JP2007523708A - 組織の間質凝固のための装置(発明の説明)請求項1の前文(一般的特徴)によると、本発明は組織間質凝固のための装置に関するものである。 - Google Patents

組織の間質凝固のための装置(発明の説明)請求項1の前文(一般的特徴)によると、本発明は組織間質凝固のための装置に関するものである。 Download PDF

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Abstract

本発明は、組織に高周波電流を伝えられるように少なくとも一つの電極を備えた、組織の間質凝固のための装置に関するものである。該装置はさらに、組織の処置がより均一に分布して行われるように構成されている。該電極は様々な拡張状態に拡張することが可能な立体的な本体として構成されるか、あるいはこのような本体に接着しているため、連続的あるいは段階的な本体の拡張によって、該電極は凝固中、組織と一定の電気的接触を保つことが可能となる

Description

高周波外科手術では、特に内視鏡適用の領域において、高周波手術用機器(すなわち高周波ユニット)から、電気エネルギーを処置しようとする特定の組織部位へ送ることができる様々な装置が知られている。
組織と接触することで直接的にエネルギーを加えることができる電極が知られている。しかしながら、これらは状況次第では、(組織が)炭化される、すなわち、燃えて完全に壊れてしまうほど組織が加熱されてしまう問題を起こる。
このような電極に関する別の問題としては、該電極が組織に粘着してしまう事である。これが起これば、電極を取り除く際に組織が引きちぎられてしまうだろう。粘着の危険性を軽減するために、電極はしばしば適切な物質でコーティングされる。このような電極は例えば、文献DE199−41−105−C2で知られている。
上述の問題は、特に、例えば肝腫瘍の凝固のような間質凝固に関わる場所で生じる。なぜなら、このような場合、電極は処置しようとする組織に、例えば穿刺することで挿入され、その結果周囲の組織に完全に取り囲まれるためである。組織が焼かれる危険性または電極に粘着されるという危険性、もしくはその両方の危険性はここで特に高い。それが起こる場合、電極と組織の接触における両者の間には高い抵抗が生じるため、均等な失活はもはや不可能である。つまり、組織は均等に凝固されないということである。
もう一つの解決の難しいのは、間質凝固の間に組織が縮む(乾ききる)ことであり、そのために電極を組織に並置することができなくなる。腫瘍が乾燥した結果、電極と処置される組織との間に生じる間隙により電極と組織間との接触抵抗が増加するので、電気エネルギーを取り入れることができる範囲が限られてしまう。これはまた、不均一な凝固をもたらすか、または何の凝固効果も生じないことになる。
例えば、文献US−5−090−105−Aより、除去装置は処置しようとする組織に挿入する誘導電極を含むことが周知である。誘導電極の内部には追加電極が配設されるが、この追加電極は、挿入がいったん終了すると誘導電極から押し出すことが可能であるので、組織内の配置が可能である。この(追加)電極は記憶合金製であり、あるレベルより高い温度で緊張状態となる。誘導電極の外部にあるとき、これらの電極は凝固処置の間それぞれの原形にまで拡張しやすく、したがって周囲の組織を穿刺する。今述べた器具を用いても、上で議論した問題はより起こりやすい。その上、この種類の電極の配置が一定の凝固量を達成するのは特に困難となる。なぜなら、電極はそれらを拡張させようとする本質的な力のみにより、思うとおりに組織を穿刺することができないためである。
本発明の目的は、組織をより均一に処置できるような、組織の間質凝固のための装置の開発にある。
本目的は請求項1に記載された、組織の間質凝固のための装置により達成される。
特に本目的は、高周波凝固電流を組織へと伝えることが可能な少なくとも一つの電極を含んだ、組織の間質凝固のための装置により達成される。当該電極は、凝固中、連続的あるいは段階的な本体の拡張によって該電極が組織と一定の電気的接触を保つことが可能となるようにそれ自身が異なる大きさに拡張可能な立体的な本体として構成されているか、あるいはこのような本体に結合しているかのどちらかである。
