含む、本発明の前駆物質の製造方法を提供する。本発明はさらに特に、前駆物質のシラングラフトおよび湿分硬化が用いられる実施態様に関する、前駆物質の好ましい製造方法を提供する。前駆物質のこの製造方法は、a)(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)ポリマーまたはポリマーの混合物がそれぞれ10〜100g/10分のメルトフローインデックスを有する1つ以上のポリマーを提供する工程と、b)前記ポリマーを式RR’SiY2(I)(Rが一価のオレフィン性不飽和基であり、R’が脂肪族不飽和を含有しない一価の基であり、Yが加水分解性有機基である)のビニルシラン、およびフリーラジカル開始剤と加熱混合装置内で反応させて湿分硬化性ポリマーを製造する工程と、c)前記湿分硬化性ポリマーを前駆物質の全重量の少なくとも60重量%の量の1つ以上の熱伝導性充填剤と加熱混合装置内で配合する工程と、を含む。架橋性ポリマーは好ましくは、架橋性ポリマーの全重量を基準にして少なくとも30重量%のエチレン単位含有量を有し、ビニルシランは好ましくは、式RR’SiY2を有する。R、R’およびYの好ましい実施態様は上記の通りである。
前記ポリマーへの、前記シランのフリーラジカル誘起グラフト反応は好ましくは、密閉式ミキサー(例えば、ブランバリーTMタイプのミキサー)などの加熱混合装置または押出機内で120℃〜220℃の温度で行なわれる。グラフト反応の温度が低すぎる場合、ポリマーの粘度が高すぎてビニルシランおよびフリーラジカル開始剤との十分な混合を達成することができず、開始剤が必要なだけ熱分解することができない場合がある。グラフト反応の温度が高すぎる場合、不利な副反応が助長される。
10分未満の加熱混合装置内のグラフト混合物の滞留時間が好ましく、5分未満の滞留時間が最も好ましい。
シラングラフトを用いてポリマーを架橋性にする実施態様において、熱伝導性充填剤は好ましくは、シラングラフト反応が生じた後、かつシラングラフトポリマーが架橋される前に、溶融されたポリマーと配合される。好ましくは熱伝導性充填剤は、グラフトした後に、後続の工程において同じ押出機内に添加され、低減された数の押出および/または混合工程が必要とされる。
シラノール縮合触媒を使用するとき、ポリマーを例えば押出しによってその最終形状に熱成形する時に、溶融されたポリマーに混合することができ、または例えば押出ポリマーフィルムの表面に溶液として適用してもよい。湿分硬化または架橋反応の速度を熱によって加速してもよい。23℃〜70℃の温度を使用してもよい。本発明の前駆物質の厚さ100〜300μmのフィルムを完全に湿分硬化するために、23℃の温度および周囲相対湿度で約1日、必要とする。しかしながら、硬化を70℃の温度で10〜15分で行なうことができる。
本発明はまた、本発明の熱成形性前駆物質を提供する工程と、前記前駆物質を所望の形状に熱成形する工程と、次いで前記前駆物質を架橋する工程と、を含む、造形された熱伝導性材料の製造方法を提供する。
ポリマー材料のいずれかの公知の成形方法によって前駆物質を造形することができる。前駆物質の熱成形は、例えば、三次元物体を形成するための射出成形を含むことができる。又、前駆物質の熱成形を押出しによって行ない、例えば、シート、リボンまたは薄フィルムを形成することができる。前駆物質を厚いシートに熱成形することは、カレンダリング技術によって同様に行なわれてもよい。
概して、前駆物質の熱成形性は、加熱時に低減された粘度で流動することができる公知の熱可塑性ポリマー材料を含む群から前駆物質のポリマーを好ましく選択することによって確実にされる。例えばエポキシなどの熱硬化性ポリマー材料は、架橋工程の前に前駆物質を処理するために一般に使用される条件下で不可逆化学反応を経る傾向があるので、本発明の前駆物質に使用するためにあまり好ましくない。
本発明はまた、本発明の前駆物質を架橋することによって得られる熱伝導性材料について記載する。本発明の熱伝導性材料は23℃において不粘着性であり、感圧接着剤(PSA)の性質を有するものとして特徴づけることができない。用語「不粘着性」は、架橋された前駆物質が接触時に粘着性でないことを定性的に意味する。用語「不粘着性」は、架橋された前駆物質が、AFERA4001によって測定した際に0.5N/cmより小さいステンレス鋼からの剥離接着力の値を有することを定量的に意味する。
本発明の架橋された熱伝導性材料は好ましくは、20分間、200℃で架橋した後にASTM D6294−9によって測定したとき、3〜8dNm、より好ましくは4〜7dNmの弾性トルクS’を示す程度まで架橋される。3dNmより小さい弾性トルクS’を有する材料は、現実の使用条件下で劣った熱安定性および好ましくない高温性能を有する傾向がある。8dNmより大きい弾性トルクS’を有する材料は、なじみ性および可撓性をもたない傾向がある。
図1は、実施例3および4の前駆物質の架橋挙動を示す。前駆物質の弾性トルクS’は、200℃の温度に保持されたまま、20分間、時間の関数として示される。
本発明の前駆物質は好ましくは、フィルムの形状に熱成形される。フィルムを比較的平らな基板間の境界面の形成に簡単に利用でき、コーティングまたは接着剤などの他の薄層を簡単に設けることができる。これは架橋技術の適用を容易にするので、前駆物質はまた、好ましくは、フィルムに形成される。放射線硬化をフィルム上で有効に使用することができ、湿分硬化が好ましい実施態様において、薄いフィルムは、周囲湿分との十分な接触が、適当な時間および温度の範囲内で湿分硬化によって架橋を起こすことを可能にする。
本発明の熱伝導性接着テープに使用するために適した熱伝導性フィルムは好ましくは、40〜300μmの厚さを有する。特に好ましいのは、100〜200μmのフィルム厚さである。フィルムが非常に厚い場合、熱インピーダンスが非常に高い。フィルムが非常に薄い場合、得られたテープの破壊電圧が、非常に低い傾向があり、裏材が非常に薄くて取り扱うことができず、接着テープに必要とされる隙間の充填性質に十分に寄与することができない。
本発明の熱伝導性接着テープに使用するために適した熱伝導性フィルムは好ましくは、可撓性でなじみやすく、弾性である。かかる定性的な特性は、弾性率などの測定可能なフィルム性質に定量的に反映される。好ましくは熱伝導性フィルムは、6〜100N/mm2、より好ましくは20〜50N/mm2の弾性率を有する。
本発明はまた、フィルム裏材の少なくとも一方の主面に接着剤層を支持する少なくともフィルム裏材を含む接着テープを提供し、前記フィルム裏材は、本発明の前駆物質をフィルムに押出して前記フィルムを架橋することによって得られる。接着材料の好ましいクラスは、良好な熱安定性および老化、高温での分解および酸化に対する耐性を有することが公知のクラスである。好ましい接着剤ポリマーのクラスには、アクリレート、シリコーンおよびウレタンなどがある。
フィルム裏材の一方または両方の主面に適用された接着剤層は、23℃において本質的に粘着性である感圧接着剤(PSA)または粘着性を生じさせるために加熱しなければならない熱活性化可能な接着剤を含んでもよい。
感圧接着剤層が好ましい。好ましい感圧接着剤(PSA)はアクリレート系感圧接着剤である。アクリレート系感圧接着剤およびそれらの調製方法は『感圧接着剤ハンドブック』(“Handbook of Pressure−Sensitive Adhesives”)(D.サタス(D.Satas)編、第3版、1999年)に記載されている。アクリレート系PSAは、低いガラス転移温度(Tg)を有する本質的に軟質および粘着性ポリマーであるアクリル酸および/またはメタクリル酸エステルのポリマーまたはコポリマーを含む。本発明に使用するために適したアクリルPSAの調製に使用するための好ましい(メタ)アクリレートモノマーは、4〜17個の炭素原子を含む非第三アルコールのアルキルアクリレートおよびメタクリレートエステルを含み、そこにおいて、モノマーのホモポリマーが、約0℃より低いTgを有する。本発明において使用できるアクリルPSAに使用するために適したモノマーには、例えば、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、イソデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコール−モノメタクリレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレートおよびエトキシ化ノニルアクリレートなどがある。特に好ましいのは、2−エチル−ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートおよびブチルアクリレートである。低いTgの(メタ)アクリレートモノマーが一般に、50〜100重量%の量で好ましい(メタ)アクリレート系PSA中に存在する。
場合により、1つ以上のエチレン性不飽和コモノマーを0〜50重量%の量で上記の(メタ)アクリレートエステルモノマーと共重合させて接着剤の凝集強さを改良し、および/または他の望ましい特性を提供することができる。有用なコモノマーの1つのクラスには、前の欄に記載された(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマーのガラス転移温度よりも高いホモポリマーのガラス転移温度(Tg)を有するコモノマーがある。このクラスの範囲内にある適したモノマーの例には、アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN,N−ジエチルアクリルアミドなどの置換アクリルアミド、イタコン酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、イソボルニルアクリレート、シアナトエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、無水マレイン酸、ヒドロキシアルキル-アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ベータ−カルボキシエチルメタクリレート、ビニリデンクロリド、スチレン、ビニルトルエンおよびアルキルビニルエーテルなどがある。
又、感圧接着剤層を架橋して、高温においてのその性能、特に剪断強度を改良することができる。接着剤層の架橋は、例えば、電子ビームまたは紫外線放射線を用いて放射線後架橋によって、または例えば、ビス−アミドタイプの架橋剤を用いて熱後架橋によって行なわれてもよく、またはヘキサンジオールジアクリレートなどの多官能アクリレートをモノマー混合物中に含有することによって、アクリルポリマーを合成する間に行なわれてもよい。