本発明の要点はこの本体にある。すなわち、電極自身、あるいは電極が配設される拡張可能な本体を非拡張状態で処置しようとする組織へ挿入することが可能であり、さらに凝固の間、凝固の度合い、すなわち定義された状態に応じて制御的に電極を拡大することが可能である。したがって、凝固の間、この本体は、概して電極から離れていく処置組織の後を追随するように構成され、またそれを動かすことが可能である。本体の拡張は、自動的に起きたり、手動で引き起こされたりすることができ、また凝固の度合いを表す検出パラメーターに基づいて行われることができる。制御された凝固が均一的な組織を失活させることができる。さらに、電極が継続的に拡張するにつれて、凝固が行っている間に処置した組織を伸ばす牽引力を発生するため、この様相自体が均一な凝固を確実にするといえる。
間質凝固のための装置は、例えば、組織の穿刺に適した付属部品を用いて処置しようとする組織へ挿入することも可能であるか、あるいは、装置そのものが組織を穿刺できるように構成されている。本装置は直接的適用あるいは内視鏡的使用のために設計されうる。
本発明の最初の好ましい実施の形態において、制御装置は本体の拡張の度合いを凝固電流に応じて調節するために提供される。制御装置は好ましくは高周波手術用機器に組み込まれているが、あるいは外部コンポーネントとして提供されることもできる。制御装置はさらに装置、すなわち原則的には電気手術用機器、に組み込まれており、そして、凝固の度合いを反映する多様なパラメーターを検出するように設計されていて、この場合は凝固電流を検出する。それゆえに、例えば、上述した電極と組織間の間隙構造のために増大する接触抵抗を、その結果として減少する凝固電流の低下を検出することで測定することが可能である。また、制御装置は、検出パラメーターに応じて本体の拡張度合いが変化するように、検出パラメーター、つまり検出電流強度、に基づいて本体が制御できるように設計されている。したがってこの場合、本体は間隙が閉じるまで拡張するため、引き続く行う凝固処置に必要な電極と組織間の電気的接触を保つことが可能である。それ故に、どの段階の凝固においても最良の凝固結果が保証される。
もう一つの方法として、検出した値(この場合は検出した電流強度)に関する情報を、例えば画像表示の方法によって利用可能にするように制御装置を構成することが可能である。そして、この情報に基づき、オペレーターは手動で本体の拡張を制御することができる。
制御装置は好ましくは、凝固電流を測定しそしてその測定値を制御装置へ送信する、変換器とともに提供される。例えば当該分野で知られているような電流モニターを用いて、電流の確実な評価を行うことも可能である。
また、間隙が形成し始めることは圧力測定により検出できる。このために、例えば目的の組織が電極に対して作用する圧力を測定するように測定値変換器を組み込む制御装置を設計する。また、この圧力が特定の閾値より下がる場合、電極と組織間が適した距離を保つのに十分なほど電極が拡張するように本体は制御されるべきである。この場合、測定値変換器は好ましくは電子圧力センサーである。また、磁場における変化を電極のエクスカージョンの機能として検出する、ホール効果センサーを採用することも可能である。
さらに、凝固電流が電極に作用している圧力と同時に測定されるとき、組織が望まれない程度にまで焼けるかどうか、あるいは電極の粘着が生じるかどうかについて予測することが可能である。つまり、適した圧力が測定されるが、電流が同時に減少するならば、電流強度の減少は電極と組織間に間隙が形成されたためではないと結論づけられるべきである。
二番目の好ましい実施の形態において、制御装置は電極と組織間の凝固電流を特定の電流密度に設定することが可能であるように設計および配設されている。立体構造した本体の拡張の各段階において、特有の電極表面領域が形成される。一定の電流強度だと仮定すれば、電流密度は電極の範囲が広くなるために本体が拡張するにつれて徐々に減少する。それ故に制御装置は電流密度を最良の凝固結果をもたらす数値に調節するために用いられ、引き続いて電流強度が調節されるので、電極表面が増加するときであっても最良の凝固結果が凝固過程で常に保証される。この電流強度の調節は自動的あるいは手動で行われる。
測定した電流密度および、必要であればそれに続く凝固電流の制御は、本体の拡張段階の指標を提供し、したがって凝固の程度の指標も提供する。電流密度が前もって指定した閾値より下がるとき、定義した標的組織領域の凝固は完了している。凝固を継続するためには本体は拡張しなければならず、新たな凝固を電流密度の変化によって再び観測することが可能となるだろう。また、適切な電流強度の調節は手動で行うことができる。しかしながら、電流強度を自動的に設定するような制御装置を設計することも可能である。