接着剤層はまた、1つ以上の熱伝導性充填剤を含んでもよい。充填剤のタイプを、上記の前駆物質中で用いられた粒状充填剤から選択することができる。熱伝導性充填剤は、存在する場合、本発明の接着テープの熱伝導率を増強するのに有効であるどんな量で接着剤層中に存在してもよい。接着剤層中の充填剤の量は、しかしながら、接着テープが利用者の要求条件を満たさないように接着剤の挙動に悪影響を及ぼさないのがよい。1つ以上の充填剤が接着剤層中に存在する場合、接着剤の全重量を基準にして30重量%より少ない量が好ましい。好ましくは、1つ以上の充填剤が、接着剤の全重量を基準にして15重量%より少ない量において使用される。より好ましくは、接着剤層は、1つ以上の充填剤5重量%未満を含み、特に好ましくは、熱伝導性充填剤を本質的に含有しない。
接着剤層はまた、例えば、顔料、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤および難燃剤など、接着剤中で一般に使用される様々な添加剤を含有してもよい。かかる添加剤の量は好ましくは、接着剤の全重量を基準にして20重量%以下である。
接着剤層の厚さは、10〜50μmであるのが好ましく、より好ましくは15〜45μm、特に好ましくは15〜25μmである。
特に好ましいのは、15μm〜25μmの厚さを有する接着剤層であり、熱伝導性充填剤は接着剤中に存在しない。
接着剤層は、架橋された、充填剤入りのポリマーフィルム裏材の一方または両方の主面に適用されてもよく、固形分100%の接着剤のホットメルト押出コーティングの他、ナイフコーティング、噴霧、グラビアコーティングおよびスクリーン印刷などの一般的な技術を用いて溶剤、懸濁液またはエマルションから接着剤を適用する(その後、乾燥させる)など、薄い接着フィルムを基板上に形成するための一般に公知の方法のいずれによって適用されてもよい。接着剤層はまた、剥離ライナー(転写テープ)上に支持された接着剤の薄い層として別個に作製され、次いで、本発明による熱伝導性架橋フィルム裏材の一方または両方の主面に積層によって転写されてもよい。
接着剤はまた、適用される主面を接着剤が部分的にだけ覆うように、架橋された熱伝導性フィルム裏材の一方または両方の表面に適用されてもよい。これは、例えば、スクリーン印刷によって、または、剥離ライナー上に別個に形成されたセグメント化接着剤層を転写することによって行なわれてもよい。ポリマーフィルム裏材の一部分だけの被覆面積をもたらすように適用された接着剤層は、例えば、PCBまたはヒートシンクなど、接着剤とそれが結合される基材との間の境界面の空気の閉じ込めを防ぐことが重要である場合に好ましいことがある。接着剤−基材の境界面に空気の気泡が存在すると、接着剤の接触を低減し、接着剤が熱エネルギーを伝える能力を低減することが知られている。接着剤の無い小さな領域が存在すると、特に、感圧接着剤層を用いるとき、空気の気泡の、結合境界面からの除去を容易にすることができる。熱伝導性フィルム裏材の、接着剤による部分的なコーティングが用いられる場合、熱伝導性フィルム裏材の一方または両方の主面の領域が好ましくは、少なくとも90%、より好ましくは95%の程度まで接着剤で覆われる。
他の技術もまた、結合境界面において空気の気泡の閉じ込めを防ぐために用いられてもよい。かかる1つの好ましい技術は、三次元特性を接着剤層の表面に導入することを必要とする。これは、接着剤表面を、その三次元特性を接着剤層の表面に転写する微細構造化または粗化剥離ライナーと接触させることによって行なわれてもよい。エンボス部分、チャネルまたは溝を有する少なくとも1つの接着剤層を支持する熱伝導性接着テープが、米国特許第5,213,868号明細書(コメリックス)に記載されている。
1つ以上の接着剤層を有する熱伝導性フィルム裏材を備える本発明の接着テープは好ましくは、300μmより小さい厚さを有する。より好ましくは、接着テープの厚さは、100μm〜275μmである。接着テープの厚さが300μmより大きい場合、その熱インピーダンスが大きすぎる傾向がある。接着テープの厚さが100μmより小さい場合、接着テープの耐電圧および基板へのそのなじみ性が不十分である。
少なくとも55kV/mmの耐電圧を有する接着テープが好ましい。最も好ましいのは、少なくとも60kV/mmの耐電圧を有する接着テープである。接着テープの耐電圧は、最終用途のために重要な性質である。耐電圧は、電流の流れに材料が抵抗する能力を定量的に反映するために用いることができ、DIN EN60243−1によって測定される。55kV/mmより小さい耐電圧を有する接着テープは、不十分な電気抵抗を示し、低い破壊電圧、すなわち、電気放電が接着テープを完全に通過することができるその電圧、を有する。
本発明はまた、ASTM D5470−95によって測定した際に少なくとも0.4W/m−Kの有効熱伝導率を有する熱伝導性接着テープを提供する。0.4W/m−Kより小さい有効熱伝導率を示す接着テープは、エレクトロニクス産業における使用条件によって必要とされる効率および速度で熱エネルギーを伝えるために役立てることができない。
本発明はまた、ASTM D5470−95によって測定した際に6.0℃−cm2/Wより小さい熱インピーダンスを有する熱伝導性接着テープを提供する。