制御装置は好ましくは、本体の拡張状態に関わらず、独立して電流密度の調整が可能なように設計される。したがい、異なる種類の組織あるいは凝固の段階に応じて異なる凝固の強さを用いることが可能である。例えば、もし予想外の出血が起こった場合、電流密度を増加させることでより強い凝固を引き起こすことができる。
本発明による一つの解決案は、本体の拡張状態を測定する測定装置を提供することである。したがって、もし拡張が自動的に制御されるならば、凝固の程度についていつでも結果が得られる。例えば、拡張の状態を画面表示によって出力することが可能である。本体が手動で拡張するとき、オペレーターはこの画面に従って調節を行うことができる。ここで測定装置としては上述の測定値変換器を採用することができる。
好ましくは、装置の電極部分が、導電性の液体を処置用電極へと供給する液体供給装置と同様に、液体に対して少なくともある程度の透過性があって組織部分と接触させることができるような処置用電極を含んでおり、また、処置用電極を通して高周波処置電流が液体に伝えられるように、処置用電極へと高周波凝固電流を送るための電流供給装置も含んでいる。それ故に好ましくは構成される器具は、非拡張状態で組織に挿入することができ、凝固処理の中で縮小していく凝固組織を電極自身が拡大することによって追随できるという拡張可能な中空の本体を含む。同時に、組織を取り除くことに加えて、本デザインは液体によって電流を伝えることで電極の組織への接着を効果的に防ぐという利点がある。液体、つまり溶液(例えばリンガー溶液あるいは純粋な食卓塩水、)の電気伝導性により、処置する組織部位に高周波電流が到達する。処置の間、溶液は同時に組織を冷却するので、溶液の沸点より熱くなることはほとんどない。
一つの好ましい実施の形態において、該処置用電極が、内部空間が配設される内側、すなわち組織と反対側の面、に伸縮自在あるいは折り畳みが不可能な表面構成要素を含んでなり、該内部空間の内圧の増加により表面構成要素が拡張されることができる。
この表面構成要素により電極と処置する組織との間の接触が均一に広がり、また、失活が均一となる電極―組織間の電気的接触の維持が容易となる。凝固中に望まれる、本体(この場合は表面構成要素)の拡張は内部空間の圧力を高めるという最も簡単な方法でなされる。
好ましくは、表面構成要素は輪あるいは球の形状をしている。また、処置用電極は例えばバルーン・カテーテル様の形、すなわち手術者にとって既に良く知られている形態で構成されうる。
本発明の一つの実施の形態において、内部空間は導電性溶液で満たされる。それ故にこのアレンジメントでは、導電性溶液は同時に表面構成要素を伸ばす/膨張する内圧を発生させる媒体として働く。この場合処理用電極は、導電性溶液の流れに対するそれ自身の抵抗が、一方では内圧を確立可能なくらい十分に大きくなるように設計されるが、その一方では表面に出てくる液体の量が安定した電気的接触をもたらすのに十分であるくらい抵抗が大きくなるように設計される。このため、処置用電極は必要量の液体の流れを可能にするために、フィルム、布、あるいは織布を組み込む。どのような場合であれ、処置用電極が耐熱性素材、特にテトラフルオロエチレン素材から実質的に構成されることは利点である。
好ましくは導電性溶液が、目的の治療に有害などんな副作用もなしに導電性溶液の粘性を変えるためにポリビニル・ピロリドン(PVP)、界面活性剤、あるいは同様の物質を含む。
拡張可能な電極中に拡散する液体を採用することは、電極表面そのものも導電性でありえる可能性を排除するものではない。一つの起こり得る実施の形態は、例えば、金属粒子を組み込むことにより伝導性となるエラストマーで電極ができている。
水圧により導電性溶液から分離される拡張可能で補助的な本体を、内部空間に含むようなアレンジメントにより、内圧は液体が処置用電極を通るときの圧力とは無関係に作られる。その結果、極端な拡張の際でもそれほど多くの導電性溶液は表面に出てこないことが保証される。特に、表面構成要素は数層で構成されうるため、液体は内層では表面方向へ少ない抵抗で流動し、その一方、外層では表面方向に対し垂直に流れる。このようなアレンジメントは比較的簡単に作ることができる。液体出力の均一性を増すために、流動に対しより大きな抵抗がある分離層を、内層と外層の間に置く。
いかなる場合でも電流は、電気抵抗が小さい伝導体(例えばワイヤー)により、処置用電極にできるだけ近い場所で導電性溶液に伝えられる。