好ましいのは、55kV/mmより大きい耐電圧、少なくとも0.4W/m−Kの有効熱伝導率および6.0℃−cm2/Wより小さい熱インピーダンスを有する接着テープである。
本発明はまた、例えば、発熱体と熱吸収体との表面など、2つの基材間の熱伝導性境界面を形成するための熱伝導性架橋フィルムの使用に関する。前駆物質をフィルムの形状に形成し、その後に架橋して得られる熱伝導性架橋フィルムは好ましくは、接着テープを形成するための1つ以上の接着剤層を含む。
本発明はまた、発熱体がプリント回路板であり、熱吸収体がヒートシンクである特定の使用に関する。
本発明はまた、2つの基材間の結合関係で本発明の熱伝導性フィルムを含む接合体に関する。
実施例および比較例に用いられた材料
A.架橋性ポリマー
エンゲージ8400−ダウ・デュポン・エラストマーズ(Dow Dupont Elastomers)(スイス、ジュネーブ(Geneva,Switzerland))から入手可能な、0.870g/cm3の密度を有するエチレン−コ−オクテン。ASTM D−1238によって、30g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する。
ロトリルEA35BA40−アトフィナ(ドイツ、デュッセルドルフ(Duesseldorf,Germany))から入手可能な、0.930g/cm3の密度を有する、65部のエチレン:35部のブチルアクリレートの比のエチレンおよびブチルアクリレート(コ−E−BA)。ASTM D−1238によって、40g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する。
ロトリル28MA07−アトフィナ(ドイツ、デュッセルドルフ)から入手可能な、0.95g/cm3の密度を有する、72部のエチレン:28部のメチルアクリレートの比のエチレンおよびメチルアクリレート(コ−E−BA)。ASTM D−1238によって、7g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する。
B.式(I)のビニルシラン
デグッサAG(ドイツ、ハナウ(Hanau、Germany))からダイナシラン・ヴィトモ(DYNASYLAN VTMO)として入手可能なビニル−トリメトキシシラン
C.フリーラジカル開始剤
アトフィナ・ドイッチュラントGmbH(ドイツ、グンツブルク(Gunzburg、Germany))からルペロックス(Luperox)DCSC(5.80〜5.92重量%の活性酸素レベル)として入手可能な、ジクミルペルオキシドまたは2,2−ビス−フェニルプロピルペルオキシド。
D.湿分硬化のための触媒(任意選択)
ジョンソン・マッセイGmbH(Johnson Mathey GmbH)(ドイツ、カールスルーエ(Karlsruhe,Germany))から入手可能な、錫(II)エチルヘキサノエート。
E.熱伝導性充填剤
アルスイス・マルティンスヴェルク・GmbH(ドイツ、ベルクハイム)から入手可能なマグニフィンH5A、Mg(OH)2粉末、ビニルシラン処理。4.0〜6.0m2/gの比表面積(BET)。粒度:d501.25〜1.65μm。
試験方法
破壊電圧、kV
接着テープの破壊電圧をDIN(ドイツ工業規格)EN60243−1によって測定した。結果をkV単位で記録した。
耐電圧、kV/mm
接着テープの破壊電圧をDIN EN60243−1によって測定した。測定された接着テープの厚さのために結果を規準化した。
体積抵抗率、オーム−cm
接着テープの体積抵抗率をDIN(ドイツ工業規格)IEC93によって測定した。結果をオーム−cm単位で記録した。
有効熱伝導率および熱インピーダンス
接着テープの有効熱伝導率および熱インピーダンスをASTM D5470−95(薄い熱伝導性固体電気絶縁材料の熱伝導性質)によって測定したが、以下の変更があった。
a.試験機器
試験装置内で使用された熱源は絶縁銅ブロック(25.4mm×25.4mm)および厚さ3mmであり、一定の電力で電気加熱された。冷却ユニットは、温度が+/−0.2°K以内に均一に維持されるように一定温度の槽から供給された水によって冷却された銅ブロックであった。熱源および冷却ユニットの温度は、試験片の対向する面上に互いにちょうど対向して置かれた薄い熱電対で別々に測定された。熱源の熱電対の先端を銅板の中央に配置した。冷却ユニットの熱電対の先端をブロックの表面付近に配置した。
b.試験手順
有効熱伝導率と熱インピーダンスとの両方について、25.4mm×25.4mmの寸法を有する接着テープ試験片を使用した。
最初に、接着テープ試験片の厚さを23℃において測定した。次に、試験片を、高温側、T1の熱源銅ブロックと低温側、T2においての冷却ユニット銅ブロックとの間の中央に置いた。熱電対を両方の銅ブロックに挿入した。次に、1.75kgの負荷を上方の熱源銅ブロック上の絶縁体上に加えて試験接合体を一体に保持し、接着テープ試験片と銅ブロックとの間の十分な接触を確実にした。
冷却水を冷却ユニットに循環させ、電力を熱源の加熱要素に印加した。熱源と冷却ユニットとの両方の温度を平衡状態において記録した。15分間隔でとられた連続した二組の温度読み取り値が0.2Kより小さい差を有する時に平衡が達せられた。次に、平衡状態の電圧V(ボルト)、および電流I(アンペア)を記録した。
次に、様々な厚さを有する同じ接着テープの試料を同様にして測定し、広い範囲の厚さについて平衡温度を与えた。
c.計算
W/mK単位の有効熱伝導率k
1.熱流Qを印加電力から計算する
Q=V×I、Vがボルト単位の電圧であり、Iがアンペア単位の電流である。
2.有効熱伝導率kを計算する
k=(Q×s)/(A×ΔT)、
Q=ワット単位の熱流
s=メートル単位の接着テープの厚さ
A=平方メートル単位の接着テープの面積
ΔT=T1−T2
結果をW/mKの単位で記録する。
℃−cm2/Wの単位の熱インピーダンスZ
熱インピーダンスZは、接着テープを通る熱束(Q/A)の単位当たりの温度勾配として定義される。
Z=ΔT×(A/Q)、
ΔT=T1−T2
A=平方メートル単位の面積
Q=ワット単位の熱流
R=℃/W単位の耐熱性
℃−cm2/Wの単位で結果をだす。耐熱性RはZ/Aとして定義され、℃/Wの単位で測定される。
弾性率
本発明の接着テープの弾性率の測定をDIN(ドイツ工業規格)53455によって行なう。
前駆物質のレオロジー性質および架橋挙動の評価
充填剤入りポリマーについて6.8〜7.0グラムおよび無充填ポリマーについて3.9〜4.2グラムの重量を有する非架橋前駆物質の試料を円板の形状で試験に使用した。試料円板をγ照射による照射によって硬化させた。湿分硬化の場合、試料円板は、米国、オハイオ州、アクロンのアルファ・テクノロジーズからレオメーターモデルMDR2000として市販されているローターレス振動剪断レオメーター内に配置した。次に、レオメーターチャンバ内で前駆物質の円板試料を加熱することによって、湿分硬化を行なった。前駆物質のレオロジー性質を測定し、時間の関数として記録した。
円板試料をレオメーターチャンバに配置する前に、60Co照射源からの放射線の特定の線量を前駆物質の円板試料に適用することによってγ照射による硬化を行なった。
この試験をASTM D6204−99 ゴムの標準試験方法−ローターレス剪断レオメーターを使用する未加硫レオロジー特性の測定によって行なった。±2.8%の歪および0.5Hzの周波数を使用した。
非架橋前駆物質と湿分硬化触媒とを含む試験材料の、200℃において20分後の弾性トルクS’、またはγ照射の特定線量を受けた後の試験材料の弾性トルクS’をdNm単位で記録した。
熱間硬化試験
この試験の一般的説明は、ケーブル絶縁についてのドイツ工業規格DIN EN60811−2−1(9節、Waerme−Dehnungspruefung)にある。試験される厚さ150μmのフィルムの試料を、DIN(ドイツ工業規格)47/472/602部によって標準ダイ(Normstab2)を用いてバルクフィルムから打ち抜いた。
使用された負荷は10N/cmであった。試験を150℃で行なった。試料を15分間、炉内に置いた後、伸びを測定した。
実施例1
a.ポリマーのシラングラフト
フリーラジカル誘起グラフト反応を行なうために、最初に、ダウ・デュポン・エラストマーズ(スイス、ジュネーブ)からエンゲージ8400として入手可能な、0.870g/cm3の密度、(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)30g/10分のメルトフローインデックスを有するエチレン−コ−オクテンポリマーのペレットを第1の押出機(一軸スクリュー)中に、ビニル−トリメトキシシラン(ポリマー100部当たり2.0重量部のシランの量(または充填剤入り前駆物質の全重量を基準にして0.66重量%)とジクミルペルオキシド(ポリマー100部当たり0.085重量部または充填剤入り前駆物質の全重量を基準にして0.03重量%の量)との混合物と共に導入した。第1の押出機中のポリマーの滞留時間は、約3分であった。
b.グラフトポリマーと熱伝導性充填剤との配合および押出
このように形成されたシラングラフトポリマーを第2の押出機(二軸スクリュー)中に直接に供給し、重量供給装置を用いてアルスイス・マルティンスヴェルク(ドイツ、ベルクハイム)からマグニフィンTMH5Aとして入手可能なシラン処理Mg(OH)2粉末と配合した。水酸化マグネシウムをシラングラフトポリマー1重量部に対して2重量部の量で使用し、前駆物質の全重量を基準にして約66重量%の充填剤を有する前駆物質組成物をもたらした。次に、グラフトされた、充填剤入り前駆物質をペレット化した。
錫(II)エチルヘキサノエートを含む触媒を、ポリマー100部当たり0.2部(または前駆物質の全重量を基準にして0.07重量%)の量で第3の押出機内で前駆物質のペレットと配合し、前駆物質を、200μmの厚さを有するフィルムに押出した。具体的には、一軸スクリュー押出機およびスロットダイをこの熱成形作業のために使用した。押出機内の前駆物質の滞留時間は、フィルム押出プロセスの間、大きな架橋を避けるために5分未満に制限される。実施例1のフィルムの化学組成を表1にまとめる。
c.熱伝導性フィルム裏材の湿分硬化
このように形成された熱伝導性フィルムを試験する前に24時間、23℃および50%の相対湿度に静置し、シラングラフトエチレン−コ−オクテンポリマーの湿分硬化を可能にした。次に、このように調製された熱伝導性フィルムを弾性率、引張および伸び試験によって評価した。架橋されたフィルム裏材の特徴を表2にまとめる。
d.熱伝導性接着テープの作製