必然的に過剰に表面に出てくる導電性溶液に起因する問題を回避するために、本発明の一つの好ましい実施の形態においては、過剰の液体を吸い取る吸引装置を提供する。
電気手術用機器(すなわち該装置)は、処理する組織(すなわち患者)がもう一方の電位に置かれている一方で、電流供給リード線を一つだけ備えた単極の凝固機器として構成されうる。本発明のもう一つの好ましい実施の形態において、原則として全く同じ2つの電極を用いることによる双極性の適用も採用されうる。つまり、処理用電極は、それぞれが電気的に分離されそれ故に双極性電極を形成する、少なくとも2つのセクションで構成されるため、患者に中性電極を付ける必要がない。
好ましくは、電極は切開電流を適用できるように構成される。これにより電極を腫瘍に挿入する際に癌細胞が放出される危険性が軽減される。
本発明のさらなる実施の形態は、従属クレームから明らかとなるだろう。
以下の説明では、同じ部分あるいは同じ作用を備えた部分には同じ参照番号を用いる。
図1で機能ブロック図は間質凝固のための装置を備えた高周波手術アレンジメントを示す。ここで、間質凝固のための装置40を含む、本発明の説明に重要なこのような高周波手術アレンジメントの構成要素を図式的に示す。
単極性のアレンジメントにおいて、高周波発生器2より発生した高周波電流は、電気手術機器40(この場合は間質凝固のための装置)に送られ、この機器40は活性電極10(例えば単極性凝固電極)を通して処理する組織へ電流を適用する。この過程において、電流は患者の体内を通って中世電極Nへと伝わり、そこから高周波発生器2へ戻る。双極性のアレンジメントでは、電気手術機器の2つの電極間を電流が通るためにどんな中世電極も必要ではない。
高周波手術装置1は、指あるいは足で動作するスイッチング装置(図に示さず)が連結している入力コネクター6を含む。これらのスイッチング装置は高周波電流を活性化および/あるいは不活性化することができる。ここで好ましい実施の形態においては、スイッチング装置はコンピューターアレンジメントである。高周波手術装置1は出力側では、関連する中世電極Nと連結するために、単極性凝固機器40に一番目の出力コネクター7、および2番目の出力コネクター8を備える。双極性の電気手術機器(図に示さず)が高周波機器1に連結することも可能である。実用的には、高周波手術機器は通常、単極性あるいは双極性電極のために異なったコネクターで設計される。中世電極Nを図式的に示すが、実際には患者の身体の部分を完全にカバーする。
高周波電圧を発出して電気手術機器40の凝固電極10に高周波電流を伝えるための制御可能な高周波発生器2が高周波手術装置1の中心にある。電気手術機器40の電極10を制御するために、高周波発生器2は制御装置3に連結している。制御装置3と関連付けられる測定値変換器4も同様にここに示すが、この変換器は、例えば電極10および組織間の接触抵抗のような凝固の程度の尺度となる様々なパラメーターを検出するために提供される。
電気手術機器40、すなわち該装置は、高周波凝固電流を組織に伝えることが可能な少なくとも一つの電極10を備えて構成される。持続的あるいは段階的な本体の拡張により、電極10が凝固の間、組織と一定の電気的接触を保つように電極10は様々な拡張状態に拡張可能な立体的な本体として設計されているか、あるいはそのような本体に付属している。
拡張可能な電極10、あるいは電極10が付いている拡張可能な本体14が構成され、これらは処置する組織に非拡張状態で挿入されるように動作しうる。そして、凝固(特に間質の)処理の間、電極は、電極から離れていくように縮む組織を制御された方法で追随するように拡張する。この処理において、本体の拡張は自動的あるいは手動的に行われ、凝固の程度を表す検出パラメーターに依存している。凝固がコントロールされることにより、均一な組織の失活が可能となる。
拡張可能な本体10および14を備えた間質凝固のための装置は、例えば、組織の穿刺に適した挿入装置(図に示さず)による組織への挿入が可能である。しかしながら、装置40はそれ自体が組織の穿刺が可能なように構成されることもできる。装置40は直接的な採用、あるいは内視鏡的な適用のために設計されている。
電気手術機器40および関連する電極についての特別な実施の形態は、図2から図5を参照することでより詳細に説明される。
間質凝固の間に組織は乾燥し、そしてその結果、凝固のために縮小する。したがい、電極10は処置している組織との接触がつづけられず、また、この間隙の形成により電極10と組織の間の接触抵抗が増加する。この結果、凝固電流の強さは減少する。
ここで制御装置3をこの電流強度の減少を検出し、そして本体10、14が組織を追随するように拡張することで、電気手術機器40を制御するように設計する。それ故にこの場合、本体10、14は間隙が閉じるまで拡張するので、電極10と組織の間の電気的接触を凝固処理が続くのに必要なように保つことが可能である。それゆえに、凝固のどの段階においても最良の凝固結果が保証される。検出された電流値は、例えばディスプレー5などにより出力されるので、手術者は電流の強さの減少を視覚的にモニターできる。また、この情報が入手できる場合、手動の制御でも本体10、14の拡張を行うことができる。
代わりに、制御装置3に連動する測定値変換器4が例えば接触抵抗値そのものなどの凝固の程度を表す他のパラメーターを検出することも可能である。
間隙形成の開始は圧力測定により検出できる。このため制御装置3は、例えば、標的の組織が電極10に対して発した圧力を測るように構成されている。そしてこの圧力が前もって指定した閾値を下回る場合、本体10、14は、電極10と組織との間で最適な距離を保つくらい十分に拡張するように制御される必要がある。この場合、測定値変換器4は好ましくは電子圧力センサーとして構成される。ホール効果センサーを採用することも可能であり、このセンサーは電極エクスカージョンに依存した磁場における変化を検出する。
制御装置3もまた、電極10と組織間の凝固電流がある特定の電流密度を得るように調節できるように設計され配置される。拡張の各段階における立体的な本体10、14が特定の電極の表面を説明する。もし電流の強さが一定であるならば本体10、14が徐々に拡張するにつれて電流密度は減少する。なぜなら電極の表面積が増加するためである。それゆえに最良の凝固結果に必要な電流密度を設定し、それに従って電流強度を変更するのに制御装置を用いることができるため、電極表面が大きくなっていったとしても各凝固処理で最良の結果が保証される。
ここでまた、電流の強さの調節は自動および手動の両方で行うことができる。電流密度は結局のところ本体10、14の拡張の状態を反映するため、執刀医は例えば電流密度を下げるために本体10、14の拡張を促すことが可能である。
組織の種類、凝固の段階および/あるいは深刻な出血のような予想外の事態の違いも考慮するため、制御装置3は、拡張の状態に関わらず電流強度および/あるいは電流密度を調節することができるように設計されている。例えば、より強い凝固が必要であれば、拡張の状態に関わらず電流密度を上げることにより対応できる。
測定装置が本体10、14の拡張状態を検出するために提供される際には、この情報は例えばディスプレー5などの好ましくは視覚的なディスプレーによって入手可能となりうる。本体10、14の拡張が手動的に引き起こされるならば、手術者はディスプレー5を参照することにより最適な調節を行うことができる。測定装置は、上述の測定値変換器で具体化されるか、あるいは独立した機器として提供されうる。
図2から図5は間質凝固のための様々な種類の装置40を示している。図においてこれらは内視鏡のワーキングチャンネルに組み込まれるように設計されている。また、内視鏡は処置する組織の穿刺を可能とするように設計されなければならない。しかしながら、機器をそれら自体が穿刺に適すように設計することも可能である。
図2に示すように、本装置は処置用電極10を含み(ここでは拡張状態で示す)、全体として実質的に伸縮可能な表面構成要素11として構成される。柔軟性のある、あるいは硬い供給チューブ20により、例えばリンガー溶液あるいは食卓塩溶液などの導電性溶液(矢印で示した)を、供給チューブ20を通して処置用電極10の内部空間13へ入れることができる。ここで、伸縮可能あるいは折り畳み不可能な表面構成要素11は、内部空間13に入った液体が処置用電極10を通り伸縮性表面構成要素11の内部12から外部へ通過できるという、十分な浸透性を持つ。
内部空間13内には、ワイヤーの形状をした供給電極30があり、処置用電極10の先端で電気絶縁先端部9によって処置用電極10に機械的に連結している。供給電極30は高周波発生器(ここでは示さず)に連結している。