最初に、上記の方法によって作製された熱伝導性フィルムを、接着剤層の定着の改良のために両方の主面にコロナ処理した。
次に、感圧接着剤の厚さ20μmの層(転写テープ)を作製するために、96/4の重量比のイソオクチルアクリレートとアクリル酸とのコポリマーを含む溶剤系アクリル感圧接着剤をシリコーン処理ペーパーライナー上にコートし、110℃で乾燥させた。
次に、熱伝導性接着テープを作製するために、このように作製された転写テープをコロナ処理された熱伝導性裏材の各面に積層した。
次いで、接着テープを上述の方法によって試験した。実施例1のテープの電気的および熱的性質を表3にまとめる。
実施例2
実施例2を実施例1と同様に作製したが、ただし、シラングラフトポリエチレンフィルムの湿分硬化を促進するための触媒量を前駆物質の全重量を基準にして0.13重量%まで上げた。実施例1の場合と同様に押出熱伝導性フィルム裏材および接着テープについて試験を行なった。
比較例1
比較例1を実施例1と同様に作製したが、ただし、水酸化マグネシウム充填剤が、前駆物質の全重量を基準にして55重量%の量において存在した。表3に示された接着テープの試験結果は、0.390W/m−Kの有効熱伝導率を示す。
Figure 2007524713
Figure 2007524713
Figure 2007524713
実施例3
エチレンとブチルアクリレートとのコポリマー(エチレン−コ−ブチルアクリレート)を、ロトリル35BA40(ドイツ、デュッセルドルフのアトフィナ)からペレットの形で得た。前記ポリマーは、ASTM D−1238によって190℃で測定した際に40g/10分のメルトフローインデックスを有する。
ジクミルペルオキシド(ポリマー100部当たり0.175部または前駆物質の全重量を基準にして0.057重量%)およびビニル−トリメトキシシラン(ポリマー100部当たり4.7部または前駆物質の全重量を基準にして1.542重量%)を一緒に混合し、次いでペレットに添加し、混合した。次に、混合物を160℃〜220℃の温度で上昇する熱領域を有する一軸スクリュー押出機に供給し、そこにおいて、ポリマー主鎖へのシランのグラフトが、前記ペルオキシドの熱分解によって行なわれ、促進された。
次に、実施例1〜2の場合と同様に、シラングラフトポリマー(100重量部)を170℃の二軸スクリュー押出機内で水酸化マグネシウム(200重量部)と配合した。次いで、グラフトされた充填剤入りポリマーをペレット化した。
次に、触媒を添加せずに前駆物質のペレットを200μmの厚さを有する白色の不透明なポリマーフィルムに押出した。
次に、押出熱伝導性フィルム裏材を架橋するために、前記押出フィルムに、ヘプタンに溶かした5重量%の錫(II)エチルヘキサノエートを含む触媒溶液を噴霧した。前記フィルムを4時間、23℃で静置し、次いで蒸留水で洗浄し、1時間、40℃で乾燥させた。フィルム裏材の化学組成を表4にまとめた。架橋フィルム裏材について行なわれた測定には、厚さおよび弾性率、ならびに弾性トルクS’がある。熱伝導性フィルム裏材の性質を表5にまとめる。
次に、熱伝導性フィルムを両面でコロナ処理した。次いで、実施例1〜2において使用された接着剤と本質的に同じ組成および厚さを有するアクリレート系感圧接着剤の厚さ20μmの層をフィルムの各面に積層し、約250μmの全厚さを有する熱伝導性感圧接着テープを形成した。
次に、接着テープを、熱伝導率および熱インピーダンスなどのその熱的性質、ならびに破壊電圧、耐電圧、有効熱伝導率、熱インピーダンスおよび体積抵抗率などのその電気的性質について測定した。
接着テープの性質を表6に示す。
実施例4
実施例4を実施例3と同様に作製したが、以下の2つの点が異なった。1)グラフト反応において使用されたビニルシランの量をポリマー100部当たり3.45部(または前駆物質の全重量を基準にして1.136重量%)に低減し、2)押出フィルム裏材の厚さを約220μmに増加させた。感圧接着テープを、実施例3の場合と同様に、架橋されたフィルム裏材から作製した。架橋されたフィルム裏材およびそれから製造された接着テープの性質を以下の表5および6にまとめる。
実施例5
実施例5を実施例3〜4の場合と同様に作製したが、ただし、グラフト反応において使用されたビニルシランの量をポリマー100部当たり2.00部(または前駆物質の全重量を基準にして0.662重量%)にさらに低減した。フィルム裏材を約166μmの厚さに押出した。
得られた接着テープは、約206μmの厚さを有した。
比較例2〜3
比較例2および3は、前駆物質および前駆物質の全重量を基準にして60重量%より少ない粒状熱伝導性充填剤を有するポリマーフィルム裏材の挙動を示す。比較例2および3は、ポリマーとグラフト剤(シランおよびペルオキシド)との相対量が変化しないままであるという点で実施例4に似ている。比較例2だけが約40重量%の熱伝導性充填剤を有し、比較例3は充填剤を含まなかった。
本発明の実施例と同じ方法によってグラフトポリマーを押出して架橋し、接着テープに製造した。充填剤のレベルの低減および充填剤の無い場合は、それぞれ、表6にまとめられた接着テープの熱的性質に明らかに反映される。
比較例4
比較例4は、実施例3〜5の場合と同じポリマーおよび充填剤を同じ相対量で使用した。しかしながら、グラフト反応は行なわれなかった。従って、湿分硬化反応によってポリマーを架橋することができなかった。