間質凝固を行うため、例えば腫瘍に電極を挿入するために、例えば、前もって処置すべき部位に設置された内視鏡のワーキングチャンネルを介して装置全体が押しこまれる。このようにして設置される間、表面構成要素は図2に示すような膨らんだ状態よりもまだ潰れた状態である。機器の先端は、とげのように前方へ動いて組織を横へ押しのけることができるように構成されている。標的の組織へ向かう途中、できるだけ少ないダメージで他の組織構造を通過しなければならないとき、この構造は有利である。また、標的の組織での位置決めのために高周波切開電流を電極に適用することは有利でありうる。これにより電極を腫瘍に挿入する際に癌細胞が放出する危険性を軽減できる。さらに電極は機械的張力がないので正確に位置決めされる。電極の位置が決まるとすぐに、処置用電極10、すなわちその伸縮性の表面構成要素11、が拡張するために圧力を調節する過程で、導電性溶液(例えばリンガー溶液)を図2に矢印で示した方向で供給チューブ20に通した。ここで腫瘍をその内部の外側から凝固するため、液体を介して凝固電流を処理する組織へ流しその組織を失活するように、高周波発生器2を作動した。導電性溶液は継続して供給され、伸縮性の表面構成要素11を通して表面に出てくるため、液体の膜(あるいはクッション)が伸縮性の表面構成要素11および処置される組織との間に常に存在することが保証される。この液体は高周波電流を伝えるのに役立つ一方で、組織の表面を冷やし、組織が処置用電極10に接着するのを防いでいる。凝固の過程で、表面構成要素11は徐々に拡張し、上述のように再処理する組織を追随する。
上述の本発明の実施の形態において、高周波電流は単極性のアレンジメントで供給される。それゆえに中世電極Nを反対極として患者に置く。図3に示した本発明の実施の形態は、図2に示した実施の形態とは機器が全体として双極性の構成であるという点において異なっている。このため図2(同軸)における電極と類似したアレンジメントであり、対応する伸縮性の表面構成要素11、11’を備えた2つの処置用電極10、10’を提供する。2つの処置用電極10、10’および伸縮性の表面構成要素11、11’の存在に応じて、2つの供給チューブ20、20’および2つの供給電極30、31があるため、内部空間13、13’は互いに独立した圧力のもとにあり伸縮性の表面構成要素11、11’はそれぞれ異なった程度に拡張が可能である。
図4に示す実施の形態は、完全に防水性で弾力のある伸縮可能な補助本体14により、処置用電極10の内部空間13が閉じられるという点で前述の実施の形態とは異なる。伸縮性の表面構成要素11は図5に示すように内層15を含む数層からなり、導管20’から供給された導電性溶液は内層15を通って流れに対し比較的抵抗が低い表面方向へ動く。その外側においては、主に表面に対し垂直方向に液体を誘導する外層16に処置用電極10が位置する。内層15と外層16の間は分離層17であり、流れに対し内層15よりも高い抵抗があるが、それでもなお、液体は内層15から外層16に移動可能である。同時に、ここで示す本発明の実施の形態はこの分離層17が導電層であり、供給電極30により電気的接触にある。それ故にこのアレンジメントにおいて処置用電極10および伸縮性の表面構成要素11は補助的本体14により拡張されうる。またこの場合、液体だけでなくガスも拡張に用いることができる。そして拡張の状態に関わらず、導電性溶液は供給され内層15に均一に広がる。表面に現れる液体量は導電性溶液を供給する圧力によってのみ測定されるので、処置用電極10の拡張には依存しない。
この実施の形態において、処置用電極10の近くに吸い込み口23を伴った吸引チューブ22を追加で提供する。この吸入チューブ22により過剰な導電性溶液を吸いだすことが可能である。
上述から、記載された特性もまた様々な実施の形態で組み合わせられることが明白であろう。例えば吸引チューブは本発明の全ての実施の形態で提供されうる。同様に、図2に示した実施の形態については補助的本体14を採用することも可能である。
この際、上で説明された各部分のすべて、特に図に示した詳述は、単独あるいはどんなコンビネーションであるとしても本発明に不可欠であるとして請求されることが指摘されるべきである。そしてそれらの変形は当分野の技術者に周知である。
図1は間質凝固のための装置を備えた高周波手術アレンジメントを示す機能ブロック図である。 図2は部分的に断面および透視画法で該装置の最初の実施の形態を示した。 図3は縦断面図で該装置の2番目の実施の形態を示した。 図4は縦断面図で該装置の3番目の実施の形態を示した。 図5は図4におけるV領域の拡大断面表示を示すものである。
符号の説明
参照数字のリスト
1 高周波装置
2 高周波発生器
3 制御装置
4 測定値変換器、測定装置
5 ディスプレー
6 入力コネクター
7 一番目の出力コネクター
8 二番目の出力コネクター
9 末端部
10 電極、処置用電極
11 伸縮性の表面構成要素
12 内部
13 内部空間
14 補助的本体
15 内層
16 外層
17 分離層
20 供給チューブ
22 吸引チューブ
23 吸い込み口
30 供給電極
31 供給電極
40 装置、電気手術機器
N 中性電極

Claims (15)

  1. 組織内に高周波電流を伝えるように少なくとも一つの電極(10)を備え、該電極(10)が様々な拡張状態に拡張することが可能な立体的な本体として構成されるか、あるいはこのような本体(14)に結合される組織の間質凝固のための装置であって、連続的あるいは段階的な該本体(10、14)の拡張により該電極が凝固過程中組織と一定の電気的接触を保つことが可能となるような組織の間質凝固のための装置。
  2. 凝固電流に依存して、該本体(10、14)の拡張状態を制御するために制御装置(3)が提供されることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  3. 電極(10)と組織間の凝固電流の電流密度の調節を可能になるように、該制御装置(3)が配設および構成されることを特徴とする、前請求項の一つに記載で特に請求項2に記載の装置。
  4. 該制御装置(3)が本体の拡張状態とは無関係に電流密度の調整が可能なように設計されることを特徴とする、前請求項の一つに記載で特に請求項3に記載の装置。
  5. 測定装置(4)が本体(10、14)の拡張状態を測定するために提供されることを特徴とする、前請求項の一つに記載の装置。
  6. 導電性溶液を処置用電極(10)へと運ぶ液体用の供給装置(20)と同様に、液体に対して少なくともある程度の透過性があって、組織部分と接触させることができるような処置用電極(10)と、該処置用電極(10)を通して高周波処置電流を液体に伝えられるように、高周波凝固電流を該処置用電極(10)へ送るための電流供給装置(30、31)とを含むことを特徴とする、前請求項の一つに記載の装置。
  7. 該処置用電極(10)が、内部空間(13)が配設される内側(12)、すなわち組織と反対側の面、に伸縮自在あるいは折り畳みが不可能な表面構成要素(11)を含んでなり、該内部空間の内圧の増加により表面構成要素(11)が拡張されることができることを特徴とする、前請求項の一つに記載で特に請求項6に記載の装置。
  8. 表面構成要素(11)が輪あるいは球状の形をしていることを特徴とする、前請求項の一つに記載で特に請求項7に記載の装置。
  9. 該処置用電極(10、10’)がバルーン・カテーテルの形状で構成されることを特徴とする、前請求項の一つに記載で特に請求項6ないし8の一つに記載の装置。
  10. 該内部空間(13)が導電性溶液で満たされうることを特徴とする、前請求項の一つに記載で特に請求項7ないし9の一つに記載の装置。
  11. 該導電性溶液が、ポリビニル・ピロリドン(PVP)、界面活性剤、あるいは導電性溶液の粘性を変える同様の手段を含むことを特徴とする、前請求項の一つに記載で特に請求項6ないし10の一つに記載の装置。
  12. 該処置用電極(10、10’)がフィルム、布、あるいは織布を含み、好ましくは耐熱性素材、特にテトラフルオロエチレン素材でできていることを特徴とする、前請求項の一つに記載で特に請求項6ないし11の一つに記載の装置。
  13. 該内部空間(13)が、水圧により導電性溶液から分離された拡張可能な補助的な本体(14)を含むことと、好ましくは表面構成要素(11)が特に、液体が内層(15)では表面方向へ流動し、その一方外層(16)では表面方向に対し垂直に流れるような数層で構成され、さらに、好ましくは内層(15)と外層(16)の間に液体の流動に対してより大きな抵抗がある分離層(17)を配設することとを特徴とする前請求項の一つに記載で特に請求項7ないし12の一つに記載の装置。
  14. 液体(過剰の)を吸い出すための吸引装置(22、23)を特徴とする、前請求項の一つに記載の装置。
  15. 該電極(10)を切開電流が適用可能なように構成することを特徴とする、前請求項の一つに記載の装置。
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