比較例5および6
2つの実験は、熱伝導性材料の前駆物質中で20より小さいメルトフローインデックスを有するポリマーを使用する効果を示すために行なわれた。
エチレンとメチルアクリレートとのコポリマー(エチレン−コ−メチルアクリレート)は、ロトリル28MA07(ドイツ、デュッセルドルフのアトフィナ)としてペレットの形で得られた。前記ポリマーは、(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)7g/10分のメルトフローインデックスを有する。
比較例5を実施例5の方法と本質的に同じ方法によって作製したが、ただし、もっとより高分子量のロトリル28MA07を架橋性ポリマーとして使用した。ロトリル28MA07は、7g/10分のメルトフローインデックスを有する。30g/10分のメルトフローインデックスを有するポリマーに適したグラフト剤の量およびグラフト条件は、7g/10分のメルトフローインデックスを有する化学的に似たポリマーに適していないことがわかった。得られた押出フィルムは剛性であり、熱伝導性接着テープ用の裏材として使用するために適していなかった。
比較例6を、ロトリル17BA07と水酸化マグネシウム充填剤との50/50wt/wt混合物を用いて作製した。使用されたビニルシランの量をポリマー100部当たり1部(または前駆物質の全重量を基準にして0.985重量%)に実質的に低減し、フリーラジカル開始剤として使用されたジクミルペルオキシドのレベルをポリマー100部当たり0.5部(または前駆物質の全重量を基準にして0.493重量%)に実質的に上げるようにグラフト剤の量が選択された。グラフト反応を行なうことにより、押出フィルムを得ることが可能でない程度まで押出条件下で架橋した塊をもたらした。
Figure 2007524713
Figure 2007524713
Figure 2007524713
実施例6
100重量部のエチレン−ブチルアクリレート(EBA)コポリマー(アトフィナからロトリル35BA40として入手可能)と200重量部の水酸化マグネシウム(ドイツ、ベルクハイムのマルティンスヴェルクからマグニフィンH5Aとして入手可能)とを含む厚さ150μmのフィルムを、二軸スクリュー押出機を用いて冷却鋼ロール上に押出した。このように作製されたフィルムは、30cmの幅を有した。
次に、長さ2メートルのフィルムを、5Mciの最大容量および75kWの電力を有する封入コバルト60源からのガンマ放射線に露光することによって架橋した。フィルムが受けた放射線線量は、60キログレイ(kGy)であった。
次に、試験方法の熱間硬化試験として上に記載された方法によって架橋フィルムを耐熱性について試験した。この試験は、より高度の架橋を有するフィルムがより低い伸びをもたらすということにおいて、ガンマ放射線処理によって起こされた架橋度の指標を与える。
試験は、厚さ150μmのフィルムが、試験方法によって要求されるように10N/cmの負荷下で15分間、150℃に暴露された後に30%の伸びを有することを示した。結果を表7にまとめる。
次に、実施例1(d部)に記載された手順によって熱伝導性接着テープの作製のために、照射されたフィルムを裏材として用いた。
実施例7および8
実施例7および8の総線量がそれぞれ、120kGyおよび150kGyであるまで厚さ150μmのフィルムを放射線に露光したことを除き、実施例6を繰り返した。実施例7および8のフィルムを熱間硬化試験によって試験し、実施例7について15%の伸びおよび実施例8について16%の伸びが得られた。
比較例7〜9
照射されない非架橋フィルム(比較例7)を、上記の試験方法に記載したように熱間硬化試験によって、ならびに弾性トルクS’について測定した。
30kGyおよび45kGyだけの比較的低い放射線線量にそれぞれ(比較例8および9)露光することによって起こされた低レベルの架橋を有するフィルムは試験中に伸長し、数秒後に裂けた。
Figure 2007524713
20分間、200℃の温度に暴露される間の本発明の実施例3および4の前駆物質の弾性トルクS’の変化を示す。

Claims (29)

  1. a)(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)ポリマーまたはポリマーの混合物のメルトフローインデックスがそれぞれ10〜100g/10分である、1つ以上の架橋性ポリマーと、
    b)前駆物質の全重量の少なくとも60重量%の量の1つ以上の熱伝導性充填剤と、を含む、熱伝導性材料の熱成形性でかつ架橋性の前駆物質。
  2. 前記架橋性ポリマーがポリオレフィンおよびポリウレタンからなる群から選択される、請求項1に記載の前駆物質。
  3. 前記架橋性ポリマーが、少なくとも30重量%のエチレン単位を有するポリオレフィンである、請求項1または2に記載の前駆物質。
  4. 前記ポリオレフィンが、エチレンと(メタ)アクリレートエステルとのコポリマーを含む群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の前駆物質。
  5. 前記架橋性ポリマーの少なくとも1つが1つ以上の湿分硬化性基を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前駆物質。
  6. 前記湿分硬化性基がシラン基を含む、請求項5に記載の前駆物質。
  7. 前記架橋性ポリマーが、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマーを式RR’SiY2(I)(Rが一価のオレフィン性不飽和基であり、R’が脂肪族不飽和を含有しない一価の基であり、Yが加水分解性有機基である)の1つ以上のビニルシラン化合物、およびフリーラジカル開始剤と反応させることによって得られる、請求項5または6に記載の前駆物質。
  8. 前記ビニルシラン化合物(I)が、架橋性ポリマー100部当たり少なくとも2部の量で使用される、請求項7に記載の前駆物質。
  9. 前記フリーラジカル開始剤が、有機過酸化物および有機過酸エステルからなる群から選択される、請求項7または8に記載の前駆物質。
  10. 前記フリーラジカル開始剤が、架橋性ポリマー100部当たり少なくとも0.1部の量で使用される、請求項9に記載の前駆物質。
  11. 前記湿分硬化性基を湿分硬化するための触媒を前記前駆物質の全重量を基準にして0.05重量%より多い量で含む、請求項5〜10のいずれか一項に記載の前駆物質。
  12. 前記熱伝導性充填剤が、アルミナ、酸化アルミニウム、三水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の前駆物質。
  13. a)(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)ポリマーまたはポリマーの混合物のメルトフローインデックスがそれぞれ10〜100g/10分である、1つ以上の架橋性ポリマーを提供する工程と、
    b)前記ポリマーを前駆物質の全重量の60重量%の量の1つ以上の熱伝導性充填剤と加熱混合装置内で配合する工程と、を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の前駆物質の製造方法。
  14. a)(ASTM D−1238によって190℃で測定した際に)ポリマーまたはポリマーの混合物のメルトフローインデックスがそれぞれ10〜100g/10分であり、前記ポリマーの少なくとも1つが、少なくとも30重量%のエチレン単位含有量を有する1つ以上の架橋性ポリマーを提供する工程と、
    b)前記ポリマーを式(I)(Rが一価のオレフィン性不飽和基であり、R’が、脂肪族不飽和を含有しない一価の基であり、Yが加水分解性有機基である)のビニルシラン、およびフリーラジカル開始剤と加熱混合装置内で反応させて湿分硬化性ポリマーを製造する工程と、
    c)前記湿分硬化性ポリマーをそれぞれ、少なくとも60重量%の量の1つ以上の熱伝導性充填剤と加熱混合装置内で配合する工程と、を含む、請求項7〜12のいずれか一項に記載の前駆物質の製造方法。
  15. a)請求項1〜12のいずれか一項に記載の前駆物質を提供する工程と、
    b)前記前駆物質を所望の形状に熱成形する工程と、
    c)前記前駆物質を架橋する工程と、を含む、造形された熱伝導性材料の製造方法。
  16. 架橋がγ照射を適用することによって行なわれる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記γ照射が50keV〜25MeVのエネルギーを有する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記γ照射が、少なくとも50kGyの線量で前記前駆物質に適用される、請求項16または17に記載の方法。
  19. 架橋が湿分硬化によって行なわれる、請求項15に記載の方法。
  20. 前記前駆物質が押出によってフィルムの形状に熱成形される、請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法によって得られる、熱伝導性材料。
  22. フィルム裏材の主面の少なくとも一方に接着剤層を支持するフィルム裏材を少なくとも含み、前記フィルム裏材が、請求項1〜12のいずれか一項に記載の前駆物質をフィルムの形状に押出して前記フィルムを架橋することによって得られる、接着テープ。
  23. DIN EN60243−1によって測定した際に少なくとも55kV/mmの耐電圧を有する、請求項22に記載の接着テープ。
  24. ASTM D5470−95によって測定した際に少なくとも0.4W/m−Kの有効熱伝導率を有する、請求項21〜23のいずれか一項に記載の接着テープ。
  25. 300μmより小さい厚さを有する、請求項21〜24のいずれか一項に記載の接着テープ。
  26. 前記フィルム裏材の架橋熱伝導性材料が、ASTM D6294−9によって測定した際に5dNm〜8dNmの弾性トルクS’を有する、請求項21〜25のいずれか一項に記載の接着テープ。
  27. 前記接着剤が感圧接着剤である、請求項21〜26のいずれか一項に記載の接着テープ。
  28. 2つの基材の間の熱伝導性を提供するための、請求項21〜27のいずれか一項に記載の接着テープの使用。
  29. 2つの基材間の結合関係で請求項21〜27のいずれか一項に記載の接着テープを含む接合体。
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